JP2007123640A - 磁気メモリ、情報記録/再生方法、情報再生方法、情報記録方法 - Google Patents

磁気メモリ、情報記録/再生方法、情報再生方法、情報記録方法 Download PDF

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Abstract

【課題】記録素子および再生素子の設置面積を縮小し、なおかつ高密度記録及び省電力を実現し得る磁気メモリ、情報記録/再生方法を提供する。
【解決手段】情報記録媒体としての磁性細線と、該磁性細線に記録された情報の再生を行うための再生素子と、該磁性細線に情報記録を行うための記録素子とを有し、該磁性細線に形成された複数の磁区を仕切る磁壁を電源から供給される電流により移動させることで情報の記録または再生を行う磁気メモリであって、該磁性細線が該記録素子および該再生素子に挟まれるように形成されていることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、情報記録再生装置、特に、磁性細線における磁区中の磁気モーメントを用いてデータを記録再生する磁気メモリに関する。具体的には、本発明はデータが記録された磁区を電流により移動させることが可能な磁気メモリ、磁気メモリ、情報記録/再生方法、情報再生方法、情報記録方法に関するものである。
従来から、ハードディスクドライブ(HDD)、固体ランダム・アクセス・メモリ(RAM)などの不揮発性メモリが多くの商品に用いられている。
HDDに関しては、安価に、100GB(ギガバイト)を超える大量のデータを記録することができる。しかし、HDDでは、回転している情報記録媒体から数nm離れたところで読み書きヘッドを移動させなければならない。したがって、HDDに振動を加えると、ヘッドが情報記録媒体を物理的に損傷し、HDDが故障する可能性がある。
固体ランダム・アクセス・メモリ(RAM)に関しては、1GBのデータを記録することができるものが開発されているが、HDDに比べて、1GBあたりの単価が高価なものとなっている。更に、代表的な固体ランダム・アクセス・メモリ(RAM)であるフラッシュ・メモリは、記録を行う際に1μsec以上の時間が必要であり、これは他のメモリと比較すると非常に大きい時間である。さらに、フラッシュ・メモリにおける書き換え回数は、100万回程度であり、これ以上のデータの書き込みを行うと、セルに記録したデータが消失してしまうという問題がある。
その他の固体ランダム・アクセス・メモリである、強誘電体RAM(FeRAM)、OUM(Ovonic Unified Memory)、MRAM(Magnetic RAM)においても、数MB程度の容量しか実現されていない。
以上のように、不揮発性メモリ素子には、HDDのような情報記録媒体と再生/読み取り素子間のギャップ制御や駆動機構が無く、低コストかつHDDに匹敵する記録容量を有し、さらに、書き換え回数が無制限であることが要求されている。
このような課題を克服するために考案されたのが、基板と垂直方向に配置した磁性細線に情報を多数記録するMRTM(Magnetic Race Track Memory)である。MRTMについては、特許文献1および2に詳細に記載されているため、以下では簡単に紹介する。
図8は、特許文献1および2に記載されているMRTMの単位セルの構成図である。図8を参照して、MRTMを説明する。MRTMの単位セル900Bは、シリコン基板120上に垂直に配置したU字型形状の磁性細線101と、記録素子106と、再生素子107と、磁性細線101に電流901を供給する電源とで構成されている。
さらに、磁性細線101は、物理的な切込みで区切られた複数の磁区903…からなる。各磁区903の磁化の向きにより、情報の“1”、“0”を記録している。つまり、磁性材料でできたビット・セルが、基板に対して垂直に多数積層されていることになる。たとえば、10ミクロンの長さの磁性細線101に、1つあたり0.1ミクロンの長さを有する磁区を形成すれば、100ビットもの情報を垂直方向に積層して記録することができる。
次に、MRTMにおける情報の記録/再生方法について説明する。図8に示すように、磁性細線101は、情報を記録する領域である記録領域904と、それ以外の領域であるリザーブ領域905とに分けられており、記録情報は、記録領域904中の磁区903に記録されている。
情報を再生する場合には、磁性細線101に電流901を流すことによって、情報が記録されている磁区903を区切る磁壁を、記録領域904からリザーブ領域905へと移動させ、再生を行いたい情報が記録されている磁区903を再生素子107上部に移動させる。なお、電流901はパルス電流であり、その方向・パルス数により、磁壁が移動する方向・距離を制御することができる。
また、再生素子107は、図9に示すようにTMR(Tunnel Magnetoresistance)素子908を含んでおり、TMR素子908の上に移動してきた磁区903の磁化により、TMR素子908の自由層における磁化の向きが変化する。この自由層の磁化の向きをTMR効果により検知することによって、情報の“1”、“0”を読み取ることができる。
また、情報を記録する場合は、再生時と同様に磁性細線101に電流901を流すことによって(図8参照)、情報が記録されている磁区903間を区切る磁壁を、記録領域904からリザーブ領域905へと移動させ、記録を行いたい磁区903を記録素子106上部に移動させる。ここで、記録素子106に電流を流し、それにより発生する磁界によって、記録素子上部の磁区903の磁化の方向を設定することで、情報の“1”“0”を記録する。
米国特許第6834005号明細書 米国特許出願公開第2005/0094427号明細書 米国特許第6898132号明細書 米国特許出願公開第2005/0078509号明細書 特開2004-192744号公報(2004年7月8日公開)
ところで、MRTMの記録/再生速度は、1〜100nsであり、従来のDRAMと同等の速度を有する。また、MRTMは、より小さいチップ面積に多くの情報を記録することが可能なため、低コスト化を実現することができる。また、HDDのような駆動機構を備えないため、既存の半導体と同等の信頼性を備えている。そのため、MRTMに対しては、すべての不揮発性メモリを置き換えるようなユニバーサルメモリとしての応用が期待されている。
しかしながら、MRTMの単位セルの寸法は、図9に示すように各単位セルに配置された記録素子と再生素子の寸法に依存することとなる。そのため、高密度に単位セルを配置するためには、記録素子及び再生素子の設置面積を縮小する必要があるという問題がある。
ここで、記録素子及び再生素子の設置面積を縮小するための方法として、記録素子及び再生素子の寸法自体を小さくすることが考えられる。しかしながら、素子の寸法を小さくした場合は、素子感度が低下して、メモリが誤作動することが考えられるため現実的ではない。
一方、従来のMRTMにおける記録素子は、配線に電流を流し、そこから発生する漏洩磁界を用いて磁性細線中の磁化を制御し記録を行っている。磁界によって記録を行う場合には、情報記録媒体の寸法が減少するほど必要な磁界が増加するため、配線に流れる電流を増加させなければならず、消費電力が大きくなってしまう。そのため、記録ビットを小さくし、記録密度を向上することが困難となる。
これに関する解決策の一つとして、スピン注入磁化反転技術を用いることが挙げられる(特許文献5等参照)。スピン注入磁化反転技術によれば、情報記録媒体の寸法の減少に伴い必要とする電流を下げることができるため、低消費電力及び高密度記録に適した技術である。
スピン注入磁化反転技術について、もう少し具体的に説明する。図10に示すように、2つの強磁性体FM1・FM2により、非磁性体NMが挟まれており、FM1とFM2の磁化が反並行に向いているとする。この多層膜において、強磁性体FM2から強磁性体FM1の方向へ電流を流すと、強磁性体FM1から非磁性体NMを通過して強磁性体FM2にスピン偏極した電子が流れることになる。すなわち、図10において下向きに向いたスピンを持つ電子が、強磁性体FM2に流れる。
このとき、FM1から流れ込んだ電子の持つスピンとFM2のスピンが相互作用し、スピン角運動量の授受が行われる。この結果、強磁性体層FM2の磁気モーメントにスピントルクが生じる。このスピントルクが大きければ、強磁性体FM2の磁気モーメントは、回転して、強磁性体FM1の磁気モーメントと平行になる。このスピン偏極した電子によるスピントルクが磁化反転の駆動力になる。これが、スピン注入磁化反転と呼ばれる現象である。
これにより、反平行に向いていた強磁性体FM1と強磁性体FM2の磁化を平行にすることができる。また、逆に、強磁性体FM1と強磁性体FM2の磁化を反平行に戻す場合は、前述した向きと逆に電流を流せばよい。
そして、本発明は、このようなスピン注入磁化反転技術が用いることで、記録素子および再生素子の設置面積を縮小し、なおかつ高密度記録及び省電力を実現し得る磁気メモリ、情報記録/再生方法、情報再生方法、および情報記録方法を提供することを目的とするものである。
本発明の磁気メモリは、上記課題を解決するために、情報記録媒体としての磁性細線と、当該磁性細線に記録された情報の再生を行うための再生素子と、上記磁性細線に情報記録を行うための記録素子とを有し、上記磁性細線に形成された複数の磁区を仕切る磁壁を、電源から供給される電流により移動させることで、情報の記録または再生を行う磁気メモリであって、上記磁性細線が、上記記録素子および上記再生素子に挟まれるように形成されていることを特徴としている。
上記構成によれば、磁性細線が記録素子および再生素子に挟まれるように形成されているので、セル面積を縮小することができ、記録密度を向上させることができる。また、磁性細線を記録素子および再生素子で挟むことにより、スピン注入による磁化反転技術を用いることが可能となり、情報記録媒体の微小化に伴う消費電力の増加を防ぐことが可能となる。
記録素子と再生素子とで磁性細線を挟むためには、再生素子を、たとえば、第1の電極と、磁化方向が固定された第1の強磁性体層と、第1の中間層と、磁化方向が可変の第2の強磁性体層と、第2の電極とが、この順に積層することで構成すればよい。
特に、第1の電極と上記第1の強磁性体層との間に、反強磁性体層を配置することにより、第1の強磁性体層の磁化方向をより確実に固定することができる。
また、スピン注入による磁化反転技術を用いるために、記録素子は、たとえば、第3の電極と、第2の中間層と、磁化方向が固定された第3の強磁性体層と、第4の電極とを、この順に積層し、上記第3の電極と、上記第2の中間層との間に、上記磁性細線を挟むようにして構成すればよい。
特に、第4の電極と上記第3の強磁性体層との間に、反強磁性体層を配置することにより、第3の強磁性体層の磁化方向をより確実に固定することができる。よって、より効率的にスピン注入による磁化反転技術を行うことができる。
さらに、上記再生素子における第2の電極と、上記記録素子における第3の電極とを共通化することにより、セル面積をさらに縮小することができ、記録密度をより向上させることができる。
また、上記再生素子は、第1の電極と、磁化方向が固定された第1の強磁性体層と、第1の中間層とを、この順に積層することで構成してもよい。
特に、第1の電極と上記第1の強磁性体層との間に、反強磁性体層を配置することにより、第1の強磁性体層の磁化方向をより確実に固定することができる。よって、より効率的にスピン注入による磁化反転技術を行うことができる。
また、記録素子は、第1の電極と、磁化方向が固定された第1の強磁性体層と、第1の中間層とを、この順に積層し、更に、上記磁性細線を介して、第2の中間層と、磁化方向が固定された第2の強磁性体層と、第2の電極とを、この順に積層することで構成してもよい。
さらに、上記第1の強磁性体層と、上記第2の強磁性体層との磁化方向は、逆向きであることが好ましい。
上記構成によれば、第1の強磁性体層または第2の強磁性体層を通過した電子のスピンがもつ角運動量を、磁性細線中の磁区の磁化に効率的に作用させることができる。その結果として、情報記録時に必要となる電流値を低減することが可能となる。
特に、第1の電極と第1の強磁性体層との間、および、第2の電極と第2の強磁性体層との間の少なくとも一方に、反強磁性体層を配置することにより、第1の強磁性体層または第2の強磁性体層の磁化方向をより確実に固定することができる。よって、より効率的にスピン注入による磁化反転技術を行うことができる。
また、本発明の情報記録/再生方法は、上記課題を解決するために、情報記録媒体としての磁性細線と、当該磁性細線に記録された情報の再生を行うための再生素子と、上記磁性細線に情報記録を行うための記録素子とを有する磁気メモリを用いた情報記録/再生方法であって、上記磁性細線は、上記記録素子および上記再生素子に挟まれるように形成され、上記磁性細線に形成された複数の磁区を仕切る磁壁を、電源から供給される電流により移動させることで、情報の記録または再生を行うことを特徴としている。
上記構成によれば、磁性細線が記録素子および再生素子に挟まれるように形成されているので、セル面積を縮小することができ、記録密度を向上させることができる。また、磁性細線を記録素子および再生素子で挟むことにより、スピン注入による磁化反転技術を用いることが可能となり、情報記録媒体の微小化に伴う消費電力の増加を防ぐことが可能となる。
さらに、上記構成の情報記録/再生方法において、上記再生素子を、第1の電極と、磁化方向が固定された第1の強磁性体層と、第1の中間層と、磁化方向が可変の第2の強磁性体層と、第2の電極とを、この順に積層することで構成し、上記磁性細線に形成された複数の磁区を仕切る磁壁を、電源から供給される電流により移動させるとともに、上記磁性細線に電流を流すことによって生じる磁化方向の変化を、上記第1の強磁性体層の磁化方向と、上記第2の強磁性体層の磁化方向との相対的な関係に応じて決定される上記第1及び第2の強磁性体層の間の電気抵抗の変化として、上記第1及び第2の電極で検出することで、磁性細線に記録された情報の再生を行ってもよい。
また、上記構成の情報記録/再生方法において、上記再生素子を、第1の電極と、磁化方向が固定された第1の強磁性体層と、第1の中間層とを、この順に積層することで構成し、上記磁性細線に形成された複数の磁区を仕切る磁壁を、電源から供給される電流により移動させるとともに、上記磁性細線に電流を流すことによって生じる磁化方向の変化を、上記第1の強磁性体層の磁化方向と、上記磁性細線の磁化方向との相対的な関係に応じて決定される、上記第1の強磁性体層及び上記磁性細線の間の電気抵抗の変化として、上記第1の電極と上記磁性細線との間に電流を流して検出することで、磁性細線に記録された情報の再生を行ってもよい。
さらに、上記構成の情報記録/再生方法において、上記記録素子を、第3の電極と、第2の中間層と、磁化方向が固定された第3の強磁性体層と、第4の電極とを、この順に積層することで構成し、さらに、上記第3の電極と、上記第2の中間層との間に、上記磁性細線を挟むように構成し、上記磁性細線に形成された複数の磁区を仕切る磁壁を、電源から供給される電流により移動させるとともに、上記第3及び第4の電極間に電圧を印加して上記第3の強磁性体層と磁性細線との間に電流を流し、スピン偏極した電子を上記磁性細線に作用させることで、磁性細線に対して情報の記録を行ってもよい。
また、上記構成の情報記録/再生方法において、上記記録素子を、第1の電極と、磁化方向が固定された第1の強磁性体層と、第1の中間層とが、この順に積層されており、更に、上記磁性細線を介して、第2の中間層と、磁化方向が固定された第2の強磁性体層と、第2の電極とを、この順に積層することで構成し、上記磁性細線に形成された複数の磁区を仕切る磁壁を、電源から供給される電流により移動させるとともに、上記第1及び第2の電極間に電圧を印加して、上記第1の強磁性体層と上記磁性細線と上記第2の強磁性体層とに電流を流し、スピン偏極した電子を上記磁性細線に作用させることで、磁性細線に対して情報の記録を行ってもよい。
本発明によれば、磁性細線が記録素子および再生素子に挟まれるように形成されているので、セル面積を縮小することができ、記録密度を向上させることができる。また、磁性細線を記録素子および再生素子で挟むことにより、スピン注入による磁化反転技術を用いることが可能となり、情報記録媒体の微小化に伴う消費電力の増加を防ぐことが可能となる。
[実施の形態1]
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳しく説明する。なお、同一の部材には同一の参照番号を付すことで、その部材に関する説明は省略する。
図1は本実施の形態にかかる磁気メモリの記録/再生素子の概略図を示している。図1に示すように、本実施の形態にかかる記録/再生素子200は、磁性細線101を、再生素子200aと、記録素子200bとで挟み込んだ構成をとっている。
再生素子200aは、電極(第1の電極)201aと、反強磁性体層202aと、磁化が一方向に固定された磁化固定層(第1の強磁性体層)203aと、中間層(第1の中間層)204aと、磁化方向が可変な磁化自由層(第2の強磁性体層)205と磁化自由層205上に形成される保護層206と、電極(第2の電極)201bとが、磁性細線101の下部に積層されることにより形成されている。
また、記録素子200bは、非磁性金属からなる中間層(第2の中間層)204bと、磁化が一方向に固定された磁化固定層(第3の強磁性体層)203bと、反強磁性体層202bと、電極(第4の電極)201cとが、磁性細線101の上部に積層されることにより形成されている。また、電極201b(第3の電極)も、記録素子200bを構成する一要素である。
なお、電極201bは、請求項における第2の電極および第3の電極のいずれにも対応する構成である。第2の電極および第3の電極を共通化することでセル面積の縮小ができるという観点から、第2の電極および第3の電極に対応する実施形態の構成は、電極201bの1つだけを記載している。しかしながら、第2の電極と、第3の電極とは、別個の構成とされていても構わない。
本実施の形態においては、再生素子200a及び記録素子200bに配置された電極201a〜201c間に所望の電流を流すことにより、情報の記録及び再生を行う。尚、情報の記録及び再生方法については、後述する。
また、図1に示すように記録/再生素子200の設置面積は、従来の磁気メモリの再生素子1個分の面積と等しい。そのため、磁性細線101底部の寸法は、図9に示した従来の磁気メモリよりも小さくすることが可能であり、単位セル面積を縮小し高密度に単位セルを形成することが可能となる。
尚、図1中の再生素子200aと記録素子200bで示した部分とは、磁性細線101を挟み込むように形成されていればよく、再生素子200aと記録素子200bとの上下関係は、上述したものと逆であっても構わない。
本実施の形態における記録/再生素子200は、磁化固定層203a及び磁化固定層203bの磁化が、反強磁性体層202a及び202bによって一方向に固定され、磁化自由層205の磁化が反転可能とされている。また、反強磁性体層202a及び反強磁性体層202bによって、磁化固定層203a及び磁化固定層203bの磁化を固定する代わりに、磁化反転が起こりにくい硬磁性材料により磁化固定層を形成してもよい。
次に、本実施の形態における記録/再生素子200の各要素を形成する材料について詳述する。
まず、磁化固定層203aおよび磁化固定層203bと、磁化自由層205の材料としては、以下の(1)〜(3)のうちいずれかを用いることができる。
(1)Fe、Co、Ni、または、Fe、Co、Ni、Mn及びCrよりなる群から選択された少なくともいずれかの元素を含む合金
(2)「パーマロイ」と呼ばれるNiFe系合金、CoNbZr系合金、FeTaC系合金、CoTaZr系合金、FeAlSi系合金、FeB系合金、CoFeB系合金などの軟磁性材料
(3)ホイスラー合金、CrO、Fe、La1―XSrMnOなどのハーフメタル磁性材料
磁化固定層203aおよび磁化固定層203b、磁化自由層205の材料としては、これらのうちから用途に応じた磁気特性を有するものを適宜選択して用いればよい。
また、これら磁性体層に用いる材料としては、連続的な磁性体、あるいは非磁性マトリクス中に磁性体からなる微粒子が析出あるいは形成されてなる複合体構造を用いることもできる。このような複合体構造としては、例えば、「グラニュラー磁性体」などと称されるものを挙げることができる。
さらに、磁化自由層205の材料としては、[(CoあるいはCoFe合金)/(NiFeあるいはNiFeCoからなるパーマロイ合金あるいはNi)]からなる2層構造、あるいは[(CoあるいはCoFe合金)/(NiFeあるいはNiFeCoからなるパーマロイ合金あるいはNi)/(CoあるいはCoFe合金)]からなる3層構造の積層体を用いることもできる。
一方、中間層204aおよび中間層204bの材料としては、以下のものを用いることができる。
(1)Cu、Au、Ag、Ruあるいはこれらのいずれか一種以上を含む合金
(2)Al、Ti、Ta、Co、Ni、Si及びFeよりなる群から選択された少なくともいずれかの元素を含む酸化物あるいは窒化物、
(3)フッ化物からなる絶縁体
また、中間層204a・204bには、酸素等の異種元素が添加されていてもよい。
また、本実施の形態においては、磁化固定層203a・203bの磁化を、反強磁性体層202a・202bにより固定している。この場合に用いることができる反強磁性体の材料としては、FeMn、PtMn、PdMn、PdPtMn、IrMn、PtIrMnなどを用いることが望ましい。また、層間結合を使って固着させる際の中間層としては、Cu、Au、Ag、Ruあるいはこれらのいずれか1種以上を含む合金が好ましい。
情報記録媒体である磁性細線101は、磁化、交換パラメータ、磁気異方性、ダンピング係数を適切に選択した強磁性、フェリ磁性を示す磁性材料であることが望ましい。これら磁性材料の代表的なものとしては、FeNi合金、CoFe合金、Ni、Fe、Coからなる合金、Ni、Fe、Coからなる合金にB、Zr、Hf、Cr、Pd、Ptを添加した磁性材料がある。
また、本実施の形態にかかる磁気メモリ100の構成要素は、MRAMなどに用いられている多層膜の形成方法、エッチング方法などの半導体プロセスを用いてすべて製造することができる。
例えば、Siなどの基板上に、最初に電極201aを成膜し、その後、反強磁性体層202a、磁化固定層203a、中間層204a、磁化自由層205、および保護層206をこの順で成膜する。より具体的には、Taからなる電極201a(膜厚10nm)を形成し、その上に、反強磁性体層202aとしてIrMn合金層(膜厚10nm)を形成する。
さらにその上に、磁化固定層203aとして、飽和磁化Bsが約1Tの軟磁性体であるNiFe合金層(膜厚5nm)を形成する。さらに、AlO層(膜厚1.4nm)を中間層204aとして形成し、その上に、磁化自由層205として飽和磁束密度2.3Tを有するFeCoNi合金層(膜厚5nm)を形成する。次に、保護層206としてTa層を5nm成膜する。
その後、レジストを塗布し、所定の記録/再生素子200の寸法(例えば、100nm×100nm)にパターニングして、イオンミリングを用いて電極201aの表面までエッチングを行う。
電極201aは、SiO保護膜を成膜し、レジストを塗布して電極201aの幅方向の寸法にパターニングを行った後、RIEエッチングにより加工する。その後、レジストを除去し、SiOxからなる層間絶縁膜を成膜した後、エッチバックを行い、平坦化して保護層206のTa層の表面を露出させる。
その後、スパッタエッチングした後にTaを電極201b(10nm)として成膜し、レジスト塗布、RIE、レジスト除去のプロセスを順次実施し、電極201bを加工する。
次に、Siからなる絶縁膜を50nm積層し平坦化処理を施した後、レジストを塗布し、記録/再生素子200を形成している位置に、情報記録媒体である磁性細線101底部の寸法(例えば、100nm×300nm)のパターニングを行い、その箇所のSiをエッチングにより取り除く。更に、エッチングして取り除かれた部分に、磁性細線101の底部をなすようにFeNi合金をCVDにより充填し、レジストを取り除く。
次に、磁性細線101の底部をなすFeNi合金の上に、中間層204b、磁化固定層203b、反強磁性体層202b、および電極201cをこの順で成膜する。本実施の形態においては、Cuからなる中間層204b(膜厚5nm)を形成し、その上に、磁化固定層203bとして、飽和磁化Bsが約1Tの軟磁性体であるNiFe合金層(膜厚10nm)を形成する。更に、反強磁性体層202bとして、IrMn合金層(膜厚10nm)を形成する。
次に、レジストを塗布し、所定の記録/再生素子200の寸法(例えば、100nm×100nm)にパターニングして、イオンミリングを用いて磁性細線101の表面までエッチングを行う。
その後、レジストを除去し、SiOからなる層間絶縁膜を成膜した後、エッチバックを行い、平坦化した後に、電極201bとしてTa(10nm)を成膜し、レジスト塗布、RIE、レジスト除去のプロセスを順次実施し、電極201cを加工する。
最後に、情報記録媒体である磁性細線101の基板に垂直と成る部分を形成する。これは、例えば0.5μm〜10μmのSiからなる絶縁膜を、上記で作製した記録/再生素子200上に成膜し、これにトレンチと呼ばれる高アスペクト比の穴を形成した後に、その中に磁性材料を充填して作製する。
トレンチの寸法の一例としては、断面積100nm×100nmであり、深さは0.5μm〜10μmである。上記寸法は、一例として示したものであり、この形状に限定されるものでない。また、トレンチの断面形状は円形でも四角形でも構わない。
トレンチの形成及び磁性材料の充填方法としては、例えば、DRAM製造プロセスにおいて使用されている半導体のエッチング方法を用いてトレンチを形成した後に、メッキ法を用いて磁性材料を充填する方法がある。
次に、本実施の形態における磁性細線101への情報の記録及び再生方法について述べる。
磁性細線101における所望の磁区に記録を行うためには、まず、記録を行うための磁区903の選択を行う。磁区903の選択は、図示しない電流供給手段から磁性細線101に電流901を流すことにより、情報が記録されている磁区903を区切る磁壁を移動させ、記録を行いたい磁区903を記録/再生素子200が配置されている箇所に移動させることにより行う。なお、電流901はパルス電流であり、その方向・パルス数により、磁区903が移動する方向・距離を制御することができる。
図2は、本実施の形態における情報記録時のメカニズムを説明するための模式図である。図2においては、説明を分かりやすくするために、磁性細線101中において記録を行う磁区903の1つのみを記載し、磁性細線101のその他の部分については示していない。
まず、磁性細線101中の記録を行いたい磁区903を、記録/再生素子200の位置に移動させる。その後、図示しない電流供給手段により、電極201b→電極201cまたは電極201c→電極201bいずれかの方向に電流902を流す。そして、この電流902により、磁性細線101中の選択された磁区903の磁化を所定の方向に向け、情報記録媒体である磁性細線101に情報を磁気的に記録する。つまり、スピン偏極電流によって、磁性細線101中の選択された磁区903の磁化を反転させる。
情報記録時のメカニズムについて図2を用いて更に詳細に説明する。
まず図2(a)に示すように、電極201bと電極201cとの間に電圧を印加し、電極201bから、情報記録媒体である磁性細線101、中間層204b、磁化固定層203b、反強磁性体層202b、および電極201cへと電流902を流す。これにより、磁化固定層203bからスピン偏極した電子が磁性細線101の選択された磁区903に流入する。
つまり、磁化固定層203bを通過した電子は、磁化固定層203bの磁化方向と同じ方向の磁気モーメントを有するスピン(同図において右向き矢印を付している)を持ち、磁性細線101中の選択された磁区903に流入する。このスピンの持つ角運動量が、磁性細線101中の選択された磁区903に伝達され、磁区903中の局在する原子の磁気モーメントに作用し、その磁化を磁化固定層203bの磁化方向と同じ方向に反転させることができる。
これに対して、図2(b)に示すように、電極201bと電極201cとの間に電圧を印加し、磁化固定層203bから磁性細線101中の選択された磁区903に(図2(a)と逆方向)向けて電流902を流すと、図2(a)に示す場合と磁化方向が逆になる。
すなわち、磁化固定層203bの磁化方向と同じ方向の磁気モーメント有するスピン(同図において右向き矢印を付している)を持つ電子は、磁化固定層203bを容易に通過できるのに対して、磁化固定層203bの磁化方向と逆方向の磁気モーメントを有するスピン(同図において左向き矢印を付している)を持つ電子は、非磁性金属膜からなる中間層204bと磁化固定層203bとの界面において高い確率で反射される。
その後、磁化固定層203bの磁化方向と逆方向の磁気モーメントを有するスピンを持つ電子は、磁性細線101中の磁区903に戻る。そして、この電子は、磁区903の局在する原子の磁気モーメントに作用して、磁区903の磁化を磁化固定層203bの磁化と逆方向に反転させる。
このように、電極201bと電極201cとの間に流れる電流902の方向に応じて、磁性細線101中の磁区903の磁化方向を制御可能であるので、磁気記録が可能となる。また、磁性細線101中の他の磁区903においても同様に、磁性細線101に電流を流すことにより記録したい磁区903を記録/再生素子200の位置に移動させるとともに、電極201bと電極201cとの間に流れる電流902の向きを制御することにより、磁区中の磁化方向を変化させて情報記録を行うことができる。
次に、磁性細線101に記録されている情報を再生する場合は、情報記録時と同様にして、磁性細線101に電流902を流すことにより、情報が記録されている磁区903を区切る磁壁を移動させ、再生を行いたい磁区を記録/再生素子200が配置されている箇所に移動させる。
図3(a)及び図3(b)は、本実施の形態における再生時のメカニズムを説明するための模式図である。図は、説明を分かりやすくするために、磁性細線101中において記録/再生素子200の位置に移動した再生を行う磁区903の1つのみを記載し、磁性細線101のその他の部分については示していない。
図3(a)及び図3(b)に示すように磁化固定層203aと磁化自由層205との間には、絶縁膜からなる中間層204aが設けられている。すなわち、この磁気ヘッドの磁化自由層205から磁化固定層203aに電流が流れる場合の電気抵抗は、磁化自由層205の磁化と、磁化固定層203aの磁化との相対的な方向に依存する。
ここで、磁化自由層205の磁化は、記録/再生素子200の位置に移動した再生を行う磁区903に記録されている信号磁界を受けて、その方向に回転される。その磁化方向を、上述のように磁化自由層205と磁化固定層203aとの相対的な方向に依存する電気抵抗の変化として検出することができる。
従って、磁性細線101中の再生を行いたい磁区903を記録/再生素子200の位置に移動させた後、電極201aと電極201bとの間に、図示しない電流供給手段により電流902を流し、電気抵抗の変化を検出する。これにより、再生を行いたい磁区903に記録されている磁化方向を検出することができ、情報を再生することが可能となる。
図3(a)および図3(b)に示した具体例の場合、もし、磁化自由層205の磁化と磁化固定層202の磁化とが平行な場合(図3(a))の電気抵抗をRp、反平行な場合(図3(b))の電気抵抗をRapとすると、Rap>Rpとなる。
また、磁性細線101中の他の磁区903においても同様に、磁性細線101に電流902を流すことにより再生したい磁区903を記録/再生素子200の位置に移動させ、上述した手法により再生を行うことができる。
以上のように、本実施の形態によれば、磁性細線を挟みこむように記録素子および再生素子を成形することにより、セル面積を縮小することができ、記録密度を向上させることができる。また、記録/再生素子においては、磁化反転を外部磁界で行う場合、素子の微小化によって必要磁界が増加する。しかしながら、スピン注入による磁化反転技術を用いると、電子の注入量が少なくてすむため、必要電流を減少できる。従って、スピン注入による磁化反転技術を用いることにより、情報記録媒体の微小化に伴う消費電力の増加を防ぐことが可能となる。
[実施の形態2]
図4は本実施の形態にかかる磁気メモリの記録/再生素子の概略図を示している。図4に示すように、本実施の形態にかかる記録/再生素子200’は、磁性細線101を図4中の再生素子200a’と記録素子200b’とで挟み込んだ構成をとっている。
図4の再生素子200a’は、電極(第1の電極)201a’と、反強磁性体層202a’と、磁化が一方向に固定された磁化固定層(第1の強磁性体層)203a’と、中間層(第1の中間層)204a’とが、磁性細線101の下部に積層されることにより形成されている。また、図4の記録素子200b’は、上記再生素子200a’の構成に加え、非磁性金属からなる中間層(第2の中間層)204b’と、磁化が一方向に固定された磁化固定層(第2の強磁性体層)203b’と、反強磁性体層202b’と、電極(第2の電極)201c’とが、磁性細線101の上部に積層されることにより形成されている。
本実施の形態においても、図4に示すように、記録/再生素子200’の設置面積は、従来の磁気メモリの再生素子1個分の寸法である。そのため、磁性細線101底部の寸法は、図9に示した従来の磁気メモリよりも小さくすることが可能であり、単位セル面積を縮小し高密度に単位セルを形成することが可能となる。
尚、図4中の再生素子200a’と記録素子200b’とは、磁性細線101を挟み込むように形成されていればよく、再生素子200a’と記録素子200b’との上下関係は限定されるものではなく逆であっても構わない。
また、本実施の形態における記録/再生素子200’の磁化固定層203a’・203b’の磁化は、反強磁性体層202a’・202b’によって一方向に固定され、それぞれ逆方向に向いている。また、反強磁性体層202a’・202b’によって磁化固定層203a’・203b’の磁化を固定する代わりに、磁化反転が起こりにくい硬磁性材料により磁化固定層を形成したものでもよい。
なお、本実施の形態における記録/再生素子の各要素を形成する材料については、実施の形態1の材料と同様である。
また、本実施の形態においても、MRAMなどに用いられている多層膜の形成方法、エッチング方法などの半導体プロセスを用いてすべての構成要素を製造することができる。
例えば、Siなどの基板上に、電極201a’を成膜し、その後、反強磁性体層202a’、磁化固定層203a’、および中間層204a’をこの順で成膜する。本実施の形態においては、Taからなる電極201a’(膜厚10nm)を形成し、その上に、反強磁性体層202a’としてPtMn合金層(膜厚10nm)を形成する。さらにその上に、飽和磁化Bsが約1TのNiFe合金層(膜厚5nm)からなる軟磁性体により、磁化固定層203a’を形成する。さらに、Cu層(膜厚5nm)を中間層204a’として形成する。
次に、実施の形態1において示した図1に示す磁気メモリに関して説明したものと同様の工程により、電極201a’、反強磁性体層202a’、磁化固定層203a’、および中間層204a’を所定の寸法に加工し、磁性細線101の底部を形成する。
次に、磁性細線101であるFeNi合金の上に、中間層204b’、磁化固定層203b’、反強磁性体層202b’、および電極201c’をこの順で成膜する。本実施の形態においては、Cuからなる中間層204b’(膜厚5nm)を形成し、その上に、飽和磁化Bsが約1TのNiFe合金層(膜厚5nm)からなる軟磁性体により、磁化固定層203b’を形成する。さらに、反強磁性体層202b’として、IrMn合金層(膜厚10nm)を形成する。
次に、基板面内に外部磁場を印加しながら熱処理を行う。すなわち、図4において右方向に10kOeの外部磁界を印加しながら270℃で10時間の加熱処理を行う。これにより、反強磁性体層(PtMn合金層)202a’に隣接した磁化固定層(軟磁性体のNiFe合金層)203a’の磁化を、図面右方向に固定することができる。
更に、図4において左方向に外部磁界を印加しながら、200℃で1時間の熱処理を加える。これにより、反強磁性体層(IrMn合金層)202b’に隣接した磁化固定層(軟磁性体のNiFe合金層)203b’の磁化を、図面左方向に固定することができる。
次に、レジストを所定の記録/再生素子200’の寸法(例えば、100nm×100nm)にパターニングして、イオンミリングを用いて磁性細線101の表面に対してエッチングを行う。
その後、レジストを除去し、SiOからなる層間絶縁膜を成膜した後、エッチバックを行って平坦化する。その後、電極201c’としてTa(10nm)を成膜し、レジスト塗布、RIE、レジスト除去のプロセスを順次実施し、電極201c’を加工する。
最後に、実施の形態1における磁気メモリに関して説明したものと同様の工程により、情報記録媒体である磁性細線101の基板に垂直と成る部分を形成する。
次に、本実施の形態の磁気メモリにおける磁性細線101への情報の記録再生方法について述べる。
磁性細線101の所望の磁区903に記録を行うためには、最初に記録を行うための磁区903の選択を行う。磁区903の選択は、図示しない電流供給手段から磁性細線101に電流901を流すことにより、情報が記録されている磁区903を区切る磁壁を移動させ、記録を行いたい磁区903を記録/再生素子200’が配置されている箇所に移動させることにより行う。なお、電流901はパルス電流であり、その方向・パルス数により、磁壁が移動する方向・距離を制御することができる。
図5は、本実施の形態における情報記録時のメカニズムを説明するための図である。なお、図5においては、説明を分かりやすくするために、磁性細線101中において記録を行う磁区903の1つのみを記載し、磁性細線101のその他の部分については示していない。
まず、磁性細線101中の記録を行いたい磁区903を、記録/再生素子200’の位置に移動させた後、2つの磁化固定層203a’・203b’の界面を横切るように、電極201a’と電極201c’との間に、図示しない電流供給手段により電流902を流す。これにより、磁性細線101中の磁区の磁化方向を制御する。
ここで、図5(a)は、電極201a’と電極201c’との間に電圧を印加し、電極201a’から、反強磁性体層202a’、磁化固定層203a’、および中間層204a’を介して情報記録媒体である磁性細線101の方向に電流902を流した場合の図である。このように電流902を流すことにより、磁化固定層203b’を通過した電子は、磁化固定層203b’の磁化と同じ方向の磁気モーメントを有するスピン(同図においては右向き)をもつようになる。このようなスピンを有する電子が磁性細線101中の選択された磁区903へ流れると、このスピンのもつ角運動量が磁性細線中の磁区903へ伝達され、磁区903中の局在する原子の磁化に作用する。
一方、もう一つの磁化固定層203a’の磁化方向は、磁化固定層203b’の磁化とは逆向きである。このため、電子の流れが磁化固定層203a’へ入る界面において、磁化固定層203b’の磁化と同方向の磁気モーメントを有するスピンを持つ電子は、磁化固定層203a’に接した中間層204a’で反射される。この反射されたスピンは、やはり磁性細線101中の選択された磁区903中の磁化に作用する。
すなわち、磁化固定層203b’を通過してきた電子は、中間層204b’で反射された後、磁性細線101中の選択された磁区903中の磁化に再び作用するため、磁性細線101中の選択された磁区903に対する書き込みを、実施の形態1に記した書き込み方法よりも小さい電流値で実施できることになる。
また、図5(b)は、電極201a’と電極201c’との間に電圧を印加し、電極201c’から、反強磁性体層202b’、磁化固定層203b’、および中間層204b’を介して情報記録媒体である磁性細線101の方向に電流902を流した場合を示す図である。
この場合には、電流902を構成する電子は、まず、磁化固定層203a’の磁化の作用を受けて、磁化固定層203a’の磁化と同じ方向の磁気モーメントを有するスピン(同図において左向き)を持つ。この磁化固定層203a’の磁化と同じ方向の磁気モーメントを有するスピンを持つ電子は、磁性細線101中の選択された磁区903の磁化に作用する。さらに、磁化固定層203a’の磁化と同じ方向のスピンをもつ電子は、それとは逆向きの磁化を有する磁化固定層203b’と中間層204b’の界面において反射されて、再び、磁性細線101中の選択された磁区の磁化に作用する。
以上説明したように、本実施の形態によれば、2つの磁化固定層203a’・203b’の磁化を反平行に設定することにより、磁化固定層を通過した電子のスピンがもつ角運動量を、磁性細線101中の磁区の磁化に効率的に作用させることができる。その結果として、情報記録時に必要となる電流値を低減することが可能となる。
次に、磁性細線101に記録されている情報を再生する場合は、情報記録時と同様にして、磁性細線101に電流901を流すことにより、情報が記録されている磁区903を区切る磁壁を移動させ、再生を行いたい磁区903を記録/再生素子200’が配置されている箇所に移動させる。
図6は、本実施の形態における再生時のメカニズムを説明するための図である。なお、図は、説明を分かりやすくするために、磁性細線101中において記録/再生素子200’の位置に移動した再生を行う磁区903の1つのみを記載し、磁性細線101のその他の部分については示していない。
図6に示すように、本実施の形態における記録/再生素子200’においては、磁化固定層203a’と磁性細線101中の磁区903との間に非磁性金属からなる中間層204a’が設けられている。すなわち、磁化固定層203a’から磁性細線101中の磁区903に電流が流れる場合の電気抵抗は、磁化固定層203a’と磁区903との磁化の相対的な方向に依存する。
従って、磁性細線101中の再生を行いたい磁区903を記録/再生素子200’の位置に移動させた後、図示しない電流供給手段により、電極201a’と磁性細線101との間に電流を流して電気抵抗の変化を検出すれば、再生を行いたい磁区に記録されている磁化方向を検出することができる。これにより、情報を再生することが可能となる。
尚、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
[補足1.従来のスピン注入磁化反転技術との差異]
上述した各実施形態に記載したとおり、記録/再生素子に採用されているスピン注入磁化反転技術は、上述した特許文献5に記載されたスピン注入磁化反転技術とは、種々の点において異なるものである。以下、具体的に説明する。
まず、特許文献5に記載されたスピン注入磁化反転技術は、磁気ディスクを読み取る磁気ヘッドに用いられる技術であるのに対して、上述した各実施形態に記載されたスピン注入磁化反転技術は、磁気メモリに用いられるという点において、利用分野が相違している。
すなわち、特許文献5に記載された磁気ディスクでは、図7に示すように、回転している情報記録媒体R上を記録素子(EL1,2,B1,2,A,C)が移動して、磁区内の磁気モーメントの方向が設定されていく。そして、この磁気モーメントの方向を設定するにあたり、記録素子と磁気ディスクとの間でスピン注入が行われる。
しかしながら、このようにスピン注入を行うと、記録素子を情報記録媒体上で移動させ、且つ、記録素子から情報記録媒体へ電流を流す必要があるため、情報記録媒体と記録素子との間の距離を制御することが非常に困難になる。なぜなら、記録素子を移動させる場合、ディスクを傷つけないよう、情報記録媒体と記録素子とは接触しないようにしなければならないからである。さらに、情報記録媒体と記録素子との間に電流を流して情報を記録する場合は、情報記録媒体と記録素子とは接触させなければならない。
しかしながら、上述の実施形態に記載された記録/再生素子では、記録素子を移動させることなく、情報記録媒体としての磁性細線に情報を書き込むことができる。これは、磁壁を電流によって移動させることで、情報が記録されている磁区を、記録素子の位置に移動させるからである。従って、磁性細線と記録素子とを常に接触させることが可能となる。また、記録素子を移動させる必要が無いため、磁気ディスクの回転機構や、記録素子をトラックに移動させるような駆動機構も不要になる。
さらに、上述した実施形態における記録/再生素子に用いられるスピン注入磁化反転技術は、特許文献5に記載されたものと、スピン偏極した電流の流れる経路が異なる。つまり、図7における破線矢印で示すように、特許文献5に記載された磁気ヘッドに用いられるスピン注入磁化反転技術においては、電極EL2から供給された電子が、固定層Cの磁化方向M2のスピンを持って、自由層Aの磁気モーメントの方向を設定する。
次に、磁気モーメントの方向が設定された自由層Aから、一部の電子が記録層RLの方に流れていき、残りの電子は、電極EL1に流れていく。すると、設定された自由層Aの磁気モーメントの方向のスピンを持った電子によって、情報記録媒体の磁気モーメントの方向が設定される。
つまり、特許文献5に記載されたスピン注入磁化反転技術では、情報記録媒体の磁化方向が決定されるまでに、自由層Aの磁気モーメントの方向を設定し、その後に情報記録媒体の磁気モーメントの方向を設定するというように、2段階のステップが実行される。また、特許文献5では、図7に示すとおり、電子の流れが自由層Aの部分で2つに分かれるため、媒体に流れ込む電子の数は、電極EL2より供給した電子の一部ということになる。
これに対して、本実施形態の記録/再生素子では、磁性細線101に磁化固定層203b(203b’)から直接電子を流して、磁気モーメントの方向を設定している。記録/再生素子に流すすべての電子が、磁性細線101中のスピンと相互作用するために、効率よくスピン注入による磁気モーメントの方向の設定ができる。
[補足2.本発明の変更例]
なお、本発明の磁気メモリは、情報記録媒体である磁性細線と、上記磁性細線に記録及び再生を行うための記録/再生素子とから単位セルが構成され、上記単位セル中の上記磁性細線が電気的に直列接続された磁性細線列を複数もつメモリチップとし、磁気情報の記録又は再生時に、直列に接続された上記磁性細線に電流を供給する電源により、上記磁性細線に記録された磁区間に形成される磁壁を電流によって移動させ、磁気情報の記録及び再生を行う磁気メモリにおいて、上記記録/再生素子が上記磁性細線を挟んで一体型となって配置することができる構成、例えば、上記記録/再生素子は、第1の電極と、磁化方向が固定された第1の強磁性体層と、第1の中間層と、磁化方向が可変の第2の強磁性体層と、第2の電極と、が順に形成されており、更に、情報記録媒体である磁性細線を介して、第2の中間層と、磁化方向が固定された第3の強磁性体層と、第3の電極と、が順に形成された構造であってもよい。
さらに、上記記録/再生素子の上記第2の電極は、記録再生動作を行う上で共通の電極となっていることが好ましい。
特に、上記第1の電極と上記第1の強磁性体層の間、もしくは、上記第3の電極と上記第3の強磁性体層の間の少なくともいずれかに、反強磁性体層を配置することにより、上記第1の強磁性体層もしくは上記第3の強磁性体層の磁化方向を固定することができる。
また、本発明の情報再生方法は、上記磁性細線に電流を流すことによって生じる磁化方向の変化を、上記第2の強磁性体層の上記磁化方向の変化による上記第1の強磁性体層の上記磁化方向と上記第2の強磁性体層の上記磁化方向の相対的な関係に応じて決定される上記第1及び第2の強磁性体層の間の電気抵抗の変化として、上記第1及び第2の電極で検出することにより、上記磁性細線に記録された情報を読み取ること方法であってもよい。
さらに、本発明の情報記録方法は、上記磁性細線に電流を流して磁壁移動させると同時に、上記第2及び第3の電極間に電圧を印加して上記第3の強磁性体層と磁性細線の間に電流を流し、スピン偏極した電子を上記磁性細線に作用させることにより、上記磁性細線の磁化方向を決定して情報を記録する方法であってもよい。
また、本発明の情報記録方法は、上記磁性細線の上記磁化方向を上記第3の強磁性体層の磁化方向と同一にするために、上記磁性細線から上記第3の強磁性体層に電流を流す一方、上記磁性細線の上記磁化方向を上記第3の強磁性体層の磁化方向とは反対の方向にするために、上記第3の強磁性層から上記磁性細線に電流を流す方法であってもよい。
さらに、本発明における磁気メモリの記録/再生素子は、第1の電極と、磁化方向が固定された第1の強磁性体層と、第1の中間層と、が順に形成されており、更に、情報記録媒体である磁性細線を介して、第2の中間層と、磁化方向が固定された第2の強磁性体層と、第2の電極と、が順に形成された構造であってもよい。
好ましくは、上記第1の強磁性体層と上記第2の強磁性体層の磁化方向を逆向きに固定する。
より好ましくは、上記第1の電極と上記第1の強磁性体層の間もしくは、上記第2の電極と上記第2の強磁性体層の間の少なくともいずれかに、反強磁性体層を配置することにより、上記第1の強磁性体層もしくは上記第3の強磁性体層の磁化方向を固定する。
また、本発明の情報再生方法は、上記磁性細線に電流を流すことによって生じる磁化方向の変化を、上記第1の強磁性体層の上記磁化方向と上記磁性細線の磁化方向の相対的な関係に応じて決定される上記第1及び上記磁性細線の間の電気抵抗の変化として、上記第1の電極及び上記磁性細線間に電流を流して検出することにより、上記磁性細線に記録された情報を読み取る方法であってもよい。
さらに、本発明における情報記録方法は、上記磁性細線に電流を流して磁壁移動させると同時に、上記第1及び第2の電極間に電圧を印加して上記第1の強磁性体層と上記磁性細線と上記第2の強磁性層に電流を流し、スピン偏極した電子を上記磁性細線に作用させることにより、上記磁性細線の磁化方向を決定して情報を記録する方法であってもよい。
また、上記構成の情報記録方法において、上記磁性細線の上記磁化方向を上記第1の強磁性体層の磁化方向と同一にするために、上記磁性細線から上記第1の強磁性体層に電流を流し、上記磁性細線の上記磁化方向は上記第2の強磁性体層の磁化方向と同一にするために、上記磁性細線から上記第2の強磁性体層に電流を流すようにしてもよい。
本発明によれば、記録密度を向上させることができ、さらに、情報記録媒体の微小化に伴う消費電力の増加を防ぐことが可能となる。したがって、MRTMが、すべての不揮発性メモリを置き換えるようなユニバーサルメモリとして用いられる可能性を向上させることができる。
本発明の一実施形態に係る磁気メモリに用いられる記録素子および再生素子の構成を示す図である。 (a)および(b)は、図1の記録素子および再生素子における情報記録時のメカニズムを説明するための図である。 (a)および(b)は、図1の記録素子および再生素子における情報再生時のメカニズムを説明するための図である。 本発明の他の実施形態に係る磁気メモリに用いられる記録素子および再生素子の構成を示す図である。 (a)および(b)は、図4の記録素子および再生素子における情報記録時のメカニズムを説明するための図である。 図4の記録素子および再生素子における情報再生時のメカニズムを説明するための図である。 特許文献5に記載されたスピン注入磁化反転技術を説明するための図である。 特許文献1および2に記載されているMRTMの単位セルの構成を示す図である。 特許文献1および2に記載されているMRTMの記録及び再生方法を説明するための図である。 スピン注入磁化反転技術を説明するための図である。
符号の説明
101 磁性細線
200a・200a’ 再生素子
200b・200b’ 記録素子
903 磁区
201a 電極(第1の電極)
201a’ 電極(第1の電極)
203a 磁化固定層(第1の強磁性体層)
203a’ 磁化固定層(第1の強磁性体層)
204a 中間層(第1の中間層)
204a’ 中間層(第1の中間層)
205 磁化自由層(第2の強磁性体層)
201b 電極(第2の電極、第3の電極)
202a・202a’ 反強磁性体層
204b 中間層(第2の中間層)
204b’ 中間層(第2の中間層)
203b 磁化固定層(第3の強磁性体層)
203b’ 磁化固定層(第2の強磁性体層)
201c 電極(第4の電極)
201c’ 電極(第2の電極)
202b・202b’ 反強磁性体層

Claims (16)

  1. 情報記録媒体としての磁性細線と、当該磁性細線に記録された情報の再生を行うための再生素子と、上記磁性細線に情報記録を行うための記録素子とを有し、上記磁性細線に形成された複数の磁区を仕切る磁壁を、電源から供給される電流により移動させることで、情報の記録または再生を行う磁気メモリであって、
    上記磁性細線が、上記記録素子および上記再生素子に挟まれるように形成されていることを特徴とする磁気メモリ。
  2. 上記再生素子は、
    第1の電極と、磁化方向が固定された第1の強磁性体層と、第1の中間層と、磁化方向が可変の第2の強磁性体層と、第2の電極とが、この順に積層されているものであることを特徴とする請求項1に記載の磁気メモリ。
  3. 上記第1の電極と上記第1の強磁性体層との間に、反強磁性体層が配置されていることを特徴とする請求項2に記載の磁気メモリ。
  4. 上記記録素子は、
    第3の電極と、第2の中間層と、磁化方向が固定された第3の強磁性体層と、第4の電極とが、この順に積層されているものであり、
    上記第3の電極と、上記第2の中間層との間に、上記磁性細線が挟まれていることを特徴とする請求項1に記載の磁気メモリ。
  5. 上記第4の電極と上記第3の強磁性体層との間に、反強磁性体層が配置されていることを特徴とする請求項4に記載の磁気メモリ。
  6. 上記再生素子は、
    第1の電極と、磁化方向が固定された第1の強磁性体層と、第1の中間層と、磁化方向が可変の第2の強磁性体層と、第2の電極とが、この順に積層されているものであり、
    上記記録素子は、
    第3の電極と、第2の中間層と、磁化方向が固定された第3の強磁性体層と、第4の電極とが、この順に積層されているものであり、
    上記第2の電極と上記第3の電極とが、共通化されていることを特徴とする請求項1に記載の磁気メモリ。
  7. 上記再生素子は、
    第1の電極と、磁化方向が固定された第1の強磁性体層と、第1の中間層とが、この順に積層されているものであることを特徴とする請求項1に記載の磁気メモリ。
  8. 上記第1の電極と、上記第1の強磁性体層との間に、反強磁性体層が配置されていることを特徴とする請求項7に記載の磁気メモリ。
  9. 上記記録素子は、
    第1の電極と、磁化方向が固定された第1の強磁性体層と、第1の中間層とが、この順に積層されているものであり、
    更に、上記磁性細線を介して、第2の中間層と、磁化方向が固定された第2の強磁性体層と、第2の電極とが、この順に積層されていることを特徴とする請求項1に記載の磁気メモリ。
  10. 上記第1の強磁性体層と、上記第2の強磁性体層との磁化方向が、逆向きであることを特徴とする請求項9に記載の磁気メモリ。
  11. 上記第1の電極と上記第1の強磁性体層との間、および、上記第2の電極と上記第2の強磁性体層との間の少なくとも一方に、反強磁性体層が配置されていることを特徴とする請求項9に記載の磁気メモリ。
  12. 情報記録媒体としての磁性細線と、当該磁性細線に記録された情報の再生を行うための再生素子と、上記磁性細線に情報記録を行うための記録素子とを有する磁気メモリを用いた情報記録/再生方法であって、
    上記磁性細線は、上記記録素子および上記再生素子に挟まれるように形成され、
    上記磁性細線に形成された複数の磁区を仕切る磁壁を、電源から供給される電流により移動させることで、情報の記録または再生を行うことを特徴とする情報記録/再生方法。
  13. 情報記録媒体としての磁性細線と、当該磁性細線に記録された情報の再生を行うための再生素子と、上記磁性細線に情報記録を行うための記録素子とを有する磁気メモリを用いた情報再生方法であって、
    上記磁性細線は、上記記録素子および上記再生素子に挟まれるように形成され、
    上記再生素子は、
    第1の電極と、磁化方向が固定された第1の強磁性体層と、第1の中間層と、磁化方向が可変の第2の強磁性体層と、第2の電極とが、この順に積層されているものであり、
    上記磁性細線に形成された複数の磁区を仕切る磁壁を、電源から供給される電流により移動させるとともに、上記磁性細線に電流を流すことによって生じる磁化方向の変化を、上記第1の強磁性体層の磁化方向と、上記第2の強磁性体層の磁化方向との相対的な関係に応じて決定される上記第1及び第2の強磁性体層の間の電気抵抗の変化として、上記第1及び第2の電極で検出することを特徴とする情報再生方法。
  14. 情報記録媒体としての磁性細線と、当該磁性細線に記録された情報の再生を行うための再生素子と、上記磁性細線に情報記録を行うための記録素子とを有する磁気メモリを用いた情報再生方法であって、
    上記磁性細線は、上記記録素子および上記再生素子に挟まれるように形成され、
    上記再生素子は、
    第1の電極と、磁化方向が固定された第1の強磁性体層と、第1の中間層とが、この順に積層されているものであり、
    上記磁性細線に形成された複数の磁区を仕切る磁壁を、電源から供給される電流により移動させるとともに、上記磁性細線に電流を流すことによって生じる磁化方向の変化を、上記第1の強磁性体層の磁化方向と、上記磁性細線の磁化方向との相対的な関係に応じて決定される、上記第1の強磁性体層及び上記磁性細線の間の電気抵抗の変化として、上記第1の電極と上記磁性細線との間に電流を流して検出することを特徴とする情報再生方法。
  15. 情報記録媒体としての磁性細線と、当該磁性細線に記録された情報の再生を行うための再生素子と、上記磁性細線に情報記録を行うための記録素子とを有する磁気メモリを用いた情報記録方法であって、
    上記記録素子は、
    第3の電極と、第2の中間層と、磁化方向が固定された第3の強磁性体層と、第4の電極とが、この順に積層されているものであり、
    上記第3の電極と、上記第2の中間層との間に、上記磁性細線が挟まれており、
    上記磁性細線に形成された複数の磁区を仕切る磁壁を、電源から供給される電流により移動させるとともに、上記第3及び第4の電極間に電圧を印加して上記第3の強磁性体層と磁性細線との間に電流を流し、スピン偏極した電子を上記磁性細線に作用させることを特徴とする情報記録方法。
  16. 情報記録媒体としての磁性細線と、当該磁性細線に記録された情報の再生を行うための再生素子と、上記磁性細線に情報記録を行うための記録素子とを有する磁気メモリを用いた情報記録方法であって、
    上記記録素子は、
    第1の電極と、磁化方向が固定された第1の強磁性体層と、第1の中間層とが、この順に積層されており、更に、上記磁性細線を介して、第2の中間層と、磁化方向が固定された第2の強磁性体層と、第2の電極とが、この順に積層されているものであり、
    上記磁性細線に形成された複数の磁区を仕切る磁壁を、電源から供給される電流により移動させるとともに、上記第1及び第2の電極間に電圧を印加して、上記第1の強磁性体層と上記磁性細線と上記第2の強磁性体層とに電流を流し、スピン偏極した電子を上記磁性細線に作用させることを特徴とする情報記録方法。
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