JP4893639B2 - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

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Description

この発明に係るトロイダル型無段変速機は、自動車用自動変速装置の変速ユニットとして、或はポンプ等の各種産業機械の運転速度を調節する為の変速装置として利用する。
例えば特許文献1、2等に記載されている様に、自動車用自動変速装置として、図5〜7に示す様なトロイダル型無段変速機を使用する事が研究され、一部で実施されている。このトロイダル型無段変速機は、ダブルキャビティ型と呼ばれるもので、特許請求の範囲に記載した回転軸に相当する入力軸1の両端部周囲に、1対の入力側ディスク2、2を、ボールスプライン3、3を介して支持している。従ってこれら両入力側ディスク2、2は、それぞれがトロイド曲面(断面円弧形の凹面)である内側面同士を互いに対向させた状態で、互いに同心に、且つ、同期した回転を自在に支持されている。
又、上記入力軸1の中間部周囲に出力歯車4を、この入力軸1に対する相対回転を自在として支持している。そして、この出力歯車4の中心部に設けた円筒部の両端部に1対の出力側ディスク5、5を、それぞれスプライン係合させている。従ってこれら両出力側ディスク5、5は、上記出力歯車4と共に、同期して回転する。又、この状態で、それぞれがトロイド曲面である、上記両出力側ディスク5、5の各内側面が、上記両入力側ディスク2、2の各内側面に、それぞれ対向する。
又、上記各入力側ディスク2、2と上記各出力側ディスク5、5との間に、それぞれの周面を球状凸面としたパワーローラ6、6を、それぞれ複数個ずつ(通常2〜3個ずつ)挟持している。これら各パワーローラ6、6はそれぞれ、特許請求の範囲に記載した支持部材に相当するトラニオン7、7の内側面に、支持軸8、8及び複数の転がり軸受を介して、回転自在に支持されている。上記各トラニオン7、7は、それぞれの長さ方向(図5、7の上下方向、図6の表裏方向)両端部に、これら各トラニオン7、7毎に互いに同心に設けられた枢軸9、9を中心として揺動変位自在である。これら各トラニオン7、7を傾斜(揺動)させる動作は、油圧式のアクチュエータ10、10により、これら各トラニオン7、7を上記枢軸9、9の軸方向に変位させる事で行なう。
即ち、前記入力軸1と出力歯車4との間の変速比を変えるべく、上記各トラニオン7、7の傾斜角度を変える場合には、上記各アクチュエータ10、10により上記各トラニオン7、7を、それぞれ逆方向に、例えば、図7の右側のパワーローラ6を同図の下側に、同図の左側のパワーローラ6を同図の上側に、それぞれ変位させる。この結果、これら各パワーローラ6、6の周面と上記各入力側ディスク2、2及び各出力側ディスク5、5の内側面との当接部(トラクション部、転がり接触部)に作用する、接線方向の力の向きが変化(当接部にサイドスリップが発生)する。そして、この力の向きの変化に伴って上記各トラニオン7、7が、支持板11、11に枢支された枢軸9、9を中心として、互いに逆方向に揺動(傾斜)する。この結果、上記各パワーローラ6、6の周面と上記入力側、出力側各ディスク2、5の内側面との当接位置が変化し、上記入力軸1と出力歯車4との間の回転速度の比(変速比)が変化する。上記各アクチュエータ10、10への圧油の給排状態は、これら各アクチュエータ10、10の数に関係なく1個の変速比制御弁12により行ない、何れか1個のトラニオン7の動きをこの変速比制御弁12にフィードバックする様にしている。
上述の様なトロイダル型無段変速機の運転時には、エンジン等の動力源に繋がる駆動軸13により一方(図5、6の左方)の入力側ディスク2を、ローディングカム装置14を介して、出力側ディスク5に向け押圧しつつ回転駆動する。このローディングカム装置14は、前記入力軸1の端部周囲に上記入力側ディスク2と同心に、この入力軸1に対する回転を自在に支持されて、上記駆動軸13により回転駆動されるカム板15と、保持器16により転動自在に保持された複数個(例えば4個)のローラ17、17とから構成している。上記カム板15の片側面(図5、6の右側面)には、円周方向に関する凹凸面である駆動側カム面18を形成し、上記一方の入力側ディスク2の外側面(図5、6の左側面)にも、同様の形状を有する被駆動側カム面19を形成している。そして、上記保持器16により上記複数個のローラ17、17を、上記入力軸1の中心に関し放射方向の軸を中心とする転動自在に支持している。
上述の様に構成するトロイダル型無段変速機の使用時、上記駆動軸13により上記カム板15が回転駆動されると、駆動側カム面18が複数個のローラ17、17を、上記一方の入力側ディスク2の外側面に形成した被駆動側カム面19に押圧する。この結果、この一方の入力側ディスク2が、前記複数のパワーローラ6、6に押圧されると同時に、上記駆動側、被駆動側両カム面18、19と複数個のローラ17、17との押し付け合いに基づいて、上記一方の入力側ディスク2が回転する。又、同時に、他方(図5、6の右方)の入力側ディスク2も同方向に回転する。そして、これら両入力側ディスク2、2の回転が、前記複数のパワーローラ6、6を介して前記両出力側ディスク5、5に伝達され、これら両出力側ディスク5、5の間に配置した前記出力歯車4が回転する。
上記入力軸1と出力歯車4との回転速度を変える場合で、先ず入力軸1と出力歯車4との間で減速を行なう場合には、上記各アクチュエータ10、10により上記各トラニオン7、7を上記各枢軸9、9の軸方向に移動させ、これら各トラニオン7、7を図6に示す位置に揺動させる。そして、上記各パワーローラ6、6の周面をこの図6に示す様に、上記各入力側ディスク2、2の内側面の中心寄り部分と上記各出力側ディスク5、5の内側面の外周寄り部分とにそれぞれ当接させる。反対に、増速を行なう場合には、上記各トラニオン7、7を図6と反対方向に揺動させ、上記各パワーローラ6、6の周面を、この図6に示した状態とは逆に、上記各入力側ディスク2、2の内側面の外周寄り部分と上記各出力側ディスク5、5の内側面の中心寄り部分とに、それぞれ当接する様に、上記各トラニオン7、7を傾斜させる。これら各トラニオン7、7の傾斜角度を中間にすれば、入力軸1と出力歯車4との間で、中間の変速比(速度比)を得られる。
ところで、上述した様なトロイダル型無段変速機の場合、例えば図8に模式的に示す様に、パワーローラ6の傾斜状態(揺動状態)によっては、ローディングカム装置14により押圧される一方のディスク20(例えば出力側ディスク5)の弾性変形に伴い、この一方のディスク20(5)の内周縁が入力軸1と干渉する(入力軸1を締め付ける)可能性がある。即ち、上記一方のディスク20(5)の内側面と各パワーローラ6の周面との当接部(トラクション部、転がり接触部)が、この一方のディスク20(5)の径方向内側寄り部分に位置する場合に、上記ローディングカム装置14の各ローラ17を介して押圧される力Fに基づき、上記一方のディスク20(5)が、上記当接部を支点として、図8に破線で示す様に弾性変形する可能性がある。尚、この図8に示した構造は、前述の図5〜7に示した構造と異なり、上記ローディングカム装置14を出力側ディスク5側に設けている。但し、前述の図5〜7に示した様な、ローディングカム装置14を入力側ディスク2側に設けた場合に就いても、同様に、パワーローラ6の傾斜状態(揺動状態)によっては(減速状態の場合に)、当接部を支点とした入力側ディスク2の弾性変形に伴い、この入力側ディスク2の内周縁が入力軸1と干渉する(入力軸1を締め付ける)可能性がある。
何れにしても(何れのディスク2、5側にローディングカム装置14を設けた場合でも)、上述の様に一方のディスク20(5)の弾性変形に伴い、この一方のディスク20(5)の内周縁と入力軸1とが干渉した(入力軸1を締め付けた)場合には、この一方のディスク20(5)の軸方向変位が円滑に行なわれなくなる可能性がある。そして、この様に一方のディスク20(5)の軸方向変位が円滑に行なわれなくなると、上記各パワーローラ6の周面と入力側、出力側各ディスク2、5の内側面との当接部(トラクション部、転がり接触部)で押し付け力が低下する可能性がある。又、この様な押し付け力の低下が著しい場合には、上記当接部でグロススリップと呼ばれる有害な滑りを生じる可能性がある。この様な滑りは、伝達効率の低下や耐久性の低下に繋がる等、好ましくない。
特開平2−283949号公報 特開2002−303357号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、各パワーローラの傾斜状態に拘わらず、ローディングカム装置の押圧力に基づく一方のディスクの弾性変形の低減を図り、この弾性変形に伴う回転軸(例えば入力軸)との干渉(回転軸の締め付け)を防止できる構造を実現すべく発明したものである。
本発明のトロイダル型無段変速機は、前述した従来構造と同様に、入力側ディスク及び出力側ディスクと、複数個の支持部材と、複数個のパワーローラと、ローディングカム装置とを備える。
このうちの入力側ディスク及び出力側ディスクは、回転軸(例えば入力軸)と同心に設けられ、それぞれが断面円弧形のトロイド曲面である互いの内側面同士を対向させた状態で、互いに同心に、相対回転を自在に支持される。
又、上記各支持部材は、上記入力側ディスク及び出力側ディスクの中心軸に対し捻れの位置にある枢軸を中心として揺動する。
又、上記各パワーローラは、それぞれの周面を球状凸面としたもので、上記各支持部材に支持された状態で上記入力側ディスク及び出力側ディスク同士の間に挟持される。
又、上記ローディングカム装置は、上記入力側ディスクと上記出力側ディスクとの回転伝達時に、何れか一方のディスクを他方のディスクに向け押圧する。
この様なローディングカム装置は、カム板と、1対のカム面と、複数個のローラとを備える。
このうちのカム板は、上記一方のディスクと同心に配置されて回転するものである。
又、上記各カム面は、上記一方のディスクとカム板との互いに対向する面に、円周方向に関する凹凸として形成されたものである。
又、上記各ローラは、それぞれの中心軸を上記各カム面の放射方向に配置すると共に、それぞれの転動面をこれら各カム面と転がり接触する状態で、上記一方のディスクとカム板との間に挟持されたものである。
尚、これら各ローラは、必要に応じて保持器により転動自在に保持する。
特に、本発明のトロイダル型無段変速機に於いては、上記各パワーローラの傾斜状態に応じて上記各ローラを、上記一方のディスク並びにカム板の径方向に変位させる為のローラ変位手段を設ける。
この様なローラ変位手段は、例えば請求項2に記載した発明の様に、上記一方のディスクの内側面と上記各パワーローラの周面との当接部(トラクション部、転がり接触部)が、この一方のディスクの径方向内側寄り部分に位置する場合に、上記各ローラを上記一方のディスク並びにカム板の径方向内側に変位させるものとする。又、同じく、請求項3に記載した発明の様に、上記一方のディスクの内側面と上記各パワーローラの周面との当接部が、この一方のディスクの径方向外側寄り部分に位置する場合に、上記各ローラを上記一方のディスク並びにカム板の径方向外側に変位させるものとする。
より具体的には、例えば請求項4、5にそれぞれ記載した発明の様に、上記一方のディスクが上記入力側ディスクである場合には、上記ローラ変位手段は、この入力側ディスクと上記出力側ディスクとの間の変速比が減速状態である場合に、上記各ローラをこの入力側ディスク並びにカム板の径方向内側に、同じく変速比が増速状態である場合に、上記各ローラをこの入力側ディスク並びにカム板の径方向外側に、それぞれ変位させるものとする。又、例えば請求項6、7にそれぞれ記載した発明の様に、上記一方のディスクが上記出力側ディスクである場合には、上記ローラ変位手段は、上記入力側ディスクとこの出力側ディスクとの間の変速比が減速状態である場合に、上記各ローラをこの出力側ディスク並びにカム板の径方向外側に、同じく変速比が増速状態である場合に、上記各ローラをこの出力側ディスク並びにカム板の径方向内側に、それぞれ変位させるものとする。
上述の様に構成する本発明のトロイダル型無段変速機によれば、各パワーローラの傾斜状態に拘わらず、ローディングカム装置の押圧力に基づく一方のディスクの弾性変形の低減を図れ、この弾性変形に伴う回転軸(例えば入力軸)との干渉(回転軸の締め付け)を防止できる。
即ち、ローラ変位手段が、上記各パワーローラの傾斜状態に応じて、上記ローディングカム装置の構成部材である各ローラを、上記一方のディスク並びにカム板の径方向に変位させる。具体的には、上記一方のディスクの内側面と上記各パワーローラの周面との当接部(トラクション部、転がり接触部)が、上記一方のディスクの径方向内側寄り部分に位置する場合に、上記各ローラをこの一方のディスク並びに上記カム板の径方向内側に変位させる。又、同じく当接部が径方向外側寄り部分に位置する場合に、同じく各ローラを径方向外側に変位させる。この為、上記各パワーローラの傾斜状態に拘わらず、上記各ローラと上記当接部との径方向に関する距離を小さくして、上記一方のディスクが、上記各ローラを介して押圧される力に基づく、上記当接部を支点として弾性変形する程度を低減(緩和)できる。この結果、例えば上記当接部が径方向内側に位置する場合でも、上記一方のディスクの内周縁が上記回転軸に近付く程度を低減でき、これら内周縁と回転軸との干渉(回転軸の締め付け)を防止できる。
[実施の形態の第1例]
図1〜3は、請求項1〜3、6、7に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、本例の特徴は、各パワーローラ6の傾斜状態に応じて、ローディングカム装置14aを構成する各ローラ17、17を、出力側ディスク5の径方向に変位させる事により、このローディングカム装置14aが押圧する一方のディスク(本例の場合は出力側ディスク5)の内周縁と回転軸(本例の場合には入力軸1)との干渉(回転軸の締め付け)を防止する点にある。その他の部分の構造及び作用は、前述の図5〜7に示した従来構造と同様であるから、重複する図示並びに説明を省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
本例の場合は、各パワーローラ6の傾斜状態に応じて上記各ローラ17、17を、上記出力側ディスク5並びにカム板15の径方向に変位させる為のローラ変位手段21を備える。このローラ変位手段21は、上記各ローラ17、17を、上記出力側ディスク5並びにカム板15の径方向に押し引きする為の複数個(本例の場合は各ローラ17、17の数と同じ4個)の油圧アクチュエータ22、22と、上記各油圧アクチュエータ22、22のピストン23(図3)にそれぞれ固定された押圧片24、24とを備える。これら各押圧片24、24は、上記各ローラ17、17の端面と対向する各内側面を、これら各ローラ17、17の端面から離れる方向に凹入した凹曲面としている。尚、必要に応じて、上記各ローラ17、17の端面を、これら各押圧片24、24の凹曲面に倣った凸曲面とする事ができる。
又、上記各油圧アクチュエータ22、22の油圧室25(図3)への圧油の給排状態は、制御器26(ECU:電子制御装置)の制御信号により切換状態を切り換えられる電磁弁27により調節する。即ち、この電磁弁27は、ソレノイドへの通電に基づいてスプール28を変位させるもので、このスプール28の変位に基づき、油圧ポンプ30が油溜29から吸引して吐出した圧油の、上記各油圧アクチュエータ22、22の油圧室25内への導入状態を切り換える。そして、この圧油の導入に基づき、上記各ローラ17、17を、上記出力側ディスク5並びにカム板15の径方向に変位若しくは所望位置に保持する(径方向の位置を調節する)。上記各油圧アクチュエータ22、22は、このカム板15の外周縁部等、前記ローディングカム装置14aと共に回転する部分に設けている。例えば、図1の(B)に示す様に、上記出力側ディスク5の内側面と上記各パワーローラ6の周面との当接部(トラクション部、転がり接触部)が、この出力側ディスク5の径方向内側寄り部分に位置する(増速状態の)場合には、上記制御器26の制御信号により上記電磁弁27を通電状態にし、この電磁弁27のスプール28をばねの弾力に抗して図2の左方に変位させる。この結果、上記各油圧アクチュエータ22、22の油圧室25に圧油が導入され、これら各油圧アクチュエータ22、22のピストン23並びに押圧片24、延いては、上記各ローラ17、17が、上記出力側ディスク5並びにカム板15の径方向内側に変位する。
一方、例えば、図1の(A)に示す様に、上記出力側ディスク5の内側面と上記各パワーローラ6の周面との当接部(トラクション部、転がり接触部)が、この出力側ディスク5の径方向外側寄り部分に位置する(減速状態の)場合には、上記制御器26の制御信号により上記電磁弁27を非通電状態にし、この電磁弁27のスプール28をばねの弾力に基づき図2の右方に変位させる。この結果、上記各油圧アクチュエータ22、22の油圧室25が油溜(ドレン)29に通じ、これら各油圧アクチュエータ22、22のピストン23並びに押圧片24、延いては、上記各ローラ17、17が、前記ローディングカム装置14aの回転に基づく遠心力により、上記出力側ディスク5並びにカム板15の径方向外側に変位する傾向となる。尚、この様な径方向外側への変位をより確実にする為に、必要に応じて、例えば上記各ローラ17、17の内径側端面(押圧片24と反対側の端面)に圧縮ばねを設ける事もできる。上記各ローラ17、17の径方向位置を固定する場合には、上記電磁弁27のスプール28を、図2の中間の状態とする。
尚、上記出力側ディスク5の内側面と上記各パワーローラ6の周面との当接部(トラクション部、転がり接触部)の位置は、例えばトロイダル型無段変速機の変速比を計測する事により、又は、上記各パワーローラ6を支持するトラニオン7(図6、7参照)の枢軸9(図7参照)を中心とする揺動量(回転量)を検出する事により、求める事ができる。この場合に、上記変速比は、例えば入力側、出力側各ディスク2、5の回転速度を回転センサにより検出し、これら両ディスク2、5の回転速度の比として求める事ができる。又、上記揺動量は、例えば上記トラニオン7に対向する状態で設けた角度センサにより検出する事ができる。何れの場合も、回転センサや角度センサからの信号を、上記制御器26に入力すると共に、この制御器26により上記当接部の位置を判定し、上記電磁弁27の切り換え状態、延いては、上記油圧アクチュエータ22、22の油圧室25内に導入する油圧の給排状態を調節する(制御する)。
上述の様な本例の場合は、各パワーローラ6の傾斜状態に拘わらず、ローディングカム装置14aの押圧力に基づく出力側ディスク5の弾性変形の低減を図れ、この弾性変形に伴う入力軸1との干渉(入力軸1の締め付け)を防止できる。
即ち、上記ローラ変位手段21が、上述した様に、上記各パワーローラ6の傾斜状態に応じて、上記ローディングカム装置14aを構成する各ローラ17、17を、上記出力側ディスク5並びにカム板15の径方向に変位させる。この為、上記各パワーローラ6の傾斜状態に拘わらず、即ち、図1の(A)の状態でも(B)の状態でも、上記各ローラ17、17と前記当接部(トラクション部、転がり接触部)との径方向に関する距離を小さくして、上記出力側ディスク5が、上記各ローラ17、17を介して押圧される力に基づく、上記当接部を支点として弾性変形する程度を低減(緩和)できる。この結果、例えば図1の(B)に示す様に、上記当接部が径方向内側寄り部分に位置する場合でも、上記出力側ディスク5の内周縁が上記入力軸1に近付く程度を低減でき、これら内周縁と入力軸1との干渉(入力軸1の締め付け)を防止できる。
尚、本例の場合は、ローディングカム装置14aを出力側ディスク5側に設けているが、この様な構造に限定するものではない。即ち、前述の図5〜6に示す様に、ローディングカム装置14aを入力側ディスク2側に設ける場合もある。この様な場合、ローラ変位手段21は、この入力側ディスク2の内側面と各パワーローラ6の周面との当接部(トラクション部、転がり接触部)が、この入力側ディスク2の径方向内側寄り部分に位置する(減速状態の)場合に、上記各ローラ17、17をこの入力側ディスク2並びにカム板15の径方向内側に変位させる。又、同じく当接部が径方向外側寄り部分に位置する(増速状態の)場合に、上記各ローラ17、17を同じく径方向外側に変位させる。
又、前記制御器26乃至は前記電磁弁27に電力が供給(通電)されない状態(OFF)での、上記各ローラ17、17の位置、即ち、この様なOFF状態で、これら各ローラ17、17を径方向内側に位置させるか同じく外側に位置させるかは、例えば上記ローディングカム装置14aが出力側ディスク5側に設けられているか入力側ディスク2側に設けられているかにより決定する。即ち、車両に搭載されるトロイダル型無段変速機の場合、上記OFF状態での各ローラ17、17の位置は、エンジン(駆動源)の始動時の変速比(に対応する当接部の位置)に応じた位置に設定する事が好ましい。この様に設定すれば、上記エンジンの始動時でも、上記電磁弁27に通電される以前の状態から、上記当接部に応じた位置に上記各ローラ17、17を位置させられる為である。
例えば、上記エンジンの始動が減速状態で行なわれる場合で、上記ローディングカム装置14aが出力側ディスク5側に設けられている場合には、上記OFF状態で上記各ローラ17、17は外径側に位置する様に設定する。又、同じくローディングカム装置14aが入力側ディスク2側に設けられている場合には、上記OFF状態で上記各ローラ17、17は内径側に位置する様に設定する。又、例えば、上記エンジンの始動が増速状態で行なわれる場合で、上記ローディングカム装置14aが入力側ディスク2側に設けられている場合には、上記OFF状態で上記各ローラ17、17は外径側に位置する様に設定する。又、同じくローディングカム装置14aが出力側ディスク5側に設けられている場合には、上記OFF状態で上記各ローラ17、17は内径側に位置する様に設定する。
[実施の形態の第2例]
図4は、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例のローラ変位手段21aは、1個の油圧アクチュエータ22aと、この油圧アクチュエータ22aのロッドにより押し引きされるバンド31とを備える。このバンド31は、ローディングカム装置14aを構成する総てのローラ17、17の端面に当接する状態で、且つ、このローディングカム装置14aを巻回する(輪になった)状態で設けられている。そして、上記油圧アクチュエータ22aのロッドの押し引きに伴って、上述の様に輪になった上記バンド31の内径寸法を拡縮自在としている。例えば、上記油圧アクチュエータ22aの油圧室に圧油を導入する事で、図4の(A)に示す様に上記バンド31の内径寸法を大きくし、同じく油圧室から圧油を排出する事で、同図(B)に示す様に同じく内径寸法を小さくする。そして、この様に輪になったバンド31の内径の変化に基づき、上記各ローラ17、17を、一方のディスク、即ち、出力側ディスク5乃至は入力側ディスク2並びにカム板15の径方向に変位させる。
その他の構成及び作用は、上述した実施の形態の第1例と同様であるから、重複する説明は省略する。
本発明の実施の形態の第1例を示す、図8と同様の図で、(A)は減速状態を、(B)は増速状態を、それぞれ示している。 ローラ変位手段の構成を示す模式図。 ローラ変位手段の一部を取り出して示す斜視図。 本発明の実施の形態の第2例を示す、図2と同様の図で、(A)は各ローラを径方向外側に位置させた状態を、(B)は同じく径方向内側に位置させた状態を、それぞれ示している。 従来から知られているトロイダル型無段変速機の1例を示す断面図。 図5のイ−イ断面図。 同ロ−ロ断面図。 トロイダル型無段変速機の別例を示す、半部断面図。
符号の説明
1 入力軸
2 入力側ディスク
3 ボールスプライン
4 出力歯車
5 出力側ディスク
6 パワーローラ
7 トラニオン
8 支持軸
9 枢軸
10 アクチュエータ
11 支持板
12 変速比制御弁
13 駆動軸
14、14a ローディングカム装置
15 カム板
16 保持器
17 ローラ
18 駆動側カム面
19 被駆動側カム面
20 一方のディスク
21、21a ローラ変位手段
22、22a 油圧アクチュエータ
23 ピストン
24 押圧片
25 油圧室
26 制御器
27 電磁弁
28 スプール
29 油溜
30 油圧ポンプ
31 バンド

Claims (7)

  1. 回転軸と同心に設けられ、それぞれが断面円弧形のトロイド曲面である互いの内側面同士を対向させた状態で、互いに同心に、相対回転を自在に支持された入力側ディスク及び出力側ディスクと、これら入力側ディスク及び出力側ディスクの中心軸に対し捻れの位置にある枢軸を中心として揺動する複数個の支持部材と、これら各支持部材に支持された状態で上記入力側ディスク及び出力側ディスク同士の間に挟持された、それぞれの周面を球状凸面とした複数個のパワーローラと、上記入力側ディスクと上記出力側ディスクとの回転伝達時に、何れか一方のディスクを他方のディスクに向け押圧するローディングカム装置とを備え、このローディングカム装置は、上記一方のディスクと同心に配置されて回転するカム板と、これら一方のディスクとカム板との互いに対向する面に、円周方向に関する凹凸として形成された1対のカム面と、それぞれの中心軸をこれら各カム面の放射方向に配置すると共にそれぞれの転動面をこれら各カム面と転がり接触する状態で、上記一方のディスクとカム板との間に挟持された複数個のローラとを備えたものであるトロイダル型無段変速機に於いて、上記各パワーローラの傾斜状態に応じて上記各ローラを、上記一方のディスク並びにカム板の径方向に変位させる為のローラ変位手段を設けた事を特徴とするトロイダル型無段変速機。
  2. ローラ変位手段は、一方のディスクの内側面と各パワーローラの周面との当接部が、この一方のディスクの径方向内側寄り部分に位置する場合に、上記各ローラを上記一方のディスク並びにカム板の径方向内側に変位させる、請求項1に記載したトロイダル型無段変速機。
  3. ローラ変位手段は、一方のディスクの内側面と各パワーローラの周面との当接部が、この一方のディスクの径方向外側寄り部分に位置する場合に、上記各ローラを上記一方のディスク並びにカム板の径方向外側に変位させる、請求項1〜2のうちの何れか1項に記載したトロイダル型無段変速機。
  4. 一方のディスクが入力側ディスクであり、ローラ変位手段は、この入力側ディスクと出力側ディスクとの間の変速比が減速状態である場合に、各ローラをこの入力側ディスク並びにカム板の径方向内側に変位させる、請求項1〜3のうちの何れか1項に記載したトロイダル型無段変速機。
  5. 一方のディスクが入力側ディスクであり、ローラ変位手段は、この入力側ディスクと出力側ディスクとの間の変速比が増速状態である場合に、各ローラをこの入力側ディスク並びにカム板の径方向外側に変位させる、請求項1〜4のうちの何れか1項に記載したトロイダル型無段変速機。
  6. 一方のディスクが出力側ディスクであり、ローラ変位手段は、入力側ディスクとこの出力側ディスクとの間の変速比が減速状態である場合に、各ローラをこの出力側ディスク並びにカム板の径方向外側に変位させる、請求項1〜3のうちの何れか1項に記載したトロイダル型無段変速機。
  7. 一方のディスクが出力側ディスクであり、ローラ変位手段は、入力側ディスクとこの出力側ディスクとの間の変速比が増速状態である場合に、各ローラをこの出力側ディスク並びにカム板の径方向内側に変位させる、請求項1〜3、6のうちの何れか1項に記載したトロイダル型無段変速機。
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