JP6988230B2 - 高周波焼入れ部品用素材 - Google Patents

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Description

この発明は、表面に高周波焼入れによる硬化層を備えた高周波焼入れ部品を得るのに好適な高周波焼入れ部品用素材に関する。
例えば自動車用の各種部品においては、燃費削減を背景に、軽量化を目的とした部品の高強度化のニーズがますます高くなっている。このような高い強度が要求される部品については、浸炭や高周波焼入れ等の表面硬化処理が施される。高周波焼入れは、他の表面硬化処理と比較して素材の局部処理が容易で、かつ低コストである。加えて高周波焼入れによれば高硬度化や高圧縮残留応力の付与が可能であるため、多くの高強度部品に適用されている。高周波焼入れ部品は、熱間鍛造、さらには切削、冷間鍛造などを施して所定の形状に加工したのち、高周波焼入れ−焼戻しを行うことにより、所定の強度が確保される。
しかしながら、高周波焼入れ部品では、部品の形状に起因して高周波加熱による渦電流が特定の部位に局所的に集中して過加熱が生じる問題がある。高周波加熱における過加熱は、結晶粒の粗粒化による強度低下の原因となり、さらに加熱された部位の一部が融点を超えれば、溶融割れが発生する。過加熱の防止は、高周波加熱の条件を変更して対応することも考えられるが、加熱条件の変更は高周波焼入れ工程での製造性を悪化させる場合もあり、被加熱材(高周波焼入れ部品用素材)側からの解決が望まれていた。
尚、本発明に対する先行技術として、下記特許文献1には、所定の成分組成を満足するとともに〔80C2+55C+13Si+4.8Mn+30P+30S+1.5Cr〕が50以下、かつ〔C+(Si/10)+(Mn/5)−(5S/7)+(5Cr/22)+1.65V〕が0.80〜1.00の範囲である高周波焼入れ用非調質鋼が開示されている。しかしながら、この特許文献1に記載の鋼はSi含有量が0.3超〜0.7%であり本発明と比べて多い。更に加熱時の鋼材の温度上昇を抑制する思想を有するものではなく、後述する本発明の式(1),式(2)の両方を満たす合金組成は開示されていない。
一方、下記特許文献2には、MnS等の介在物の制御を行い、バーニング発生の原因となるFeSの生成を抑制することで、熱間加工前や高周波を用いて加熱したときのバーニングの発生を防止した鋼材が開示されている。しかしながら特許文献2に記載の鋼材は、強度面からの考慮がなされておらず、後述する本発明の式(1),式(2)の両方を満たす合金組成は開示されていない。
特開2011−26641号公報 特開2015−124406号公報
本発明は以上のような事情を背景とし、高周波焼入れ工程で過加熱が生じ難く製造性に優れ、高い強度の高周波焼入れ部品を製造可能な高周波焼入れ部品用素材を提供することを目的としてなされたものである。
而して請求項1に記載のものは、質量%で、C:0.35〜0.45%,Si:0.30%以下,Mn:0.80〜1.30%,P:0.030%以下,S:0.010〜0.070%,Cr:0.30%以下,Pb:0.10〜0.23%,Cu:0.07〜0.20%,Ni:0.07〜0.15%を含有し、更に、Mo:0.10%以下,V:0.30%以下,Al:0.03%以下,Ti:0.05%以下,Nb:0.10%以下,の何れか1種若しくは2種以上を含有し、残部がFe及び不可避的不純物であり、且つ下記式(1),式(2)を満足する組成の鋼から成ることを特徴とする。
fn1<1.48・・式(1)、0.76<fn2<0.90・・式(2)
但しfn1=[C]+1.2[Si]+0.5[Mn]+0.3[Cr]+0.45([Cu]+[Ni]+[Mo])
fn2=[C]+[Si]/13+[Mn]/6+3[P]/5+2[Cu]/5+[Ni]/5+[Cr]/6+[V]
(fn1,fn2の式中[ ]は、[ ]内元素の含有質量%を表す)
請求項2のものは、請求項1において、質量%で、B:0.0010〜0.0100%,Bi:0.300%以下,Ca:0.0005〜0.0050%,の何れか1種若しくは2種以上を更に含有することを特徴とする

高周波加熱の際に温度の上がり易い素材は、過加熱の問題も生じ易い。本発明者らは、高周波加熱時の素材温度の上がり易さが何と関連しているかを調査したところ、素材の電気抵抗率との間に一定の相関があることを見出した。図1は、高周波加熱時の最高到達温度と、素材の電気抵抗率との関係を示している。詳しくは、電気抵抗率の異なる鋼から作成された複数の試験片(Φ20mm×長さ50mm)に対し、同一条件下で高周波加熱を行い、その際に得られた最高到達温度と試験片の電気抵抗率(常温)との関係を示している。
この図1から明らかなように、試験片の電気抵抗率が低い場合、素材の最高到達温度は低くなる。即ち、高周波焼入れ部品用素材の電気抵抗率を低くして、加熱された際の温度の上がり方(単位時間当たりの温度上昇勾配)を緩やかにすることで、特定の部位に渦電流が集中した場合の過加熱を緩和することができる。
本発明はこのような知見に基づくものであり、素材の電気抵抗率に及ぼす合金成分の影響を定式化し、素材の電気抵抗率を表す指数fn1を設け、指数fn1の値が所定の値よりも低くなるように、各合金元素の含有量を規定したことを1つの特徴とするものである。
一方で、これら合金元素の含有量を過度に少なくすれば、高周波焼入れ部品用素材の内部硬さが不足して、十分な部品強度を得ることができなくなることから、本発明では、更に高周波焼入れ部品用素材の内部硬さの指数であるfn2を設け、fn2の値が上記式(2)を満たすようにすることで最適なバランスの合金組成を規定している。
このような本発明の高周波焼入れ部品用素材によれば、所定の内部硬さを確保しつつ、高周波加熱時の温度上昇勾配を緩やかにすることができるため、加熱されやすい部位での過度な温度上昇、更には過加熱による溶融割れが良好に防止され、高周波焼入れによる高強度な部品を得ることができる。
また温度上昇勾配を緩やかした本発明の高周波焼入れ部品用素材を用いることで、許容される加熱処理の範囲が拡大するため、高周波焼入れ工程における加熱制御が容易となり製造性を高めることが可能である。
次に本発明における各化学成分の限定理由を以下に詳述する。尚、以降の説明では、特にことわりがない限り「%」は「質量%」を意味するものとする。
C:0.35〜0.45%
Cは、高周波焼入れ性、硬さおよび強度を高めるのに有効な元素である。必要な高周波焼入れ性、硬さおよび強度を得るには0.35%以上の添加を必要とする。但し、過剰な添加は靭性の低下を引き起こす為、その含有量を0.35〜0.45%とする。
Si:0.30%以下
Siは、脱酸および焼入れ性を高めるのに有効な元素である。但し、0.30%より多く添加されると靭性が低下するため、その上限を0.30%とする。
Mn:0.80〜1.30%
Mnは、硬さおよび強度を高めるのに有効な元素である。0.80%より少ないと必要な硬さおよび強度が得られず、また1.30%より多いと靭性が低下するので、その含有量を0.80〜1.30%とする。
P:0.030%以下
Pは、不純物であり少ないほうが好ましいが、0.030%以下であれば特性にそれ程の影響がなく、その上限を0.30%とする。
S:0.010〜0.070%
Sは、被削性を高めるのに有効な元素である。その効果を得るため0.010%以上添加する。但し、過剰な添加は粗大なMnSを生成し、高周波焼入れ時の焼割れの原因となることがあるため、その含有量を0.010〜0.070%とする。
Cr:0.30%以下
Crは、高周波焼入れ性、硬さおよび強度を高めるために有効な元素である。但し0.30%を超えて含有させようとすれば、安価な屑鉄を使用することができなくなり原料価格が高くなるため、その上限を0.30%とする。
Cu:0.20%以下
Ni:0.15%以下
Cu及びNiは、鍛造後の硬さ、強度および高周波焼入性を高めるために有効な元素である。Cu及びNiは電炉原料のスクラップに不可避的に含まれる元素であるが、Cuを0.20%,Niを0.15%を超えて含有しようとすると、原料にスクラップだけでなく高価な合金の添加が必要となり、配合コストがかさむため、その上限をCuで0.20%,Niで0.15%とする。
Mo:0.10%以下
Moは、焼入れ性を高めるとともに、高周波焼入れ部の強度を向上させるのに有効な元素である。但し、多量に添加しようとすれば原料価格が高くなるため、その上限を0.10%とする。
V:0.30%以下
Vは、鍛造後の硬さを向上させ、高周波焼入れを施さない部分の強度を確保するのに有効な元素である。但し、過剰に添加しても効果が飽和する上に、原料価格が高くなるため、その上限を0.30%とする。
Al:0.03%以下
Alは、脱酸および鍛造加熱時の結晶粒粗大化を抑制するのに有効な元素である。但し、過剰に添加すると粗大なAl23を生成し、被削性が悪化するため、その上限を0.03%とする。
Ti:0.05%以下
Tiは、鍛造加熱時の結晶粒粗大化を抑制する効果を有する元素である。但し、過剰に添加すると粗大な窒化物や硫化物を生成し、被削性が悪化するので、その上限を0.050%とする。
Nb:0.10%以下
Nbは、鍛造加熱時の結晶粒粗大化を抑制する効果を有する元素である。但し、過剰に添加してもその効果が飽和する上に、原料価格が高くなるため、上限を0.10%とする。
fn1<1.48・・式(1)、但しfn1=[C]+1.2[Si]+0.5[Mn]+0.3[Cr]+0.45([Cu]+[Ni]+[Mo])
fn1は、高周波焼入れ部品用素材の電気抵抗率を表す指数である。C,Si,Mn,Cr,Cu,Ni,Moは、高周波焼入れ部品用素材の電気抵抗率を変動させる元素であり、C,Si,Mn,Cr,Cu,Ni,Moの係数は、それぞれ素材の電気抵抗率に対する寄与度を表している。fn1の値が小さいほど素材の電気抵抗率は低くなり、高周波加熱時の温度上昇は抑制される。このため特定の部位に渦電流が集中した場合(過加熱が生じた場合)の温度上昇を抑制することができる。
本発明では、本発明者らが定めた過加熱による溶融割れが発生し易い加熱条件(後述の実施例参照)の下、高周波加熱を行ったとき、素材に溶融割れの発生が無ければ、実際の高周波焼入れ工程でも過加熱を防止する効果が発揮できるとの知見の下、指数fn1の値を1.48未満と規定している。なお、fn1の式にて無添加の元素に対応する項は、ゼロとして計算する。
0.76<fn2<0.90・・式(2)、但しfn2=[C]+[Si]/13+[Mn]/6+3[P]/5+2[Cu]/5+[Ni]/5+[Cr]/6+[V]
fn2は、高周波焼入れ部品用素材の内部硬さを表す指数である。C,Si,Mn,P,Cu,Ni,Cr,Vは、高周波焼入れ部品用素材の内部硬さを高める効果がある。fn2中のC,Si,Mn,P,Cu,Ni,Cr,Vの係数は、それぞれ内部硬さ上昇に対する寄与度を表している。内部硬さは強度や加工性(切削される場合は被削性)に影響を及ぼす因子であり、内部硬さが低すぎると目的の部品強度を得ることができず、逆に硬さが高すぎると加工性の劣化を招き好ましくない。このようなことが生じないようにするため適切な硬さ範囲に調整することが必要である。このため本発明では、fn2の範囲を0.76超〜0.90未満とした。なお、fn2の式にて無添加の元素に対応する項は、ゼロとして計算する。
B:0.0010〜0.0100%
Bは、焼入れ性を高めるとともに、高周波焼入れ部の強度を高める効果を有する元素である。十分な効果を得るためには0.0010%以上添加する必要がある。但し、Bを過剰に添加しても効果が飽和する上に、ホウ化物を形成して靭性を低下させるため、その上限を0.0100%とする。
Pb:0.10〜0.23%
Bi:0.300%以下
Pb及びBiは、高周波焼入れ部品用素材の被削性を向上させる効果を有する元素である。但し、0.300%より多く添加してもその効果が飽和する。本発明では、Pbを0.10〜0.23%の範囲で含有させる。またBを含有させる場合にはその上限を0.300%とする。
Ca:0.0005〜0.0050%
Caは、高周波焼入れ部品用素材の被削性を向上させる効果を有する元素である。その効果を得るためには0.0005%以上添加する必要がある。但し、過剰に添加してもその効果が飽和するため、上限を0.0050%とする。
以上のような本発明によれば、高周波焼入れ工程で過加熱が生じ難く製造性に優れ、高い強度の高周波焼入れ部品を製造可能な高周波焼入れ部品用素材を提供することができる。
試験片を高周波加熱した際の最高到達温度に及ぼす電気抵抗率の影響を示した図である。 溶融割れが観察された組織の一例を示した図である。 溶融割れが生じていない正常な組織の一例を示した図である。
次に本発明の実施例を以下に説明する。
[最高到達温度測定および溶融割れ評価]
先ず表1に示す化学成分の合金材料を高周波誘導炉にて溶製し、得られたインゴットを熱間鍛造加工しその後大気中で放冷して42mm角の棒鋼とした。そして、その中心部からΦ20mm×長さ50mmの丸棒の試験片を作製した。
Figure 0006988230
このようにして得られた試験片の表面に熱電対を溶接し、試験片を高周波加熱した。高周波加熱は、1ターンコイルを用いて、出力36kWで10秒行った。その際の最高到達温度を記録するとともに、加熱後の試験片内部を観察し、溶融割れ発生の有無を調査した。
溶融割れの調査は、加熱処理後の試験片の横断面を、ピクラール試薬にて腐食し、光学顕微鏡で観察し、以下のように評価した。
例えば図2に示すように、粒界部分に数μmの幅で明瞭に腐食された組織が認められた場合、溶融割れありと判断し結果「×」とした。
一方、溶融割れの発生が認められなかった場合(例えば図3参照)、溶融割れ無しと判断し結果「○」とした。
[内部硬さ評価]
また、上記高周波加熱用の試験片作製の際に得られた42mm角の棒鋼を用い、棒鋼の横断面での中心軸と外表面との間の径方向の中間位置(R/2位置)におけるロックウェル硬さを4点測定し、その平均値を内部硬さとした。尚、内部硬さの目標値は21〜27HRCとした。内部硬さが21HRC未満では十分な部品強度が確保できず、他方、27HRC超では加工性が確保できないからである。
これらの結果が表2に示してある。
Figure 0006988230
比較例1は、電気抵抗率を表す指数fn1の値が本発明の上限値(1.48)を上回っており、後述する実施例と比べて電気抵抗率が高い。このため高周波加熱時の最高到達温度が1430℃を超えており、試験片の一部において溶融割れの発生が認められた。この比較例1の組成から成る高周波焼入れ部品用素材を用いた場合には、形状に起因した過加熱による温度上昇が生じやすくなる。このような場合、溶融割れが懸念され、溶融割れを防止しようとすれば高周波焼入れ工程における加熱制御が難しくなり製造性が悪化する。
比較例2は、Mn量が本発明の上限値を上回っているのに加え、電気抵抗率を表す指数fn1の値が本発明の上限値を上回っている。この比較例2においても高周波加熱時の最高到達温度が1430℃を超えており、試験片の一部において溶融割れの発生が認められた。
また比較例3は、C量が本発明の上限値を上回っているのに加え、電気抵抗率を表す指数fn1の値が本発明の上限値を上回っている。この比較例3においても高周波加熱時の最高到達温度が1430℃を超えており、試験片の一部において溶融割れの発生が認められた。
これら比較例2,3の組成から成る高周波焼入れ部品用素材を用いた場合にも、形状に起因した過加熱による温度上昇が生じやすく、溶融割れ等の問題が懸念される。
比較例4,5は、電気抵抗率を表す指数fn1の値が本発明の規定範囲内であり、高周波加熱時の最高到達温度は比較例1〜3に比べて低く、溶融割れの発生も認められなかった。しかしながら素材の内部硬さを表す指数fn2の値が本発明の上限値(0.90)を超えており、内部硬さは目標とする範囲21〜27HRCより高くなった。このため、比較例4,5の組成から成る高周波焼入れ部品用素材では加工性の悪化が懸念される。
次に比較例6は、電気抵抗率を表す指数fn1の値が本発明の規定範囲内であり、高周波加熱時の最高到達温度は比較例1〜3に比べて低く、溶融割れの発生も認められなかった。しかしながら素材の内部硬さを表す指数fn2の値が本発明の下限値(0.76)を下回っており、内部硬さが目標とする範囲21〜27HRCより低くなった。このため、比較例6の組成から成る高周波焼入れ部品用素材では、高周波焼入れ部品に要求される強度が確保できない虞がある。
これに対し、指数fn1,fn2を含めて各元素が本発明の成分範囲を満たす実施例1〜11は、何れも最高到達温度が1430℃以下で、比較例1〜3と比べて最高到達温度が低い。電気抵抗率を低くして高周波加熱時の温度の上がり方を緩やかした効果が認められた。また、何れの実施例においても溶融割れは認められなかった。尚、各実施例を比較すると、fn1の値が最も小さい実施例3において最高到達温度は1324℃と最も低く、fn1の値が最も大きい実施例11において最高到達温度は1429℃と最も高く、fn1の値と最高到達温度の間には一定の相関が認められた。
また実施例1〜11は、何れも内部硬さが目標とする21〜27HRCの範囲内に収まっており、良好な加工性及び部品強度を得るための内部硬さを有している。
このように各実施例は、良好な加工性及び部品強度を得るために必要な内部硬さを確保した上で、電気抵抗率の低減が図られているため、かかる実施例の組成から成る高周波焼入れ部品用素材を用いれば、仮に高周波焼入れ部品の形状が、過加熱を起こしやすい形状であったとしても、過加熱による温度上昇は抑制されるため、溶融割れを起こすことなく高周波焼入れによる高強度を得ることができる。

Claims (2)

  1. 質量%で
    C:0.35〜0.45%
    Si:0.30%以下
    Mn:0.80〜1.30%
    P:0.030%以下
    S:0.010〜0.070%
    Cr:0.30%以下
    Pb:0.10〜0.23%
    Cu:0.07〜0.20%
    Ni:0.07〜0.15%
    を含有し、更に
    o:0.10%以下
    V:0.30%以下
    Al:0.03%以下
    Ti:0.05%以下
    Nb:0.10%以下
    の何れか1種若しくは2種以上を含有し、
    残部がFe及び不可避的不純物であり、且つ下記式(1),式(2)を満足する組成の鋼から成ることを特徴とする高周波焼入れ部品用素材。
    fn1<1.48・・式(1)
    0.76<fn2<0.90・・式(2)
    但しfn1=[C]+1.2[Si]+0.5[Mn]+0.3[Cr]+0.45([Cu]+[Ni]+[Mo])
    fn2=[C]+[Si]/13+[Mn]/6+3[P]/5+2[Cu]/5+[Ni]/5+[Cr]/6+[V]
    (fn1,fn2の式中[ ]は、[ ]内元素の含有質量%を表す)
  2. 請求項1において、質量%で
    B:0.0010〜0.0100%
    Bi:0.300%以下
    Ca:0.0005〜0.0050%
    の何れか1種若しくは2種以上を更に含有することを特徴とする高周波焼入れ部品用素材。
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