JP2015161815A - 黒色感光性樹脂組成物、ブラックマトリクス、カラーフィルタ、液晶表示装置及び有機エレクトロルミネッセンス表示装置 - Google Patents

黒色感光性樹脂組成物、ブラックマトリクス、カラーフィルタ、液晶表示装置及び有機エレクトロルミネッセンス表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】多層構造を用いることなく低コストで高遮光性と低反射率とを両立することが可能なブラックマトリクスの原料となる黒色感光性樹脂組成物を提供する。【解決手段】(A)カーボンブラックと、(B)疎水性シリカ微粒子と、(C)分散剤と、(D)アルカリ可溶性樹脂と、(E)重合性モノマーと、(F)光開始剤と、(G)溶剤と、を少なくとも含有する黒色感光性樹脂組成物であって、(A)カーボンブラックと(B)疎水性シリカ微粒子との重量比(A)/(B)が、1.5〜9.0の範囲であるとともに、(C)分散剤が、Sp値12.0以上及び分子量6,000以上のいずれか一方又は両方を満たすウレタン系分散剤であることを特徴とする黒色感光性樹脂組成物を選択する。【選択図】図1

Description

本発明は、黒色感光性樹脂組成物、ブラックマトリクス、カラーフィルタ、液晶表示装置及び有機エレクトロルミネッセンス表示装置に関する。
液晶表示装置及び有機エレクトロルミネッセンス表示装置は、テレビ受像機、ノートパソコン、モニター、携帯電話機、タブレット端末等といった情報電子機器の表示部として必要不可欠な部品である。
ここで、液晶表示装置は、TFT(薄膜トランジスタ)等のアクティブ素子を有する基板と、着色画素及びそれらを区画するブラックマトリクスを有するカラーフィルタ基板とを対向して貼り合わせ、空隙部に液晶を注入した後に偏光板、バックライトユニットと組み合わせて製造される。そして、液晶層に印加される電圧を制御することによって各着色画素の透過率を調整し、フルカラー表示が可能となる。
一方、有機エレクトロルミネッセンス表示装置は、アクティブ素子を有する基板上に自発光性の有機化合物を積層したものである。フルカラー表示には、赤色、緑色、青色の有機化合物を塗り分ける方式と、白色発光の有機化合物とカラーフィルタとを組み合わせる方式とが知られている。
ところで、液晶表示装置及び有機エレクトロルミネッセンス表示装置(以下、「表示装置」と略称する)の視認性を改善するために、従前より高輝度化、高コントラスト化および高精細化の検討が進められてきたが、視認性を損なう大きな要因である外光反射の低減に関しては未だ発展途上の段階である。とりわけ、携帯電話機やタブレット端末といった、屋外でも取り扱われることの多い機器への応用に際しては、強く改善が求められている。
表示装置の外光反射について、液晶表示装置を例にして説明する。液晶表示装置に入射した外光の一部は、空気と最表面、即ち偏光板との界面で反射される。最表面での外光反射を低減するためには、偏光板表面に反射防止層を設けるのが効果的であることが知られている。
一方、偏光板を透過した光は、カラーフィルタ、ガラスあるいはTFT基板によって反射される。とりわけ、カラーフィルタのブラックマトリクスとガラス界面との反射は、強度が大きいため、それを低減させるための対策が求められている。
また、カラーフィルタのブラックマトリクスの材質としては、従来クロム等の金属薄膜が用いられてきた。しかしながら、金属薄膜は、反射率が高いことに加えて環境負荷が大きいことから、カーボンブラック等の黒色顔料を樹脂中に分散させた、樹脂ブラックマトリクスが主流となってきている。なお、黒色顔料を遮光材に用いたブラックマトリクスにおいては、黒色顔料の含有量を減らすことでガラス界面の反射率を低減することが可能であることが知られている。
例えば、特許文献1には、遮光材に樹脂で被覆されたカーボンブラックを用い、遮光性の指標となる単位膜厚当たりの光学濃度(OD値)が3.1〜3.3になるように顔料濃度を調整することでSCI方式(「Specular Components Include方式」の略称、正反射光と拡散反射光との合計を示す)における反射率を5.4〜5.9に調整できることが示されている。
上記提案により外光反射を低減することは可能であるが、良好な視認性を得るのに十分なものではなかった。なお、更なる反射率低減のためには、より顔料濃度を下げる必要があるが、その場合ブラックマトリクスの本来の機能である遮光性が不足してしまうという問題があった。即ち、ブラックマトリクスの反射率低減と遮光性向上とがトレードオフの関係であるという問題があった。
そこで、ブラックマトリクスの低反射率と高遮光性とを両立するために、例えば、特許文献2〜4の技術が提案されている。具体的には、特許文献2には、黒色顔料と感光性樹脂とを主成分とする第一遮光層と、黒鉛を主成分とする第二遮光層とを積層する提案がなされている。この技術は、第一遮光層の顔料濃度を低く抑えることで反射率を抑制し、遮蔽力の強い黒鉛を第二遮光層に用いることで遮光性を付与するものである。
また、特許文献3には、基板上に光吸収層と金属微粒子を含有した光反射層とを順に積層する提案がなされている。この提案においては、金属微粒子を含有した光反射層は、光を反射する性質と光を吸収する性質とを併せ持つため、比較的薄い光吸収層とともに観察者側からの光を実用上許容できるレベルまで反射防止できると記載されている。
また、特許文献4には、透明基板上に低光学濃度層と高光学濃度層とを順に積層する提案がなされている。この提案においては、低光学濃度層の光学濃度(OD値)と、高光学濃度層の屈折率とを適切に選択することで、遮光層の内部反射を抑制できると記載されている。
特開2013−130677号公報 特開平9−297209号公報 特許第4694157号公報 特許第5209063号公報
しかしながら、特許文献2〜4に開示された技術により、低反射率と高遮光性とを両立することは可能であるが、多層構造のブラックマトリクスを形成する必要があり、工程数が増えて製造コストの上昇を招くという課題があった。また、液晶表示装置等の高精細化が進む昨今、下層と上層とのブラックマトリクスの位置合せ精度が要求されるという課題があった。
本発明はかかる事情を鑑みてなされたものであり、多層構造を用いることなく低コストで高遮光性と低反射率とを両立することが可能なブラックマトリクスの原料となる黒色感光性樹脂組成物、ブラックマトリクス、及びそれを用いたカラーフィルタ、並びにそれらを用いた液晶表示装置、有機エレクトロルミネッセンス表示装置を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するために、本発明は以下の構成を採用した。
(1) (A)カーボンブラックと、(B)疎水性シリカ微粒子と、(C)分散剤と、(D)アルカリ可溶性樹脂と、(E)重合性モノマーと、(F)光開始剤と、(G)溶剤と、を少なくとも含有する黒色感光性樹脂組成物であって、前記(A)カーボンブラックと前記(B)疎水性シリカ微粒子との重量比(A)/(B)が、1.5〜9.0の範囲であるとともに、前記(C)分散剤が、Sp値12.0以上及び分子量6,000以上のいずれか一方又は両方を満たすウレタン系分散剤であることを特徴とする黒色感光性樹脂組成物。
(2) 前記(A)カーボンブラックが、樹脂で被覆されていることを特徴とする(1)に記載の黒色感光性樹脂組成物。
(3) 前記(B)疎水性シリカ微粒子が、シリカ表面のシラノール基と縮合可能なシリル基と、加水分解によりシリカ表面のシラノール基と縮合可能な官能基を生成しうるシリル基と、のうち、いずれか一方又は両方のシリル基を1分子中に1個以上有する化合物で表面処理されたものであることを特徴とする(1)又は(2)に記載の黒色感光性樹脂組成物。
(4) (1)乃至(3)のいずれか一項に記載の黒色感光性樹脂組成物を用いて形成されたことを特徴とするブラックマトリクス。
(5) 光学濃度(ОD値)が、3.0/μm以上であるとともに、透明基板上に形成された際に、前記透明基板側から顕微分光装置を用いて測定した反射率が、1.0%以下となる特性と、前記透明基板側から分光測色計を用いて測定したSCI方式の反射率が、5.0%以下となる特性と、のうち、いずれか一方又は両方の特性を有することを特徴とする(4)に記載のブラックマトリクス。
(6) 透明基板と、前記透明基板上に設けられた(4)又は(5)に記載のブラックマトリクスと、を備えることを特徴とするカラーフィルタ。
(7) (6)に記載のカラーフィルタを備えることを特徴とする液晶表示装置。
(8) (6)に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
本発明によれば、多層構造を用いることなく低コストで高遮光性と低反射率とを両立することが可能なブラックマトリクスの原料となる黒色感光性樹脂組成物、ブラックマトリクス、及びそれを用いたカラーフィルタ、並びにそれらを用いた液晶表示装置、有機エレクトロルミネッセンス表示装置を提供することができる。
図1は、本発明を適用した一実施形態であるカラーフィルタの構成の一例を示す模式的な断面図である。 図2は、本発明を適用した第1の実施形態である液晶表示装置の構成の一例を示す模式的な断面図である。 図3は、本発明を適用した第2の実施形態である有機エレクトロルミネッセンス表示装置の構成の一例を示す模式的な断面図である。
<第1の実施形態>
以下、本発明を適用した第1の実施形態である液晶表示装置について、この液晶表示装置に用いるカラーフィルタ、カラーフィルタに用いるブラックマトリクス、ブラックマトリクスの原料となる黒色感光性樹脂組成物とあわせて、図面を用いて詳細に説明する。
なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
(黒色感光性樹脂組成物)
先ず、本発明を適用した一実施形態である黒色感光性樹脂組成物の構成について説明する。本実施形態の黒色感光性樹脂組成物は、カラーフィルタを構成するブラックマトリクスの原料として用いられるものである。具体的には、本実施形態の黒色感光性樹脂組成物は、(A)カーボンブラックと、(B)疎水性シリカ微粒子と、(C)分散剤と、(D)アルカリ可溶性樹脂と、(E)重合性モノマーと、(F)光開始剤と、(G)溶剤と、を少なくとも含有する。
また、本実施形態の黒色感光性樹脂組成物は、上記(A)カーボンブラックと上記(B)疎水性シリカ微粒子との重量比(A)/(B)が、1.5〜9.0の範囲であることと、前記(C)分散剤が、Sp値12.0以上及び分子量6,000以上のいずれか一方又は両方を満たすウレタン系分散剤であることと、を特徴とするものである。
以下、詳細に説明する。
「(A)カーボンブラック」
本実施形態の黒色感光性樹脂組成物では、黒色色材としてカーボンブラックを使用する。適用可能なカーボンブラックの種類は特に限定されるものではなく、目的とするブラックマトリクスにおける光学濃度等の物性に応じて適宜選択することができる。
カーボンブラックの粒子径は、組成物の貯蔵安定性の面も併せて考慮すると、通常、一次粒子径が20〜100nmであることが好ましく、より好ましくは20〜60nm、さらに好ましくは20〜30nmである。
ここで、カーボンブラックの一次粒子径が20nm未満であると、分散性及び分散安定性が低下するために好ましくない。一方、一次粒子径が100nmを超えると、得られるブラックマトリクスの表面平滑性およびパターン形状が悪化するために好ましくない。これに対して、一次粒子径が上記範囲内であると、分散性及び分散安定性に優れ、表面平滑性およびパターン形状に優れたブラックマトリクスを得ることができる。
なお、本明細書中における一次粒子径とは、電子顕微鏡法、すなわち電子顕微鏡写真で数万倍の写真を撮影し、数千個を測定した後、その平均値から求められるものである。より具体的には、例えば、三菱化学社製の全自動画像処理装置「MKSIPS−1000」等を用いて測定してもよい。
カーボンブラックのDBP(Dibutylphthalate)吸油量は、特に限定されるものではないが、140ml/100g以下であることが好ましく、120ml/100g以下であることがより好ましい。ここで、カーボンブラックのDBP吸油量が140ml/100gより大きい場合、カーボンブラックの黒色度が低下し、ブラックマトリクスに用いた際の濃度感が低下するために好ましくない。また、カーボンブラック分散液や感光性樹脂組成物の粘度が高くなり、塗膜の平滑性が低下するために好ましくない。なお、本明細書中におけるカーボンブラックのDBP吸油量とは、JISK6221(1982)に規定の方法より測定したものである。
カーボンブラックのpHは、特に限定されるものではないが、2.5〜4.5の範囲であることが好ましく、2.6〜3.8の範囲であることがより好ましい。ここで、カーボンブラックのpHが上記範囲内である場合、良好な分散性、ガラス密着性が得られるために好ましい。なお、カーボンブラックのpHは、例えば、カーボンブラック20gを蒸留水(pH7.0)中に添加し、5分間煮沸したのち室温まで冷却し、ついで泥状のカーボンブラックのpHをガラス電極pHメータで測定することによって求めることができる。
カーボンブラックの灰分は、特に限定されるものではないが、灰分含量が1.0重量%以下、特に0.5重量%以下のものが分散性に優れており、特に好ましい。なお、カーボンブラックの灰分は、例えば、カーボンブラックを750℃において空気中で5〜6時間焼成した際に残る灰化量から算出することができる。
ところで、カーボンブラックを樹脂等の絶縁性成分で被覆し、絶縁性を付与して高抵抗化する技術が知られている。また、公知の特許文献(例えば、特開2001−106938号公報、特開2001−152048号公報、特開平9−95625号公報等)には、樹脂被覆の手段が開示されている。そこで、本実施形態の黒色感光性樹脂組成物では、成分(A)カーボンブラックが樹脂で被覆されていることが好ましい。黒色感光性樹脂組成物の成分に樹脂で被覆されたカーボンブラックを用いることにより、感光性樹脂組成物中の疎水性シリカ微粒子、アルカリ可溶性樹脂といった成分との相溶性を高めることができる。
カーボンブラックの樹脂被覆の程度は、特に限定されるものではないが、カーボンブラックを樹脂被覆することによって樹脂被覆しないカーボンブラックと比べて粉体抵抗値が大きくなるため、樹脂被覆の程度を示す指標として粉体抵抗値を用いることができる。高抵抗のカーボンブラックが要求される用途では、通常、粉体抵抗が4Ω・cm以上となる程度にカーボンブラックを樹脂で被覆することが好ましい。
なお、粉体抵抗値は、例えば、下部に真鍮製電極を取り付けた内径2cmのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製容器に約2gの試料を入れ、先端に真鍮製電極の付いたPTFE製棒でふたをした後、テンシロンにより0.2mm/minの速度で荷重をかけていき、50kg/cm時の抵抗をテスターで測定する。そして、この荷重下における粉体抵抗の嵩高さと抵抗から、下式により粉体の体積固有抵抗を算出するという方法を用いて算出することができる。
粉体抵抗値(Ω・cm)=カーボンブラック粉体の断面積(cm
×抵抗値(Ω)/カーボンブラック粉体の嵩高さ(cm)
本実施形態の黒色感光性樹脂組成物は、カーボンブラックとして複数の種類のもの組み合わせて用いることも、もちろん差し支えず、一次粒子径やDBP吸油量、pHの異なるカーボンブラックを組み合わせて用いることも差し支えない。
黒色感光性樹脂組成物の固形分中におけるカーボンブラックの含有量は、35〜55重量パーセントの範囲であることが好ましく、40〜50重量パーセントの範囲であることがより好ましい。ここで、固形分中のカーボンブラックの含有量が35パーセントに満たない場合、ブラックマトリクスを形成した際に遮光性が不足するために好ましくない。一方、含有量が55パーセントを超える場合、ブラックマトリクスを形成した際に反射率が高く、表示装置に用いた際の視認性が低下するために好ましくない。これに対して、固形成分中のカーボンブラックの含有量が上記範囲内であれば、ブラックマトリクスを形成した際に高遮光性と低反射率との両立が可能である。
「(B)疎水性シリカ微粒子」
本実施形態の黒色感光性樹脂組成物では、疎水性のシリカ微粒子を用いることを特徴とする。ここで、シリカ微粒子とは、主成分がシリカ、すなわちSiOであればよく、アルミナ、チタン等を含んでいてもよい。また、疎水性シリカ微粒子とは、水に馴染まないシリカ微粒子をいう。具体的には、例えば、シリカ微粒子の表面に疎水性基を導入することにより、疎水性とすることができる。
疎水性シリカの見分け方としては、例えば、水中にシリカ微粒子を添加する方法で定性的に見分けることができる。すなわち、本明細書中における疎水性シリカとは、水中にシリカを添加したときに水に浮くようなものをいう。疎水性かどうかの見分け方は、具体的には、例えば、1.5gのシリカのサンプルをとり、ガラス瓶に23.5mlの水とともに投入し、ふたをして 手で数回大きく振ってサンプル全体が水と接触するようにした後、10分間放置する。疎水性であれば水に馴染まず、シリカが水の上に浮く形となるので確認することができる。
また、サンプルが粉末状態ではなく、水性媒体に安定して分散しているものは上記の疎水性の定義には当てはまらないが、それ以外の分散媒に分散しているものは濾過して分散媒と分離し、乾燥粉末にすることで上記の方法で確認することができる。シリカ粒子分散液の溶媒を除去する一般的な方法としては、例えば、濾過、遠心分離、蒸留などにより溶媒を除去した後、真空乾燥機、棚段乾燥機などにより乾燥する方法、流動層乾燥機、スプレードライヤーなどによりスラリーを直接乾燥する方法などが挙げられる
シリカ微粒子の製造方法としては、酸水素炎中での四塩化ケイ素又は有機ケイ素化合物の火炎加水分解による方法、珪砂などの珪素含有材料やシリコン単結晶粉砕品等の粒状ケイ素をアーク炉等で蒸気化して酸化することによりシリカ粒子を得る方法等の、気相反応により得られるものと、珪酸と水ガラスとの反応により沈降させる、アルコキシシラン等の加水分解縮合可能な有機ケイ素化合物の加水分解縮合反応により粒子を生成させる等の液相反応によるものとが知られている。本実施形態では、シリカ微粒子の製造方法は、特に限定されるものではないが、気相反応によるものが、球形度が高く粒度が揃い、凝集性が少なく分散性に優れる点で好ましく、さらに、本実施形態の黒色感光性樹脂組成物あるいはブラックマトリクスにした際の効果においても優れているため、好ましい。なお、シリカ粒子の形状も特に限定されるものではないが、ほぼ球形のものが、凝集性が少なく分散性に優れる点で好ましく、さらに、本実施形態の黒色感光性樹脂組成物あるいはブラックマトリクスにした際の効果においても優れているため、好ましい。
このように、上述した通常の製造方法で得られたシリカ微粒子は、通常、粉末表面の水酸基によって表面が親水性を示している。ここで、本願発明者らは、このような通常のシリカ微粒子では、高遮光性と低反射率とを両立するブラックマトリクスを形成しうる樹脂組成物を得ることは困難であること(後述する比較例4を参照)、シリカ微粒子の表面特性が高遮光性と低反射率との両立に大きな影響があること、を見出した。さらに、本願発明者らは、疎水性のシリカを用いさらに後述する特定の分散剤を用いることにより意外にも高遮光性と低反射率とを両立するブラックマトリクスを形成しうる樹脂組成物を得ることができることを見出し、本発明に到達したのである。
本実施形態の黒色感光性樹脂組成物の成分として用いる、疎水性シリカ微粒子は、上述したような通常の製造方法で得られた親水性シリカ微粒子の表面を疎水化処理することにより得ることができる。シリカ表面を疎水化して表面特性を調整する試みは、従来から公知である。具体的には、シランカップリング剤等のシラン化合物その他のカップリング剤や、シリコーンオイルなどの高分子材料などが疎水化剤として知られている(例えば、特開2005−536613号公報、特開2005−536611号公報、特表2010−195680号公報、特表2010−534617号公報、特開2012−236752号公報など)。また、シリカ等のセラミック粉末を、4官能性、3官能性、2官能性及び単官能性の有機ケイ素化合物を各々モノマー単位として20〜100モル%、0〜30%、0〜50%及び0〜10%を重合して得られたシロキサン星形グラフトポリマーでコーティングすることも提案されている(例えば、特表2000−508684号公報など)。より具体的には、これらの公知文献に記載された、オルガノシラン、ハロオルガノシラン、シラザン、ポリシロキサン、シリコーンオイル、シロキサン星形ポリマーを、親水性シリカ微粒子の疎水化剤として用いることができる。
シリコーンオイルとしては、具体的には、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイルといったストレートシリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、カルビノール変性シリコーンオイル、メタクリル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、フェノール変性シリコーンオイル、片末端反応性変性シリコーンオイル、異種官能基変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、メチルスチリル変性シリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、高級脂肪酸エステル変性シリコーンオイル、親水性特殊変性シリコーンオイル、高級アルコキシ変性シリコーンオイル、高級脂肪酸含有変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイルなどの変性シリコーンオイルが挙げられる。これらのシリコーンオイルのうち、いずれか1種を用いても良いし、2種以上を混合して用いても良い。また、シリコーンオイルの粘度は、通常、10〜500cs、より好ましくは30〜100csのものが好適である。
これらの疎水化剤でシリカ粉末を処理し、シリカ粉末の表面にジメチル基、トリメチル基、ジメチルシロキサン基、アルキル基、メタクリル基等の疎水性基を導入する、または、シリカ粉末の表面をコーティングする等により疎水性物質を存在させることにより、シリカ粒子の表面を疎水化することができる。これらの疎水性基は、シリカ表面に化学的に結合していると物理的に結合しているとを問わず、上述したようにシリカ粒子が疎水性を示すものとすることができればそれで足りる。
また、疎水化の方法も、上述した疎水性シリカを得られるものであれば特に限定されるものではなく、従来から知られた各種の処理方法を用いることができる。例えば、ジメチルジクロロシラン、モノメチルトリクロロシラン等のアルキルシリル化合物等のオルガノシランを用い、シリカ粒子を、水、オルガノシランと共に、あるいは順次、ミキサー内に噴霧し、混合し、100〜160℃で加熱する方法(特開2005−536613号公報、特開2005−536611号公報等を参照)、ハロシラン、アルコキシシラン、シラザン、シロキサン等の有機ケイ素化合物の1種又は2種以上をシリル化剤として用い、シリカ粒子にシリル化剤を吹き付け、105〜400℃で熱処理、あるいはシリカ粒子を蒸気状態のシリル化剤で処理し、200〜800℃で熱処理する方法(特表2010−195680号公報を参照)、撹袢装置を備えた容器にシリカ微粉末を入れ、窒素雰囲気下で撹袢し、シランカップリング剤、シリコーンオイル、シラザン、疎水化剤を単独に、あるいは疎水化剤と電荷調整剤を必要に応じて溶剤と共に滴下もしくは噴霧し、または疎水化剤等を加熱気化させ、シリカ微粉末と十分に分散させた後に加熱し、その後、冷却する方法、シリコーンオイルでシリカ微粒子をコーティングする方法として、例えばシリカ粒子を攪拌しながらシリコーンオイルをスプレーして吹き付ける方法、流動層で流動化状態にしながらシリコーンオイルを導入する方法等種々の方法、ビニル基、ビニルシリル基、トリメチルシリル基、ジメチルシリル基、モノメチルシリル等の官能基を有する化合物の1種又は2種以上を用い、疎水性基をシリカ表面に固着する方法(特表2007−526374号公報)、この際、窒素等の保護ガス雰囲気下とする方法、さらにボールミル等で粉砕して構造を変性する方法などが挙げられる。シロキサン星形グラフトポリマーを使用する場合には、容器中に溶剤とシリカ微粒子とを加え、アルゴン圧力置換してASTB溶液を加え、シロキサン星形グラフトポリマーを加え、高剪断混合してコーティングする方法(特表2000−508684号公報)も採用することができる。
以上のように、各種の疎水化剤を用いることが可能であるが、シリカ表面のシラノール基と縮合可能なシリル基を1分子中に1個以上有する化合物、又は、加水分解によりそのようなシリル基を生成しうる基を1分子中に1個以上有する化合物、あるいは1分子中にそれぞれ1個以上有する化合物、のいずれかで表面処理することが特に好ましい。
このような化合物としては、具体的には、各種のハロシラン、アルコキシシラン、シラザン、シロキサンが挙げられ、各種のシリル化剤又はシロキサン星形ポリマーが具体例として挙げられる。これらは1分子中に、シリカ表面のシラノール基と脱水縮合可能な官能基を1個以上有しているか、又は加水分解により生成しうるため、シリカ粒子表面のシラノール基と重縮合反応することにより、シリカ粒子表面に十分に固着しうることが推察される。
このような化合物の具体例としては、例えば、公知文献(特開2010−195680号公報)においても各種のものが記載されているが、さらに好ましくは、アルキルシリル基を有するもの、なかでもジメチルシリル基、トリメチルシリル基等のメチルシリル基など、低級アルキルシリル基を有するもの、なかでも特にジメチルシリル基又はトリメチルシリル基を有するもの、中でも好ましくはジメチルジクロロシラン又はヘキサメチルジシラザンが、本発明の効果発現の点において優れているために好ましい。おそらく、このような官能基がシリカ微粒子の表面に導入されることにより、シリカ微粒子同士の凝集を防ぐと同時にカーボンブラック等の他の成分との親和に対する障害ともならず、本発明の効果発現に対して好適な状態を形成しうるためと推察される。
これらの化合物を用いてシリカ微粒子を疎水化する方法としては、上述の疎水化方法を適宜選択すればよいが、予め加水分解液を調製して用いる方法、水に難溶性の化合物の場合は各種の有機酸を用いてpHを調整して用いる等、公知の方法を適宜採用することができる。
本実施形態の黒色感光性樹脂組成物の成分として用いる疎水性シリカ微粒子は、市販のシリカ微粒子に上述した疎水性処理を行うことにより得ることができるほか、疎水性シリカ粒子として市販されているものから、以下に説明する各種の物性も考慮したうえで適宜選択して用いることもできる。
疎水性シリカ微粒子の平均一次粒子径は、特に限定されるものではないが、5〜100nmの範囲が好ましく、5〜40nmの範囲であることがより好ましい。ここで、疎水性シリカ微粒子の平均一次粒子径が100nmよりも大きいと、ブラックマトリクスを形成した際に表面粗度の悪化等、ブラックマトリクスのパターン形状が低下する傾向にあるために好ましくない。一方、平均一次粒子径が5nmよりも小さいと分散が困難になるために好ましくない。なお、疎水性シリカ微粒子の一次粒子径の測定には、例えば、透過型電子顕微鏡像上で、シリカ微粒子サンプルから無作為の粒子2500個以上の粒子径を測定し、個数平均により平均一次粒子径を求める方法を用いることができる。
シリカ微粒子(疎水性シリカ微粒子)の比重は、特に限定されるものではないが、1.1以下であることが好ましく、1.0以下であることがより好ましい。シリカ微粒子の比重が上記範囲内であると、本発明の効果が特に顕著となる。
シリカ微粒子(疎水性シリカ微粒子)の比表面積は、特に限定されるものではないが、BET比表面積で25〜500m/gであることが好ましく、40〜400m/gであることがより好ましく、50〜380m/gであることがさらに好ましい。シリカ微粒子の比表面積が上記範囲内であると、本発明の効果が特に顕著となる。
シリカの純度は、特に限定されるものではなく、上述のように他の成分を含有していてもよいが、80%以上が好ましく、90%以上がより好ましく、95%以上がさらに好ましい。シリカの純度が80%以上で、本発明の効果が特に顕著となる。
以上説明した疎水性シリカ微粒子を本実施形態の黒色感光性樹脂組成物の成分として用いることにより、ブラックマトリクスとした際に多層構造を用いなくとも高遮光性と低反射率とを両立できる黒色樹脂組成物を得ることができる。ところで、シリカ微粒子、カーボンブラック、高分子分散剤を含有する感光性樹脂組成物自体は従来から知られている。しかしながら、本願発明者らは、用いられる粒状シリカの表面物性、高分子分散剤の種類あるいは物性が、高遮光性と低反射率との両立に大きな影響のある重要な因子であることを突き止めたのである。
黒色感光性樹脂組成物の固形分中におけるシリカ微粒子(疎水性シリカ微粒子)の含有量は、3.9〜36.7重量パーセントの範囲であることが好ましく、4.4〜33.3重量パーセントの範囲であることがより好ましい。ここで、固形分中におけるシリカ微粒子の含有量が3.9重量パーセント未満である場合、ブラックマトリクスとした際に低反射率を達成することが非常に困難となるために好ましくない。一方、含有量が36.7重量パーセントを超える場合、黒色感光性樹脂組成物の現像性が不足しやすくパターン直線性、断面形状の悪化を招きやすいために好ましくない。これに対して、固形分中におけるシリカ微粒子の含有量が上記範囲内であれば、ブラックマトリクスとした際に低反射率を達成することが容易であるために好ましい。
さらに、本実施形態の黒色感光性樹脂組成物では、上記(A)カーボンブラックと上記(B)疎水性シリカ微粒子との重量比(A)/(B)が、1.5〜9.0の範囲であることが好ましい。ここで、重量比(A)/(B)が、1.5未満であると、黒色感光性樹脂組成物の現像性が不足しやすくパターン直線性、断面形状の悪化を招きやすいために好ましくない。一方、重量比(A)/(B)が、9.0を超えると、ブラックマトリクスとした際に低反射率を達成することが非常に困難となるために好ましくない。これに対して、重量比(A)/(B)が上記範囲内であると、ブラックマトリクスとした際に低反射率を達成することが容易であるために好ましい。
「(C)分散剤)」
本実施形態の黒色感光性樹脂組成物では、分散剤としてウレタン系分散剤を用いることを特徴とする。ここで、本明細書中においてウレタン系分散剤とは、少なくともポリウレタン骨格を有する高分子から成る化合物であって、カーボンブラック等の固体粒子の分散を容易にする機能を有するものを指す。
ウレタン系分散剤は、一般に、ポリイソシアネート化合物とポリオールとを反応させてウレタン結合を有する主鎖を生成させて作成することができる。ポリイソシアネート化合物、ポリオールの選択、反応条件の選択により、種々の構造のポリウレタンを得ることができる。また、特定の官能基を有する化合物との反応により所望の官能基を導入したウレタン系分散剤を得ることができる。このようなウレタン結合を主鎖に有する分散剤は、例えば、特開平4−210220号公報、特表2000−506436号公報、特表2007−502903号公報、特表2008−542523号公報、特開2010−235945号公報、特表2010−509165号公報などに記載の方法でも得ることができる。
また、ウレタン系分散剤として市販品を用いることができる。具体的には、例えば、ルーブリゾール社製Solsperseシリーズ(76500)、ビックケミー社製Disperbykシリーズ(161、162、163、164、165、166、167、170、174、182、183、184、185、2150、2155、2163、2164)、BASF社製Efkaシリーズ(4015、4046、4047、4050、4055、4061、4080)などが挙げられる。
分散剤のポリマー構造は、特に限定されるものではないが、中でも、櫛型が好ましい。ここで、本明細書中において櫛型構造のポリマーとは、特に線状ポリマーを幹とし、多数の線状ポリマーが枝状に分岐している構造のポリマーをいう。斯かる櫛型構造のポリマーは、カーボンブラックの表面付着性に優れていることが知られている。例えば、特表2008−542523号公報には、ポリウレタン骨格に、ポリエーテル鎖、ポリエステル鎖等の溶媒可溶化鎖をグラフトさせたポリウレタン系分散剤が記載されている。芳香族イソシアナート化合物を用いることにより、主鎖に芳香環を導入したポリウレタン系分散剤も知られている(特開2011−164647号公報)。
本実施形態の黒色感光性樹脂組成物の成分である分散剤には、櫛形のポリマーとしてポリウレタン主鎖を有するものを用い、さらに官能基中に窒素原子を含有したものが、特に好ましい。窒素原子の形態としては、アミノ基、4級アンモニウム塩などが好ましい。これらの官能基は、通常、塩基性を有するため顔料及び顔料誘導体などの酸性基と配位し易く、その結果、分散安定化に寄与するためである。分散剤のアミン価は、通常2mg−KOH/g以上、好ましくは3mg−KOH/g以上で、通常100mg−KOH/g以下、好ましくは80mg−KOH/g以下である。アミン価が低すぎる場合は塩基性が不十分で分散安定性に乏しく、アミン価が高すぎる場合は液晶表示装置に用いた場合液晶の電圧保持率を低下させることがあり、その結果、表示不良を起こし易くなる。分散剤は、1種を単独で使用しても良いし、2種類以上を混合して用いても良い。
ポリウレタン系分散剤は、具体的には(1)ポリイソシアネート化合物、(2)同一分子内に水酸基を1個又は2個有する化合物、(3)同一分子内に活性水素と3級アミノ基を有する化合物を原料として製造することが出来る。
(1)ポリイソシアネート化合物
ポリイソシアネート化合物としては、具体的には、例えば、パラフェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、トリジンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンメチルエステルジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、ω,ω′−ジイソシネートジメチルシクロヘキサン等の脂環族ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、α,α,α′,α′−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香環を有する脂肪族ジイソシアネート、リジンエステルトリイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニルメタン)、トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェート等のトリイソシアネート、及びこれらの三量体、水付加物、及びこれらのポリオール付加物等が挙げられる。ポリイソシアネートとして好ましいのは、有機ジイソシアネートの三量体で、最も好ましいのはトリレンジイソシアネートの三量体とイソホロンジイソシアネートの三量体である。また、これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用して用いても良い。
上述した有機ジイソシアネートの三量体の製造方法としては、上記ポリイソシアネート類を適当な三量化触媒、例えば、第3級アミン類、ホスフィン類、アルコキシド類、金属酸化物、カルボン酸塩類等を用いてイソシアネート基の部分的な三量化を行い、触媒毒の添加により三量化を停止させた後、未反応のポリイソシアネートを溶剤抽出、薄膜蒸留により除去して目的のイソシアネート基含有ポリイソシアネートを得る方法が挙げられる。
(2)同一分子内に水酸基を1個又は2個有する化合物
同一分子内に水酸基を1個又は2個有する化合物としては、具体的には、例えば、ポリエーテルグリコール、ポリエステルグリコール、ポリカーボネートグリコール、ポリオレフィングリコール等、及びこれらの化合物の片末端水酸基が炭素数1〜25のアルキル基でアルコキシ化されたものが挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用して用いても良い。
ポリエーテルグリコールとしては、例えば、ポリエーテルジオール、ポリエーテルエステルジオール、及びこれら2種類以上の混合物が挙げられる。ポリエーテルジオールとしては、具体的には、アルキレンオキシドを単独又は共重合させて得られるもの、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレン−プロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリオキシヘキサメチレングリコール、ポリオキシオクタメチレングリコール、及びそれらの2種以上の混合物が挙げられる。ポリエーテルエステルジオールとしては、具体的には、エーテル基含有ジオールもしくは他のグリコールとの混合物をジカルボン酸又はそれらの無水物と反応させるか、又はポリエステルグリコールにアルキレンオキシドを反応させることによって得られるもの、例えば、ポリ(ポリオキシテトラメチレン)アジペート等が挙げられる。ポリエーテルグリコールとして最も好ましいのは、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール、又はこれらの化合物の片末端水酸基が炭素数1〜25のアルキル基でアルコキシ化された化合物である。
ポリエステルグリコールとしては、具体的には、ジカルボン酸(コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、フタル酸等)又はそれらの無水物と、グリコール(エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、1,8−オクタメチレングリコール、2−メチル−1,8−オクタメチレングリコール、1,9−ノナンジオール等の脂肪族グリコール、ビスヒドロキシメチルシクロヘキサン等の脂環族グリコール、キシリレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン等の芳香族グリコール、N−メチルジエタノールアミン等のN−アルキルジアルカノールアミン等)とを重縮合させて得られたもの、例えば、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリエチレン/プロピレンアジペート等、又は前記ジオール類又は炭素数1〜25の1価アルコールを開始剤として用いて得られるポリラクトンジオール又はポリラクトンモノオール、例えば、ポリカプロラクトングリコール、ポリメチルバレロラクトン及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。ポリエステルグリコールとして最も好ましいのは、ポリカプロラクトングリコール又は炭素数1〜25のアルコールを開始剤としたポリカプロラクトン、より具体的には、モノオールにε−カプロラクトンを開環付加重合して得られる化合物である。
同一分子内に水酸基を1個又は2個有する化合物の数平均分子量は、下限値が通常300以上、好ましくは500以上、より好ましくは1,000以上であって、上限値が通常10,000以下、好ましくは6,000以下、より好ましくは4,000以下である。
(3)同一分子内に活性水素と3級アミノ基を有する化合物
活性水素、即ち、酸素原子、窒素原子又はイオウ原子に直接結合している水素原子としては、具体的には、例えば、水酸基、アミノ基、チオール基等の官能基中の水素原子が挙げられ、中でもアミノ基、特に1級のアミノ基の水素原子が好ましい。
3級アミノ基は、特に限定されるものではないが、具体的には、例えば、メチル、エチル、イソプロピル、n−ブチル等の炭素数1〜4のアルキル基を有するジアルキルアミノ基や、該ジアルキルアミノ基が連結してヘテロ環構造を形成している基、より具体的には、イミダゾール環又はトリアゾール環が挙げられる。
このような同一分子内に活性水素と3級アミノ基を有する化合物を例示するならば、N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N−ジエチル−1,3−プロパンジアミン、N,N−ジプロピル−1,3−プロパンジアミン、N,N−ジブチル−1,3−プロパンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジエチルエチレンジアミン、N,N−ジプロピルエチレンジアミン、N,N−ジブチルエチレンジアミン、N,N−ジメチル−1,4−ブタンジアミン、N,N−ジエチル−1,4−ブタンジアミン、N,N−ジプロピル−1,4−ブタンジアミン、N,N−ジブチル−1,4−ブタンジアミン等か挙げられる。
また、3級アミノ基が窒素含有ヘテロ環であるものとして、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、インドール環、カルバゾール環、インダゾール環、ベンズイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾチアジアゾール環等のN含有ヘテロ5員環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、アクリジン環、イソキノリン環、等の窒素含有ヘテロ6員環が挙げられる。これらの窒素含有ヘテロ環として好ましいものはイミダゾール環又はトリアゾール環である。
これらのイミダゾール環と一級アミノ基とを有する化合物を具体的に例示するならば、1−(3−アミノプロピル)イミダゾール、ヒスチジン、2−アミノイミダゾール、1−(2−アミノエチル)イミダゾール等が挙げられる。また、トリアゾール環と一級アミノ基とを有する化合物を具体的に例示するならば、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、5−(2−アミノ−5−クロロフェニル)−3−フェニル−1H−1,2,4−トリアゾール、4−アミノ−4H−1,2,4−トリアゾール−3,5−ジオール、3−アミノ−5−フェニル−1H−1,3,4−トリアゾール、5−アミノ−1,4−ジフェニル−1,2,3−トリアゾール、3−アミノ−1−ベンジル−1H−2,4−トリアゾール等が挙げられる。なかでも、N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N−ジエチル−1,3−プロパンジアミン、1−(3−アミノプロピル)イミダゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾールが好ましい。
ウレタン系分散剤原料の好ましい配合比率は、(1)ポリイソシアネート化合物100重量部に対し、(2)同一分子内に水酸基を1個又は2個有する化合物は、下限値が通常10重量部以上、好ましくは20重量部以上、更に好ましくは30重量部以上で、上限値が通常200重量部以下、好ましくは190重量部以下、更に好ましくは180重量部以下、(3)同一分子内に活性水素と3級アミノ基を有する化合物は、下限値が通常0.2重量部以上、好ましくは0.3重量部以上で、上限値が通常25重量部以下、好ましくは24重量部以下である。
本実施形態の黒色感光性樹脂組成物の成分であるウレタン系分散剤の製造は、ポリウレタン樹脂製造の公知の方法に従って行われる。製造する際の溶媒としては、通常、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸セロソルブ等のエステル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン等の炭化水素類、ダイアセトンアルコール、イソプロパノール、第二ブタノール、第三ブタノール等一部のアルコール類、塩化メチレン、クロロホルム等の塩化物、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル類、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキサイド等の非プロトン性極性溶媒等が用いられる。
また、製造する際の触媒としては、通常のウレタン化反応触媒が用いられる。具体的には、例えば、ジブチルチンジラウレート、ジオクチルチンジラウレート、ジブチルチンジオクトエート、スタナスオクトエート等の錫系、鉄アセチルアセトナート、塩化第二鉄等の鉄系、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン等の3級アミン系等が挙げられる。
同一分子内に活性水素と3級アミノ基とを有する化合物の導入量は、反応後の分散剤のアミン価で2mg−KOH/g以上、特に3mg−KOH/g以上で、100mg−KOH/g以下、特に80mg−KOH/g以下の範囲に制御することが好ましい。アミン価が上記範囲未満であると分散能力が低下する傾向があり、また、上記範囲を超えると現像性が低下しやすくなるために好ましくない。なお、上述の反応で分散樹脂にイソシアネート基が残存する場合には、更に、アルコールやアミノ化合物でイソシアネート基を潰すと分散剤の経時安定性が高くなるために好ましい。
ここで、本実施形態の黒色感光性樹脂組成物は、ウレタン系分散剤が、Sp値12.0以上の態様(第1の態様)と、分子量6,000以上の態様(第2の態様)とのうち、いずれか一方の態様を満たすものであるか、両方の態様を満たすものであることを特徴としている。
[ウレタン系分散剤の第1の態様]
本実施形態の黒色感光性樹脂組成物に用いることが可能な、第1の態様のウレタン系分散剤は、Sp(Solubility Parameter)値が10.0以上のものである。また、第1の態様のウレタン系分散剤としては、Sp値が11.5以上のものがより好ましく、Sp値が12.5以上のものを用いることがさらに好ましい。ここで、Sp値が上記範囲を外れると、シリカ微粒子が基板のガラス界面にうまく偏在せず、反射率低減の効果がうまく得られないため、高遮光性と低反射率とを両立できるブラックマトリクスを得ることができない。これに対して、上記範囲のSp値を有するウレタン系分散剤を用いることにより、シリカ微粒子に吸着した分散剤とガラスとの親和性が高く、シリカ微粒子がガラス側に偏在しやすく、しかも黒色色材であるカーボンブラックとの親和性も優れているため、多層構造を用いずとも、高遮光性と低反射率とを両立できるブラックマトリクスを得ることができる。
ところで、一般に、樹脂のSp値は、Sp値既知の良溶媒に溶解させておき、その溶媒より高Sp値の貧溶媒と低Sp値の貧溶媒で濁度滴定することにより、当該樹脂のSp値を決定できることが知られている(参考文献1:C.M.Hansen J.Paint.Tech.,39[505]、104(1967)および参考文献2:小林敏勝 色材、77[4]、188−192(2004))。
これに対して、本実施形態では、ウレタン系分散剤のSp値は、以下の測定方法によって得られる値を用いるものとする。なお、ウレタン系分散剤のSp値の測定方法は、同等の値を得られるのであれば特に以下に説明する測定方法に限定されるものではなく、以下の方法とは異なる手法を用いても良い。
・測定温度: 20℃
・サンプル: 樹脂0.5gを100mlビーカーに秤量し、ホールピペットを用いて良溶媒10mlを加え、マグネチックスターラーにより溶解する。
・良溶媒: アセトン(Hansenの測定によるSp値:δg=9.77)
・貧溶媒: ヘキサン(Sp値:δpl=7.24)、脱イオン水(Sp値:δph=23.50)
・濁度測定: 50mlビュレットを用いて貧溶媒を滴下し、滴定混合物にヘキサンを滴下して、濁りが生じた点のヘキサンの体積分率φpl、ならびに滴定混合物に脱イオン水を滴下して、濁りが生じた点の脱イオンの体積分率φphを記録する。
ヘキサンあるいは脱イオン水を滴下して生じた濁点における混合様態のSp値δml(次式1)、δmh(次式2)は、それぞれ貧溶媒と良溶媒のSp値の体積平均であらわすことができる。
(式1): δml=φpl δpl+(1−φpl)δg
(式2): δmh=φph δph+(1−φph)δg
樹脂のSp値δpolyは、δmlとδmhとの中間値となるので、次式3によって決定できる。
(式3): δpoly=(δml+δmh)/2
以上に説明した特定のSp値を有するウレタン系分散剤は、前述した製造方法において諸条件を選択することにより得ることができるほか、前述の市販の各ウレタン系分散剤からSp値を選択して用いることもできる。
[ウレタン系分散剤の第2の形態]
本実施形態の黒色感光性樹脂組成物に用いることが可能な、第2の態様のウレタン系分散剤は、GPC(Gel Permeation Chromatography)で測定されるポリスチレン換算重量平均分子量が、6,000以上のものである。また、第2の態様のウレタン系分散剤としては、ポリスチレン換算重量平均分子量が7,000以上のものを用いることがより好ましい。ここで、ウレタン系分散剤のポリスチレン換算重量平均分子量が上記範囲を外れると、シリカ微粒子が基板のガラス界面にうまく偏在せず、反射率低減の効果がうまく得られないため、多層構造を用いずとも高遮光性と低反射率とを両立できるブラックマトリクスを得ることができない。これに対して上記範囲の重量平均分子量のウレタン系分散剤を用いることにより、シリカ微粒子に吸着した分散剤とガラスとの親和性が高く、シリカ微粒子がガラス側に偏在しやすく、しかも黒色色材であるカーボンブラックとの親和性も優れているため、多層構造を用いずとも高遮光性と低反射率とを両立できるブラックマトリクスを得ることができる。
また、第2の態様のウレタン系分散剤の分子量の上限は、特に限定されるものではないが、通常200,000以下、好ましくは100,000以下、より好ましくは20,000以下の範囲である。ここで、分子量の上限が200,000を超えると溶解性が低下し、分散性が劣ると同時に反応の制御が困難となるため、好ましくない。なお、ウレタン系分散剤の重量平均分子量の測定には、測定装置として日本ウォーターズ製のHPLC1515及びRI2114を使用することができる。また、測定条件としては、カラムにshodex GPC KF803L 8mm×300mmを使用し、カラム温度を40℃、溶離液にテトラヒドロフラン(THF)1.0ml/min、カラムへの試料の注入量200μl(希釈0.1%)、検出器としてRIを使用することができる。
以上に説明した特定の重量平均分子量を有するウレタン系分散剤は、前述した製造方法において諸条件を選択することにより得ることができるほか、前述の市販の各ウレタン系分散剤から重量平均分子量を選択して用いることもできる。
以上のように、本実施形態の黒色感光性樹脂組成物では、カーボンブラックを含有するブラックマトリクス形成用の樹脂組成物において、特定のシリカ微粒子及び特定のウレタン系分散剤を含有させる。本願発明者らは、このような特定のウレタン系分散剤を用いることにより、はじめて、高遮光性と低反射率との両立が可能となることを見出し、本発明に到達したものである。実際、後述する比較例2では、アクリル系分散剤を用いているが、本発明の効果を得られていない。なお、高分子分散剤といっても構造の基本骨格や極性等、その性質、物性は様々であり、特定の性能を得ることのできる組み合わせの選択は予測が非常に困難であり、多大な労力を要し、本発明の組み合わせは全く予測を超えた意外性のあるものである。
「(D)アルカリ可溶性樹脂」
本実施形態の黒色感光性樹脂組成物のアルカリ可溶性樹脂としては、具体的には、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレートなどのアルキルアクリレートまたはアルキルメタクリレート、環状のシクロヘキシルアクリレートまたはメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレートまたはメタクリレート、スチレンなどの内から3〜5種類程度のモノマーを用いて、分子量5000〜100000程度に合成した樹脂を用いることができる。また、アクリル系樹脂の一部に不飽和二重結合を付加させた樹脂は、上記アクリル樹脂、イソシアネート基と少なくとも1個以上のビニル基を有するイソシアネートエチルアクリレート、メタクリロイルイソシアネートなどの化合物を反応させて得られる酸価50〜150の感光性共重合体が耐熱性、現像性等の点から好ましく使用することができる。
さらに、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ポリカルボン酸グリシジルエステル、ポリオールポリグリシジルエステル、脂肪族又は脂環式エポキシ樹脂、アミンエポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、ジヒドロキシベンゼン型エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させて得られるエポキシ(メタ)アクリレート等の通常の光重合可能な樹脂等も使用することができる。とりわけ、パターニング特性、耐熱性に優れたカルド樹脂を用いることがより好ましい。カルド樹脂としてはV259−ME(商品名、新日鉄住金化学社製)等が挙げられる。
「(E)重合性モノマー」
本実施形態の黒色感光性樹脂組成物の光重合性モノマーとしては、具体的には、例えば、エチレングリコール(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、グリセリンテトラ(メタ)アクリレート、テトラトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの成分は、単独で使用しても良く、混合物として使用しても良い。また、各種変性(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート等を用いることも可能である。これらの中でも、二重結合当量が小さく高感度化が達成できるペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが、好適に用いられる。
光重合性モノマーの含有量は、黒色感光性樹脂組成物の固形分中、5〜20重量%の範囲であることが好ましく、10〜15重量%の範囲であることがより好ましい。ここで、光重合性モノマーの含有量が5重量%未満である場合、黒色感光性樹脂組成物の感度が不足するため、好ましくない。これに対して、光重合性モノマーの含有量が上記範囲である場合、黒色感光性樹脂組成物の感度、現像速度を生産上好適な水準に調整することができるため、好ましい。
「(F)光重合開始剤」
本実施形態の黒色感光性樹脂組成物の光重合開始剤としては、従来公知の化合物を適宜使用することが出来るが、光を透過しない黒色感光性樹脂組成物に用いた際にも高感度化を達成することが出来るオキシムエステル化合物を用いることが好ましい。
オキシムエステル系化合物としては、具体的には、例えば、IrgacureOXE01、IrgacureOXE02(商品名、共にBASFジャパン社製)、NCI−831(商品名、ADEKA社製)等が挙げられる。
本実施形態の黒色感光性樹脂組成物には、上記オキシムエステル系化合物と共に、他の光重合開始剤を併用することができる。他の光重合開始剤としては、具体的には、例えば、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン系化合物、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物、チオキサントン、2−クロルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物、2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系化合物、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィン系化合物、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物、ボレート系化合物、カルバゾール系化合物、イミダゾール系化合物、チタノセン系化合物等を用いることができる。これらの光重合開始剤は、1種または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。また、他の光重合開始剤の含有量は、黒色感光性樹脂組成物の固形分中0.1〜1重量%であることが好ましく、0.2〜0.5重量%の範囲であることがより好ましい。
「(G)溶剤」
本実施形態の黒色感光性樹脂組成物の溶剤としては、具体的には、例えば、メタノール、エタノール、エチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート、ジグライム、シクロヘキサノン、エチルベンゼン、キシレン、酢酸イソアミル、酢酸nアミル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、液体ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、乳酸エステル、エチルエトキシプロピオネートなどが挙げられる。
「その他の添加剤」
本実施形態の黒色感光性樹脂組成物には、さらに塗布性を向上させるための界面活性剤、基板との密着性を向上させるためのシランカップリング剤等を併用することができる。
界面活性剤としては、具体的には、例えば、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等のフッ素界面活性剤、高級脂肪酸アルカリ塩、アルキルスルホン酸塩、アルキル硫酸塩等のアニオン系界面活性剤、高級アミンハロゲン酸塩、第四級アンモニウム塩等のカチオン系界面活性剤、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド等の非イオン界面活性剤、両性界面活性剤、シリコーン系界面活性剤等の界面活性剤を用いることができる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
シランカップリング剤としては、具体的には、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニルシラン類、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルジメトキシシラン等のエポキシシラン類、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のメタクリルシラン類、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン類等のアミノシラン類、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプトシラン類、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネートシラン類等が挙げられる。
(ブラックマトリクス)
次に、本発明を適用した一実施形態であるブラックマトリクスの構成について説明する。本実施形態のブラックマトリクスは、上述した黒色感光性樹脂組成物を用いて形成されたことを特徴とする。
また、本実施形態のブラックマトリクスは、光学濃度(Optical Density;ОD値)が、3.0/μm以上であるとともに、透明基板上に形成された際に、透明基板側から顕微分光装置を用いて測定した反射率が1.0%以下となる特性と、透明基板側から分光測色計を用いて測定したSCI(正反射光と拡散反射光との合計を示す)方式の反射率が5.0%以下となる特性と、のうち、いずれか一方又は両方の特性を有することを特徴とする。反射率がこれらの値以下である場合、外光による映り込みの少ない良好な表示特性が得られる。反射率が高い場合は外光による映り込みが顕著となり表示装置の視認性が低下してしまう。
ブラックマトリクスの膜厚は、1.3〜1.5μmの範囲であることが好ましく、1.35〜1.45μmの範囲であることがより好ましい。ここで、ブラックマトリクスの膜厚が1.3μm未満である場合には遮光性が不足するために好ましくない。一方、ブラックマトリクスの膜厚が1.5μmを超える場合は、カラーフィルタの平坦性が悪化して液晶の配向不良、コントラスト低下といった不具合を生じる恐れがあるために好ましくない。これに対して、ブラックマトリクスの膜厚が上記範囲内にある場合、カラーフィルタの平坦性を損なうことなくOD3.9以上の高い遮光性が得られるために好ましい。
本実施形態のブラックマトリクスは、OD値が3.0/μm以上であり、膜厚1.3〜1.5μmの範囲でOD4.0以上の高い遮光性を有するにも関わらず、反射率が低いことを特徴とする。これは、説明してきたように、カーボンブラック及び疎水性シリカ微粒子の表面性状並びに一次粒径、更には分散剤の選択を適性化することにより、カーボンブラックと比して屈折率の低い疎水性シリカ微粒子をガラスとの界面にある程度偏在させることが可能となり、ガラスとブラックマトリクスとの屈折率差が縮小することで反射率が低減するものと考えられる。
また、ブラックマトリクスを形成する基板としては、特に限定されるものではないが、可視光に対してある程度の透過率を有するものが好ましく、80%以上の透過率を有する基板(透明基板)がより好ましい。このような基板としては、具体的には、例えば、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸ガラスなどの各種ガラス基板、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂などの各種プラスチック基板が挙げられる。
次に、本実施形態のブラックマトリクスの製造方法について説明する。本実施形態のブラックマトリクスの形成は、以下のようにして行う。先ず、基板に、例えば、スプレーコートやスピンコート、スリットコート、ロールコート等の塗布方法により、上述した本実施形態の黒色感光性樹脂組成物の塗膜を形成する。
次に、減圧乾燥、プレベーク処理により塗膜中の残留溶剤を除去した後、所定のパターンを有するフォトマスクを介して露光する。露光光源としては、例えば、超高圧水銀灯、キセノン灯、カーボンアーク灯等従来公知の光源を用いることができる。
次に、アルカリ性水溶液からなる現像液を用いて現像を行う。このアルカリ性水溶液からなる現像液としては、例えば、炭酸カリウム水溶液、炭酸ナトリウム水溶液、または炭酸水素ナトリウム水溶液、さらに、これらの水溶液に適当な界面活性剤などを加えたものが挙げられる。現像後、水洗、乾燥してベークすることにより、所定のパターンを形成したブラックマトリクス基板を得ることができる。
(カラーフィルタ)
次に、本発明を適用した一実施形態であるカラーフィルタの構成について説明する。本実施形態のカラーフィルタは、透明基板と、この透明基板上に設けられた上述のブラックマトリクスとを備えることを特徴とする。より具体的には、本実施形態のカラーフィルタは、透明基板とブラックマトリクスからなるブラックマトリクス基板と、上記ブラックマトリクスの開口部に形成された赤色、緑色、青色の着色画素と、を備えることを特徴とする。
ここで、図1は、本発明を適用した一実施形態であるカラーフィルタの構成の一例を示す模式的な断面図である。図1に示すように、本実施形態のカラーフィルタ12は、透明基板1上にブラックマトリクス2が形成されている。さらに、ブラックマトリクス2の開口部に、赤色の着色画素3(R)、緑色の着色画素3(G)及び青色の着色画素3(B)がそれぞれ形成されている。なお、着色画素3上には、必要に応じて透明保護膜(図示せず)が設けられる場合もある。
赤色の着色画素(赤色画素)3(R)の形成に用いる赤色顔料としては、具体的には、例えば、C.I.ピグメントレッド7、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、81:1、81:2、81:3、81:4、146、168、177、178、179、184、185、187、200、202、208、210、242、246、254、255、264、270、272、279等が挙げられる。また、赤色画素の色相を調整するために黄色顔料、橙色顔料を併用することも可能である。
黄色顔料としては、具体的には、例えば、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、198、199、213、214等が挙げられる。
橙色顔料としては、具体的には、例えば、C.I.ピグメントオレンジ38、43、66、68、69、71、73等が挙げられる。
緑色の着色画素(緑色画素)3(G)の形成に用いる緑色顔料としては、具体的には、例えば、C.I.ピグメントグリーン7、10、36、37、58等が挙げられる。また、緑色画素の色相を調整するために黄色顔料を併用することも可能である。黄色顔料としては、上記赤色画素の色相を調整するための黄色顔料として例示したものを適宜用いることが出来る。
青色の着色画素(青色画素)3(B)の形成に用いる青色顔料としては、具体的には、例えば、C.I.ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64等が挙げられる。また、青色画素の色相を調整するために紫色顔料を併用することも可能である。
紫色顔料としては、具体的には、例えば、C.I.ピグメントバイオレット1、19、23、27、29、30、32、37、40、42、50等が挙げられる。
上記赤色、緑色、青色画素の色相を調整するために各種染料を用いることも可能である。
次に、本実施形態のカラーフィルタ12の製造方法について説明する。本実施形態のカラーフィルタの製造は、以下のようにして行うことができる。先ず、上記ブラックマトリクス基板上に、カラーフィルタの各着色画素に対応する顔料を含有した着色感光性樹脂組成物の塗膜を形成する。乾燥後、ブラックマトリクスの開口部に対応したパターンを有するフォトマスクを介して露光する。次いで、現像処理により未露光部を除去した後、ベークすることでブラックマトリクスの開口部に着色画素を形成することが出来る。一連の操作を、例えば、赤色、緑色、青色色材を含有した着色感光性樹脂組成物を用いて行うことにより、赤色、緑色、青色画素を有するカラーフィルタを製造することができる。
(液晶表示装置)
次に、本発明を適用した一実施形態である液晶表示装置の構成について説明する。本実施形態の液晶表示装置は、上述したカラーフィルタを備えることを特徴とする。
ここで、図2は、本発明を適用した一実施形態である液晶表示装置の構成の一例を示す模式的な断面図である。図2に示すように、本実施形態の液晶表示装置4は、互いに対向して配置された一対の透明基板(第1の透明基板5及び第2の透明基板6)と、それらの間に封入されている液晶化合物7とを備えて、概略構成されている。
液晶化合物7としては、具体的には、例えば、TN(Twisted Nematic)、STN(Supper Twisted Nematic)、IPS(In−Plane Switching)、VA(Vertically Aligned)、OCB(Optically Compensated Bend)等が挙げられる。これらの中から各液晶配向モードに対応したものを適宜用いることが可能である。
図2に示すように、第1の透明基板5の内面、すなわち第2の透明基板6と対向する側の面には、TFT素子8が配列されており、その上には例えばITOからなる透明電極層9が形成されている。さらに、透明電極層9の上には、配向膜10が設けられている。一方、透明基板5の外面、すなわち第2の透明基板6と対向する側の面と反対側の面には、偏光板11が形成されている。
これに対して、第2の透明基板6の内面、すなわち第1の透明基板5と対向する側の面には、上述した本実施形態に係るカラーフィルタ12が形成されている。カラーフィルタ12を覆って、必要に応じて透明保護膜(図示せず)が形成され、さらにその上に、例えばITOからなる透明電極層13が形成され、透明電極層13を覆って配向膜14が設けられている。一方、透明基板6の外面、すなわち第1の透明基板5と対向する側の面と反対側の面には、偏光板15が形成されている。なお、図2に示すように、偏光板11の下方には、バックライトユニット16が設けられている。
以上説明したように、本実施形態の液晶表示装置、この液晶表示装置に用いるカラーフィルタ、カラーフィルタに用いるブラックマトリクス、ブラックマトリクスの原料となる黒色感光性樹脂組成物によれば、多層構造を用いることなく低コストで高遮光性と低反射率とを両立することが可能なブラックマトリクスの原料となる黒色感光性樹脂組成物、ブラックマトリクス、及びそれを用いたカラーフィルタ、並びにそれらを用いた液晶表示装置を提供することができる。
また、本実施形態の液晶表示装置によれば、カラーフィルタのブラックマトリクスの反射率が低いため、外光反射により視認性が低下することがない。また、ブラックマトリクスの光学濃度が高く、十分な遮光性を有しているため、コントラストの高い良好な表示特性が得られる。
さらに、本実施形態の黒色感光性樹脂組成物によれば、従来一般的なカラーフィルタの製造プロセスに適用可能であるため、生産性が高く製造コストを抑えることが可能である。
<第2の実施形態>
次に、本発明を適用した第2の実施形態である有機エレクトロルミネッセンス表示装置について説明する。本実施形態の有機エレクトロルミネッセンス表示装置では、第1の実施形態の液晶表示装置とカラーフィルタの構成が同一の構成となっている。このため、第1の実施形態と同一の構成部分であるカラーフィルタについては同じ符号を付すると共に説明を省略する。
(有機エレクトロルミネッセンス表示装置)
図3は、本発明を適用した第2の実施形態である有機エレクトロルミネッセンス表示装置の構成の一例を示す模式的な断面図である。図3に示すように、本実施形態の有機エレクトロルミネッセンス表示装置17は、透明基板1上に、陽極18、正孔輸送層19、有機層20、電子輸送層21、陽極22を順に積層してなる有機エレクトロルミネッセンス素子と、カラーフィルタ12を形成した透明基板5と、封止材23とを備えて概略構成されている。また、本実施形態の有機エレクトロルミネッセンス表示装置17は、上記有機エレクトロルミネッセンス素子を、封止剤23ならびにカラーフィルタ12を形成した透明基板5によって封止するものである。
本実施形態のエレクトロルミネッセンス表示装置17は、上述した第1の実施形態である液晶表示装置4と同様に、カラーフィルタ12のブラックマトリクスの反射率が低いため、外光反射により視認性が低下することがない。また、ブラックマトリクスが十分な遮光性を有しているため、コントラストの高い良好な表示特性が得られる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
以下、実施例等を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例、比較例に用いた黒色感光性樹脂組成物No.1〜No.10を次のように調整した。なお、黒色感光性樹脂組成物No.1〜No.10の色材の配合比率を、表1及び表2にそれぞれ示す。
Figure 2015161815
Figure 2015161815
<黒色顔料分散液の調整>
[黒色顔料分散液No.1の調整]
カーボンブラックA(樹脂被覆有、平均一次粒子径24nm、DBP吸油量57ml/100g、pH3.5、粉体抵抗10.6)を16重量部、疎水性シリカ(平均一次粒子径12nm、純度>99.9%、比表面積200m/g)を4重量部、分散剤A(Sp値が8.6、ポリウレタン系高分子化合物、固形換算アミン価25mgKOH/g、重量平均分子量約7300)を5.0重量部(固形分換算)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを75.0重量部に添加し、ビーズミルを用いて混合撹拌し、カーボンブラックと疎水性シリカを含有する黒色顔料分散液No.1(固形分25.0%、固形分中のカーボンブラック重量濃度64.0%、同シリカ微粒子重量濃度16.0%)を得た。
[黒色顔料分散液No.2の調整]
カーボンブラックAを18重量部、疎水性シリカ(平均一次粒子径12nm、純度>99.9%、比表面積200m/g)を2重量部、分散剤Aを5.0重量部(固形分換算)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを75.0重量部に添加し、ビーズミルを用いて混合撹拌し、カーボンブラックと疎水性シリカを含有する黒色顔料分散液No.2(固形分25.0%、固形分中のカーボンブラック重量濃度72.0%、同シリカ微粒子重量濃度8.0%)を得た。
[黒色顔料分散液No.3の調整]
カーボンブラックAを14重量部、疎水性シリカ(平均一次粒子径12nm、純度>99.9%、比表面積200m/g)を6重量部、分散剤Aを5.0重量部(固形分換算)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを75.0重量部に添加し、ビーズミルを用いて混合撹拌し、カーボンブラックと疎水性シリカを含有する黒色顔料分散液No.3(固形分25.0%、固形分中のカーボンブラック重量濃度56.0%、同シリカ微粒子重量濃度24.0%)を得た。
[黒色顔料分散液No.4の調整]
カーボンブラックB(樹脂被覆無、平均一次粒子径29nm、DBP吸油量64ml/100g、pH3.5、粉体抵抗2.2)を16重量部、疎水性シリカ(平均一次粒子径12nm、純度>99.9%、比表面積200m/g)を4重量部、分散剤Aを5.0重量部(固形分換算)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを75.0重量部に添加し、ビーズミルを用いて混合撹拌し、カーボンブラックと疎水性シリカを含有する黒色顔料分散液No.4(固形分25.0%、固形分中のカーボンブラック重量濃度64.0%、同シリカ微粒子重量濃度16.0%)を得た。
[黒色顔料分散液No.5の調整]
カーボンブラックAを16重量部、疎水性シリカ(平均一次粒子径40nm、純度>99.9%、比表面積50m/g)を4重量部、分散剤Aを5.0重量部(固形分換算)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを75.0重量部に添加し、ビーズミルを用いて混合撹拌し、カーボンブラックと疎水性シリカを含有する黒色顔料分散液No.5(固形分25.0%、固形分中のカーボンブラック重量濃度64.0%、同シリカ微粒子重量濃度16.0%)を得た。
[黒色顔料分散液No.6の調整]
カーボンブラックAを16重量部、疎水性シリカ(平均一次粒子径12nm、純度>99.9%、比表面積200m/g)を4重量部、分散剤B(Sp値が13.0、ポリウレタン系高分子化合物、固形換算アミン価33mgKOH/g、重量平均分子量約2600)を5.0重量部(固形分換算)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを75.0重量部に添加し、ビーズミルを用いて混合撹拌し、カーボンブラックと疎水性シリカを含有する黒色顔料分散液No.6(固形分25.0%、固形分中のカーボンブラック重量濃度64.0%、同シリカ微粒子重量濃度16.0%)を得た。
[黒色顔料分散液No.7の調整]
カーボンブラックAを20重量部、分散剤Aを5.0重量部(固形分換算)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを75.0重量部に添加し、ビーズミルを用いて混合撹拌し、カーボンブラックを含有する黒色顔料分散液No.7(固形分25.0%、固形分中のカーボンブラック重量濃度80.0%)を得た。
[黒色顔料分散液No.8の調整]
カーボンブラックAを16重量部、疎水性シリカ(平均一次粒子径12nm、純度>99.9%、比表面積200m/g)を4重量部、分散剤C(ポリアクリル系高分子化合物)を5.0重量部(固形分換算)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを75.0重量部に添加し、ビーズミルを用いて混合撹拌し、カーボンブラックと疎水性シリカを含有する黒色顔料分散液No.8(固形分25.0%、固形分中のカーボンブラック重量濃度64.0%、同シリカ微粒子重量濃度16.0%)を得た。
[黒色顔料分散液No.9の調整]
カーボンブラックAを16重量部、親水性シリカ(平均一次粒子径12nm、純度>99.9%、比表面積200m/g)を4重量部、分散剤Aを5.0重量部(固形分換算)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを75.0重量部に添加し、ビーズミルを用いて混合撹拌し、カーボンブラックと親水性シリカを含有する黒色顔料分散液No.9(固形分25.0%、固形分中のカーボンブラック重量濃度64.0%、同シリカ微粒子重量濃度16.0%)を得た。
[黒色顔料分散液No.10の調整]
カーボンブラックBを16重量部、親水性シリカ(平均一次粒子径12nm、純度>99.9%、比表面積200m/g)を4重量部、分散剤Aを5.0重量部(固形分換算)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを75.0重量部に添加し、ビーズミルを用いて混合撹拌し、カーボンブラックと親水性シリカを含有する黒色顔料分散液No.10(固形分25.0%、固形分中のカーボンブラック重量濃度64.0%、同シリカ微粒子重量濃度16.0%)を得た。
<黒色感光性樹脂組成物の調整>
[黒色感光性樹脂組成物No.1の調整]
ビスフェノールフルオレン型エポキシ樹脂(新日鐵化学社製「V259−ME」固形分56.5%)5.08gに対し、ジペンタエリスリトールペンタ/ヘキサアクリレート混合物(日本化薬社製「KAYARAD DPHA」)0.92g、光重合開始剤(ADEKA社製「NCI‐831」)0.40g、表面調整剤(ビッグケミー社製「BYK‐323」)の1%プロピレングリコールモノメチルアセテート溶液1.00g、黒色顔料分散液No.1の39.20g及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート53.40gを加えてよく攪拌し、黒色感光性樹脂組成物No.1の100g(固形分14.0%、固形分中のカーボンブラック重量濃度44.8%、同シリカ微粒子重量濃度11.2%)を得た。
[黒色感光性樹脂組成物No.2の調整]
ビスフェノールフルオレン型エポキシ樹脂(新日鐵化学社製「V259−ME」固形分56.5%)5.85gに対し、ジペンタエリスリトールペンタ/ヘキサアクリレート混合物(日本化薬社製「KAYARAD DPHA」)0.98g、光重合開始剤(ADEKA社製「NCI‐831」)0.43g、表面調整剤(ビッグケミー社製「BYK‐323」)の1%プロピレングリコールモノメチルアセテート溶液1.00g、黒色顔料分散液No.2の37.10g及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート54.64gを加えてよく攪拌し、黒色感光性樹脂組成物No.2の100g(固形分14.0%、固形分中のカーボンブラック重量濃度47.7%、同シリカ微粒子重量濃度5.3%)を得た。
[黒色感光性樹脂組成物No.3の調整]
ビスフェノールフルオレン型エポキシ樹脂(新日鐵化学社製「V259−ME」固形分56.5%)3.82gに対し、ジペンタエリスリトールペンタ/ヘキサアクリレート混合物(日本化薬社製「KAYARAD DPHA」)0.82g、光重合開始剤(ADEKA社製「NCI‐831」)0.36g、表面調整剤(ビッグケミー社製「BYK‐323」)の1%プロピレングリコールモノメチルアセテート溶液1.00g、黒色顔料分散液No.3の42.63g及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート51.37gを加えてよく攪拌し、黒色感光性樹脂組成物No.3の100g(固形分14.0%、固形分中のカーボンブラック重量濃度42.6%、同シリカ微粒子重量濃度18.3%)を得た。
[黒色感光性樹脂組成物No.4の調整]
黒色顔料分散液として黒色顔料分散液No.4を用いること以外は黒色感光性樹脂組成物No.1の調整と同様にして黒色感光性樹脂組成物No.4の100g(固形分14.0%、固形分中のカーボンブラック重量濃度44.8%、同シリカ微粒子重量濃度11.2%)を得た。
[黒色感光性樹脂組成物No.5の調整]
黒色顔料分散液として黒色顔料分散液No.5を用いること以外は黒色感光性樹脂組成物No.1の調整と同様にして黒色感光性樹脂組成物No.5の100g(固形分14.0%、固形分中のカーボンブラック重量濃度44.8%、同シリカ微粒子重量濃度11.2%)を得た。
[黒色感光性樹脂組成物No.6の調整]
黒色顔料分散液として黒色顔料分散液No.6を用いること以外は黒色感光性樹脂組成物No.1の調整と同様にして黒色感光性樹脂組成物No.6の100g(固形分14.0%、固形分中のカーボンブラック重量濃度44.8%、同シリカ微粒子重量濃度11.2%)を得た。
[黒色感光性樹脂組成物No.7の調整]
ビスフェノールフルオレン型エポキシ樹脂(新日鐵化学社製「V259−ME」固形分56.5%)7.90gに対し、ジペンタエリスリトールペンタ/ヘキサアクリレート混合物(日本化薬社製「KAYARAD DPHA」)1.15g、光重合開始剤(ADEKA社製「NCI‐831」)0.50g、表面調整剤(ビッグケミー社製「BYK‐323」)の1%プロピレングリコールモノメチルアセテート溶液1.00g、黒色顔料分散液No.7の31.50g及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート57.95gを加えてよく攪拌し、黒色感光性樹脂組成物No.7の100g(固形分14.0%、固形分中のカーボンブラック顔料濃度45.0%)を得た。
[黒色感光性樹脂組成物No.8の調整]
黒色顔料分散液として黒色顔料分散液No.8を用いること以外は黒色感光性樹脂組成物No.1の調整と同様にして黒色感光性樹脂組成物No.8の100g(固形分14.0%、固形分中のカーボンブラック重量濃度44.8%、同シリカ微粒子重量濃度11.2%)を得た。
[黒色感光性樹脂組成物No.9の調整]
黒色顔料分散液として黒色顔料分散液No.9を用いること以外は黒色感光性樹脂組成物No.1の調整と同様にして黒色感光性樹脂組成物No.9の100g(固形分14.0%、固形分中のカーボンブラック重量濃度44.8%、同シリカ微粒子重量濃度11.2%)を得た。
[黒色感光性樹脂組成物No.10の調整]
黒色顔料分散液として黒色顔料分散液No.10を用いること以外は黒色感光性樹脂組成物No.1の調整と同様にして黒色感光性樹脂組成物No.10の100g(固形分14.0%、固形分中のカーボンブラック重量濃度44.8%、同シリカ微粒子重量濃度11.2%)を得た。
<ブラックマトリクス基板の作製>
スピンコーターを使用してベーク後の膜厚が1.35μmになるよう回転数を調整し、ガラス基板(コーニング社製「EAGLE XG」)上に上記黒色感光性樹脂組成物No.1の塗膜を形成した。乾燥後、90℃のホットプレートで1分間プリベイクした。次に、所定のパターンを有するフォトマスクを介し、超高圧水銀ランプ(照度26mW/cm)を用いて黒色感光性樹脂組成物の塗膜に紫外光を100mJ/cm照射した。続いて、2.5重量%炭酸ナトリウム水溶液で現像し、230℃のクリーンオーブンで20分間ベークすることでブラックマトリクス基板1を作製した。同様の操作を黒色感光性樹脂組成物No.2〜No.10を用いて行い、ブラックマトリクス基板2〜10を作製した。
[赤色感光性樹脂組成物の調整]
アクリル樹脂のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(固形分20.0%)9.33gに対し、ジペンタエリスリトールペンタ/ヘキサアクリレート混合物(東亞合成社製「M402」)3.82g、光重合開始剤1(BASFジャパン社製「IRGACURE 379」)0.88g、光重合開始剤2(日本化薬社製「KAYACURE DETX‐S」)0.15g、C.I.ピグメントレッド254のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート分散液(固形分20.0%、固形分中の顔料濃度70.0重量%)16.81g、C.I.ピグメントレッド177のプロピレングリコールモノメチルアセテート分散液(固形分20.0%、固形分中の顔料濃度60.0重量%)19.60g及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート49.41gを加えてよく攪拌し、赤色感光性樹脂組成物の100g(固形分14.0%、顔料濃度33.6重量%)を得た。
[緑色感光性樹脂組成物の調整]
アクリル樹脂のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(固形分20.0%)13.57gに対し、ジペンタエリスリトールペンタ/ヘキサアクリレート混合物(東亞合成社製「M402」)2.06g、光重合開始剤1(BASFジャパン社製「IRGACURE 379」)0.90g、光重合開始剤2(ADEKA社製「アデカオプトマーN‐1919」)0.10g、C.I.ピグメントグリーン36のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート分散液(固形分20.0%、固形分中の顔料濃度75.0重量%)35.28g、C.I.ピグメントイエロー150のプロピレングリコールモノメチルアセテート分散液(固形分20.0%、固形分中の顔料濃度50.0重量%)5.85g及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート42.24gを加えてよく攪拌し、緑色感光性樹脂組成物の100g(固形分14.0%、顔料濃度42.0重量%)を得た。
[青色感光性樹脂組成物の調整]
アクリル樹脂のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(固形分20.0%)13.96gに対し、ジペンタエリスリトールペンタ/ヘキサアクリレート混合物(東亞合成社製「M402」)3.99g、光重合開始剤1(BASFジャパン社製「IRGACURE 379」)1.40g、光重合開始剤2(日本化薬社製「KAYACURE DETX‐S」)0.35g、C.I.ピグメントブルー15:6のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート分散液(固形分20.0%、固形分中の顔料濃度70.0重量%)23.00g、C.I.ピグメントバイオレット23のプロピレングリコールモノメチルアセテート分散液(固形分20.0%、固形分中の顔料濃度50.0重量%)4.35g及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート52.96gを加えてよく攪拌し、青色感光性樹脂組成物の100g(固形分14.0%、顔料濃度26.1重量%)を得た。
<カラーフィルタの製造>
上記ブラックマトリクス基板1上にスピンコート法により、上記赤色感光性樹脂組成物の塗膜を形成した。乾燥後、90℃のホットプレートで1分間プリベイクした。次に、ブラックマトリクスの開口部に対応したパターンを有するフォトマスクを介し、超高圧水銀ランプ(照度26mW/cm)を用いて赤色感光性樹脂組成物の塗膜に紫外光を100mJ/cm照射した。続いて、2.5重量%炭酸ナトリウム水溶液で現像し、230℃のクリーンオーブンで20分間ベークすることでブラックマトリクス基板1上に赤色画素を形成した。同様の操作を上記緑色、青色感光性樹脂組成物を用いて行うことにより、ブラックマトリクス基板1上に赤色、緑色、青色の着色画素が形成されたカラーフィルタ1を得た。ブラックマトリクス基板2〜10上にも同様の操作で赤色、緑色、青色の着色画素を形成し、カラーフィルタ2〜10を得た。
<液晶表示装置の製造>
得られたカラーフィルタ1の膜面にスパッタ法によりITOの透明電極を形成し、その上にポリイミド配向膜を形成してラビング処理を施した。続いて、TFTアレイおよび画素電極を形成した対向ガラス基板上にも同様にポリイミド配向膜を形成し、ラビング処理を施した。液晶注入口を残してカラーフィルタと対向ガラス基板をシール剤で貼り合せ、注入口から液晶組成物を注入した。注入後、注入口を封止した。得られた液晶セルの両側に偏光板を貼り付け、バックライトユニットを装着して液晶表示装置1を得た。カラーフィルタ2〜10を用いて同様の操作を行い、液晶表示装置2〜10を得た。
<評価方法>
(OD値評価)
ブラックマトリクス基板1〜10のOD値を顕微分光測定装置(大塚電子社製「LCF‐1100)で測定した。接触式膜厚計で測定したブラックマトリクスの膜厚で除することで膜厚1.0μm当たりのOD値を算出した。
(反射率評価)
ブラックマトリクス基板1〜10のガラス面からの反射率を顕微分光測定装置で測定した。同じ基板について分光測色計(コニカミノルタ製「CM‐2500D」)を用いSCI(正反射光と拡散反射光の合計を示す)の反射率を測定した。なお、測定条件は、照明・受光光学系:d/8°、測定径:Φ8mmにて行った。評価結果を表3及び表4にそれぞれ示す。
Figure 2015161815
Figure 2015161815
表3及び表4より、本発明により薄膜で高い遮光性を有しかつ反射率が低いブラックマトリクス基板が得られたことが分かる。該ブラックマトリクス基板を備えたカラーフィルタを用いた液晶表示装置及び有機エレクトロルミネッセンス表示装置は、外光反射が少なく良好な視認性が得られることを確認できた。
1、5、6・・・透明基板
2・・・ブラックマトリクス
3・・・着色画素
4・・・液晶表示装置
7・・・液晶化合物
8・・・TFT素子
9、13・・・透明電極
10、14・・・配向膜
11、15・・・偏光板
12・・・カラーフィルタ
16・・・バックライトユニット
17・・・有機エレクトロルミネッセンス表示装置
18・・・陽極
19・・・正孔輸送層
20・・・有機発光層
21・・・電子輸送層
22・・・陰極
23・・・封止剤

Claims (8)

  1. (A)カーボンブラックと、
    (B)疎水性シリカ微粒子と、
    (C)分散剤と、
    (D)アルカリ可溶性樹脂と、
    (E)重合性モノマーと、
    (F)光開始剤と、
    (G)溶剤と、を少なくとも含有する黒色感光性樹脂組成物であって、
    前記(A)カーボンブラックと前記(B)疎水性シリカ微粒子との重量比(A)/(B)が、1.5〜9.0の範囲であるとともに、
    前記(C)分散剤が、Sp値12.0以上及び分子量6,000以上のいずれか一方又は両方を満たすウレタン系分散剤であることを特徴とする黒色感光性樹脂組成物。
  2. 前記(A)カーボンブラックが、樹脂で被覆されていることを特徴とする請求項1に記載の黒色感光性樹脂組成物。
  3. 前記(B)疎水性シリカ微粒子が、
    シリカ表面のシラノール基と縮合可能なシリル基と、
    加水分解によりシリカ表面のシラノール基と縮合可能な官能基を生成しうるシリル基と、のうち、いずれか一方又は両方のシリル基を1分子中に1個以上有する化合物で表面処理されたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の黒色感光性樹脂組成物。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の黒色感光性樹脂組成物を用いて形成されたことを特徴とするブラックマトリクス。
  5. 光学濃度(ОD値)が、3.0/μm以上であるとともに、
    透明基板上に形成された際に、
    前記透明基板側から顕微分光装置を用いて測定した反射率が、1.0%以下となる特性と、
    前記透明基板側から分光測色計を用いて測定したSCI方式の反射率が、5.0%以下となる特性と、のうち、いずれか一方又は両方の特性を有することを特徴とする請求項4に記載のブラックマトリクス。
  6. 透明基板と、
    前記透明基板上に設けられた請求項4又は5に記載のブラックマトリクスと、を備えることを特徴とするカラーフィルタ。
  7. 請求項6に記載のカラーフィルタを備えることを特徴とする液晶表示装置。
  8. 請求項6に記載のカラーフィルタを備えることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
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