JP2015161377A - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

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Abstract

【課題】ストッパ機構22の作動に伴って、トラクション部でグロススリップが発生すると言った不都合が生じる事を防止して、耐久性を確保できる構造を実現する。
【解決手段】前記ストッパ機構22を構成する突片24の傾斜面部25と、トラニオン7bの支持梁部9bの端部側面とが衝合した時点での変速比である、限界変速比(限界増速側変速比及び限界減速側変速比)を学習する。最増速側変速比をこの限界増速側変速比以下となる様に、最減速側変速比を前記限界減速側変速比以上となる様に、それぞれ定め、この最減速側変速比から前記最増速側変速比までの範囲内で、入力ディスク2と出力ディスク5との間の変速比制御を行う。
【選択図】図1

Description

この発明は、自動車用変速装置として、又はポンプ等の各種産業用機械の運転速度を調節する為の変速装置として利用する、トロイダル型無段変速機の改良に関する。
自動車用変速装置としてハーフトロイダル型のトロイダル型無段変速機を使用する事が、一部で実施され、周知である。図7〜8は、従来構造のトロイダル型無段変速機の基本構成を示している。このトロイダル無段変速機は、入力回転軸1の両端寄り部分の周囲に1対の入力ディスク2、2を、それぞれがトロイド曲面である内側面同士を互いに対向させた状態で、前記入力回転軸1と同期した回転を可能に支持している。又、この入力回転軸1の中間部周囲に出力筒3を、この入力回転軸1に対する回転を可能に支持している。又、この出力筒3の外周面には、軸方向中央部に出力歯車4を固設すると共に、軸方向両端部に1対の出力ディスク5、5を、スプライン係合により、前記出力筒3と同期した回転を可能に支持している。又、この状態で、それぞれがトロイド曲面である、前記両出力ディスク5、5の内側面を、前記両入力ディスク2、2の内側面に対向させている。
又、これら両入力ディスク2、2と前記両出力ディスク5、5との間に、それぞれの周面を球状凸面とした複数個のパワーローラ6、6を挟持している。これら各パワーローラ6、6は、それぞれトラニオン7、7に回転自在に支持されており、これら各トラニオン7、7は、それぞれ前記各ディスク2、5の中心軸に対し捩れの位置にある傾転軸8、8を中心とする揺動変位自在に支持されている。即ち、これら各トラニオン7、7は、それぞれの軸方向両端部に互いに同心に設けられた1対の傾転軸8、8と、これら各傾転軸8、8同士の間に存在する支持梁部9、9とを備えており、これら各傾転軸8、8が、前記トロイダル型無段変速機を収納したケーシングに対して支持された支持板10、10に対し、ラジアルニードル軸受11、11を介して枢支されている。
又、前記各パワーローラ6、6は、前記各トラニオン7、7を構成する支持梁部9、9の内側面に、基半部と先半部とが互いに偏心した支持軸12、12と、複数の転がり軸受とを介して、これら各支持軸12、12の先半部回りの回転、及び、これら各支持軸12、12の基半部を中心とする若干の揺動変位可能に支持されている。
上述の様なトロイダル型無段変速機の運転時には、駆動軸13により一方(図7の左方)の入力ディスク2を、押圧装置14を介して回転駆動する。この結果、前記入力回転軸1の両端部に支持された1対の入力ディスク2、2が、互いに近付く方向に押圧されつつ同期して回転する。そして、この回転が、前記各パワーローラ6、6を介して前記両出力ディスク5、5に伝わり、前記出力歯車4から取り出される。前記入力回転軸1とこの出力歯車4との間の変速比を変える場合は、油圧式のアクチュエータ15、15により前記各トラニオン7、7を前記各傾転軸8、8の軸方向に変位させる。この結果、前記各パワーローラ6、6の周面と前記各ディスク2、5の内側面との転がり接触部(トラクション部)に作用する、接線方向の力の向きが変化する(転がり接触部にサイドスリップが発生する)。そして、この力の向きの変化に伴って前記各トラニオン7、7が、自身の傾転軸8、8を中心に揺動し、前記各パワーローラ6、6の周面と前記各ディスク2、5の内側面との接触位置が変化する。これら各パワーローラ6、6の周面を、前記両入力ディスク2、2の内側面の径方向外寄り部分と、前記両出力ディスク5、5の内側面の径方向内寄り部分とに転がり接触させれば、前記入力回転軸1と前記出力歯車4との間の変速比が増速側になる。これに対して、前記各パワーローラ6、6の周面を、前記両入力ディスク2、2の内側面の径方向内寄り部分と、前記両出力ディスク5、5の内側面の径方向外寄り部分とに転がり接触させれば、前記入力回転軸1と前記出力歯車4との間の変速比が減速側になる。
上述の様なトロイダル型無段変速機の運転時には、動力の伝達に供される各部材、即ち、前記入力、出力各ディスク2、5と前記各パワーローラ6、6とが、前記押圧装置14が発生する押圧力に基づいて弾性変形する。そして、この弾性変形に伴って、前記入力、出力各ディスク2、5が軸方向に変位する。又、前記押圧装置14が発生する押圧力は、前記トロイダル型無段変速機により伝達するトルクが大きくなる程大きくなり、それに伴って前記各部材2、5、6の弾性変形量も多くなる。従って、前記トルクの変動に拘らず、前記入力、出力各ディスク2、5の内側面と前記各パワーローラ6、6の周面との接触状態を適正に維持する為に、前記各トラニオン7、7に対してこれら各パワーローラ6、6を、前記各ディスク2、5の軸方向に変位させる機構が必要になる。上述した従来構造の第1例の場合には、前記各パワーローラ6、6を支持した前記各支持軸12、12の先半部を、同じく基半部を中心として揺動変位させる事により、前記各パワーローラ6、6を前記軸方向に変位させる様にしている。
上述の様な従来構造の第1例の場合、前記各パワーローラ6、6を前記軸方向に変位させる為の構造が複雑で、部品製作、部品管理、組立作業が何れも面倒になり、コストが嵩む事が避けられない。この様な問題を解決する為の技術として特許文献1には、図9〜14に示す様な構造が記載されている。尚、この従来構造の第2例の特徴は、トラニオン7aに対してパワーローラ6aを、入力、出力各ディスク2、5(図7参照)の軸方向の変位を可能に支持する部分の構造にあり、トロイダル型無段変速機全体としての基本的構造及び作用は、前述の図7〜8に示した従来構造の第1例と同様である。
前記従来構造の第2例を構成するトラニオン7aは、両端部に互いに同心に設けられた1対の傾転軸8a、8bと、これら両傾転軸8a、8b同士の間に存在し、少なくとも入力、出力各ディスク2、5の径方向(図10、13、14の上下方向)に関する内側(図10、13、14の上側)の側面を円筒状凸面16とした、支持梁部9aとを備える。前記両傾転軸8a、8bは、それぞれラジアルニードル軸受11a、11aを介して、支持板10、10(図8参照)に、揺動及び軸方向の変位を可能に支持する。
又、前記円筒状凸面16の中心軸イは、図10、13に示す様に、前記両傾転軸8a、8bの中心軸ロと平行で、これら両傾転軸8a、8bの中心軸ロよりも、前記各ディスク2、5の径方向に関して外側(図10、13、14の下側)に存在する。又、前記支持梁部9aとパワーローラ6aの外側面との間に設けるスラスト玉軸受17を構成する外輪18の外側面に、部分円筒面状の凹部19を、この外側面を径方向に横切る状態で設けている。そして、この凹部19と、前記支持梁部9aの円筒状凸面16とを係合させ、前記トラニオン7aに対して前記外輪18を、前記各ディスク2、5の軸方向に関する揺動変位を可能に支持している。
又、前記外輪18の内側面中央部に支持軸12aを、この外輪18と一体に固設して、前記パワーローラ6aをこの支持軸12aの周囲に、ラジアルニードル軸受20を介して、回転自在に支持している。更に、前記トラニオン7aの内側面のうち、前記支持梁部9aの両端部と1対の傾転軸8a、8bとの連続部に、互いに対向する1対の段差面21、21を設けている。そして、これら両段差面21、21と、前記スラスト玉軸受17を構成する外輪18の外周面とを、当接若しくは近接対向させて、前記パワーローラ6aからこの外輪18に加わるトラクション力を、何れかの段差面21、21で支承可能としている。
上述の様に構成する従来構造の第2例のトロイダル型無段変速機によれば、前記パワーローラ6aを前記各ディスク2、5の軸方向に変位させて、構成各部材の弾性変形量の変化に拘らず、このパワーローラ6aの周面と前記各ディスク2、5との接触状態を適正に維持できる構造を、簡単で低コストに構成できる。
即ち、トロイダル型無段変速機の運転時に、入力、出力各ディスク2、5、各パワーローラ6a等の弾性変形に基づき、これら各パワーローラ6aをこれら各ディスク2、5の軸方向に変位させる必要が生じると、これら各パワーローラ6aを回転自在に支持している前記スラスト玉軸受17の外輪18が、外側面に設けた部分円筒面状の凹部19と支持梁部9aの円筒状凸面16との当接面を滑らせつつ、この円筒状凸面16の中心軸イを中心として揺動変位する。この揺動変位に基づき、前記各パワーローラ6aの周面のうちで、前記各ディスク2、5の軸方向片側面と転がり接触する部分が、これら各ディスク2、5の軸方向に変位し、前記接触状態を適正に維持する。
前述した通り、前記円筒状凸面16の中心軸イは、変速動作の際に各トラニオン7aの揺動中心となる傾転軸8a、8bの中心軸ロよりも、前記各ディスク2、5の径方向に関して外側に存在する。従って、前記円筒状凸面16の中心軸イを中心とする揺動変位の半径は、前記変速動作の際の揺動半径よりも大きく、前記両入力ディスク2、2と前記両出力ディスク5、5との間の変速比の変動に及ぼす影響は少ない(無視できるか、容易に修正できる範囲に留まる)。
前述の様な従来構造の第1例及び上述の様な従来構造の第2例の何れの構造の場合でも、各トラニオンが揺動変位した場合に、パワーローラの周面が各ディスクの内側面の径方向外方に突出したり、スラスト玉軸受を構成する外輪の外周縁や玉を保持する保持器の外周縁が、各ディスクの内側面に接触しない様にする必要がある。この様な問題を解決する為、特許文献2には、トラニオンの端部に設けられた支持板部の先端部を傾斜縁とし、この傾斜縁と、ハウジング等に固定されたストッパとを、前記トラニオンが許容限度迄揺動変位した場合に当接させる事で、このトラニオンがそれ以上揺動変位するのを阻止するストッパ機構を設けた構造が記載されている。又、特許文献3には、トラニオンの幅方向外側面のうちで、各ディスクの径方向に関する外寄り部分に焼き入れ処理を施し、このトラニオンが許容限度迄揺動変位した状態でストッパと当接する部分である突当部の強度を確保して、前記トラニオンの耐久性を確保する構造が記載されている。一方、特許文献4には、トラニオンが許容限度迄揺動変位した場合に、スラスト玉軸受を構成する外輪の外側面外周縁部に設けられた段差部と、ストッパとを当接させる構造が記載されている。この様な特許文献4に記載された構造によれば、パワーローラの周面と各ディスクの内側面との転がり接触部と、ストッパとの間に存在する部材の点数を少なく抑え、距離も短く抑えられる為、前記各ディスクに対するパワーローラの傾斜角度を、より精度良く規制する事ができる。
上述の様な各特許文献2〜4に記載された従来構造の場合、トロイダル型無段変速機の耐久性向上の面からは、改良の余地がある。即ち、ストッパと相手部材(トラニオン或いは外輪)とが当接した(ストッパ機構が作動した)状態で、前記トロイダル型無段変速機の変速比を更に増大(減少)させるべく、トラニオンを傾転軸の軸方向に変位させても、このトラニオンがそれ以上揺動変位する事はない。この為、パワーローラの周面と各ディスクの内側面との転がり接触部(トラクション部)に生じるサイドスリップが過度に大きくなり、このトラクション部での発熱量が増大して、このトラクション部に存在するトラクションオイルの温度上昇の程度が著しくなる。この結果、このトラクションオイルのトラクション係数μ(=接線力/法線力)が低下し、前記トラクション部でグロススリップと呼ばれる有害な滑りを生じる可能性がある。又、各ディスク同士の間に配置した複数個(例えば4個)のトラニオンのうち、何れか1個のトラニオンのみがストッパと当接した状態では、この1個のトラニオンの傾転角と、他のトラニオンの傾転角との間にずれが生じる。この結果、これら1個のトラニオンと他のトラニオンとの間で、前記各ディスクの回転中心からトラクション部までの距離に差が生じ、これら各トラクション部の間で、伝達するトルクの大きさ(トラクション部に加わる接線力)にばらつきが生じる可能性がある。従って、これら各トラクション部に加わる法線力を同じとした場合、伝達するトルクが大きいトラクション部でグロススリップが発生し易くなる。何れにしても、上述の様なグロススリップが発生すると、各ディスクの側面と各パワーローラの周面とが、トラクションオイルの油膜を介する事なく金属接触し、これら各面の耐久性を著しく損なう原因となる。
特開2008−25821号公報 実開平6−43404号公報 特開2003−336708号公報 特開2013−256996号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑み、ストッパ機構の作動に伴い、トラクション部でグロススリップが発生する事を防止して、耐久性を確保できるトロイダル型無段変速機の構造を実現すべく発明したものである。
本発明のトロイダル型無段変速機は、少なくとも1対のディスクと、複数個のトラニオンと、複数個のパワーローラと、ストッパ機構とを備える。
このうちの前記各ディスクは、それぞれが断面円弧形のトロイド曲面である互いの軸方向片側面同士を対向させた状態で、互いに相対回転を自在に支持されている。
又、前記各トラニオンは、前記各ディスクの軸方向に関してこれら各ディスクの軸方向片側面同士の間部分の周方向に関する複数箇所に配置され、それぞれがこれら各ディスクの中心軸に対し捩れの位置に存在する傾転軸を中心とする揺動変位を自在に設けられている。
又、前記各パワーローラは、前記各トラニオンの内側面に回転自在に支持された状態で、部分球状凸面であるそれぞれの周面を前記各ディスクの軸方向片側面に転がり接触させている。
又、前記ストッパ機構は、前記各トラニオンが前記傾転軸を中心として許容限度を越えて揺動する事を防止するものである。
特に本発明のトロイダル型無段変速機の場合は、前記ストッパ機構が作動した状態での変速比を学習し、この学習値に基づいて変速可能領域を調整(変速比の最大値と最小値を規制)する機能を有するものである。即ち、この変速可能領域を、前記ストッパ機構が作動しない範囲に調整するか、或いはこのストッパ機構が作動した場合であっても、前記各ディスクの軸方向片側面と前記各パワーローラの周面との転がり接触部(トラクション部)で有害な滑り(グロススリップ)が発生しない範囲に調整する。
上述の様な本発明のトロイダル型無段変速機を実施する場合には、例えば請求項2に記載した発明の様に、前記各ディスク同士の間の変速比を変更する変更制御実施前後の、この変速比の変化量に基づき、前記ストッパ機構が作動したか否かを判定する。
或いは、請求項3に記載した発明の様に、前記各トラニオンを前記各傾転軸の軸方向に変位させる事に基づいて、これら各トラニオンをこれら各傾転軸を中心として揺動変位させる事で、前記各ディスク同士の間の変速比を変更するものとする。そして、前記各傾転軸の軸方向に関する前記各トラニオンの変位量に基づき、前記ストッパ機構が作動したか否かを判定する。
或いは、請求項4に記載した発明の様に、前記各ディスク同士の間の変速比を変更する変更制御実施前後の、前記各トラニオンの前記各傾転軸を中心とする傾転角度の変化量に基づき、前記ストッパ機構が作動したか否かを判定する。
或いは、請求項5に記載した発明の様に、前記ストッパ機構を、前記各トラニオンが前記各傾転軸を中心として許容限度を越えて揺動しようとした場合に、使用時にも変位しない部分と、これら各トラニオン若しくはこれら各トラニオンと共に揺動する部材(例えば、これら各トラニオンの内側面と前記各パワーローラの外側面との間に設けるスラスト玉軸受を構成する外輪)の一部とを当接させる事により、これら各トラニオンが前記各傾転軸を中心として許容限度を越えて揺動する事を防止するものとする。そして、前記使用時にも変位しない部分と、前記各トラニオン若しくはこれら各トラニオンと共に揺動する部材とのうちの何れか一方に設けられたセンサにより、前記ストッパ機構が作動したか否かを判定する。
上述の様に構成する、本発明のトロイダル型無段変速機によれば、ストッパ機構の作動伴って、トラクション部でグロススリップが発生すると言った不都合が生じる事を防止して、耐久性を確保する事ができる。即ち、本発明のトロイダル型無段変速機の場合、前記ストッパ機構が作動した(ストッパと、トラニオン若しくはこのトラニオンと共に揺動する部材とが衝合した)状態での前記トロイダル型無段変速機の変速比を学習する。そして、この学習値に基づいてこのトロイダル型無段変速機の変速可能領域を、前記ストッパ機構が作動しない範囲に調整するか、或いはこのストッパ機構が作動した場合であっても、前記各ディスクの軸方向片側面と前記各パワーローラの周面との転がり接触部(トラクション部)で有害な滑り(グロススリップ)が発生しない範囲に調整する。この為、前記各トラクション部に生じるサイドスリップが過度に大きくなったり、これら各トラクション部同士の間で、伝達するトルクの大きさにばらつきが生じる事を防止でき、これら各トラクション部でのグロススリップの発生を防止できる。
本発明の実施の形態の第1例のトロイダル型無段変速機を、1対のディスクとトラニオンとパワーローラとを取り出して示す部分拡大斜視図。 同じく特徴となる動作を示すフローチャート。 本発明の実施の形態の第2例を示す、図2と同様の図。 同第3例を示す、図2と同様の図。 同第4例を示す、図2と同様の図。 同じくセンサの取り付け位置の2例を示す部分拡大斜視図。 トロイダル型無段変速機の従来構造の第1例を示す断面図。 図7のa−a断面図。 トロイダル型無段変速機の従来構造の第2例を示す、スラスト玉軸受を介してパワーローラを支持したトラニオンを、各ディスクの径方向外側から見た斜視図。 同じく、ディスクの周方向から見た状態で示す正面図。 図10の上方から見た平面図。 図10の右方から見た側面図。 図11のb−b断面図。 図10のc−c断面図。
[実施の形態の第1例]
請求項1〜2に対応する、本発明の実施の形態の第1例に就いて、図1〜2により説明する。尚、本例を含めて、本発明のトロイダル型無段変速機の特徴は、ストッパ機構22の作動に伴い、各ディスク2、5の内側面とパワーローラ6aの周面との転がり接触部(トラクション部)での有害な滑り(グロスリップ)の発生を防止して、耐久性を確保する為の構造にある。その他の部分の構造及び作用は、前述の図9〜14に示した構造を含め、従来から知られているトロイダル型無段変速機と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
本例のトロイダル型無段変速機は、トラニオン7bと、ケーシングに対し支持された支持板23との間に、前記ストッパ機構22を設けている。このストッパ機構22は、前記トラニオン7bが、このトラニオン7bの軸方向両端部に設けられた1対の傾転軸8a、8bを中心として、許容限度を越えて過大に(前記パワーローラ6aの周面が前記各ディスク2、5の内側面の径方向外方に突出する程度に大きく)揺動する事を防止する為のものである。本例の場合、この様なストッパ機構22を、前記支持板23の内側面(図1にの上面)のうちで、前記トラニオン7bの支持梁部9bの端部側面に対向する位置に、1対の突片24、24を固設し、これら両突片24、24の傾斜面部25、25と、前記トラニオン7bの支持梁部9bの端部側面とを対向させる事で構成している。そして、この様な構成により、このトラニオン7bが、前記支持梁部9bの端部側面と前記両突片24、24の傾斜面部25、25とが衝合(当接)する位置までしか揺動できない様にしている。本例の場合には、この様なストッパ機構22により制限される前記トラニオン7bの揺動可能範囲が、このトラニオン7bの過大な揺動を防止できる範囲で極力広くなる様に、前記両突片24、24の設置位置及び前記両傾斜面部25、25の傾斜角度を規制している。
更に、本例の場合には、トロイダル型無段変速機の変速比を最増速側とした場合や、最減速側とした場合にも、前記両突片24、24の傾斜面部25、25と、前記トラニオン7bの支持梁部9bの端部側面とが衝合しないか、或いは衝合した場合であっても、この支持梁部9bの端部側面が前記両傾斜面部25、25に強く押し付けられる事がない様に、前記トロイダル型無段変速機の変速可能領域を調整{変速比の最大値(最増速側変速比eImax)及び最小値(最減速側変速比eDmax)を設定}し、前記変速可能領域内で変速比制御を行う様に構成している。具体的には、最大変速状態(前記トロイダル型無段変速機の変速比を最増速側とした状態、又は最減速側とした状態)から前記両突片24、24のうちの何れか一方の突片24の傾斜面部25と、前記トラニオン7bの支持梁部9bの端部側面とが衝合する、限界変速状態までのこのトラニオン7bの揺動角度を0〜2度程度としている。要するに、このトラニオン7bが最大変速状態を目標位置として揺動する場合に、この目標位置を多少越えた程度では、前記突片24の傾斜面部25と、前記支持梁部9bの端部側面とが勢い良く衝突する事がない程度の大きさとしている。
上述の様なトロイダル型無段変速機の最増速側変速比eImax及び最減速側変速比eDmaxを設定する為に、このトロイダル型無段変速機の変速比の変更を制御する制御器(図示省略)は、前記傾斜面部25と前記支持梁部9bの端部側面とが衝合した時点での変速比である、限界変速比(限界増速側変速比eIST及び限界減速側変速比eDST)を学習する機能を備える。この機能に就いて、図2のフローチャートを参照しつつ説明する。尚、このフローチャートに示した動作は、初期設定時やシフトレバーによりパーキングレンジが選択された状態で行われる。
図2の(A)のフローチャートは、前記トロイダル型無段変速機の限界増速側変速比eISTを求める手順を示している。先ず、前記制御器は、ステップ1Aで、例えば入力ディスク2の回転速度若しくはエンジンの回転数(回転速度)と、出力ディスク5の回転速度とを利用する等により、その時点での前記トロイダル型無段変速機の(変速比の変更制御実施前の)変速比eI0を算出する。次に、ステップ2Aで、アクチュエータ15(図8参照)への油圧の給排を制御し、前記トラニオン7bを、前記両傾転軸8a、8bの軸方向に関して、前記トロイダル型無段変速機の変速比を増速させる側(前記トラニオン7bを、前記両傾転軸8a、8bを中心として、前記入力ディスク2側に向けて揺動変位させる側)に所定量変位させ(変速比の変更制御を実施して)、所定時間(例えばこのトラニオン7bを、限界減速側から限界増速側まで揺動変位させるのに十分な時間である2[秒]程度。但し、1ステップ当たりの前記トラニオン7bの揺動変位量が小さい場合には、2[秒]以下とする事もできる。)経過後、次のステップ3Aに進む。このステップ3Aでは、前記ステップ1Aと同様の方法により、その時点での前記トロイダル型無段変速機の変速比である、変速比の変更制御実施後の変速比eI1を算出する。そして、次のステップ4Aで、変速比の変更制御実施前後の変速比変化量Δe(=eI1−eI0)を算出し、この変速比変化量Δeの絶対値が、予め定められた閾値α以下であるか否かを判定する。この変速比変化量Δeの絶対値がこの閾値αよりも大きい(|Δe|>α)場合には、ステップ5Aに進み、前記ステップ3Aで算出した変速比の変更制御実施後の変速比eI1を、同じく実施前の変速比eI0として設定し、前記ステップ2Aに戻る。前記変速比変化量Δeの絶対値が前記閾値α以下である(|Δe|≦α)場合には、前記ストッパ機構22が作動したもの(前記トラニオン7bの支持梁部9bの端部側面と前記突片24の傾斜面部25とが衝合したもの)と判定し、ステップ6Aで、前記変速比の変更制御実施後の変速比eI1を限界増速側変速比eISTとして設定し、終了する。
又、図2の(B)は、前記トロイダル型無段変速機の限界減速側変速比eDSTを求める手順を示している。この限界減速側変速比eDSTを求める手順は、前記トラニオン7bを揺動変位させる方向が異なる事以外、基本的には、上述の図2の(A)に示した限界増速側変速比eISTを求める手順と同様である。即ち、前記制御器は、ステップ1Bで、その時点での変速比(変速比の変更制御実施前の変速比)eD0を算出する。次に、ステップ2Bで、前記トラニオン7bを、前記両傾転軸8a、8bの軸方向に関して、前記トロイダル型無段変速機の変速比を減速させる側(前記トラニオン7bを、前記両傾転軸8a、8bを中心として、前記出力ディスク5側に向けて揺動変位させる側)に所定量変位させ、所定時間経過後、次のステップ3Bに進む。このステップ3Bで、その時点での前記トロイダル型無段変速機の変速比(変速比の変更制御実施後の変速比)eD1を算出し、次のステップ4Bで、変速比の変更制御実施前後の変速比変化量Δe(=eD1−eD0)を算出し、この変速比変化量Δeの絶対値が、予め定められた閾値α以下であるか否かを判定する。尚、この閾値αは、前記閾値αと同じあっても良いし、異ならせる事もできる。何れにしても、前記変速比変化量Δeの絶対値がこの閾値βよりも大きい(|Δe|>α)場合には、ステップ5Bに進み、前記ステップ3Bで算出した変速比の変更制御実施後の変速比eD1を、変速比の変更制御実施前の変速比eD0として設定し、前記ステップ2Bに戻る。前記変速比変化量Δeの絶対値が前記閾値α以下である(|Δe|≦α)場合には、前記ストッパ機構22が作動したものと判定し、ステップ6Bで、前記変速比の変更制御実施後の変速比eD1を限界減速側変速比eDSTとして設定し、終了する。
上述の様な図2の(A)に示す手順及び同図の(B)に示す手順を実施する事により、限界増速側変速比eDST及び限界減速側変速比eISTを求める。そして、本例のトロイダル型無段変速機の場合には、最増速側変速比eImaxを前記限界増速側変速比eIST以下となる様に、同じく最減速側変速比eDmaxを前記限界減速側変速比eDST以上となる様に、それぞれ定め、この最減速側変速比eLmaxから前記最増速側変速比eDmaxまでの範囲内で変速比制御を行う様にしている。尚、前記図2の(A)に示した限界増速側変速比eISTを求める手順と、同図の(B)に示した限界減速側変速比eDSTとを求める手順を実施する順序は、特に問わない。
上述の様に構成する本例のトロイダル型無段変速機によれば、トラニオン7bの支持梁部9bの端部側面が突片24の傾斜面部25に強く押し付けられる事に基づき、パワーローラ6aの周面と各ディスク2、5の内側面との転がり接触部(トラクション部)でグロススリップが発生するのを防止して、前記トロイダル型無段変速機の耐久性を確保する事ができる。即ち、本例のトロイダル型無段変速機の場合、図2に示す手順により、前記トラニオン7bの端部側面と前記突片24の傾斜面部25とが衝合した時点での前記トロイダル型無段変速機の変速比(限界増速側変速比eIST、限界減速側変速比eDST)を学習する。そして、最増速側変速比eImaxをこの限界増速側変速比eIST以下となる様に、同じく最減速側変速比eDmaxを前記限界減速側変速比eDST以上となる様に、それぞれ定め、この最減速側変速比eLmaxから前記最増速側変速比eDmaxまでの範囲内で変速比制御を行う様にしている。従って、最大変速時(最増速時、最減速時)の状態に於いても、前記突片24の傾斜面部25と前記支持梁部9bの端部側面とが衝合しないか、或いは衝合した場合であっても、この支持梁部9bの端部側面が前記傾斜面部25に強く押し付けられる事はない。この為、前記各トラクション部に生じるサイドスリップが過度に大きくなったり、これら各トラクション部同士の間で、伝達するトルクの大きさにばらつきが生じる事を防止でき、これら各トラクション部でのグロススリップの発生を防止できる。又、前述した特許文献3の様に、前記支持梁部9bの端部側面を含む部分に焼き入れ処理等の表面硬化処理を施す必要がなくなり、前記トロイダル型無段変速機の製造コストの増大を抑えられると共に、ストッパ機構22を構成する1対の突片24、24に、亀裂や変形等の損傷が発生する事を防止できる。
[実施の形態の第2例]
請求項1、3に対応する、本発明の実施の形態の第2例に就いて、図3により説明する。本例のトロイダル型無段変速機の場合、トラニオン7b(図1参照)の、1対の傾転軸8a、8bの軸方向に関する変位量を計測する事でストッパ機構22が作動したか否か(トラニオン7bの支持梁部9bの端部側面と突片24の傾斜面部25とが衝合したか否か)を判定し、限界変速比(限界増速側変速比eIST、限界減速側変速比eDST)を学習する様にしている。前記軸方向に関する変位量は、例えば、前記トラニオン7bの下端部から連続して、アクチュエータ15(図8参照)のピストンに連結したロッド26の先端面(下端面)に、その先端面を対向させた変位センサ27(図1の鎖線参照)により計測する。この変位センサ27としては、例えば接触式で直動型のもの、或いは、渦電流式やレーザ式等の非接触式のものを使用する事ができる。又、前記変位センサ27の先端面を、前記トラニオン7bの端面に対向させても良い。この様な変位センサ27の測定値に基づいて前記ストッパ機構22が作動したか否かを判定し、限界変速比を学習する機能に就いて、以下で説明する。
図3の(A)のフローチャートは、前記限界増速側変速比eISTを求める手順を示している。先ず、制御器は、ステップ1Cで、前記アクチュエータ15への油圧の給排を制御し、前記トラニオン7bを、前記両傾転軸8a、8bの軸方向に関して、前記トロイダル型無段変速機の変速比を増速させる側に所定量変位させ、所定時間経過後、次のステップ2Cに進む。このステップ2Cでは、前記変位センサ27により前記トラニオン7bの、前記両傾転軸8a、8bの軸方向に関する変位量(変速比の変更制御実施前の中立位置からの変位量)ΔYを測定する。そして、次のステップ3Cで、この軸方向に関する変位量ΔYの絶対値が、予め定められた閾値β以上であるか否かを判定する。この変位量ΔYの絶対値がこの閾値βよりも小さい(|ΔY|<β)場合には、前記トラニオン7bは、前記両傾転軸8a、8bの軸方向に関する変位量に見合う分だけ揺動変位して元の位置(変速比の変更制御実施前の中立位置)に戻ったものと判断し、ステップ1Cに戻る。一方、前記変位量ΔYの絶対値が前記閾値β以上である(|ΔY|≧β)場合には、前記ストッパ機構22が作動したものと判定し、次のステップ4Cで、その時点でのトロイダル型無段変速機の変速比を算出し、この算出した変速比を限界増速側変速比eISTとして設定し、終了する。
一方、図3の(B)のフローチャートは、前記限界減速側変速比eDSTを求める手順を示している。先ず、前記制御器は、ステップ1Dで、前記トラニオン7bを、前記両傾転軸8a、8bの軸方向に関して、前記トロイダル型無段変速機の変速比を減速させる側に所定量変位させる。そして、所定時間経過後、次のステップ2Dに進み、前記変位センサ27により前記トラニオン7bの、前記両傾転軸8a、8bの軸方向に関する変位量ΔYを測定し、ステップ3Dに進む。このステップ3Dでは、この軸方向に関する変位量ΔYの絶対値が、予め定められた閾値β以上であるか否かを判定する。この変位量ΔYの絶対値がこの閾値βよりも小さい(|ΔY|<β)場合には、前記トラニオン7bが元の位置に戻ったものと判断し、ステップ1Dに戻る。一方、前記変位量ΔYの絶対値が前記閾値β以上である(|ΔY|≧β)場合には、前記ストッパ機構22が作動したものと判定し、次のステップ4Dで、その時点でのトロイダル型無段変速機の変速比を算出し、この算出した変速比を限界減速側変速比eDSTとして設定し、終了する。
その他の部分の構成及び作用は、上述した実施の形態の第1例と同様であるから、同等部分に関する説明は省略する。
[実施の形態の第3例]
請求項1、4に対応する、本発明の実施の形態の第3例に就いて、図4により説明する。本例のトロイダル型無段変速機は、トラニオン7b(図1参照)の、1対の傾転軸8a、8bを中心とする傾転角度を計測する事でストッパ機構22が作動したか否かを判定し、限界変速比を学習する様に構成している。前記傾転角度は、例えば前記トラニオン7bのロッド26に取り付けた角度センサ等により計測する。この傾転角度を計測する事により、前記ストッパ機構22が作動したか否かを判定し、限界変速比を学習する機能に就いて、以下で説明する。
図4の(A)のフローチャートは、限界増速側変速比eISTを求める手順を示している。先ず、ステップ1Eで、前記角度センサにより、その時点での前記トラニオン7bの傾転角度θI0を計測する。次に、ステップ2Eで、アクチュエータ15(図8参照)への油圧の給排を制御し、前記トラニオン7bを、前記両傾転軸8a、8bの軸方向に関して、前記トロイダル型無段変速機の変速比を増速させる側に所定量変位させる。そして、所定時間経過後、次のステップ3Eに進み、前記角度センサにより、その時点での前記トラニオン7bの傾転角度θI1を計測し、ステップ4Eに進む。このステップ4Eでは、変速比の変更制御実施前後の角度変化量Δθ(=θI1−θI0)を算出し、この角度変化量Δθの絶対値が、予め定められた閾値γ以下であるか否かであるかを判定する。この角度変化量Δθの絶対値が、この閾値γよりも大きい(|Δθ|>γ)場合には、ステップ5Eに進み、前記ステップ3Eで計測した変速比の変更制御実施後の傾転角度θI1を、同じく実施前の傾転角度θI0に設定し、前記ステップ2Eに戻る。前記角度変化量Δθの絶対値が、前記閾値γ以下である(|Δθ|≦γ)場合、前記ストッパ機構22が作動したものと判定し、ステップ6Eで、その時点でのトロイダル型無段変速機の変速比を算出し、この算出した変速比を限界増速側変速比eISTとして設定し、終了する。
一方、図4の(B)のフローチャートは、前記限界減速側変速比eDSTを求める手順を示している。先ず、ステップ1Fで、前記角度センサにより、その時点での前記トラニオン7bの傾転角度θD0を計測する。次に、ステップ2Fで、前記トラニオン7bを前記両傾転軸8a、8bの軸方向に関して、前記トロイダル型無段変速機の変速比を減速させる側に所定量変位させる。そして、所定時間経過後、次のステップ3Fに進み、前記角度センサにより、その時点での前記トラニオン7bの傾転角度θD1を計測し、ステップ4Fに進む。このステップ4Fでは、変速比の変更制御実施前後の角度変化量Δθ(=θD1−θD0)を算出し、この角度変化量Δθの絶対値が、予め定められた閾値γ以下であるか否かであるかを判定する。この角度変化量Δθの絶対値が、この閾値γよりも大きい(|Δθ|>γ)場合には、ステップ5Fに進み、前記ステップ3Fで計測した変速比の変更制御実施後の傾転角度θD1を、同じく実施前の傾転角度θD0に設定し、前記ステップ2Fに戻る。前記角度変化量Δθの絶対値が、前記閾値γ以下である(|Δθ|≦γ)場合、前記ストッパ機構22が作動したものと判定し、ステップ6Fで、その時点でのトロイダル型無段変速機の変速比を算出し、この算出した変速比を限界増速側変速比eDSTとして設定し、終了する。
その他の部分の構成及び作用は、前述した実施の形態の第1例と同様であるから、同等部分に関する説明は省略する。
[実施の形態の第4例]
請求項1、5に対応する、本発明の実施の形態の第4例に就いて、図5〜6により説明する。本例のトロイダル型無段変速機の場合には、圧力センサ28により、トラニオン7bの支持梁部9bの端部側面と突片24の傾斜面部25とが当接したか否か、即ち、ストッパ機構22が作動したか否かを判定する様に構成している。この様な圧力センサ28は、図6の(A)に示す様に、前記突片24の傾斜面部25に設置する事もできるし、同図の(B)に示す様に、前記支持梁部9bの端部側面に設置する事もできる。前記圧力センサ28により前記ストッパ機構22が作動したか否かを判定し、限界変速比を学習する機能に就いて、以下で説明する。
限界増速側変速比eISTを求める為、図5の(A)に示す様に、先ず、制御器は、ステップ1Gで、前記アクチュエータ15への油圧の給排を制御し、前記トラニオン7bを、前記両傾転軸8a、8bの軸方向に関して、前記トロイダル型無段変速機の変速比を増速させる側に所定量変位させ、次のステップ2Gで、前記圧力センサ28により前記ストッパ機構22が作動したか否かを判定する。このストッパ機構22が作動していないと判定された(前記圧力センサ28の出力値が所定値以下である)場合、前記ステップ1Gに戻る。前記ストッパ機構22が作動していると判定された(前記圧力センサ28の出力値が所定値よりも大きい)場合、次のステップ3Gで、その時点でのトロイダル型無段変速機の変速比を算出し、この算出した変速比を限界増速側変速比eISTに設定し、終了する。
限界減速側変速比eDSTを求める場合には、図5の(B)に示す様に、前記制御器は、ステップ1Hで、前記トラニオン7bを、前記両傾転軸8a、8bの軸方向に関して、前記トロイダル型無段変速機の変速比を減速させる側に所定量変位させる。そして、ステップ2Hで、前記圧力センサ28により前記ストッパ機構22が作動したか否かを判定する。このストッパ機構22が作動していないと判定された場合、前記ステップ1Hに戻る。前記ストッパ機構22が作動していると判定された場合、次のステップ3Hで、その時点でのトロイダル型無段変速機の変速比を算出し、この算出した変速比を限界減速側変速比eDSTに設定し、終了する。
その他の部分の構成及び作用は、前述した実施の形態の第1例と同様であるから、同等部分に関する説明は省略する。
本発明のトロイダル型無段変速機は、上述した実施の形態の各例の様に、スラスト玉軸受の外輪をトラニオンの支持梁部に対し、部分円筒面同士の係合により揺動変位可能に支持する構造に限らずに実施できる。即ち、前述の図7〜8に示した従来構造の様に、それぞれが平面である、スラスト玉軸受の外輪の外側面とトラニオンの支持梁部の内側面との間にスラスト軸受を設けて、各ディスクの軸方向に関するパワーローラの変位を可能にする構造に関して、本発明を実施する事もできる。
又、図7に示した様な、1対の入力ディスク(外側ディスク)を設けた、所謂ダブルキャビティ型の構造に限らず、入力ディスクと出力ディスクとを1個ずつ設けた、所謂シングルキャビティ型のトロイダル型無段変速機に関して本発明を実施する事もできる。
1 入力回転軸
2 入力ディスク
3 出力筒
4 出力歯車
5 出力ディスク
6、6a パワーローラ
7、7a、7b トラニオン
8、8a、8b 傾転軸
9、9a、9b 支持梁部
10 支持板
11 ラジアルニードル軸受
12 支持軸
13 駆動軸
14 押圧装置
15 アクチュエータ
16 円筒状凸面
17 スラスト玉軸受
18 外輪
19 凹部
20 ラジアルニードル軸受
21 段差面
22 ストッパ機構
23 支持板
24 突片
25 傾斜面部
26 ロッド
27 変位センサ
28 圧力センサ

Claims (5)

  1. それぞれが断面円弧形のトロイド曲面である互いの軸方向片側面同士を対向させた状態で、互いに相対回転を自在に支持された少なくとも1対のディスクと、
    これら各ディスクの軸方向に関してこれら各ディスクの軸方向片側面同士の間部分の周方向に関する複数箇所に配置され、それぞれがこれら各ディスクの中心軸に対し捩れの位置に存在する傾転軸を中心として揺動変位する複数個のトラニオンと、
    これら各トラニオンの内側面に回転自在に支持された状態で、部分球状凸面であるそれぞれの周面を前記各ディスクの軸方向片側面に転がり接触させた、複数個のパワーローラと、
    前記各トラニオンが前記各傾転軸を中心として許容限度を越えて揺動する事を防止するストッパ機構と
    を備えるトロイダル型無段変速機に於いて、
    前記ストッパ機構が作動した時点での変速比を学習し、この学習値に基づいて変速可能領域を調整する機能を有する事を特徴とするトロイダル型無段変速機。
  2. 前記各ディスク同士の間の変速比を変更する変更制御実施前後の、この変速比の変化量に基づき、前記ストッパ機構が作動したか否かを判定する、請求項1に記載したトロイダル型無段変速機。
  3. 前記各トラニオンを前記各傾転軸の軸方向に変位させる事に基づいて、これら各トラニオンをこれら各傾転軸を中心として揺動変位させる事で、前記各ディスク同士の間の変速比を変更するものであり、前記各傾転軸の軸方向に関する前記各トラニオンの変位量に基づき、前記ストッパ機構が作動したか否かを判定する、請求項1に記載したトロイダル型無段変速機。
  4. 前記各ディスク同士の間の変速比を変更する変更制御実施前後の、前記各トラニオンの前記各傾転軸を中心とする傾転角度に基づき、前記ストッパ機構が作動したか否かを判定する、請求項1に記載したトロイダル型無段変速機。
  5. 前記ストッパ機構は、前記各トラニオンが前記各傾転軸を中心として許容限度を越えて揺動しようとした場合に、使用時にも変位しない部分と、これら各トラニオン若しくはこれら各トラニオンと共に揺動する部材の一部とを当接させる事により、これら各トラニオンが前記各傾転軸を中心として許容限度を越えて揺動する事を防止するものであり、前記使用時にも変位しない部分と、前記各トラニオン若しくはこれら各トラニオンと共に揺動する部材とのうちの何れか一方に設けられたセンサにより、前記ストッパ機構が作動したか否かを判定する、請求項1に記載したトロイダル型無段変速機。
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