JP6100676B2 - 合金鋼の球状化熱処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、合金鋼の球状化熱処理方法に係り、特に自動車用部品、建設機械用部品等の各種部品の製造に用いられる冷間加工用機械構造用鋼を主な用途とする合金鋼の球状化熱処理方法に関する。
一般的に、上述の自動車用部品等を製造する際には、ビレットなどの鋼片を熱間圧延して得られた熱間圧延材に冷間鍛造性などの冷間加工性を付与する目的で球状化熱処理(球状化焼鈍)を施してから、冷間鍛造を行い、その後切削加工などを施すことによって所定の形状に成形した後、焼入れ焼戻し処理を行って最終的な強度調整が行われている。
しかし、例えば球状化焼鈍が不十分で素材の軟質化が不足な場合や材料組織中に棒状の炭化物が顕著に存在する場合は、冷間鍛造工程において、冷間加工性が一般に低下する問題がある。そのため、従来、球状化焼鈍を促進する技術として、例えば特許文献1、2に記載される熱処理方法等が提案されている。
特許文献1では球状化焼鈍を25〜30時間以上から1時間以下に短縮できる球状化焼鈍方法が規定されているが、かかる技術はロールスタンド間に接続した電源から被圧延材に通電加熱する手段により迅速に温度コントロールするもので通常のバッチ炉では実施困難であり、特別な設備が必要となる。また、特許文献2では球状化処理後の硬さを低減する焼鈍方法が規定されているが、更に硬さを低減し且つ良好な球状化組織を得る上では不十分である。
特開平8−246040号公報 特願2008−88448号公報
そこで、本発明は上述した従来技術の問題点を解消し、Mn、Cr等の合金元素を含む合金鋼の十分な軟質化を図るとともに、通常のバッチ炉によっても比較的容易に実施できる合金鋼の球状化熱処理方法を提供することをその目的(課題)としたものである。
請求項1に記載の発明は、
C:0.10〜0.60%(質量%の意味。成分について以下同じ)、
Si:0.005〜0.5%、
Mn:0.1〜1.7%、
P:0.03%以下(0%を含まない)、
S:0.03%以下(0%を含まない)、
Al:0.01〜0.1%、
N:0.015%以下(0%を含まない)、
Cr:0.5〜1.8%、
を含み、残部が鉄および不可避不純物からなる合金鋼の球状化熱処理方法において、上記合金鋼を熱間圧延した後、この鋼のビッカース硬さが下記式(A)で示すY値を下回るように、
(1)この鋼を加熱、昇温し、(Ac3+5℃)〜(Ac3−25℃)で10min以上2h以下保持する第1熱処理工程、
(2)次いで、同鋼を任意の冷却速度で冷却後、Ac1〜(Ac1−50℃)間を30℃/h以下の冷却速度で冷却する第2熱処理工程、
(3)その後、同鋼を(Ac1+10℃)〜(Ac1+35℃)に加熱、昇温し、0.5〜6h保持する第3熱処理工程、
(4)さらに、同鋼を任意の冷却速度で冷却後、Ac1〜(Ac1−50℃)間を10℃/h以下の冷却速度で冷却する第4熱処理工程、
を順次行うことを特徴とする合金鋼の球状化熱処理方法である。

Y=(%C)×84.6+112.6 −−−(A)

ただし、
Ac1(℃)
=723−10.7×(%Mn)−16.9×(%Ni)+29.1×(%Si)+16.9×(%Cr)+290×(%As)+6.38×(%W)
Ac3(℃)
=910−203×(√%C)−15.2×(%Ni)+44.7×(%Si)+104×(%V)+31.5×(%Mo)+13.1×(%W)
また、請求項2に記載の発明は、
前記鋼が更に、
Mo:1%以下(0%を含まない)、
Ni:3%以下(0%を含まない)、
Cu:0.25%以下(0%を含まない)、及び
B :0.01%以下(0%を含まない)、
よりなる群から選択される1種以上を含む請求項1に記載の合金鋼の球状化熱処理方法である。
また、請求項3に記載の発明は、
前記鋼が更に
Ti:0.2%以下(0%を含まない)、
Nb:0.2%以下(0%を含まない)、及び
V:0.5%以下(0%を含まない)、
よりなる群から選択される1種以上を含む請求項1又は2に記載の合金鋼の球状化熱処理方法である。
また、請求項4に記載の発明は、
前記球状化熱処理をバッチ炉により行う請求項1〜3の何れかに記載の合金鋼の球状化熱処理方法である。
更に、請求項5に記載の発明は、
前記合金鋼が冷間加工用機械構造用鋼である請求項1〜4の何れかに記載の合金鋼の球状化熱処理方法である。
本発明によれば、Mn、Cr等の合金元素を含む合金鋼材の十分な軟質化を図ることができるとともに、通常のバッチ炉によっても比較的容易に実施できる合金鋼の球状化熱処理方法を提供することができるといった優れた効果を奏する。
前述の「背景技術」で説明したように、自動車用部品の製造工程にあっては、焼入れ焼戻し処理を行って最終的な強度調整が一般的に行われる。本発明が対象とする鋼材は、焼入性を高めるために、合金元素(Mn、Crなど)を一定以上含有した合金鋼材である。それら合金成分を含有した鋼の場合、熱間圧延材の製造工程において、圧延終了後に特別に徐冷などを実施しない限り、フェライトやパーライト以外にベイナイトやマルテンサイトといった硬質の組織が含まれる場合が多い。
本発明者等は、球状化熱処理材の硬さを低減し、これを十分に軟質化して、且つ良好な球状化組織を得る上で、ベイナイトやマルテンサイト中に含まれる微細な炭化物を適切に溶解することにより球状炭化物として析出させることが重要なポイントであることを掴んだ。そして、これをもとに更に鋭意、研究の結果、前記合金鋼材を熱間圧延した後、次のような第1熱処理工程〜第4熱処理工程からなる球状化熱処理方法を採用、実施することにより優れた球状化処理効果が得られ、本発明の前記目的を有利に達成できることを見出した。以下、これら4工程からなる本発明の球状化熱処理方法についてその内容と各工程における熱処理条件の規定理由などを具体的に説明する。
(球状化熱処理)
[第1熱処理工程]
本第1熱処理工程は、対象となる合金鋼(鋼成分については後述)を加熱、昇温し、(Ac3+5℃)〜(Ac3−25℃)で10min以上2h以下保持するものである。
従来から、Ac1直上へ保持して冷却する球状化熱処理(焼鈍)は良く知られているが、本発明では硬さを更に低減する目的で、まず微細炭化物を適切に溶解させるため、Ac3点付近の上記温度範囲に昇温し、この温度範囲で保持を行う。好ましくはAc3〜(Ac3−20℃)に保持する。
この際、不必要に長時間保持すると球状炭化物の核となる未固溶炭化物が著しく減少するため、保持時間は2h以下とする。また、微細炭化物を十分に溶解するため、同保持時間は10min以上とする。好ましくは110min以下で20min以上で保持する。
前記温度範囲への昇温速度については特に規定するものではないものの、生産性の観点や、温度管理を適切に行う観点などから、20℃/h以上が望ましい。昇温速度は速くても問題ないが、バッチ式炉で実施する場合、コイル全体をできるだけ均一に昇温させる必要性から1000℃/h以下で実施することが好ましい。
[第2熱処理工程]
本第2熱処理工程は、前記第1熱処理工程を経た対象鋼を、任意の冷却速度で冷却後、Ac1〜(Ac1−50℃)間を30℃/h以下の冷却速度で冷却するものである。
本工程では、球状炭化物を十分に析出させるため、任意の冷却速度で冷却後、少なくとも上記温度区間を徐冷する必要がある。そして、その徐冷における冷却速度は球状炭化物の粗大化を促進させるため、30℃/h以下で冷却することとする。30℃/hを超える冷却では球状炭化物の粗大化が不十分となり好ましくない。
また、上記徐冷に先立つ冷却すなわち、第3熱処理工程における昇温保持後の冷却については任意の冷却速度でよいが、炭化物を不必要に溶解させないため、A1+5℃の温度まで10℃/h以上の速度で冷却することが望ましい。
[第3熱処理工程]
本第3熱処理工程は、前記第2熱処理工程を経た対象鋼を、(Ac1+10℃)〜(Ac1+35℃)へ加熱、昇温し、0.5〜6h保持するものである。
前記第1熱処理工程では微細な炭化物を溶解し、その後の第2熱処理工程により、棒状の炭化物の析出を抑制し球状炭化物の析出及び粗大化を図っているものの、ここまでの工程において棒状炭化物の抑制については不十分である。本工程ではこのため、上記のように第1熱処理工程における熱処理条件よりも、少し低温側の温度範囲に、また少し長時間にわたり昇温保持する。
この昇温保持温度が、Ac1+35℃を下回る場合や保持時間が0.5h未満の場合は、棒状炭化物の溶解が不十分となり、逆に保持温度がAc1+35℃超の場合や保持時間が6hを超える場合は、炭化物を溶解しすぎてしまい、次の第4熱処理工程における冷却過程で再度棒状の炭化物が析出しやすくなるという問題を生じる。好ましくは(Ac1+32℃)〜(Ac1+15℃)に1〜5h昇温保持することが推奨される。
また、前記温度範囲への昇温速度については、前記第1熱処理工程と同様にして、生産性の観点や、温度管理を適切に行う観点などから、20℃/h以上が望ましい。昇温速度は速くても問題ないが、バッチ式炉で実施する場合、1000℃/h以下である。
[第4熱処理工程]
本第4熱処理工程は、前記第3熱処理工程を経た対象鋼を、任意の冷却速度で冷却後、Ac1〜(Ac1−50℃)間を10℃/h以下の冷却速度で冷却するものである。
本工程では、前記第3熱処理工程で適度に溶解させた棒状炭化物が再析出する事を抑制し、球状炭化物が析出した組織とするため、任意の冷却速度で冷却後、少なくとも上記温度区間を徐冷する必要がある。その際の徐冷速度は前記第2熱処理工程における冷却速度よりもさらに低めの10℃/h以下とする。10℃/hを超える冷却速度では棒状炭化物の一部が析出してしまうことになる。好ましくは8℃/h以下で冷却する。
また、上記徐冷に先立つ冷却すなわち、第3熱処理工程における昇温保持後の冷却については任意の冷却速度でよいが、炭化物を不必要に溶解させないため、A1+5℃の温度まで10℃/h以上の速度で冷却することが望ましい。
ここでいうAc1点、Ac3点とは、下記の式で計算によって求めた温度とする。なお、これらの式は、書籍(講座・現代の金属学 材料編 第4巻 鉄鋼材料 編集及び発行所:社団法人日本金属学会 発売所:丸善)などにより既にその定義が明らかにされているものである。
Ac1(℃)
=723−10.7×(%Mn)−16.9×(%Ni)+29.1×(%Si)+16.9×(%Cr)+290×(%As)+6.38×(%W)
Ac3(℃)
=910−203×(√%C)−15.2×(%Ni)+44.7×(%Si)+104×(%V)+31.5×(%Mo)+13.1×(%W)
以上、本発明の球状化熱処理方法について各熱処理工程ごとに詳述したが、線材の場合、事前(球状化熱処理前)に伸線を行うと、球状化熱処理が促進されることが従来から知られているが、上述した第1熱処理工程〜第4熱処理工程からなる本発明の熱処理を行えば、伸線を付与せずとも適切な球状化が可能となる。ただし、更に一層この球状化熱処理を促進する目的で冷間伸線を付与してももちろん構わない。
次に、本発明の球状化熱処理の対象となる合金鋼(材)の鋼成分についてその成分範囲及び規定理由についてその必須元素であるC、Si、Mn、P、S、Al、N及びCrから説明する。
(鋼成分)
[C:0.10〜0.60%]
Cは、鋼の強度(最終製品の強度)を確保するために添加する。しかし、過剰に含有されると強度が高くなって、冷間加工性が低下するので0.60%以下とし、一方、0.10%未満では鋼の強度が低下するため、0.10〜0.60%とする。好ましくは0.30〜0.50%とする。
[Si:0.005〜0.5%]
Siは、脱酸元素として、および固溶体硬化による最終製品の強度を増加させることに有効であるが、0.005%未満ではこの効果が不十分であり、一方0.5%を超えると過度に強度が上昇して冷間加工性を劣化させるため、0.005〜0.5%とする。
[Mn:0.1〜1.7%]
Mnは、焼入れ性の向上を通じて、最終製品の強度を増加させるのに有効な元素であるが、0.1%未満ではその効果が不十分であり、1.7%を超えて過剰に含有すると過度に強度が上昇して冷間加工性を劣化させるため、0.1〜1.7%とする。
[P: 0.03%以下(0%を含まない)]
Pは、鋼中に不可避的に含まれる元素であるが、Pは鋼中で粒界偏析を起こし、延性劣化の原因となるので、0.03%以下(0%を含まない)とする。
[S: 0.03%以下(0%を含まない)]
Sは、鋼中に不可避的に含有される成分であるが、鋼中でMnSとして存在し、冷間加工性を劣化させる有害な元素であるから、0.03%以下とすれば良い。
[Al:0.01〜0.1%]
Alは、脱酸元素として有用であると共に、鋼中に存在する固溶NをAlNとして固定するのに有用である。こうした効果を有効に発揮させるためには、Al含有量は0.01%以上とする必要がある。しかしながら、Al含有量が過剰になって0.1%を超えると、Al23が過剰に生成し、冷間加工性を劣化させるため、0.01〜0.1%とする。
[N:0.015%以下(0%を含まない)]
Nは、鋼中に不可避的に含まれる元素であるが、鋼中に固溶Nが含まれると、歪み時効による硬度上昇、延性低下を招き、冷間加工性を劣化させるため0.015%以下に抑制する必要がある。
[Cr:0.5〜1.8 %]
Crは、焼入れ性の増加等により最終製品の強度を増加させる。また、球状化焼鈍途中において未固溶炭化物を安定的に確保することに有効な元素である。0.5%未満ではその効果が不十分であり、1.8%を超えると強度が高くなり過ぎ、冷間加工性を劣化させるため、0.5〜1.8 %とする。好ましくは0.6〜1.5%とする。
本発明の対象鋼の成分は、上記主要元素を必須として、残部は鉄および不可避不純物からなるものである。また、これら必須元素に加えて、Mo、Ni、Cu及びBよりなる群から選択される1種類以上の元素や、Ti、Nb及びVよりなる群から選択される1種以上の元素を含有させることも鋼材の特性を更に向上させる上で有用である。以下、この選択元素について説明する。
[Mo:1%以下(0%を含まない)、Ni:3%以下(0%を含まない)、Cu:0.25%以下(0%を含まない及びB:0.01%以下(0%を含まない)よりなる群から選択される1種以上]
これらのMo、Ni、Cu、Bは、いずれも鋼材の焼入れ性を向上させることによって最終製品の強度を増加させるのに有効な元素であり、必要によって単独でまたは2種以上で含有される。しかしながら、これらの元素の含有量が過剰になると、強度が高くなり過ぎ、冷間加工性を劣化させるので、上記のように夫々の好ましい上限を定める。より好ましくはMoで0.90%以下(更に好ましくは0.80%以下)、Niで2.5%以下(更に好ましくは2.0%以下)、及びBで0.007%以下(更に好ましくは0.005%以下)である。尚、これらの元素による効果はその含有量が増加するにつれて大きくなるが、それらの効果を有効に発揮させるための好ましい下限は、Mo、Ni、Cuで0.02 %以上(より好ましくは0.05%以上)、Bで0.0003%以上(より好ましくは0.0005%以上)である。
[Ti:0.2%以下(0%を含まない)、Nb:0.2%以下(0%を含まない)、及びV:0.5%以下(0%を含まない)よりなる群から選択される1種以上]
これらのTi、Nb及びVは、Nと化合物を形成し、固溶Nを低減することで、変形抵抗低減の効果を発揮するため、必要によって単独でまたは2種以上を含有させることができる。しかしながら、これらの元素の含有量が過剰になると、形成される化合物が変形抵抗の上昇を招き、却って冷間加工性を低下させるので、TiおよびNbで0.2%以下、Vで0.5%以下とするのが良い。より好ましくはTiおよびNbで0.18%以下(更に好ましくは0.15%以下)、およびVで0.45%以下(更に好ましくは0.40%以下)である。尚、これらの元素による効果はその含有量が増加するにつれて大きくなるが、その効果を有効に発揮させるためには好ましい下限は、TiおよびNbで0.03%以上(より好ましくは0.05%以上)、およびVで0.03%以上(より好ましくは0.05%以上)である。
(実施例)
本発明の優れた効果を本実施例に基づき実証することにする。
表1の成分を有する合金鋼の各鋼材(比較鋼を含む)を熱間圧延し、φ10〜18mmの線材コイルを製造した。これらの線材コイルをバッチ炉に装入し、前述した第1〜第4熱処理工程からなる各種熱処理条件(比較例を含む)により球状化熱処理を実施した。
なお、第2及び第4熱処理工程の徐冷に先立つ冷却は、いずれもそれぞれ第1及び第3熱処理工程における昇温、保持後、A1+5℃の温度まで20℃/hの冷却速度で行った。
そして、球状化熱処理後の線材の球状化特性(硬さ及び組織)について下記の要領で測定、評価を行った。
[球状化特性の評価]
球状化熱処理後のコイル端部からサンプルを採取し、横断面D/8の位置を評価した。
・硬さ評価
ビッカース硬度計を用いて、荷重1kgf(≒9.8N)で5点測定し、その平均値(HV)を求めた。球状化が十分に促進されていても、鋼材の炭素量によって硬さは変化するため、その絶対値だけで評価できないことから、基準としてHVが次のY値を下回った場合にその鋼材が軟質化したものとして判断し、合格(〇)とし、HVがY値以上であったものは不合格(×)とした。
Y=(鋼材炭素量)[質量%]×84.6+112.6
・組織評価
球状化組織は、JISG3507−2をもとに評価した。すなわち、横断面D/8の位置において、倍率400倍で観察し、球状化の程度をNo.1〜4に区分し評価した。このうち、No.1、No.2の組織を合格(○)とし、No.3、No.4の組織を不合格(×)とした。
表2に本実施例の各熱処理工程における熱処理条件と上記に基づく線材の球状化特性の評価結果を示す。
表2から明らかなように、本発明例の球状化熱処理方法(表2:追番1、4、7、10、13、16、18〜24)により得られた合金鋼線材は、いずれもその硬度(HV)が基準となるY値よりもかなり低く、十分に軟質化されており、その組織においても球状化の程度が高い良好な球状組織となっており、優れた球状化特性を有することが分かる。
これに対し、比較例の球状化熱処理方法による鋼線材は本発明の規定する第1〜第4熱処理工程における熱処理条件(表2:追番2〜3、5〜6、8〜9、11〜12、14〜15、17)あるいは対象鋼の成分(表2:追番25)を満足していないため、すべてその硬度(HV)が基準となるY値よりも高く、軟質化が不十分で、且つその組織においても追番3の例を除いて良好な球状組織が得られていないことが判明する。
Figure 0006100676
Figure 0006100676

Claims (5)

  1. C:0.10〜0.60%(質量%の意味。成分について以下同じ)、
    Si:0.005〜0.5%、
    Mn:0.1〜1.7%、
    P:0.03%以下(0%を含まない)、
    S:0.03%以下(0%を含まない)、
    Al:0.01〜0.1%、
    N:0.015%以下(0%を含まない)、
    Cr:0.5〜1.8%、
    を含み、残部が鉄および不可避不純物からなる合金鋼の球状化熱処理方法において、上記合金鋼を熱間圧延した後、この鋼のビッカース硬さが下記式(A)で示すY値を下回るように、
    (1)この鋼を加熱、昇温し、(Ac3+5℃)〜(Ac3−25℃)で10min以上2h以下保持する第1熱処理工程、
    (2)次いで、同鋼を任意の冷却速度で冷却後、Ac1〜(Ac1−50℃)間を30℃/h以下の冷却速度で冷却する第2熱処理工程、
    (3)その後、同鋼を(Ac1+10℃)〜(Ac1+35℃)に加熱、昇温し、0.5〜6h保持する第3熱処理工程、
    (4)さらに、同鋼を任意の冷却速度で冷却後、Ac1〜(Ac1−50℃)間を10℃/h以下の冷却速度で冷却する第4熱処理工程、
    を順次行うことを特徴とする合金鋼の球状化熱処理方法。

    Y=(%C)×84.6+112.6 −−−(A)

    ただし、
    Ac1(℃)
    =723−10.7×(%Mn)−16.9×(%Ni)+29.1×(%Si)+16.9×(%Cr)+290×(%As)+6.38×(%W)
    Ac3(℃)
    =910−203×(√%C)−15.2×(%Ni)+44.7×(%Si)+104×(%V)+31.5×(%Mo)+13.1×(%W)
  2. 前記鋼が更に、
    Mo:1%以下(0%を含まない)、
    Ni:3%以下(0%を含まない)、
    Cu:0.25%以下(0%を含まない)、及び
    B :0.01%以下(0%を含まない)、
    よりなる群から選択される1種以上を含む請求項1に記載の合金鋼の球状化熱処理方法。
  3. 前記鋼が更に
    Ti:0.2%以下(0%を含まない)、
    Nb:0.2%以下(0%を含まない)、及び
    V:0.5%以下(0%を含まない)、
    よりなる群から選択される1種以上を含む請求項1又は2に記載の合金鋼の球状化熱処理方法。
  4. 前記球状化熱処理をバッチ炉により行う請求項1〜3の何れかに記載の合金鋼の球状化熱処理方法。
  5. 前記合金鋼が冷間加工用機械構造用鋼である請求項1〜4の何れかに記載の合金鋼の球状化熱処理方法。
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