JP4748370B2 - トロイダル型無段変速機 - Google Patents
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Description
カム面は、中央部を除くドーナッツ状の円形に形成され、カム面を均等に四分割するように周方向に沿って等間隔に放射状(十字状)に平坦部46b,…が形成されている。これら平坦部46b,46b同士の間に2つの斜面46e,46eからなるとともに、入力軸の軸回りとなる周方向の中間部が最も低くなったV字状の凹部46cが形成されている。2つの斜面が付き合わされて前記凹部46の最深部46dとなる入隅部には、ローラ(転動体)48の半径と同じ曲率半径Rの円弧面が形成されている。すなわち、ローラ48の半径と同じRが付けられている(例えば、特許文献1参照)。
すなわち、最深部46dに形成した円弧面の曲率半径Rをローラ48の半径と同程度に加工するには、回転工具の外周面の径をローラ48の直径とほぼ同程度にする必要があるが、例えば、自動車の変速機として搭載される程度の大きさのトロイダル型無段変速機におけるローラ48の外径は、回転工具の外径としては、それほど大きなものではなく、加工時に弾性変形する可能性があり、回転工具を被加工面に押圧する力を大きくできない。
この場合に、加工に長い時間がかかることになる。
また、加工時間の短縮を図るために、回転工具を被加工面に押圧する力を大きくすると回転工具が弾性変形して加工精度が低下してしまう。回転工具を被加工面に押圧する力を小さくしても回転工具に多少の弾性変形が生じ、その分の加工精度は低下してしまう。
特許文献1では、加工方法を工夫することで、上記問題の一部を解決し、加工時間の短縮と加工精度の向上を図っているが、さらなる加工時間の短縮と加工精度の向上が望まれていた。
前記押圧装置は、前記入力側ディスクの前記パワーローラが接触する面の反対となる背面に形成されたカム面と、前記駆動軸と共に回転するとともに、前記入力側ディスクのカム面に対向するカム面を備えたカム板と、このカム板のカム面と前記入力側ディスクのカム面との間で転動自在に保持される複数の転動体とを有するトロイダル型無段変速機において、
前記入力側ディスクのカム面および前記カム板のカム面には、前記転動体が転動する位置にそれぞれ入力軸の軸回りとなる周方向の中間部が最も低くなるV字状の凹部が形成され、
当該凹部の最深部となる入隅部は、曲率半径Rの円弧面とされるとともに、前記曲率半径Rが前記転動体の半径より大きくされ、
かつ、前記転動体が、前記凹部の最深部からV字状の凹部を構成する左右の斜面側のいずれかに、前記凹部の前記入隅部に形成された曲率半径Rの円弧面の範囲内で乗り上げた際に、前記転動体の前記入力軸の軸方向に沿った最大乗り上げ量が、前記回転力が入力する前から前記回転力の入力に基づく前記押圧装置の押圧力が前記予圧ばねによる予圧を超えるまでの予圧ばねの前記入力軸の軸方向に沿った変位量以下とされていることを特徴とする。
前記予圧ばねの変位量が、前記回転力が入力する前の予圧ばねの状態から回転力が入力した後にさらに圧縮されてつぶれるように設定された予圧ばねのつぶれ代となる変位量であるものとしてもよい。
また、凹部の最深部の前記Rを転動体の径よりも大きくした場合に、転動体が転動開始した際に、凹部の直線状(平面状)の斜面ではなく曲線状(曲面状)のR部分(円弧部分)を転動することで、転動開始してから転動体が円弧部分から斜面側に移動するまで、押圧装置において、入力する回転トルクに対する押圧力が比例した状態とならない。しかし、凹部の底に付けられた曲率半径Rの円弧面の範囲内での凹部の最深部から斜面側への転動体の最大乗り上げ量が前記回転力が入力する前から前記回転力の入力に基づく押圧装置の押圧力が予圧ばねによる予圧を超えるまでの予圧ばねの前記入力軸の軸方向に沿った変位量(予圧ばねのつぶれ代)より小さくされているので、転動体がR部分を転動する際の入力側ディスクおよび出力側ディスクとパワーローラとの間に作用する押圧力は、主に予圧ばねの予圧力に対応するものとなり、押圧装置による未だ小さな状態の押圧力が入力する回転トルクと比例していなくても特に問題がない。
すなわち、押圧装置の押圧力に問題を生じることなく、凹部の最深部の円弧面の曲率半径Rを大きくすることで、大きなRの2倍となる径の太い回転工具を使って、カム面の加工時間の短縮と加工精度の向上を図ることができる。
ここで、図1(A)は、この例のトロイダル型無段変速機のローディングカム式の押圧装置におけるカム推力(入力軸の軸方向に沿った押圧力)と、駆動軸から入力軸および入力側ディスクに入力されるトルク(回転トルク)との関係を示すグラフである。
また、図1(B)は、前記押圧装置の入力側ディスクの背面と、カム板(ローディングカム)とにそれぞれ形成されるカム面46aのV字状の凹部46cと前記ローラ(転動体)48を示すものである。
なお、図1(B)の最深部46d部分の下側の破線は、従来のローラ48の半径と同じ曲率半径Rの円弧面を示すものである。
そして、凹部46cの最深部46dのRが付けられた範囲(円弧面の左右幅)は、例えば、ローラ48の直径より僅かに広い範囲となっている。そして、Rが付けられた範囲の外側は、直線状の斜面46e,46eとなっている。
なお、この例では、上述のようにローラ48が転動開始した際に、Rの範囲内を転動した後に斜面46e、46eに至るので、破線で示されるV字状のラインのうちの入隅部近傍においては完全な直線(比例関係)とはならない。
また、実際には、上述のローラの転がり滑り運動により発生する摩擦力によりヒステリシス現象が発生し、回転トルクの変化に対するカム推力の実測値は、実線で示すグラフとなる。
図2に示されるように、従来においては、カム面46aの凹部46cの最深部46dに設けられた曲率半径Rの円弧面のRがローラ48の半径に等しいことから、ローラ48の回転中心の軌跡がV字状となり、これに基づき回転トルクに対するカム推力のローラ48の上述の摩擦を無視した計算値も直線からなるV字状となる。なお、実際の推力は、上述のように摩擦によりヒステリシス現象が発生しローラ48が凹部46cの斜面46eを上るときと下るときでカム推力にずれが生じる。
一方、図2(B)に示す本発明では、カム面46aの凹部46cの最深部46dに設けられた曲率半径Rの円弧面のRがローラ48の半径より大きいことから、ローラ48の回転中心の軌跡が円弧面に対応する部分で直線とならず、円弧に沿った曲線となり、この部分で回転トルクに対してカム推力が比例した状態とならない。しかし、後述するようにローラ48がカム面46aの凹部46cの最深部46dの円弧面を転動している間のカム推力は、予圧ばねによる予圧力以下なのでカム推力が入力される回転トルクに比例しなくても機能上問題が発生しない。すなわち、カム面46aのローラ48の半径より大きな曲率半径Rの円弧面をローラ48が転動する範囲において発生するカム推力が予圧ばねの予圧力より低くなるように、円弧面の範囲が設定されていればよい。
この予圧ばね(例えば、皿ばね)により主に押圧力が発生している状態においては、押圧装置により発生するカム推力は予圧ばねによる予圧より小さく押圧力に対する影響が小さなものとなっている。特に、この際に予圧ばねが変位している場合、例えば、圧縮するように変位している場合には、押圧装置において、ローラ48が斜面もしくは曲率半径Rの円弧面の範囲を上るように転動し、カム板と入力側ディスクが離れるように移動していても、押圧力が主に予圧ばねの予圧により決まるため、押圧装置による押圧力を無視しても機能上問題ない。
また、前記予圧ばねが圧縮ばねとされ、前記予圧ばねの変位量が、前記回転力が入力する前の予圧ばねの状態から回転力が入力した後にさらに圧縮されてつぶれるように設定された予圧ばねのつぶれ代となる変位量であることになる。
また、予圧ばねの前記変位量を予圧ばねのつぶれ代とする場合に、予圧ばねは圧縮ばねであり、例えば、前記皿ばねとなる。また、押圧装置において、ローラ48が凹部46cにおいて、最深部46dから転動して曲率半径Rの円弧面もしくは斜面46e,46eに乗り上げる場合に、つぶれ代分圧縮されることから、主な予圧ばねは、押圧装置と直列の関係で配置される。
そして、カム面46aの凹部46cにおいて、その最深部46dの入隅部に形成された円弧面の曲率半径Rをローラ48の半径より大きくしたことにより、切削加工によりカム面46aを形成する際の回転工具にローラ48の径より大きな径の回転工具を使用することが可能となり、このローラ48より径の大きな回転工具を用いることで、加工中における回転工具の弾性変形を防止することができる。
これにより、回転工具の被加工面への押圧力を高めても回転工具の弾性変形量が低減される。そして、回転工具の被加工面への押圧力を高めることでカム面46aの加工時間の短縮を図るとともに精度の向上を図ることができる。
2 入力側ディスク
2b カム面
4 出力側ディスク
11 パワーローラ
45 押圧装置
46 ローディングカム(カム板)
46a カム面
46c 凹部
46d 最深部
46e 斜面
200 駆動軸
310 皿ばね(予圧ばね)
312 皿ばね(予圧ばね)
Claims (2)
- 駆動源からの回転力を伝える駆動軸と、当該駆動軸から回転力を受ける入力軸に結合され且つ前記入力軸と一体で回転する入力側ディスクと、当該入力側ディスクとの間に設けられたパワーローラを介して前記入力側ディスクの回転力を前記パワーローラの状態に基づいた変速比で受ける出力側ディスクと、前記入力側ディスクと前記駆動軸との間に配置され且つ前記駆動軸の回転力に応じて前記入力側ディスクおよび前記出力側ディスクと前記パワーローラとの間に押圧力を付与するとともに、前記駆動軸の回転力を前記入力側ディスクに伝達するローディングカム式の押圧装置と、前記入力側ディスクおよび出力側ディスクと前記パワーローラとの間に予圧を付与する予圧ばねとを備え、
前記押圧装置は、前記入力側ディスクの前記パワーローラが接触する面の反対となる背面に形成されたカム面と、前記駆動軸と共に回転するとともに、前記入力側ディスクのカム面に対向するカム面を備えたカム板と、このカム板のカム面と前記入力側ディスクのカム面との間で転動自在に保持される複数の転動体とを有するトロイダル型無段変速機において、
前記入力側ディスクのカム面および前記カム板のカム面には、前記転動体が転動する位置にそれぞれ入力軸の軸回りとなる周方向の中間部が最も低くなるV字状の凹部が形成され、
当該凹部の最深部となる入隅部は、曲率半径Rの円弧面とされるとともに、前記曲率半径Rが前記転動体の半径より大きくされ、
かつ、前記転動体が、前記凹部の最深部からV字状の凹部を構成する左右の斜面側のいずれかに、前記凹部の前記入隅部に形成された曲率半径Rの円弧面の範囲内で乗り上げた際に、前記転動体の前記入力軸の軸方向に沿った最大乗り上げ量が、前記回転力が入力する前から前記回転力の入力に基づく前記押圧装置の押圧力が前記予圧ばねによる予圧を超えるまでの予圧ばねの前記入力軸の軸方向に沿った変位量以下とされていることを特徴とするトロイダル型無段変速機。 - 前記予圧ばねが圧縮ばねとされ、
前記予圧ばねの変位量が、前記回転力が入力する前の予圧ばねの状態から回転力が入力した後にさらに圧縮されてつぶれるように設定された予圧ばねのつぶれ代となる変位量であることを特徴とする請求項1に記載のトロイダル型無段変速機。
Priority Applications (1)
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JP2006260433A JP4748370B2 (ja) | 2006-09-26 | 2006-09-26 | トロイダル型無段変速機 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006260433A JP4748370B2 (ja) | 2006-09-26 | 2006-09-26 | トロイダル型無段変速機 |
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2006
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