JP2015161324A - ベルト変速装置の冷却構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】Vベルト式無段変速機構を収容するベルト室内の冷却用空気の流動に対する抵抗を減らして、ベルト変速装置の冷却効率を向上させる。
【解決手段】ドライブプーリ23と、ドリブンプーリ24と、ドライブプーリ23とドリブンプーリ24に巻き掛けられるVベルト25とを含むVベルト式無段変速機構が、ベルトケース20とベルトカバー21とにより形成されるベルト室22に収容される。ドライブプーリ23には、冷却ファン28が回転一体に設けられている。また、ベルトケース20には、ドライブプーリ23とドリブンプーリ24との間に排気口29が形成されている。ベルトケース20の内面を覆うケースシュラウド32を装着し、その内側をベルト室22とする。ケースシュラウド32には、ベルト室22内を流動した冷却用空気を排気口29に導風する導風部33が設けられている。
【選択図】図4
【解決手段】ドライブプーリ23と、ドリブンプーリ24と、ドライブプーリ23とドリブンプーリ24に巻き掛けられるVベルト25とを含むVベルト式無段変速機構が、ベルトケース20とベルトカバー21とにより形成されるベルト室22に収容される。ドライブプーリ23には、冷却ファン28が回転一体に設けられている。また、ベルトケース20には、ドライブプーリ23とドリブンプーリ24との間に排気口29が形成されている。ベルトケース20の内面を覆うケースシュラウド32を装着し、その内側をベルト室22とする。ケースシュラウド32には、ベルト室22内を流動した冷却用空気を排気口29に導風する導風部33が設けられている。
【選択図】図4
Description
本発明は、Vベルト式無段変速機構を収容するベルト室に冷却用空気を導入して、Vベルト式無段変速機構を冷却するベルト変速装置の冷却構造に関する。
自動二輪車に搭載されるベルト変速装置、特にVベルトを用いたVベルト式無段変速機構では、Vベルトとドライブプーリ及びドリブンプーリとの摺接による摩擦熱等によってベルト変速装置内の温度が上昇する。ベルト変速装置内の温度が過度に上昇するとベルトの耐久性が低下する等の弊害があることから、ベルト変速装置内に冷却用空気として外気を導入して、ドライブプーリに回転一体に設けられた冷却ファンにより冷却用空気を流動させて、ベルト変速装置を冷却するようにしている。
この種の技術として、特許文献1には、無段変速機において、プライマリプーリとセカンダリプーリとを回転自在に収容するケースに、冷却風の吸入領域から吐出領域に向けてファンブレードの先端面から径方向外方に徐々に離れるスクロール面を形成し、前記ファンブレードの先端面と前記スクロール面との間を流れる冷却風の流路を区画して冷却風を前記ファンブレードの回転方向に整流する整流板をケースに取り付ける構成が開示されている。冷却風の吸入領域から吐出領域に向けてファンブレードの先端面から徐々に離れるスクロール面をケースに形成するようにしたので、吐出された冷却風の流れを阻害する背圧を抑制することができ、冷却風の送風効率を高めることができる。
また、特許文献2には、変速ケースに無段変速ベルト及び無段変速プーリを内設させ、エンジン出力を変速ケースを介し各駆動部に無段変速自在に伝達するようにした移動農機において、前記変速プーリの外側壁に冷却用ファンを一体的に設けると共に、該ファンに対向する変速ケースの内側壁とファンとの間に仕切壁を設ける構成が開示されている。仕切壁を設けて、変速ケース内に取入れた外気を該ケース内側壁と仕切壁との間の空間風路を通して良好にプーリ及びベルト方向に送り込んで効果的な冷却を行うものである。
Vベルト式無段変速機構を収容するケースの内面には、剛性を向上させるためのリブや駄肉抜きによる凹凸が形成されている。そのため、これらリブや凹凸により冷却用空気の流路の断面変化が生じ、ベルト室内の冷却用空気の流動に対する抵抗が増大してしまう。その結果、圧損が増えて、流速の低下、さらにはベルト変速装置の冷却効率の悪化を招くおそれがある。
特許文献1や特許文献2では、このようなリブや凹凸による影響は考慮されていない。
特許文献1や特許文献2では、このようなリブや凹凸による影響は考慮されていない。
本発明は、上記のような点に鑑みてなされたものであり、Vベルト式無段変速機構を収容するベルト室内の冷却用空気の流動に対する抵抗を減らして、ベルト変速装置の冷却効率を向上させることを目的とする。
本発明のベルト変速装置の冷却構造は、ドライブプーリと、ドリブンプーリと、前記ドライブプーリと前記ドリブンプーリに巻き掛けられるVベルトとを含むVベルト式無段変速機構を備え、前記Vベルト式無段変速機構を、ベルトケースと前記ベルトケースの開口を覆うベルトカバーとにより形成されるベルト室に収容し、前記ベルト室内に導入される冷却用空気を、前記ドライブプーリに回転一体に設けられた冷却ファンにより流動させて、前記Vベルト式無段変速機構を冷却するベルト変速装置の冷却構造であって、前記ベルトケースに形成され、前記ドライブプーリと前記ドリブンプーリとの間に位置する排気口と、前記ベルトケースの内面を覆うように装着され、その内側を前記ベルト室とするケースシュラウドとを備え、前記ケースシュラウドには、前記ベルト室内を流動した冷却用空気を前記排気口に導風する導風部が設けられていることを特徴とする。
また、本発明のベルト変速装置の冷却構造の他の特徴とするところは、前記ケースシュラウドには、前記ベルト室をベルト室上部空間及びベルト室下部空間に区画する凸部が設けられている点にある。
また、本発明のベルト変速装置の冷却構造の他の特徴とするところは、前記導風部は、前記排気口に向かって流路断面が徐々に広くなるディフューザ構造を有する点にある。
また、本発明のベルト変速装置の冷却構造の他の特徴とするところは、前記冷却ファンの周囲の空間を、前記Vベルトが走行する空間から仕切るファンシュラウドを備えた点にある。
また、本発明のベルト変速装置の冷却構造の他の特徴とするところは、前記冷却ファンの周囲に、前記冷却ファンの回転駆動方向に向かうに従って径方向外方に徐々に離れるスクロール面が形成されている点にある。
また、本発明のベルト変速装置の冷却構造の他の特徴とするところは、前記ケースシュラウドには、前記ベルト室をベルト室上部空間及びベルト室下部空間に区画する凸部が設けられている点にある。
また、本発明のベルト変速装置の冷却構造の他の特徴とするところは、前記導風部は、前記排気口に向かって流路断面が徐々に広くなるディフューザ構造を有する点にある。
また、本発明のベルト変速装置の冷却構造の他の特徴とするところは、前記冷却ファンの周囲の空間を、前記Vベルトが走行する空間から仕切るファンシュラウドを備えた点にある。
また、本発明のベルト変速装置の冷却構造の他の特徴とするところは、前記冷却ファンの周囲に、前記冷却ファンの回転駆動方向に向かうに従って径方向外方に徐々に離れるスクロール面が形成されている点にある。
本発明によれば、ベルトケースの内面を覆うケースシュラウドを装着するので、ベルト室内の冷却用空気の流動に対する抵抗を減らすことができる。これにより、圧損を少なくして、流速の低下を防ぎ、ベルト変速装置の冷却効率を向上させることができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。
図1は、本発明に係るベルト変速装置の冷却構造が適用されたスクータ型車両を示す左側面図である。本願において方向をいう場合、車両の前方(矢印Fr)を前、後方(矢印Rr)を後とした方向を意味するものとする。
スクータ型車両1は、例えば鋼管製の車体フレーム2を有する。車体フレーム2は前部に位置するヘッドパイプ3からダウンチューブ4が後下方に延び、その下端付近から折曲されて水平方向後方に延びて終端している。
図1は、本発明に係るベルト変速装置の冷却構造が適用されたスクータ型車両を示す左側面図である。本願において方向をいう場合、車両の前方(矢印Fr)を前、後方(矢印Rr)を後とした方向を意味するものとする。
スクータ型車両1は、例えば鋼管製の車体フレーム2を有する。車体フレーム2は前部に位置するヘッドパイプ3からダウンチューブ4が後下方に延び、その下端付近から折曲されて水平方向後方に延びて終端している。
ダウンチューブ4の後端部から左右一対のリアフレーム5が斜め後上方に立ち上がり、所定の高さで緩やかに屈曲して後上方或いは後方に延びる。左右のリアフレーム5により燃料タンクや収納ボックスが支持され、その上にシート6が配置される。また、ダウンチューブ4の後端にはスイングブラケットが設けられ、このスイングブラケットにユニットスイング型エンジン7が揺動自在に支持される。
ヘッドパイプ3には、前輪8を支持するフロントフォーク9が、ハンドルバー10やヘッドランプ11等と共に左右回転自在に軸支され、ハンドルバー10を回動させることにより前輪8が操舵される。
ユニットスイング型エンジン7は、エンジン12とベルト変速装置13とが一体的に構成され、その後部右側に駆動輪としての後輪14が軸支される。ユニットスイング型エンジン7では、エンジン12の動力がベルト変速装置13で変速されて、遠心クラッチ機構15及び減速ミッション機構を介して後輪軸に伝達され、後輪14を駆動させる。
ユニットスイング型エンジン7は、後輪14と共に揺動軸16回りに上下方向に揺動して後輪14のスイングアームの役割を果たしており、その揺動はリアクッションユニット17により緩衝される。
ユニットスイング型エンジン7は、後輪14と共に揺動軸16回りに上下方向に揺動して後輪14のスイングアームの役割を果たしており、その揺動はリアクッションユニット17により緩衝される。
エンジン12は、例えば単気筒4サイクルエンジンであり、クランクケース18の前部から車両前方に向ってシリンダアッセンブリが略水平方向に前傾して延出される。シリンダアッセンブリ内のピストンの往復動により、クランクシャフト19が回転駆動される。
また、エンジン12のクランクケース18の左側部からベルト変速装置13が一体に併設されて後方に延びている。
図2は、ユニットスイング型エンジン7においてベルトカバー21を取り外した状態を示す斜視図である。クランクケース18の左側半体は、ベルトケース20と一体に構成される。ベルトケース20は、底面20aとその周囲の周囲壁20bとを有する。ベルトケース20の開口は、車幅方向外側から樹脂製のベルトカバー21で覆われ、内部に乾式のベルト室22が構成される。
ベルト室22には、ベルト変速装置13を構成するVベルト式無段変速機構が収容される。Vベルト式無段変速機構は、ドライブプーリ23と、ドリブンプーリ24と、これらドライブプーリ23とドリブンプーリ24に巻き掛けられるVベルト25とを有する。ドライブプーリ23は、クランクシャフト19を駆動軸とする。ドリブンプーリ24は、ドリブンシャフト26に浮動状態に支持され、遠心クラッチ機構15を介してドリブンシャフト26にクラッチ連結される。ドリブンシャフト26は、ベルトケース20の底面20aを貫いて湿式のミッション室内に突出しており、減速ミッション機構の入力軸を構成している。減速ミッション機構は多段の減速ギア列で構成され、その出力軸は後輪軸を構成し、この後輪軸に後輪14が設けられる。
図2は、ユニットスイング型エンジン7においてベルトカバー21を取り外した状態を示す斜視図である。クランクケース18の左側半体は、ベルトケース20と一体に構成される。ベルトケース20は、底面20aとその周囲の周囲壁20bとを有する。ベルトケース20の開口は、車幅方向外側から樹脂製のベルトカバー21で覆われ、内部に乾式のベルト室22が構成される。
ベルト室22には、ベルト変速装置13を構成するVベルト式無段変速機構が収容される。Vベルト式無段変速機構は、ドライブプーリ23と、ドリブンプーリ24と、これらドライブプーリ23とドリブンプーリ24に巻き掛けられるVベルト25とを有する。ドライブプーリ23は、クランクシャフト19を駆動軸とする。ドリブンプーリ24は、ドリブンシャフト26に浮動状態に支持され、遠心クラッチ機構15を介してドリブンシャフト26にクラッチ連結される。ドリブンシャフト26は、ベルトケース20の底面20aを貫いて湿式のミッション室内に突出しており、減速ミッション機構の入力軸を構成している。減速ミッション機構は多段の減速ギア列で構成され、その出力軸は後輪軸を構成し、この後輪軸に後輪14が設けられる。
また、後輪14を挟んでベルト変速装置13と反対側(車幅方向右側)では、ユニットスイング型エンジン7にマフラ27が接続し、エンジン12の燃焼後の排気ガスが排気される。
以下、ベルト変速装置13の冷却構造について詳細に説明する。
本実施形態では、詳しくは後述するが、ベルトケース20の内面を覆うケースシュラウド32を装着する。
図2は、ケースシュラウド32の未装着状態を示す。それに対して、図3、図4は、ケースシュラウド32の装着状態を示す。図3は、ユニットスイング型エンジン7においてベルトカバー21を取り外した状態を示す斜視図である。また、図4は、ユニットスイング型エンジン7においてベルトカバー21を取り外した状態(Vベルト25は省略)を示す側面図である。また、図5は、ケースシュラウド32及びファンシュラウド39を示す斜視図である。
本実施形態では、詳しくは後述するが、ベルトケース20の内面を覆うケースシュラウド32を装着する。
図2は、ケースシュラウド32の未装着状態を示す。それに対して、図3、図4は、ケースシュラウド32の装着状態を示す。図3は、ユニットスイング型エンジン7においてベルトカバー21を取り外した状態を示す斜視図である。また、図4は、ユニットスイング型エンジン7においてベルトカバー21を取り外した状態(Vベルト25は省略)を示す側面図である。また、図5は、ケースシュラウド32及びファンシュラウド39を示す斜視図である。
Vベルト式無段変速機構のVベルト25とドライブプーリ23及びドリブンプーリ24との摺接による摩擦熱や、遠心クラッチ機構15にて生じた摩擦熱によってベルト室22内の温度が上昇する。このベルト室22の温度上昇を抑制するために、ベルト室22に冷却用空気として外気を導入する。
ドライブプーリ23の固定フェイスの外側には、冷却ファン28が回転一体に設けられている。
また、ベルトカバー21のフロント側には、冷却ファン28の位置に対応させて吸気口が開口されており、この吸気口を経てベルト室22に冷却用空気として外気を導入する。図1に示すように、ベルトカバー21のフロント側には吸気口を車幅方向外側から覆うフロントアウタカバー40が設けられている。
また、ベルトカバー21のフロント側には、冷却ファン28の位置に対応させて吸気口が開口されており、この吸気口を経てベルト室22に冷却用空気として外気を導入する。図1に示すように、ベルトカバー21のフロント側には吸気口を車幅方向外側から覆うフロントアウタカバー40が設けられている。
冷却ファン28は、その中央軸線方向から吸気し、放射状に吐出する遠心ファンである。図4に矢印Aで示すように、ベルト室22に導入される冷却用空気は、冷却ファン28が反時計方向廻りに回転駆動されることで、ベルト室22内を反時計方向廻りに旋回して流動せしめられる。すなわち、ベルト室22に導入される冷却用空気は、ドライブプーリ23とドリブンプーリ24に巻き掛けられたVベルト25のうち、下方ベルト走行路である下側のベルトライン近傍(ベルト室下部空間22B)でドライブプーリ23からドリブンプーリ24に向けて流れ、その後、ドリブンプーリ24の後方に位置するベルト室22の後壁に沿って上方に流れ、Vベルト25の上方ベルト走行路である上側のベルトライン近傍(ベルト室上部空間22T)でドリブンプーリ24からドライブプーリ23に向けて流れる。
ベルトケース20の底面20aには、車両の前後方向の中間領域、すなわちスクータ型車両1の側面視においてドライブプーリ23とドリブンプーリ24との間に排気口29が形成されている。排気口29は、ドライブプーリ23とドリブンプーリ24との間で、上方ベルト走行路の車幅方向内側に配置される。また、ベルトケース20には、ベルト室上部空間22Tを流れる冷却用空気を排気口29に導く導入部30が形成されており、これにより、ベルトラインに沿って流れる冷却用空気をスムーズに捕捉して、ベルト変速装置13の冷却効率を向上させることができる。
図4に示すように、排気口29は、ベルトケース20に形成された排風ダクト31につながる。排風ダクト31はトンネル形状に上下方向(縦方向)延びて、地面に向けて開口する。このように排風ダクト31がトンネル形状に上下方向に構成されているので、後輪14から跳ね上がった雨水や泥、小石等の砂塵がベルト変速装置13内に流入するのを有効かつ確実に防止することができる。
排風ダクト31は、底部の開口に向かって流路断面が徐々に広くなるディフューザ構造を有するのが好ましい。これにより、徐々に圧力を下げながら排気することができ、排気効率を高めることができる。この場合に、車両の後方に向けて流路断面が広がるように排気角度を設定しておけば、排気(図4中の矢印A´)が走行風に対して鋭角となるようにして吸出し効果が得られる。
排風ダクト31は、底部の開口に向かって流路断面が徐々に広くなるディフューザ構造を有するのが好ましい。これにより、徐々に圧力を下げながら排気することができ、排気効率を高めることができる。この場合に、車両の後方に向けて流路断面が広がるように排気角度を設定しておけば、排気(図4中の矢印A´)が走行風に対して鋭角となるようにして吸出し効果が得られる。
以上のように、ベルトカバー21の吸気口から導入される冷却用空気は、ベルト室22内でベルト室下部空間22B→ベルト室22の後壁→ベルト室上部空間22Tへと流れ、その過程でVベルト25を跨いでベルトカバー21側(車幅方向外側)からベルトケース20側(車幅方向内側)に流れて、ベルトケース20の排気口29に導かれる。排気口29に導かれた冷却用空気は、排風ダクト31内で縦方向に案内され、排風ダクト31の底部の出口から排気される。このような冷却用空気の流れにより、冷却したいVベルト25や各プーリ23、24に冷却用空気を効果的に当てることができ、冷却効率を向上させることができる。
ここで、図2に示すように、ベルトケース20の内面には、剛性を向上させるためのリブや駄肉抜きによる凹凸が形成されている。そのため、これらリブや凹凸により冷却用空気の流路の断面変化が生じ、ベルト室22内の冷却用空気の流動に対する抵抗が増大してしまう。その結果、圧損が増えて、流速の低下、さらにはベルト変速装置13の冷却効率の悪化を招くおそれがある。
そこで、本実施形態では、図3〜図5に示すように、ベルトケース20の内面を覆うケースシュラウド32を装着し、その内側をベルト室22とする。ケースシュラウド32は、ベルトケース20の底面20a及び周囲壁20bの内側に位置する底面32a及び周囲壁32bを有する。
ケースシュラウド32を装着することにより、ベルトケース20の内面のリブや凹凸が覆われるので、冷却用空気の流路の断面変化を抑えて、ベルト室22内の冷却用空気の流動に対する抵抗を減らすことができる。これにより、圧損を少なくして、流速の低下を防ぎ、ベルト変速装置13の冷却効率を向上させることができる。
ケースシュラウド32を装着することにより、ベルトケース20の内面のリブや凹凸が覆われるので、冷却用空気の流路の断面変化を抑えて、ベルト室22内の冷却用空気の流動に対する抵抗を減らすことができる。これにより、圧損を少なくして、流速の低下を防ぎ、ベルト変速装置13の冷却効率を向上させることができる。
ケースシュラウド32の底面32aには、ベルト室上部空間22Tを流れる冷却用空気を、ベルトケース20の排気口29に導風する導風部33が設けられている。具体的には、ケースシュラウド32には、排気口29に対応させた開口部34が形成されている。また、ケースシュラウド32には、案内板35が一体成形されている。案内板35は、底面32aからベルトケース20の底面20a側に向かって傾斜して、ベルト室上部空間22Tを流れる冷却用空気を排気口29に案内する。このようにした導風部33は、排気口29に向かって流路断面が徐々に広くなるディフューザ構造を有するので、徐々に圧力を下げながら排気することができ、排気効率を高めることができる。
また、ケースシュラウド32の底面32aには、中間高さ位置で略水平方向に延伸する凸部36が一体成形されている。この凸部36により、ベルト室下部空間22Bとベルト室上部空間22Tとが区画されて、冷却用空気がベルト室下部空間22B→ベルト室22の後壁→ベルト室上部空間22Tへとスムーズに流れるように案内することができる。また、凸部36を一体成形することにより、ケースシュラウド32の剛性を高くすることができる。
なお、図2に示すように、ベルトケース20の底面20aには、ボス部37が立設されている。ベルトカバー21をベルトケース20に装着するときに、ベルトカバー21の中央部をボルトで締結するためのものである。ボス部37はケースシュラウド32の凸部36の内側の空間に収容され、凸部36にはボス部37に対応する穴38が形成される。
なお、図2に示すように、ベルトケース20の底面20aには、ボス部37が立設されている。ベルトカバー21をベルトケース20に装着するときに、ベルトカバー21の中央部をボルトで締結するためのものである。ボス部37はケースシュラウド32の凸部36の内側の空間に収容され、凸部36にはボス部37に対応する穴38が形成される。
さらに、図5、図6に示すように、ケースシュラウド32には、ファンシュラウド39が組み付けられる。ファンシュラウド39は、図6に示すように、ドライブプーリ23と冷却ファン28との境界位置でその周囲に配置され、ドライブプーリ23側と冷却ファン28側とに空間を仕切る。すなわち、冷却ファン28の周囲の空間を、Vベルト25が走行する空間から仕切る。冷却ファン28の回転駆動により、その周囲には冷却用空気を送り出す圧力が発生し、冷却ファン28の回転駆動方向に冷却用空気が送り出される。ファンシュラウド39を設けることにより、冷却ファン28の周囲に発生する圧力がドライブプーリ23側(ベルト走行路側)に漏れるのを抑えて、冷却用空気の送風効率を高めることができる。冷却ファン28の回転駆動方向に送り出される冷却用空気は、ファンシュラウド39に沿って流れた後、ベルト室下部空間22Bへと流れ込むことになる。
なお、図5、図6に示すファンシュラウド39は一例であり、その形状や機能等は限定されるものではない。
図7に示すファンシュラウド41は、ファンシュラウド39と同様の機能に加え、ベルト室上部空間22Tを流れる冷却用空気が、冷却ファン28側に流れ込まないように仕切る仕切り部42を有する。
図7に示すファンシュラウド41は、ファンシュラウド39と同様の機能に加え、ベルト室上部空間22Tを流れる冷却用空気が、冷却ファン28側に流れ込まないように仕切る仕切り部42を有する。
図8に示すファンシュラウド43は、ファンシュラウド39と同様の機能に加え、冷却ファン28の周囲にスクロール面44を形成する。スクロール面44は、冷却ファン28の回転駆動方向に向かうに従って径方向外方に徐々に離れる面である。スクロール面44を形成することにより、回転駆動する冷却ファン28の周囲の圧力を、冷却用空気を送り出す方向(冷却ファン28の回転駆動方向)に向かうに従って下げることができ、冷却用空気の送風効率を高めることができる。
図9に示すファンシュラウド45は、ケースシュラウド32でなく、ベルトカバー21に組み付けるようにしたものである。
以上、本発明を種々の実施形態と共に説明したが、本発明はこれらの実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲内で変更等が可能である。
7:ユニットスイング型エンジン、12:エンジン、13:ベルト変速装置、20:ベルトケース、21:ベルトカバー、22:ベルト室、23:ドライブプーリ、24:ドリブンプーリ、25:Vベルト、28:冷却ファン、29:排気口、31:排風ダクト、32:ケースシュラウド、33:導風部、34:開口部、35:案内板、36:凸部、39、41、43、45:ファンシュラウド
Claims (5)
- ドライブプーリと、ドリブンプーリと、前記ドライブプーリと前記ドリブンプーリに巻き掛けられるVベルトとを含むVベルト式無段変速機構を備え、
前記Vベルト式無段変速機構を、ベルトケースと前記ベルトケースの開口を覆うベルトカバーとにより形成されるベルト室に収容し、
前記ベルト室内に導入される冷却用空気を、前記ドライブプーリに回転一体に設けられた冷却ファンにより流動させて、前記Vベルト式無段変速機構を冷却するベルト変速装置の冷却構造であって、
前記ベルトケースに形成され、前記ドライブプーリと前記ドリブンプーリとの間に位置する排気口と、
前記ベルトケースの内面を覆うように装着され、その内側を前記ベルト室とするケースシュラウドとを備え、
前記ケースシュラウドには、前記ベルト室内を流動した冷却用空気を前記排気口に導風する導風部が設けられていることを特徴とするベルト変速装置の冷却構造。 - 前記ケースシュラウドには、前記ベルト室をベルト室上部空間及びベルト室下部空間に区画する凸部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のベルト変速装置の冷却構造。
- 前記導風部は、前記排気口に向かって流路断面が徐々に広くなるディフューザ構造を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のベルト変速装置の冷却構造。
- 前記冷却ファンの周囲の空間を、前記Vベルトが走行する空間から仕切るファンシュラウドを備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のベルト変速装置の冷却構造。
- 前記冷却ファンの周囲に、前記冷却ファンの回転駆動方向に向かうに従って径方向外方に徐々に離れるスクロール面が形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のベルト変速装置の冷却構造。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN109764098A (zh) * | 2019-01-25 | 2019-05-17 | 马可文 | 一种中、低速高效无级变速器 |
WO2022070323A1 (ja) * | 2020-09-30 | 2022-04-07 | 本田技研工業株式会社 | ファン構造 |
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- 2014-02-26 JP JP2014035250A patent/JP2015161324A/ja active Pending
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