図1には、本発明の実施形態に係る循環式の穀物乾燥装置10が前方から見た断面図にて示されており、図2には、穀物乾燥装置10が左方から見た断面図にて示されている。なお、図面では、穀物乾燥装置10の前方を矢印FRで示し、穀物乾燥装置10の右方を矢印RHで示し、穀物乾燥装置10の上方を矢印UPで示す。
図1及び図2に示す如く、本実施形態に係る穀物乾燥装置10は、装置本体としての機体12を備えており、機体12は上下に高く前後に長い直方体箱状とされている。
機体12内の上部は、収容室を構成する穀槽14とされており、穀槽14内には、穀物K(例えば籾又は麦)が貯留(収容)される。
機体12内の下部には、一対の排風路隔壁16が設けられており、各排風路隔壁16は、通気性を有している。各排風路隔壁16は、機体12の前面板と後面板との間に架け渡されると共に、機体12の各側面板から左右方向中央へ向けて下方に傾斜しており、一対の排風路隔壁16は、漏斗状とされている。
一対の排風路隔壁16の左右方向内側には、風胴板18が設けられており、風胴板18は、通気性を有すると共に、略菱形筒状とされている。風胴板18は、機体12の前面板と後面板との間に架け渡されると共に、風胴板18の下側部分は、対向する各排風路隔壁16に平行とされており、風胴板18内は、送風路20とされている。機体12の前面板には、矩形状の外気入口22が形成されており、外気入口22は、送風路20に連通している。
風胴板18の上側部分と各排風路隔壁16の上部との間には、導風路隔壁24が設けられており、各導風路隔壁24は、通気性を有すると共に、略菱形筒状とされている。各導風路隔壁24は、機体12の前面板と後面板との間に架け渡されており、各導風路隔壁24内は、導風路26とされている。各導風路隔壁24の下側部分は、対向する各排風路隔壁16に平行とされると共に、対向する風胴板18に平行とされている。
風胴板18の左方及び右方には、風胴板18と導風路隔壁24との間、導風路隔壁24と排風路隔壁16との間、及び、風胴板18と排風路隔壁16との間において、収容室を構成する供給部(流路部、乾燥路)としての右流下路28A及び左流下路28Bがそれぞれ形成されており、右流下路28A及び左流下路28Bには、穀槽14内に貯留された穀物Kが流下される。
右流下路28Aと左流下路28Bとの下端間には、排出部材(繰出部材)としての円柱形容器状のシャッタドラム30が設けられており、シャッタドラム30は、機体12の前面板と後面板との間に架け渡されて、軸心回りに回転可能とされている。
図3及び図4に詳細に示す如く、シャッタドラム30内は、前後方向中央において均等に分割されており、シャッタドラム30内の前側部分及び後側部分は、それぞれ収容部としての前流入室30A及び後流入室30Bにされている。
シャッタドラム30の周壁には、前側部分及び後側部分において、それぞれ開口としての長尺矩形状の前スリット32A及び後スリット32Bが貫通形成されており、前スリット32A及び後スリット32Bは、シャッタドラム30の軸方向に延伸されて、それぞれ前流入室30A及び後流入室30Bをシャッタドラム30の径方向外側に開放させている。前スリット32A及び後スリット32Bは、同一の形状及び大きさにされており、前スリット32Aと後スリット32Bとは、互いにシャッタドラム30の周方向(回転方向)の反対側に配置されて、シャッタドラム30の周方向において等間隔で配置されている。
シャッタドラム30の周壁(前スリット32A及び後スリット32B以外の部分)が右流下路28Aの下端及び左流下路28Bの下端に対向された際には、シャッタドラム30の周壁が右流下路28Aの下端及び左流下路28Bの下端を略閉塞する。前スリット32Aが右流下路28Aの下端及び左流下路28Bの下端に対向された際には、それぞれ右流下路28Aの下端及び左流下路28Bの下端から前スリット32Aを介して前流入室30Aに穀物Kが流入(供給)される。後スリット32Bが右流下路28Aの下端及び左流下路28Bの下端に対向された際には、それぞれ右流下路28Aの下端及び左流下路28Bの下端から後スリット32Bを介して後流入室30Bに穀物Kが流入(供給)される。
前流入室30Aに穀物Kが流入された状態で前スリット32Aが右流下路28Aの下端及び左流下路28Bの下端よりも下側に配置された際には、前流入室30Aから前スリット32Aを介して穀物Kが排出(流下)される。後流入室30Bに穀物Kが流入された状態で後スリット32Bが右流下路28Aの下端及び左流下路28Bの下端よりも下側に配置された際には、後流入室30Bから後スリット32Bを介して穀物Kが排出(流下)される。
以上により、シャッタドラム30が一方向(図3及び図4の矢印Aの方向)及び他方向(図3及び図4の矢印Bの方向)に回転されることで、前流入室30A及び後流入室30Bに対しそれぞれ前スリット32A及び後スリット32Bを介して穀物Kが流入かつ排出されて、シャッタドラム30から穀物Kが排出される(繰り出される)。
図4に示す如く、シャッタドラム30の前端面の周部には、検出手段を構成する検出部としてのセンサ34が固定されており、センサ34は、シャッタドラム30と一体に回転可能にされている。機体12の下部には、シャッタドラム30の周囲において、検出手段を構成する被検出部としての一対のマグネット36が固定されており、マグネット36は、シャッタドラム30の前端面近傍の左側と右側とに配置されている。シャッタドラム30が回転されて前スリット32Aが下方に向けられると共に後スリット32Bが上方に向けられた際には、左側のマグネット36にセンサ34が対向される。さらに、シャッタドラム30が回転されて後スリット32Bが下方に向けられると共に前スリット32Aが上方に向けられた際には、右側のマグネット36にセンサ34が対向される。
センサ34は、磁気型近接センサにされて、マグネット36に対向(近接)されたことを検出可能にされており、センサ34がマグネット36に対向されたことを検出した際には、前スリット32Aが下方に向けられると共に後スリット32Bが上方に向けられたこと及びシャッタドラム30の後スリット32Bが下方に向けられると共に前スリット32Aが上方に向けられたことが検出される。
図1及び図2に示す如く、一対の排風路隔壁16の下方には、一対の張込流し板38が設けられており、各張込流し板38は、機体12の前面板と後面板との間に架け渡されている。一対の張込流し板38は、それぞれ機体12の各側面板から左右方向中央へ向けて下方に傾斜されて、漏斗状とされている。また、各張込流し板38と各排風路隔壁16との間は、排風路40とされている。
機体12の各側面板下部には、張込ホッパ42が開閉可能に設けられており、各張込ホッパ42が開放されることで、機体12内へ穀物Kを張り込み(供給)可能とされている。ここで、シャッタドラム30から排出された穀物K又は張込ホッパ42から張り込まれた穀物Kは、一対の張込流し板38の下端間に流下される。
各張込流し板38の下端間には、搬送手段を構成する下スクリューコンベヤ44が設けられており、下スクリューコンベヤ44は、後端が機体12の後面板に固定されると共に、前端が機体12の前面から前方に突出されている。下スクリューコンベヤ44は、長尺樋状の下搬送樋44Aを有しており、機体12外における下搬送樋44Aの上面及び前面は閉塞されている。機体12内における下搬送樋44Aは、排風路40に連通されており、下搬送樋44A内には、一対の張込流し板38の下端間に到達した穀物Kが流下する。下搬送樋44A内には、下スクリュー44Bが設けられており、下搬送樋44A内に流下した穀物Kが下スクリュー44Bによって前方へ搬送される。
機体12の前方には、右側において、搬送手段を構成する昇降機46が立設されており、昇降機46の上部は、機体12の上面板よりも上方へ突出している。昇降機46内には、無端ベルト46Aが配置されており、無端ベルト46Aには、バケット46Bが一定間隔で取り付けられている。昇降機46内の下端は、下搬送樋44A内の前端に連通されており、下スクリューコンベヤ44(下搬送樋44A内の前端)から排出されて昇降機46内の下端に堆積した穀物Kが、無端ベルト46Aの回転によりバケット46Bによって昇降機46内の上端まで持上搬送される。
昇降機46の側面板には、下端において、水分測定装置48(水分計)が設けられており、水分測定装置48は、昇降機46内を持上搬送される穀物Kの水分値(平均水分値)を測定する。
機体12の上端には、搬送手段を構成する上スクリューコンベヤ50が設けられており、上スクリューコンベヤ50は、後端が機体12の上面板中央直下に配置されると共に、前端が機体12の前面板から突出している。上スクリューコンベヤ50は、長尺樋状の上搬送樋50Aを有しており、上搬送樋50Aの後端下面は、開放されている。上搬送樋50A内の前端は、昇降機46内の上端に連通されており、昇降機46内の上端まで搬送された穀物Kが上搬送樋50A内の前端に流下する。上搬送樋50A内には、上スクリュー50Bが設けられており、上搬送樋50A内の前端に流下した穀物Kが上スクリュー50Bによって後方へ搬送される。また、例えば、昇降機46の上端の上スクリューコンベヤ50側部分には、排塵機(図示省略)が設けられており、排塵機は、昇降機46内の上端から上搬送樋50A内の前端へ流下する穀物K内の塵埃(藁屑、しいな、屑粒等)を吸引して排出する。
上搬送樋50A内の前端は、排出弁52Aの開動により排出管52に連通可能とされており、上搬送樋50A内の前端が排出管52に連通された際には、上搬送樋50A内の前端に流下した穀物Kが排出管52を介して穀物乾燥装置10から排出される。排出管52の他端には、処理装置(図示省略)が接続されており、処理装置は、例えばスローワ又は籾摺機等にされて、穀物乾燥装置10から排出管52を介して排出された穀物Kを処理(搬送又は籾摺等)する。
上スクリューコンベヤ50後端の下方には、搬送手段を構成する円盤状の均分機54が回転可能に設けられており、上スクリューコンベヤ50の後端(上搬送樋50A内の後端)に搬送された穀物Kが、回転される均分機54の上面に流下することで、遠心力によって穀槽14内へ均等に放散分配される。
機体12の前面下部には、左側部位において、直方体箱状の火炉ケース56が設けられており、火炉ケース56の前面板には、スリット状の外気導入口56Aが複数形成されている。火炉ケース56の後面板は、部分的に開放されており、火炉ケース56内は、上記外気入口22に連通されている。また、火炉ケース56下面板の左側部位は、開放されている。
機体12の前面下部には、火炉ケース56直下の左側部分において、直方体箱状のバーナケース58が設けられている。バーナケース58の上面板は、部分的に開放されており、バーナケース58内は、火炉ケース56内に連通されている。また、バーナケース58内には、熱風生成手段としてのバーナ60が設けられている。
機体12の後面下部には、直方体箱状の送風機取付台62が設けられており、送風機取付台62内は、上記各排風路40に連通されている。送風機取付台62の後面には、送風機64の前端が取り付けられており、送風機64の後端には、可撓性を有する排風ダクト66の一端が取り付けられている。
これにより、送風機64が駆動されることで、常温の外気(常温風)が、外気導入口56Aから火炉ケース56内及び外気入口22を経て送風路20内に吸引流入され、更に、風胴板18、右流下路28A、左流下路28B、各排風路隔壁16、各排風路40及び送風機取付台62内を経て送風機64内に吸引送風され、かつ、排風ダクト66を経て排風される。また、右流下路28A及び左流下路28Bの上部を送風される外気は、各導風路隔壁24及び各導風路26を通過する。
さらに、外気導入口56Aから火炉ケース56内に導入された外気が、バーナ60によって外気に比し高温に加熱された熱風(乾燥風)にされて、右流下路28A及び左流下路28Bへ送風されることで、右流下路28A及び左流下路28Bの穀物Kが乾燥される。
機体12の前面下部には、火炉ケース56の直上において、制御手段及び設定手段としての操作盤68(制御装置及び設定装置)が設けられており、操作盤68は、穀物乾燥装置10の各駆動部に接続されている。操作盤68には、張込運転スイッチ、循環運転スイッチ、乾燥運転スイッチ、排出運転スイッチ、送風運転スイッチ及び停止スイッチ等の各種の操作スイッチ(図示省略)が設けられており、操作盤68の各種の操作スイッチが操作されることで、穀物乾燥装置10が操作盤68によって制御(運転及び停止等)される。また、操作盤68には、設定部(図示省略)が設けられており(電気的に接続されており)、設定部は、操作されることで、例えば穀物Kの設定水分値(目標水分値)及びシャッタドラム30の回転周期(回転の休止時間を含む)等が設定される。さらに、操作盤68には、上記センサ34が電気的に接続されている。
次に、本実施形態の作用を説明する。
以上の構成の穀物乾燥装置10では、操作盤68の張込運転スイッチを運転操作すると、下スクリューコンベヤ44、昇降機46、上スクリューコンベヤ50及び均分機54が駆動されて、張込運転され、その後、張込ホッパ42を開放して、刈り取ってきた穀物Kを機体12内へ張り込む。機体12内へ張込まれた穀物Kは、張込流し板38によって下スクリューコンベヤ44に案内され、下スクリューコンベヤ44から昇降機46、上スクリューコンベヤ50及び均分機54を経て、穀槽14内、右流下路28A及び左流下路28Bへ搬送される(貯留される)。また、張込運転は、操作盤68の停止スイッチの操作により、又は、穀槽14内、右流下路28A及び左流下路28Bへ穀物Kが張込限度まで張り込まれた際に自動的に、停止される。
例えば張込運転が終了した後に都合により乾燥運転をするまでにまだ時間がかかる際には、操作盤68の循環運転スイッチを運転操作すると、シャッタドラム30、下スクリューコンベヤ44、昇降機46、上スクリューコンベヤ50及び均分機54が駆動されて、循環運転される。これにより、穀槽14内に貯留された穀物Kが、右流下路28A、左流下路28B、シャッタドラム30、下スクリューコンベヤ44、昇降機46、上スクリューコンベヤ50及び均分機54を経て穀槽14に戻され、穀物乾燥装置10内を循環される。さらに、昇降機46から上スクリューコンベヤ50へ搬送される穀物K内の塵埃を排塵機が排出する。また、循環運転は、操作盤68の停止スイッチの操作により停止される。
操作盤68の設定部で穀物Kの設定水分値を設定した後に、操作盤68の乾燥運転スイッチを運転操作すると、シャッタドラム30、下スクリューコンベヤ44、昇降機46、上スクリューコンベヤ50、均分機54、送風機64及び水分測定装置48が駆動されると共に、バーナ60が点火されて、乾燥運転される。
乾燥運転では、上記循環運転の際と同様に、穀物Kが穀物乾燥装置10内を循環される。さらに、送風機64の駆動により、外気導入口56Aから火炉ケース56内に吸引導入された外気からバーナ60によって熱風が生成され、この熱風が外気入口22、送風路20及び風胴板18を介して右流下路28A及び左流下路28Bへ吸引送風されて右流下路28A及び左流下路28Bの穀物Kの水分を吸収することで、穀物Kが乾燥される。穀物Kの水分を吸収した後の熱風は、各排風路隔壁16、各排風路40及び送風機取付台62内を経て(通過して)送風機64内に吸引送風され、更に、排風ダクト66を経て排風される。しかも、昇降機46から上スクリューコンベヤ50へ搬送される穀物K内の塵埃を排塵機が排出する。また、昇降機46内において、水分測定装置48によって穀物Kの水分値が測定される。
乾燥運転は、操作盤68の停止スイッチの操作により、又は、水分測定装置48によって測定された穀物Kの水分値が設定水分値に達した際に自動的に、停止される。乾燥運転が停止される際には、必要に応じて、シャッタドラム30の駆動が停止されると共に下スクリューコンベヤ44、昇降機46、上スクリューコンベヤ50及び均分機54の駆動が継続されて全ての穀物Kが穀槽14内、右流下路28A及び左流下路28Bに貯留される。
例えば乾燥運転が終了した際には、操作盤68の排出運転スイッチを運転操作すると、シャッタドラム30、下スクリューコンベヤ44、昇降機46、上スクリューコンベヤ50及び均分機54が駆動されて、排出運転され、更に、排出弁52Aの開動により上搬送樋50A内の前端が排出管52に連通されることで、穀物Kが排出管52を介して穀物乾燥装置10から排出される。しかも、昇降機46から上スクリューコンベヤ50へ搬送される穀物K内の塵埃を排塵機が排出する。また、排出運転は、操作盤68の停止スイッチの操作により、又は、穀物Kが穀物乾燥装置10から完全に排出された際に自動的に、停止される。さらに、穀物乾燥装置10から排出管52を介して排出された穀物Kは、例えば処理装置によって処理される。
例えば張込運転、循環運転又は排出運転される際には、操作盤68の送風運転スイッチを運転操作すると、送風機64が駆動されて、送風運転される。これにより、外気導入口56Aから火炉ケース56内に吸引導入された常温の外気が、外気入口22、送風路20及び風胴板18を介して右流下路28A及び左流下路28Bへ吸引送風されて、右流下路28A及び左流下路28Bの穀物Kへ送風される。右流下路28A及び左流下路28Bの穀物Kへ送風された後の外気は、各排風路隔壁16、各排風路40及び送風機取付台62内を経て(通過して)送風機64内に吸引送風され、更に、排風ダクト66を経て排風される。これにより、穀物Kの水分が排出されて穀物Kの蒸れが防止される。また、送風運転は、操作盤68の停止スイッチの操作により停止される。
ところで、循環運転、乾燥運転及び排出運転される際には、操作盤68の制御によりシャッタドラム30が一定周期で回転されることで、シャッタドラム30において、穀物Kが、右流下路28A及び左流下路28Bから前スリット32A及び後スリット32Bを介して前流入室30A及び後流入室30Bに流入されると共に、前流入室30A及び後流入室30Bから前スリット32A及び後スリット32Bを介して下スクリューコンベヤ44側に排出(流下)される。
また、センサ34がマグネット36に対向されたことを検出した際には、前スリット32Aが下方に向けられると共に後スリット32Bが上方に向けられたこと及びシャッタドラム30の後スリット32Bが下方に向けられると共に前スリット32Aが上方に向けられたことが検出される。
ここで、操作盤68の制御によりシャッタドラム30が一定周期で回転される際には、シャッタドラム30が1周期での下記第1回転過程から第8回転過程を順次繰り返されて回転される。
シャッタドラム30の第1回転過程(図5(A)参照)では、前スリット32Aが下方に向けられると共に後スリット32Bが上方に向けられた際(センサ34がマグネット36に対向されたことを検出した際)に、シャッタドラム30の回転が所定休止時間だけ休止される。
シャッタドラム30の第2回転過程(図5(B)参照)では、シャッタドラム30が所定速度で一方向(矢印Aの方向)に回転されて、前スリット32Aが左流下路28Bを通過されると共に、後スリット32Bが右流下路28Aを通過される。
シャッタドラム30の第3回転過程(図5(C)参照)では、後スリット32Bが下方に向けられると共に前スリット32Aが上方に向けられた際(センサ34がマグネット36に対向されたことを検出した際)に、シャッタドラム30の回転が所定休止時間だけ休止される。
シャッタドラム30の第4回転過程(図5(D)参照)では、シャッタドラム30が所定速度で他方向(矢印Bの方向)に回転されて、前スリット32Aが左流下路28Bを通過されると共に、後スリット32Bが右流下路28Aを通過される。
シャッタドラム30の第5回転過程(図6(A)参照)では、前スリット32Aが下方に向けられると共に後スリット32Bが上方に向けられた際(センサ34がマグネット36に対向されたことを検出した際)に、シャッタドラム30の回転が所定休止時間だけ休止される。
シャッタドラム30の第6回転過程(図6(B)参照)では、シャッタドラム30が所定速度で他方向(矢印Bの方向)に回転されて、前スリット32Aが右流下路28Aを通過されると共に、後スリット32Bが左流下路28Bを通過される。
シャッタドラム30の第7回転過程(図6(C)参照)では、後スリット32Bが下方に向けられると共に前スリット32Aが上方に向けられた際(センサ34がマグネット36に対向されたことを検出した際)に、シャッタドラム30の回転が所定休止時間だけ休止される。
シャッタドラム30の第8回転過程(図6(D)参照)では、シャッタドラム30が所定速度で一方向(矢印Aの方向)に回転されて、前スリット32Aが右流下路28Aを通過されると共に、後スリット32Bが左流下路28Bを通過される。
以上により、シャッタドラム30の前流入室30Aでは、第2回転過程において穀物Kが左流下路28Bから前スリット32Aを介して流入されると共に、第4回転過程から第5回転過程において穀物Kが前スリット32Aを介して排出される。さらに、シャッタドラム30の前流入室30Aでは、第6回転過程において穀物Kが右流下路28Aから前スリット32Aを介して流入されると共に、第8回転過程から第1回転過程において穀物Kが前スリット32Aを介して排出される。
一方、シャッタドラム30の後流入室30Bでは、第4回転過程において穀物Kが右流下路28Aから後スリット32Bを介して流入されると共に、第6転過程から第7回転過程において穀物Kが後スリット32Bを介して排出される。さらに、シャッタドラム30の後流入室30Bでは、第8回転過程において穀物Kが左流下路28Bから後スリット32Bを介して流入されると共に、第2回転過程から第3回転過程において穀物Kが後スリット32Bを介して排出される。
ここで、第1回転過程において穀物Kが前流入室30Aから前スリット32Aを介して排出される際、第3回転過程において穀物Kが後流入室30Bから後スリット32Bを介して排出される際、第5回転過程において穀物Kが前流入室30Aから前スリット32Aを介して排出される際、及び、第7回転過程において穀物Kが後流入室30Bから後スリット32Bを介して排出される際に、シャッタドラム30の回転が休止される。すなわち、穀物Kが前流入室30Aと後流入室30Bとからそれぞれ前スリット32Aと後スリット32Bとを介して排出される際毎に、シャッタドラム30の回転が休止される。
これにより、シャッタドラム30から穀物Kが排出される際に常にはシャッタドラム30の回転が休止されない場合と異なり、シャッタドラム30から穀物Kが排出される時間間隔の変動を抑制でき、シャッタドラム30から排出される穀物Kの時間平均排出量(前スリット32Aが下方に向けられてから後スリット32Bが下方に向けられるまでの間と後スリット32Bが下方に向けられてから前スリット32Aが下方に向けられるまでの間とにおける穀物Kの時間平均排出量)の変動を抑制できて、シャッタドラム30から排出される穀物Kの最大時間平均排出量を少なくできる。
また、前スリット32Aと後スリット32Bとがシャッタドラム30に周方向(回転方向)において等間隔で設けられている。このため、シャッタドラム30から穀物Kが排出される時間間隔の変動を一層抑制でき、シャッタドラム30から排出される穀物Kの時間平均排出量の変動を一層抑制できて、シャッタドラム30から排出される穀物Kの最大時間平均排出量を一層少なくできる。
さらに、シャッタドラム30の回転の休止時間が一定の所定休止時間にされている。このため、シャッタドラム30から穀物Kが排出される時間間隔の変動を更に一層抑制でき、シャッタドラム30から排出される穀物Kの時間平均排出量の変動を更に一層抑制できて、シャッタドラム30から排出される穀物Kの最大時間平均排出量を更に一層少なくできる。
しかも、シャッタドラム30が回転される際におけるシャッタドラム30の回転速度が一定の所定速度にされている。このため、シャッタドラム30から穀物Kが排出される時間間隔の変動を更に一層抑制でき(ゼロにでき)、シャッタドラム30から排出される穀物Kの時間平均排出量の変動を更に一層抑制できて(ゼロにできて)、シャッタドラム30から排出される穀物Kの最大時間平均排出量を更に一層少なくできる。
したがって、シャッタドラム30から排出された穀物Kを処理する下スクリューコンベヤ44、昇降機46、上スクリューコンベヤ50、均分機54及び処理装置の最大処理能力を小さくでき、下スクリューコンベヤ44、昇降機46、上スクリューコンベヤ50、均分機54及び処理装置を小型化できる。
しかも、シャッタドラム30から排出された後に昇降機46から上スクリューコンベヤ50へ搬送される穀物Kの時間平均搬送量(前スリット32Aが下方に向けられてから後スリット32Bが下方に向けられるまでの間と後スリット32Bが下方に向けられてから前スリット32Aが下方に向けられるまでの間とにおける穀物Kの時間平均搬送量)の変動を抑制できて(ゼロにできて)、当該穀物Kの最大時間平均搬送量を少なくできる。このため、排塵機が当該穀物K内から塵埃(藁屑、しいな、屑粒等)を効率的に排出できる。
さらに、穀物Kが前流入室30Aと後流入室30Bとからそれぞれ前スリット32Aと後スリット32Bとを介して排出される際毎にシャッタドラム30の回転を休止させるのみで、シャッタドラム30から排出される穀物Kの時間平均排出量の変動を抑制できる。このため、シャッタドラム30の回転の簡単な制御により、シャッタドラム30から排出される穀物Kの時間平均排出量の変動を抑制でき、シャッタドラム30から排出される穀物Kの時間平均排出量の変動を簡単な構成で抑制できる。
なお、本実施形態では、シャッタドラム30から穀物Kが排出される際毎にシャッタドラム30の回転を休止させる。しかしながら、シャッタドラム30から穀物Kが排出される前毎にシャッタドラム30の回転を休止させてもよく、また、シャッタドラム30から穀物Kが排出された後毎にシャッタドラム30の回転を休止させてもよい。
さらに、本実施形態では、シャッタドラム30に一対の開口(前スリット32A及び後スリット32B)を設けた。しかしながら、シャッタドラム30に3個以上の開口を設けてもよい。
また、本実施形態では、シャッタドラム30側にセンサ34を設けると共に、機体12側にマグネット36を設けた。しかしながら、シャッタドラム30側にマグネット36を設けると共に、機体12側にセンサ34を設けてもよい。