JP4817616B2 - 磁気抵抗効果素子及び該磁気抵抗効果素子を用いた記憶装置 - Google Patents

磁気抵抗効果素子及び該磁気抵抗効果素子を用いた記憶装置 Download PDF

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Description

本発明は、磁気抵抗効果素子及び該磁気抵抗効果素子を用いた記憶装置に関するものである。
近年、現在使用されている固体記憶装置の多くを置き換える記憶装置(以下、メモリと略す)としてMRAM(Magnetic Random Access Memory)が注目されている。MRAMは高速アクセスが可能な不揮発メモリであるが、特にTMR(Tunnel Magnetoresistance)効果を利用したMRAMは、大きな読み出し信号が得られることから、精力的に研究開発が行われている。
TMR膜はトンネル障壁層を介して磁性層が隣接して形成されたサンドイッチ構造である。用いられるトンネル障壁層の膜厚は1nm〜2nm程度と非常に薄く、アルミナが好適に用いられる。
MRAMの記録密度を高くするために、例えば特許文献1で述べられているように垂直磁化膜を用いる提案がなされている。この方法では素子サイズが小さくなっても反磁界は増加しないので、面内磁化膜を用いたMRAMよりも小さなサイズの磁気抵抗効果膜が実現可能である。
磁気抵抗効果膜の磁性膜が垂直磁化膜である場合には、膜面垂直方向の磁界、つまり上向きあるいは下向きの磁界を印加し、非磁性膜に接して形成されている2つの磁性膜のうち一方の磁性膜の磁化方向のみを情報に対応した向きに向ける。
また、磁化方向を反転させる他の方法として、スピン偏極した電流を磁性膜に流す方法がある。これはスピン注入と呼ばれ、非特許文献1と2によって提案された磁化反転方法である。スピン偏極した電流を発生させるには磁性金属と非磁性金属の多層膜を用いることが一般的であるが、p型ガリウム砒素からなる半導体に電場を印加すると、それと垂直な方向にスピン流が発生することが、非特許文献3により、村上等によって最近報告されており、これを磁化反転に利用することも可能である。
TMR膜をメモリ素子として利用する場合、情報の読み出し時間を短くするために素子の抵抗値は小さいことが好ましい。TMR膜の抵抗値はトンネル障壁膜の抵抗値が支配的であり、抵抗値を小さくするためにはトンネル障壁膜の抵抗を小さくする必要がある。
トンネル障壁膜の抵抗を小さくする一つの方法として薄膜化が挙げられるが、メモリ素子の面積が小さくなればなるほど、逆に素子の抵抗値は増加するため、トンネル障壁膜をより薄くする必要があり、サブミクロン角サイズのメモリ素子では、1nm以下の膜厚のトンネル障壁膜が求められる。そのようなアルミナトンネル障壁膜を均一に形成することは容易ではない。したがってトンネル障壁膜の薄膜化による低抵抗化には限界があり、メモリ素子のサイズの微細化に限界があるために、例えば1Gbit以上の大容量メモリの製造は困難であるといわれている。
また、他の方法としてトンネル障壁膜にエネルギー障壁高さの低い材料を用いることが挙げられる。しかし、これまでに酸化ニッケルや窒化アルミニウム等様々な材料が検討されたが、十分な磁気抵抗変化率の得られる材料は見つかっていない。
また、1999年に新しい磁気抵抗効果であるBMR(Ballistic Magnetoresistance)効果がGarciaなどによって報告された(非特許文献4)。この研究においては、直径2mmの2本のニッケル細線を、樹脂を用いてテフロンチューブに固定し、お互いに先端を押し付けることにより、局部的な接点を有する磁気抵抗効果素子を作成している。2本のニッケル細線の磁化方向が反平行であるとき接点に磁壁が形成され、磁化方向を平行にすると磁壁は消滅する。2つのニッケル細線の両端に電圧を印加し、接点を電子が通過するように電流を流すと、磁壁が形成されているときの電気抵抗は、磁壁が存在しないときよりも大きく、その抵抗変化率は、非特許文献4に示されるように280%と巨大である。また、その後の研究において、非特許文献5では、100000%というさらに大きな磁気抵抗変化率が報告されている。
特開平11−213650号公報 J. C. Slonczewski (J. Magn. Magn. Mater. 159, L1 (1996)) L. Berger(Phys. Rev. B 54, 9353 (1996) ) Murakami et al., Science 301 1348 (2003) N.Garcia, M. Munoz, and Y. W. Zhao, Phys. Rev. Lett. 82, 2923 (1999) S. Z. Hua and H. D. Chopra, Phys. Rev. B 67, 060401(R) (2003) )
しかしながらこれまでの報告ではBMR素子は直径数mmから数百μm程度の磁性ワイヤーを用いており、メモリ素子としては著しく大きなものであった。
例えば、現在の主流である、DRAM(ランダムアクセスメモリ)では、90nmルールが採用され、現在製品化が検討されているTMR素子を用いたMRAMにおいても、0.6μmルールあるいはそれ以下の配線ルールを用いて、メモリ素子の微小化が進んでいる。
したがって、BMR素子を用いたメモリを実現するためにはメモリ素子の更なる微小化の検討が必要である。
上記課題を解決するために、本発明の構成は、遷移金属元素の中から選ばれる少なくとも1種類の元素を含む第1の磁性体および第2の磁性体が、絶縁体膜中においてこの膜面に垂直な方向に対向して設けられ、第1の磁性体および前記第2の磁性体が、接続部で接続された磁気抵抗効果素子であって、前記絶縁体膜はアルミニウムの陽極酸化により形成された酸化アルミニウムからなり、この接続部は、共晶薄膜から得られたシリコンの酸化処理物である絶縁薄膜と、この絶縁薄膜に設けられた複数の空孔に充填された磁性体からなり、前記第1の磁性体及び前記第2の磁性体は、前記空孔に充填された前記磁性体により局部的に結合されており、接続部に電流が流れるように電圧を印加した場合、第1の磁性体および第2の磁性体の磁性体の磁化方向がなす角度によって電気抵抗が異なる(磁気抵抗変化率(MR比))ことを特徴とする。
本発明によれば、メモリ素子が高いMR比を有しているため、安定した情報の読み書きをすることが可能となり、簡易な構成で、小型で高い記録密度で、かつ高速であるメモリが実現できる。
微細なBMR素子を作製することは、メモリの小型化のために必要である。その実現のために、本発明のBMR素子は、絶縁体膜中に、第1の磁性体および第2の磁性体を該絶縁体膜の膜面垂直方向に積層させて形成し、第1の磁性体および前記第2の磁性体は、接続部で接続し、接続部の第1の磁性体と第2の磁性体との接触面の面積を、少なくとも接続部と接する第1の磁性体および第2の磁性体の接続部を形成する平面に平行な断面積よりも小さくすることによって、微細な磁気抵抗効果膜を実現することが可能である。
第1の磁性体と第2の磁性体とは、接続部で直接接続していても、磁性体からなる接続領域に互いに対向して接触していても良い。第1の磁性体と第2の磁性体とが、接続部で直接接続する場合は、接触面の面積がこれらの接触面に平行な第1の磁性体と第2の磁性体との断面積よりも小さい必要がある。
接続部の上部に位置する磁性体と下部に位置する磁性体はそれらの磁化方向を平行あるいは反平行の2つの状態に制御できるように設計しておく。例えば、磁化方向を磁界の印加によって制御する場合は、2つの磁性体の磁化反転磁界(保磁力)は異なる大きさとする。あるいは、スピン注入によって磁化反転を行う場合は2つの磁性体を異なる体積としておくことで一方の磁性体のみ磁化反転可能である。
本発明の磁気抵抗効果素子の磁化反転をスピン注入によって行う場合、磁界を発生させる導線を素子の横に配置する必要がないので、さらに高密度でかつ高速なメモリ素子が実現可能である。
また、より小さなBMR素子を実現するためには、その磁性体は面内磁化膜よりも垂直磁化膜であることが好ましい。垂直磁化膜にはガドリニウムやテルビウムの希土類金属と鉄やコバルトの遷移金属からなるアモルファス合金膜が挙げられる。特に磁界印加によって磁化反転させる場合には保磁力の比較的小さなガドリニウムと遷移金属の合金を用いることが好ましい。
磁性体を柱状形状あるいは針状形状などの膜面垂直方向に細長い形状である場合は、形状異方性によって磁化は膜面垂直方向に向く。この場合、磁性体は鉄、コバルトあるいはニッケル等の遷移金属が使用可能である。
上記の様にBMR素子は磁気抵抗変化率が大きく、かつ著しく薄いトンネル障壁膜を形成する必要が無いので、磁気抵抗効果素子として有用であり、微細化することによって大容量不揮発固体メモリの記憶素子への応用が可能となる。
以下、本発明の実施例について図面を用いて詳細に説明する。
(第1の実施例)
本発明の第1の実施例を、図1の概略断面図を用いて説明する。基板面方位が(100)でオリエンテーションフラットが(110)面の結晶シリコンからなる基板100の表面と裏面とに一辺が(110)方向である長方形の被エッチング領域以外の領域を覆うようにレジストパターンを形成し、(111)面方位依存性のあるエッチング溶液である水酸化テトラメチルアンモニウム溶液に浸しエッチングを行い、鋸歯形状の溝を形成する。この際、基板100の表側から形成された溝の頂点が裏側から形成された溝の頂点と繋がるようにする。
その後、レジストを剥離し、基板100の表面を酸化させることにより絶縁膜(図示せず)を基板100表面に形成する。図のようなテーパ形状を有する構成の場合には、本実施形態のようにウエットエッチングで行なうことが好ましい。
尚、絶縁膜は通常の熱酸化法あるいは、気相成長法により形成することができる。その後、基板100の一方の面にガドリニウム、鉄、コバルトからなるアモルファス合金膜を、基板100の他方の面にテルビウム、鉄、コバルトからなるアモルファス合金膜をスパッタリングし、基板100の窪みの中に第1の磁性体201と第2の磁性体202を形成する(図1(a))。この結果、第1の磁性体201と第2の磁性体202とは、絶縁膜で囲われた溝中に形成され、該溝の頂点で接続された構造となる。
ガドリニウム、鉄、コバルトからなる第1の磁性体201は、テルビウム、鉄、コバルトからなる第2の磁性体202よりも保磁力が小さい。従って、第1の磁性体201の保磁力よりも大きく、かつ第2の磁性体202の保磁力よりも小さな外部磁界を印加すると、第1の磁性体の磁化方向のみ所望の方向に向けることが可能である。
この結果、基板面に対して垂直方向に磁化容易軸を有する磁気抵抗効果素子を得ることができる。
磁界印加の他にスピン注入によって磁化反転させることも可能である。ただしこの場合2つの磁性体を異なる体積とし、磁化反転させる磁性体の体積は、磁化反転させない磁性体の体積よりも小さくしておくことが好ましい。
第1の磁性体201と第2の磁性体202との体積を異なるものにする方法としては、例えば、一方の面に形成するレジストパターンの長方形の被エッチング領域の(110)面に垂直な辺を、他方の面に形成する長方形の被エッチング領域の辺よりも短くしておくことにより、被エッチング領域が小さな方は、エッチングの性質によりエッチングされる体積が小さくなり、従ってその溝の中に形成される磁性体の体積を少なくすることが可能である。
(第2の実施例)
本実施例について、図2を用いて説明する。シリコンからなる基板100(図示せず)上に1.2μmの厚さの第1のアルミ膜を成膜し、FIB(Focused Ion Beam)を用いて所望の位置に窪みを形成し空孔の起点とする。第1のアルミ膜全体を陽極酸化処理することによって直径数10nmの空孔を空けると共にアルミを第1の絶縁体(層)101とする。上記陽極酸化処理は、従来の方法を用いることが可能であり、シュウ酸溶液中にアルミ膜を入れこれを陽極としてパルス電圧を印加し水を電気分解する。陽極から発生した酸素はアルミ膜と反応し、酸化アルミ膜となる。このときFIBによって形成した窪みを基点として微細な空孔が形成される。
その後、電着により空孔にコバルトを充填し、得られた構造体の表面を研磨し、空孔からはみ出ているコバルトを除去し、柱状構造の第1の磁性体201を形成する。さらにアルミとシリコンとを同時にスパッタリングし、シリコン膜中に直径数nmのアルミ柱状構造が形成された膜厚20nmの共晶薄膜121を形成した。
本発明では、磁壁をできるだけ薄く形成させることでより大きい磁気抵抗変化が期待できるので、アルミ柱状構造が形成された共晶薄膜の膜厚は薄く形成するほうが好ましい。現在の技術では、5nm以上の膜厚が有れば共昌薄膜が形成されると言われている。
さらに400nmの厚さの第2のアルミ膜を成膜し、第2のアルミ膜の、第1の磁性体201の直上に位置するように、前述のFIBを用いて第2のアルミ膜表面に空孔の基点となる窪みを形成し、さらに陽極酸化によって第2のアルミ膜に空孔を空けるとともに第2のアルミ膜を陽極酸化処理し第2の絶縁体(層)102とする。
このときアルミとシリコンからなる薄膜121には、アルミが除去され、薄膜121を貫通する複数の微細な空孔が空く。
その後、薄膜121に残存するシリコンを酸化処理して絶縁体とした後、電着によってコバルトを充填し、得られた構造体の表面を研磨し、空孔からはみ出ているコバルトを除去する。この結果、第2の絶縁体102に柱状の第2の磁性体202と薄膜121に形成された微細な柱状の磁性体とが形成される。第1の磁性体201と第2の磁性体202とは薄膜121に形成された複数の微細な柱状の磁性体により局部的に結合した構造を持つ磁気抵抗効果素子膜が形成される(図2)。
磁性体201と202とは、絶縁体(層)の膜の面内方向の長さよりも層の面に垂直方向の長さが長い形状をしている。この形状異方性から、共に層の面に垂直方向に磁気異方性を有し、かつ形状の違いから異なる磁化反転磁界を有する。したがって外部磁界を印加することによって一方の磁性体の磁化方向のみ反転することが可能であり、2つの磁性体の磁化方向が反平行であるとき局所的な結合部分に磁壁が形成される。先述のように、2つの磁性体の磁化方向が反平行であるときは、それらが平行であるときに比して電気抵抗が高い。
本実施例では磁性体としてコバルトを用いたが、磁気抵抗効果を示す磁性体であれば何でもよく、例えば鉄やニッケル等が使用可能である。
(第3の実施例)
本実施例について図3を用いて説明する。シリコンからなる基板100(図示せず)上に1μmの厚さの第1のアルミ膜を成膜し、所望の位置に針を押し付けることにより窪みを形成し空孔の起点とする。起点の形成はもちろん第2の実施例に記載のようにFIBで形成しても構わない。
次に該第1のアルミ膜を陽極酸化処理することによって直径数10nmの空孔を空けると共にアルミを第1の絶縁体(層)101とする。その後、電着により空孔にコバルトを充填し、得られた構造体の表面を研磨し、空孔からはみ出ているコバルトを除去し、柱状構造の第1の磁性体201を形成する。その後、第2の実施例と同様に、アルミとシリコンを同時にスパッタリングし、シリコン膜中に直径数nmのアルミ柱状構造が形成された膜厚20nmの共晶薄膜121を形成し、さらに1μmの厚さの第2のアルミ膜を成膜する。
第1のアルミ膜に空孔を設けると同様な手法を用い、第2のアルミ膜の第1の磁性体201の直上に位置するように陽極酸化によって空孔を空けるとともにアルミ膜を陽極酸化し第2の絶縁体(層)102とする。このときアルミとシリコンからなる薄膜121は、アルミが除去され微細な空孔が空く。残存したシリコンを酸化処理して絶縁体とした後、電着によってコバルトを充填し、得られた構造体の表面を研磨し、空孔からはみ出ているコバルトを除去する。以上の工程によって絶縁層膜中に柱状構造の磁性体201と202とが、薄膜121に形成された複数の微細な柱状の磁性体により局部的に結合した構造が形成される。
次に、第2の磁性体202の磁化方向は層の面に垂直な方向の上下どちらかの向きに揃える。
その後、第2の磁性体202の上部にマンガンとプラチナからなる反強磁性体211を形成する。反強磁性体211を形成することによって反強磁性体211の一方向異方性を誘起させる。この結果、図3に示す磁気抵抗効果素子が形成される。
第1の磁性体201と第2の磁性体202の磁化方向がともに反強磁性体211の一方向異方性の方向に揃っている場合、第2の磁性体202は反強磁性体211と交換結合しており、磁化方向と反平行な方向に外部磁界を印加すると、第1の磁性体の磁化方向は第2の磁性体の磁化方向よりも小さな磁界で磁化反転させることが可能である。
(第4の実施例)
第2の実施例に記載の磁気抵抗効果素子は、第1の磁性体201と第2の磁性体202の体積が異なるためスピン注入による磁化反転も可能である。
スピン注入を行うには第2の磁性膜202の上部に非磁性金属膜103を形成し、さらに連続して第4の磁性体204を形成する。
第3の実施例と同様にシリコンとアルミからなる共晶薄膜121まで形成し、その後十分に厚い第2のアルミ膜を成膜する。アルミ膜を陽極酸化して作製した第2の絶縁体202の空孔中に、第2の磁性体202、非磁性金属103そして第4の磁性体204を連続して形成する。このとき非磁性金属103の膜厚はスピンが反転しない厚さ、つまりスピン緩和長よりも薄くしておく。膜厚は磁性体202と非磁性金属103により変化するので材料により適宜変更する必要がある。
第1の磁性体201および第4の磁性体204はスピン注入時に磁化が反転しないような大きな体積とする。例えば、第2のアルミ膜の厚さを3μmとし、これを陽極酸化し、第1の磁性体201の上部に空孔を形成すると同時にアルミ膜を酸化させる。次いで第2の磁性体202として電着により300nmのコバルト、非磁性金属103として5nmの厚さの銅、さらに第2の磁性体202としてコバルトを膜表面まで充填する(図4)。
第4の磁性体204の磁化方向は第1の磁性体201の磁化方向と平行とする。第4の磁性体204の磁化と第2の磁性体202の磁化の方向が反平行であり、第2の磁性体202の磁化方向を第4の磁性体204の磁化方向に揃える場合、第4の磁性体204からスピン偏極した電子を、非磁性金属103を通じて第2の磁性体202へ注入する。すると電子のスピンと第2の磁性体202の磁化の相互作用により、第2の磁性体202の磁化は第4の磁性体204の磁化方向と平行となる。逆に第2の磁性体202の磁化方向を第4の磁性体204の磁化方向に対して反平行に向ける場合は、第2の磁性体202の方から電子を注入する。注入された電子はスピン偏極し、第4の磁性体204の磁化方向と平行なスピンを持つ電子は、非磁性金属103を通って第4の磁性体204を通り抜けていく。
しかし、第4の磁性体204と反平行なスピンを持つ電子は、第4の磁性体204と非磁性金属103との界面で反射され、再び第2の磁性体202へ注入される。この電子の注入によって第2の磁性体202の磁化は反転する。第4の磁性体204と第1の磁性体201は体積が大きいために磁化反転せず、第1の磁性体201と第2の磁性体202の界面には磁壁が形成される。スピン注入方で磁化反転に必要な電流量は第1の磁性体201と第4の磁性体204が磁化反転可能で、第2の磁性体202が磁化反転しないように決められる。情報記録回路に関しては、従来の単純マトリクス方式とほぼ同じであるが、従来の単純マトリクス方式では磁界記録方式が一般的であるため、検出回路と記録回路が別になっている。それに対して、スピン注入記録を用いる場合は検出回路と記録回路の共有部分があり、磁界記録単純マトリクス方式の検出回路の選択トランジスタまでが共有部分となる。選択トランジスタの先に検出回路と電源が接続され、これらはスイッチによって切り替えるようにしておけばよい。
(第5の実施例)
本実施例について、図5を用いて説明する。第1のアルミ膜を1.5μm成膜し、所望の位置に針を押し付けることによってエッチングの起点となる窪みを形成する。陽極酸化することによって柱状の空孔を形成するとともにアルミを酸化させる。
次に、空孔中に電着によって第1の磁性体201としてコバルトを充填し、空孔からはみ出ているコバルトを除去する。その後、試料表面上にさらに第2のアルミ膜を500nm成膜する。第1の磁性体201の直径よりもわずかに短い距離だけずらして、第2のアルミ膜表面に針を押し付けエッチングの起点となる窪みを形成し、陽極酸化により空孔を空ける。この空孔に第2の磁性体202となるコバルトを電着により充填し、空孔からはみ出ているコバルトを除去する。
第1の磁性体201の直径よりもわずかに短い距離だけずらして、第2のアルミ膜表面に針を押し付けエッチングの起点となる窪みを形成し、陽極酸化により空孔を空けることにより、第1の磁性体201と第2の磁性体202は図5に示すように局部的に結合するように形成される。第1の磁性体201および第2の磁性体202には、磁気抵抗効果を示すものであればどのような材料でも使用可能であり、コバルト以外にも例えば鉄やニッケルが挙げられる。
第1の磁性体201は第2の磁性体202に比して大きな磁化反転磁界(保磁力)を持つ。初期状態で第1の磁性体201と第2の磁性体202の磁化方向が平行だとすると、この磁化方向と反平行に磁界を印加すると第2の磁性体202の磁化のみ反転し、第1の磁性体201および第2の磁性体202の界面には磁壁が形成される。また、磁化が反平行である場合、平行であるときよりも大きな電気抵抗を示す。
さらに本実施例の膜構成の磁気抵抗効果素子は、第1の磁性体201と第2の磁性体202の体積が異なるために、スピン注入によって第2の磁性体202の磁化方向のみ反転させることが可能である。
(第6の実施例)
本発明の磁気抵抗効果素子をメモリ素子として不揮発メモリが実現可能である。p型シリコンウエハー104表面に形成したソースおよびドレイン領域となるn型拡散領域105、106と、該n型拡散領域105,106の間に、シリコンウエハー104とゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極107とを有するn型のMOS(NMOS)トランジスタを有している。
この素子選択用のスイッチトランジスタは周辺回路と同時にCMOSプロセスで形成することが好ましい。n型拡散領域105上にはコンタクトプラグ108が形成され、選択用トランジスタと磁気抵抗効果素子を電気的に接続する。第3の実施例に記載した製造方法と同様にしてコバルトからなる第1の磁性体201と第2の磁性体202が局部的に結合した構造を形成する。さらに第2の磁性体にテルビウム、鉄そしてコバルトからなる第3の磁性体203であるアモルファス合金垂直磁化膜203を成膜し、第2の磁性体202の磁化方向を固定する。ただし、第3の磁性体203の組成は補償組成付近とし、大きな保磁力を持たせ外部磁化によって容易に反転しないようにしておく。
第1の磁性体201の近くに書き込み線111および112を配し、これに電流を流すことによって第1の磁性体201に膜面垂直方向の磁界を印加できるようにする。ただし、所望のメモリ素子に記録を行う場合には、書き込み線111および112に電流を流すと同時に所望のメモリ素子に接続されているビット線113にも電流を流し、第1の磁性体201に膜面内方向の磁界を印加することにより第1の磁性体201の磁化を反転させ、所望のメモリ素子のみ選択的に記録を行う。書き込み線111,112には図示しない電流を双方向に流すことが可能な電源が接続されており、書き込み線、電源によって情報記録手段を構成している。また、ビット線の一端には、磁気抵抗効果素子の抵抗を検出するための回路が接続され、このビット線と該回路によって情報検出手段を構成している。検出するための回路としては、差動アンプなどを用いればよい。
またゲート電極107には、情報の読み出しの際に所望の素子を選択するためのワード線が接続されている。
(第7の実施例)
本発明の、第4の実施例に記載の磁気抵抗効果素子をメモリ素子として用い、情報の記録方法にスピン注入を用いることによって、図7に示す、ように、本発明の磁気抵抗効果素子をビット線とワード線との間に本発明の磁気抵抗効果素子を挟んだ、クロスポイント型構造が取れる。
情報の記録は所望の磁気抵抗効果素子に接続されたビット線とワード線に記録する情報に対応した方向の電流を流して行う。また、情報の読み出しは、記録動作と同様にビット線とワード線に、磁気抵抗効果素子の磁化が反転しないような小さな電流を流し、素子の抵抗値の違いを検出することによって行う。
本発明のBMR磁気抵抗素子は、TMR素子を用いたクロスポント型のメモリ例えば、特開2000−315382号公報等と同様な構成と動作を行う。TMR素子に比べ、本発明のBMR素子はMR比が10倍以上高く、セル面積を1/10以下にすることができるので、検出回路の構成を簡略化でき、更に、記憶密度が高いメモリを得ることができる。
本発明の磁気抵抗効果素子の構造を模式的に示す断面図である。 本発明の磁気抵抗効果素子の構造を模式的に示す断面図である。 本発明の磁気抵抗効果素子の構造を模式的に示す断面図である。 本発明の磁気抵抗効果素子の構造を模式的に示す断面図である。 本発明の磁気抵抗効果素子の構造を模式的に示す断面図である。 本発明の磁気抵抗効果素子をメモリ素子として用いたメモリ素子の実施例を模式的に示す断面図である。 本発明の磁気抵抗効果素子をメモリ素子として用いたメモリの構造を模式的に示す鳥瞰図である。 磁気抵抗効果膜の基本的膜構成と磁化の方向を模式的に示す断面図である。
符号の説明
100 基板
101 第1の絶縁体
102 第2の絶縁体
103 非磁性金属膜
104 p型シリコン基板
105 n型拡散領域
106 n型拡散領域
107 ゲート電極(ワード線)
108 コンタクトプラグ
109 コンタクトプラグ
110 ソース電極
111 書き込み線
112 書き込み線
113 ビット線
114 ワード線
121 共晶薄膜
200 磁気抵抗効果素子
201 第1の磁性体
202 第2の磁性体
203 第3の磁性体
204 第4の磁性体
211 反強磁性体
301 磁性膜
302 磁性膜
303 非磁性膜

Claims (11)

  1. 絶縁体膜中に該膜面に垂直な方向に対向して設けられた第1の磁性体および第2の磁性体が、接続部で接続された磁気抵抗効果素子であって、前記絶縁体膜はアルミニウムの陽極酸化により形成された酸化アルミニウムからなり、前記第1の磁性体及び前記第2の磁性体は、遷移金属元素の中から選ばれる少なくとも1種類の元素を含み、前記接続部は、共晶薄膜から得られたシリコンの酸化処理物である絶縁薄膜と、該絶縁薄膜に設けられた複数の空孔に充填された磁性体からなり、前記第1の磁性体及び前記第2の磁性体は、前記空孔に充填された前記磁性体により局部的に結合されており、前記第1の磁性体および前記第2の磁性体の磁化方向がなす角度によって電気抵抗が異なることを特徴とする磁気抵抗効果素子。
  2. 前記第1の磁性体および前記第2の磁性体はともに前記絶縁体膜の膜面内方向の長さよりも膜面垂直方向の長さが長いことを特徴とする請求項1に記載の磁気抵抗効果素子。
  3. 前記絶縁体膜の膜面垂直方向に磁化容易軸を有することを特徴とする請求項1または2に記載の磁気抵抗効果素子。
  4. 前記第1の磁性体および前記第2の磁性体のうち少なくとも一方は、希土類から選ばれる少なくとも1種類の元素と遷移金属から選ばれる少なくとも1種類の元素の合金であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の磁気抵抗効果素子。
  5. 前記第1の磁性体あるいは前記第2の磁性体のいずれか一方が一方向異方性を有する反強磁性体と交換結合していることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の磁気抵抗効果素子。
  6. 前記第1の磁性体あるいは前記第2の磁性体のいずれか一方が前記第1の磁性体および前記第2の磁性体の保磁力よりも大きな保磁力を有する第3の磁性体と交換結合していることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の磁気抵抗効果素子。
  7. 請求項1からのいずれか1項に記載の磁気抵抗効果素子をメモリ素子とし、記録する情報に対応させて前記メモリ素子の磁化を所望の方向に向ける記録手段と、前記メモリ素子に電流を流すことにより前記メモリ素子の磁化方向を検出する検出手段を有するメモリ。
  8. 請求項に記載の前記記録手段が導線に電流を流し発生する磁界を前記メモリ素子に印加することにより前記メモリ素子の磁化方向を所望の方向に向け記録を行う機構であることを特徴とするメモリ。
  9. 請求項に記載の前記記録手段が電流をスピン偏極させる部位を有し、スピン偏極した電流を前記メモリ素子に流すことによって、前記メモリ素子の磁化方向を所望の方向に向け記録を行う機構であることを特徴とするメモリ。
  10. 電流をスピン偏極させる部位が非磁性膜と磁性膜の多層膜からなることを特徴とする請求項に記載のメモリ。
  11. 電流をスピン偏極させる部位が半導体と該半導体に電場を印加する機構からなることを特徴とする請求項に記載のメモリ。
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