JP2015166343A - リン酸ジエステル塩の製造方法及びリン酸ジエステルの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】反応温度や反応時間の低減が図れ、また蒸留などの煩雑な操作も必要とせず、極めて簡単な方法で、効率よく製造が可能なリン酸ジエステル塩及びリン酸ジエステルの製造方法の提供。【解決手段】リン酸ジエステル塩の製造方法は、M(PO2X2)n(式中、Mは1価〜3価のカチオンを示し、Xはハロゲン原子を示し、nは1〜3の自然数を示す。)で表されるジハロリン酸塩と、ヒドロキシ化合物とを反応させることを特徴とする。また、本発明に係るリン酸ジエステルの製造方法は、前記リン酸ジエステル塩を酸と反応させることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、リン酸ジエステル塩の製造方法及びリン酸ジエステルの製造方法に関する。より詳細には、ジハロリン酸塩とヒドロキシ化合物との反応により、反応温度や反応時間などの点で過酷な反応条件や、蒸留などの煩雑な操作を必要とせず、簡便で効率よく製造可能なリン酸ジエステル塩の製造方法及びリン酸ジエステルの製造方法に関する。
リン酸ジエステル塩の一般的な製造方法としては、リン酸ジエステルを塩基で中和させるか、あるいはリン酸ジエステルをイオン交換樹脂を用いてカチオン交換させることにより目的の塩を得る方法が挙げられる。
また、リン酸ジエステルの製造方法としては、アルコールと、オキシ塩化リン、五塩化リンなどのハロゲン化リン、五酸化二リン又はポリリン酸等とを反応させて製造する方法が一般的に知られている。この方法では主にリン酸モノエステルとリン酸ジエステルとの混合物が得られる。
一方、電気化学デバイス用の電解液や電解質材料の用途を初めとする電子材料用途では、性能や耐久性の観点から純度に対する要求がますます高くなってきている。しかし、前記のような従来の製造方法ではこうした要求を満たすことが困難になってきている。そのため、さらに純度の高いリン酸ジエステル塩またはリン酸ジエステルを得るための種々方法が提案されている。
例えば、下記特許文献1には、第2級アミンとリン酸トリエステルとを耐圧容器中で反応させることを特徴とするリン酸ジエステル塩の製造方法が開示されている。しかしながら、当該製造方法では、100℃以上の高温で、かつ30時間以上の反応を行わなければならず、工業スケールでの製造に好適ではない。
また、下記特許文献2には、リン酸エステルまたはその塩、およびオルトリン酸またはその塩を含有する混合物から、逆浸透膜を用いてオルトリン酸またはその塩を除去して精製するリン酸エステルまたはその塩の製造方法が開示されている。しかしながら、当該製造方法では、所望のリン酸ジエステルの収率が低く、リン酸ジエステル塩のみを製造するという観点からは好適ではない。
また、下記特許文献3には、リン酸トリエステルを、リン酸ジエステルの存在下で、無機塩基水溶液で加水分解して、対応するリン酸ジエステルを得る製造方法が開示されている。しかしながら、純度の高いリン酸エステルを得るために蒸留工程を行う必要があり、工程数が多くなる。また、リン酸ジエステル塩を製造する場合には、塩基との中和工程も行う必要があり、さらに煩雑な製造工程を行う必要がある。
特開2012−1459号公報 特開平7−330784号公報 特開2004−269421号公報
本発明は前記問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、反応温度や反応時間の低減が図れ、また蒸留などの煩雑な操作も必要とせず、極めて簡単な方法で、効率よく製造することが可能なリン酸ジエステル塩の製造方法及びリン酸ジエステルの製造方法を提供することにある。
本発明のリン酸ジエステル塩の製造方法は、前記の課題を解決する為に、M(PO)n(式中、Mは1価〜3価のカチオンを示し、Xはハロゲン原子を示し、nは1〜3の自然数を示す。)で表されるジハロリン酸塩と、ヒドロキシ化合物とを反応させることを特徴とする。
前記の構成に於いて、前記ジハロリン酸塩とヒドロキシ化合物との反応は、有機溶媒中において塩基の存在下で行うことが好ましい。
前記の構成に於いて、前記ジハロリン酸塩とヒドロキシ化合物との反応は、無溶媒において塩基の存在下で行うことが好ましい。
また、前記の構成に於いては、前記ヒドロキシ化合物が、アルコール類、フェノール類、ナフトール類、糖類及びオキソカーボン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
さらに前記の構成に於いては、前記Mがアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、遷移金属イオン及びオニウムイオンからなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
また、前記の構成に於いては、前記Mがリチウムイオンであることが好ましい。
また、前記の構成に於いては、前記Xが塩素原子であることが好ましい。
また、前記の構成に於いては、前記塩基がアミン類又は金属水酸化物であることが好ましい。
また、前記の構成に於いては、前記有機溶媒がニトリル類、エステル類、ケトン類、エーテル類、ハロゲン化炭化水素類、ニトロメタン、ニトロエタン及びジメチルホルムアミドからなる群より選ばれる少なくとも1種の非プロトン性有機溶媒であることが好ましい。
また、前記の構成に於いては、前記有機溶媒がジメトキシエタンであることが好ましい。
また、本発明のリン酸ジエステルの製造方法は、前記の課題を解決する為に、前記に記載のリン酸ジエステル塩の製造方法により得られたリン酸ジエステル塩を、酸と反応させることを特徴とする。
本発明のリン酸ジエステル塩の製造方法によれば、M(PO)n(式中、Mは1価〜3価のカチオンを示し、Xはハロゲン原子を示し、nは1〜3の自然数を示す。)で表されるジハロリン酸塩と、ヒドロキシ化合物とを反応させることにより、反応温度及び反応時間の低減が図れ、また蒸留などの煩雑な操作を不要にし、極めて簡単な方法で効率よくリン酸ジエステル塩を製造することが可能になる。
また、本発明のリン酸ジエステルの製造方法によれば、リン酸ジエステル塩を酸と反応させることにより、極めて簡単な方法で効率よくリン酸ジエステルを製造することが可能になる。
(リン酸ジエステル塩の製造方法)
本実施の形態に係るリン酸ジエステル塩の製造方法について、以下に説明する。
本実施の形態のリン酸ジエステル塩の製造方法は、ジハロリン酸塩とヒドロキシ化合物とを反応させることにより行われる。この反応においては、有機溶媒中において塩基の存在下で行ってもよい。
前記ジハロリン酸塩は、M(PO)n(式中、Mは1価〜3価のカチオンを示し、Xはハロゲン原子を示し、nは1〜3の自然数を示す。)で表され、リン酸ジエステル塩の前駆体にあたる。
前記Mは1価〜3価のカチオンを示す。1価のカチオンとしては特に限定されず、例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、アルミニウムイオン、遷移金属イオン、アンモニウムイオン(NH4+)、第1級アンモニウムイオン、第2級アンモニウムイオン、第3級アンモニウムイオン、第4級アンモニウムイオン、第4級ホスホニウムイオン、スルホニウムイオン等のオニウムイオンが挙げられる。2価のカチオンとしては特に限定されず、アルカリ土類金属イオン等が挙げられる。また、3価のカチオンとしては特に限定されず、遷移金属イオン等が挙げられる。これらのカチオンは、前記ヒドロキシ化合物、又は有機溶媒中に共存させる塩基と反応しない限り、反応目的物に応じて適宜選択される。
前記アルカリ金属イオンのアルカリ金属としては特に限定されず、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムが挙げられる。これらは一種単独で、又は二種以上を併用することができる。入手の容易さや、ヒドロキシ化合物との反応性の高さの観点からは、前記Mはリチウム、ナトリウムであることが好ましい。
アルカリ土類金属イオンのアルカリ土類金属としては特に限定されず、例えば、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムが挙げられる。これらは一種単独で、又は二種以上を併用することができる。
前記遷移金属イオンの遷移金属としては特に限定されず、例えば、マンガン、コバルト、ニッケル、鉄、クロム、銅、モリブデン、タングステン、バナジウム等が挙げられる。これらは一種単独で、又は二種以上を併用することができる。
前記第1級アンモニウムイオンをなす第1級アンモニウムとしては特に限定されず、例えば、メチルアンモニウム、エチルアンモニウム、プロピルアンモニウム、イソプロピルアンモニウム等が挙げられる。これらは一種単独で、又は二種以上を併用することができる。
前記第2級アンモニウムイオンをなす第2級アンモニウムとしては特に限定されず、例えば、ジメチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、ジプロピルアンモニウム、ジブチルアンモニウム、メチルエチルアンモニウム、メチルプロピルアンモニウム、メチルブチルアンモニウム、プロピルブチルアンモニウム、ジイソプロピルアンモニウム等が挙げられる。これらは一種単独で、又は二種以上を併用することができる。
前記第3級アンモニウムイオンをなす第3級アンモニウムとしては特に限定されず、例えば、トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、トリプロピルアンモニウム、トリブチルアンモニウム、ジメチルエチルアンモニウム、メチルジエチルアンモニウム、トリイソプロピルアンモニウム、ジメチルイソプロピルアンモニウム、ジエチルイソプロピルアンモニウム、ジメチルプロピルアンモニウム、ジメチルブチルアンモニウム等が挙げられる。これらは一種単独で、又は二種以上を併用することができる。
前記第4級アンモニウムイオンをなす第4級アンモニウムとしては特に限定されず、例えば、脂肪族4級アンモニウム類、イミダゾリウム類、ピリジニウム類、ピラゾリウム類、ピリダジニウム類等が挙げられる。これらは一種単独で、又は二種以上を併用することができる。
さらに、前記脂肪族4級アンモニウム類としては特に限定されず、例えば、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトライソプロピルアンモニウム、トリメチルエチルアンモニウム、ジメチルジエチルアンモニウム、メチルトリエチルアンモニウム、トリメチルプロピルアンモニウム、トリメチルイソプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、トリメチルブチルアンモニウム、トリメチルペンチルアンモニウム、トリメチルヘキシルアンモニウム、1−エチル−1−メチル−ピロリジニウム、1−ブチル−1−メチルピロリジニウム、1−エチル−1−メチル−ピペリジニウム、1−ブチル−1−メチルピペリジニウム等が挙げられる。これらは一種単独で、又は二種以上を併用することができる。
前記イミダゾリウム類としては特に限定されず、例えば、1.3ジメチル−イミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1−n−プロピル−3−メチルイミダゾリウム、1−n−ブチル−3−メチルイミダゾリウム、1−n−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウム等が挙げられる。これらは一種単独で、又は二種以上を併用することができる。
前記ピリジニウム類としては特に限定されず、例えば、1−メチルピリジニウム、1−エチルピリジニウム、1−n−プロピルピリジニウム等が挙げられる。これらは一種単独で、又は二種以上を併用することができる。
前記ピラゾリウム類としては特に限定されず、例えば、1,2−ジメチルピラゾリウム、1−メチル−2−エチルピラゾリウム、1−プロピル−2−メチルピラゾリウム、1−メチル−2−ブチルピラゾリウム、1−メチルピラゾリウム、3−メチルピラゾリウム、4−メチルピラゾリウム、4−ヨードピラゾリウム、4−ブロモピラゾリウム、4−ヨードー3−メチルピラゾリウム、4−ブロモー3−メチルピラゾリウム、3−トリフルオロメチルピラゾリウムが挙げられる。これらは一種単独で、又は二種以上を併用することができる。
前記ピリダジニウム類としては特に限定されず、例えば、1−メチルピリダジニウム、1−エチルピリダジニウム、1−プロピルピリダジニウム、1−ブチルピリダジニウム、3−メチルピリダジニウム、4−メチルピリダジニウム、3−メトキシピリダジニウム、3,6−ジクロロピリダジニウム、3,6−ジクロ−4−メチルピリダジニウム、3−クロロ−6−メチルピリダジニウム、3−クロロー6−メトキシピリダジニウムが挙げられる。これらは一種単独で、又は二種以上を併用することができる。
前記第4級ホスホニウムイオンをなす第4級ホスホニウムとしては特に限定されず、例えば、ベンジルトリフェニルホスホニウム、テトラエチルホスホニウム、テトラフェニルホスホニウム等が挙げられる。これらは一種単独で、又は二種以上を併用することができる。
前記スルホニウムイオンとしては特に限定されず、例えば、トリメチルスルホニウム、トリフェニルスルホニウム、トリエチルスルホニウム等が挙げられる。これらは一種単独で、又は二種以上を併用することができる。
前記Xはハロゲン原子を示し、当該ハロゲン原子としてはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。これらのハロゲン原子のうち、入手の容易さやヒドロキシ化合物との反応性、ジハロリン酸塩とヒドロキシ化合物を反応させる際の操作性の観点からは、フッ素、塩素が好ましく、塩素がさらに好ましい。
前記ジハロリン酸塩の具体例をさらに詳述すると、例えば、ジヨードリン酸リチウム、ジヨードリン酸ナトリウム、ジヨードリン酸カリウム、ジブロモリン酸リチウム、ジブロモリン酸ナトリウム、ジブロモリン酸カリウム、ジクロロリン酸リチウム、ジクロロリン酸ナトリウム、ジクロロリン酸カリウム、ジフルオロリン酸リチウム、ジフルオロリン酸ナトリウム、ジフルオロリン酸カリウム等が挙げられる。これらのジハロリン酸塩のうち、ヒドロキシ化合物との反応性や入手の容易さの観点からは、ジフルオロリン酸リチウムやジクロロリン酸リチウムが好ましい。
前記ヒドロキシ化合物としては特に限定されず、例えば、アルコール類、フェノール類、ナフトール類、糖類、オキソカーボン酸等が挙げられる。これらは一種単独で、又は二種以上を併用することができる。例示したこれらのヒドロキシ化合物は、製造目的であるリン酸ジエステル塩の用途等に応じて適宜選定すればよい。前記ヒドロキシ化合物のうち、入手の容易さの観点からは、アルコール類、フェノール類を好適に用いることができる。
前記アルコール類としては特に限定されず、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロピルアルコール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール等の鎖状アルキルアルコール類、シクロペンタノールやシクロヘキサノール等の環状アルキルアルコール類、2−ヨードエタノール、2−ブロモエタノール、2−クロロエタノール、2−フルオロエタノール、1,2−ジヨードエタノール、1,2−ジブロモエタノール、1,2−ジクロロエタノール、1,2−ジフルオロエタノール、2,2−ジヨードエタノール、2,2−ジブロモエタノール、2,2−ジクロロエタノール、2,2−ジフルオロエタノール、2,2,2−トリブロモエタノール、2,2,2−トリクロロエタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、ヘキサフルオロ−2−プロパノール等の鎖状含ハロゲンアルコール類、2−ヨードシクロヘキサノール、2−ブロモシクロヘキサノール、2−クロロシクロヘキサノール、2−フルオロシクロヘキサノール等の環状含ハロゲンアルキルアルコール類、2−プロペノール、イソプロペノール、2−ブテニルアルコール、3−ブテニルアルコール等の鎖状アルケニルアルコール類、2−シクロペンテン−1−オール、2−シクロヘキセン−1−オール、3−シクロヘキセン−1−オール等の環状アルケニルアルコール類、2−プロピニルアルコール、1−ブチニルアルコール、2−ブチニルアルコール、3−ブチニルアルコール、1−ペンチニルアルコール、2−ペンチニルアルコール、3−ペンチニルアルコール、4−ペンチニルアルコール等の鎖状アルキニルアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、トリエチレングリコール等の鎖状ジオール類、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロへキサンジオール等の環状ジオール類、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等の鎖状トリオール類、ソルビトール、マルチトール、キシリトール、マンニトール、エリトリトール等の糖アルコール類が挙げられる。これらは一種単独で、又は二種以上を併用することができる。
前記フェノール類としては特に限定されず、例えば、フェノール、ハイドロキノン、フロログルシノール、カテコール、レソシノール、ピロガロール、3−メトキシフェノール、4−メトキシフェノール、クレゾール、5−メトキシレソシノール、3,5−ジメトキシフェノール、4−フェノキシフェノール、含ハロゲンフェノール類としては、2−ヨードフェノール、2−ブロモフェノール、2−クロロフェノール、2−フルオロフェノール、3−ヨードフェノール、3−ブロモフェノール、3−クロロフェノール、3−フルオロフェノール、4−ヨードフェノール、4−ブロモフェノール、4−クロロフェノール、4−フルオロフェノール、3,5−ジヨードフェノール、3,5−ジブロモフェノール、3,5−ジクロロフェノール、3,5−ジフルオロフェノール、ペンタヨードフェノール、ペンタブロモフェノール、ペンタクロロフェノール、ペンタフルオロフェノール等が挙げられる。これらは一種単独で、又は二種以上を併用することができる。
また、前記ナフトール類としては特に限定されず、例えば、1−ナフトール、2−ナフトール、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、3−アミノー2−ナフトール、5−アミノー1−ナフトール等が挙げられる。これらは一種単独で、又は二種以上を併用することができる。
前記糖類としては特に限定されず、例えば、アロース、グロース、グルコース、アルトロース、マンノース、ガラクトース、イドース、リキソース、キシロース、アラビノース、アピオース、エリトロース、トレオース、フルクトース、ソルボース、タガトース、リブロース、キシルロース、エリトルロース、トレハロース、コージビオース、ニゲロース、マルトース、イソマルトース、デオキシリボース、グルクロン酸、グルコサミン、ガラクトサミン、アスコルビン酸、グルクロノラクトン、グルコノラクトン等が挙げられる。これらは一種単独で、又は二種以上を併用することができる。
前記オキソカーボン酸としては特に限定されず、例えば、デルタ酸、スクアリン酸、クロコン酸、ロジゾン酸、へプタゴン酸等が挙げられる。これらは一種単独で、又は二種以上を併用することができる。
前記ジハロリン酸塩とヒドロキシ化合物とが反応を開始する際の反応開始温度は、当該反応が進行する限りにおいて特に限定されず、反応種に応じて適宜設定すればよい。具体的には、0℃〜100℃の範囲内が好ましく、操作性の観点からは10〜80℃がより好ましく、20℃〜40℃がさらに好ましい。反応開始温度を100℃以下にすることにより、反応時に消費されるエネルギーを低減することができる。その一方、反応開始温度を0℃以上にすることにより、反応速度が著しく減衰するのを防止することができる。温度の調整手段としては特に限定されず、反応開始温度を前記温度範囲内となる様に冷却して制御する場合には、ジハロリン酸塩とヒドロキシ化合物等が投入された反応容器を氷冷等により行うことができる。また、反応開始温度を前記温度範囲内となる様に加熱して制御する場合には、任意の温度に設定された湯浴等により行うことができる。さらに、反応中においても温度が高い場合は、例えば、室温(20℃〜30℃)程度まで冷却してもよい。
前記ジハロリン酸塩とヒドロキシ化合物との反応における反応時間は特に限定されず、反応種に応じて適宜設定すればよい。具体的には、例えば、2時間〜12時間の範囲が好ましく、工業的生産の観点からは2〜8時間がより好ましく、2〜5時間がさらに好ましい。
尚、ジハロリン酸塩とヒドロキシ化合物を反応させる際には、撹拌しながら行うのが好ましい。これにより、反応時間の短縮が図れる。撹拌は、例えば、ヒドロキシ化合物を、ジハロリン酸塩を含む溶液に滴下する際の他、反応終了まで行うのが好ましい。
前記ジハロリン酸塩とヒドロキシ化合物との反応は有機溶媒中で行うことができる。前記有機溶媒としては、他の反応物や生成物と反応するような支障が生じない限り、特に限定されないが、非プロトン性有機溶媒が好ましい。
前記非プロトン性溶媒として特に限定されず、例えば、ニトリル類、エステル類、ケトン類、エーテル類、ハロゲン化炭化水素類等が挙げられる。
前記ニトリル類としては特に限定されず、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル等が挙げられる。これらは一種単独で、又は二種以上を併用することができる。
前記エステル類としては特に限定されず、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ブチル等が挙げられる。これらは一種単独で、又は二種以上を併用することができる。
前記ケトン類としては特に限定されず、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等が挙げられる。これらは一種単独で、又は二種以上を併用することができる。
前記エーテル類としては特に限定されず、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等が挙げられる。これらは一種単独で、又は二種以上を併用することができる。
前記ハロゲン化炭化水素類としては特に限定されず、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム等が挙げられる。これらは一種単独で、又は二種以上を併用することができる。
また、前記非プロトン性有機溶媒のその他の例として、ニトロメタン、ニトロエタン、ジメチルホルムアミド等も挙げられる。
以上に例示した非プロトン性有機溶媒のうち、副成するオニウム塩の溶解度が低いエーテル類が好ましく、中でも生成したリン酸ジエステル塩を溶解させやすいジメトキシエタンがより好ましい。
前記有機溶媒の使用量としては、前記ジハロリン酸塩の質量に対し1倍量以上が好ましく、1〜100倍量がより好ましく、2〜50倍量がさらに好ましい。前記有機溶媒の使用量を、前記ジハロリン酸塩の質量の1倍量以上にすることにより、ジハロリン酸塩とヒドロキシ化合物との反応性が悪化するのを防止し、ジハロリン酸塩の収率の低下や純度の低下を抑制することができる。尚、前記有機溶媒の使用量の上限については特に限定されないが、過剰に前記有機溶媒を用いると、これを留去する際に必要以上のエネルギーが必要となり、工業的に不利となる場合がある。従って、有機溶媒の使用量の上限については、反応種に応じて適宜設定するのが好ましい。
前記ジハロリン酸塩とヒドロキシ化合物との反応は、有機溶媒中において塩基の存在下で行うことが反応速度の観点から好ましい。但し、本発明は有機溶媒中に塩基が存在する態様のみに限定されるものではなく、塩基の非存在下でも反応を行うことが可能である。
前記塩基としては特に限定されず、例えば、アミン類、金属水酸化物等が挙げられる。
前記アミン類は、他の反応物や生成物と反応するような支障が生じない限り特に限定されない。そのようなアミン類としては、例えば、アンモニア、第1級アミン類、第2級アミン類、第3級アミン類等が挙げられる。これらは一種単独で、又は二種以上を併用することができる。これらのアミン類のうち、ジハロリン酸塩とヒドロキシ化合物の反応の安定性の観点からは、第3級アミン類が好ましい。
前記第1級アミン類としては特に限定されず、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン等が挙げられる。前記第2級アミン類としては特に限定されず、例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、エチルメチルアミン、メチルプロピルアミン、ブチルメチルアミン、ブチルプロピルアミン、ジイソプロピルアミン等が挙げられる。前記第3級アミン類としては特に限定されず、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、エチルジメチルアミン、ジエチルメチルアミン、トリイソプロピルアミン、ジメチルイソプロピルアミン、ジエチルイソプロピルアミン、ジメチルプロピルアミン、ブチルジメチルアミン等が挙げられる。これらのアミン類のうち、入手の容易さや、ジハロリン酸塩とヒドロキシ化合物の反応の安定性の観点からは、トリエチルアミン、トリメチルアミンが好ましい。
また、前記金属水酸化物としては、他の反応物や生成物と反応するような支障が生じない限り特に限定されない。そのような金属水酸化物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム、水酸化アルミニウム等が挙げられる。これらの金属水酸化物のうち入手の容易さの観点からは、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムが好ましく、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが特に好ましい。
前記有機溶媒中でジハロリン酸塩とヒドロキシ化合物を反応させる場合、ヒドロキシ化合物の使用量はジハロリン酸塩1当量に対して2当量以上が好ましく、2〜20当量がより好ましく、2〜15当量がさらに好ましく、2〜10当量が特に好ましい。ヒドロキシ化合物の使用量を2当量以上にすることにより、ジハロリン酸塩とヒドロキシ化合物との反応性が悪化し、未反応のジハロリン酸塩が残存するのを防止することができる。その結果、リン酸ジエステル塩の純度の低下を抑制することができる。尚、前記ヒドロキシ化合物の使用量の上限については特に限定されないが、過剰に前記ヒドロキシ化合物を使用すると、これを留去する際に必要以上の製造時間とエネルギーが必要となり、工業的に不利となる場合がある。従って、ヒドロキシ化合物の使用量の上限については、反応種や反応スケールに応じて適宜設定するのが好ましい。尚、「当量」とはモル当量のことを意味する。モル当量は、物質量(単位:モル[mol])の比を表すものである。
また、前記有機溶媒中でリン酸ジエステル塩を合成する場合、各原料の添加の順序については特に限定されないが、通常は、ジハロリン酸塩を反応容器に投入した後に、有機溶媒及びヒドロキシ化合物を順次添加して行われる。
前記リン酸ジエステル塩の合成を有機溶媒中で塩基の存在下で行う場合、当該塩基の使用量は、ジハロリン酸塩1当量に対して2当量以上が好ましく、2〜3当量がより好ましく、2.1〜2.5当量がさらに好ましく、2.2〜2.5当量が特に好ましい。塩基の使用量を2当量以上にすることにより、ジハロリン酸塩とヒドロキシ化合物との反応の進行が遅くなって反応時間が長時間となるのを抑制することができる。また、未反応のジハロリン酸塩やヒドロキシ化合物が残存することにより、得られるリン酸ジエステル塩の純度が低下するのを防止することができる。尚、前記塩基の使用量の上限については特に限定されないが、過剰に塩基を使用すると、これを留去する際に必要以上の製造時間とエネルギーが必要となり、工業的に不利となる場合がある。従って、塩基の使用量の上限については、反応種や反応スケールに応じて適宜設定するのが好ましい。尚、ここでいう「当量」とは、前述の場合と同様、モル当量を意味する。
また、前記ジハロリン酸塩とヒドロキシ化合物との反応は、無溶媒下で行うこともできる。この場合、ヒドロキシ化合物は反応溶媒としての役割も果たす。
無溶媒下で前記ジハロリン酸塩とヒドロキシ化合物とを反応させる場合、当該ヒドロキシ化合物の使用量は、ジハロリン酸塩1当量に対して2当量以上が好ましく、より好ましくは2〜20当量、さらに好ましくは2〜15当量、特に好ましくは2〜10当量である。前記ヒドロキシ化合物の使用量を2当量以上にすることにより、ジハロリン酸塩とヒドロキシ化合物との反応性が悪化し、未反応のジハロリン酸塩が残存するのを防止することができる。その結果、リン酸ジエステル塩の純度の低下を抑制することができる。尚、ヒドロキシ化合物の使用量の上限については、当該ヒドロキシ化合物が反応種としての役割の他に溶媒としての役割も担うため、特に限定はされない。しかしながら、ヒドロキシ化合物を過剰に用いると、これを留去する際に必要以上のエネルギーが必要となり、工業的に不利となる場合がある。従って、ヒドロキシ化合物の使用量の上限については、反応種に応じて適宜設定するのが好ましい。尚、ここでいう「当量」とは、前述の場合と同様、モル当量を意味する。
無溶媒下で前記ジハロリン酸塩とヒドロキシ化合物とを反応させる場合、前述の塩基の存在下で行ってもよい。塩基の種類については、前述の通りである。また、塩基の使用量は、ジハロリン酸塩1当量に対して2当量以上が好ましく、2〜3当量がより好ましく、2.1〜2.5当量がさらに好ましく、2.2〜2.5当量が特に好ましい。塩基の使用量を2当量以上にすることにより、ジハロリン酸塩とヒドロキシ化合物との反応の進行が遅くなって反応時間が長時間となるのを抑制することができる。また、未反応のジハロリン酸塩やヒドロキシ化合物が残存することにより、得られるリン酸ジエステル塩の純度が低下するのを防止することができる。尚、前記塩基の使用量の上限については特に限定されないが、過剰に塩基を使用すると、これを留去する際に必要以上の製造時間とエネルギーが必要となり、工業的に不利となる場合がある。従って、塩基の使用量の上限については、反応種や反応スケールに応じて適宜設定するのが好ましい。尚、ここでいう「当量」とは、前述の場合と同様、モル当量を意味する。
また、無溶媒下でリン酸ジエステル塩を合成する場合、各原料の添加の順序については特に限定されないが、通常は、溶媒としての役割を果たすヒドロキシ化合物を反応容器に投入した後に、ジハロリン酸塩を添加して行われる。
本実施の形態に係るリン酸ジエステル塩の製造方法において得られるリン酸ジエステル塩とは、具体的には、例えば、下記化学式(1)で表されるものである。但し、本実施の形態の製造方法で得られるリン酸ジエステル塩は下記化学式(1)で表されるものに限定されない。
Figure 2015166343
式中のMは前述の通り、1価〜3価のカチオンを示し、nは1〜3の自然数を示す。R及びRは、それぞれ独立して、炭化水素基、又はハロゲン原子、ヘテロ原子若しくは不飽和結合の少なくとも何れか1つを有する炭化水素基(以下、「ハロゲン原子等を有する炭化水素基」という。)を示す。前記炭化水素基の炭素数は1〜20であり、好ましくは 1〜10、より好ましくは1〜4である。また、ハロゲン原子等を有する炭化水素基の炭素数は1〜20であり、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜4である。また、不飽和結合の数は1〜10の範囲が好ましく、1〜5の範囲がより好ましく1〜3の範囲が特に好ましい。
前記炭化水素基又はハロゲン原子等を有する炭化水素基としては、ジハロリン酸塩に反応させるヒドロキシ化合物の種類に応じて決定されるものである。具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等の鎖状アルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の環状アルキル基、2−ヨードエチル基、2−ブロモエチル基、2−クロロエチル基、2−フルオロエチル基、1,2−ジヨードエチル基、1,2−ジブロモエチル基、1,2−ジクロロエチル基、1,2−ジフルオロエチル基、2,2−ジヨードエチル基、2,2−ジブロモエチル基、2,2−ジクロロエチル基、2,2−ジフルオロエチル基、2,2,2−トリブロモエチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、ヘキサフルオロー2−プロピル基等の鎖状含ハロゲンアルキル基、2−ヨードシクロヘキシル基、2−ブロモシクロヘキシル基、2−クロロシクロヘキシル基、2−フルオロシクロヘキシル基等の環状含ハロゲンアルキル基、2−プロペニル基、イソプロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基等の鎖状アルケニル基、2−シクロペンテニル基、2−シクロヘキセニル基、3−シクロヘキセニル基等の環状アルケニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、1−ペンチニル基、2−ペンチニル基、3−ペンチニル基、4−ペンチニル基等の鎖状アルキニル基、フェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、3,5−ジメトキシフェニル基、4−フェノキシフェニル基等のフェニル基、2−ヨードフェニル基、2−ブロモフェニル基、2−クロロフェニル基、2−フルオロフェニル基、3−ヨードフェニル基、3−ブロモフェニル基、3−クロロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−ヨードフェニル基、4−ブロモフェニル基、4−クロロフェニル基、4−フルオロフェニル基、3,5−ジヨードフェニル基、3,5−ジブロモフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、3,5−ジフルオロフェニル基等の含ハロゲンフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、3−アミノ−2−ナフチル基等のナフチル基等が挙げられる。
前記RとRは、前記に例示した官能基群において、同種でもよく相互に異なっていてもよい。尚、前記ハロゲン原子とは、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素の原子を意味し、前記炭化水素基中の水素の一部または全部がこれらのハロゲン原子の何れかで置換されていてもよい。また、ヘテロ原子とは、酸素、窒素又は硫黄等の原子を意味する。
また、前記化学式(1)で表されるリン酸ジエステル塩が合成される反応プロセスについて、前記M(PO)nで表されるジハロリン酸塩と、ROHおよびROHで表されるヒドロキシ化合物を例にして説明すると、下記化学反応式(2)で示す通りとなる。
Figure 2015166343
前記化学反応式(2)においては塩基としてアミン類を用いており、便宜的にAmineと表記している。この反応においては、リン酸ジエステル塩を生成すると同時に、副生するHXをアミン類が捕捉し、有機溶媒中にアミン類の酸性塩(化学反応式(2)中では、便宜的にAmine・HXと表記している。)の沈殿を生ずる。
また、塩基としてアミン類に代えて金属水酸化物を用いた場合には、下記化学反応式(3)で示す通りとなる。
Figure 2015166343
塩基として金属水酸化物(化学反応式(3)中では、AOHと表記している。Aはヒドロキシ化合物の具体例を説明した際に例示した各化合物のうち水酸基以外の官能基を表す。)を用いた場合、リン酸ジエステル塩を生成すると同時に、金属ハライドAXの沈殿および水が副生する。
前記化学反応式(2)又は(3)においては、それらの反応後に、副生する沈殿物を濾別し、リン酸ジエステル塩が溶解した反応濾液から残存する有機溶媒を留去することによって目的のリン酸ジエステル塩を得ることができる。
本実施の形態のリン酸ジエステル塩の製造方法において得られたリン酸ジエステル塩の純度をさらに向上させたい場合は、再結晶や蒸留、乾燥、洗浄等の操作によって、あるいは吸着剤等の使用によって純度を高めることが可能である。
(リン酸ジエステルの製造方法)
本実施の形態のリン酸ジエステルの製造方法は、前記の方法により得られたリン酸ジエステル塩を酸と反応させることにより行うことができる。
前記酸としては特に限定されず、例えば、ハロゲン化水素、硝酸、硫酸等のアレニウス酸が挙げられる。前記ハロゲン化水素としては特に限定されず、例えば、フッ化水素、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素が挙げられる。
リン酸ジエステル塩(Mが1価のカチオンの場合)と酸との反応は、例えば、下記化学反応式(4)又は(5)に示す通りである。
Figure 2015166343
Figure 2015166343
前記化学反応式(4)中のQは1価の陰イオンを表し、リン酸ジエステル塩が1価陰イオンの酸(アレニウス酸)と塩交換反応を起こし、リン酸ジエステルを生成する。副生するMQについては分離精製され、これにより、高純度のリン酸ジエステルが得られる。尚、化学反応式(4)中のHQは、例えば、HF、HCl、HBr、HI、HNO等を表す。
前記化学反応式(5)中のLは2価の陰イオンを表し、リン酸ジエステル塩が2価陰イオンの酸(アレニウス酸)と塩交換反応を起こし、リン酸ジエステルを生成する。副生するMLについては分離精製され、これにより、高純度のリン酸ジエステルが得られる。尚、化学反応式(5)中のHLは、例えば、HSO等を表す。
得られたリン酸ジエステルは、蒸留やイオン交換樹脂等により精製して更に高純度化することもできる。
リン酸ジエステル塩と酸の反応は、例えば、当該酸の水溶液にリン酸ジエステル塩を添加することにより行うことができる。この場合、リン酸ジエステル塩の添加量は、酸の水溶液100質量部に対し、5質量部〜100質量部であることが好ましく、10質量部〜 80質量部であることがより好ましく、20質量部〜60質量部であることがさらに好ましい。リン酸ジエステル塩の添加量を5質量部以上にすることにより、一回の操作で得られる酸の収量を上げることができる。その一方、リン酸ジエステル塩の添加量を100質量部以下にすることにより、リン酸ジエステル塩の溶解不足を抑制し、反応性の低下を抑制することができる。
また、酸の水溶液の濃度としては、当該溶液100質量%に対し、5質量%〜70質量%であることが好ましく、5質量%〜50質量%であることがより好ましく、5質量%〜30質量%であることがさらに好ましい。濃度を5質量%以上にすることにより、リン酸ジエステル塩と酸との反応をスムーズに行うことができる。その一方、濃度を70質量%以下にすることにより、原料となる酸の使用量を抑制し、生産コストを抑制することができる。
リン酸ジエステル塩と酸の反応温度としては特に限定されないが、通常は−20℃〜100℃であることが好ましく、0℃〜50℃であることがより好ましく、0℃〜30℃であることがさらに好ましい。反応温度を−20℃以上にすることにより、反応性の低下を抑制することができる。その一方、反応温度を100℃以下にすることにより、原料となる酸が揮発により減少することを抑制することができる。
リン酸ジエステル塩と酸の反応時間としては特に限定されないが、通常は0.5時間〜 5時間であることが好ましく、0.5時間〜3時間であることがより好ましく、0.5時間〜1.5時間であることがさらに好ましい。反応時間を0.5時間以上にすることにより、未反応分による純度の低下を抑制することができる。その一方、反応時間を5時間以下にすることにより、生産性を向上することができる。
また、リン酸ジエステル塩と酸の反応は、例えば、有機溶媒にリン酸ジエステル塩を添加することにより行うこともできる。この場合、リン酸ジエステル塩の添加量は、有機溶媒100質量部に対し、5質量部〜100質量部であることが好ましく、10質量部〜 80質量部であることがより好ましく、10質量部〜50質量部であることがさらに好ましい。リン酸ジエステル塩の添加量を5質量部以上にすることにより、一回の操作で得られる酸の収量を上げることができる。その一方、リン酸ジエステル塩の添加量を100質量部以下にすることにより、リン酸ジエステル塩の溶解不足を抑制し、反応性の低下を抑制することができる。
前記酸の添加量は、当該酸が1価の場合、リン酸ジエステル塩1当量に対し、0.8当量以上であることが好ましく、0.8〜3.0当量であることがより好ましく、0.8当量〜2.0当量であることがさらに好ましく、0.8当量〜1.5当量であることが特に好ましい。また、酸が2価の場合、リン酸ジエステル塩1当量に対し、0.4当量以上であることが好ましく、0.4〜1.5当量であることがより好ましく、0.4当量〜1.0当量であることがさらに好ましく、0.4当量〜0.75当量であることが特に好ましい。1価の酸の場合、その添加量を0.8当量(2価の場合は0.4当量)以上にすることにより、リン酸ジエステル塩と酸との反応をスムーズに行うことができ、未反応のリン酸ジエステル塩を少なくすることができる。尚、酸の上限値は特に限定されないが、例えば、1価の酸の場合、添加量を3.0当量(2価の酸の場合は、1.5当量)以下にすることにより、原料となる酸の使用量を抑制し、生産コストを抑制することができる。尚、ここでいう「当量」とは、前述の場合と同様、モル当量を意味する。
有機溶媒中でのリン酸ジエステル塩と酸の反応温度としては特に限定されないが、通常は−20℃〜100℃であることが好ましく、0℃〜50℃であることがより好ましく、0℃〜30℃であることがさらに好ましい。反応温度を−20℃以上にすることにより、反応性の低下を抑制することができる。その一方、反応温度を100℃以下にすることにより、原料となる酸が揮発により減少することを抑制することができる。
有機溶媒中でのリン酸ジエステル塩と酸の反応時間としては特に限定されないが、通常は0.5時間〜 5時間であることが好ましく、0.5時間〜3時間であることがより好ましく、0.5時間〜1.5時間であることがさらに好ましい。反応時間を0.5時間以上にすることにより、未反応分による純度の低下を抑制することができる。その一方、反応時間を5時間以下にすることにより、生産性を向上することができる。
(その他の事項)
本実施の形態のリン酸ジエステル塩の出発原料となるジハロリン酸塩(M(PO)n(式中、Mは1価〜3価のカチオンを示し、Xはハロゲン原子を示し、nは1〜3の自然数を示す。))は、種々の方法により製造可能である。
例えば、前記Mがアルカリ金属原子であり、前記Xがフッ素以外のハロゲン原子である場合には、アルカリ金属水酸化物と、ハロゲン化ホスホリルとを反応させることにより、ジハロリン酸塩であるジハロリン酸アルカリ金属塩を得ることができる。
前記アルカリ金属水酸化物は、MOH(式中、Mはアルカリ金属原子を示す。)で表される。前記Mはアルカリ金属原子であって、具体的にはLi、Na、K、RbおよびCsからなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられる。ハロゲン化ホスホリルとの反応性の高さの観点からは、前記MはLiであることが好ましい。
前記ハロゲン化ホスホリルは、POX(式中、Xはフッ素以外のハロゲン原子であって、塩素、臭素及びヨウ素からなる群より選ばれる少なくとも1種を示す。)で表される。より具体的には、例えば塩化ホスホリル、臭化ホスホリル、ヨウ化ホスホリル等が挙げられる。これらは一種単独で、又は二種以上を併用することができる。これらのハロゲン化ホスホリルのうち、入手の容易さと、アルカリ金属水酸化物との反応性の高さの観点からは、塩化ホスホリルが好ましい。
前記アルカリ金属水酸化物とハロゲン化ホスホリルが反応を開始する際の反応開始温度は、当該反応が進行する限りにおいて特に限定されないが、−20℃〜100℃の範囲内であり、好ましくは0℃〜25℃、より好ましくは10℃〜25℃未満である。反応開始温度を100℃以下にすることにより、ハロゲン化ホスホリルの蒸発による収率の低下を抑制し、ジハロリン酸アルカリ金属塩の純度が低くなるのを防止することができる。その一方、反応開始温度を−20℃以上にすることにより、ハロゲン化ホスホリルが凝固するのを防止することができる。温度の調整手段としては特に限定されず、反応開始温度を前記温度範囲内となる様に冷却して制御する場合には、アルカリ金属水酸化物とハロゲン化ホスホリル等が投入された反応容器を氷冷等により行うことができる。また、反応開始温度を前記温度範囲内となる様に加熱して制御する場合には、任意の温度に設定された湯浴等により行うことができる。尚、前記アルカリ金属水酸化物とハロゲン化ホスホリルの反応終了後は、室温(例えば、25℃)程度にまで下がる。
前記アルカリ金属水酸化物とハロゲン化ホスホリルとの反応は、有機溶媒中で行ってもよく、無溶媒下で行ってもよい。前記有機溶媒としては特に限定されないが、非プロトン性有機溶媒が好ましい。アルコール等のプロトン性有機溶媒を用いないことにより、アルコキシホスホリル基やフェノキシホスホリル基の生成といった副反応が生じるのを抑制することができる。
前記非プロトン性有機溶媒としては特に限定されず、例えば、ニトリル類、エステル類、ケトン類、エーテル類、ハロゲン化炭化水素類等が挙げられる。これらは一種単独で、又は二種以上を併用することができる。
前記有機溶媒の使用量としては、前記アルカリ金属水酸化物の質量に対し2倍量以上が好ましく、2〜10倍量がより好ましく、4〜5倍量が特に好ましい。前記有機溶媒の使用量を、前記アルカリ金属水酸化物の質量の2倍量以上にすることにより、前記アルカリ金属水酸化物とハロゲン化ホスホリルの反応の際におけるアルカリ金属水酸化物の攪拌性の悪化を防止し、反応性の低下を抑制することができる。尚、前記有機溶媒の使用量の上限については特に限定されないが、過剰に前記有機溶媒を用いると、これを留去する際に必要以上のエネルギーが必要となり、工業的に不利となる場合がある。従って、有機溶媒の使用量の上限については、反応種に応じて適宜設定するのが好ましい。
前記有機溶媒中でジハロリン酸アルカリ金属塩を合成する際に使用するハロゲン化ホスホリルの使用量は、アルカリ金属水酸化物1当量に対して1当量以上が好ましく、1〜2当量であることがより好ましく、1.05〜1.5当量であることがさらに好ましく、1.1〜1.2当量であることが特に好ましい。前記ハロゲン化ホスホリルの使用量を1当量以上にすることにより、アルカリ金属水酸化物が残存するのを防止することができる。上限は特に限定されないが、ハロゲン化ホスホリルを2当量以上使用した場合、余剰のハロゲン化ホスホリルを留去する際に必要以上のエネルギーが必要となる場合がある。従って、有機溶媒の使用量の上限については、反応種に応じて適宜設定するのが好ましい。尚、ここでいう「当量」とは、前述の場合と同様、モル当量を意味する。
無溶媒下で前記アルカリ金属水酸化物とハロゲン化ホスホリルとを反応させる場合、当該ハロゲン化ホスホリルの使用量は、アルカリ金属水酸化物1当量に対して1.5当量以上が好ましく、より好ましくは1.5〜20当量、さらに好ましくは1.8〜10当量、特に好ましくは2〜5当量である。前記ハロゲン化ホスホリルの使用量を1.5当量以上にすることにより、アルカリ金属水酸化物が残存するのを防止することができる。尚、ハロゲン化ホスホリルの使用量の上限については、当該ハロゲン化ホスホリルが反応種としての役割の他に溶媒としての役割も担うため、特に限定はされない。しかしながら、ハロゲン化ホスホリルを過剰に用いると、これを留去する際に必要以上のエネルギーが必要となり、工業的に不利となる場合がある。従って、ハロゲン化ホスホリルの使用量の上限については、反応種に応じて適宜設定するのが好ましい。尚、ここでいう「当量」とは、前述の場合と同様、モル当量を意味する。
また、その他、前記ジハロリン酸塩としてジフルオロリン酸塩を製造する場合には、ハロゲン化アルカリ金属、ハロゲン化アルカリ土類金属、ハロゲン化アルミニウム及びハロゲン化オニウムからなる群より選択される少なくとも1種のハロゲン化物と、ジフルオロリン酸とを、六フッ化リン酸塩の存在下で反応させる方法(特開2010−155773号公報)により合成することができる。さらに、ヘキサフルオロリン酸リチウムと炭酸塩とを非水溶媒中で反応させることにより、ジフルオロリン酸塩を製造する方法(特開2011−86630号公報)や、アルカリ金属またはアルカリ土類金属またはオニウムのハロゲン塩、炭酸塩、リン酸塩、水酸化物、酸化物より選ばれる少なくともひとつの原料塩とジフルオロリン酸とを、ジフルオロリン酸中において反応させた後、該ジフルオロリン酸中において晶析操作によって析出した析出物をジフルオロリン酸から固液分離し、析出物に含まれるジフルオロリン酸を留去することにより、当該ジフルオロリン酸塩を製造する方法(特開2012−51752号公報)を採用することもできる。
また、前記ジハロリン酸塩としてジクロロリン酸塩を製造する場合には、オキシ塩化リンと炭酸リチウムを反応させる方法(特開2014−15343号公報)により合成することができる。
また、本実施の形態に係るリン酸ジエステル塩の製造方法により得られるリン酸ジエステル塩、およびリン酸ジエステルの製造方法により得られるリン酸ジエステルは、リチウムイオン電池をはじめとする二次電池や色素増感太陽電池、電気二重層キャパシタ、電解コンデンサー等の電気化学デバイス用の電解液や電解質材料、或いは帯電防止剤や難燃材等の機能性材料として有用である。特にリン酸ジエステル塩であるリン酸ジエステルリチウムは、リチウムイオン電池やリチウム二次電池、リチウムイオンキャパシタ等の電解質に好適に用いることができる。
以下に、この発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但し、この実施例に記載されている材料や配合量等は、特に限定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨ではない。
(ジクロロリン酸リチウムの合成)
冷却管と滴下ロートを装着したフラスコにジメチルカーボネート25.0gを投入し、その後水酸化リチウム5.0gを投入した。続いて、20℃(反応開始温度)、窒素雰囲気下にてフラスコ内を攪拌しながら、38.4gの塩化ホスホリルをゆっくりと滴下した。このときフラスコ内にて激しく反応している様子が確認された。
その後、フラスコ内を約30分間攪拌し、ガスの発生がほぼ収まり、室温まで冷却されたところで、窒素気流下130℃にてジメチルカーボネートと余剰の塩化ホスホリルの留去を行った。これにより、29.2gの白色結晶が得られた。その後、窒素気流下、130℃にてジメチルカーボネートと余剰の塩化ホスホリルを留去すると29.2gの白色固体のジクロロリン酸リチウムが得られた。このジクロロリン酸リチウムの重量収率は99.3質量%であった。
(実施例1)
前記のジクロロリン酸リチウム5.0gをPFA容器に投入し、続いてジメトキシエタン120gを投入した。その後、トリエチルアミンを7.9g投入し、攪拌しながらフェノール7.35gを室温(20℃)下で滴下した。滴下中、激しく発熱し白色の沈殿が系内に析出するのが確認された。尚、フェノールは、ジクロロリン酸リチウム1当量に対し、 2.2当量であった。また、トリエチルアミンは、ジクロロリン酸リチウム1当量に対し、 2.2当量であった。
その後、PFA容器を室温(20℃)まで冷却して戻し、その後も攪拌を続けた。滴下から撹拌終了までの反応時間は5時間であった。さらに、減圧濾過を行い、白色固体とろ液とを分離した。減圧下でろ液からジメトキシエタンを留去することにより、白色の固体8.2gを得た。
得られた白色固体について、イオンクロマトグラフィー〈メトローム社製IC−850〉を用いてアニオン分析を行った。ジフェニルリン酸(東京化成工業(株)製、試薬)を標準物質として定性を行ったところ、得られた白色個体はリン酸ジフェニル塩であることが確認された。イオンクロマトグラフィーによるアニオン分析から求めたリン酸ジフェニルリチウムの純度は98.5%であった。
(実施例2)
前記のジクロロリン酸リチウム5.0gをPFA容器に投入し、続いてジメトキシエタン30gを投入した。その後、トリエチルアミン9.0gを投入し、攪拌しながら2,2,2−トリフルオロエタノール35.5gを室温(20℃)下で滴下した。滴下中、発熱し、白色沈殿が系内に析出するのが確認された。尚、2,2,2−トリフルオロエタノールは、ジクロロリン酸リチウム1当量に対し、10当量であった。また、トリエチルアミンは、ジクロロリン酸リチウム1当量に対し、2.5当量であった。
その後、PFA容器を室温(20℃)まで冷却して戻し、その後も攪拌を続けた。滴下から撹拌終了までの反応時間は3時間であった。さらに、減圧濾過を行い、白色沈殿物とジメトキシエタン溶液とを分離した。
この白色沈殿物をカチオンクロマトグラフィー(ダイオネクス社製、商品名:ICS−1500)にて分析を行ったところ、トリエチルアミンのみが検出された。またアニオンクロマトグラフィー(メトローム社製、商品名:IC−850)にて分析を行ったところ、塩化物イオンのみ検出された。これにより、前述の化学反応式(2)に従って、ジクロロリン酸リチウム、2,2,2−トリフルオロエタノールおよびトリエチルアミンが反応した際に、トリエチルアミン塩酸塩が沈殿副生物として生成することが確認できた。
続いて、濾液からジメトキシエタンを留去したところ、白色の固体8.4gが得られた。この白色固体を、イオンクロマトグラフィー〈メトローム社製IC−850〉にてアニオン分析を行ったところ、原料由来のリン酸アニオンのピークは確認されなかった。また、塩素イオンと新規のピークが確認された。
続いて、塩素イオン濃度を求めたところ1.0%であった。イオンクロマトグラフィーのアニオン分析から求めた白色固体の純度は、差数法にて99.0%であった。
また、この白色固体をFT−IR〈パーキンエルマー社製 SPECTRUM2000〉を用いて赤外吸収スペクトルを確認したところ、得られた化合物には950cm−1付近にP−O−C結合由来の吸収が確認された。さらに、1150cm−1付近にC−F結合由来のピークが確認された。これらの結果から、得られた白色固体はアニオン含量99.0%のビス(2,2,2−トリフルオロエチル)リン酸リチウムであると判定した。
(実施例3)
前記のジクロロリン酸リチウム5.0gをPFA容器に投入し、続いてジメトキシエタン30gを投入した。その後、トリエチルアミン9.0gを投入し、攪拌しながら2,2,2−トリフルオロエタノール71.5gを室温(20℃)下で滴下した。滴下中、発熱し、白色沈殿が系内に析出するのが確認された。尚、2,2,2−トリフルオロエタノールは、ジクロロリン酸リチウム1当量に対し、20当量であった。また、トリエチルアミンは、ジクロロリン酸リチウム1当量に対し、2.5当量であった。
その後、PFA容器を室温(20℃)まで冷却して戻し、その後も攪拌を続けた。滴下から撹拌終了までの反応時間は3時間であった。さらに、減圧濾過を行い、白色沈殿物とジメトキシエタン溶液とを分離した。
この白色沈殿物をカチオンクロマトグラフィー(ダイオネクス社製、商品名:ICS−1500)にて分析を行ったところ、トリエチルアミンのみが検出された。またアニオンクロマトグラフィー(メトローム社製、商品名:IC−850)にて分析を行ったところ、塩化物イオンのみ検出された。これにより、前述の化学反応式(2)に従って、ジクロロリン酸リチウム、2,2,2−トリフルオロエタノールおよびトリエチルアミンが反応した際に、トリエチルアミン塩酸塩が沈殿副生物として生成することが確認できた。
続いて、濾液からジメトキシエタンを留去したところ、白色の固体8.1gが得られた。この白色固体を、イオンクロマトグラフィー〈メトローム社製IC−850〉にてアニオン分析を行ったところ、原料由来のリン酸アニオンのピークは確認されなかった。また、塩素イオンと新規のピークが確認された。
続いて、塩素イオン濃度を求めたところ1.6%であった。イオンクロマトグラフィーのアニオン分析から求めた白色固体の純度は、差数法にて98.4%であった。
また、この白色固体をFT−IR(パーキンエルマー社製 SPECTRUM2000)を用いて赤外吸収スペクトルを確認したところ、得られた化合物には950cm−1付近にP−O−C結合由来の吸収が確認された。さらに、1150cm−1付近にC−F結合由来のピークが確認された。これらの結果から、得られた白色固体はアニオン含量98.4%のビス(2,2,2−トリフルオロエチル)リン酸リチウムであると判定した。
(実施例4)
前記のジクロロリン酸リチウム5.0gをPFA容器に投入し、続いてジメトキシエタン30gを投入した。その後、トリエチルアミン9.0gを投入し、攪拌しながら2,2,2−トリフルオロエタノール35.5gを氷冷下(0℃)で滴下した。滴下中、発熱し、白色沈殿が系内に析出するのが確認された。尚、2,2,2−トリフルオロエタノールは、ジクロロリン酸リチウム1当量に対し、10当量であった。また、トリエチルアミンは、ジクロロリン酸リチウム1当量に対し、2.5当量であった。
その後、PFA容器を室温(20℃)まで冷却して戻し、その後も攪拌を続けた。滴下から撹拌終了までの反応時間は3時間であった。さらに、減圧濾過を行い、白色沈殿物とジメトキシエタン溶液とを分離した。
この白色沈殿物をカチオンクロマトグラフィー(ダイオネクス社製、商品名:ICS−1500)にて分析を行ったところ、トリエチルアミンのみが検出された。またアニオンクロマトグラフィー(メトローム社製、商品名:IC−850)にて分析を行ったところ、塩化物イオンのみ検出された。これにより、前述の化学反応式(2)に従って、ジクロロリン酸リチウム、2,2,2−トリフルオロエタノールおよびトリエチルアミンが反応した際に、トリエチルアミン塩酸塩が沈殿副生物として生成することが確認できた。
続いて、濾液からジメトキシエタンを留去したところ、白色の固体8.3gが得られた。この白色固体を、イオンクロマトグラフィー〈メトローム社製IC−850〉にてアニオン分析を行ったところ、原料由来のリン酸アニオンのピークは確認されなかった。また、塩素イオンと新規のピークが確認された。
続いて、塩素イオン濃度を求めたところ1.0%であった。イオンクロマトグラフィーのアニオン分析から求めた白色固体の純度は、差数法にて99.0%であった。
また、この白色固体をFT−IR〈パーキンエルマー社製 SPECTRUM2000〉を用いて赤外吸収スペクトルを確認したところ、得られた化合物には950cm−1付近にP−O−C結合由来の吸収が確認された。さらに、1150cm−1付近にC−F結合由来のピークが確認された。これらの結果から、得られた白色固体はアニオン含量99.0%のビス(2,2,2−トリフルオロエチル)リン酸リチウムであると判定した。
(実施例5)
前記のジクロロリン酸リチウム5.0gをPFA容器に投入し、続いてヒドロキシ化合物としてのエタノール16.4gを投入した。その後、攪拌しながら、トリエチルアミン8.6gを室温(20℃)下で滴下した。滴下中、少し発熱し、白色沈殿が系内に析出するのが確認された。尚、エタノールは、ジクロロリン酸リチウム1当量に対し、10当量であった。また、トリエチルアミンは、ジクロロリン酸リチウム1当量に対し、2.4当量であった。
その後、PFA容器を室温(20℃)まで冷却して戻し、その後も攪拌を続けた。滴下から撹拌終了までの反応時間は5時間であった。さらに、減圧濾過を行い、白色沈殿物とエタノール溶液とを分離した。減圧下でろ液からエタノールを留去することにより、白色の固体5.1gを得た。
得られた白色固体について、イオンクロマトグラフィー〈メトローム社製IC−850〉を用いてアニオン分析を行ったところ、原料由来のリン酸アニオンのピークは確認されなかった。また、塩素イオンと新規のピークが確認された。ジエチルリン酸(和光純薬(株)製、試薬)を標準物質として定性を行ったところ、得られた白色個体はリン酸ジエチル塩であることが確認された。
続いて、塩素イオン濃度を求めたところ1.4%であった。イオンクロマトグラフィーのアニオン分析から求めた白色固体の純度は、差数法にて98.6%であった。
(実施例6)
前記のジクロロリン酸リチウム5.0gをPFA容器に投入し、続いてヒドロキシ化合物としてのエタノール32.8gを投入した。その後、攪拌しながら、トリエチルアミン8.6gを室温(20℃)下で滴下した。滴下中、少し発熱し、白色沈殿が系内に析出するのが確認された。尚、エタノールは、ジクロロリン酸リチウム1当量に対し、10当量であった。また、トリエチルアミンは、ジクロロリン酸リチウム1当量に対し、2.4当量であった。
その後、PFA容器を室温(20℃)まで冷却して戻し、その後も攪拌を続けた。滴下から撹拌終了までの反応時間は5時間であった。さらに、減圧濾過を行い、白色沈殿物とエタノール溶液とを分離した。減圧下でろ液からエタノールを留去することにより、白色の固体5.1gを得た。
得られた白色固体について、イオンクロマトグラフィー〈メトローム社製IC−850〉を用いてアニオン分析を行ったところ、原料由来のリン酸アニオンのピークは確認されなかった。また、塩素イオンと新規のピークが確認された。ジエチルリン酸(和光純薬(株)製、試薬)を標準物質として定性を行ったところ、得られた白色個体はリン酸ジエチル塩であることが確認された。
続いて、塩素イオン濃度を求めたところ1.4%であった。イオンクロマトグラフィーのアニオン分析から求めた白色固体の純度は、差数法にて98.6%であった。
(実施例7)
実施例2で得られたビス(2,2,2−トリフルオロエチル)リン酸リチウム20.0gを水30.0gに溶解させ、続いて濃度35%の塩酸10.0gを投入した。室温(25℃)下、30分間撹拌を行って反応させ、撹拌後ジエチルエーテル25gを用いて4回抽出を行った。さらにジエチルエーテルを水20gで2回洗浄した。減圧下にてジエチルエーテル層を留去し、無色透明液17.8gを得た。
この無色透明液をカチオンクロマトグラフィー(ダイオネクス社製、商品名:ICS−1500)にて分析を行ったところ、Liイオンのみが検出され、その濃度は100ppmであった。また、アニオンクロマトグラフィー(メトローム社製、商品名:IC−850)にて分析を行ったところ、目的物のアニオンピークと塩化物イオンが検出され、当該塩化物イオンの濃度は510ppmであった。これにより、得られた無色透明液体は、ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)リン酸であることが確認された。
イオンクロマトグラフィーのカチオン分析から求めた無職透明液体のカチオン純度は差数法から99.99%であり、アニオン分析から求めたアニオン純度は差数法から99.95%であった。
(実施例8)
実施例5で得られたジエチルリン酸リチウム10.0gにエタノール50gに溶解させ、室温(25℃)下、濃度98%の濃硫酸2.8gを滴下した。滴下中、白色沈殿が見られ、滴下後30分撹拌を行って反応させた。その後、減圧下ろ過により白色沈殿を除去し、得られたエタノールを減圧下にて留去し、無色透明液8.3gを得た。尚、用いた硫酸は、ジエチルリン酸リチウム1当量に対し、0.46当量であった。
この無色透明液をカチオンクロマトグラフィー(ダイオネクス社製、商品名:ICS−1500)にて分析を行ったところ、Liイオンのみが検出され、その濃度は3200ppmであった。また、アニオンクロマトグラフィー(メトローム社製、商品名:IC−850)にて分析を行ったところ、目的物のアニオンピークと塩化物イオンが検出され、当該塩化物イオンの濃度は243ppmであった。これにより、得られた無色透明液体は、ジエチルリン酸であることが確認された。
イオンクロマトグラフィーのカチオン分析から求めた無職透明液体のカチオン純度は差数法から99.68%であり、アニオン分析から求めたアニオン純度は差数法から99.97%であった。

Claims (11)

  1. M(PO)n(式中、Mは1価〜3価のカチオンを示し、Xはハロゲン原子を示し、nは1〜3の自然数を示す。)で表されるジハロリン酸塩と、ヒドロキシ化合物とを反応させるリン酸ジエステル塩の製造方法。
  2. 前記ジハロリン酸塩とヒドロキシ化合物との反応は、有機溶媒中において塩基の存在下で行う請求項1に記載のリン酸ジエステル塩の製造方法。
  3. 前記ジハロリン酸塩とヒドロキシ化合物との反応は、無溶媒において塩基の存在下で行う請求項1に記載のリン酸ジエステル塩の製造方法。
  4. 前記ヒドロキシ化合物が、アルコール類、フェノール類、ナフトール類、糖類及びオキソカーボン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1〜3の何れか1項に記載のリン酸ジエステル塩の製造方法。
  5. 前記Mがアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、遷移金属イオン及びオニウムイオンからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1〜4の何れか1項に記載のリン酸ジエステル塩の製造方法。
  6. 前記Mがリチウムイオンである請求項1〜5の何れか1項に記載のリン酸ジエステル塩の製造方法。
  7. 前記Xが塩素原子である請求項1〜6の何れか1項に記載のリン酸ジエステル塩の製造方法。
  8. 前記塩基がアミン類又は金属水酸化物である請求項2〜7の何れか1項に記載のリン酸ジエステル塩の製造方法。
  9. 前記有機溶媒がニトリル類、エステル類、ケトン類、エーテル類、ハロゲン化炭化水素類、ニトロメタン、ニトロエタン及びジメチルホルムアミドからなる群より選ばれる少なくとも1種の非プロトン性有機溶媒である請求項2に記載のリン酸ジエステル塩の製造方法。
  10. 前記有機溶媒がジメトキシエタンである請求項9に記載のリン酸ジエステル塩の製造方法。
  11. 請求項1〜10の何れか1項に記載のリン酸ジエステル塩の製造方法により得られたリン酸ジエステル塩を、酸と反応させるリン酸ジエステルの製造方法。
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