JP2015173145A - 磁気メモリ、磁気メモリの記録再生方法、および磁気メモリの動作方法 - Google Patents

磁気メモリ、磁気メモリの記録再生方法、および磁気メモリの動作方法 Download PDF

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Abstract

【課題】製造時の位置合わせ精度を緩和することができるとともに、磁性細線が湾曲部を持たずに磁壁のシフト移動が阻害されることがない磁気メモリを提供する。【解決手段】本実施形態による磁気メモリは、一方向に延在する複数の磁性細線群であって、各磁性細線群は少なくとも1本の磁性細線を含み、前記磁性細線は第1および第2端部を有する、複数の磁性細線群と、前記複数の磁性細線群に対応して設けられた複数の記録再生素子であって、各記録再生素子は対応する磁性細線群内の磁性細線に情報を書き込むとともに前記磁性細線から情報を読み出し、前記磁性細線群の前記第1端部に接続される複数の記録再生素子と、前記複数の磁性細線群のそれぞれの第2端部が接続される電極と、を備えている。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、磁気メモリ、磁気メモリの記録再生方法、および磁気メモリの動作方法に関する。
近年、磁性細線に電流を流すことによって磁性細線内の磁壁が移動するという現象が報告されている。この現象を利用してシフトレジスタを構成する試みがなされている。これらの試みでは、磁性細線の中央部に、磁性細線に対して磁壁を書き込む記録素子と、磁区の磁化の方向を検出する再生素子とが設けられている。磁性細線の両端には、磁性細線に電流を流すための電極が設けられ、磁性細線に電流を流すことで書き込まれた磁壁をシフトさせる。情報は、ハードディスクなど他の磁気記録装置と同じく、磁壁で区切られた磁区の磁化方向で記録される。情報に応じて書き込まれた磁区を電流でシフト動作させることにより目的の情報にアクセスし、磁性細線の中央部に設けられた再生素子で磁区の磁化方向を検出することで情報の読み出しを行うシフトレジスタが提案されている。
このシフトレジスタを集積して大容量のメモリとして用いる場合、ビットあたりの専有面積を小さくするためには磁性細線を垂直に立てることが望ましい。また、磁性細線の両端に設けられた電極およびそれに付随する配線などをウエハ基板上に形成する関係上から磁性細線は基板に対して垂直に立つ構造となる。
一方、磁性細線の中央部に設けられる記録素子および再生素子(以下、記録再生素子とも云う)も、半導体リソグラフィプロセスで作製されるため、ウエハ基板上に形成されることが望ましい。
ウエハ基板上に、記録再生素子を形成し、かつその基板に対して垂直に設けられた磁性細線の中央部に、記録再生素子が接する構造を実現するために、磁性細線を中央部でU字型に折り曲げ、基板上の記録再生素子に対してU字の彎曲部で接するようにU字型磁性細線を配置する構造が提案されている。この場合、磁壁を駆動する電流を流すための電極を一平面上に設け、それと対向する一平面上に記録再生素子列を設け、それらの平面間をU字に折り曲げた磁性細線で繋ぐという構造となる。U字型の磁性細線は、その両端が電極と接し、湾曲部は記録再生素子と接し、基板に対して垂直に立ち並ぶことになる。
このように、磁性細線を垂直に立てて三次元化することで、記録されるビット当たりの専有面積を小さくし、更に磁性細線をU字にすることでウエハ基板上に設けられた記録再生素子に対して磁性細線の中央部で接する構造を可能にすることで、シフトレジスタ型大容量磁気メモリを実現しようと試みられている。
前述したように、シフトレジスタ型大容量磁気メモリは、磁性細線を垂直に立てて三次元化することで、記録されるビット当たりの専有面積を小さくし、更に磁性細線をU字にすることでウエハ基板上に設けられた記録再生素子に対して磁性細線の中央部で接することを可能としている。
大容量メモリとして必要な磁性細線は、例えば1チップ(100mm)辺り、数Tビット以上の容量を達成する場合においては、直径及びピッチが数十nmオーダーで長さがμmオーダーとなる。このような磁性細線列を作製する方法として、例えば、Boschプロセスを用いた深堀ドライエッチング技術により垂直な穴を掘り込み、その穴に磁性体を埋め込むことで垂直な磁性細線を作製している。しかし、Boschプロセスではこのような微細かつアスペクト比が数百を超えるホールを加工することは困難である。またU字型ホールの加工も困難である。
陽極酸化法高アスペクト比を有する磁性細線列の作製方法として検討されている。これは例えばアルミニウム基板を陽極にして電解質溶液内で電圧を印加することにより酸化反応による溶解と成長が進み、酸化アルミニウムのホール列ができるというものである。電圧や溶液の制御により、数十nmピッチで深さ数百μmのホール列が作製可能である。このため、このホール列に磁性材料を埋め込みまたは成膜することで目的の記録密度を満たす磁性細線列を得ることができる。但し、この方法もU字構造を作ることは困難であり、また陽極酸化現象はある程度不規則に進むため、磁性細線列の完全な配列制御や磁性細線の直進性の保証が困難であるという課題もある。
シフトレジスタ型大容量磁気メモリの製造方法としては、磁壁を駆動する電流用の電極を設けたウエハ基板と、記録再生素子を設けたウエハ基板をそれぞれ作製し、それと同時に前述の方法等によって磁性細線列が垂直に設けられた基板を別途用意して、その三枚の基板を正確に位置合わせして貼り合せ接合することによる製造方法が検討されている。磁性細線列が設けられた基板の両面に磁壁駆動電極基板と読み書き素子基板が貼り合わされる構造となる。基板を貼り合せ接合する際には、基板間の位置合わせを正確に行う必要がある。しかし、磁性細線列のピッチは数十nmであるため現在の位置合わせ技術では困難である。特に、三枚全ての基板のパターン間で位置を合わせる必要があるが、場合によっては不可能となる。例えば、三枚の基板のうち中間となる磁性細線列が設けられた基板については、陽極酸化法を用いた場合、ホールの配列およびホールの直進性が完全に保証されない。その場合には、三枚の基板間の位置合わせのみで、磁壁を駆動する電流用の電極と、記録再生素子を磁性細線により一対一で繋ぐように貼り合せることは、位置合わせ精度にかかわらず不可能である。
また別の課題として、磁性細線がU字型に湾曲している場合は湾曲部で磁壁が止まってしまい、駆動電流を流してもシフト動作が出来ないという問題がある。
US6834005号明細書 US7236386号明細書 US2013/0005053号明細書 特開2011−181642号公報
本実施形態は、製造時の位置合わせ精度を緩和することができるとともに、磁性細線が湾曲部を持たずに磁壁のシフト移動が阻害されることがない磁気メモリ、磁気メモリの記録再生方法、および磁気メモリの動作方法を提供する。
本実施形態による磁気メモリは、一方向に延在する複数の磁性細線群であって、各磁性細線群は少なくとも1本の磁性細線を含み、前記磁性細線は第1および第2端部を有する、複数の磁性細線群と、前記複数の磁性細線群に対応して設けられた複数の記録再生素子であって、各記録再生素子は対応する磁性細線群内の磁性細線に情報を書き込むとともに前記磁性細線から情報を読み出し、前記磁性細線群の前記第1端部に接続される複数の記録再生素子と、前記複数の磁性細線群のそれぞれの第2端部が接続される電極と、を備えている。
図1は、第1実施形態による磁気メモリを示す斜視図。 図2(a)乃至図2(d)は、第1実施形態の磁気メモリの動作を説明する図。 図3は、第2実施形態による磁気メモリを示す斜視図。 図4(a)乃至図4(d)は、第2実施形態の磁気メモリの動作を説明する図。 図5(a)乃至図5(i)は、第3実施形態による磁気メモリの製造方法を示す図。 図6は、比較例による磁気メモリの製造方法を説明する図。 図7(a)および図7(b)は、第2実施形態の磁気メモリの製造方法を説明する図。 図8(a)乃至図8(f)は、第4実施形態による磁気メモリの製造方法を説明する図。 図9(a)乃至図9(e)は、第5実施形態の信号再生方法を説明する図。 図10(a)乃至図10(c)は、第6実施形態の信号再生方法を説明する波形図。 図11は、第7実施形態の磁気メモリを示す図。
以下に、実施形態について図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
第1実施形態による磁気メモリを図1に示す。この実施形態に磁気メモリ100は、この磁気メモリ100が形成される図示しない基板の表面に対して垂直に設けられた複数の磁性細線101と、各磁性細線101の一方の端部が接続される非磁性電極102と、1個の磁性細線101に対応して設けられ、対応する磁性細線101の他端が接続するマトリクス状に配列された記録再生素子103と、を備えている。複数の磁性細線を以下、複数の磁性細線列ともいう。非磁性電極102は、例えば金、銀、銅、アルミニウムなどで形成される。なお、マトリクス状に配列された記録再生素子103のうちの1つをアドレス情報に基づいて選択する、図1には示していない配線が設けられている。また、選択された記録再生素子103に書き込む信号を送る、図示しない配線および読み出した信号が流れる、図示しない配線も設けられている。
本実施形態の磁気メモリ100においては、磁性細線101の磁区の向きにより情報を記録する。情報は、記録再生素子により磁性細線101上の磁区の磁化方向を制御することで記録され、記録再生素子によって磁性細線101上の磁区の磁化方向が読み取られる。一本の磁性細線100は数百の磁区を持ち数百ビットの情報が記録される。磁性細線100に電流を流すことで磁壁が移動するため、磁壁に挟まれた磁区もシフト移動することとなる。目的の磁区を再生部の位置までシフトすることで必要な情報(磁区)にアクセスすることができる。
本実施形態では、磁性細線100の一端に記録再生素子103が設けられているため、記録した磁区を非磁性電極102側にシフトさせる際は問題ないが、逆方向へのシフトは記録再生素子103の先に磁性細線100が存在しないため情報は失われる。そのためシフトレジスタとして作動させるためには2本の磁性細線100を一対として、互いに情報をやり取りしながら一本の磁性細線(一単位のシフトレジスタ)のようにシフト動作させることが基本となる。もちろん、この形式には限らず、常に最後に記録したビットから読み出すメモリとしても良い。例えば、磁区をシフトしながら連続で500ビット記録し、読み出す際はシフト方向を逆にして最後の500ビット目から最初の1ビット目方向へ読み出すようにしても良い。この場合、読み出した情報は次のシフト動作で磁性細線上からは無くなる。
(動作)
このシフトレジスタ型磁気メモリ100の動作について図2(a)乃至2(d)を参照して説明する。図2(a)乃至2(d)に示す磁気メモリ100においては、磁性細線101a、101bは、それぞれの一方の端部(上端部)が非磁性電極102に接続されている。磁性細線101aは、他方の端部(下端部)の側面が記録再生素子103aに非磁性層105を通して接続し、磁性細線101bは、他方の端部の側面が記録再生素子103bに非磁性層105を通して接続している。磁性細線101a、101bのそれぞれの側面は、絶縁体107によって覆われている。また、絶縁体107と記録再生素子103aとの間および絶縁体107と記録再生素子103bとの間に非磁性層105が設けられている。
また、図2(a)乃至2(d)に示す磁気メモリ100においては、磁性細線101a、101bはそれぞれ、他方の端部の下面も非磁性層105によって覆われている。
記録再生素子103aは、電極103aと、反強磁性層103aと、磁化固定層103aと、強磁性層103aと、強磁性層103aと、磁化固定層103aと、反強磁性層103aと、電極103aと、を備え、これらの層および電極は、磁気メモリ100が形成される基板の表面に平行な方向に沿って積層される。そして、磁性細線101aの上記他方の端部は、強磁性層103aと、強磁性層103aとの間に非磁性層105を通して配置される。反強磁性層103aによって磁化固定層103aの磁化方向が固定され、反強磁性層103aによって磁化固定層103aの磁化方向が固定される。磁化固定層103aの磁化方向と、磁化固定層103aの磁化方向は、互いに反平行(逆)になっている。
また、記録再生素子103bは、電極103bと、反強磁性層103bと、磁化固定層103bと、強磁性層103bと、強磁性層103bと、磁化固定層103bと、反強磁性層103bと、電極103bと、を備え、これらの層および電極は、磁気メモリ100が形成される基板の表面に平行な方向に沿って積層される。そして、磁性細線101bの上記他方の端部は、強磁性層103bと、強磁性層103bとの間に非磁性層105を通して配置される。反強磁性層103bによって磁化固定層103bの磁化が固定され、反強磁性層103bによって磁化固定層103bの磁化が固定される。磁化固定層103bの磁化方向と、磁化固定層103bの磁化方向は、互いに反平行になっている。
上記磁気メモリ100における最も基本的な動作として、既に情報が記録されている2本の磁性細線101a、101bを一単位のシフトレジスタとみなし、磁性細線101a、101b上に記録されている目的の位置の情報にアクセスするために、磁区を1ビットシフトする動作について説明する。具体的には、磁性細線101a上の磁区を1ビット分シフトさせ、磁性細線101bの端部に記録された情報(磁区の磁化方向)を読み取って磁性細線101aの端部に書き込み、磁性細線101b上の磁区を1ビットシフトさせる。これにより、磁性細線101bから磁性細線101aの方向に情報を失うことなく1ビットシフトさせることができる。
以上の動作について詳細に説明する。最初に、図2(a)に示すように、非磁性電極102の電位はV0とし、記録再生素子103aに設けられた電極103aと103aに電位V1を印加する。V0>V1とすると、電流は矢印120に示すように、磁性細線101a上を非磁性電極102から記録再生素子103aに向かって流れる。この電流による電子のスピンが磁壁に作用するため、矢印122に示すように磁壁は電子の流れる方向、つまり電流とは逆方向となる非磁性電極102に向かって移動する。電流量と時間を適切に設定することで、1ビット分の距離をシフトさせることができる。その結果、磁性細線101aの記録再生素子103a側の端には1ビット分の記録領域が生まれる(図2(b))。
次に、磁性細線101b上の磁区を記録再生素子103b側に1ビットシフトさせる。しかし、この場合、記録再生素子103b側の磁性細線101bの端部の情報が失われてしまう。このため、この部分の情報を、先程生まれた磁性細線101aの記録領域、すなわち記録再生素子103a側の端部へ移動する。この移動は、以下のように行われる。まず、記録再生素子103b側の電極103bと103bとの間に電圧を印加することで読み取り電流Irを流す。この読み取り電流Irの経路には、強磁性層103bと強磁性層103bとの間に、移動させたいビットである磁性細線103bの端部が存在する。よって、移動させたいビットの磁区の磁化方向が強磁性層103bおよび強磁性層103bの磁化方向に対して順方向か逆方向かに応じて電極103bと電極103bとの間の抵抗が変わる。具体的には順方向で抵抗が小さくなり、逆方向で抵抗が大きくなる。つまり、強磁性層103bおよび強磁性層103bの磁化方向が既知の同一方向若しくは予め任意の同一方向へ揃えておけば、電極103bと103bとの間の抵抗の大きさ(電流Irの大きさ)で、移動させたいビットである磁性細線101bの先端部の磁区の磁化方向(つまり情報が“0”なのか“1”なのか)がわかる。
次に、磁性細線101bから読み出した情報を磁性細線101aに記録する。記録は磁性細線101a側の記録再生素子103aの電極103aと電極103aとの間に書き込み電流Iwを流すことで行う。読み取り電流Irよりも大きな書き込み電流Iwを流すことで、強磁性層103a、103aの磁化方向を磁化固定層103a、103aにより、書き込み電流Iwの向きに応じて制御できる。この時、磁性細線101aの先端部(下端部)の磁区の磁化方向は、強磁性層103a、103aの磁化方向に影響されて同じ方向に向く。つまり、記録再生素子103aの電極103aと電極103aとの間に流す書き込み電流Iwの向きにより、磁性細線101aの先端部)(下端部)の磁区の磁化方向を制御して、“0”または“1”の情報を記録することができる(図2(b))。なお、書き込み電流Iwの流す向きは、磁性細線101bから読み出した情報に基づいて決定する。以上説明したように、1ビット分の情報を磁性細線103bから磁性細線101aに移動することができる。
最後に、磁性細線101b上の磁区を1ビット分シフトさせる。具体的には、図2(c)に示すように、非磁性電極102に電位V0を印加し、磁性細線101b側の記録再生素子103bの電極103bと電極103bに電位V2(V0<V2)を印加する。この際、磁性細線101b上を矢印130に示す方向に電流が流れて電子のスピンの影響により磁性細線103b上の磁壁が移動する。この結果、磁区は電流の方向130とは逆の方向132に沿って、すなわち記録再生素子103b側にシフトする(図2(d))。電流量と時間を制御することで1ビット分の磁区のシフトが可能である。
以上説明した方法によって、磁性細線101bから磁性細線101aの方向に情報を失うことなく1ビット分シフトさせることができる。この動作を繰り返せば複数ビット分のシフト動作が可能となる。また、上述した動作において、磁性細線101aを磁性細線101bに読み替えるとともに磁性細線101bを磁性細線101aに読み替えて、上述したと同じ動作を行えば、上述した場合と逆方向へのシフト動作も可能である。これにより、磁性細線上の任意の位置にある情報をシフト動作により記録再生素子の位置に移動させることが可能となり、読み出し電流Irにより目的の情報を再生することができる。同様に、書き込み電流Iwにより目的の位置に目的の情報を書き込むことも可能である。
このように本実施形態の磁気メモリは、磁性細線列の一端を個々の細線を区別することなく共通の非磁性電極で繋いでいるため、製造時の位置合わせ精度が緩和される。更に磁性細線のもう一端を記録再生素子に接合して磁性細線はU字構造を取らずに直線状とすることが可能となる。これにより、磁性細線が湾曲部を持たずに磁壁のシフト移動が阻害されることなく、磁性細線列の製造も容易となる利点がある。
なお、本実施形態で説明した、磁性細線の一端に非磁性層を介して接する強磁性層と、これに接する一対の磁化方向固定層と、反強磁性層と、一対の電極と、を備えた記録再生素子103a、103bは、本実施形態の磁気メモリ100のように記録再生素子に対して垂直に設けられた磁性細線101a、101bに磁区を記録することが可能であるという利点がある。しかも、磁性細線101a、101bの長手方向に対して直交する方向に磁化を揃えた所謂、垂直磁気記録が可能であり、磁性細線101a、101bへの記録密度を高めることができる。またこの記録再生素子103a、103bの電極は、共通の非磁性電極102と組み合わせることで、磁性細線上の磁区をシフトさせる電流を流すための電極も兼ねることができる。
(第2実施形態)
第2実施形態による磁気メモリについて図3を参照して説明する。この第2実施形態の磁気メモリ100Aは、図1に示す第1実施形態の磁気メモリ100において、各記録再生素子103に対応して設けられる磁性細線101の個数が複数個にした構造を備えている。すなわち、1つの記録再生素子103に対応して複数の磁性細線101からなる磁性細線群101Aが設けられている。
本実施形態の磁気メモリ100Aにおいても第1実施形態と同様に、磁性細線101上の磁区の向きにより情報を記録する。情報は記録再生素子により磁性細線の磁区の方向を制御することで記録され、記録再生素子で磁性細線の磁区の方向を読み取ることで再生される。一本の磁性細線101は数百の磁区を持ち数百ビットの情報が記録される。磁性細線101に電流を流すことで磁壁が移動するため、磁壁に挟まれた磁区もシフト移動することとなる。目的の磁区を記録再生素子103の位置までシフトすることで必要な情報(磁区)にアクセスすることができる。
しかし、本実施形態では一つの記録再生素子103に複数本の磁性細線101からなる磁性細線群が接続されており、記録動作、再生動作、シフト動作は、一つの記録再生素子103に接続される磁性細線群を構成する磁性細線全てに対して同時に一括して行うこととする。こうすることで、磁性細線の断線などの欠陥、記録再生及びシフト動作のエラーに対しての耐性が向上する。
(動作)
このシフトレジスタ型の磁気メモリ100Aの動作を図4(a)乃至図4(d)を参照して説明する。図4(a)乃至図4(b)においては、磁性細線群101Aは磁性細線101a〜101aを備え、これらの磁性細線101a〜101aはそれぞれ、一方の端部(上端部)が非磁性電極102に接続され、他方の端部(下端部)の側面が記録再生素子103Aに非磁性層105を通して接続される。磁性細線101aは磁性細線101aと磁性細線101aとの間に位置する。磁性細線群101Bは磁性細線101b〜101bを備え、これらの磁性細線101b〜101bはそれぞれ、一方の端部(上端部)が非磁性電極102に接続され、他方の端部の側面が記録再生素子103Bに非磁性層105を通して接続される。磁性細線101bは磁性細線101bと磁性細線101bとの間に位置する。磁性細線101a〜101aおよび磁性細線101b〜101bのそれぞれの側面は、絶縁体107によって覆われている。また、絶縁体107と記録再生素子103Aとの間、および絶縁体107と記録再生素子103Bとの間には、非磁性層105が設けられている。
また、図4(a)乃至4(d)に示す磁気メモリ100においては、磁性細線101a〜101aおよび101b〜101bはそれぞれ、他方の端部の下面も非磁性層105によって覆われている。
記録再生素子103Aは、電極103Aと、反強磁性層103Aと、磁化固定層103Aと、強磁性層103Aと、強磁性層103Aと、強磁性層103Aと、強磁性層103Aと、磁化固定層103Aと、反強磁性層103Aと、電極103A10と、を備え、これらの層および電極は、磁気メモリ100Aが形成される基板の表面に平行な方向に沿って積層される。そして、磁性細線101aの上記他方の端部は、強磁性層103Aと、強磁性層103Aとの間に非磁性層105を通して配置される。磁性細線101aの上記他方の端部は、強磁性層103Aと、強磁性層103Aとの間に非磁性層105を通して配置される。磁性細線101aの上記他方の端部は、強磁性層103Aと、強磁性層103Aとの間に非磁性層105を通して配置される。反強磁性層103Aによって磁化固定層103Aの磁化方向が固定され、反強磁性層103Aによって磁化固定層103Aの磁化方向が固定される。磁化固定層103Aの磁化方向と、磁化固定層103Aの磁化方向は、互いに反平行になっている。
記録再生素子103Bは、電極103Bと、反強磁性層103Bと、磁化固定層103Bと、強磁性層103Bと、強磁性層103Bと、強磁性層103Bと、強磁性層103Bと、磁化固定層103Bと、反強磁性層103Bと、電極103B10と、を備え、これらの層および電極は、磁気メモリ100Aが形成される基板の表面に平行な方向に沿って積層される。そして、磁性細線101bの上記他方の端部は、強磁性層103bと、強磁性層103bとの間に非磁性層105を通して配置される。磁性細線101bの上記他方の端部は、強磁性層103Bと、強磁性層103Bとの間に非磁性層105を通して配置される。磁性細線101bの上記他方の端部は、強磁性層103Bと、強磁性層103Bとの間に非磁性層105を通して配置される。反強磁性層103Bによって磁化固定層103Bの磁化方向が固定され、反強磁性層103Bによって磁化固定層103Bの磁化方向が固定される。磁化固定層103Bの磁化方向と、磁化固定層103Bの磁化方向は、互いに反平行(逆)になっている。
上記磁気メモリ100Aにおける最も基本的な動作として、既に情報が記録されている2本の磁性細線群101A、101Bを一単位のシフトレジスタとみなし、磁性細線に記録されている目的の位置の情報にアクセスするために、磁区を1ビットシフトする動作について説明する。具体的には、磁性細線群101A上の磁区を1ビット分シフトさせ、磁性細線群101Bの端部(下端部)に記録された情報(磁区の磁化方向)を読み取って磁性細線群101Aの端部(下端部)に書き込み、磁性細線群101B上の磁区を1ビットシフトさせる。これにより、磁性細線群101Bから磁性細線群101Aに情報を失うことなく1ビットシフトさせることができる。なお、同一の磁性細線群に属する磁性細線には同じ情報を記録するとする。
以上の動作について詳細に説明する。まず、図4(a)に示すように、非磁性電極102に電位V0を印加し、記録再生素子103Aの電極103Aと電極103A10に電位V1を印加する。すると磁性細線群101Aを構成する全ての磁性細線101a〜1011aの両端の電圧がV0とV1になる。このため、V0>V1とすると、電流は矢印120に示すように、磁性細線群101A上を非磁性電極102から記録再生素子103Aに向かって流れる。この電流による電子のスピンが磁壁に作用するため、磁性細線群101Aに記録されている磁壁は電子の流れる方向、つまり電流とは逆方向となる矢印122に沿って非磁性電極102に向かって移動する。電流量と時間を適切に設定することで、磁性細線群101A上のすべての磁区を1ビット分の距離だけシフトさせることができる。そのため、磁性細線群101Aに含まれる磁性細線101a〜101aの、記録再生素子103A側の端部には1ビット分の記録領域が生まれることになる。
次に、磁性細線群101B上の磁区を記録再生素子103B側に1ビットシフトさせる。しかしこの場合、磁性細線群101Bを構成する磁性細線101b〜101bの、記録再生素子103B側の端部の情報が失われてしまう。このため、この失われる部分の情報を、磁性細線群101Aを構成する磁性細線101a〜101aの、記録再生素子103A側の端部へ移動する。この移動は以下のように行われる。まず、図4(b)に示すように、記録再生素子103Bの電極103Bと電極103B10との間に電圧を印加することで、読み出し電流Irを流す。この読み出し電流Irの経路には、強磁性層103B、103B、103B、103Bと、移動させたいビットである磁性細線群101Bを構成する磁性細線101b〜101bの先端部と、が存在する。同一磁性細線群103B内の磁性細線101b〜101bには同じ情報が記録されているため、磁性細線群101Bの先端部の磁区の磁化方向は同じである。この移動させたい先端部のビットを構成する磁区の磁化方向が、強磁性層103B、103B、103B、103Bの磁化方向に対して順方向か逆方向かで電極103Bと電極103B10との間の抵抗は大きく変わる。具体的には順方向で抵抗が小さくなり、逆方向で抵抗が大きくなる。つまり、強磁性層103B、103B、103B、103Bの磁化方向が既知若しくは予め任意の方向へ揃えてあるならば、電極103Bと電極103B10との間の抵抗の大きさまたは電流Irの大きさで、移動させたいビットである磁性細線群101Bの先端部の磁区の磁化方向がわかり、記録された情報を読み出すことができる。
次に、磁性細線群101Bから読み出した情報を磁性細線群101A側に記録する。記録は図4(b)に示すように、磁性細線群101A側の記録再生素子103Aの電極103Aと電極103A10との間に書き込み電流Iwを流すことで行う。読み取り電流Irよりも大きな書き込み電流Iwを流すことで、強磁性層103A、103A、103A、103Aの磁化方向を磁化固定層103A、103Aにより電流Iwの向きに応じて制御することができる。この時、磁性細線群101Aを構成する磁性細線101a〜101aの先端部の磁区の磁化方向は、強磁性層103A、103A、103A、103Aの磁化方向に影響されて同じ方向に向く。つまり記録再生素子103Aの電極103Aと電極103A10との間に流す書き込み電流Iwの向きにより、磁性細線群101Aの先端部の磁区の磁化方向を制御して、“0”または“1”の情報を記録することができる。なお、書き込み電流Iwの流す向きは、磁性細線群101Bから読み出した情報に基づいて決定する。このようにして、磁性細線群101Aを構成する複数の磁性細線101a〜101aに対して、一括して情報を記録することができる。
以上説明したように、1ビット分の情報を磁性細線群101Bから磁性細線群101Aに移動することができた。最後に、磁性細線群101B上の磁区を1ビット分シフトさせる。具体的には、図4(c)に示すように、非磁性電極102に印加する電位をV0とし、磁性細線群101B側の記録再生素子103Bの電極103Bと電極103B10に電位V2(V0<V2)を印加する。このとき、磁性細線群101Bを構成する磁性細線101b〜101b上に矢印130に示す方向に沿って電流が流れ、電子のスピンの影響により磁性細線101b〜101b上の磁壁が移動する。その結果、磁区は電流が流れる方向とは逆の方向となる矢印132に示す方向に沿っての記録再生素子103B側にシフト移動する。シフト移動が完了する(図4(d))。電流量と時間を制御することで、1ビット分の磁区シフトが可能である。磁性細線群を構成する全ての磁性細線について、同時に一括して磁壁のシフト移動が行われることになる。
以上説明した方法によって、磁性細線群101Bから磁性細線群101Aの方向に情報を失うことなく1ビット分シフトさせることができる。この動作を繰り返せば複数ビット分のシフト動作が可能である。また、上述した動作において、磁性細線群101Aを磁性細線群101Bと読み替えるとともに磁性細線群101Bを磁性細線101Aと読み替えて、上述したと同じ動作を行えば、上述した場合と逆方向へのシフト動作も可能である。これにより、磁性細線上の任意の位置にある情報をシフト動作により記録再生素子の位置に移動させることが可能であり、読み出し電流Irにより目的の情報を再生することができる。同様に、書き込み電流Iwにより目的の位置に目的の情報を書き込むことも可能である。
本実施形態では、磁性細線群を構成する複数本の磁性細線に対して同じ情報を記録することができる。そのため磁性細線の断線などの欠損、記録エラー、再生エラー、シフト動作のエラーなどによる問題を回避することができるという利点がある。例えば、磁性細線群に5本の磁性細線が含まれる場合、読み出し時の読み出し電流Irの変化量は、従来のような磁性細線が1本の場合の5倍となるため信号対雑音比が向上して読み出しエラーが低減する。何らかの要因で磁性細線のうち1本に対して書き込みに失敗した場合でも、他の4本が正しく書き込まれていれば、読み出し時の読み出し電流Irの変化量は十分であり、“0”か“1”かの判別は可能である。磁性細線の内1本が断線などによりシフト動作にエラーがある場合でも同様に、他の4本が正しくシフト動作していれば読み出し時の読み出し電流Irの変化量は十分であり、“0”か“1”かの判別は可能である。なお、正しく書き込まれている磁性細線が、同じ磁性細線群内の磁性細線のうちの半分以上あれば、正しい読み出しを行うことができる。
なお、磁性細線群を構成する磁性細線の本数は、各記録再生素子に対して、一定でなくても良い。そのため磁性細線群のピッチが十分に狭ければ磁性細線と記録再生素子との位置は一対一に対応させる必要がなく、磁性細線群は規則正しく配列している必要もない。各磁性細線の一端は共通の非磁性電極に接続されているため、この点でも位置合わせ精度、磁性細線の配列精度は必要ない。これにより、本実施形態によれば、製造時に要求される位置合わせ精度および配列精度は大幅に緩和される。
なお、本実施形態で説明した記録再生素子は、本実施形態の磁気メモリ100Aのように記録再生素子に対して垂直に設けられた磁性細線に磁区を記録することが可能であるという利点がある。しかも、磁性細線の長手方向に対して直交する方向に磁化を揃える所謂垂直磁気記録が可能であり、磁性細線への記録密度を高めることができる。加えて、一つの記録再生素子で複数の磁性細線に対して一度に記録および再生ができるという利点があり、しかも磁性細線上の磁区をシフトさせる電流を流すための電極も兼ねることができる。
(第3実施形態)
第3実施形態による発明の磁気メモリの製造方法について図5(a)乃至図7(c)を参照して説明する。この第3実施形態の製造方法は、第1または第2実施形態の磁気メモリを製造するものであって、例えば面積が100mmのチップに、10Tビット程度の情報を記録する磁気メモリを例にとって説明する。磁性細線の径は20nm程度、1ビットを表す磁区の最小長さは約30nm程度が可能である。記録再生素子のピッチは従来の光や電子ビームでのリソグラフィによる電極や配線などの形成を考慮すると現状では60nm程度が限界であると考えられる。よって記録再生素子に接続される磁性細線若しくは磁性細線群のピッチも同じく60nm程度となる。60nmの間隔で設けられた磁性細線群に10Tビット/100mmの密度で情報を記録するためには、一つの磁性細線若しくは磁性細線群に500ビット程度の情報を記録する必要がある。1ビットを約30nmとすると磁性細線の長さは約15μmとなり、そのアスペクトはおよそ750となる。なお、磁性細線上で1ビット30nmの密度を達成するには、磁化の容易軸方向を細線とは垂直の方向にする、いわゆる垂直磁化膜が望ましい。そのためには例えば、白金などを下地層にしてコバルトやニッケル若しくはそれらの積層膜を多層に形成した磁性細線や、鉄コバルトや鉄白金などの化合物により磁化の容易軸方向を垂直方向に制御した磁性細線が必要となる。
前述したように、記録再生素子に必要なリソグラフィの回数を極力減らして、かつ面積当たりの記録密度を向上させるには、記録再生素子を平面上に作製して記録担体である磁性細線をそれに垂直に設ける立体構造が有効である。しかし、このような高アスペクトの磁性細線列を微細に垂直に作製するのは極めて困難である。そのため高アスペクトホール列を作製し、そのホールに対して磁性材料を成膜して細線列とすることが検討されている。一般的に、半導体製造分野での高アスペクトホール列の作製方法としては、ドライエッチングでホールを掘り、その際に発生する削りかすにより、ホールの側壁を保護しながら、更に掘り進んでいくBoschプロセスが用いられる。しかしこのような方法を用いても、リアクティブイオンエッチング(RIE)やミリングなどのドライエッチングによる手段では現在の所このような高アスペクトホールは難しい。
そこで第3実施形態の製造方法では、陽極酸化法によるウエットエッチングプロセスで高アスペクトホール列を作製することとする。もちろん寸法によっては前述のドライエッチングプロセスを用いても良く、若しくは高アスペクト比を得るために低アスペクトのホール列や細線列を繰り返し積層しても良い。積層する場合は、従来のリソグラフィ、エッチング技術、若しくはコポリマーを用いた自己組織化リソグラフィなどを用いることもできる。その他例えば貴金属触媒を用いてフッ酸と過酸化水素溶液によりシリコン基板を選択的に高アスペクトエッチングするメタルアシストケミカルエッチング法などを用いても良い。
陽極酸化法を用いた製造方法について以下に説明する。金属基板、例えばアルミニウム基板302を用意する(図5(a))。この金属基板302を陽極として、電解質溶液(硫酸、シュウ酸、リン酸など)の中で通電すると、陽極金属が酸化されて金属イオンとなり融解する。この金属イオンは水の酸素と結合して金属酸化物となり、陽極金属の表面に残り成長していく。つまりこの場合は、図5(b)に示すように、アルミニウム基板302上に酸化アルミニウム(アルミナ)304が成長していくことになる。この際、溶解と成長が同時に進むことにより、陽極のアルミニウム基板302の表面にはアルミナ304の微細なホール304aが並ぶことになる。このホール304aの寸法は、アルミニウム基板302のアルミニウムの純度、印加電圧、電界質溶液、処理時間等によって決定される。例えば99.995%以上の純度のアルミニウム基板302に対して硫酸を用いて数十Vで数十分処理した場合には、径が20nm、ピッチが60nm、深さ15μmのホール304aが形成される(図5(c))。図5(d)に示すように、陽極酸化法によって形成されるホールは、金属基板の下部がバリア層302aとなるため処理時間や条件によらず貫通孔とはならない。すなわち、図5(d)に示すように、陽極酸化法を用いた場合には、最終的にバリア層302a上に、ホール304aを有するアルミナ部304が設けられた構造が残る。
そこで、本実施形態の製造方法においては、磁性細線の両端に電極や素子を設けるため貫通孔が必要である。そのため、図5(e)に示すように、陽極酸化法によって形成された複数のホール304aを有するアルミナ部304を備えたアルミニウム基板に対して、例えば強酸を用いてバリア層となる未反応のアルミニウム基板部302aを溶かすことで、陽極酸化されたアルミナ部304と、未反応のアルミニウム基板部302aを切り離すメンブレン化処理を行う。切り離された陽極酸化されたアルミナ部304は貫通ホール304aを有するアルミナからなるメンブレン310となる。なおメンブレン310の表面の平坦化のためにCMP(ケミカルメカニカルポリッシング)処理などを行っても良く、この平坦化の処理は後述する磁性材料の成膜後に行っても良い。
図5(f)に示すように、これらの貫通ホール304a内に、例えばCVD法などによる方法を用いて磁性材料を成膜すれば、メンブレン310の貫通ホール304a内に磁性細線101が形成される。高アスペクトのホールに対して成膜を行うため、CVDまたはメッキ法などの成膜方法を用いることが望ましい。しかし、スパッタ法や蒸着法などの成膜方法を用いても良い。垂直磁化膜を形成するためには多層膜や磁性合金による成膜が望ましく、ホール304aを埋めるように成膜しても良く、ホール304aの内壁にのみ成膜して磁性細線チューブを形成しても良い。複数の磁性細線101は互いに電気的に絶縁されていることが望ましく、この点で、メンブレン310として用いたアルミナは絶縁体のため好ましい。なお陽極酸化法は、フッ酸を電解質溶液としてシリコン基板に対して処理を行うことも可能である。この場合、酸化シリコンのホール列が作製される。このとき、ホール径は数百nm以上とやや大きくなり、絶縁体でないため別途絶縁層が必要となる。しかし、半導体素子が設けられたシリコンウエハ基板に対して直接ホールが形成できるなどの利点もある。このようにして、アルミナのメンブレン310の貫通孔列に磁性材料を成膜することで、複数の磁性細線101を有するアルミナ基板312が作製される(図5(f))。
これらの磁性細線101のそれぞれの両端に、シフト動作用の電極などの配線や、記録再生素子などを設けることが必要である。配線、および記録再生素子は半導体製造プロセスによりシリコンウエハ上に作製される。そのため、複数の磁性細線101を有するアルミナ基板312を挟んで、その上面と下面に配線や素子の付いたウエハ基板を貼り合せる三層構造をとることになる。この際、三層間での位置合わせが必要である。
例えば、図6に示す比較例の記録再生素子において、記録再生素子420のピッチを60nmにした場合、この比較例の磁気メモリの構造では、アルミナ基板312を挟んで、電極412が形成された基板410と、記録再生素子422が形成された基板420とを60nm以下の位置誤差で貼り合せ接合する必要がある。しかし、基板410と基板420との間には厚さ15μmのアルミナ基板312が存在するため、基板410、420間に15μmの距離がある状態で、60nm以下の位置精度で貼り合せ接合を行うことになり、現在の位置合わせ制御技術では困難である。
そこで、本実施形態の磁気メモリの製造方法においは、磁性細線列の一端を共通の非磁性電極102で接続することにした(図5(g))。具体的には、金、銀、銅、アルミニウムなどの非磁性の導電性材料を、スパッタ法、蒸着法、CVD法、めっき法、またはスピンコート法などで、磁性細線列を持つアルミナ基板312の片側の表面に成膜する。全て若しくは不特定多数の磁性細線101を電極で接続するため、磁性細線列を有するアルミナ基板312の一端は位置合わせが不要となる。これにより製造時に要求される、基板貼り合せ位置精度が大幅に緩和される。
次に、本実施形態の磁気メモリの製造方法においては、図5(h)に示すように、1つの磁性細線101に対して1つ記録再生素子322が対応するように設けられた基板320を用意し、1つの磁性細線101に対応する記録再生素子322を接続するように、基板320と、上面に非磁性電極314が形成されたアルミナ基板312と接合する。この場合は、1つの磁性細線101に対して1つの記録再生素子322が対応するように位置合わせが必要となる。このようにして、図1に示す第1実施形態の磁気メモリ100が形成される。
また、図5(i)に示すように、複数の磁性細線101に対応して1つの記録再生素子322Aが設けられた基板320Aを用意し、1つの記録再生素子322Aに、対応する複数の磁性細線101が接続するように、基板320Aと、上面に非磁性電極314が形成されたアルミナ基板312と接合する。このようにして、図3に示す第2実施形態の磁気メモリ100Aが形成される。この場合、一つの記録再生素子320Aに接続される磁性細線101の本数がばらついても良い。これにより記録再生素子のピッチに対して十分狭いピッチの磁性細線列を作製しておけば、貼り合せ時の位置合わせ精度は必要ない。磁性細線のピッチが狭ければ、どの記録再生素子に対しても常に複数本の磁性細線が接続される。これにより、いずれの磁性細線群の他端も共通の非磁性電極314に接続されていることになる。このため、どの磁性細線がどの記録再生素子に接続されても第2実施形態の磁気メモリであれば動作には問題がない。
以上説明したように、第3実施形態の製造方法によれば、製造時に要求される記録再生素子が形成された基板との貼り合せ位置精度は大幅に緩和される。
ただし、第2実施形態に磁気メモリ100Aにおいては、複数の磁性細線にまとめて同じ情報を記録するため、磁性細線の本数に比べて記録容量が減ることになる。そのため、記憶容量を確保するためには、磁性細線のピッチを狭めて総本数を増やすか、磁性細線を長くすることにより単位面積当たりの記録密度を大きくする。しかし、磁性細線列の作製に陽極酸化法を用いる場合には磁性細線を長くすることは容易であるため、この点は問題とならない。例えば、陽極酸化処理時間を制御することにより、長さが200μm以上の磁性細線を作製することもできる。
なお、陽極酸化法を用いた場合は、磁性細線の並びが完全に制御できない。アルミニウム基板の表面に対して、磁性細線を配置したい位置に予め酸化反応の起点となる傷をつけておくなどである程度の位置制御は可能ではある。しかし完全ではなく、また完全に垂直かつ直線的に酸化反応が進むとは限らずにホールの枝分かれや断線も存在する。これらの場合は、貼り合せ技術の位置精度と関係なく、磁性細線と記録再生素子を一対一で貼り合せ接続することは不可能である。例えば、図6に示す比較例において、磁性細線が形成されたアルミナ基板312の磁性細線配列に乱れがあり枝分かれや断線も存在する状態で、磁性細線の両端に、記録再生素子422が一対一に対応するように、基板410および基板420の位置合わせを行って、アルミナ基板312の両面に接合することはできない。
しかし、図7(a)に示すように、複数の磁性細線101が形成されたアルミナ基板312およびこのアルミナ基板312の上面に形成された共通の非磁性電極314を備えた構造と、複数の記録再生素子322Aが形成された基板320Aとを接合し、複数の磁性細線101が一つの記録再生素子322Aに接続する磁気記録メモリの構造であれば、磁性細線が記録再生素子と一対一に対応するような厳密な配列精度は必要ない。1つの記録再生素子に対して複数の磁性細線が対応していれば、上記複数の磁性細線の中で少なくとも1本の磁性細線を除いて枝分かれする場合、また、上記複数の磁性細線の中で少なくとも1本の磁性細線を除いて断線する場合も許容できる。また、磁性細線の他端が共通の非磁性電極314に接続されていれば、磁性細線の両端での位置合わせが不要となるため、磁性細線が完全に垂直でなくても問題ない。なお、図7(b)に示すように、どの記録再生素子にも接続しない磁性細線101が存在しても良い。図7(b)は、基板320Aの下面から透視した磁性細線101の配置を示す図である。しかし、二つの記録再生素子に跨がって接続される磁性細線がある場合は、記録再生及びシフト動作でエラーを起こす。そのため、記録再生素子間の間隔は、磁性細線の直径よりも大きいことが望ましい。
以上に述べたように、第3実施形態の磁気メモリ製造方法によれば、製造時の基板貼り合せ位置精度を大幅に緩和でき、更には陽極酸化法などの配列精度や欠陥面で課題のある製造方法も採用することができる。
(第4実施形態)
第4実施形態による磁気メモリの製造方法について、図8(a)乃至図8(f)を参照して説明する。
まず、図8(a)に示すように、共通の非磁性電極502と、絶縁体504中に設けられた複数の磁性細線506と、を備えた基板500を用意する。この基板500の製造方法は、以下のように行われる。ナノホール列を有する絶縁体504、例えばアルミニウムの陽極酸化により作製したアルミナに、磁性材料を成膜する。これにより、アルミナのナノホール内に磁性細線列506が作製される。磁性細線列506が形成されたアルミナの片面に非磁性電極502を例えばスパッタ法、CVD法、蒸着法、またはめっき法により形成する。非磁性電極502は、例えば金、銀、銅、またはアルミニウム等から形成される。
第3実施形態の製造方法では、シリコンウエハ上に記録再生素子を形成した素子基板を準備し、磁性細線を備えた基板500に貼り合せ接合を行っていた。第4実施形態では、磁性細線基板500上に記録再生素子を形成する。
まず、図8(b)に示すように、非磁性電極502の反対側の絶縁体504の表面をエッチングすることで、磁性細線506の先端部を露出させる。この際、エッチング法としては選択的に絶縁体(ここではアルミナ)を加工する方法が望ましい。加工する方法としては、例えば酸によるウエットエッチング等が挙げられる。
次に、図8(c)に示すように、露出した磁性細線506の頭部を覆うように、非磁性層508を例えばスパッタ法、CVD法、蒸着法、またはめっき法等により形成する。非磁性層508としては、例えば酸化マグネシウム、酸化アルミニウムなどが用いられる。
次に、図8(d)に示すように、非磁性層508上に強磁性層510を、スパッタ法、CVD法、蒸着法、またはめっき法等により成膜する。強磁性層510としては、例えば鉄、コバルト、およびニッケルからなる群から選択された元素の金属、またはそれらの元素を少なくとも1つ含む酸化物または合金などが用いられる。この強磁性層510はリソグラフィ等の手段、例えば露光したレジストマスクによるエッチング加工やリフトオフ法などでパターニングされ、一つの強磁性層のパターンが一つの記録再生素子に相当する。例えば、第1実施形態の磁気メモリにおいては、強磁性層510の一つのパターンが一本の磁性細線に対応するように位置合わせして形成される。また第2実施形態の磁気メモリにおいては、強磁性層の一つのパターンが複数本の磁性細線と接するように形成される。
次に、図8(e)、8(f)に示すように、強磁性層510上に、磁化方向が固定された磁化固定層512、例えばイリジウムマンガンや鉄マンガンからなる反強磁性層514、例えば金、銀、銅、またはアルミニウムなどからなる電極516を、順次形成し、磁気メモリを完成する。これらの層または電極の形成は既にあるパターン上に、成膜およびリソグラフィで直接形成する。このため、第3実施形態のように基板同士を貼り合せる場合よりも位置合わせ精度は良好である。磁性細線506が形成された基板500の反対側は非磁性電極502であるため、その面との位置合わせを考慮する必要はない。更に、第2実施形態のように強磁性層が複数かつ不定数の磁性細線に接する形態であれば、磁性細線の配列に乱れがあっても良く、また強磁性層のパターニングの際の位置合わせ精度も低くても良く、より簡便に記録再生素子を形成することができる。なお、図8(f)は、図8(e)に示す磁気メモリを上面から見た上面図である。
この第4実施形態の製造方法により、第1または第2実施形態の磁気メモリを作製することができる。
(第5実施形態)
第5実施形態による磁気メモリの再生方法について説明する。この第5実施形態の再生方法は、図3に示す第2実施形態の磁気メモリの再生方法である。すなわち、第5実施形態の再生方法は、図9(a)に示す、磁性細線群(図中では1本の磁性細線)101の一端(下端部)に非磁性層105を介して接する強磁性層103、103と、これらの強磁性層103、103にそれぞれ接する一対の磁化固定層103、103と、磁化固定層103、103の磁化を一軸方向に固定する反強磁性層103、103と、一対の電極103、103と、を備えた記録再生素子103を用いた再生方法である。この第5実施形態の再生方法は、一つの記録再生素子103で複数の磁性細線101に対して一度に記録および再生ができるという利点がある。
磁性細線101の下端部の磁区の磁化方向の読み取り時には、記録再生素子103の電極103、103間に電流を流してその電流値つまり電極103、103間の抵抗値により磁化方向を判別する。磁性細線101の下端部の磁化方向が強磁性層103、103の磁化と平行(同じ方向)であれば、電極103、103間の抵抗は低く、反平行(逆方向)であれば電極103、103間の抵抗が高い。そのため情報の読み出し時には、強磁性層103、103の磁化方向が既知であることが望ましい。なお、図9(a)は、強磁性層103、103の磁化方向が不明である場合を示している。
強磁性層103、103の磁化方向は、前述したように磁性細線101への情報記録時に記録再生素子103の電極103、103間に書き込み電圧を印加することで同一方向に揃えることができる。つまり前回記録した情報が“0”であるか“1”であるかで決まる。よって前回記録した情報を保持しておけば、記録再生素子103の電極間の抵抗の大小で磁性細線101の下端部の磁区の磁化方向が判別できる。
強磁性層103、103の磁化方向を既知とする別の手段としては、情報を読み出す前に強磁性層103、103の磁化方向を予め決められた方向に揃えておくことが挙げられる。強磁性層103、103の磁化方向は記録再生素子103の電極103、103間に書き込み電圧を印加することで任意の方向へ揃えられる。しかし、その際に磁性細線101の先端部にも磁区を書き込んでしまう問題がある。これを回避する手段としては図9(b)に示すように、情報を読み出す前に一旦、磁性細線101にシフト電流120を流して、磁性細線101上の磁区を記録再生素子103とは逆方向すなわち矢印122に示す方向にシフトさせる。その後、図9(c)に示すように、記録再生素子103の電極間に強い書き込み電圧をかけて強磁性層103、103の磁化方向を揃える。続いて図9(d)に示すように、磁性細線101にシフト電流130を流して磁性細線101の下端部の磁区を先程とは逆方向、すなわち矢印132に示す方向にシフトさせて元の位置に戻す。その後に記録再生素子103の電極103、103間の抵抗値を調べる。これにより、磁性細線101の下端部の磁区の磁化方向を読み出して情報を再生することができる。この方法によれば、強磁性層103、103の磁化方向が任意の方向に揃っているためビットの読み出しが問題なく行え、また強磁性層103、103の磁化方向を揃える際に意図せず書き込まれた磁性細線101の下端部の情報についても最後のシフト動作(図9(d)に示すシフト動作)により失われるため問題とならない。
(第6実施形態)
第6実施形態による磁気メモリの再生方法について説明する。この第5実施形態の再生方法は、図3に示す第2実施形態の磁気メモリの再生方法である。この第6実施形態の再生方法も、第5実施形態の再生方法と同様に、一つの記録再生素子103で複数の磁性細線101に対して一度に、複数の磁性細線の磁区の磁化方向の読み取り、すなわち再生ができるという利点がある。磁化方向は記録再生素子の電極間の抵抗の大きさにより読み取る。この時の抵抗値は、第5実施形態と同様に、強磁性層の磁化方向に対する磁性細線群の磁化方向で決まる。このため、各記録再生素子に接続される磁性細線の本数が等しく、読み取りにエラーのない場合は、図10に示すように、再生信号のHレベルおよびLレベルは既知となり、1ビット単位での“0”または“1”の判別は可能となる。しかし一般に、磁性細線の本数は記録再生素子ごとに異なるため抵抗値の絶対値も記録再生素子ごとに異なる。そのため抵抗値から磁性細線の磁化方向を判別するためには工夫が必要である。
そのための方法の一例としては、最初に既知の情報を各磁性細線群に記録して再生することで抵抗値を記録再生素子ごとに測定し、その値を記録再生素子ごとに別途用意したレジストリなどに記憶させておくことが有効である。このようにしておけば、ある記録再生素子において磁区の磁化方向を読み出す際には、記録再生素子の電極間の抵抗値とレジストリに記録された既知情報の抵抗値を比較することで磁化方向を判別することができる。
他の方法としては、複数のビット(磁区)を読み出し、それらの信号波形より情報(磁化方向)を判別する方法がある。この場合、磁性細線の本数にばらつきがあるため、図10(b)に再生信号波形から分かるように、1ビットだけ見てもその磁化方向、すなわち、読み取り信号がHレベルなのかまたはLレベルなのかは判別できない。しかし、複数のビットを見てその大小を比較することや、複数ビットの信号の平均値などを閾値と見なすことで2値化を行い、それらの磁化方向を判別することが可能になる。
この方法の更に望ましい形態としては、同一磁性細線群上の連続した複数のビットを一度に読み出す方法が挙げられる。同じ磁性細線群上の連続した複数のビットは同じ記録再生素子に接続されるので、例え、抵抗の絶対値が不明であっても磁性細線の本数は変わらないため一定の値であることは保証される。すなわち、図10(c)に示すように、読み取り信号のHレベルおよびLレベルの絶対値は未知であるが、同一の記録再生素子の再生信号であるため、記録再生素子の電極間の再生波形は基本的には二水準(磁区の磁化方向が強磁性層の磁化方向と同じか逆か)しかとらないため、読み取った複数ビットの信号波形の中でこの二つの水準が出現すれば、その時点で磁化方向を判別することができる。複数ビットの信号波形の平均値やピークの中間値などに閾値を設定して二値化することで、磁性細線群の内の少数にエラーが発生していたとしても正しく情報を再生することができる。
以上に述べた複数ビットの波形を利用した方法であれば、閾値を記憶させるレジストリを記録再生素子ごとに準備する必要がなく、数ビット分のレジストリを用意すれば良いため回路規模への負担が少なくなる。また例えば製品出荷前に全記録再生素子の抵抗値を測定してレジストリに記憶させるといった工程も不要となる。
(第7実施形態)
第7実施形態のシフトレジスタ型磁気メモリについて図11を参照して説明する。この第7実施形態の磁気メモリは、複数の磁性細線10111〜10122と、共通の非磁性電極102と、マトリクス状に配列された記録再生素子10311〜10322と、を備えている。各記録再生素子103ij(i,j=1,2)に対応して磁性細線101ijが設けられている。磁性細線101ij(i,j=1,2)の一端は共通の非磁性電極102に接続され、他端は対応する記録再生素子103ijに接続されている。
第7実施形態の磁気メモリは更に、セレクタ603、604、605と、2値化回路609と、を備えている。これらのセレクタ603、604、605および2値化回路609は、記録再生素子10311〜10322が形成される図示しない半導体基板に形成される。マトリクス状に配列された記録再生素子10311〜10322の各列に対応して2本の配線620、622が設けられている。各列の記録再生素子は、2つの電極のうちの一方の電極に、電流センサ610およびトランジスタ612を介して、対応する配線620に接続され、他方の電極はトランジスタ614を介して配線622に接続される。配線620はセレクタ603に接続され、配線622はセレクタ604に接続される。
また、マトリクス状に配列された記録再生素子10311〜10322の各行に対応して1本の配線630が設けられ、この配線630は、対応する記録再生素子に接続されるトランジスタ612およびトランジスタ614のそれぞれのゲートに接続されるとともに、セレクタ605に接続される。
なお、各記録再生素子に対応して設けられた電流センサ610の検出出力は2値化回路に609に送られ、読み出し信号として2値化回路609から出力される。
次に、このように構成された第7実施形態の磁気メモリの動作について説明する。
記録再生素子10321に接続された磁性細線10121上に目標とするアドレス位置があるとする。この場合、図11に示すように、セレクタ603、セレクタ604、およびセレクタ605により、記録再生素子10321の電極を選択する。セレクタ603とセレクタ604はそれぞれ第1電圧源および第2電圧源を兼ねている。セレクタ603は電圧V10を選択された記録再生素子10321の一方の電極に印加し、セレクタ604は電圧V20を選択された記録再生素子10321の他方の電極に印加する。また共通の非磁性電極102には電圧V00が印加される。
このときV00<V10=V20であれば磁性細線10321上をシフト電流Isが非磁性電極102側に流れることになり、V00>V10=V20であればシフト電流Isは逆方向の記録再生素子10321側に流れることになる。そのため任意の方向に磁区のシフトが可能となる。
また、電圧V20が電圧V10より大きくかつその電圧差が十分に大きければ、選択された記録再生素子10321の電極間に強い書き込み電流(記録電流)Iwが流れるため、磁性細線10321の下端部にその電流に応じた方向へ磁化された磁区が記録される。逆に、電圧V10が電圧V20より大きくかつその電圧差を十分に大きくすれば、磁性細線10321の下端部には、逆の方向に磁化された磁区が記録される。
また、V10<V20若しくはV10>V20でその差が小さい場合は、記録再生素子10321間に弱い再生電流Irが流れる。この再生電流Irは磁性細線10321の下端部の磁区の磁化方向によりその大きさが変わる。このため、選択された記録再生素子103の一方の電極に接続された電流センサ610により再生電流Irを測定すれば磁区の磁化方向、つまり記録された情報が読み出し可能である。
実際には再生した電流波形に対して二値化回路609により二値化処理を行い、“0”/“1”の信号として読み出す。記録については、“0”/“1”の信号に応じた電圧を、記録再生素子10321の電極に対して上述の条件式を満たす電圧V10、V20だけ印加することで行う。
上記の方法で、セレクタによって記録再生素子および磁性細線の選択し、電圧V10とV20を、選択した記録再生素子の電極に適切に印加することにより、シフト動作、記録動作、または再生動作が可能となる。また、再生電流から二値化処理をして“0”/“1”の情報を読み取る動作も可能となる。本実施形態では記録再生素子に接続する磁性細線は一本としたが、複数本でも同様である。また記録再生素子と磁性細線群を一対用意し、その間で第1実施形態や第2実施形態のように情報をやり取りさせながらシフト動作を行えば、シフトレジスタ型の磁気メモリとして機能することができる。
更には、複数の記録再生素子と磁性細線群に対して、バッファとなる記録再生素子と磁性細線群が一つまたは少数だけあるという構成でも良い。この場合、ある磁性細線群上の情報を再生する際は、その磁性細線群とバッファ磁性細線群とを対として、その間で第1実施形態や第2実施形態のように情報をやり取りさせながらシフト動作を行えば良い。情報の再生が終わると、バッファ磁性細線群上の情報をシフト動作により元の磁性細線群に戻してバッファ磁性細線を一旦空にする。次に別の磁性細線群上にある情報を再生する際は、新たにその磁性細線群と空にしたバッファ磁性細線群とを対とすることで、同様に情報を読み出す。このようにすればバッファとなる磁性細線群が全磁性細線群に占める割合が少なく(場合によっては一群のみ)なり、前述の二組の磁性細線群を対にするシフトレジスタ構成(この場合は全磁性細線群の半分がバッファとして使用されるため実質的な記録容量が少なくなる)よりも記録容量を有効的に使用することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
100、100A 磁気メモリ
101、101a、101b 磁性細線
102 非磁性電極
103、103a、103b 記録再生素子
105 非磁性層
107 絶縁体

Claims (11)

  1. 一方向に延在する複数の磁性細線群であって、各磁性細線群は少なくとも1本の磁性細線を含み、前記磁性細線は第1および第2端部を有する、複数の磁性細線群と、
    前記複数の磁性細線群に対応して設けられた複数の記録再生素子であって、各記録再生素子は対応する磁性細線群内の磁性細線に情報を書き込むとともに前記磁性細線から情報を読み出し、前記磁性細線群の前記第1端部に接続される複数の記録再生素子と、
    前記複数の磁性細線群のそれぞれの第2端部が接続される電極と、
    を備えた磁気メモリ。
  2. 各磁性細線群は1本の磁性細線からなる請求項1記載の磁気メモリ。
  3. 各磁性細線群は、少なくとも2本の磁性細線を含む請求項1記載の磁気メモリ。
  4. 各磁性細線は情報を担う複数の磁区を有し、同一の磁性細線群に含まれる磁性細線のうち、半数以上の磁性細線はそれぞれ、同じ情報が記録される請求項1記載の磁気メモリ。
  5. 前記複数の記録再生素子は第1平面上に設けられ、前記電極は、前記第1平面に対向する第2面上に設けられ、各磁性細線群は、前記第1面と前記第2面との間に位置している請求項1乃至4のいずれかに記載の磁気メモリ。
  6. 各記録再生素子は、対応する磁性細線群内の磁性細線の第1端部と非磁性層を介して接続しかつ、第1および第2強磁性層と、前記第1および第2強磁性層のそれぞれに接続する第1および第2磁化固定層と、前記第1および第2磁化固定層にそれぞれ接続し前記第1および第2磁化固定層の磁化を固定する第1および第2反強磁性層と、前記第1および第2反強磁性層にそれぞれ接続する第1および第2電極と、を備えた請求項1乃至5のいずれかに記載の磁気メモリ。
  7. 請求項6記載の磁気メモリにおいて、前記第1および第2電極間に第1電流を流し、前記第1電流の大きさにより磁性細線に記録された磁区の方向を読み出すステップと、
    前記第1および第2電極間に、前記第1電流よりも大きい第2電流を流し、前記磁性細線の磁区の方向を変えて情報を書き込むステップと、
    を備えた、磁気記録メモリの記録再生方法。
  8. 前記第1および第2電極間に前記第2電流を流して前記第1および第2強磁性層の磁化方向を揃えるステップと、
    その後、読み出すべき情報が記録された磁区を前記記録再生素子の位置までシフト動作させるステップと、
    その後、前記第1および第2電極間に電流を流すことによる前記磁区に記録された情報を読み出すステップと、
    を備えた請求項7記載の磁気メモリの記録再生方法。
  9. 1つの磁性細線群に記録された情報を再生する際、前記磁性細線群内の磁性細線から複数の情報を読み出すステップと、
    前記複数の情報に基づいて前記複数の情報を2値化した1つの情報にするステップと、
    を備えている請求項7記載の磁気メモリの記録再生方法。
  10. 請求項1乃至6のいずれかに記載の磁気メモリにおいて、
    一つの記録再生素子に接続された磁性細線群を構成する磁性細線全てに対して、同時に同じ情報を書き込みかつ同じ量のシフト動作を行う磁気メモリの動作方法。
  11. 請求項1乃至6のいずれかに記載の磁気メモリにおいて、
    前記複数の記録再生素子は第1および第2記録再生素子を有し、前記複数の磁性細線群は前記第1記録再生素子に接続される第1磁性細線群と、前記第2記録再生素子に接続される第2磁性細線群と、を有する請求項1乃至6のいずれかに記載の磁気メモリであって、
    前記第1磁性細線群上の磁区を前記電極側に1ビットシフトさせるステップと、
    前記第2磁性細線群の端部の磁区の情報を前記第2記録再生素子によって読み出すステップと、
    前記情報を前記第1記録再生素子により前記第1磁性細線群の端部の磁区に記録するステップと、
    前記第2磁性細線群上の磁区を前記第2記録再生素子側に1ビットシフトさせるステップと、
    を備えた磁気メモリの動作方法。
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