JP2015156905A - 消火栓装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】メンテナンス等の際に消火栓扉の着脱が容易で張力の調整を必要としない。【解決手段】消火栓装置1は、筐体3内に、水供給管12の弁箱11a内に設けた開閉弁11と、水供給管12に接続した放水用ホース13とを備えた。筐体3の消火栓扉4の内面に、開閉弁11を開閉操作する開閉用レバー23と、放水用ホース13の先端に設けた放水ノズル14とを設けた。消火栓扉4の内面には開閉用レバー23を固定した回転軸17を支持するギアボックス21を備えた。ギアボックス21には回転軸17に連結した第一傘歯車と軸部材に固定した第二傘歯車とが噛合し、開閉用レバー23を回転させると、回転軸17と第一及び第二傘歯車を介して軸部材を回転させる。軸部材と開閉弁11の軸体を、回転を伝達するフレキシブルシャフト28を介してそれぞれ着脱可能に連結した。【選択図】図1

Description

本発明は、自動車専用トンネルやその他のトンネル等や適宜の場所に設置される消火栓装置に関する。
従来、自動車専用トンネルは、例えば2車線の路面を覆うように略半円筒状のコンクリート枠体が構築され、少なくとも一方の路肩には路面より高い位置に段差を設けて監視員通路が形成されている。
また、自動車専用トンネルには、トンネルの長さによって例えば50m間隔で非常用設備として消火栓装置が設置されている。消火栓装置は、一般に監視員通路の壁面に嵌め込まれて設置されている。トンネル内で火災等の非常事態が発生した場合、車の運転手等が監視員通路に設置された消火栓装置の扉を開き、放水用ホースを取り出すと共に消火栓開閉レバーを開放操作することで消火栓弁を開弁させて放水できるようになっている。
なお、消火栓装置のメンテナンス等を行う際には消火栓装置の扉を取り外して行っている。特許文献1に消火栓扉の取り外し機構の一例が示されており、この取り外し機構を図8により説明する。従来の消火栓装置では、消火栓扉50の下部に対応した筐体51側には軸受部材52,53が固定され、それぞれ軸穴を設けている。これらの軸穴に対応した位置には、固定ピン54とL字ピン55が設けられている。固定ピン54は消火栓扉50の一方の側面に突出して固定され、軸受部材52の軸穴に挿入されている。L字ピン55はロック位置で抜止め機構が設けられ、軸受部材53の軸穴に挿入されている。また消火栓扉50の内側には扉保持部材として機能するZ金具57が固定されている。
消火栓扉50の取り外しに際し、上部の張出し部分に作業者が手を掛けて消火栓扉50を保持し、この状態でL字ピン55を軸受部材53の軸穴から外す離脱操作を行い、消火栓扉50を手で外すことができる。
図9(a)に示すロック状態では、L字ピン55は扉側のロック溝59に先端の曲げ部を嵌合して軸方向への動きを規制し、この状態でピン本体55aを、扉側面から突出して筐体51側に配置した軸受部材53の軸穴60に挿入している。また、ロック解除の際には、ロック溝59から曲げ部を外した後に、図9(b)に示すように、L字ピン55を引いてピン本体55aを軸受部材53の軸穴60から抜くことで、L字ピン55を筐体51から外すことができる。L字ピン55側を外すことができれば、その状態で消火栓扉50を斜めに外側に出して横にずらすことで、固定ピン54側も筐体51から外すことができる。
なお、外した消火栓扉50を取り付けるには、固定ピン54を軸受部材52の軸穴に合わせて挿入した後、L字ピン55側を筐体51に嵌め入れて軸受部材53の軸穴に位置合わせして軸穴に挿入した後、ロック溝61に曲げ部を押し込んで抜け止めすればよい。
消火栓装置は、例えば特許文献2に記載されたように、筐体内に火災時に水を供給する水供給管と、水供給管に接続されていて先端に放水用ノズルを備えた放水用ホースとを収納し、筐体の扉の内面には、水供給管の消火栓弁を開閉操作するための消火栓開閉レバーと放水用ノズルを取り付けている。
また、消火栓弁の開閉装置は、例えば特許文献3に記載されたように、消火栓開閉レバー64と消火栓弁とは2本のワイヤ65,66によって連結されており、これら2本のワイヤ65,66は一端側が消火栓開閉レバー64に設けた操作用プーリ67に互いに接続され、他端側は消火栓弁の動作用プーリ68にそれぞれ接続されている。
そして、消火栓開閉レバー64を操作することで操作用プーリ67を回転させて2本のワイヤ65、66を互いに逆方向に作動させると、動作用プーリ68を介して消火栓弁が開弁され、水供給管の水を放水用ノズルに供給可能としている。各プーリ67、68はその径が大きいとワイヤ65,66の送りが大きくなり、消火栓開閉レバー64の回転をダイレクトに消火栓弁に伝達している。
特開2009−291402号公報 特開2001−9053号公報 特開2006−6376号公報
ところで、消火栓装置は監視員通路の壁面に嵌め込んだり監視員通路上に設置したりするため、筐体の厚みが大きいと設置に手間がかかったり火災等の際に消火栓装置が邪魔で避難が遅れること等の不具合があり、薄型のものが望まれていた。
一方で、消火栓装置の筐体を薄型化すると、定期的にメンテナンス等を行う場合、消火栓装置の消火栓扉を取り外して筐体内部を点検する際、ワイヤが邪魔になるので取り外す必要があった。
しかしながら、消火栓装置のメンテナンス終了後に、取り外したワイヤを再度セットする場合、消火栓開閉レバーの操作性を良好に維持するため2本のワイヤの張力を適切に調整する必要があるが、一度ワイヤを取り外すと再組立した時に張力が変化してしまうという問題があった。その際、現場でワイヤの張力を適切に調整することは手間がかかり長時間を要していた。そのため、定期的なメンテナンスを短時間で行うためにワイヤの取付機構の改善が望まれていた。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、メンテナンス等の際に、消火栓扉の着脱が容易で再組立しても張力の調整を必要としない消火栓装置を提供することを目的とする。
本発明による消火栓装置は、水を供給する水供給管と、水供給管内に設けた開閉弁と、水供給管に接続されていて先端に放水ノズルを備えた放水用ホースと、開閉弁を開閉操作する開閉操作部材と、開閉操作部材及び開閉弁を接続させていて開閉操作部材の開閉操作を回転力として開閉弁に伝達するフレキシブルシャフトと、少なくともフレキシブルシャフトの一端と開閉操作部材及び開閉弁の一方または他のフレキシブルシャフトとを着脱可能に連結する連結部とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、消火栓装置のメンテナンス等の際に、フレキシブルシャフトの一端と開閉操作部材及び開閉弁の一方側との連結部を分離することで、消火栓装置の内部を点検したり部品交換したりすることを容易に行うことができ、点検や部品交換等の終了後に連結部を連結することで、フレキシブルシャフトの張力を取り外し前と同程度に設定することができ、開閉操作部材の操作による開閉弁の開閉作動に影響を与えない。また、複数のフレキシブルシャフトを連結した場合にはフレキシブルシャフト同士の連結部を分離するようにしてもよい。そして、火災等の際には、開閉操作部材の回転力をフレキシブルシャフトを介して開閉弁に適切に伝達して開弁することができる。
また、水供給管と放水用ホースを収納した筐体と、開閉操作部材と放水ノズルを取り付けた消火栓扉とを備えることが好ましい。
消火栓装置のメンテナンス時等では、消火栓扉を開ける際にフレキシブルシャフトの一端と開閉操作部材及び開閉弁の一方側との連結部を分離することで消火栓扉を外すことができると共に、火災等の際には消火栓扉を開いて開閉操作部材を操作することでフレキシブルシャフトを介して開閉弁を開放することができて放水用ホースから放水ノズルを通して消火活動を行える。
また、連結部は、フレキシブルシャフトの一端と開閉操作部材または開閉弁の一方に設けた雄部材と、他方に設けていて雄部材を一体回転可能に連結させる雌部材と、を備えていてもよい。
雄部材と雌部材を一体回転可能に連結させることで、開閉操作部材の回転をフレキシブルシャフトを介して開閉弁に伝達して開閉弁を開閉でき、また連結部材の雄部材と雌部材を分離することで消火栓扉を取り外すことができる。
本発明による消火栓装置は、水を供給する水供給管と、水供給管内に設けた開閉弁と、水供給管に接続されていて先端に放水ノズルを備えた放水用ホースと、開閉弁を開閉操作する開閉操作部材と、開閉操作部材及び開閉弁を接続させていて開閉操作部材の開閉操作を回転力として開閉弁に伝達する伝達機構とを備え、開閉弁を開閉する際、開閉操作部材の回転角度は開閉弁の回転角度より大きく設定されていることを特徴とする。
本発明によれば、消火栓装置のメンテナンス等の際に、開閉操作部材の操作によって開閉弁を開閉作動させて伝達機構に回転角度のねじれが残ることがあっても、開閉操作部材の回転角度を開閉弁の回転角度より大きく設定することでねじれ分を加味して所定の回転角度回転させることができる。
本発明に係る消火栓装置によれば、メンテナンス等の際、開閉操作部材と開閉弁を接続するフレキシブルシャフトの少なくとも一端側の連結部を脱着可能に設置したので、フレキシブルシャフトを切り離しても連結部で簡単且つ容易に再連結することができ、しかも再連結に際してフレキシブルシャフトの張力等の調整をしなくても適切に設定されるため簡単且つ容易に再組立できる。
本発明の実施形態による消火栓装置の消火栓扉を開いた状態の正面図である。 図1に示す消火栓扉の内側に取り付けたフレキシブルシャフトと放水用ホースの放水ノズルを示す拡大図である。 フレキシブルシャフトの一端とギアボックスに設けた軸部材との連結部を示す要部分解斜視図である。 フレキシブルシャフトを示す図である。 図1に示す水供給管の弁箱とフレキシブルシャフトの他端との連結状態を示す図である。 図5に示す水供給管の弁箱とフレキシブルシャフトの他端との連結部の構成を示す分解図である。 水供給管の弁箱とフレキシブルシャフトの他端との連結状態の変形例を示す図である。 従来の消火栓扉の着脱構造を示す説明図である。 図8におけるL字ピンによる着脱構造を示す拡大図である。 消火栓装置内部に設けた放水レバーと開閉弁との間の連係機構を示す説明図である。
以下、本発明の実施形態による消火栓装置について図1乃至図6を参照して説明する。
本実施形態による消火栓装置1は、主として自動車専用トンネル内に設置され、自動車事故等によるトンネル内の火災の際に消火するために用いられる。消火栓装置1はトンネル内の図示しない路面の少なくとも一方の路肩に設けた一段高い監視員通路の壁面に例えば嵌め込んで設置されている。消火栓装置1の消火栓装置本体2は略箱状の筐体3とその前面に設けた消火栓扉4とを備えている。消火栓扉4の表面には図示しない扉開閉ハンドルがついている。
消火栓装置本体2の隣には消火器ボックス10が設置されている。消火器ボックス10は、軽微な火災等の際に用いられる消火器5を内蔵し、また、消火器ボックス10の表面には、火災発生の際に通報を行う押しボタン6(起動ボタン)と、赤色表示灯7と、押しボタン6を押すことで点灯する応答ランプ8とを備えた押しボタン式通報装置9とを備えている。
なお、本実施形態において、筐体3を含む消火栓装置本体2は厚さ方向の幅を極力小さく形成するものとし、これによって監視員通路の壁面凹部に消火栓装置1を設置する際に壁面を削る厚さが小さくて済む。また、監視員通路の壁面に消火栓装置1を設置する場合でも消火栓装置1の厚みを小さくすることで監視員通路の通行幅をより広く確保できて好ましい。
消火栓装置本体2の筐体3内の一側部には例えば上下方向に水供給用の水供給管12が設置され、水供給管12の上下方向の中間部には消火栓用の開閉弁11として例えばボールバルブが設置された弁箱11aが設けられている。水供給管12の開閉弁11を挟む一方側には図示しない給水配管が連結され、他方側には放水用ホース13の一端が接続されている。放水用ホース13は筐体3内の水供給管12に隣接するスペースにリング状に巻回された状態で収納され、その他端には水を吐出する放水ノズル14が連結されている。放水ノズル14は略筒状に延びていて途中部分に取手部14aを備えており、消火栓扉4の内面に形成された係止部15に放水ノズル14が取り出し可能に係合されている。
また、消火栓扉4は例えば長方形板状に形成され、その長辺に沿って回転軸17が回転可能に設置されている。回転軸17の両端には回転軸17の各端部を回転可能に支持する軸受18を備えた支持部材19が消火栓扉4の両側辺に沿って取り付けられている。図2及び図3において、回転軸17の一方の端部近傍には回転軸17を挿通するギアボックス21が消火栓扉4に固定されている。
ギアボックス21は例えば平面視四角形板状の底面を有し、その対向する二辺と筐体3側の一辺とにそれぞれ側面22a、22b、22cが形成されている。対向する二側面22a、22bにそれぞれ形成された孔を回転軸17が回転可能に貫通しており、一方の側面22bと軸受18との間には開閉操作部材として回転軸17と一体に回転可能な例えば略L字状の開閉用レバー23が固定されている。開閉用レバー23の一方の片部23aは回転軸17に固定され、他方の片部は開閉用レバー23の把持部23bとされている。
そして、図3において、ギアボックス21内に位置する回転軸17には第一傘歯車25が固定されている。また、筐体3側の側面22cにはこの側面22cに形成された孔を回転可能に挿通した軸部材26が設置され、軸部材26のギアボックス21内には第一傘歯車25に噛合する第二傘歯車27が固定されている。そして、軸部材26と水供給管12の弁箱11a内に設けた開閉弁11とを連結するフレキシブルシャフト28が湾曲状態で設けられている。
そのため、開閉用レバー23を回動させると、回転軸17が一体回転し、第一傘歯車25の回転力を第二傘歯車27に伝達して軸部材26を連動させて回転させ、回転方向を90°変更できる。
図4に示すフレキシブルシャフト28は、可撓性のあるシャフト状の部材によって形成されている公知の部材であり、長手方向に延びる外筒30内に例えばベアリングを介して回転可能に支持されたワイヤシャフト31は多線で平行なメタルワイヤを捩じって高強度に形成したものである。そして、図3に示すように、ワイヤシャフト31の一方の端部は外筒30から突出して略四角柱形状の第一雄部材31aを有しており、他方の端部は外筒30から突出して略四角筒形状の穴35aを有する円筒状の第二雌部材35を有している。ワイヤシャフト31は一方、例えば一端の第一雄部材31aが外筒30に対して自転すると外筒30内で他方の第二雌部材35まで全長に亘って自転することになる。また、第二雌部材35を回転させた場合も第一雄部材31aまでワイヤシャフト31の全長に亘って自転することになる。
また、軸部材26の他端部には上記第一雄部材31aと同様な構成の四角形筒状の穴29aを有する第一雌部材29が形成されており、第一雄部材31aを軸部材26の穴29a内に挿入させた状態で軸部材26の側面に形成したねじ穴26bに例えばいもねじ32を螺合させて、第一雄部材31aに形成した凹部に押圧固定した。
これによって、軸部材26の回転を互いに嵌合された第一雌部材29と第一雄部材31aを介してフレキシブルシャフト28のワイヤシャフト31に伝達して回転させることができる。なお、軸部材26の第一雌部材29とフレキシブルシャフト28の第一雄部材31aとで連結部を構成する。
また、図5及び図6において、フレキシブルシャフト28の他方の端部には外筒30から突出したワイヤシャフト31の筒状の第二雌部材35が設けられている。そして、水供給管12に連結した弁箱11aに設けた筒部11b内には弁箱11a内に設けた開閉弁11に連結された軸体36が設けられ、軸体36の先端に略四角柱形状の第二雄部材36aが筒部11bの外部に突出して形成されている。この第二雄部材36aはフレキシブルシャフト28の第二雌部材35の穴35aに嵌合し、第二雌部材35の側面の孔部に螺合するいもねじ等で一体回転可能に固定している。
なお、第二雄部材36aと第二雌部材35とで連結部を構成する。
そのため、フレキシブルシャフト28の一方の端部に設けた第一雄部材31aを軸部材26に設けた第一雌部材29の穴29aに連結し、他方の端部に設けた第二雌部材35に開閉弁11に連結した軸体36の第二雄部材36aを連結するようにした。これによって、開閉用レバー23の回転操作をフレキシブルシャフト28を介して伝達して弁箱11a内の開閉弁11を回転させることができる。
ここで、開閉用レバー23の回転操作によってフレキシブルシャフト28に回転力を加えた際、フレキシブルシャフト28自体またはワイヤシャフト31に多少のねじれが残ることがある。その場合、例えば第一傘歯車25と第二傘歯車27との歯数の比が1:2であると開閉用レバー23を回転角度180度で回転させても開閉弁11の回転角度は90度未満になる。そのため、フレキシブルシャフト28のねじれ分を補うためには第一傘歯車25と第二傘歯車27の減速比を1/2より小さくするとよい。
本実施形態による消火栓装置1は上述の構成を備えており、次に消火栓装置1の使用方法について説明する。
まず、トンネル内の消火栓装置1の定期点検等のメンテナンスを行う際、消火栓装置本体2の内部の点検のために筐体3から消火栓扉4を取り外す。消火栓扉4の取り外し方は上述した従来技術の機構と同様である。このとき、開閉用レバー23の開閉操作で連動するギアボックス21の側面22cに取り付けた軸部材26はフレキシブルシャフト28を介して開閉弁11の軸体36と連結されているため、消火栓扉4を取り外すためには、フレキシブルシャフト28のどちらか一方の端部を取り外す必要がある。
そのため、フレキシブルシャフト28の例えば第一雄部材31aをギアボックス21に取り付けた軸部材26の第一雌部材29から取り外す。そして、軸部材26の側面に設けたねじ穴26bからいもねじ32を取り外し、フレキシブルシャフト28の第一雄部材31aを第一雌部材29から引き抜く。これによって、消火栓扉4が筐体3から分離可能であるから、消火栓扉4を筐体3から取り外して下方に置き、筐体3の内部の水供給管12の開閉弁11や筐体3内に巻回された放水用ホース13等の各部材を点検することができる。
そして、点検終了後に、フレキシブルシャフト28の第一雄部材31aを軸部材26の第一雌部材29の穴29aに嵌合していもねじ32で結合することで、フレキシブルシャフト28を軸部材26に連結できる。しかも、連結後のフレキシブルシャフト28におけるワイヤシャフト31の張力は離脱前と同一レベルであるため、面倒な張力調整をしなくて済む。
なお、フレキシブルシャフト28の取り外しに際し、上述した第一雄部材31aと第一雌部材29の着脱作業に代えて、開閉弁11の軸体36に設けた第二雄部材36aをフレキシブルシャフト28の他端の第二雌部材35から取り外すことで分離させてもよい。
次に、トンネル内で火災があった場合に、消火栓装置1による消火方法について説明する。
トンネル内で車両の運転者等によって火災が検知され、運転者等の使用者が消火栓装置1の押しボタン6を押すと、ボタン式通報装置9の応答ランプ8を点滅させて火災の発生を周囲に知らせる。また、押しボタン6の押圧によってボタン式通報装置9から通報信号がトンネル外の防災受信盤等に送られ、消防車の出動等、トンネル外からの消火活動を促すことになる。これと同時に水供給管12に接続された給水配管の上流側に設置された図示しない消火栓が起動し、弁箱11aの開閉弁11の部分まで水圧をかけることになり、消火栓からの放水に備えた状態になる。
そして、図1に示すように、現場の使用者は消火栓扉4を開けると、その内側に取り付けた放水ノズル14と開閉用レバー23と共に消火栓扉4が前方に倒れる。そのため、消火栓装置1が例えばトンネル内の路面より一段高い監視員通路の壁面に設置されていた場合、使用者は路面に立っていたとしても容易に消火栓扉4の放水ノズル14と開閉用レバー23に手が届くことになる。なお、使用者は監視員通路上に位置している場合でも、容易に放水ノズル14と開閉用レバー23に手が届く。
そして、使用者が消火栓扉4の内面の放水ノズル14を取り出すと共に、開閉用レバー23を引いて回転軸17を約180°程度回転させる。すると、回転軸17の回転によってギアボックス21内の第一傘歯車25が一体回転し、第一傘歯車25に噛合する第二傘歯車27を連動して回転させる。これによって回転軸17の回転は軸部材26に伝達され、回転軸17の回転方向が約90°異なる方向に変換させられ、しかも第一傘歯車25と第二傘歯車27によって例えば1/2の減速比で伝達される。
すると、軸部材26の回転は互いに連結された第一雌部材29と第一雄部材31aを介してフレキシブルシャフト28に伝達され、外筒30内のワイヤシャフト31が例えばベアリングを介して回転軸17の回転角度分だけ全長に亘って自転し、フレキシブルシャフト28の他方の端部に設けた第二雌部材35に回転が伝達される。この第二雌部材35の回転は第二雄部材36aを介して軸体36から弁箱11a内の開閉弁11に伝達されて開閉弁11が閉鎖位置から開放位置に回転する。
そして、予め圧力をかけられていた水供給管12内の水は開閉弁11から放水用ホース13を通って放水ノズル14から放水され、放水用ホース13を延ばして消火活動を行うことができる。
上述のように、本実施形態による消火栓装置1によれば、開閉用レバー23と軸体36の開閉弁11とをフレキシブルシャフト28を介して連結させたため、メンテナンス等の際に消火栓扉4を筐体3から取り外す場合、フレキシブルシャフト28の両端の第一雄部材31aと第二雌部材35のいずれか一方を取り外し、メンテナンス終了後に再度フレキシブルシャフト28を取り付ければよい。
しかも、メンテナンス作業を行う際にフレキシブルシャフト28のいずれか一端部を脱着しても、従来のワイヤと相違して張力の調整が必要なく、着脱操作が容易である。そのため、メンテナンス作業を繰り返したとしても、火災の場合に開閉用レバー23の操作による弁箱11a内の開閉弁11の開閉操作に変動や支障を来たすことがない。
なお、本発明による消火栓装置1は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更や置換等が可能である。
例えば、上述した実施形態による消火栓装置1では、フレキシブルシャフト28の開閉用レバー23側端部に第一雄部材31aを設け、開閉弁11側端部に第二雌部材35を設けたが、本発明はこのような構成に限定されるものではなく、これとは逆に開閉用レバー23側端部に雌部材を設け、開閉弁11側端部に雄部材31aを設けてもよい。或いはフレキシブルシャフト28の両側端部に雄部材を設けてもよいし、両側端部に雌部材を設けてもよい。いずれの場合も、フレキシブルシャフト28の両端と軸部材26及び開閉弁11の軸体36との間の各連結部で、雄部材と雌部材による着脱操作を行えればよい。
なお、上述の実施形態では1本のフレキシブルシャフト28を軸部材26と開閉弁11の軸体36との間に連結するようにしたが、これに代えて複数本のフレキシブルシャフト28を直列方向に雄部材と雌部材とで互いに連結させてもよい。また、本発明ではギアボックス21は必ずしも必要なく、開閉用レバー23の回転をフレキシブルシャフト28に伝達できる構成であればよい。
また、図7は本発明の実施形態の変形例を示すものであり、フレキシブルシャフト28の第二雌部材35に略円筒状の雌ねじ部材38を取り付け、第二雄部材36aにはその付け根部分に雄ねじ部材39を取り付けた。そのため、連結時には第二雄部材36aを第二雌部材35の穴35aに嵌合させて雌ねじ部材38と雄ねじ部材39を螺合すればよい。両者を分離する場合には逆の操作をすればよい。なお、フレキシブルシャフト28の第一雄部材31aと第一雌部材29にも同様に雌ねじ部材38と雄ねじ部材39を設置可能である。また、雌ねじ部材38と雄ねじ部材39は各雄部材と雌部材のどちらにつけてもよい。これらも連結部を構成する。
また、上述の実施形態では、トンネル内の監視員通路の壁面に消火栓装置1を設置したが、これに代えて、トンネルの路面に隣接する壁面に設置してもよく、またトンネル以外の適所に設置することができる。
なお、本発明では伝達機構としてフレキシブルシャフトを用いたが、フレキシブルシャフトに限定されることなく適宜の伝達機構を採用でき、例えば歯車や回転軸等を組み合わせることによって開閉用操作部材の操作を開閉弁に伝達するようにしてもよい。
1 消火栓装置
2 消火栓装置本体
3 筐体
4 消火栓扉
11a 弁箱
11 開閉弁
12 水供給管
13 放水用ホース
14 放水ノズル
17 回転軸
21 ギアボックス
23 開閉用レバー
25 第一傘歯車
26 軸部材
27 第二傘歯車
28 フレキシブルシャフト
29 第一雌部材
31a 第一雄部材
35 第二雌部材
36 軸体
36a 第二雄部材
38 雌ねじ部材
39 雄ねじ部材

Claims (4)

  1. 水を供給する水供給管と、
    前記水供給管内に設けた開閉弁と、
    前記水供給管に接続されていて先端に放水ノズルを備えた放水用ホースと、
    前記開閉弁を開閉操作する開閉操作部材と、
    前記開閉操作部材及び開閉弁を接続させていて前記開閉操作部材の開閉操作を回転力として前記開閉弁に伝達するフレキシブルシャフトと、
    フレキシブルシャフトの少なくとも一端と前記開閉操作部材及び開閉弁の一方側または他のフレキシブルシャフトとを着脱可能に連結する連結部とを
    備えたことを特徴とする消火栓装置。
  2. 前記水供給管と放水用ホースを収納した筐体と、前記開閉操作部材と放水ノズルを取り付けた消火栓扉とを備えた請求項1に記載された消火栓装置。
  3. 前記連結部は、前記フレキシブルシャフトの一端と前記開閉操作部材または開閉弁の一方側に設けた雄部材と、他方に設けていて前記雄部材を一体回転可能に連結させる雌部材と、を備えた請求項1または2に記載された消火栓装置。
  4. 水を供給する水供給管と、
    前記水供給管内に設けた開閉弁と、
    前記水供給管に接続されていて先端に放水ノズルを備えた放水用ホースと、
    前記開閉弁を開閉操作する開閉操作部材と、
    前記開閉操作部材及び開閉弁を接続させていて前記開閉操作部材の開閉操作を回転力として前記開閉弁に伝達する伝達機構とを備え、
    前記開閉弁を開閉する際、前記開閉操作部材の回転角度は前記開閉弁の回転角度より大きく設定されていることを特徴とする消火栓装置。

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