JP2017035671A - 希土類金属吸着剤、希土類金属吸着装置及び希土類金属吸着剤の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】多量の有機溶剤を使用することなく、水中に含まれる希土類金属を効率よく吸着することができる、希土類金属吸着剤、希土類金属吸着装置及び希土類金属吸着剤の製造方法を提供する。【解決手段】実施形態の希土類金属吸着剤は、担体と、下記式(1)又は(2)で表される基とを持つ。下記式(1)又は(2)で表される基は前記担体の表面に結合している。式(1)中、nは2〜4の整数を表す。≡Si−(CnH2n)−NH−COCH2OCH2COOH (1)−CH(OH)−CH2−NH−COCH2OCH2COOH (2)【選択図】なし
Description
本発明の実施形態は、希土類金属吸着剤、希土類金属吸着装置及び希土類金属吸着剤の製造方法に関する。
希土類金属(レアアース)は、枯渇することはないものの政策上の観点から供給が不安定である。このため、希土類金属は、国家備蓄やリサイクル等が必要な元素であるといわれている。現在、水中に含まれる希土類金属の回収には溶媒抽出法が適用されることが多い。
しかしながら、溶媒抽出法による希土類金属の回収には、多量の有機溶剤を使用する必要がある。また、排水中に有機溶剤が混入してしまう場合がある。
本発明が解決しようとする課題は、多量の有機溶剤を使用することなく、水中に含まれる希土類金属を効率よく吸着することができる、希土類金属吸着剤、希土類金属吸着装置及び希土類金属吸着剤の製造方法を提供することである。
実施形態の希土類金属吸着剤は、担体と、下記式(1)又は(2)で表される基とを持つ。下記式(1)又は(2)で表される基は前記担体の表面に結合している。
≡Si−(CnH2n)−NH−COCH2OCH2COOH (1)
[式(1)中、nは2〜4の整数を表す。]
−CH(OH)−CH2−NH−COCH2OCH2COOH (2)
≡Si−(CnH2n)−NH−COCH2OCH2COOH (1)
[式(1)中、nは2〜4の整数を表す。]
−CH(OH)−CH2−NH−COCH2OCH2COOH (2)
以下、実施形態の希土類金属吸着剤を説明する。
本実施形態の希土類金属吸着剤は、担体と、前記担体の表面に結合した下記式(1)又は(2)で表される基と、を持つ。下記式(1)又は(2)で表される基は、直接担体の表面に結合していてもよいし、他の化学基を介して間接的に担体の表面に結合していてもよい。
≡Si−(CnH2n)−NH−COCH2OCH2COOH (1)
[式(1)中、nは2〜4の整数を表す。]
−CH(OH)−CH2−NH−COCH2OCH2COOH (2)
本実施形態の希土類金属吸着剤は、担体と、前記担体の表面に結合した下記式(1)又は(2)で表される基と、を持つ。下記式(1)又は(2)で表される基は、直接担体の表面に結合していてもよいし、他の化学基を介して間接的に担体の表面に結合していてもよい。
≡Si−(CnH2n)−NH−COCH2OCH2COOH (1)
[式(1)中、nは2〜4の整数を表す。]
−CH(OH)−CH2−NH−COCH2OCH2COOH (2)
後述する実施例において示すように、本実施形態の希土類金属吸着剤によれば、多量の有機溶剤を使用することなく、水中に含まれる希土類金属を効率よく吸着することができる。希土類金属としては、ネオジム、ジスプロシウム、ランタン、セリウム等が挙げられる。
また、後述する実施例において示すように、本実施形態の希土類金属吸着剤によれば、希土類金属を含む水(被処理水)のpHが中性付近であっても希土類金属を選択的に吸着することができる。また、被処理水のpHを調整することにより、希土類金属の中でもジスプロシウム等の重希土類金属に対する選択性を更に向上させることもできる。
また、本実施形態の希土類金属吸着剤によれば、被処理水のpHを3〜8程度に調整することにより、希土類金属だけでなく、遷移金属を吸着することもできる。遷移金属としては、鉄、亜鉛、銅、カドミウム、マンガン、コバルト等が挙げられる。
本実施形態の希土類金属吸着剤において、担体としては、特に限定されず、セルロース、無機多孔質体等が挙げられる。後述するように、セルロースや無機多孔質体には、上記式(1)又は(2)で表される基を容易に結合させることができる。また、セルロースや無機多孔質体は、内部に水を浸透させやすい性質を有しているため、水中に含まれる希土類金属を効率よく吸着することができる。
無機多孔質体としては、シリカゲル、アルミナ、ゼオライト、酸化チタン等が挙げられる。中でも、比表面積が大きい観点からシリカゲルが好適である。
上述したように、本実施形態の希土類金属吸着剤は、下記式(1)又は(2)で表される基を有する。
≡Si−(CnH2n)−NH−COCH2OCH2COOH (1)
[式(1)中、nは2〜4の整数を表す。]
−CH(OH)−CH2−NH−COCH2OCH2COOH (2)
≡Si−(CnH2n)−NH−COCH2OCH2COOH (1)
[式(1)中、nは2〜4の整数を表す。]
−CH(OH)−CH2−NH−COCH2OCH2COOH (2)
上記式(1)又は(2)で表される基を有する化合物は、希土類金属の溶媒抽出に使用することもできる。これに対し、本実施形態の希土類金属吸着剤では、上記式(1)又は(2)で表される基が担体の表面に結合されている。これにより、溶媒抽出とは異なる元素選択性を得ることができる。例えば、希土類金属を選択的に吸着することができる。あるいは、希土類金属の中でもジスプロシウム等の重希土類金属を選択的に吸着することができる。また、希土類金属が低濃度にしか存在しない場合においても、希土類金属を吸着することが容易になる。
本実施形態の希土類金属吸着剤を用いた希土類金属の吸着では、上記式(1)又は(2)で表される基1つが、1つの希土類金属分子に配位することが好ましい。すなわち、本実施形態の希土類金属吸着剤では、上記式(1)又は(2)で表される基を1分子中に1つのみ有する化合物が、担体に結合されていることが好ましい。これにより、溶媒抽出とは異なる元素選択性を得ることができる。また、より温和な条件(中性条件)においても希土類金属を吸着することが容易になる。
一方、複数の上記式(1)又は(2)で表される基が、1つの希土類金属分子に配位する希土類金属吸着剤では、吸着する元素の選択性が低下し、上記式(1)又は(2)で表される基を有する化合物で溶媒抽出を行った場合の元素の選択性に近づく傾向にある。
市販のキレート樹脂や強酸性陽イオン交換樹脂でも希土類金属を吸着することができる。しかしながら、これらの樹脂は元素の吸着容量が大きいものの、酸性条件下においても中性条件下においても希土類金属の選択性が低く、希土類金属以外の元素も吸着してしまう傾向にある。
続いて、実施形態の希土類金属吸着装置を、図面を参照して説明する。
実施形態の希土類金属吸着装置は、上述した希土類金属吸着剤と、希土類金属吸着剤を収容する吸着塔とを持つ。
実施形態の希土類金属吸着装置は、上述した希土類金属吸着剤と、希土類金属吸着剤を収容する吸着塔とを持つ。
図1は、実施形態の希土類金属吸着装置を示す模式図である。希土類金属吸着装置100は、吸着塔10と、吸着塔10に収容される上記の希土類金属吸着剤とを持つ。吸着塔10には、希土類金属吸着剤を収容する吸着塔本体12と、吸着塔本体12に設けられた原水導入口14と、吸着塔本体12に設けられた処理水排水口16と、が備えられている。原水導入口14には流入管20が接続され、処理水排水口16には流出管30が接続されている。吸着塔本体12には希土類金属吸着剤が収容されて吸着床18が構成されている。
続いて、上記の希土類金属吸着装置100を用いた希土類金属の吸着方法を説明する。本実施形態の希土類金属の吸着方法は、上記の希土類金属吸着装置100を用いて、吸着塔10に収容された希土類金属吸着剤に希土類金属含有水を接触させて、希土類金属含有水中の希土類金属を希土類金属吸着剤に吸着させるものである。
原水(被処理水)である希土類金属含有水は、流入管20を介して原水導入口14から吸着塔本体12に流入される。原水中の希土類金属の濃度は、特に限定されないが、例えば0.01〜1000mg/L程度であってもよい。吸着塔本体12に流入された原水は、吸着床18を通過する際に希土類金属吸着剤に接触する。希土類金属吸着剤に接触した際に、原水に含まれる希土類金属が希土類金属吸着剤に吸着される。吸着床18を通過した原水は、処理水となって処理水排出口16から吸着塔本体12の外部に排出される。排出された処理水は、流出管30を通って次の処理設備に送られる。
上記の希土類吸着剤は遷移金属および希土類金属を吸着することが可能である。遷移金属を多く含む原水から希土類金属を選択的に吸着する場合には、原水のpHを2.0以下に調整するとよい。また、ジスプロシウム等の重希土類金属を選択的に吸着したい場合には、原水のpHを0.5〜1.5の範囲に調整するとよい。原水のpHを調製することにより、目的とする希土類金属を選択的に吸着分離することができる。
希土類金属吸着剤で吸着した金属を脱離するには酸を用いるとよい。希土類金属吸着剤をpH0.5以下の酸に接触させることにより、希土類金属吸着剤が吸着した金属を脱離させ、溶液として回収することができる。酸としては、塩酸、硫酸、硝酸等が挙げられる。吸着した金属を脱離させた後の希土類金属吸着剤は、再利用することができる。
続いて、実施形態の希土類金属吸着剤の製造方法を説明する。
本実施形態の希土類金属吸着剤の製造方法は、アミノ基を有する担体と無水ジグリコール酸とを反応させる工程を持つ。担体としては、上述したセルロースや無機多孔質体等を用いることができる。
本実施形態の希土類金属吸着剤の製造方法は、アミノ基を有する担体と無水ジグリコール酸とを反応させる工程を持つ。担体としては、上述したセルロースや無機多孔質体等を用いることができる。
アミノ基を有する担体は、次のようにして製造することができる。
例えば、セルロースの水酸基に対してエピクロロヒドリンとアルカリを作用させ、次いでアンモニア水を反応させることにより、アミノ基を有するセルロースを製造することができる。
例えば、セルロースの水酸基に対してエピクロロヒドリンとアルカリを作用させ、次いでアンモニア水を反応させることにより、アミノ基を有するセルロースを製造することができる。
あるいは、硫酸アンモニウム鉄とセルロースを水溶液中で撹拌し、メタクリル酸グリシジル、界面活性剤、二酸化チオ尿素、過酸化水素を添加し、60℃程度に加熱することにより、セルロースにグリシジル基を導入することができる。続いて、グリシジル基を有するセルロースをアンモニア水と反応させることにより、アミノ基を有するセルロースを製造することができる。
あるいは、アミノ基を有するシランカップリング剤で無機多孔質体表面を修飾することにより、アミノ基を有する無機多孔質体を製造することができる。アミノ基を有するシランカップリング剤としては、例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルジエトキシメチルシラン、3−アミノプロピルエトキシジメチルシラン等が挙げられる。
続いて、アミノ基を有する担体と無水ジグリコール酸とを反応させる。ここで、担体へのアミノ基の導入が、アミノ基を有するシランカップリング剤により行われていた場合には、担体の表面に下記式(1)で表される基が結合した希土類吸着剤を製造することができる。
≡Si−(CnH2n)−NH−COCH2OCH2COOH (1)
[式(1)中、nは2〜4の整数を表す。]
≡Si−(CnH2n)−NH−COCH2OCH2COOH (1)
[式(1)中、nは2〜4の整数を表す。]
また、担体へのアミノ基の導入が、グリシジル基を利用して行われていた場合には、担体の表面に下記式(2)で表される基が結合した希土類吸着剤を製造することができる。
−CH(OH)−CH2−NH−COCH2OCH2COOH (2)
−CH(OH)−CH2−NH−COCH2OCH2COOH (2)
別の実施形態において、希土類金属吸着剤の製造方法は、担体を下記式(1)又は(2)で表される基を有するシランカップリング剤で表面処理する工程を持つ。担体としては、上述したセルロースや無機多孔質体等を用いることができる。
≡Si―(CnH2n)−NH−COCH2OCH2COOH (1)
[式(1)中、nは2〜4の整数を表す。]
−CH(OH)−CH2−NH−COCH2OCH2COOH (2)
≡Si―(CnH2n)−NH−COCH2OCH2COOH (1)
[式(1)中、nは2〜4の整数を表す。]
−CH(OH)−CH2−NH−COCH2OCH2COOH (2)
上記式(1)又は(2)で表される基を有するシランカップリング剤は、アミノ基を有するシランカップリング剤と無水ジグリコール酸とを反応させることにより製造することができる。アミノ基を有するシランカップリング剤としては上述したものが挙げられる。
無機多孔質体表面を上記式(1)又は(2)で表される基を有するシランカップリング剤で修飾することにより、担体の表面に下記式(1)又は(2)で表される基が結合した希土類金属吸着剤を製造することができる。
≡Si−(CnH2n)−NH−COCH2OCH2COOH (1)
[式(1)中、nは2〜4の整数を表す。]
−CH(OH)−CH2−NH−COCH2OCH2COOH (2)
≡Si−(CnH2n)−NH−COCH2OCH2COOH (1)
[式(1)中、nは2〜4の整数を表す。]
−CH(OH)−CH2−NH−COCH2OCH2COOH (2)
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、希土類金属吸着剤が、担体と担体の表面に結合した下記式(1)又は(2)で表される基とを持つことにより、希土類金属を選択的に、効率よく吸着することができる。
≡Si−(CnH2n)−NH−COCH2OCH2COOH (1)
[式(1)中、nは2〜4の整数を表す。]
−CH(OH)−CH2−NH−COCH2OCH2COOH (2)
≡Si−(CnH2n)−NH−COCH2OCH2COOH (1)
[式(1)中、nは2〜4の整数を表す。]
−CH(OH)−CH2−NH−COCH2OCH2COOH (2)
[実施例1]
(希土類金属吸着剤の製造)
無水ジグリコール酸1gに脱水クロロホルム50mLを加え、撹拌した。続いて、3−アミノプロピルトリメトキシシラン0.78mLを添加し、20分間撹拌した。続いて、シリカゲル1g及びメタノール50mLを加え、80℃で3時間撹拌した。続いて、ろ過により溶媒を除去し、回収した固形分をエタノール及び1N塩酸で洗浄した。続いて、回収した固形分を、洗浄液が中性になるまで純水で洗浄した。洗浄後の固形分を60℃のオーブンで乾燥させ、実施例1の希土類金属吸着剤を得た。
(希土類金属吸着剤の製造)
無水ジグリコール酸1gに脱水クロロホルム50mLを加え、撹拌した。続いて、3−アミノプロピルトリメトキシシラン0.78mLを添加し、20分間撹拌した。続いて、シリカゲル1g及びメタノール50mLを加え、80℃で3時間撹拌した。続いて、ろ過により溶媒を除去し、回収した固形分をエタノール及び1N塩酸で洗浄した。続いて、回収した固形分を、洗浄液が中性になるまで純水で洗浄した。洗浄後の固形分を60℃のオーブンで乾燥させ、実施例1の希土類金属吸着剤を得た。
[実施例2]
(希土類金属吸着剤の製造)
高純度セルロース(商品名「KCフロック(登録商標)」、日本製紙ケミカルズ製)5gと純水200mLと、硫酸鉄アンモニウム六水和物50mgとを混合し、30分間攪拌した。続いて、メタクリル酸グリシジル5mL、過酸化水素水(35%)0.35mL、チオ硫酸尿素0.125g、界面活性剤(商品名「OT−221」、日本油脂製)0.15gを加え、60℃で更に2時間攪拌した。続いて、得られた懸濁液をろ過して固形分を回収し、純水で洗浄した後、0.01Mのアンモニア水溶液200mLに加えて反応させることにより、アミノ基を導入したセルロースを得た。これを真空乾燥させた後に、無水ジグリコール酸を含む脱水クロロホルム200mLに添加し、30分間撹拌した。得られた固形分を60℃のオーブンで乾燥させ、実施例2の希土類金属吸着剤を得た。
(希土類金属吸着剤の製造)
高純度セルロース(商品名「KCフロック(登録商標)」、日本製紙ケミカルズ製)5gと純水200mLと、硫酸鉄アンモニウム六水和物50mgとを混合し、30分間攪拌した。続いて、メタクリル酸グリシジル5mL、過酸化水素水(35%)0.35mL、チオ硫酸尿素0.125g、界面活性剤(商品名「OT−221」、日本油脂製)0.15gを加え、60℃で更に2時間攪拌した。続いて、得られた懸濁液をろ過して固形分を回収し、純水で洗浄した後、0.01Mのアンモニア水溶液200mLに加えて反応させることにより、アミノ基を導入したセルロースを得た。これを真空乾燥させた後に、無水ジグリコール酸を含む脱水クロロホルム200mLに添加し、30分間撹拌した。得られた固形分を60℃のオーブンで乾燥させ、実施例2の希土類金属吸着剤を得た。
[比較例1]
カルボン酸型キレート樹脂(商品名「CR11」、三菱化学製)を比較例1の希土類金属吸着剤とした。
カルボン酸型キレート樹脂(商品名「CR11」、三菱化学製)を比較例1の希土類金属吸着剤とした。
[実験例1]
(吸着試験)
ジスプロシウム(Dy)とネオジム(Nd)の濃度を各0.1mmol/Lに調整した0.20M酢酸アンモニウム水溶液を、1N塩酸又は1N水酸化ナトリウム水溶液でpH4及び6に調整したものを被処理水とした。
(吸着試験)
ジスプロシウム(Dy)とネオジム(Nd)の濃度を各0.1mmol/Lに調整した0.20M酢酸アンモニウム水溶液を、1N塩酸又は1N水酸化ナトリウム水溶液でpH4及び6に調整したものを被処理水とした。
上記の被処理水10mLに実施例1の希土類金属吸着剤を10mg加えてミックスローターにセットし、100rpmで3時間攪拌した。続いて、ろ過により希土類金属吸着剤を除去し、ろ液中の金属濃度をICP発光分光分析法(Inductively Coupled Plasma Atomic Emission Spectroscopy、ICP−AES)により測定した。
希土類金属吸着剤による処理の前後における、被処理水中の各金属の濃度の差から、希土類金属吸着剤による各金属の吸着量を算出した。また、下記式(F1)に基づいて、吸着した希土類金属の分離係数(Separation Factor)を計算した。表1に、吸着試験の結果を示す。
分離係数(Dy/Nd)=qDy/cDy×cNd/qNd (F1)
[式(F1)中、qDyはジスプロシウムの平衡吸着量(mol/g)を表し、qNdはネオジムの平衡吸着量(mol/g)を表し、cDyはジスプロシウムの平衡濃度(mol/L)を表し、cNdはネオジムの平衡濃度(mol/L)を表す。]
分離係数(Dy/Nd)=qDy/cDy×cNd/qNd (F1)
[式(F1)中、qDyはジスプロシウムの平衡吸着量(mol/g)を表し、qNdはネオジムの平衡吸着量(mol/g)を表し、cDyはジスプロシウムの平衡濃度(mol/L)を表し、cNdはネオジムの平衡濃度(mol/L)を表す。]
[実験例2]
(吸着試験)
希土類金属吸着剤として、実施例2の希土類金属吸着剤を使用した以外は実験例1と同様にして吸着試験を行った。結果を表1に示す。
(吸着試験)
希土類金属吸着剤として、実施例2の希土類金属吸着剤を使用した以外は実験例1と同様にして吸着試験を行った。結果を表1に示す。
[実験例3]
(吸着試験)
希土類金属吸着剤として、比較例1の希土類金属吸着剤を使用した以外は実験例1と同様にして吸着試験を行った。結果を表1に示す。
(吸着試験)
希土類金属吸着剤として、比較例1の希土類金属吸着剤を使用した以外は実験例1と同様にして吸着試験を行った。結果を表1に示す。
[実験例4]
(吸着試験)
ジスプロシウム(Dy)、ネオジム(Nd)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)の濃度を各0.1mmol/Lに調整した水溶液を、6N塩酸でpH1及び1.5に調整したものを被処理水とした。
(吸着試験)
ジスプロシウム(Dy)、ネオジム(Nd)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)の濃度を各0.1mmol/Lに調整した水溶液を、6N塩酸でpH1及び1.5に調整したものを被処理水とした。
上記の被処理水10mLに実施例2の希土類金属吸着剤を10mg加えてミックスローターにセットし、100rpmで3時間攪拌した。続いて、ろ過により希土類金属吸着剤を除去し、ろ液中の金属濃度をICP−AESにより測定した。
続いて、希土類金属吸着剤による処理前の被処理水中の各金属の量を基準として、希土類金属吸着剤に吸着された金属の割合を計算し、吸着率(%)とした。また、実験例1と同様にして、吸着した希土類金属の分離係数を計算した。結果を表2に示す。
[実験例5]
(吸着試験)
希土類金属吸着剤として、比較例1の希土類金属吸着剤を使用した以外は実験例4と同様にして吸着試験を行った。結果を表2に示す。
(吸着試験)
希土類金属吸着剤として、比較例1の希土類金属吸着剤を使用した以外は実験例4と同様にして吸着試験を行った。結果を表2に示す。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
10…吸着塔、12…吸着塔本体、14…原水導入口、16…処理水排水口、18…吸着床、20…流入管、30…流出管、100…希土類金属吸着装置。
Claims (6)
- 担体と、前記担体の表面に結合した下記式(1)又は(2)で表される基と、を備える、希土類金属吸着剤。
≡Si−(CnH2n)−NH−COCH2OCH2COOH (1)
[式(1)中、nは2〜4の整数を表す。]
−CH(OH)−CH2−NH−COCH2OCH2COOH (2) - 前記担体がセルロース又は無機多孔質体である、請求項1に記載の希土類金属吸着剤。
- 請求項1又は2に記載の希土類金属吸着剤と、前記希土類金属吸着剤を収容する吸着塔と、を備える、希土類金属吸着装置。
- アミノ基を有する担体と無水ジグリコール酸とを反応させる工程を備える、希土類金属吸着剤の製造方法。
- 担体を下記式(1)又は(2)で表される基を有するシランカップリング剤で表面処理する工程を備える、希土類金属吸着剤の製造方法。
≡Si―(CnH2n)−NH−COCH2OCH2COOH (1)
[式(1)中、nは2〜4の整数を表す。]
−CH(OH)−CH2−NH−COCH2OCH2COOH (2) - 前記担体がセルロース又は無機多孔質体である、請求項5に記載の希土類金属吸着剤の製造方法。
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Cited By (3)
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