JPH1160377A - シリコンの表面処理方法と半導体装置の製造方法 - Google Patents

シリコンの表面処理方法と半導体装置の製造方法

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JPH1160377A
JPH1160377A JP9217495A JP21749597A JPH1160377A JP H1160377 A JPH1160377 A JP H1160377A JP 9217495 A JP9217495 A JP 9217495A JP 21749597 A JP21749597 A JP 21749597A JP H1160377 A JPH1160377 A JP H1160377A
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plane
silicon crystal
hydroxyl group
silicon
forming
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Yoshihiro Sugita
義博 杉田
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Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】シリコン結晶の表面Siの終端を再現性よく水
酸基化させる。又、(100)面を平坦化させ、その面
上の膜との接合特性等を良好にする。更に、面方位に依
存して、水酸基及び水素基を選択的に形成する方法とそ
の応用プロセスを提供する。 【構成】ヘキサフルオロケイ酸溶液等のシリコン酸化膜
を溶解する成分と水酸基を形成する成分とを含む溶液へ
シリコン結晶を浸漬する。(111)面と(110)面
のSiは水酸基で終端化され、(100)面はダイハラ
イドで終端化される。この手法を基本に、(100)面
の平坦化やシリコン結晶のエッチング等を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はシリコン結晶の表面
を水酸基で終端化させる方法に係わり、更に結晶の方位
面に依存して選択的に水酸基を形成させ、その水酸基の
特性を活かした半導体装置の製造方法を提供するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】シリコン結晶の表面を覆う自然酸化膜の
典型的な処理方法として、弗酸の溶液や酸、アルカリ溶
液と弗酸との混合溶液等にシリコン結晶を浸水させる方
法がある。この処理により、酸化膜は溶解、除去され、
シリコン結晶の全表面は水素基で終端化される。この終
端化の構造はシリコン結晶表面の面方位に依存し、(1
11)面と(110)面にはモノハイドライド(Si−
H)が、(100)面にはダイハイドライド(Si=H
2 )が形成される。
【0003】この水素基で終端化されたシリコン結晶の
表面は化学的に安定となり、一方では自然酸化を防止す
る役目等を果たし、他方では疏水性で、有機膜等の密着
性を低下させる。
【0004】シリコン結晶の表面を親水性にする方法と
しては、硫酸と過酸化水素混合液への浸漬や王水、硝酸
溶液中での煮沸の方法(特公昭62−027040)、
弗化アンモニウム溶液の浸漬で酸化膜を除去し、後に王
水で煮沸する方法(特公平06−001752)が開示
されている。この従来例は、シリコン結晶同士を接着さ
せるための表面処理方法として開示されたものである。
【0005】図7は、水酸基を形成したシリコン結晶1
を接着するメカニズムとプロセスを模型式的に表した従
来例である(応用物理、第60卷、第8号、790頁〜
793頁)。低温では、水酸基同士が水素結合を起こし
て密着し、温度上昇で、脱水縮合反応が起こり水素結合
がSi−O−Si結合に変わり、更なる高温でSi原子
が直接結合する。接着温度により、シリコン結晶1同士
の接着強度が変わってくることを示している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】第一の課題は、従来の
方法では,シリコン結晶の表面に水酸基を形成すると、
シリコン結晶の表面が酸化され、その酸化膜の表面に水
酸基が形成される現象がしばしば起こることである。即
ち、シリコン結晶表面のSiを確実に、再現性よく水酸
基で終端化する方法が知られていない。
【0007】第二の課題は、従来は、シリコン結晶の面
方位に依存させて、特定の結晶面へ選択的に水酸基を形
成することは着眼されておらず、その方法が確立されて
いないことである。
【0008】第三の課題は、シリコン結晶の(100)
面の構造欠陥の除去、平坦化の問題であり、実用的には
(100)面が最も多く用いられ、重要である。従来
は、水素中でシリコン結晶をアニールする等の化学的、
熱的な方法により欠陥部分を除去することが行なわれて
いる。しかし、従来方法は半導体装置の製造プロセス中
の極く限定された範囲にしか適用できず、平坦性も不充
分であった。
【0009】これらの課題は、現状で実用となっている
半導体装置の製造等での課題でもあるが、将来の半導体
装置の高集積化、更には量子効果素子で要求されるであ
ろう原子レベルでのシリコン結晶表面の制御を鑑みたも
のである。
【0010】
【課題を解決するための手段】自然酸化等により表面が
酸化膜で覆われたシリコン結晶、又はその酸化膜を弗酸
等で溶解し、水素基で終端化したシリコン結晶を、ヘキ
サフルオロケイ酸溶液に浸漬すると、シリコン結晶の表
面は水酸基による終端化が可能となる。即ち、酸化膜は
ヘキサフルオロケイ酸溶液に溶解され,露出された表面
のSiは水酸基で終端化される。又、水素基で終端化し
たシリコン結晶をヘキサフルオロケイ酸溶液に浸漬する
と、水素基は除去され、表面のSiは水酸基で終端化さ
れる。しかも、ヘキサフルオロケイ酸に含まれる第一〜
第三族の不純物濃度の調整で、シリコン結晶の特定の面
方位の表面へ選択的に水酸基を形成できる。なお、浸漬
とは、溶液中へのシリコン結晶のディプは勿論のこと、
その表面へ溶液を噴霧するなど、シリコン結晶表面と溶
液とが反応する状態にシリコン結晶を保つことを意味し
ている。
【0011】本発明の原理は、ヘキサフルオロケイ酸溶
液中で、シリコンの酸化膜を溶解しながら表面のSiを
水酸基で終端化するので、酸化膜を介さずにシリコン結
晶の表面を水酸基で確実に覆うことができる。本発明者
は、ヘキサフルオロケイ酸溶液において、初めてこのよ
うな事を可能にしたものであるが、例えばオゾン水と弗
酸の混合溶液等においても同様の作用をなす可能性の知
見を得た。
【0012】又、ヘキサフルオロケイ酸等のこれら溶液
による水酸基での終端化には、酸性度はPH5以下が望
ましく、ヘキサフルオロケイ酸の濃度や、弗酸、過酸化
水素、アンモニウム、弗化アンモニウム等とを混合する
酸性度の調整により、水酸基での終端化の反応速度、酸
化膜の溶液中への溶解速度等を制御できる。
【0013】図1は、シリコン結晶の表面の終端化の状
態及び水素基終端が水酸基終端に変わる過程につき、第
一Si層の結合手に係わる部分を概念的に表したもの
で、シリコン結晶の面方位に依存することを示した。
【0014】図1A)はシリコン結晶の(111)面、
(110)面、(100)面を水素基終端化した状態で
ある。(111)面と(110)面にはモノハイドライ
ドが、(100)面にはダイハイドライドが形成される
ことは、シリコン結晶の構造の理論からも理解できるこ
とである。
【0015】図1B)、C)には、A)の水素基終端の
状態から水酸基終端へ変わる過程を示した。図1B)は
高純度のヘキサフルオロケイ酸の溶液で水酸基終端化し
た場合である。(111)面と(110)面は水酸基で
終端化され、(100)面は水素基終端の状態が保たれ
ている。即ち、モノハイドライドが形成されている面に
は水酸基が形成されるが、ダイハイドライドが形成され
た面はそのままの状態が保持されている。
【0016】図1C)には、純度の低い、特に第一族、
第二族、第三族の金属、半金属等の元素を不純物として
含むヘキサフルオロケイ酸の溶液を用いた場合を示す。
ダイハイドライドが形成されていた(100)面にも、
水酸基が形成されるようになる。又、モノハイドライド
が形成されていた(111)面、(110)面での水酸
基を形成する反応も促進される。これら不純物の元素
は、陽イオンとなり、反応を促進するものと推定してい
る。この不純物濃度は数10ppbから、その作用が明
らかに現れる。
【0017】この様なシリコン結晶の面方位に依存して
水酸基と水素基とを選択的に形成することは、ヘキサフ
ルオロケイ酸溶液等に含まれる酸化膜を溶解する成分の
作用により、表面酸化されたシリコン結晶をこれら溶液
に浸漬しても可能となる。表面酸化されたシリコン結晶
か、又は水素基で終端化したシリコン結晶を用いるかの
選択は、本発明の表面処理方法の適用条件、目的を基に
決めればよい。
【0018】次に、シリコン結晶の(100)面を平坦
化する方法を説明する。原理は、前述の面方位に依存し
て、選択的に水酸基と水素基を形成する過程を応用する
ものである。
【0019】(100)面に存在する凹凸部には、(1
11)面や(110)面が露出することになる。これら
の表面は、酸化されていても、水素基で終端化されてい
ても構わない。水素基で終端化されていれば、(10
0)面の表面にはダイハイドライドが、凹凸部の露出面
の(111)面や(110)面にはモノハイドライドが
形成されている。
【0020】既述と同様に、高純度のヘキサフルオロケ
イ酸等の溶液に浸水すると、(100)面はダイハライ
ドで終端化されており、その状態は安定に保たれるが、
凹凸部の(111)面、(110)面は水酸基が形成さ
れる。水酸基が形成された部分では、時間と共にヘキサ
フルオロケイ酸等の溶液中へ表面Siの溶解が進行し、
(100)面が露出する状態に達するとその表面にダイ
ハイドライドが形成され、表面Siの溶解が停止する。
この結果、凹凸部が平坦化された(100)面が得られ
ることになる。この平坦化された(100)面に、金
属、半導体、誘電体等の膜を形成すれば、この界面での
電気的特性を向上させることができる。
【0021】次に、シリコン結晶の面方位に依存して、
選択的に水酸基を形成する方法を応用した半導体装置の
製造方法を説明する。水酸基は水素基より反応性が高い
ので、この差異を利用することで、水酸基が形成された
シリコン結晶の方位面にのみ膜等を被覆させれることが
出来る。
【0022】例えば、Si−OHの脱水重合反応を利用
してレジスト等を密着性よく堆積することで、特定の結
晶方位の面にのみレジストを被覆し、選択的な露光の手
段を用いずに、シリコン結晶の微細領域をエッチング等
により加工が可能となる。又、有機系のガス等を用いて
金属、半導体、誘電体膜等を特定の結晶方位面に形成す
る技術は、量子効果素子等を含む半導体装置やセンサ、
触媒等の製造へ適用すもことも可能である。
【0023】
【発明の実施の形態】図2には、シリコン結晶の(11
1)面と(110)面でのモノハイドライドによる光吸
収を、図3には(100)面でのダイハイドライドによ
る光吸収を、図4には、水酸基による光吸収スペクトル
とを示した。これらの光吸収は、シリコン結晶を先ず弗
酸処理して水素基で終端化させ、後にヘキサフルオロケ
イ酸溶液に浸水して水酸基を形成し、水洗、乾燥させた
シリコン結晶を赤外線分光器を用いて光吸収を測定した
ものである。
【0024】図2A)は、(111)面でのモノハイド
ライドによる波数2084(cm-1)の吸収ピークの変
化を、ヘキサフルオロケイ酸溶液への浸漬時間を関数と
してプロットしたものである。ヘキサフルオロケイ酸溶
液としては3%(PH2)の濃度を使用した。
【0025】浸漬時間とともに波数2084(cm-1
の吸収が減少するのは、モノハイドライドで終端化され
た(111)面が水酸基終端へ変化したためである。図
4の(111)面の光吸収スペクトルは、ヘキサフルオ
ロケイ酸3%溶液へ120分浸漬後のスペクトルで、水
酸基に対応する光吸収が観測される。
【0026】図2B)は、(110)面でのモノハイド
ライドによる波数2070(cm-1)の光吸収であり、
図2A)と同様にヘキサフルオロケイ酸溶液への浸漬に
より水酸基で終端化されることが、図4の(110)面
の光吸収スペクトルから確認される。
【0027】上記の(111)面と(110)面の終端
の水酸基化の速度は、溶液の酸性度にも依存するが、ヘ
キサフルオロケイ酸に含有される不純物濃度によっても
制御が可能である。例えば、230ppbの硼素を含む
溶液では、不純物濃度が10ppb以下の溶液より10
倍程度の反応速度で、水酸基が形成される。
【0028】図3は(100)でのダイハイドライドに
よる波数2115(cm-1)の吸収ピークの変化を、ヘ
キサフルオロケイ酸3%の溶液について示した。図3の
A)はヘキサフルオロケイ酸に含有される不純物(第一
族、第二族、第二族の元素、例えば硼素、ナトリウム
等)のそれぞれが10ppb以下の場合であり、同図の
B)は不純物として230ppbの硼素が含まれた場合
である。
【0029】図3A)に示すように、高純度のヘキサフ
ルオロケイ酸の溶液中では、(100)面に形成されて
いるダイハイドライドは安定に保持されている。図4の
(100)面の光吸収スペクトルからも水酸基による光
吸収は認められない。
【0030】図3B)のように、不純物を含むヘキサフ
ルオロケイ酸の溶液では、(100)面のダイハイドラ
イドによる光吸収が減少しており、(100)面にも水
酸基による終端化が起っていることを意味している。
【0031】前記には、予め水素基で終端化したシリコ
ン結晶を水酸基で終端化したが、表面が酸化されたシリ
コン結晶においても、前記同様のSiの終端を水酸基に
することが可能であった。ヘキサフルオロケイ酸溶液を
用いる方法を例として、以下ではその考察される原理を
説明する。
【0032】ヘキサフルオロケイ酸は純水に30〜40
重量%まで溶解でき、SiF6 2- とH+ のイオンに分離
する。更に、溶液中のH2 OとSiF6 2- との反応を加
味すると、F- 、H+ 、Si(OH)4 も生成される。
SiF6 2- やF- とH+ によりシリコン結晶の表面酸化
物の溶解が進み、この反応過程のSiF4(OH)2 2-
Si(OH)4 の生成を通じてシリコン結晶の(11
1)面と(110)面の終端が水酸基化されると考察さ
れる。このように、シリコン結晶の表面酸化物の溶解と
水酸基の形成を同時進行させる方法では、従来例とは異
なり、酸化膜を介さずに、再現よく、安定にSiの終端
を水酸基化できる。
【0033】又、(100)面では水酸基ではなくて、
ダイハイドライドの水素基で終端化される。Siの終端
の二つのボンドに対しては、水素基の結合において、エ
ネルギーポテンシャルがより低い状態になり、安定化さ
れると推定される。なお、ヘキサフルオロケイ酸に含有
された不純物の陽イオンが存在すると、その陽イオンの
影響でポテンシャル状態が変化したSiの終端では、水
酸基の終端化が起こるものと、実験結果から考察され
る。
【0034】以上のシリコン結晶の表面の終端化は、酸
化膜除去と水酸基形成を同時進行する溶液であれば、ヘ
キサフルオロケイ酸溶液には限らないが、これらの反応
にはPH5以下が望ましい。この酸性度は、ヘキサフル
オロケイ酸の濃度調整、弗酸、過酸化水素、アンモニウ
ム、弗化アンモニウム等を加える調整、によりなされ
る。溶液中の酸化膜除去の成分と水酸基形成の成分との
調整によって反応は制御されることになる。
【0035】図5には、シリコン結晶の面方位に依存す
る終端化の反応を利用し、(100)面を平坦化する方
法をモデル図で示した。図5A)は(100)面の凸部
a、bの平坦化を、図5B)は凹部cの平坦化の過程を
断面図で示した。
【0036】図5A)の(100)面の凸部a、bの壁
面では、(111)面が露出した状態にある。ヘキサフ
ルオロケイ酸溶液中で、(100)面はダイハイドライ
ドで終端化され、安定な状態を保っている。一方、凸部
a、bの(111)面では、水酸基を形成しながら、溶
液中への表面Siの溶解が進行する。この表面Siの溶
解は、(100)面に到達するまで続き、露出した(1
00)面にはダイハイドライドが形成されSiの溶解は
停止する。即ち、凸部a、bの(111)面の点線で図
示するように、Siの溶解が進行し、図5A)の1)か
ら2)に示す凸部bが平坦化された状態になる。更に、
時間とともに凸部aも平坦化される。
【0037】図5B)の(100)面にある凹部cの壁
面には(111)面が露出している。前記凸部と同様
に、(111)面には水酸基を形成しながら、(11
1)面のの点線で図示するようにSiが溶液へ溶解す
る。このSiの溶解で、(100)面が露出し、(10
0)面にダイハイドライドが形成されるとSiの溶解が
停止するので、(100)面が平坦化される。図5B)
の1)〜3)は、凹部cの壁面のSiの溶解が進行し、
平坦な(100)面になる過程をモデル的に示したもの
である。
【0038】この(100)面の平坦化は、(111)
面又は(110)面に水酸基を形成しながら、溶液中の
Siの酸化物を溶解する成分が、水酸基と結合したSi
を溶解させるもので、しかも(100)面には安定した
ダイハイドライドを形成させる原理に基づくもので、既
述したヘキサフルオロケイ酸溶液等において実現でき
る。このように平坦化された(100)面に形成された
金属膜や半導体膜では、シリコン結晶との界面において
キャリアの捕獲準位等の発生を抑制できるので、電気特
性の優れた半導体装置、シリコン応用素子等を提供でき
る。
【0039】図6には、シリコン結晶の面方位に依存し
て、水酸基とダイハイドライドの水素基を選択的に形成
できることを応用した半導体装置の製造方法の一例を示
した。図6のA)〜F)は、シリコン結晶1をエッチン
グ等により加工するプロセスの順に、断面をモデル的に
表したものである。
【0040】図6A)で、(100)面に対して点線の
角度をもって、シリコン結晶1を研摩すると、B)のよ
うに(100)面と(111)面とが周期的に露出され
る。この状態で弗酸の溶液に浸漬すると、図6C)のよ
うに(100)面では終端にダイハイドライドが形成さ
れ、(111)面では終端にモノハイドライドが形成さ
れる。
【0041】この後、ヘキサフルオロケイ酸溶液に浸漬
して、図6D)に示すように(111)面へ水酸基を形
成する。図のC)の弗酸の処理を経ずに、ヘキサフルオ
ロケイ酸溶液への浸漬のみで、(100)面のダイハイ
ドライドと(111)面の水酸基とを選択的に形成でき
るが、先に水素基で終端化しておく事で各面方位の幅の
精度がより高まる。
【0042】図6E)には、水酸基の反応性とダイハイ
ドライドの反応性との差異を利用して、(111)面へ
選択的にレジスト等の膜2を被覆した状態を示した。膜
2の被覆は、蒸気や溶液中での選択的な(111)への
付着、付着力の差をもとにした(100)面の膜の剥離
等、により実施される。又、(111)面を強制的に酸
化させる等の方法を用いることもできる。
【0043】図6F)は膜2をマスクとしてシリコン結
晶1を格子状にエッチングした状態を示したものであ
る。格子のピッチは図6A)の研摩の角度により、格子
の溝の深さはエッチングにより、所望の値にできる。溝
内には半導体材料で埋め込む等、シリコン結晶の格子構
造を有する半導体装置の製造を想定したものである。
【0044】本発明の半導体装置の製造方法では、レジ
スト等での露光手段を用いる必要がないので、極めて微
細な格子パターンの形成等に適合する。シリコン結晶の
表面を原子レベルで化学的に制御できるので、量子効果
素子の作成に役立てることが可能となる。
【0045】
【発明の効果】請求項1は、シリコン結晶の表面Siの
終端の水酸基化を再現性よく実現するものである。
【0046】請求項2は、水酸基化の反応速度を加速さ
せるものである。請求項3は、シリコン結晶の(10
0)面を平坦化させ、その上に形成する金属膜、半導体
膜等との電気的な接合を良好にさせるものである。
【0047】請求項4は、シリコン結晶の特定面方位の
表面へ水酸基を形成する選択性を高めるものである。請
求項5は、請求項1乃至4のシリコンの表面処理の反応
速度を制御するものである。
【0048】請求項6は、シリコン結晶の表面Siの終
端の水酸基化を再現性よく実現するものである。請求項
7は、シリコン結晶の面方位に依存して水酸基と水素基
とを選択的に形成し、且つ、その精度を高めるものであ
る。
【0049】請求項8は、シリコン結晶の(100)面
を平坦化させ、その上に形成する金属膜、半導体膜等と
の電気的な接合を良好にさせるものである。請求項9
は、シリコン結晶の表面を原子レベルで化学的に制御
し、微細構造を有する半導体装置の製造に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】シリコン結晶表面の第一Si層の終端化の概念
図。
【図2】シリコン結晶の(111)面と(110)面の
モノハイドライドによる光吸収ピークの変化の図。
【図3】シリコン結晶の(100)面のダイハイドライ
ドによる光吸収ピークの変化の図。
【図4】シリコン結晶の表面に形成された水酸基による
光吸収スペクトルの図。
【図5】シリコン結晶の(100)面を平坦化するモデ
ルを示す断面図。
【図6】シリコン結晶を加工するモデルを示す断面図。
【図7】従来例での水酸基の形成とその応用を示す図。
【符号の説明】
1 シリコン結晶 2 膜

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコン結晶の表面を酸化するか又は水
    素終端化する第一の工程と、 該第一の工程後に、該シリコン結晶をヘキサフルオロケ
    イ酸溶液へ浸漬して、該シリコン結晶の表面を水酸基で
    終端化する第二の工程とを含むことを特徴とするシリコ
    ンの表面処理方法。
  2. 【請求項2】 該ヘキサフルオロケイ酸溶液は、第一
    族、第二族又は第三族の元素から選ばれる少なくとも一
    種類の元素を50ppb以上含んだヘキサフルオロケイ
    酸を純水に溶解したものであることを特徴とする請求項
    1記載のシリコンの表面処理方法。
  3. 【請求項3】 シリコン結晶の表面の(100)面を酸
    化するか又は水素終端化する第一の工程と、 該第一の工程後に、該シリコン結晶をヘキサフルオロケ
    イ酸溶液へ浸漬して、該シリコン結晶の(100)面を
    平坦化する第二の工程とを含むことを特徴とするシリコ
    ンの表面処理方法。
  4. 【請求項4】 該ヘキサフルオロケイ酸溶液は、不純物
    元素としての第一族、第二族又は第三族の各元素の含有
    量が10ppb以下であるヘキサフルオロケイ酸を純水
    に溶解したものであることを特徴とする請求項1又は3
    記載のシリコンの表面処理方法。
  5. 【請求項5】 該第二の工程において、該ヘキサフルオ
    ロケイ酸溶液に弗酸、過酸化水素、アンモニウム、又は
    弗化アンモニウムから選ばれる少なくとも一種類の溶液
    を加え、酸性度がPH5以下に調整されていることを特
    徴とする請求項1乃至4記載のシリコンの表面処理方
    法。
  6. 【請求項6】 シリコン結晶の表面に水酸基を形成する
    方法に係わり、 酸化シリコンを溶解する成分と該水酸基を形成する成分
    とを含む溶液に該シリコン結晶を浸漬し、該水酸基を形
    成することを特徴とするシリコンの表面処理方法。
  7. 【請求項7】 シリコン結晶の表面の(111)面又は
    (110)面にはモノハイドライドを、(100)面に
    はダイハイドライドを形成する工程と、 該モノハイライドが形成された結晶表面へ選択的に水酸
    基を形成する工程とを含み、 該シリコン結晶の表面の(100)面には該ダイハイラ
    イドを、(111)面又は(110)面には該水酸基を
    形成することを特徴とするシリコンの表面処理方法。
  8. 【請求項8】 シリコン結晶の表面にモノハイドライド
    とダイハイドライドとを形成する第一の工程と、 該モノハイライドの形成された結晶表面の部分へ選択的
    に水酸基を形成し、該水酸基の形成された部分のシリコ
    ンを溶解する第二の工程とを含み、 該第二の工程において、該シリコン結晶の(100)面
    の構造欠陥の部分を溶解させ、(100)面を平坦化す
    ることを特徴とするシリコンの表面処理方法。
  9. 【請求項9】 シリコン結晶の表面の(111)面又は
    (110)面には水酸基を形成し、(100)面にはダ
    イハイドライドを形成する工程と、 該水酸基が形成された(111)面又は(110)面に
    選択的に膜を被覆する工程とを含むことを特徴とする半
    導体装置の製造方法。
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