JP2015157972A - 通電加熱成形用鋼板 - Google Patents
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Abstract
Description
1)加熱速度の向上
2)加熱温度の精度向上(チャージ毎の温度の再現性、加熱対象材の部位毎の温度ムラの解消)
3)オーバーヒート部位の材質劣化への対策
1.5≦1.5×〔Si%〕+0.5×〔Mn%〕+1.0×〔Cr%〕≦4・・・(1)
1)加熱温度が高いことによる、旧オーステナイト結晶粒径の粗大化と、それに伴う衝撃強度の低下または衝撃遷移温度の上昇。
2)加熱温度が高いことによる、表面脱炭または粒界酸化の進行と、それに伴う強度低下。
[C:C:0.10〜0.50%]
Cは鋼材を熱処理した際に目標の強度を得るために最も重要な元素である。本発明が対象とする通電加熱法および加熱後の急冷で十分な強度を確保するためには、C量は0.1%以上必要である。C量が0.5%を越える場合は、通電加熱による短時間加熱で組織形態を適切に制御することは困難性を増すので、上限は0.5%とする。
Siは、本発明において、鋼材の電気抵抗値を高める効果を発揮する重要な元素である。Si量が多ければ多いほど、鋼材の電気抵抗値は高まるものの、Siの多量添加は鋼材の靱性を損なうことがある。また、Siは鋼材の変態点を上昇させる効果も有するために、オーステナイト化するための加熱温度を高める必要が生じ、本発明に逆効果をおよぼす場合がある。よって、Si量の上限は2.5%とする。下限については、同様の効果を有するMn、Crの添加量との兼ね合いで決定すべきであり、十分な量のMnやCrが添加させる場合にはSi量は少なくても構わないが、Siが有する精錬時の脱酸効果を有効に利用するために、0.1%を下限とする。
[Cr:0〜2.0%]
MnもCrも、Si同様、 鋼材の電気抵抗値を高める効果を有する。ただし、電気抵抗値を高める効果はSiより小さい。その他、焼き入れ性の向上効果もある。MnやCrを過剰添加すると、素材の加工性を損なう場合があるので、上限添加量はそれぞれ2.0%、2.0%である。下限については、同様の効果を有するSiの添加量との兼ね合いで決定すべきであり、十分な量のSi量や、Mn量またはCr量によっては、添加下限はそれぞれ0.5%、0%(無添加)でよい。
[S:0.03%以下]
P、Sは不純物元素であり、低い添加量に制限されるべき元素である。本発明が対象とする用途の場合、P、Sは0.03%以下に抑えられていれば不具合が生じることはない。
Bは、オーバーヒートされた部位で旧オーステナイト結晶粒径が著しく粗大化した場合に靱性劣化を抑制する、本発明において、最も重要な元素の一つである。また、Bは少量添加で効果的に焼入れ性を向上させる効果も有する。靱性向上のためには、下限添加量は0.0003%以上であることが重要である。上限については、Bの過剰添加で特性劣化する可能性は低いが、0.01%以上添加する合理的理由は見当たらない。
Bを添加する目的である、靱性と焼入れ性向上には、Bの存在状態としては、オーステナイト結晶粒界近傍に固溶状態で存在することが必要と考えられる。Bは鋼中のNと結合してBNを生成しやすいので、上記目的のためには、BをNと結合させず、固溶状態で保持する必要がある。TiはNと結合してTiNを生成しやすい性質があるので、鋼中にTiを添加することで固溶Nを低減させ、BNの生成を効果的に抑制することができる。また、Tiを添加すると微細なTiCが組織中に析出することにより旧オーステナイト結晶粒径が微細化されるので、靱性向上に効果がある。BN生成を抑制する目的でのTiの適性添加量は、下限は0.01%が必要である。過剰に添加するとTiC量が増加して、素材加工性の劣化や、焼入れ時の硬さ低下をもたらすので、上限は0.03%とする。
Nbを添加すると微細なNbCが組織中に析出することにより旧オーステナイト結晶粒径が微細化されるので、靱性向上に効果がある。この目的でNbを添加する場合、0.01%以上添加することが好ましいが、用途によっては必ずしもNbを添加する必要はない。過剰に添加するとNbC量が増加して、素材加工性の劣化や、焼入れ時の硬さ低下をもたらすので、上限は0.1%とする。
鋼中に添加することで電気抵抗値を上昇させる効果の大きさは元素ごとに異なっている。本発明が利用するSi、Mn、Crの中で最も効果が大きいのはSiであるが、MnやCrで補完することも可能である。また、いずれの元素も過剰添加は素材加工性や経済性の面で避けるべきである。このことから、Si、Mn、Crの添加量は、それらを複合添加した場合にも上限下限を持つ。(1)式で表すと、1.5を下回ると電気抵抗値の上昇が不十分で、通電加熱用鋼として十分な効果を発揮しない。4を超えると電気抵抗値は十二分に高まるものの、素材の加工性劣化が大きくなる。よって(1)式の下限は1.5、上限は4とする。
Claims (1)
- 質量%で、C:0.10〜0.50%、Si:0.1〜2.5%、Mn:0.5〜2.0%、P:0.03%以下、S:0.03%以下、Cr:0〜2.0%、Ti:0.01〜0.03%、B:0.0003〜0.01%、Nb:0.0〜0.1%を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる化学成分を有し、SiとMnの含有量が(1)式を満足することを特徴とする、通電加熱用鋼板。
1.5≦1.5×〔Si%〕+0.5×〔Mn%〕+1.0×〔Cr%〕≦4・・・(1)
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JP2014032115A JP2015157972A (ja) | 2014-02-21 | 2014-02-21 | 通電加熱成形用鋼板 |
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JP2014032115A JP2015157972A (ja) | 2014-02-21 | 2014-02-21 | 通電加熱成形用鋼板 |
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JP2015157972A true JP2015157972A (ja) | 2015-09-03 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2014
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