JP4472122B2 - 磁気ランダムアクセスメモリおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁性記憶素子を利用して磁気的に情報を記憶する磁気ランダムアクセスメモリに関する。より具体的には、本発明は、磁気ランダムアクセスメモリの構造および磁気ランダムアクセスメモリの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM:Magnetic Random Access Memory)の研究が盛んに進められている。磁気ランダムアクセスメモリとは、磁性記憶素子の磁気を利用してデータを記録する不揮発性メモリである。図15の(a)は、磁気ランダムアクセスメモリのメモリセル150の模式図を示す。メモリセル150は、1つの磁性記憶素子151と1つの金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)152とから構成されている。磁性記憶素子151の近傍には、磁性記憶素子151に情報を書き込むための書き込み用ワード線154が設けられる。トランジスタ152の第1電極(第1端子)152−1は磁性記憶素子151から情報を読み出すための読み込み用ワード線155と接続され、第2電極(第2端子)152−2は磁性記憶素子151と接続される。第3電極(第3端子)152−3は接地されている。また、磁性記憶素子151にはさらに、磁性記憶素子151に情報を書き込み、および磁性記憶素子151から情報を読み出す際に利用されるビット線153が接続される。以上の説明によれば、メモリセル150は1本の読み込み用ワード線155および1つのトランジスタ152に対して、1つの磁性記憶素子151が存在するよう構成されているといえる。図15の(b)は、メモリセル150の断面図を示す。図示されるように、磁性記憶素子151、ビット線153および書き込み用ワード線154は、読み込み用ワード線155またはトランジスタ152の上に積み上げられている。磁性記憶素子151はトランジスタ152よりも小さいため、メモリセル150の大きさはトランジスタ152の大きさによって決定される。
【0003】
1つの磁性記憶素子151のそれぞれに独立した1ビットの情報を記憶すると、メモリの利用効率は高い。しかし、1つの磁性記憶素子の出力は小さいため、読み出した情報の判別に必要なS/Nを確保できない場合がある。そこで従来の磁気ランダムアクセスメモリでは、1つのビット線に複数の磁性記憶素子を並列に設けて同じ情報を記憶することにより、S/Nを大きくすることが多かった。図16は、1つのビット線163に2つの磁性記憶素子161−1、2が並列に設けられた磁気ランダムアクセスメモリのメモリセルユニット160の例を示す。図示されるように、メモリセルユニット160は、それぞれ1つの磁性記憶素子とトランジスタとを有する2つのメモリセル160−1、2から構成される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
2磁性記憶素子、2トランジスタで1ビットを記憶するメモリセルユニット160を利用すると、記憶した情報に対する信頼性は確保できる。しかし、1磁性記憶素子、1トランジスタで1ビットを記憶する場合と比較すると、トランジスタを2つ用いるために1ビット分の面積が倍増することになる。これでは、DRAMと同じ製造技術を使って、DRAMなみの高いメモリの集積度を実現することはできない。また、例えば図15の(b)に示されるように、トランジスタは磁性記憶素子よりも大きいので、一定の面積のチップに集積可能な磁性記憶素子の数はトランジスタの数によって大きく制限される。これでは、小さい面積で、かつ少ない素子数で、大容量のメモリを得ることができない。
【0005】
本発明の目的は、単一のトランジスタに複数の磁性記憶素子を積層することにより、記憶された情報に対する信頼性を保持したままメモリの集積度を大幅に向上させ、かつ必要な構成素子数が少ない磁気ランダムアクセスメモリを提供することである。さらに本発明の目的は、そのような磁気ランダムアクセスメモリの製造方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の磁気ランダムアクセスメモリは、各々が磁気的に情報を記憶する複数の磁性記憶素子と、前記複数の磁性記憶素子の各々に接続された複数のビット線であって、その各々が相互に電気的に接続されている複数のビット線と、前記複数の磁性記憶素子の各々に磁界を印加して前記情報を書き込むために、前記複数の磁性記憶素子の各々の近傍に対応して配置された複数の書き込み用ワード線であって、その各々が相互に電気的に接続されている複数の書き込み用ワード線と、第1の端子と第2の端子とを備えたスイッチであって、前記第1の端子は、前記第2の端子に電流を流すか否かを決定するために利用される単一の読み込み用ワード線に接続され、前記第2の端子は、前記複数の磁性記憶素子の各々に接続されたスイッチとを備えており、前記複数の磁性記憶素子は、前記スイッチに垂直な方向に積層されていて、それにより上記目的が達成される。
【0007】
前記スイッチは、前記第1の端子および前記第2の端子のいずれとも異なり、かつ所定の電圧が印加された第3の端子をさらに備えており、前記第1の端子に印加された電圧に基づいて、前記第3の端子を介して前記第2の端子に電流を流してもよい。
【0009】
前記複数の書き込み用ワード線の各々と前記複数のビット線の各々とが直交し、かつその間に前記磁性記憶素子が位置するように構成されていてもよい。
【0010】
本発明の磁気ランダムアクセスメモリの製造方法は、(a)基板を提供するステップと、(b)前記基板の上に、第1の電極と、第2の電極と、第3の電極とを備えた単一のトランジスタであって、前記第1の電極に印加される電圧に応じて、前記第2の電極と第3の電極とを導通させる単一のトランジスタを形成するステップと、(c)前記単一のトランジスタと絶縁された書き込み用ワード線を形成するステップと、(d)前記単一のトランジスタの第2の電極に接続され、前記書き込み用ワード線の近傍に情報を記憶する磁性記憶素子を形成するステップと、(e)前記磁性記憶素子に接続され、かつ前記書き込み用ワード線と絶縁されたビット線を形成するステップと、(f)前記(c)〜(e)のステップを繰り返すステップであって、形成された複数の前記書き込み用ワード線を相互に電気的に接続し、形成された複数の前記ビット線を相互に電気的に接続するステップと、からなり、(c)〜(e)のステップは、前記書き込み用ワード線と前記ビット線とが直交し、かつ前記書き込み用ワード線と前記ビット線との間に前記磁性記憶素子が位置するように、前記書き込み用ワード線と、前記磁性記憶素子と、前記ビット線とを形成するステップであり、それにより上記目的が達成される。
【0012】
前記(d)のステップは、単一の読み込み用ワードラインを形成して前記第1の電極に接続するステップをさらに含んでもよい。
【0013】
前記(c)〜(e)のステップは、前記書き込み用ワード線と前記ビット線とが直交し、かつ前記書き込み用ワード線と前記ビット線との間に前記磁性記憶素子が位置するように、前記書き込み用ワード線と、前記磁性記憶素子と、前記ビット線とを形成するステップであってもよい。
【0014】
前記(b)のステップは、前記第3の電極に所定の電圧を与えるステップをさらに含んでもよい。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図面において、同じ符号は同一または同等の構成要素を示す。
【0016】
図1は、本発明による磁気ランダムアクセスメモリ10を示す。磁気ランダムアクセスメモリ10は、メモリアレイ11と、その駆動回路12とを含む。磁気ランダムアクセスメモリ10は、例えばコンピュータの中央処理装置(図示せず)等から受信した情報をメモリアレイ11に格納し、または磁気ランダムアクセスメモリ11から読み出した情報を中央処理装置(図示せず)等に送信するよう機能する。メモリアレイ11は、複数のメモリセルユニット(図示せず)から構成される。駆動回路12は、複数の駆動線のそれぞれを選択的に駆動できるよう構成されている。すなわち駆動回路12は、ビット線を駆動するためのビット線駆動回路13、書き込み用ワード線を駆動するための書き込み用ワード線駆動回路14および読み込み用ワード線を駆動する読み込み用ワード線駆動回路15を備えている。これらの回路により、メモリアレイ11の中の所望のメモリセルユニットを特定し、さらにそのメモリセルユニット中のどの磁気記憶素子にどのような情報を記憶するか、または記憶された情報を読み出すかを制御できる。
【0017】
図2の(a)は、本発明による磁気メモリセルユニット20の模式図を示す。図2に示す磁気メモリセルユニット20では、2つの磁性記憶素子を利用して1ビットを記憶する。2つの磁性記憶素子を利用する理由は、ビット誤り率を低下し、信頼性を向上させるためである。現在、磁性体(記憶素子)の抵抗は期待できるほど低くなく、そのため磁化反転(図3を参照して後述する。)に大きな磁界が必要である。抵抗値のばらつき(=磁化反転に必要な磁界のばらつき)も大きい。さらに記憶素子膜自身の不良から、高密度化による記憶素子面積の縮小も磁化反転に必要な磁界のばらつきの一因である。記憶素子の抵抗値のみであれば、記憶素子の面積を大きくすることで小さくできるが、それだけでは不十分である。本発明によれば、記憶素子膜、ビットラインおよび他回路による雑音耐性(高いS/N(信号対雑音比))を得ることができる。具体的には、2つの磁性記憶素子を並列に利用して1ビットを記憶することにより、ビット誤り率1×10-4を1×10-8にすることができる。読み出した情報の判別に必要なS/Nを確保できる原理は、2つの磁性記憶素子を並列に利用することで、ビットラインの電圧変化を十分確保して読み出した情報の判別に必要な信号を強くできることにある。これにより、ビットラインの寸法のばらつき等に起因する雑音に耐性を持たせることができる。
【0018】
以下、磁気メモリセルユニット20の構成を説明する。磁気メモリセルユニット20は、2つの磁性記憶素子21−1、21−2と、1つの金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)22とから構成されている。以下では、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタを単に「トランジスタ」と呼ぶ。2つの磁性記憶素子21−1、21−2は、それぞれが1ビットの情報を記憶する素子である。磁性記憶素子の数は2つに限られず、図14に示すような4つ等、複数を集積させることができる。一方トランジスタ22は、情報の読み出しの際に、特定の磁気メモリセルユニット20を選択するためのスイッチとして利用される。以上のような構成により、必要な構成素子数を減少でき、メモリの信頼性を保持したままで磁気メモリの集積度を劇的に向上できる。具体的には、従来と同じ面積で2倍の情報を記憶できる。また磁性記憶素子の数を増加することで、それほど大きくないMR比の磁性記憶素子を利用することができ、よって技術的により容易に磁気メモリを製造できる。磁性記憶素子のMR比とは、磁性記憶素子に外部磁界を印加したときの抵抗変化率をいい、その値が大きいほど抵抗の変化が大きいことを表す。
【0019】
以下、磁気メモリセルユニット20を説明する。それぞれの磁性記憶素子21−1、21−2の近傍には、磁性記憶素子21−1、21−2に情報を書き込むための書き込み用ワード線24−1、24−2が設けられる。書き込み用ワード線24−1、24−2は、磁気メモリセルユニット20内または周辺回路(図示せず)内で電気的に接続されており、書き込み用ワード線24から分岐する。換言すれば、書き込み用ワード線24−1、24−2は、相互に電気的に接続されている。トランジスタ22の第1電極22−1には磁性記憶素子21−1、21−2から情報を読み出すか否かを選択するための読み込み用ワード線25が接続され、第2電極22−2には磁性記憶素子21−1、21−2の両方が接続される。トランジスタ22の第3電極22−3は接地されており、基準電圧が与えられている。また、磁性記憶素子21−1、21−2にはさらに、磁性記憶素子21−1、21−2に情報を書き込み、かつ磁性記憶素子21−1、21−2から情報を読み出す際に利用されるビット線23−1、23−2が接続される。ビット線23−1、23−2は、磁気メモリセルユニット20内または周辺回路(図示せず)内で電気的に接続されており、ビット線23から分岐する。換言すれば、ビット線23−1、23−2は、相互に電気的に接続されている。以上の説明によれば、本発明による磁気メモリセルユニット20は、1つのトランジスタ22または1本のビット線23に対して2つの磁性記憶素子21−1、21−2が存在するよう構成されている。
【0020】
続いて磁気メモリセルユニット20の物理的構造を説明する前に、図3を参照して、磁性記憶素子への一般的な情報の読み込み/書き込み動作を説明する。図3は、磁性記憶素子31に情報を記憶し、磁性記憶素子31から情報を読み出すための動作原理を示す。
【0021】
まず、磁性記憶素子31に情報を記憶する方法を説明する。情報の記憶は、磁性記憶素子31に磁界を印加して、強磁性層の磁化の向きを変化させることにより行われる。図3の(a)は、情報(状態)「0」を記憶した磁性記憶素子31を示す。磁性記憶素子31は、下側の強磁性層32と、上側の強磁性層33と、それらの間に挟まれた非磁性層34とから構成されている。磁性記憶素子31は、例えば、TMR(Tunneling Magnetoresistive)素子や、GMR(Giant Magnetoresistive)素子であることが好ましい。磁性記憶素子31の近傍には、磁性記憶素子31に情報を書き込むための書き込み用ワード線35が設けられている。一般に、磁性記憶素子31の下側の強磁性層32の磁化の向きと上側の強磁性層33の磁化の向きとが同一の場合(この例では、いずれもX軸の正方向を向いている場合)には、磁性記憶素子31は「0」を格納しているとされる。なお、下側の強磁性層32(書き込み用ワード線35からより遠くに位置する強磁性層32)の磁化の向きはX軸の正方向から変化しないよう設計される。磁性記憶素子31の下側の強磁性層32の磁化の向きと上側の強磁性層33の磁化の向きとを同一にするためには、書き込み用ワード線35にY軸の負方向に電流を流せばよい。書き込み用ワード線35の周りには時計回りに磁界が発生し、上側の強磁性層33にX軸の正方向の磁界を印加できるからである。このようにして、磁性記憶素子31に情報「0」が記憶される。
【0022】
次に、図3の(b)は、情報「1」を記憶した磁性記憶素子31を示す。一般に、磁性記憶素子31の下側の強磁性層32の磁化の方向と上側の強磁性層33の磁化の方向とが逆向きの場合(下側の強磁性層32の磁化の方向がX軸方向、上側の強磁性層33の磁化の方向がY軸方向を向いている場合)には、磁性記憶素子31は「1」を格納しているとされる。それぞれの強磁性層の磁化の方向をこのように設定するためには、書き込み用ワード線35にY軸の正方向に電流を流し、上側の強磁性層33にX軸の負方向の磁界を印加すればよい。なお下側の強磁性層32の磁化の方向は、この磁界により磁化の方向が変化しないように設計される(電流の大きさが調整される)。このようにして、磁性記憶素子31に情報「1」が記憶される。
【0023】
続いて磁性記憶素子31から情報を読み出す方法を説明する。情報の読み込みは、磁性記憶素子31の積層面に垂直な方向に一定の電流Iを流し、磁性記憶素子31の両端の電圧を検出することにより行われる。図3の(c)は、情報「0」が読み出される磁性記憶素子31を示す。まず、磁性記憶素子31の積層面に垂直な方向に設けられたビット線36に、一定の電流Iが流される。電流Iは、磁性記憶素子31内を流れる。そして磁性記憶素子31の両端の電圧V0が検出される。磁性記憶素子31の下側の強磁性層32の磁化の方向と上側の強磁性層33の磁化の方向とが同一である場合には、磁性記憶素子31の抵抗が比較的小さいことが知られている。したがって、検出された電圧V0も小さくなる。これにより、その磁性記憶素子31に記憶されている情報が「0」であることを判定できる。なお、流した電流Iの大きさと検出した電圧V0とに基づいて、R0=V0/Iにより抵抗値R0を求め、その抵抗値R0が比較的小さいと判断することにより、磁性記憶素子31に記憶されている情報が「0」であることを判定してもよい。
【0024】
次に、図3の(d)は、情報「1」が読み出される磁性記憶素子31を示す。この場合も同様に磁性記憶素子31の積層面に垂直な方向に設けられたビット線36に、一定の電流Iが流される。そして磁性記憶素子31の両端の電圧V1が検出される。磁性記憶素子31の下側の強磁性層32の磁化の方向と上側の強磁性層33の磁化の方向とが逆向きである場合には、磁性記憶素子31の抵抗が比較的大きいことが知られている。したがって、検出された磁性記憶素子31の両端の電圧V1は大きくなる(V1>V0)。これにより、その磁性記憶素子31に記憶されている情報が「1」であることを判定できる。なお、流した電流Iの大きさと検出した電圧V1とに基づいて、R1=V1/Iにより抵抗値R1を求め、その抵抗値R1が比較的大きいと判断することにより磁性記憶素子31に記憶されている情報が「1」であることを判定してもよい。
【0025】
以上、磁性記憶素子に情報を記憶させ、また磁性記憶素子から情報を読み出す方法を説明した。続いて図2の(b)を参照して、本発明による磁気メモリセルユニット20の構造を説明する。図2の(b)は、(a)の磁気メモリセルユニット20の断面図を示す。磁気メモリセルユニット20は、基板上に形成されたトランジスタ22に垂直な方向に、順に読み込み用ワード線25、第1セル27−1、第2セル27−2とが積層されて構成されている。トランジスタ22の第1電極22−1は読み込み用ワード線25と接続され、トランジスタ22の第3電極22−3は接地されており、基準電圧(0V)が与えられている。トランジスタ22の第2電極22−2は、第1セル27−1および第2セル27−2の各々と接続されている。
【0026】
第1セル27−1では、書き込み用ワード線24−1、下部電極26−1、磁性記憶素子21−1、ビット線23−1が基板側から順に基板に垂直な方向に積層されている。図2の(a)でも説明したように、書き込み用ワード線24−1以外の構成要素は、トランジスタ22の第2電極22−2と接続されている。同様に、第2セル27−2には、書き込み用ワード線24−2、下部電極26−2、磁性記憶素子21−2、ビット線23−2が基板側から順に基板に垂直な方向に積層されている。書き込み用ワード線24−2以外の構成要素は、下部電極26−1を介してトランジスタ22の第2電極22−2と接続されている。書き込み用ワード線24−1および24−2は、コンタクトプラグ等から構成される電気的な配線28により相互に接続されている。なお配線28は、磁気メモリセルユニット20内または周辺回路(図示せず)内に存在する。さらに、ビット線23−1および23−2もまた、相互に電気的に接続されている。上述した構成要素が存在する領域の周囲の領域には、絶縁層が形成されている。
【0027】
続いて第1セル27−1の構造をより詳しく説明する。第1セル27−1では、書き込み用ワード線24−1は紙面に垂直な方向に延びるように設けられ、磁性記憶素子21−1の近傍に設けられている。書き込み用ワード線24−1は、流れる電流に基づく磁界を磁性記憶素子21−1に印加する。磁性記憶素子21−1は、下部電極26−1およびビット線23−1との間に設けられる。このビット線23−1は、磁性記憶素子21−1に情報を書き込む際にも利用され、書き込み用ワード線24−1と平行でなく、例えば直交するように配置される。よって、磁性記憶素子21−1は、ビット線23−1および書き込み用ワード線24−1との間に設けられるといえる。またビット線23−1には、第2セル27−2のビット線23−2と相互に電気的に接続するための配線(導体)が、基板に垂直に、上方向へビット線23−2に向かって延びる。また下部電極26−1にも、第2セル27−2のビット線26−2と電気的に接続するための配線(導体)が、基板に垂直に、上方向へ下部電極26−2に向かって延びる。なお、第2セル27−2の構造は第1セル27−1の構造と同様なので、その詳しい説明は省略する。
【0028】
ビット線23−1が書き込み用ワード線24−1と平行にならないように配置される理由は以下のとおりである。図3の(a)および(b)を参照して説明したように、1本の書き込み用ワード線35があれば、「0」または「1」の情報を磁性記憶素子31に書き込むことができる。しかし、現在研究開発されている磁気ランダムアクセスメモリでは、多数の磁性記憶素子を集積化した場合を考慮して、2本の電流線、すなわち書き込み用ワード線およびビット線を利用して情報の書き込みが行われる。書き込み用ワード線およびビット線のいずれか1本の線に流れる電流のみでは磁化の反転に必要な磁界が生じないように、印加される電圧、換言すれば流れる電流の大きさが調整される。一方、書き込み用ワード線およびビット線のいずれにも電流が流れている位置では、各電流により磁界が生じ、2つの磁界の和(合成磁界)が磁性記憶素子に印加される。この合成磁界の大きさが磁化の反転に十分な大きさになるようにすることで、書き込み用ワード線およびビット線の交点に位置する磁性記憶素子にのみ情報を書き込むことができる。換言すれば、所望の磁性記憶素子の上および下に存在する書き込み用ワード線およびビット線を選択して電流を流すことにより、その所望の磁性記憶素子に合成磁界を印加し、その磁性記憶素子にのみ情報を書き込むことができる。したがって、書き込み用ワード線およびビット線が平行に配置されないことが必要となる。なお、どの書き込み用ワード線およびビット線を選択するかは、書き込み用ワード線駆動回路14(図1)およびビット線駆動回路13(図1)により制御される。
【0029】
続いて、図4〜図13を参照して、磁気メモリセルユニット20(図2の(b))の製造過程を説明する。各図は磁気メモリセルユニット20(図2の(b))の製造過程を順を追って示す。この製造過程では、磁気メモリセルユニット20内のコンタクトプラグにより、書き込み用ワード線24−1および24−2(図2の(b))を接続する配線28(図2の(b))が形成されるとする。なお、以下のようにして製造される磁気メモリセルユニット20(図2の(b))を駆動回路12(図1)とあわせて集積することにより、容易に磁気ランダムアクセスメモリ10(図1)を得ることができる。駆動回路12(図1)は、さらに以下に説明するように動作するものであれば周知の駆動回路を利用できる。したがって、駆動回路12(図1)および磁気ランダムアクセスメモリ10(図1)の製造過程は特に説明しない。以下では、参照符号は各図の説明に必要なものにのみ付し、すでに説明した構成要素には付さないが、各図間で対応する個所は同じ構成要素を表す。
【0030】
図4は、トランジスタ22および読み込み用ワード線25が形成された基板40を示す。形成過程は以下のとおりである。まずSi基板40に複数のトランジスタが形成される。ここでは、複数のトランジスタのうちトランジスタ22(Nチャネル型MOSFET)のみを示す。Nチャネル型MOSFETは、P型シリコン基板40に不純物濃度の高い2つのn型領域(電極)22−2、22−3を互いに近接して埋め込み、両電極22−2、22−3の上に薄い酸化膜(SiO2)22−4を堆積し、最後にその上にAl、Au等を蒸着してゲート電極(第1電極)22−1を形成することにより作製できる。また、複数のトランジスタ相互を電気的に絶縁するために、例えば、TEOS(Tetra Etyle Ortho Silicate)等を用いて素子分離領域41−1および41−2も同時に形成される。このように形成されたトランジスタ22の第1電極22−1上に、読み込み用ワード線25が形成される。
【0031】
図5は、孤立プラグ54とグランド接続配線56とがさらに形成された基板40を示す。グランド接続配線56は接地されている。孤立プラグ54とグランド接続配線56の周囲の領域には、層間絶縁膜52が存在する。
【0032】
このような基板40の形成過程は以下のとおりである。
【0033】
(5−1)まず基板40上に、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)を利用して、SiO2からなる層間絶縁膜52が成膜される。
【0034】
(5−2)その基板40にはフォトレジストが塗布され、フォトマスクを介して紫外線を照射することにより、所望のレジストパターンが得られる。この工程はリソグラフィと呼ばれる。フォトマスクは、孤立プラグ54およびグランド接続配線56のコンタクトホールを設ける位置および形状に基づいて用意される。
【0035】
(5−3)レジストパターン部分のSiO2がエッチングにより除去され、塗布されたフォトレジストが除去される。このようにして、孤立プラグ54およびグランド接続配線56のコンタクトホールが設けられる。
【0036】
(5−4)そのコンタクトホールに金属が蒸着される。ただし、通常の蒸着プロセスによれば、コンタクトホールに加え、層間絶縁膜52の表面にも金属が蒸着される。したがって、孤立プラグ54およびグランド接続配線56を所望の形状に成形するために、すなわち蒸着された金属のうち不要な金属を除去するために、再びリソグラフィおよびエッチングが行われる。最後にグランド接続配線56が、接地される。
【0037】
以上のように、層間絶縁膜52、孤立プラグ54およびグランド接続配線56が形成される。なお、リソグラフィ、エッチングおよび蒸着は周知の技術であるので、本明細書においてその具体的な説明は省略する。
【0038】
図6は、書き込み用ワード線24−1と孤立プラグ64とがさらに形成された基板40を示す。孤立プラグ64の周囲の領域には、層間絶縁膜62が存在する。その過程は、図5を参照して説明したのと全く同様である。すなわち、上記(5−1)で説明したように、層間絶縁膜52(図5)の上にさらに層間絶縁膜が成膜され、層間絶縁膜62が形成される。次に(5−2)および(5−3)で示すように、孤立プラグ64のコンタクトホールが形成される。コンタクトホールは、孤立プラグ64が孤立プラグ54と電気的に接続されるように、孤立プラグ54の上部にまで延びる。最後に(5−4)で示すように、そのコンタクトホールおよび層間絶縁膜62の表面に金属が蒸着され、書き込み用ワード線24−1と孤立プラグ64が所望の形状になるように、蒸着された金属のうち不要な金属をリソグラフィおよびエッチングで除去する。以上のようにして書き込み用ワード線24−1と孤立プラグ64とが形成される。なお図7およびそれに続く図8〜図13では、書き込み用ワード線24−1は、素子分離領域41−1から隣のトランジスタが存在する領域の上方まで延びている。これは図示のための便宜的な記載であって、実際は隣接する領域の上方にまでは至らないことが好ましい。
【0039】
図7は、第1下部電極74と孤立プラグ76とがさらに形成された基板40を示す。第1下部電極74は、孤立プラグ64に電気的に接続され、孤立プラグ76は書き込み用ワード線24−1に電気的に接続される。第1下部電極74の周囲の領域には、層間絶縁膜72が存在する。層間絶縁膜72の成膜および第1下部電極74の形成は、図5および6を参照してした上記(5−1)〜(5−4)の説明と全く同様であるので、その説明は省略する。
【0040】
図8は、磁性記憶素子21−1がさらに形成された基板40を示す。磁性記憶素子21−1は、第1下部電極74に電気的に接続されている。すでに説明したように、磁性記憶素子21−1は、基板40および書き込み用ワード線に近い側から順に、強磁性層33(図3)、非磁性層34(図3)および強磁性層32(図3)が積層されたTMR素子またはGMR素子である。まず、第1下部電極74の形に合わせてTMR素子またはGMR素子が形成される。そして、磁性記憶素子21−1として必要な大きさおよび形状を得るために、これまでの説明と同様フォトレジストおよびエッチング(例えば、イオン・エッチング)が行われる。以上のように磁性記憶素子21−1が形成される。なお、層間絶縁膜82は第1下部電極74の上面とほぼ同じレベルまで成膜されている。層間絶縁膜82を成膜する手順はこれまでの説明と全く同じであるので、その説明は省略する。
【0041】
図9は、ビット線23−1と孤立プラグ94、96とがさらに形成された基板40を示す。ビット線23−1は、磁性記憶素子21−1と電気的に接続されている。一方、孤立プラグ94、96は、それぞれ第1下部電極74および孤立プラグ76と電気的に接続されている。周囲の領域には、層間絶縁膜92が存在する。ビット線23−1、孤立プラグ94、96の形成および層間絶縁膜92の成膜は、図5および6を参照してした上記(5−1)〜(5−4)の説明と全く同様であるので、その説明は省略する。
【0042】
ここまでが、第1セル27−1(図2の(b))の形成過程である。本発明では、第1セル27−1(図2の(b))の上にさらに第2セル27−2(図2の(b))を積層させることにより集積度を向上させる。
【0043】
図10は、書き込み用ワード線24−2と孤立プラグ104、106、108とがさらに形成された基板40を示す。孤立プラグ104、106、108は、それぞれ孤立プラグ94、ビット線23−1、孤立プラグ96と電気的に接続されている。さらに書き込み用ワード線24−2と孤立プラグ108とは、紙面の奥方向または手前方向を経由する配線109により電気的に接続されている。なお、書き込み用ワード線24−2および孤立プラグ108は、孤立プラグ106とは接続されていない。よって書き込み用ワード線24−1および書き込み用ワード線24−2とは、孤立プラグ76、96、108および配線109を介して相互に電気的に接続されることになる。これらの周囲の領域には、層間絶縁膜102が存在する。書き込み用ワード線24−2と孤立プラグ104、106、108の形成過程は、図6を参照して説明した書き込み用ワード線24−1および孤立プラグ64の形成過程と完全に対応するので、その説明は省略する。また、配線109の形成過程も書き込み用ワード線孤立プラグと全く同様なのでその説明は省略する。
【0044】
図11は、第2下部電極114と孤立プラグ116とがさらに形成された基板40を示す。第2下部電極114は、孤立プラグ104と電気的に接続され、孤立プラグ116は孤立プラグ106と電気的に接続されている。周囲の領域には、層間絶縁膜112が存在する。この形成過程は、図7を参照して説明した第1下部電極74の形成過程と完全に対応するので、その説明は省略する。
【0045】
図12は、磁性記憶素子21−2がさらに形成された基板40を示す。磁性記憶素子21−2は、第2下部電極114に電気的に接続されている。層間絶縁膜122は第2下部電極114の上面とほぼ同じレベルまで成膜されている。磁性記憶素子21−2の構造、およびこの形成過程は、図8を参照して説明した磁性記憶素子21−1の構造および形成過程と完全に対応するので、その説明は省略する。
【0046】
図13は、ビット線23−2がさらに形成された基板40を示す。ビット線23−2は、磁性記憶素子21−2および孤立プラグ116と電気的に接続されている。したがって、ビット線23−1、23−2とは、孤立プラグ106および116とを介して相互に電気的に接続されることになる。周囲の領域には、層間絶縁膜132が存在する。この形成過程は、図9を参照して説明したビット線23−1および第3孤立プラグ94の形成過程と完全に対応するので、その説明は省略する。
【0047】
以上、磁気メモリセルユニット20(図2の(b))の製造過程を説明した。図13の説明に関して、本実施の形態では、2つのセル27−1、27−2(図2の(b))により磁気メモリセルユニット20(図2の(b))を構成するとしているので、ビット線23−2が層間絶縁膜132の上面を覆うように構成してもよい。一方、3以上のセルを含む磁気メモリセルユニット20(図2の(b))を形成する場合には、図10〜図13を参照して説明した工程を繰り返し、セルをトランジスタ22(図4)に垂直な方向に積層させて磁気メモリセルユニット20(図2の(b))を形成すればよい。図14は、4つのセルを積層させた場合の磁気メモリセルユニット140の模式図を示す。形成された書き込み用ワード線は相互に電気的に接続され、形成された複数のビット線も相互に電気的に接続される。
【0048】
再び図2の(b)を参照して、磁気メモリセルユニット20へのアクセス方法を具体的に説明する。「アクセス」とは、磁気メモリセルユニット20へ情報を書き込み、および磁気メモリセルユニット20から情報を読み出すことをいう。磁気メモリセルユニット20へのアクセスは、駆動回路12(図1)により制御される。以下説明される「ビット線を選択する」、「情報を書き込む/読み出す」、「電圧を印加する」、「電流を流す」等の動作は、すべて駆動回路12(図1)の制御の下で行われる。これらの動作は、ビット線駆動回路13(図1)、書き込み用ワード線駆動回路14(図1)および読み込み用ワード線駆動回路15(図1)が必要な配線を選択することにより行われる。
【0049】
まず、各磁性記憶素子21−1、21−2に情報を書き込む際の磁気メモリセルユニット20の動作を説明する。磁性記憶素子21−1、21−2に情報を書き込む場合は、まず書き込み用ワード線駆動回路14(図1)およびビット線駆動回路13(図1)が書き込み用ワード線24(図2の(b))およびビット線23(図2の(b))を選択してそれぞれワード線書き込み電流およびビット線書き込み電流を流す。書き込み用ワード線24(図2の(b))に流れるワード線書き込み電流は、書き込み用ワード線24−1、24−2に分流する。ビット線書き込み電流は、ビット線23−1、23−2に流れる。なお、ビット線23−1および書き込み用ワード線24−1に流れる電流により発生した磁界を合成すると、磁性記憶素子21−1の磁化の向きを反転させるのに十分な大きさを持つ合成磁界が得られる。同様に、ビット線23−2および書き込み用ワード線24−2に流れる電流により発生した磁界を合成すると、磁性記憶素子21−1の磁化の向きを反転させるのに十分な大きさを持つ合成磁界が得られる。このような電流を流すことができるのであれば、ビット線23−1、23−2のそれぞれに流れる電流の大きさ、および書き込み用ワード線24−1、24−2のそれぞれに流れる電流の大きさは、等しくなくてもよく、多少の差があってもよい。磁気メモリセルユニット20への情報の書き込みは上述のようにして実現される。
【0050】
続いて、各磁性記憶素子21−1、21−2から情報を読み出す動作に関しては、駆動回路12(図1)は、図3の(c)および(d)を参照して説明したように動作する。すなわち、読み込み用ワード線駆動回路15(図1)は、まず読み込み用ワード線25を選択して読み込み用ワード線電圧を印加し、トランジスタ22を導通させる。トランジスタ22の第3電極22−3は接地されているので、磁性記憶素子21−1、21−2の一方の端子電圧は0V(基準電圧)になる。続いてビット線駆動回路13(図1)はビット線23を選択し、ビット線23−1、23−2から磁性記憶素子21−1、21−2に一定の電圧を印加し、ビット線読み込み電流を流す。ビット線駆動回路13(図1)は磁性記憶素子21−1、21−2の端子間電圧を検出し、磁性記憶素子21−1、21−2の抵抗値を得る。駆動回路12(図1)は、磁性記憶素子21−1、21−2の抵抗値が比較的低い所定の値であれば、磁性記憶素子21−1、21−2に保持された情報は「0」であると判断し、磁性記憶素子21−1、21−2の抵抗値が比較的高い所定の値であれば、磁性記憶素子21−1、21−2に保持された情報は「1」であると判断する。なお、この判断は抵抗値に限らず、検出された電圧値をそのまま利用して行ってもよい。
【0051】
【発明の効果】
本発明の磁気ランダムアクセスメモリによれば、複数の磁性記憶素子に同じ情報を格納する磁気ランダムアクセスメモリにおいて、単一のトランジスタに複数の磁性記憶素子が接続されているので、読み出しに対する信頼性を高く保持したまま、構成素子数が少ない、集積度の高いメモリを得ることができる。より特定的には、複数の磁性記憶素子はトランジスタに垂直な上方向に積層されているので、集積度を劇的に向上できる。
【0052】
本発明の磁気ランダムアクセスメモリによれば、所定の電圧が印加された第3の端子をさらに備え、第1の端子に印加された電圧に基づいて、第3の端子を介して第2の端子に電流が流れるので、情報の読み出しのための電圧検出が可能になる。
【0053】
本発明の磁気ランダムアクセスメモリによれば、書き込み用ワード線とビット線とが直交し、かつ書き込み用ワード線とビット線との間に磁性記憶素子が位置するように構成されるので、もっとも大きい合成磁界が磁性記憶素子に印加され、確実に書き込みが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による磁気ランダムアクセスメモリを示す図である。
【図2】 本発明による磁気メモリセルユニットの模式図および断面図である。
【図3】 磁性記憶素子に情報を記憶し、磁性記憶素子から情報を読み出すための動作原理を示す図である。
【図4】 トランジスタおよび読み込み用ワード線が形成された基板を示す図である図である。
【図5】 孤立プラグとグランド接続配線とが形成された基板を示す図である。
【図6】 書き込み用ワード線と孤立プラグとが形成された基板を示す図である。
【図7】 第1下部電極と孤立プラグとが形成された基板を示す図である。
【図8】 磁性記憶素子が形成された基板を示す図である。
【図9】 ビット線と孤立プラグとが形成された基板を示す図である。
【図10】 書き込み用ワード線と孤立プラグとが形成された基板を示す図である。
【図11】 第2下部電極と孤立プラグとが形成された基板を示す図である。
【図12】 磁性記憶素子が形成された基板を示す図である。
【図13】 ビット線が形成された基板を示す図である。
【図14】 4個の磁性記憶素子を含む磁気メモリセルユニットを示す図である。
【図15】 磁気ランダムアクセスメモリのメモリセルの模式図および断面図である。
【図16】 1つのビット線に2つの磁性記憶素子が並列に設けられた磁気ランダムアクセスメモリのメモリセルユニットの例を示す図である。
【符号の説明】
20 磁気メモリセルユニット、22 トランジスタ、22−1 第1電極、22−2 第2電極、22−3 第3電極、23−1 ビット線、23−2 ビット線、24−1 書き込み用ワード線、24−2 書き込み用ワード線、25読み込み用ワード線、26−1 下部電極、26−2 下部電極、27−1 第1セル、27−2 第2セル
Claims (7)
- 各々が磁気的に情報を記憶する複数の磁性記憶素子と、
前記複数の磁性記憶素子の各々に接続された複数のビット線であって、その各々が相互に電気的に接続されている複数のビット線と、
前記複数の磁性記憶素子の各々に磁界を印加して前記情報を書き込むために、前記複数の磁性記憶素子の各々の近傍に対応して配置された複数の書き込み用ワード線であって、その各々が相互に電気的に接続されている複数の書き込み用ワード線と、
第1の端子と第2の端子とを備えたスイッチであって、前記第1の端子は、前記第2の端子に電流を流すか否かを決定するために利用される単一の読み込み用ワード線に接続され、前記第2の端子は、前記複数の磁性記憶素子の各々に接続されたスイッチと
を備え、
前記複数の磁性記憶素子は、前記スイッチに垂直な方向に積層されている、磁気ランダムアクセスメモリ。 - 前記スイッチは、前記第1の端子および前記第2の端子のいずれとも異なり、かつ所定の電圧が印加された第3の端子をさらに備えており、前記第1の端子に印加された電圧に基づいて、前記第3の端子を介して前記第2の端子に電流を流す、請求項1に記載の磁気ランダムアクセスメモリ。
- 前記複数の書き込み用ワード線の各々と前記複数のビット線の各々とが直交し、かつその間に前記磁性記憶素子が位置するように構成される、請求項1に記載の磁気ランダムアクセスメモリ。
- (a)基板を提供するステップと、
(b)前記基板の上に、第1の電極と、第2の電極と、第3の電極とを備えた単一のトランジスタであって、前記第1の電極に印加される電圧に応じて、前記第2の電極と第3の電極とを導通させる単一のトランジスタを形成するステップと、
(c)前記単一のトランジスタと絶縁された書き込み用ワード線を形成するステップと、
(d)前記単一のトランジスタの第2の電極に接続され、前記書き込み用ワード線の近傍に情報を記憶する磁性記憶素子を形成するステップと、
(e)前記磁性記憶素子に接続され、かつ前記書き込み用ワード線と絶縁されたビット線を形成するステップと、
(f)前記(c)〜(e)のステップを繰り返すステップであって、形成された複数の前記書き込み用ワード線を相互に電気的に接続し、形成された複数の前記ビット線を相互に電気的に接続するステップと、
からなり、
前記(c)〜(f)のステップは、前記書き込み用ワード線と、前記磁性記憶素子と、前記ビット線とを、前記基板上に形成された前記単一のトランジスタに垂直な方向に積層するステップである、磁気ランダムアクセスメモリの製造方法。 - 前記(d)のステップは、単一の読み込み用ワードラインを形成して前記第1の電極に接続するステップをさらに含む、請求項4に記載の磁気ランダムアクセスメモリの製造方法。
- 前記(c)〜(e)のステップは、前記書き込み用ワード線と前記ビット線とが直交し、かつ前記書き込み用ワード線と前記ビット線との間に前記磁性記憶素子が位置するように、前記書き込み用ワード線と、前記磁性記憶素子と、前記ビット線とを形成するステップである、請求項5に記載の磁気ランダムアクセスメモリの製造方法。
- 前記(b)のステップは、前記第3の端子に所定の電圧を与える回路部分を作成するステップをさらに含む、請求項6に記載の磁気ランダムアクセスメモリの製造方法。
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