JP2015153951A - 半導体装置の製造方法および製造装置 - Google Patents

半導体装置の製造方法および製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】デバイス特性を悪化させることなく、ウォーターマークの発生を抑制するエッチング方法を含む半導体装置の製造方法および製造装置を得ること。【解決手段】少なくとも表面がシリコン系材料で構成されたウエハ表面をHFによりエッチングする工程S11と、エッチング工程の実施されたウエハをリンスするリンス第1工程S12と、リンス第1工程S12を経たウエハをリンスするリンス第2工程S13と、ウエハを乾燥させる工程S14とを含み、リンス第1工程S12が、リンス液に水素、シリコンおよびフッ素を含む添加剤、例えばヘキサフルオロケイ酸を添加する調整工程を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、半導体装置の製造方法および製造装置に係り、特に太陽電池ウエハなどのシリコン系ウエハのエッチングに関する。
シリコンウエハを用いた太陽電池製造プロセスでは、シリコンウエハ表面をエッチング処理する工程がある。エッチング処理工程では、シリコンウエハ表面をフッ酸(HF)などでエッチング処理を行い、シリコンウエハ表面に残存するエッチング処理液を純水などでリンスして、シリコンウエハを乾燥させるという方法がとられている。シリコンウエハを純水などでリンスすると、純水中のH2O、溶存酸素O2およびシリコンウエハ表面のSiが反応し、ケイ酸(H2SiO3)が生成される。このため、ウエハを乾燥させたとき、リンス液中に生成されたケイ酸が、ウエハ表面に析出する。これがウォーターマークである。エッチング処理工程後のシリコンウエハ表面にウォーターマークが存在すると、外観不良となる。そのため、シリコンウエハのエッチング工程では、エッチング処理後のシリコンウエハ表面に対してケミカル酸化膜を形成させて、シリコンウエハ表面のウォーターマーク発生を抑制する方法が提案されている(例えば特許文献1)。特許文献1では、シリコンウエハを大気に曝すことなく、HF処理後のHFを純水に置換し、さらに純水を過酸化水素水希釈溶液へと置換する方法が提案されている。この方法では、過酸化水素溶液中の酸素を利用して、シリコンウエハ表面に0.6〜1nm程度のケミカル酸化膜を形成させることでシリコンウエハ表面を親水化させて、ウォーターマークの発生を抑制している。
また、リンス液のpHを調整することで、基板からの被酸化物質(ケイ酸)の溶出を低減させてウォーターマークの発生を防止する方法が提案されている(例えば特許文献2)。特許文献2では、リンス液に希塩酸や希フッ酸を混入させてpHが5以下となるようにして被酸化物質の溶出を低減させている。
特開2001−044429号公報 特開2006−073945号公報
しかしながら、上記従来の技術によれば、特許文献1のようにケミカル酸化膜を形成させる方法を太陽電池製造工程で用いると、形成されたケミカル酸化膜の影響により、リーク電流の増加や変換効率の低下が生じ、太陽電池セル特性が悪化するという問題点があった。
また、リンス液のpHを調整することで、基板からの被酸化物質(ケイ酸)の溶出を低減させてウォーターマークの発生を防止する特許文献2の方法では、以下のような問題があった。つまりウエハ表面に酸化膜が形成されないため、乾燥工程はウォーターマークの発生要因である酸素を遮断するために、不活性ガス雰囲気中で行う必要がある。また、ウエハ表面のリンス液を不活性ガスにより完全に除去する必要があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、デバイス特性を悪化させることなく、ウォーターマークの発生を抑制するエッチング方法を含む半導体装置の製造方法および製造装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、少なくとも表面がシリコン系材料で構成されたウエハ表面をHFによりエッチングする工程と、エッチング工程の実施されたウエハをリンスするリンス第1工程と、リンス第1工程を経たウエハをリンスするリンス第2工程と、ウエハを乾燥させる工程とを含み、リンス第1工程が、リンス液に水素、シリコンおよびフッ素を含む添加剤を添加する調整工程を含む。
本発明によれば、ケミカル酸化膜の形成を防止し、半導体デバイスの特性を悪化させることなく、ウォーターマークの発生を容易に抑制できる。
図1は、本発明の実施の形態1による処理工程を示すフローチャートである。 図2(a)は、本発明の実施の形態1による処理工程を用いた太陽電池の製造工程を示すフローチャート、(b)は同工程で得られる太陽電池の一例を示す断面図である。 図3は、本発明の実施の形態1によるリンス第1工程の構成図である。 図4は、本発明の実施の形態1による純水でのウォーターマークの発生を説明する図である。 図5は、本発明の実施の形態1による純水でのウォーターマークの発生を説明する図である。 図6は、本発明の実施の形態1によるヘキサフルオロケイ酸添加でのウォーターマークの発生抑制を説明する図である。 図7は、本発明の実施の形態1によるヘキサフルオロケイ酸添加でのウォーターマークの発生抑制を説明する図である。 図8は、本発明の実施の形態1によるヘキサフルオロケイ酸添加でのウォーターマークの発生抑制を説明する図である。 図9は、本発明の実施の形態1によるHF添加でのウォーターマークの発生抑制を説明する図である。 図10は、本発明の実施の形態1によるHF添加でのウォーターマークの発生抑制を説明する図である。 図11は、本発明の実施の形態1によるHF添加でのウォーターマークの発生抑制を説明する図である。 図12は、本発明の実施の形態1によるリンス第1工程のリンス槽の水質を変えた場合のpH、導電率の関係を示す図である。 図13は、本発明の実施の形態1によるヘキサフルオロケイ酸添加でのウォーターマークの発生抑制を説明する図である。 図14は、本発明の実施の形態2によるリンス第1工程の構成図である。 図15は、本発明の実施の形態3によるリンス第1工程の構成図である。 図16は、本発明の実施の形態4によるリンス第2工程の構成図である。 図17は、太陽電池セル特性を測定した平均の特性値を示す図である。
以下に、本発明にかかる半導体装置の製造方法および製造装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、以下に示す図面においては、理解の容易のため、各部材の縮尺が実際とは異なる場合がある。各図面間においても同様である。また、平面図であっても、図面を見易くするためにハッチングを付す場合がある。
実施の形態1.
図1は、本発明にかかる半導体装置の製造方法の実施の形態1のエッチング方法のフローチャートを示す図である。本実施の形態では、半導体基板として、p型単結晶シリコンからなるシリコンウエハ1を用いて、拡散型太陽電池を製造する場合について、説明する。このエッチング方法は、後述するが、図2(a)に太陽電池の製造工程のフローチャート、図2(b)に得られる太陽電池を示すように、拡散工程によりpn接合を形成した太陽電池基板の端面エッチング工程を経て、ドーピングガラスであるリンガラスを除去する工程で用いられる。このエッチング工程後のウエハをリンスするためのリンス液に水素、シリコンおよびフッ素を含む添加剤を添加する調整工程を含む。
図1にフローチャートを示すように本実施の形態は、HF処理を行うHFエッチング工程(ステップS11)と、リンス処理を行うリンス第1工程(ステップS12)と、2回目のリンス処理を行うリンス第2工程(ステップS13)と、乾燥を行う乾燥工程(ステップS14)とを有している。HFエッチング工程S11では、HFが供給されたエッチング槽にシリコンウエハを浸漬して、シリコンウエハ表面をエッチングする。エッチングが完了すると、シリコンウエハはエッチング槽から引上げられ、次のリンス第1工程S12へ運ばれる。このリンス第1工程S12で、pHあるいは、導電率を測定しながら、ヘキサフルオロケイ酸などの添加剤を添加し、ケミカル酸化膜の形成を抑制することを特徴とするものである。
本実施の形態のエッチング方法は太陽電池の製造工程においていろいろな部分で使用可能であるが、例えば図2(a)にフローチャートを示すような拡散型太陽電池の製造工程においては、拡散によりpn接合を形成する際に生成されるドーピングガラスのエッチング除去工程(S10)などに適用可能である。
本実施の形態のエッチング方法で用いられるエッチング装置は、被処理基板としてのシリコンウエハ1をエッチングするエッチング部と、エッチング部でエッチングされたウエハをリンスするリンス部とを備えている。このリンス部は、フッ酸(HF)溶液を用いたエッチング部でエッチング処理されたシリコンウエハをリンスする第1のリンス部と、第1のリンス部でリンスされたウエハをリンスする第2のリンス部とを備えている。そしてこの第1のリンス部に、ヘキサフルオロケイ酸などの無機化合物を添加する添加部と、第1のリンス部に装着され、この第1のリンス部のリンス液の水質を測定する手段とを具備し、リンス液の水質を測定しながら、無機添加物の添加量を調整し、ケミカル酸化物の生成を抑制している。
図3にリンス第1工程で用いられる第1のリンス部の構成を示す。第1のリンス部はリンス槽4を有し、シリコンウエハ1を、エッチング部から搬送し、リンスを行うものである。リンス槽4は、リンス液Riが充填され、槽上部にオーバーフロー槽5a,5bを、槽下部にリンス液供給部6a,6bを、槽側面部にpH測定センサ12および導電率測定センサ13を備えている。pH測定センサ12および導電率測定センサ13には測定ケーブル14が接続され、測定ケーブル14は水質測定器15に接続されている。リンス槽4の上部には、シリコンウエハ1を収納したウエハカセット2を掴むためのカセット搬送アーム3bを備えた搬送機3aが設置されている。リンス液供給部6a,6bには、リンス液供給管7の一端が接続され、リンス液供給管7の他端は、純水供給バルブ8に接続されている。純水供給バルブ8は純水供給管11の一端が接続され、純水供給管11の他端には純水供給部17に接続されている。リンス液供給管7の配管途中には、リンス液混合器10eが備えられている。リンス液混合器10eには送液管10cの一端が接続され、送液管10cの他端は添加剤貯蔵槽10aが接続されている。送液管10cの配管途中には、バルブ10dおよび送液ポンプ10bが備えられている。送液ポンプ10bはポンプ制御ケーブル10gの一端が接続され、ポンプ制御ケーブル10gの他端はポンプ制御部10fに接続されている。ポンプ制御部10fは水質制御ケーブル16の一端が接続され、水質制御ケーブル16の他端は水質測定器15に接続されている。
続いてリンス部の動作について説明する。リンス第1工程では、シリコンウエハ1は50〜100枚まで収納できるウエハカセット2に入れてリンス槽4にて処理される。ウエハカセット2は、カセット搬送アーム3bを通して、搬送機3aにより運搬される。リンス槽4には、リンス液混合器10eにより水質調整されたリンス液が、リンス液供給管7を通して、リンス液供給部6a,6bより供給される。リンス液は槽上部の開口部よりオーバーフローされ、オーバーフローしたリンス液はオーバーフロー槽5a,5bを通して槽外に排出される。リンス液混合器10eでは、純水供給バルブ8および純水供給管11を通して純水供給部17から供給される純水と、バルブ10dおよび送液管10cを通して、添加剤貯蔵槽10aから送液ポンプ10bにより送液される添加剤が混合される。リンス槽4の水質は、pH測定センサ12および導電率測定センサ13により、水質制御ケーブル16を通して水質測定器15で測定される。水質測定器15で測定された水質測定値は、水質制御ケーブル16を通してポンプ制御部10fに送られ、リンス槽4が所定の水質となるように、ポンプ制御ケーブル10gを通して送液ポンプ10bを制御し、添加剤の送液量を調整する。
リンス液混合器10eにて純水と混合する添加剤は、水素、シリコン、フッ素からなる無機化合物、例えばヘキサフルオロケイ酸である。このときリンス槽4のリンス液の水質が、pHが3以下、望ましくは2.8以下、かつ導電率が70[mS/m]以上、望ましくは100[mS/m]以上、さらに望ましくは150[mS/m]以上となるように添加剤を添加する。リンス第1工程が完了すると、シリコンウエハはリンス第1工程のリンス槽4から引き上げられ、リンス第2工程(第2のリンス部)へ運ばれる。
リンス第2工程は、純水が常時供給されてオーバーフローするリンス槽にて、リンス第1工程でシリコンウエハ表面に残留する水素、シリコン、フッ素からなる無機化合物を洗い流す。
乾燥工程は、高温高圧のエアーブローを行うことで、シリコンウエハ表面の水分を除去する。エアーブローの温度は、水の沸点である100℃以上、望ましくは150℃以上とする。あるいは、イソプロピルアルコール(IPA)を用いてシリコンウエハ表面の水分をIPAに置換させて乾燥させる。
次に、ウォーターマークが発生する原理について説明する。
図4にリンス第1工程のリンス槽に純水を用いた場合の反応の様子を示す。また、図5にシリコンウエハ1表面にウォーターマークが発生する際の反応の様子を示す。101は自然酸化膜、102は液面、103は液滴、104は3相界面を示す。図4において、純水中のH2O、溶存酸素O2、シリコンウエハ表面のSiが反応し、ケイ酸(H2SiO3)が生成される(反応式(1))。また、溶存酸素O2とシリコンウエハ表面のSiが反応し、二酸化ケイ素(SiO2)が生成される(反応式(2))。
2O+O2+Si→H2SiO3・・・・・・(1)
2+Si→SiO2・・・・・・・・・・(2)
リンス液内では、反応式(2)で生成されたSiO2により、シリコンウエハ表面に自然酸化膜101が形成される。
リンス槽から引き上げると、図5に示すように、反応式(1)で生成されたケイ酸H2SiO3は、シリコンウエハ表面の液滴103の乾燥、蒸発によって3相界面104部分に析出する。この析出物H2SiO3がウォーターマークとしてシリコンウエハ1表面に発生する。この析出したケイ酸を溶解する化合物に、HFが代表として挙げられる。
図6に、本実施の形態の方法で用いられるリンス第1工程のリンス槽4に、ヘキサフルオロケイ酸を添加した場合の反応の様子を示す。また、図7および図8に、リンス第1工程のリンス槽から引き上げたときの液滴103内の反応の様子を示す。図6に示すように、リンス液中ではシリコンウエハ1表面のSiが、溶存酸素と反応してSiO2が生成される(自然酸化膜101の生成)。一方、添加したヘキサフルオロケイ酸は解離し、リンス液中にHFとSiO2が生成される。このときSiO2は、リンス液中に均一に生成され、シリコンウエハ1表面に均一な自然酸化膜101を形成させることができる。また、生成されるSiO2の量は、ヘキサフルオロケイ酸から生成された量と、溶存酸素と反応して生成された量の合計であるが、HFはヘキサフルオロケイ酸から生成される量のみであるため、HFよりもSiO2の方が多く、生成された自然酸化膜101がHFにより完全に溶解されることはない。
その後、図7に示すように、リンス槽4から引き上げたときに、シリコンウエハ1表面ではケイ酸が溶解される。析出したケイ酸H2SiO3は、ヘキサフルオロケイ酸から生成されたHFによって溶解される。また、図8で示すように、3相界面104付近では、大気中の酸素によりSiO2が多く生成される。液滴の中央部のシリコンウエハ1表面にも、ケイ酸がHFに溶解されて、また溶存酸素により生じるSiO2によって自然酸化膜101が形成される。ところが、液滴103の中央部では大気中の酸素により生成されるSiO2は3相界面104付近よりも少ない。しかし、液滴103中央部の自然酸化膜101がHFで溶解されても、液滴103内のSiO2はHFよりも多く、溶解された分の自然酸化膜101をSiO2により補うことができるため、自然酸化膜101を均一に保つことができる。さらに、シリコンウエハ1表面には、リンス第1工程のリンス槽内で自然酸化膜101が形成されているため、Siの表面上がSiO2膜で覆われており、親水面となっている。そのため、シリコンウエハ1表面は液の膜で覆われやすい状態となっているため、図7で示すようにSi、O2、H2Oの3相界面104で析出物(ケイ酸H2SiO3)が発生しない。よって、リンス第1工程のリンス槽にヘキサフルオロケイ酸を添加することで、シリコンウエハ1表面に均一な自然酸化膜101を形成でき、ウォーターマークの発生を抑制することができる。
図9に、析出したケイ酸H2SiO3を溶解させるために、リンス第1工程のリンス槽4にHFを添加した場合の反応の様子を示す。また、図10および図11に、HFを添加したリンス第1工程のリンス槽4から引き上げたときの、液滴103内の反応の様子を示す。図9および反応式(1)で示すように、リンス液中ではシリコンウエハ表面のSiが反応し、ケイ酸およびSiO2が生成される。リンス液中ではSiO2により、シリコンウエハ表面に自然酸化膜101が形成されるが、添加したHFにより、すぐに溶解される。リンス槽4から引き上げると、シリコンウエハ1表面には斑に液滴103が付着する。図10に示すように、液滴103の3相界面104にてケイ酸H2SiO3が析出される。液滴103内に存在するHFは、このとき生成されたケイ酸H2SiO3を溶解しヘキサフルオロケイ酸が生成され、HFと二酸化ケイ素(SiO2)に解離する。解離したSiO2により、シリコンウエハ1表面に自然酸化膜101が形成される。図11に示すように、3相界面104付近では、大気中の酸素により自然酸化膜(SiO2)101が多く生成される。液滴103の中央部のシリコンウエハ1表面にも、ケイ酸がHFに溶解されて、また溶存酸素により生じるSiO2によって自然酸化膜101が形成される。ところが、液滴103の中央部では大気中の酸素により生成されるSiO2は3相界面104付近よりも少ない。また、生成されたSiO2よりも、HFのほうが多いため、HFにより自然酸化膜101が溶解される。
そのため、図11に示すように、シリコンウエハ1表面の自然酸化膜101は、液滴103の3相界面104付近で厚く、液滴103の中央付近で薄くなる。また、シリコンウエハ表面に自然酸化膜101を形成させるためのSiO2を生成するためには、HFによって液滴103の3相界面104に析出したケイ酸H2SiO3を溶解させる必要がある。そのため、リンス第1工程のリンス槽4に浸漬した状態では、シリコンウエハ1表面にケイ酸が析出しないため、SiO2が生成されない。図11に示すように、ケイ酸が析出するのは、リンス槽4から引き上げたときのシリコンウエハ1表面の液滴103で発生し、液滴103内のみでSiO2が生成される。また、シリコンウエハ1表面には不均一に液滴103が付着するため、自然酸化膜101はシリコンウエハ1表面に不均一に生成される。さらに、シリコンウエハ1表面の不均一な自然酸化膜101は、ウォーターマーク発生の原因となる。また、液滴103の蒸発により、液滴103内に生成されたケイ酸H2SiO3が析出し、これがウォーターマークとなる。よって、リンス第1工程のリンス槽4へのHF添加ではウォーターマークの発生を抑制することができない。
図12は、リンス第1工程のリンス槽の水質を変えた場合のpH、導電率の関係を示す。ここで水質とは、pHおよび導電率である。実験は、図1に従って実施した。すなわち、シリコンウエハ1をHF:H2O=1:30としたエッチング液を用いてエッチングし、図12にプロットされたpH、導電率となるように変化させたリンス液よりリンスし、その後、純水にてリンスして、80〜100℃以上のエアーブロー、又はIPA置換によりシリコンウエハを乾燥させた。その結果を図12に示す。aはウォーターマークが発生しなかった条件、bはウォーターマークが発生した条件を示す。図12に示すように、リンス第1工程のリンス槽の水質がpH=3かつ導電率が70[mS/m]に近づくにつれて、発生したウォーターマークの濃淡が薄くなり、リンス第1工程のリンス槽の水質がpH=3以下かつ導電率が70[mS/m]以上となると、ウォーターマークが発生しないことがわかった。よって、リンス第1工程の水質を制御することにより、ウォーターマークの発生を抑制できることが明らかとなった。
図13に自然酸化膜101形成後のリンス第2工程での反応の様子を示す。リンス第2工程では純水リンスを行うが、リンス第1工程のリンス槽にてシリコンウエハ1表面には自然酸化膜101が均一に形成されているため、図13で示すように、シリコンと酸素と水が反応してケイ酸が析出しない。102pは純水の液面である。よって、リンス第2工程のリンス槽から引き上げたときに、シリコンウエハ表面に残留するリンス液の液滴103内にケイ酸が含まれず、図5に示すようなケイ酸の析出は起こらない。よって、リンス第2工程では、シリコンウエハ表面にウォーターマークが発生しない状態となる。
したがって、リンス第1工程のリンス槽の水質を制御することで、シリコンウエハ1表面にケミカル酸化膜ではなく、均一な自然酸化膜が形成され、ウォーターマーク発生を抑制できる。
次に、太陽電池の製造工程について簡単に説明する。図2(a)は太陽電池セルの製造工程の一例を示すフローチャート、図2(b)はこの工程で形成される太陽電池セルである。本実施の形態では、シリコンウエハ1としてp型単結晶シリコン基板を用いた場合について説明する。太陽電池の作製には、まず、例えば比抵抗0.5〜20ohm/sq程度、数百μm厚のp型単結晶シリコンからなるシリコンウエハ1を用意する。シリコンウエハ1は、溶融したシリコンを冷却固化してできたインゴットをワイヤーソーでスライスして製造するため、表面にスライス時のダメージが残っている。そこで、シリコンウエハ1を酸または加熱したアルカリ溶液中、例えば水酸化ナトリウム水溶液に浸漬して表面をエッチングすることにより、切り出し時に発生してシリコンウエハ1の表面近くに存在するダメージ領域を取り除く。例えば数〜20wt%苛性ソーダや炭酸苛性ソーダで10μm〜20μm厚だけ表面を除去する(ダメージ層除去ステップS1)。
その後、シリコンウエハ1を例えば1%程度の水酸化ナトリウム水溶液に、多糖類よりなる添加剤を0.1%程度添加したエッチング液に浸漬し、異方性エッチングを行い、表面および裏面に凹凸部を形成しテクスチャー構造を形成する(テクスチャー形成ステップS2)。テクスチャー構造は、表面に凹凸を形成し、多重反射を利用して反射率を低減する方法であり、本発明に用いるテクスチャー構造形成は、どのような手法でもかまわないが、反射率低減効果の大きい構造が望ましい。
次に、pn接合を形成するためのn型拡散層26を形成する(拡散ステップS3)。受光面である表面側にはリンなどのn型不純物を拡散して、n型拡散層26、裏面側にはp型拡散層24を形成する。ここで、拡散源としては、液状のものをバブリングしてガスを流す方法や、固体を用いるもの、気体を用いるもの、スピンコーティングによる方法などが考えられる。このとき受光面側表面にはドーピングガラスが形成され、一方裏面側にもドーピングガラスが堆積される。
次に、端部を接合分離のためにエッチングする(端面エッチングステップS4)。例えば、シリコンウエハ1をスタックし、上面側と下面側を保護した状態で、CF4などのガスを流しながらプラズマ処理を実施し、側面の膜をエッチング除去する方法がある。また、その他にも、電極形成後にセル端部をレーザで加工する方法などがある。
その後、フッ酸を用いた溶液で拡散時に形成されたドーピングガラスを除去する(ド−ピングガラス除去ステップS10)。この工程が図1に示したように、本実施の形態が適用されるエッチング工程である。本実施の形態の方法により、自然酸化膜を均一に生成しつつエッチングを行うことで、信頼性の高いエッチング処理を実現することができる。
このようにしてエッチング処理を行った後、拡散型太陽電池の製造工程では続いて、受光面側の反射防止膜27と、裏面のパッシベーション膜28を形成する。最も簡便な工程としては、例えば、熱酸化処理により全面に酸化膜を形成し、パッシベーション膜兼反射防止膜として用いることができるが、反射防止効果としては、例えばSiNや、TiO2のほうが有効である。ここでは、受光面側にはSiNを、裏面には酸化膜を形成する場合の工程を説明する。
先ず受光面にSiNなどの反射防止膜27を形成する(SiN膜形成ステップS5)。受光面のみにSiNを形成した状態で酸化処理を実施することで、裏面のみ熱酸化膜が形成できる(熱酸化ステップS6)。
酸化処理は、ドライ酸化処理、ウェット酸化処理どちらでもよいが、低温で処理するほうが、拡散層の不純物が再拡散する影響が小さいため制御し易い。ウェット酸化であれば、拡散層の不純物濃度にも依存はあるが、例えば800℃の酸化処理でも100nm程度とパッシベーション効果として充分な厚みの酸化膜を形成可能であり、また、SiN膜も酸化保護膜として充分な効果が期待できる。
最後に、受光面側電極および裏面電極を印刷し(電極印刷ステップS7)、焼成する(焼成ステップS8)ことで、図2(b)に示した太陽電池が形成される。受光面および裏面に、Agなどのペーストを印刷し焼成することで表裏の電極29,30を形成可能である。ここで、電極はペーストを用いた塗布膜に限定されるものではなく、薄膜を用いるものでもよい。
このように、太陽電池セル製造工程では、シリコンウエハのエッチング処理プロセス(S10)であるドーピングガラス除去のためのエッチング後に反射防止膜を形成する(SiN膜形成:S5)。その後、シリコンウエハ表面に形成された自然酸化膜や反射防止膜を焼き切って(焼成:S8)電極を形成させる。自然酸化膜の生成は、反応速度が遅いため、厚みが0.3nm程度となる。また、0.3nm程度の自然酸化膜が形成されると、Si表面にSiO2膜が形成されているため、SiとO2(酸素)の反応がしにくく、自然酸化膜は0.3nm以上にはなりにくい。一方、ケミカル酸化膜は、酸化作用のある物質の添加により、急速に酸化膜を生成するため、1nm以上の厚みとなる。自然酸化膜と同じ厚みのケミカル酸化膜を形成することで自然酸化膜と同等の効果が得られると考えられるが、反応速度が早いため、自然酸化膜と同等の0.3nmの酸化膜を生成することは困難である。よって、ウォーターマークの発生を抑制するため、比較例のように、シリコンウエハ表面に自然酸化膜(0.3nm以下)ではなくケミカル酸化膜を1nm形成させた場合、電極形成時に焼き切る膜厚が自然酸化膜の場合よりも厚くなっているため、電気的接合が自然酸化膜の場合よりも弱くなり、電極抵抗が大きくなる。よって、太陽電池セルの変換効率が低下する。また、電極抵抗が大きくなるため、太陽電池セル内の抵抗の小さい部分に電流が流れやすくなり、リーク電流が増加する。本実施の形態では、ケミカル酸化膜を形成させず、自然酸化膜のみを形成させるため、太陽電池セル製造工程において、太陽電池セル特性を悪化させることがない。
実際に図1に従って、リンス第1工程のリンス槽のヘキサフルオロケイ酸の濃度を0.5[mg/L)(pH=2.5、330[mS/m])として自然酸化膜を形成させた場合(表中自然酸化膜と記載)と、過酸化水素水濃度を1500[mg/L](1.5wt%)としてケミカル酸化膜を形成させた場合(表中ケミカル酸化膜と記載)について、太陽電池セル特性を調査した。図17に、それぞれ100枚の太陽電池セル特性を測定した平均の特性値を示す。
図17の表より、ケミカル酸化膜を形成させた場合、自然酸化膜の場合と比べ、電極抵抗を含む直列抵抗RSとリーク電流Idが増加し、変換効率Effが低下した。よって、ケミカル酸化膜を形成させた場合は、太陽電池セル特性が悪化することが明らかとなった。よって、本実施の形態により、太陽電池セル特性を悪化させることなく、ウォーターマークの発生を抑制することができる。
図12および図17の表の結果から、pHが3以下かつ導電率が70[mS/m]以上となるようにすることで、シリコンウエハ表面に析出するウォーターマークの発生原因であるケイ酸を溶解し、かつ、シリコンウエハ表面に均一な自然酸化膜を形成させることで、太陽電池セル特性を悪化させることなく、ウォーターマークの発生を抑制することができる。さらに望ましくは、pHが2.7以下かつ導電率が150[mS/m]以上となるようにする。
以上のように、リンス液の水質を測定する工程と、測定する工程で得られた測定結果に基づき、ウエハ表面に析出するケイ酸を溶解し、ウエハ表面に均一な自然酸化膜が形成されるように、添加剤の添加量を決定することで、シリコンウエハ表面に発生するウォーターマークを抑制することができる。また、ケミカル酸化膜を形成させないため、太陽電池セル特性の悪化を防ぐことができる。具体的には、調整工程は、リンス液のpHおよび導電率を測定する工程と、測定する工程で得られた測定結果に基づき、添加剤の添加量を決定する工程とを含むことで、リンス第1工程のリンス槽へのヘキサフルオロケイ酸などの添加剤を過剰に添加することなく、効率よくリンス第1工程のリンス槽の水質を制御できる。
実施の形態2.
図14は、実施の形態2のリンス第1工程で用いられる第1のリンス部の構成を示す図である。実施の形態2で、図3に示した実施の形態1におけるリンス第1工程で用いられる第1のリンス部の構成に、リンス液混合器10eにHFエッチング工程のHF槽204からヘキサフルオロケイ酸を含むHFを供給可能にすることで、リンス液RiのpHおよび導電率の調整を行うようにしたものである。図14に示すように、リンス液混合器10eにバルブ202およびHF送液ポンプ203を備えたHF送液管201の一端が接続されている。HF送液管201の他端は、HFエッチング工程のHF槽204に接続されている。HF送液ポンプ203には、ポンプ制御ケーブル205の一端が接続され、ポンプ制御ケーブル205の他端にはポンプ制御部10fが接続されている。その他は、図3と同じ構成である。
続いてリンス第1工程の動作について説明する。リンス槽4の水質は、pH測定センサ12および導電率測定センサ13により、水質制御ケーブル16を通して水質測定器15で測定される。水質測定器15で測定された水質測定値は、水質制御ケーブル16を通してポンプ制御部10fに送られ、リンス槽4が所定の水質となるように、ポンプ制御ケーブル205を通してバルブ202およびHF送液ポンプ203を制御し、リンス液への添加量を調整する。
本実施の形態2の方法では、エッチング工程で用いられるHF槽204にシリコンウエハ1を投入することで、シリコンとHFが反応し、HF槽204にヘキサフルオロケイ酸が生成される。これをリンス第1工程のリンス槽4の水質制御に利用したものである。ヘキサフルオロケイ酸を含むHFがシリコンウエハ1に付着して、リンス第1工程のリンス槽4に持ち込まれるが、持ち込まれる量が僅かであるため、リンス槽4の水質(pHと導電率)を変化させることはできず、水質制御は困難である。そこで、リンス槽4の水質を制御できるようにするため、ポンプによりHF槽のヘキサフルオロケイ酸を含むHFを添加する必要がある。
この構成によれば、HF槽204のHFには、HF槽204でシリコンとHFの反応により生成されたヘキサフルオロケイ酸が含まれるため、別途ヘキサフルオロケイ酸を準備する必要がなく、ヘキサフルオロケイ酸を添加する機構も不要となる。このとき、HF添加量は、リンス第1工程で用いられるリンス槽4の液量に対して、0.1%以上であることが望ましい。また、リンス第1工程のリンス槽4に送液された分のHFがHFエッチング工程のHF槽204に供給され、常にHF槽204に新液のHFが供給されるため、HF槽204のHFの劣化を防ぐことができる。そのため、HFエッチング工程で安定したシリコンウエハ1のエッチングを行うことができる。
実施の形態3.
図15は、本発明を実施するための実施の形態3を示すリンス第1工程で用いられる第1のリンス部の構成を示す。実施の形態3は、図3に示す実施の形態1におけるリンス第1工程で用いられる第1のリンス部の構成に追加して、超音波によるリンス液撹拌処理を可能にしたものである。図15に示すように、リンス槽4の槽底部に超音波振動子301を備え、超音波振動子301には振動子ケーブル302の一端が接続され、振動子ケーブル302の他端には超音波発振器303が接続されている。その他は、図3と同じである。
続いてリンス第1工程の動作について説明する。シリコンウエハ1が50〜100枚収納されたウエハカセット2が、カセット搬送アーム3bを通して、搬送機3aによりリンス槽4に浸漬されると、超音波発振器303より振動子ケーブル302を通して超音波振動子301に電力が供給され、超音波が照射される。また、リンス処理が完了すると超音波が停止し、カセット搬送アーム3bを通して、搬送機3aによりウエハカセット2がリンス槽4から引き上げられ、次のリンス第2工程へ運搬される。このとき、超音波によるウエハへのダメージを考慮し、周波数は40[kHz]以上、超音波出力は5[W/cm2]以下の超音波を照射することが望ましい。
この構成によれば、超音波振動の作用により、ウエハカセット2内の隣接するシリコンウエハ1の隙間に常に液の流れが発生し、シリコンウエハ1の表面の液置換性が向上するため、常にシリコンウエハ1の表面にSiO2が供給され、より均一な自然酸化膜を形成することができる。また、超音波キャビテーションの作用により、シリコンウエハ1の表面に付着する汚れを除去することができる。
実施の形態4.
図16は、本発明を実施するための実施の形態4を示すリンス第2工程で用いられる第2のリンス部の構成を示す。リンス第2工程で用いられる第2のリンス部は2つ以上の槽で構成され、図16に示すように、カスケード式リンス槽401とすることが可能である。カスケード式リンス槽401は、リンス第1槽401aと、リンス第2槽401bと、リンス第3槽401cとで構成されている。リンス第1槽401aのリンス第2槽401bとは反対側の槽上部に、オーバーフロー槽402を備える。リンス第3槽401cの槽下部に、純水供給部404a,404bを備え、純水供給部404a,404bには純水供給管405の一端が接続されている。純水供給管405の他端は、純水供給部406に接続されている。カスケード式リンス槽401の上部には、シリコンウエハ1を収納したウエハカセット2を掴むためのカセット搬送アーム403bを備えた搬送機403aが設置されている。
続いてリンス第2工程の動作について説明する。シリコンウエハ1はウエハカセット2に収納して、カセット搬送アーム403bを通して搬送機403aにより搬送されて、第1のリンス部、例えば図3に示したリンス槽4から送出されてきたシリコンウエハ1は、ウエハカセット2に搭載したままリンス第1槽401a、リンス第2槽401b、リンス第3槽401cの順に処理される。純水は、純水供給部406から純水供給管405を通して、リンス第3槽401cの純水供給部404a,404bより常時供給される。リンス第3槽401cでオーバーフローした純水がリンス第2槽401bに供給され、リンス第2槽401bでオーバーフローした純水がリンス第1槽401aに供給される。リンス第1槽401aでオーバーフローした純水は、オーバーフロー槽402を通して槽外に排出される。
この構成によれば、各リンス槽401a〜401cに純水を追加供給する必要がなく、リンス第3槽401cにのみ純水を供給すればよいので、純水使用量を削減することができる。また、複数のリンス槽401a〜401cでリンスをすることで、HFエッチング工程やリンス第1工程でシリコンウエハ1に付着したHFやヘキサフルオロケイ酸の残渣を低減でき、清浄なシリコンウエハ1を製造することができる。図13に示したように、このときシリコンウエハ1表面は均一な自然酸化膜101で覆われているため、純水中で図4に示すようなケイ酸の溶出が起こらないため、リンス槽4から引き上げたときに、シリコンウエハ1表面に残留するリンス液の液滴103内にケイ酸が含まれず、図5に示すようなケイ酸の析出は起こらない。よって、シリコンウエハ1表面にウォーターマークが発生しない状態を維持することができる。
なお、前記実施の形態では、拡散型太陽電池のリン拡散後にできたリンガラス除去のためのエッチング工程について説明したが、この工程に限らず、フッ酸を用いたエッチング処理工程をはじめ、エッチング工程後の太陽電池用基板のリンス処理に適用可能である。また、拡散型太陽電池のみならず、ヘテロ接合型太陽電池の製造にも適用可能であることはいうまでもない。
また、前記実施の形態では単結晶シリコン基板について説明したが、単結晶シリコン、多結晶シリコン、SiGeなど、シリコン系基板であれば適用可能である。
なお、前記実施の形態1〜4では太陽電池の製造工程について説明したが、太陽電池形成用のウエハだけでなく、エッチング工程後の電子デバイス用ウエハのリンス処理全般に適用可能であり、電子デバイス一般の製造工程に適用可能であることはいうまでもない。
本発明のいくつかの実施の形態を説明したが、これらの実施の形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施の形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 シリコンウエハ、2 ウエハカセット、3a 搬送機、3b カセット搬送アーム、4 リンス槽、5a,5b オーバーフロー槽、6a,6b リンス液供給部、7 リンス液供給管、8 純水供給バルブ、10a 添加剤貯蔵槽、10b 送液ポンプ、10c 送液管、10d バルブ、10e リンス液混合器、10f ポンプ制御部、10g ポンプ制御ケーブル、11 純水供給管、12 pH測定センサ、13 導電率測定センサ、14 測定ケーブル、15 水質測定器、16 水質制御ケーブル、17 純水供給部、24 p型拡散層、26 n型拡散層、27 反射防止膜、28 パッシべーション膜、29,30 電極、101 自然酸化膜、102 液面、103 液滴、104 3相界面、201 HF送液管、202 バルブ、203 HF送液ポンプ、204 HF槽、205 ポンプ制御ケーブル、301 超音波振動子、302 振動子ケーブル、303 超音波発振器、401 カスケード式リンス槽、401a リンス第1槽、401b リンス第2槽、401c リンス第3槽、402 オーバーフロー槽、403a 搬送機、403b カセット搬送アーム、404a,404b 純水供給部、405 純水供給管、406 純水供給部。

Claims (18)

  1. 少なくとも表面がシリコン系材料で構成されたウエハ表面をHFによりエッチングするエッチング工程と、
    前記エッチング工程の実施された前記ウエハをリンスするリンス第1工程と、
    前記リンス第1工程を経た前記ウエハをリンスするリンス第2工程と、
    前記ウエハを乾燥させる工程とを含み、
    前記リンス第1工程が、リンス液に水素、シリコンおよびフッ素を含む添加剤を添加する調整工程を含む半導体装置の製造方法。
  2. 前記調整工程は、
    前記リンス液に、水素、シリコンおよびフッ素からなる無機化合物を添加する工程を含む請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記無機化合物が、ヘキサフルオロケイ酸である請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記調整工程は、
    前記リンス液の水質を測定する工程と、
    前記測定する工程で得られた測定結果に基づき、前記ウエハ表面に析出するケイ酸を溶解し、前記ウエハ表面に均一な自然酸化膜が形成されるように、前記添加剤の添加量を決定する工程とを含む請求項1から3のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  5. 前記調整工程は、
    前記リンス液のpHおよび導電率を測定する工程と、
    前記測定する工程で得られた測定結果に基づき、前記添加剤の添加量を決定する工程とを含む請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
  6. 前記調整工程は、
    前記エッチングする工程で用いられたエッチング液を含む添加剤を前記リンス液に添加する工程を含む請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  7. 前記リンス第1工程は、
    前記リンス液を超音波により撹拌しながら処理を行う工程である請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  8. 前記リンス第2工程は、
    複数のリンス槽を備え、順次浸漬する工程を含む請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  9. 前記添加剤の添加量を決定する工程は、
    pHが3以下かつ導電率が70[mS/m]以上となるようにする工程である請求項4から8のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  10. 前記ウエハが、太陽電池用のシリコン基板であり、
    前記エッチング工程が、リン拡散後のリンガラス除去のための工程である請求項9に記載の半導体装置の製造方法。
  11. 少なくとも表面がシリコン系材料で構成されたウエハをフッ酸(HF)溶液を用いてエッチングするエッチング部と、
    前記エッチング部でエッチングされたウエハをリンスする第1のリンス部と、
    前記第1のリンス部に、水素、シリコン、フッ素を含む添加剤を添加する添加部と、
    第1のリンス部でリンスされたウエハをリンスする第2のリンス部と、
    前記第1のリンス部に装着され、前記第1のリンス部のリンス液の水質を測定する測定部と、
    前記測定部で得られた測定結果に基づき、前記添加剤の添加量を決定するようにした半導体装置の製造装置。
  12. 前記添加部は、
    前記リンス液に、水素、シリコンおよびフッ素からなる無機化合物を添加する請求項11に記載の半導体装置の製造装置。
  13. 前記無機化合物が、ヘキサフルオロケイ酸である請求項12に記載の半導体装置の製造装置。
  14. 前記測定部は、
    前記リンス液の水質を測定するものであり、
    前記測定する工程で得られた測定結果に基づき、前記ウエハ表面に析出するケイ酸を溶解し、前記ウエハ表面に均一な自然酸化膜が形成されるように、前記添加剤の添加量が決定される請求項11または12に記載の半導体装置の製造装置。
  15. 前記測定部は、
    前記リンス液のpHを測定するpH測定部および導電率を測定する導電率測定部とを備えた請求項14に記載の半導体装置の製造装置。
  16. 前記添加部は、
    前記エッチング部から、エッチング液を還流する還流部を備えた請求項11に記載の半導体装置の製造装置。
  17. 前記第1のリンス部は、
    前記リンス液を撹拌する超音波振動子を備えた請求項11に記載の半導体装置の製造装置。
  18. 前記第2のリンス部は、
    複数のリンス槽を備え、順次浸漬、引き上げを繰り返すように構成された請求項11に記載の半導体装置の製造装置。
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