JP2015128357A - 過電圧保護回路、及びそれを備えた電力変換装置 - Google Patents

過電圧保護回路、及びそれを備えた電力変換装置 Download PDF

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Toshiaki Sato
俊彰 佐藤
矢吹 俊生
Toshio Yabuki
俊生 矢吹
田口 泰貴
Yasutaka Taguchi
泰貴 田口
淳也 三井
Junya Mitsui
淳也 三井
康平 森田
Kohei Morita
康平 森田
敬之 畑山
Noriyuki Hatayama
敬之 畑山
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    • H02H3/20Emergency protective circuit arrangements for automatic disconnection directly responsive to an undesired change from normal electric working condition with or without subsequent reconnection ; integrated protection responsive to excess voltage

Abstract

【課題】本発明の課題は、瞬間的な過大電圧から機器を保護する小型・低コストの過電圧保護回路、及びそれを備えた電力変換装置を提供することにある。
【解決手段】過電圧保護回路50では、過電圧時には、過電圧導通回路10のバリスタが導通状態となり、第2スイッチ12がオフすることによって、機器30には電圧Va=Vac―Vzsが印加されるが、過電圧値よりも小さいので、機器30は過電圧から保護される。また、スイッチ11が電源ライン901を遮断することによってインピーダンス回路20での過熱を抑制し、電力消費を止める。この結果、インピーダンス回路20の電力定格を小さくすることができる。
【選択図】図4

Description

本発明は、過電圧保護回路、及びそれを備えた電力変換装置に関する。
電源電圧の変動が起こり易い地域で使用される機器は、電圧上昇時の対策如何によっては、機器の故障を招く虞がある。それゆえ、特許文献1(特開2009−207329号公報)に開示されているような過電圧保護回路が設けられる。この過電圧保護回路は、所定電圧以上のときにリレーで電源を遮断する構成である。
しかしながら、電源電圧が過大となるのに要する時間は極めて短く、上記リレーによる遮断では反応が遅く確実に保護することは困難である。特に半導体素子のような、過電圧に耐えうる時間が短いものについては、リレーによる遮断では保護ができない。また、瞬間的な過大電圧のためだけに半導体素子などの耐圧を高くすることは高コスト化、大型化を招来する。
そこで、本発明の課題は、瞬間的な過大電圧から機器を保護する小型・低コストの過電圧保護回路、及びそれを備えた電力変換装置を提供することにある。
本発明の第1観点に係る過電圧保護回路は、電源とその電源から電力を供給される機器との間に接続される過電圧保護回路であって、過電圧時に電流を流す所定素子と、インピーダンス回路とを備えている。所定素子は、電源と機器とを結ぶ一対の電源ライン間に機器と並列に接続される。インピーダンス回路は、電源ラインのうちの電源と所定素子との間に接続される。
この過電圧保護回路では、過電圧時に、所定素子が導通することによって、機器側の電圧を一定に保つ。また、インピーダンス回路での電圧降下分だけ機器に印加される電圧が低減され、機器を瞬間的な過電圧から保護することができる。
本発明の第2観点に係る過電圧保護回路は、第1観点に係る過電圧保護回路であって、スイッチと、過電圧状態検出手段とを備えている。スイッチは、電源ラインを開閉する。過電圧状態検出手段は、所定素子に印加される電圧が過電圧状態であることを検出する。スイッチは、通常時は電源ラインを導通状態にし、過電圧状態検出手段によって過電圧状態が検出されたとき、電源ラインを遮断する。
この過電圧保護回路では、過電圧時にスイッチが動作することによって、所定素子が耐性限界(破壊)に至る前に電源ラインが遮断されるので、所定素子の破壊を回避することができる。さらに、インピーダンス回路での電力消費を止めることができるので、インピーダンス回路の過熱が抑えられ、電力定格を小さくすることができる。
本発明の第3観点に係る過電圧保護回路は、第1観点に係る過電圧保護回路であって、バイパス回路と、過電圧状態検出回路とをさらに備えている。バイパス回路は、インピーダンス回路を迂回する回路である。過電圧状態検出回路は、所定素子に印加される電圧が過電圧状態であることを検出する。バイパス回路は、バイパス回路を開閉する第2スイッチを有している。第2スイッチは、通常時はバイパス回路を閉じ、過電圧状態検出手段によって過電圧状態が検出されたときにバイパス回路を遮断する。
この過電圧保護回路では、通常時はバイパス回路を閉じているので、インピーダンス回路で電力が消費されることはなく、機器への印加電圧がインピーダンス回路での電圧降下分だけ低くなることも回避することができる。
他方、過電圧時には、インピーダンス回路での電圧降下分だけ機器に印加される電圧が低減され、機器を過電圧から保護することができる。
本発明の第4観点に係る過電圧保護回路は、第2観点に係る過電圧保護回路であって、バイパス回路をさらに備えている。バイパス回路は、インピーダンス回路を迂回する回路である。また、バイパス回路は、バイパス回路を開閉する第2スイッチを有している。第2スイッチは、通常時はバイパス回路を閉じ、過電圧状態検出手段によって過電圧状態が検出されたときにバイパス回路を遮断する。
この過電圧保護回路では、通常時はバイパス回路を閉じているので、インピーダンス回路で電力が消費されることはなく、機器への印加電圧がインピーダンス回路での電圧降下分だけ低くなることも回避することができる。
他方、過電圧時には、インピーダンス回路での電圧降下分だけ機器に印加される電圧が低減され、機器を過電圧から保護することができる。
本発明の第5観点に係る過電圧保護回路は、第2観点から第4観点のいずれか1つに係る過電圧保護回路であって、過電圧状態検出手段が、電源の電圧を検出する電圧検出器である。
本発明の第6観点に係る過電圧保護回路は、第2観点から第4観点のいずれか1つに係る過電圧保護回路であって、過電圧状態検出手段が、所定素子を流れる電流の電流検出器である。
本発明の第7観点に係る過電圧保護回路は、第1観点から第6観点のいずれか1つに係る過電圧保護回路であって、所定素子が、バリスタ、ツェナダイオード、及びアバランシェダイオードのいずれか1つを含んでいる。
バリスタ、ツェナダイオード、及びアバランシェダイオードは、いずれも電圧の過渡変動に対して、短い応答時間で動作する素子である。それゆえ、この過電圧保護回路では、過電圧時に当該素子が導通することによって、短時間ではあるが、機器側の電圧を一定に保つ。また、インピーダンス回路での電圧降下分だけ機器に印加される電圧が低減され、機器を瞬間的な過電圧から保護することができる。
本発明の第8観点に係る過電圧保護回路は、第1観点から第7観点のいずれか一つに係る過電圧保護回路であって、電源がAC電源である。
この過電圧保護回路では、AC電源からの供給電圧が過大電圧であっても、インピーダンス回路での電圧降下分だけ機器に印加される電圧が低減される。それゆえ、短時間の過大電圧からの保護だけのために機器の整流部の電圧定格を高く設計する必要がなく、合理的である。
本発明の第9観点に係る過電圧保護回路は、第1観点から第7観点のいずれか一つに係る過電圧保護回路であって、電源がDC電源である。
この過電圧保護回路では、交流を入り切りするスイッチは双方向性を必要とするが、DC電源の下流側に配置されるスイッチは片方向スイッチでよいので、スイッチの低コスト化を図ることができる。
本発明の第10観点に係る電力変換装置は、コンバータ回路と、インバータ回路と、第1観点から第9観点のいずれか一つの過電圧保護回路とを備えている。コンバータ回路は、交流電源に接続され、交流電圧を直流電圧に変換する。インバータ回路は、直流電圧を交流電圧に変換する。
この電力変換装置では、過電圧保護回路が、コンバータ回路を過渡的に印加される過大交流電圧から保護し、又はインバータ回路を過渡的に印加される過大直流電圧から保護することができる。
本発明の第1観点に係る過電圧保護回路では、過電圧時に、所定素子が導通することによって、機器側の電圧を一定に保つ。また、インピーダンス回路での電圧降下分だけ機器に印加される電圧が低減され、機器を瞬間的な過電圧から保護することができる。
本発明の第2観点、又は第5観点若しくは第6観点に係る過電圧保護回路では、過電圧時にスイッチが動作することによって、所定素子が耐性限界(破壊)に至る前に電源ラインが遮断されるので、所定素子の破壊を回避することができる。さらに、インピーダンス回路での電力消費を止めることができるので、インピーダンス回路の電力定格を小さくすることができる。
本発明の第3観点、又は第5観点若しくは第6観点に係る過電圧保護回路では、通常時はバイパス回路を閉じているので、インピーダンス回路で電力が消費されることはなく、機器への印加電圧がインピーダンス回路での電圧降下分だけ低くなることも回避することができる。
他方、過電圧時には、インピーダンス回路での電圧降下分だけ機器に印加される電圧が低減され、機器を過電圧から保護することができる。
本発明の第4観点、又は第5観点若しくは第6観点に係る過電圧保護回路では、通常時はバイパス回路を閉じているので、インピーダンス回路で電力が消費されることはなく、機器への印加電圧がインピーダンス回路での電圧降下分だけ低くなることも回避することができる。
他方、過電圧時には、インピーダンス回路での電圧降下分だけ機器に印加される電圧が低減され、機器を過電圧から保護することができる。
本発明の第7観点に係る過電圧保護回路では、過電圧時に所定素子が導通することによって、短時間ではあるが、機器側の電圧を一定に保つ。また、インピーダンス回路での電圧降下分だけ機器に印加される電圧が低減され、機器を瞬間的な過電圧から保護することができる。
本発明の第8観点に係る過電圧保護回路では、AC電源からの供給電圧が過大電圧であっても、インピーダンス回路での電圧降下分だけ機器に印加される電圧が低減される。それゆえ、短時間の過大電圧からの保護だけのために機器の整流部の電圧定格を高く設計する必要がなく、合理的である。
本発明の第9観点に係る過電圧保護回路では、交流を入り切りするスイッチは双方向性を必要とするが、DC電源の下流側に配置されるスイッチは片方向スイッチでよいので、スイッチの低コスト化を図ることができる。
本発明の第10観点に係る電力変換装置では、過電圧保護回路が、コンバータ回路を過渡的に印加される過大交流電圧から保護し、又はインバータ回路を過渡的に印加される過大直流電圧から保護することができる。
本発明の第1実施形態に係る過電圧保護回路を備えた装置の回路図。 第1実施形態の変形例に係る過電圧保護回路を備えた装置の回路図。 電圧検出器の回路図。 本発明の第2実施形態に係る過電圧保護回路を備えた装置の回路図。 第2実施形態の変形例に係る過電圧保護回路を備えた装置の回路図。 本発明の第3実施形態に係る過電圧保護回路を備えた電力変換装置の回路図。 第3実施形態の変形例に係る過電圧保護回路を備えた電力変換装置の回路図。 本発明の第4実施形態に係る過電圧保護回路を備えた電力変換装置の回路図。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の具体例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
<第1実施形態>
(1)過電圧保護回路50の構成
図1は、本発明の第1実施形態に係る過電圧保護回路50を備えた装置の回路図である。図1において、機器30は、商用電源90から一対の電源ライン901,902を介して電力供給されている。過電圧保護回路50は、商用電源90と機器30との間に接続されている。
過電圧保護回路50は、過電圧導通回路10と、インピーダンス回路20と、スイッチ11と、電圧検出器33とを含んでいる。
(2)過電圧保護回路50の詳細構成
(2−1)過電圧導通回路10
過電圧導通回路10は、過電圧時に電流を流す素子で構成されている。過電圧時に電流を流す素子としては、バリスタ、ツェナダイオード、及びアバランシェダイオードのいずれかが採用される。
本実施形態では、過電圧導通回路10は、一つのバリスタで構成されている。バリスタは、通常は電流が流れないが、印加電圧が制限電圧を超えると一気に電流が流れその電流値が所定範囲に収まっている間は電圧を所定の制限電圧に維持することができる。
過電圧導通回路10は、一対の電源ライン901,902間に機器30と並列に接続されている。なお、商用電源90が多相電源の時に各相間の過電圧保護を行なう場合は各相分の電源ライン間に、過電圧導通回路10が接続される。
(2−2)インピーダンス回路20
インピーダンス回路20は、当該回路における電圧と電流との比であるインピーダンスがZとなるように構成された回路である。
インピーダンス回路20は、電源ライン901上で、商用電源90と過電圧導通回路10との間に接続されている。
このインピーダンス回路20は、例えば抵抗やPTCサーミスタが適用される。
(2−3)スイッチ11
スイッチ11は、電源ライン901を開閉する。ここで、電源ライン901を開閉するとは、電源ライン901を導通又は遮断して非導通にすることである。
スイッチ11は、通常時は電源ライン901を閉、つまり導通状態にしておく。他方、過電圧時には、過電圧導通回路10のバリスタが導通して所定電圧に維持され、商用電源90―インピーダンス回路20―過電圧導通回路10―商用電源90という閉回路が構成され、機器30の保護動作が行われた後に、スイッチ11がオフして電源ライン901を遮断する。
電源ライン901を遮断する目的は、過電圧導通回路10の素子とインピーダンス回路20での電力消費を止めるためであり、インピーダンス回路20の電力定格を小さくすることができ、低コスト化を図ることができる。特に、本実施形態で想定している過電圧導通素子(バリスタ、ツェナダイオード、アバランシェダイオード)は一般にエネルギー耐量がさほど大きくないため、瞬間的な保護には向くが、高電圧あるいは長時間の電圧印加には向かず、このスイッチ11による電源ライン901の遮断が重要である。
スイッチ11は、過電圧導通回路10の素子やインピーダンス回路20が破壊・故障に到る前に遮断できればよく、さほど高速性は求められないので、本実施形態ではリレー回路が採用されている。
図1に示すように、スイッチ11は、電源ライン901を開閉するリレー接点11aと、リレー接点11aを動作させるリレーコイル11bと、リレーコイル11bへの通電と非通電とを行うトランジスタ11cとを含んでいる。リレーコイル11bの一端は、電源Vbの正極に接続され、他端はトランジスタ11cのコレクタ側に接続されている。制御部40は、トランジスタ11cのベース電流の有無を切り換えて、コレクタとエミッタ間をオンオフし、リレーコイル11bへの通電と非通電を行う。リレー回路を採用することにより、保護動作から10ms程度で遮断を行なうことができる。
(2−4)電圧検出器33
電圧検出器33は、交流電圧検出回路によって構成されている。交流電圧検出回路は、多様であり、使用条件によって適宜採用される。例えば、図3は一般的な電圧検出器33の回路図である。図3において、電圧検出器33は、変圧回路331、コンバータ回路332とで構成されている。
変圧回路331は、入力側に位置し、一次側巻線331aと二次側巻線331bとからなる。
コンバータ回路332は、整流ダイオードで構成される整流部332aと、平滑コンデンサ332bとが並列接続された回路である。
電圧検出器33では、変圧回路331に交流電圧が印加されると、交流電圧は変圧回路331によって変圧される。そして、二次側巻線331bの両端電圧がコンバータ回路332に入力される。
コンバータ回路332に入力された変圧後の交流電圧は、整流部332aで直流電圧に変換され、平滑コンデンサ332bで平滑化される。この平滑化された直流電圧が制御部40に入力される。すなわち、一次側巻線331aに印加される電圧に応じた直流電圧が、制御部40に入力されることになる。
(3)過電圧保護回路50の動作
図1において、通常時、過電圧導通回路10のバリスタは非導通で、且つスイッチ11は電源ライン901を導通状態にしているので、機器30には電圧Va=Vac―Vzが印加されている。
商用電源90の電圧Vacが急激に変動して過電圧となり、電圧Vaがバリスタの制限電圧を超えると、過電圧導通回路10のバリスタは導通状態となり、インピーダンス回路20の電圧降下Vzは、その時バリスタに流れる電流による分だけ大きくなり、機器30には電圧Va=Vac―Vzが印加されるが、増加したVzにより、Vaは過電圧値よりも小さいので、機器30は過電圧から保護される。
電圧検出器33が過電圧状態を検出すると、スイッチ11が電源ライン901を遮断して、インピーダンス回路20での電力消費を止める。
商用電源90の電圧Vacが下がり、電圧検出器33から出力される電圧が、バリスタの制限電圧より低い、復帰のための閾値よりも下がったと制御部40が判定したとき、制御部40は、スイッチ11をオンさせて電源ライン901を接続することで、通常の動作に復帰する。すなわち、電圧検出器33での検出有無に応じて、スイッチ11は電源ライン901を遮断/導通させる。
(4)第1実施形態の変形例
図2は、第1実施形態の変形例に係る過電圧保護回路50を備えた装置の回路図である。図2において、本変形例では、図1の第1実施形態における電圧検出器33に替わって、電流検出器34が採用されている。電流検出器34は、過電圧導通回路10に直列接続されている。
電流検出器34において電流が検出されるということは、過電圧導通回路10のバリスタが導通状態となっていることであり、これは即ち商用電源90の電圧Vacが過大電圧になっていることを意味するので、電圧検出器33に替わって電流検出器34で過電圧を検出することができる。
(5)第1実施形態の特徴
(5−1)
過電圧時には、過電圧導通回路10のバリスタが導通状態となり、過電圧導通回路10のバリスタは導通状態となり、機器30には電圧Va=Vac―Vzが印加されるが、過電圧値よりも小さいので、機器30は過電圧から保護される。
(5−2)
さらに、スイッチ11が電源ライン901を遮断することによってインピーダンス回路20での電力消費を止める。この結果、インピーダンス回路20の電力定格を小さくすることができる。
(5−3)
通常時には、機器30には電圧Va=Vac―Vzが印加され、電圧Vaが過大電圧のときであっても、機器30には電圧Va=Vac―Vzが印加されるだけである。それゆえ、短時間の過大電圧からの保護だけのために機器30の電圧定格を高く設計する必要がなく、合理的である。
<第2実施形態>
(1)過電圧保護回路50の構成
図4は、本発明の第2実施形態に係る過電圧保護回路50を備えた装置の回路図である。図4において、機器30は、商用電源90から一対の電源ライン901,902を介して電力供給されている。過電圧保護回路50は、商用電源90と機器30との間に接続されている。
過電圧保護回路50は、過電圧導通回路10と、インピーダンス回路20と、電圧検出器33、バイパス回路35とを含んでいる。
(2)過電圧保護回路50の詳細構成
第2実施形態は、第1実施形態にバイパス回路35が追加された形態であり、過電圧導通回路10、インピーダンス回路20、スイッチ11及び電圧検出器33については同様のものを採用している。したがって、ここではバイパス回路35についてのみを説明する。
(2−1)バイパス回路35
バイパス回路35は、インピーダンス回路20に並列接続されており、インピーダンス回路20を迂回する回路である。バイパス回路35は、第2スイッチ12を有している。第2スイッチ12は、バイパス回路35を開閉する。ここで、バイパス回路35を開閉するとは、バイパス回路35を導通又は遮断して非導通にすることである。
(2−2)第2スイッチ12
第2スイッチ12は、通常時はバイパス回路35を閉、つまり導通状態にしておく。なぜなら、通常時にバイパス回路35を開(非導通状態)にしておくと、インピーダンス回路20で常に電力消費される上に、機器30への印加電圧がインピーダンス回路20のインピーダンスZの電圧降下分だけ低くなるからである。
他方、過電圧時は機器30を保護するためにバイパス回路35を素早く開にして、商用電源90―インピーダンス回路20―過電圧導通回路10―商用電源90という閉回路を構成する必要がある。そのため、第2スイッチ12には、高速動作が求められる。
第2スイッチ12としては、トライアック、双方向に導通させるように接続したMOSFETなどが採用される。本実施形態では、フォトトライアックカプラが採用されている。
図4に示すように、第2スイッチ12は、入力側(A1−A2間)に発光ダイオード12aが設けられ、出力側(B1−B2間)にフォトトライアック12bが設けられている。フォトトライアック12bの等価回路は、2つのフォトサイリスタ121,122を互いに逆方向に並列接続した構成である。
発光ダイオード12aのアノードA1は抵抗Rを介して電源Vcに接続されている。また、発光ダイオード12aのカソードA2は信号線を介して制御部40に接続されている。
フォトトライアック12bの第1アノードB1は、電源ライン901のうちのインピーダンス回路20と機器30との間に接続されている。また、フォトトライアック12bの第2アノードB2は電源ライン901にうちのインピーダンス回路20と商用電源90との間に接続されている。
発光ダイオード12aは電流が流れると発光する。フォトトライアック12bは、第1アノードB1の電位が第2アノードB2の電位より大きい状態で発光ダイオード12aからの光を受けるとフォトサイリスタ121がオン状態になる。他方、第1アノードB1の電位が第2アノードB2の電位より小さい状態で発光ダイオード12aからの光を受けるとフォトサイリスタ122がオン状態になる。
このように、フォトトライアック12bは双方向の印加電圧に対して動作する双方向素子であり、しかも高速で動作するので、双方向の高速スイッチとして利用される。
また、第2スイッチ12の動作制御、つまり発光ダイオード12aへの通電制御は制御部40が行う。
(3)過電圧保護回路50の動作
図4において、通常時、スイッチ11はオンし、バイパス回路35は第2スイッチ12が閉じて導通状態であるので、機器30には電圧Va=Vacが印加されている。
商用電源90の電圧Vacが急激に増加し、制御部40が電圧検出器33から出力される電圧が、バリスタが導通するであろう閾値を超えたと判定したとき、制御部40は、第2スイッチ12の発光ダイオード12aへの通電を停止し、フォトトライアック12bをオフさせる。
その結果、商用電源90―インピーダンス回路20―過電圧導通回路10―商用電源90という閉回路が構成される。このとき、機器30には電圧Va=Vac―Vzが印加されるが、過電圧値よりも小さいので、機器30は過電圧から保護される。
電圧検出器33が過電圧状態を検出すると、スイッチ11が電源ライン901を遮断して、インピーダンス回路20での電力消費を止める。
商用電源90の電圧Vacが下がり、電圧検出器33から出力される電圧が、バリスタの制限電圧より低い、復帰のための閾値よりも下がったと制御部40が判定したとき、制御部40は、第2スイッチ12の発光ダイオード12aへ通電し、フォトトライアック12bをオンさせる。さらに、スイッチ11をオンさせて電源ライン901を接続することで、通常の動作に復帰する。
(4)第2実施形態の変形例
図5は、第2実施形態の変形例に係る過電圧保護回路50を備えた装置の回路図である。図5において、本変形例では、図4の第2実施形態における電圧検出器33に替わって、電流検出器34が採用されている。電流検出器34は、過電圧導通回路10に直列接続されている。
電流検出器34において電流が検出されるといくことは、過電圧導通回路10のバリスタが導通状態となっていることであり、これは即ち商用電源90の電圧Vacが過大電圧になっていることを意味するので、電圧検出器33に替わって電流検出器34で過電圧を検出することができる。
(5)第2実施形態の特徴
(5−1)
過電圧保護回路50では、通常時は、過電圧導通回路10のバリスタが非導通で、且つスイッチ11は電源ライン901を導通状態にし、第2スイッチ12をオンにしてバイパス回路35を閉じているので、インピーダンス回路20で電力が消費されることはなく、機器30への印加電圧がインピーダンス回路20での電圧降下分だけ低くなることも回避することができる。
(5−2)
過電圧時には、過電圧導通回路10のバリスタが導通状態となり、第2スイッチ12がオフすることによって、機器30には電圧Va=Vac―Vzsが印加されるが、過電圧値よりも小さいので、機器30は過電圧から保護される。
(5−3)
また、スイッチ11が電源ライン901を遮断することによってインピーダンス回路20での電力消費を止める。この結果、インピーダンス回路20の電力定格を小さくすることができる。
(5−4)
電圧Vaが過大電圧のときであっても、機器30には電圧Va=Vac―Vzsが印加されるだけである。それゆえ、短時間の過大電圧からの保護だけのために機器30の電圧定格を高く設計する必要がなく、合理的である。
<第3実施形態>
(1)電力変換装置200の構成
図6は、本発明の第3実施形態に係る過電圧保護回路100を備えた電力変換装置200の回路図である。図6において、電力変換装置200は、直流電源部80、インバータ95、過電圧保護回路100で構成されている。
インバータ95は、直流電源部80から一対の電源ライン801,802を介して電力供給されている。過電圧保護回路100は、直流電源部80とインバータ95との間に接続されている。
(1−1)直流電源部80
直流電源部80は、整流部81と、整流部81と並列接続される平滑コンデンサ82とで構成されている。
整流部81は、4つのダイオードD1a,D1b,D2a,D2bによってブリッジ状に構成されている。具体的には、ダイオードD1aとD1b、D2aとD2bは、それぞれ互いに直列に接続されている。ダイオードD1a,D2aの各カソード端子は、共に平滑コンデンサ82のプラス側端子に接続されており、整流部81の正側出力端子として機能する。ダイオードD1b,D2bの各ダイオードの各アノード端子は、共に平滑コンデンサ82のマイナス側端子に接続されており、整流部81の負側出力端子として機能する。
ダイオードD1a及びダイオードD1bの接続点は、商用電源90の一方の極に接続されている。ダイオードD2a及びダイオードD2bの接続点は、商用電源90の他方の極に接続されている。整流部81は、商用電源90から出力される交流電圧を整流して直流電圧を生成し、これを平滑コンデンサ82へ供給する。
平滑コンデンサ82は、整流部81によって整流された電圧を平滑する。平滑後の電圧Vdcは、平滑コンデンサ82の出力側に接続されるインバータ95へ印加される。
なお、コンデンサの種類としては、電解コンデンサやフィルムコンデンサ、タンタルコンデンサ等が挙げられるが、本実施形態においては、平滑コンデンサ82として電解コンデンサが採用される。
この直流電源部80は、交流電圧を直流電圧に変換するコンバータ回路と言い換えることもできる。
(1−2)インバータ95
インバータ95は、複数のIGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ、以下、単にトランジスタという)及び複数の還流用ダイオードを含んでいる。インバータ95は、平滑コンデンサ82からの電圧Vdcが印加され、かつゲート駆動回路96により指示されたタイミングで各トランジスタがオン及びオフを行うことによって、モータ150を駆動する駆動電圧を生成する。モータ150は、例えばヒートポンプ式空気調和機の圧縮機モータ、ファンモータである。
なお、本実施形態のインバータ95は、電圧形インバータであるが、それに限定されるものではなく、電流形インバータでもよい。
(1−3)ゲート駆動回路96
ゲート駆動回路96は、制御部40からの指令に基づき、インバータ95の各トランジスタのオン及びオフの状態を変化させる。
(1−4)過電圧保護回路100
過電圧保護回路100は、過電圧導通回路60と、インピーダンス回路70と、電圧検出器83、バイパス回路85と、スイッチ61とを含んでいる。
(2)過電圧保護回路100の詳細構成
この第3実施形態と、既に説明した第1実施形態及び第2実施形態と大きく異なる点は、過電圧保護回路100が直流部に設けられていることである。したがって、各構成要素も交流仕様から直流仕様に置き換えられることに鑑みて、同一名称であっても符号を換えて、再度説明する。
(2−1)過電圧導通回路60
過電圧導通回路60は、過電圧時に電流を流す素子で構成されている。過電圧時に電流を流す素子としては、バリスタ、ツェナダイオード、及びアバランシェダイオードのいずれかが採用される。
本実施形態では、過電圧導通回路60は、一つのバリスタで構成されている。バリスタは、通常は電流がながれないが、印加電圧が制限電圧を超えると一気に電流が流れその電流値が所定範囲に収まっている間は電圧を所定の制限電圧に維持することができる。
過電圧導通回路60は、一対の電源ライン801,802間に機器30と並列に接続されている。
(2−2)インピーダンス回路70
インピーダンス回路70は、当該回路における電圧と電流との比であるインピーダンスがZとなるように構成された回路である。一般に抵抗素子やPTCサーミスタが採用される。
インピーダンス回路70は、電源ライン801上で、直流電源部80と過電圧導通回路60との間に接続されている。
(2−3)電圧検出器83
電圧検出器83は、平滑コンデンサ82の出力側に接続されており、平滑コンデンサ82の両端電圧、即ち平滑後の電圧Vdcの値を検出する。電圧検出器83は、例えば、互いに直列に接続された2つの抵抗が平滑コンデンサ82に並列接続され、電圧Vdcが分圧されるように構成される。それら2つの抵抗同士の接続点の電圧値は、制御部40に入力される。
(2−4)バイパス回路85
バイパス回路85は、インピーダンス回路70に並列接続されており、インピーダンス回路70を迂回する回路である。バイパス回路85は、第2スイッチ62を有している。第2スイッチ62は、バイパス回路85を開閉する。ここで、バイパス回路85を開閉するとは、バイパス回路85を導通又は遮断して非導通にすることである。
(2−5)スイッチ61
スイッチ61は、電源ライン801を開閉する。ここで、電源ライン801を開閉するとは、電源ライン801を導通又は遮断して非導通にすることである。
スイッチ61は、通常時は電源ライン801を閉、つまり導通状態にしておく。他方、過電圧時には、過電圧導通回路60が導通し、第2スイッチ62がオフして、直流電源部80―インピーダンス回路70―過電圧導通回路60―直流電源部80という閉回路が構成され、インバータ95の保護動作が行われた後に、スイッチ61がオフして電源ライン801を遮断する。
電源ライン801を遮断する目的は、インピーダンス回路70での電力消費を止めるためであり、インピーダンス回路70の電力定格を小さくすることができ、低コスト化を図ることができる。
スイッチ61は、スイッチ61は高速性を求められないので、本実施形態ではリレー回路が採用されている。
図6に示すように、スイッチ61は、電源ライン801を開閉するリレー接点61aと、リレー接点61aを動作させるリレーコイル61bと、リレーコイル61bへの通電と非通電とを行うトランジスタ61cとを含んでいる。リレーコイル61bの一端は、電源Vbの正極に接続され、他端はトランジスタ61cのコレクタ側に接続されている。制御部40は、トランジスタ61cのベース電流の有無を切り換えて、コレクタとエミッタ間をオンオフし、リレーコイル61bへの通電と非通電を行う。
(2−6)第2スイッチ62
第2スイッチ62は、通常時はバイパス回路85を閉、つまり導通状態にしておく。なぜなら、通常時にバイパス回路85を開(非導通状態)にしておくと、インピーダンス回路70で常に電力消費される上に、インバータ95への印加電圧がインピーダンス回路70のインピーダンスZの電圧降下分だけ低くなるからである。
他方、過電圧時はインバータ95を保護するためにバイパス回路85を素早く開にして、直流電源部80―インピーダンス回路70―過電圧導通回路60―直流電源部80という閉回路を構成する必要がある。そのため、第2スイッチ62には、高速動作が求められる。
図6に示すように、第2スイッチ62は、フォトカプラ62aと、駆動回路62bと、トランジスタ62cとで構成されている。フォトカプラ62aは、発光ダイオード621とフォトトランジスタ622を内蔵している。
スイッチ61の入力側(C1−C2間)にはフォトカプラ62aの発光ダイオード621が接続されている。発光ダイオード621のアノードC1は抵抗Rを介して電源Vcに接続されている。発光ダイオード621のカソードC2は信号線を介して制御部40に接続されている。また、フォトトランジスタ622は駆動回路62bとGNDとの間に接続されている。
第2スイッチ62の出力側(D1−D2間)にトランジスタ62cが設けられている。トランジスタ62cのエミッタD1はインピーダンス回路70とインバータ95との間に接続されている。また、トランジスタ62cのコレクタD2はインピーダンス回路70と直流電源部80との間に接続されている。
制御部40の制御信号は、フォトカプラ62aを介して駆動回路62bに入力される。駆動回路62bには、駆動用電源(図示せず)が接続されており、制御部40が発光ダイオード621の信号ラインをオンさせると、発光ダイオード621が発光しフォトトランジスタ622が導通する。このフォトトランジスタ622が導通している間、駆動回路62bからトランジスタ62cのベースに駆動信号が出力され、トランジスタ62cのコレクタD2−エミッタD1間が導通する。
逆に、制御部40が発光ダイオード621の信号ラインをオフさせると、発光ダイオード621が発光しないので、フォトトランジスタ622は導通しない。このフォトトランジスタ622が導通していない間、トランジスタ62cのコレクタD2−エミッタD1間も導通しない。
(3)過電圧保護回路100の動作
図6において、通常時、過電圧導通回路60のバリスタが非導通状態で、バイパス回路85は第2スイッチ62が閉じて導通状態であるので、機器30には電圧Va=Vdcが印加されている。
直流電源部80の電圧Vdcが急激に増加し、制御部40が電圧検出器83から出力される電圧が閾値を超えたと判定したとき、制御部40は、第2スイッチ62の発光ダイオード621への通電を停止し、トランジスタ62cをオフさせる。
その結果、直流電源部80―インピーダンス回路70―過電圧導通回路60―直流電源部80という閉回路が構成される。このとき、インバータ95には電圧Va=Vdc―Vzが印加されるが、過電圧値よりも小さいので、インバータ95は過電圧から保護される。
電圧検出器83が過電圧状態を検出すると、スイッチ61が電源ライン801を遮断して、インピーダンス回路70での電力消費を止める。
商用電源90の電圧Vacが下がり、電圧検出器83から出力される電圧が、バリスタの制限電圧より低い、復帰のための閾値よりも下がったと制御部40が判定したとき、制御部40は第2スイッチ62の発光ダイオード621へ通電し、トランジスタ62cをオンさせる。さらに、スイッチ61をオンさせて電源ライン801を接続することで、通常の動作に復帰する。
(4)第3実施形態の変形例
図7は、第3実施形態の変形例に係る過電圧保護回路100を備えた電力変換装置200の回路図である。図7において、本変形例では、図6の第3実施形態における電圧検出器83に替わって、電流検出器84が採用されている。電流検出器84は、過電圧導通回路60に直列接続されている。
電流検出器84において電流が検出されるということは、過電圧導通回路60のバリスタが導通状態となっていることであり、これは即ち直流電源部80の電圧Vdcが過大電圧になっていることを意味するので、電圧検出器83に替わって電流検出器84で過電圧を検出することができる。
(5)第3実施形態の特徴
(5−1)
過電圧保護回路100では、通常時は、過電圧導通回路60のバリスタが非導通で、且つスイッチ61は電源ライン801を導通状態にし、第2スイッチ62をオンにしてバイパス回路35を閉じているので、インピーダンス回路70で電力が消費されることはなく、インバータ95への印加電圧がインピーダンス回路70での電圧降下分だけ低くなることも回避することができる。
(5−2)
過電圧時には、過電圧導通回路60のバリスタが導通状態となり、第2スイッチ62がオフすることによって、インバータ95には電圧V=Vdc―Vzが印加されるが、過電圧値よりも小さいので、インバータ95は過電圧から保護される。
(5−3)
また、スイッチ61が電源ライン801を遮断することによってインピーダンス回路70での電力消費を止める。この結果、インピーダンス回路70の電力定格を小さくすることができる。
(5−4)
さらに、直流電源部80の下流側に配置される第2スイッチ62は片方向スイッチでよいので、第2スイッチ62の低コスト化を図ることができる。
<第4実施形態>
(1)過電圧保護回路100の構成
図8は、本発明の第4実施形態に係る過電圧保護回路100を備えた電力変換装置200の回路図である。図8において、インバータ95は、直流電源部80から一対の電源ライン801,802を介して電力供給されている。過電圧保護回路100の一部は商用電源90と直流電源部80との間に接続され、他の部分は直流電源部80とインバータ95との間に接続されている。
過電圧保護回路100は、過電圧導通回路60と、スイッチ11と、インピーダンス回路70と、電圧検出器33、バイパス回路85と、第2スイッチ62とを含んでいる。
第4実施形態と、既に説明した第3実施形態と異なる点は、過電圧保護回路100の構成要素である電圧検出器とスイッチとが商用電源90と直流電源部80との間に設けられていることである。つまり、電圧検出器及びスイッチの配置が、第1実施形態における電圧検出器33及びスイッチ11の配置と同じである。したがって、電圧検出器及びスイッチが直流仕様から交流仕様に置き換えられることに鑑みて、第1実施形態の電圧検出器33及びスイッチ11が採用されている。
したがって、各構成要素の内容は、第1実施形態の電圧検出器33及びスイッチ11、第3実施形態の過電圧導通回路60、インピーダンス回路70、及びバイパス回路85と同様であるので、ここでは説明を省略し、動作説明のみ行う。
(2)過電圧保護回路100の動作
図8において、通常時、過電圧導通回路60のバリスタは非導通状態で、バイパス回路85は第2スイッチ62が閉じて導通状態であり、且つスイッチ11は電源ライン901を導通状態にしているので、インバータ95には電圧Va=Vdcが印加されている。
商用電源90の電圧Vacの変動により、直流電源部80の電圧Vdcが急激に増加し、制御部40が電圧検出器33から出力される電圧が閾値を超えたと判定したとき、制御部40は第2スイッチ62の発光ダイオード621への通電を停止し、トランジスタ62cをオフさせる。
その結果、直流電源部80―インピーダンス回路70―過電圧導通回路60―直流電源部80という閉回路が構成される。このとき、インバータ95には電圧Va=Vdc―Vzが印加されるが、過電圧値よりも小さいので、インバータ95は過電圧から保護される。
電圧検出器33が過電圧状態を検出すると、スイッチ11が電源ライン901を遮断して、インピーダンス回路70での電力消費を止める。
商用電源90の電圧Vacが下がり、電圧検出器33から出力される電圧が、バリスタの制限電圧より低い、復帰のための閾値よりも下がったと制御部40が判定したとき、制御部40は第2スイッチ62の発光ダイオード621へ通電し、トランジスタ62cをオンさせる。さらに、スイッチ11をオンさせて電源ライン901を接続することで、通常の動作に復帰する。
(3)第4実施形態の特徴
(3−1)
過電圧保護回路100では、通常時は第2スイッチ62をオンにしてバイパス回路85を閉じているので、インピーダンス回路70で電力が消費されることはなく、インバータ95への印加電圧がインピーダンス回路70での電圧降下分だけ低くなることも回避することができる。
(3−2)
過電圧時には、過電圧導通回路60のバリスタが導通状態となり、第2スイッチ62がオフすることによって、インバータ95には電圧Va=Vdc―Vzが印加されるが、過電圧値よりも小さいので、インバータ95は過電圧から保護される。
(3−3)
また、スイッチ11が電源ライン901を遮断することによってインピーダンス回路70での過熱を抑制し、電力消費を止める。この結果、インピーダンス回路70の電力定格を小さくすることができる。
(3−4)
さらに、直流電源部80の下流側に配置される第2スイッチ62は片方向スイッチでよいので、スイッチの低コスト化を図ることができる。
<その他実施形態>
(A)
図1に示す第1実施形態、及び図2に示す第1実施形態の変形例は、いずれも交流電圧に対する過電圧保護回路を実施形態としているが、電源が直流電源である場合、あるいは機器内に交流電源を整流する直流電源部を持つ場合には、各構成要素を交流仕様から直流仕様へ置き換えて直流電源部の下流側に設けてもよい。
(B)
第4実施形態は、第3実施形態から、電圧検出器とスイッチとを、商用電源90と直流電源部80との間に設けるように変更したものであるが、電圧検出器のみを商用電源90と直流電源部80との間に設けるようにしてもよい。
(C)
第3実施形態、第4実施形態では、機器の内部に過電圧保護回路を持つ例を示したが、機器はコンバータ回路とインバータ回路を持つものに限定されない。
(D)
第1実施形態では、機器30の保護動作が行なわれ、電圧検出器が過電圧状態を検出した後にスイッチがオフされるものとしたが、保護動作が行なわれてから所定時間が経過したことを判定してスイッチをオフしてもよい。
本発明は、電源電圧の変動が起こり易い地域で使用される機器、例えば、冷凍装置に有用である。
10,60 過電圧導通回路(所定素子)
11,61 スイッチ
12,62 第2スイッチ
20,70 インピーダンス回路
33,83 電圧検出器(過電圧状態検出手段)
34,84 電流検出器(過電圧状態検出手段)
35,85 バイパス回路
50,100 過電圧保護回路
80 直流電源部(DC電源、コンバータ回路)
90 商用電源(AC電源)
95 インバータ(インバータ回路)
200 電力変換装置
特開2009−207329号公報
本発明は、過電圧保護回路、及びそれを備えた電力変換装置に関する。
電源電圧の変動が起こり易い地域で使用される機器は、電圧上昇時の対策如何によっては、機器の故障を招く虞がある。それゆえ、特許文献1(特開2009−207329号公報)に開示されているような過電圧保護回路が設けられる。この過電圧保護回路は、所定電圧以上のときにリレーで電源を遮断する構成である。
しかしながら、電源電圧が過大となるのに要する時間は極めて短く、上記リレーによる遮断では反応が遅く確実に保護することは困難である。特に半導体素子のような、過電圧に耐えうる時間が短いものについては、リレーによる遮断では保護ができない。また、瞬間的な過大電圧のためだけに半導体素子などの耐圧を高くすることは高コスト化、大型化を招来する。
そこで、本発明の課題は、瞬間的な過大電圧から機器を保護する小型・低コストの過電圧保護回路、及びそれを備えた電力変換装置を提供することにある。
本発明の第1観点に係る過電圧保護回路は、電源とその電源から電力を供給される機器との間に接続される過電圧保護回路であって、過電圧時に電流を流す所定素子と、インピーダンス回路と、スイッチと、過電圧状態検出手段とを備えている。所定素子は、電源と機器とを結ぶ一対の電源ライン間に機器と並列に接続される。インピーダンス回路は、電源ラインのうちの電源と所定素子との間に接続される。スイッチは、電源ラインを開閉する。過電圧状態検出手段は、所定素子に印加される電圧が過電圧状態であることを検出する。また、スイッチは、通常時は電源ラインを導通状態にし、過電圧状態検出手段によって過電圧状態が検出されたとき、電源ラインを遮断する。
この過電圧保護回路では、過電圧時に、所定素子が導通することによって、機器側の電圧を一定に保つ。また、インピーダンス回路での電圧降下分だけ機器に印加される電圧が低減され、機器を瞬間的な過電圧から保護することができる。
また、過電圧時にスイッチが動作することによって、所定素子が耐性限界(破壊)に至る前に電源ラインが遮断されるので、所定素子の破壊を回避することができる。さらに、インピーダンス回路での電力消費を止めることができるので、インピーダンス回路の過熱が抑えられ、電力定格を小さくすることができる。
本発明の第観点に係る過電圧保護回路は、第1観点に係る過電圧保護回路であって、バイパス回路をさらに備えている。バイパス回路は、インピーダンス回路を迂回する回路である。また、バイパス回路は、バイパス回路を開閉する第2スイッチを有している。第2スイッチは、通常時はバイパス回路を閉じ、過電圧状態検出手段によって過電圧状態が検出されたときにバイパス回路を遮断する。
この過電圧保護回路では、通常時はバイパス回路を閉じているので、インピーダンス回路で電力が消費されることはなく、機器への印加電圧がインピーダンス回路での電圧降下分だけ低くなることも回避することができる。
他方、過電圧時には、インピーダンス回路での電圧降下分だけ機器に印加される電圧が低減され、機器を過電圧から保護することができる。
本発明の第観点に係る過電圧保護回路は、第観点又は観点に係る過電圧保護回路であって、過電圧状態検出手段が、電源の電圧を検出する電圧検出器である。
本発明の第観点に係る過電圧保護回路は、第観点又は観点に係る過電圧保護回路であって、過電圧状態検出手段が、所定素子を流れる電流の電流検出器である。
本発明の第観点に係る過電圧保護回路は、第1観点から第観点のいずれか1つに係る過電圧保護回路であって、所定素子が、バリスタ、ツェナダイオード、及びアバランシェダイオードのいずれか1つを含んでいる。
バリスタ、ツェナダイオード、及びアバランシェダイオードは、いずれも電圧の過渡変動に対して、短い応答時間で動作する素子である。それゆえ、この過電圧保護回路では、過電圧時に当該素子が導通することによって、短時間ではあるが、機器側の電圧を一定に保つ。また、インピーダンス回路での電圧降下分だけ機器に印加される電圧が低減され、機器を瞬間的な過電圧から保護することができる。
本発明の第観点に係る過電圧保護回路は、第1観点から第観点のいずれか一つに係る過電圧保護回路であって、電源がAC電源である。
この過電圧保護回路では、AC電源からの供給電圧が過大電圧であっても、インピーダンス回路での電圧降下分だけ機器に印加される電圧が低減される。それゆえ、短時間の過大電圧からの保護だけのために機器の整流部の電圧定格を高く設計する必要がなく、合理的である。
本発明の第観点に係る過電圧保護回路は、第1観点から第観点のいずれか一つに係る過電圧保護回路であって、電源がDC電源である。
この過電圧保護回路では、交流を入り切りするスイッチは双方向性を必要とするが、DC電源の下流側に配置されるスイッチは片方向スイッチでよいので、スイッチの低コスト化を図ることができる。
本発明の第観点に係る電力変換装置は、コンバータ回路と、インバータ回路と、第観点の過電圧保護回路とを備えている。コンバータ回路は、AC電圧を直流電圧に変換する。インバータ回路は、直流電圧を交流電圧に変換する。
この電力変換装置では、過電圧保護回路が、コンバータ回路を過渡的に印加される過大交流電圧から保護し、又はインバータ回路を過渡的に印加される過大直流電圧から保護することができる。
本発明の第9観点に係る電力変換装置は、インバータ回路と、第7観点の過電圧保護回路とを備えている。インバータ回路は、DC電源の電圧を交流電圧に変換する。
この電力変換装置では、過電圧保護回路が、コンバータ回路を過渡的に印加される過大交流電圧から保護し、又はインバータ回路を過渡的に印加される過大直流電圧から保護することができる。
本発明の第1観点又は第3観点若しくは第4観点に係る過電圧保護回路では、過電圧時に、所定素子が導通することによって、機器側の電圧を一定に保つ。また、インピーダンス回路での電圧降下分だけ機器に印加される電圧が低減され、機器を瞬間的な過電圧から保護することができる。
また、過電圧時にスイッチが動作することによって、所定素子が耐性限界(破壊)に至る前に電源ラインが遮断されるので、所定素子の破壊を回避することができる。さらに、インピーダンス回路での電力消費を止めることができるので、インピーダンス回路の電力定格を小さくすることができる。
本発明の第観点、又は第観点若しくは第観点に係る過電圧保護回路では、通常時はバイパス回路を閉じているので、インピーダンス回路で電力が消費されることはなく、機器への印加電圧がインピーダンス回路での電圧降下分だけ低くなることも回避することができる。
他方、過電圧時には、インピーダンス回路での電圧降下分だけ機器に印加される電圧が低減され、機器を過電圧から保護することができる。
本発明の第観点、又は第観点に係る過電圧保護回路では、通常時はバイパス回路を閉じているので、インピーダンス回路で電力が消費されることはなく、機器への印加電圧がインピーダンス回路での電圧降下分だけ低くなることも回避することができる。
他方、過電圧時には、インピーダンス回路での電圧降下分だけ機器に印加される電圧が低減され、機器を過電圧から保護することができる。
本発明の第観点に係る過電圧保護回路では、過電圧時に所定素子が導通することによって、短時間ではあるが、機器側の電圧を一定に保つ。また、インピーダンス回路での電圧降下分だけ機器に印加される電圧が低減され、機器を瞬間的な過電圧から保護することができる。
本発明の第観点に係る過電圧保護回路では、AC電源からの供給電圧が過大電圧であっても、インピーダンス回路での電圧降下分だけ機器に印加される電圧が低減される。それゆえ、短時間の過大電圧からの保護だけのために機器の整流部の電圧定格を高く設計する必要がなく、合理的である。
本発明の第観点に係る過電圧保護回路では、交流を入り切りするスイッチは双方向性を必要とするが、DC電源の下流側に配置されるスイッチは片方向スイッチでよいので、スイッチの低コスト化を図ることができる。
本発明の第8観点又は第9観点に係る電力変換装置では、過電圧保護回路が、コンバータ回路を過渡的に印加される過大交流電圧から保護し、又はインバータ回路を過渡的に印加される過大直流電圧から保護することができる。
本発明の第1実施形態に係る過電圧保護回路を備えた装置の回路図。 第1実施形態の変形例に係る過電圧保護回路を備えた装置の回路図。 電圧検出器の回路図。 本発明の第2実施形態に係る過電圧保護回路を備えた装置の回路図。 第2実施形態の変形例に係る過電圧保護回路を備えた装置の回路図。 本発明の第3実施形態に係る過電圧保護回路を備えた電力変換装置の回路図。 第3実施形態の変形例に係る過電圧保護回路を備えた電力変換装置の回路図。 本発明の第4実施形態に係る過電圧保護回路を備えた電力変換装置の回路図。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の具体例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
<第1実施形態>
(1)過電圧保護回路50の構成
図1は、本発明の第1実施形態に係る過電圧保護回路50を備えた装置の回路図である。図1において、機器30は、商用電源90から一対の電源ライン901,902を介して電力供給されている。過電圧保護回路50は、商用電源90と機器30との間に接続されている。
過電圧保護回路50は、過電圧導通回路10と、インピーダンス回路20と、スイッチ11と、電圧検出器33とを含んでいる。
(2)過電圧保護回路50の詳細構成
(2−1)過電圧導通回路10
過電圧導通回路10は、過電圧時に電流を流す素子で構成されている。過電圧時に電流を流す素子としては、バリスタ、ツェナダイオード、及びアバランシェダイオードのいずれかが採用される。
本実施形態では、過電圧導通回路10は、一つのバリスタで構成されている。バリスタは、通常は電流が流れないが、印加電圧が制限電圧を超えると一気に電流が流れその電流値が所定範囲に収まっている間は電圧を所定の制限電圧に維持することができる。
過電圧導通回路10は、一対の電源ライン901,902間に機器30と並列に接続されている。なお、商用電源90が多相電源の時に各相間の過電圧保護を行なう場合は各相分の電源ライン間に、過電圧導通回路10が接続される。
(2−2)インピーダンス回路20
インピーダンス回路20は、当該回路における電圧と電流との比であるインピーダンスがZとなるように構成された回路である。
インピーダンス回路20は、電源ライン901上で、商用電源90と過電圧導通回路10との間に接続されている。
このインピーダンス回路20は、例えば抵抗やPTCサーミスタが適用される。
(2−3)スイッチ11
スイッチ11は、電源ライン901を開閉する。ここで、電源ライン901を開閉するとは、電源ライン901を導通又は遮断して非導通にすることである。
スイッチ11は、通常時は電源ライン901を閉、つまり導通状態にしておく。他方、過電圧時には、過電圧導通回路10のバリスタが導通して所定電圧に維持され、商用電源90―インピーダンス回路20―過電圧導通回路10―商用電源90という閉回路が構成され、機器30の保護動作が行われた後に、スイッチ11がオフして電源ライン901を遮断する。
電源ライン901を遮断する目的は、過電圧導通回路10の素子とインピーダンス回路20での電力消費を止めるためであり、インピーダンス回路20の電力定格を小さくすることができ、低コスト化を図ることができる。特に、本実施形態で想定している過電圧導通素子(バリスタ、ツェナダイオード、アバランシェダイオード)は一般にエネルギー耐量がさほど大きくないため、瞬間的な保護には向くが、高電圧あるいは長時間の電圧印加には向かず、このスイッチ11による電源ライン901の遮断が重要である。
スイッチ11は、過電圧導通回路10の素子やインピーダンス回路20が破壊・故障に到る前に遮断できればよく、さほど高速性は求められないので、本実施形態ではリレー回路が採用されている。
図1に示すように、スイッチ11は、電源ライン901を開閉するリレー接点11aと、リレー接点11aを動作させるリレーコイル11bと、リレーコイル11bへの通電と非通電とを行うトランジスタ11cとを含んでいる。リレーコイル11bの一端は、電源Vbの正極に接続され、他端はトランジスタ11cのコレクタ側に接続されている。制御部40は、トランジスタ11cのベース電流の有無を切り換えて、コレクタとエミッタ間をオンオフし、リレーコイル11bへの通電と非通電を行う。リレー回路を採用することにより、保護動作から10ms程度で遮断を行なうことができる。
(2−4)電圧検出器33
電圧検出器33は、交流電圧検出回路によって構成されている。交流電圧検出回路は、多様であり、使用条件によって適宜採用される。例えば、図3は一般的な電圧検出器33の回路図である。図3において、電圧検出器33は、変圧回路331、コンバータ回路332とで構成されている。
変圧回路331は、入力側に位置し、一次側巻線331aと二次側巻線331bとからなる。
コンバータ回路332は、整流ダイオードで構成される整流部332aと、平滑コンデンサ332bとが並列接続された回路である。
電圧検出器33では、変圧回路331に交流電圧が印加されると、交流電圧は変圧回路331によって変圧される。そして、二次側巻線331bの両端電圧がコンバータ回路332に入力される。
コンバータ回路332に入力された変圧後の交流電圧は、整流部332aで直流電圧に変換され、平滑コンデンサ332bで平滑化される。この平滑化された直流電圧が制御部40に入力される。すなわち、一次側巻線331aに印加される電圧に応じた直流電圧が、制御部40に入力されることになる。
(3)過電圧保護回路50の動作
図1において、通常時、過電圧導通回路10のバリスタは非導通で、且つスイッチ11は電源ライン901を導通状態にしているので、機器30には電圧Va=Vac―Vzが印加されている。
商用電源90の電圧Vacが急激に変動して過電圧となり、電圧Vaがバリスタの制限電圧を超えると、過電圧導通回路10のバリスタは導通状態となり、インピーダンス回路20の電圧降下Vzは、その時バリスタに流れる電流による分だけ大きくなり、機器30には電圧Va=Vac―Vzが印加されるが、増加したVzにより、Vaは過電圧値よりも小さいので、機器30は過電圧から保護される。
電圧検出器33が過電圧状態を検出すると、スイッチ11が電源ライン901を遮断して、インピーダンス回路20での電力消費を止める。
商用電源90の電圧Vacが下がり、電圧検出器33から出力される電圧が、バリスタの制限電圧より低い、復帰のための閾値よりも下がったと制御部40が判定したとき、制御部40は、スイッチ11をオンさせて電源ライン901を接続することで、通常の動作に復帰する。すなわち、電圧検出器33での検出有無に応じて、スイッチ11は電源ライン901を遮断/導通させる。
(4)第1実施形態の変形例
図2は、第1実施形態の変形例に係る過電圧保護回路50を備えた装置の回路図である。図2において、本変形例では、図1の第1実施形態における電圧検出器33に替わって、電流検出器34が採用されている。電流検出器34は、過電圧導通回路10に直列接続されている。
電流検出器34において電流が検出されるということは、過電圧導通回路10のバリスタが導通状態となっていることであり、これは即ち商用電源90の電圧Vacが過大電圧になっていることを意味するので、電圧検出器33に替わって電流検出器34で過電圧を検出することができる。
(5)第1実施形態の特徴
(5−1)
過電圧時には、過電圧導通回路10のバリスタが導通状態となり、過電圧導通回路10のバリスタは導通状態となり、機器30には電圧Va=Vac―Vzが印加されるが、過電圧値よりも小さいので、機器30は過電圧から保護される。
(5−2)
さらに、スイッチ11が電源ライン901を遮断することによってインピーダンス回路20での電力消費を止める。この結果、インピーダンス回路20の電力定格を小さくすることができる。
(5−3)
通常時には、機器30には電圧Va=Vac―Vzが印加され、電圧Vaが過大電圧のときであっても、機器30には電圧Va=Vac―Vzが印加されるだけである。それゆえ、短時間の過大電圧からの保護だけのために機器30の電圧定格を高く設計する必要がなく、合理的である。
<第2実施形態>
(1)過電圧保護回路50の構成
図4は、本発明の第2実施形態に係る過電圧保護回路50を備えた装置の回路図である。図4において、機器30は、商用電源90から一対の電源ライン901,902を介して電力供給されている。過電圧保護回路50は、商用電源90と機器30との間に接続されている。
過電圧保護回路50は、過電圧導通回路10と、インピーダンス回路20と、電圧検出器33、バイパス回路35とを含んでいる。
(2)過電圧保護回路50の詳細構成
第2実施形態は、第1実施形態にバイパス回路35が追加された形態であり、過電圧導通回路10、インピーダンス回路20、スイッチ11及び電圧検出器33については同様のものを採用している。したがって、ここではバイパス回路35についてのみを説明する。
(2−1)バイパス回路35
バイパス回路35は、インピーダンス回路20に並列接続されており、インピーダンス回路20を迂回する回路である。バイパス回路35は、第2スイッチ12を有している。第2スイッチ12は、バイパス回路35を開閉する。ここで、バイパス回路35を開閉するとは、バイパス回路35を導通又は遮断して非導通にすることである。
(2−2)第2スイッチ12
第2スイッチ12は、通常時はバイパス回路35を閉、つまり導通状態にしておく。なぜなら、通常時にバイパス回路35を開(非導通状態)にしておくと、インピーダンス回路20で常に電力消費される上に、機器30への印加電圧がインピーダンス回路20のインピーダンスZの電圧降下分だけ低くなるからである。
他方、過電圧時は機器30を保護するためにバイパス回路35を素早く開にして、商用電源90―インピーダンス回路20―過電圧導通回路10―商用電源90という閉回路を構成する必要がある。そのため、第2スイッチ12には、高速動作が求められる。
第2スイッチ12としては、トライアック、双方向に導通させるように接続したMOSFETなどが採用される。本実施形態では、フォトトライアックカプラが採用されている。
図4に示すように、第2スイッチ12は、入力側(A1−A2間)に発光ダイオード12aが設けられ、出力側(B1−B2間)にフォトトライアック12bが設けられている。フォトトライアック12bの等価回路は、2つのフォトサイリスタ121,122を互いに逆方向に並列接続した構成である。
発光ダイオード12aのアノードA1は抵抗Rを介して電源Vcに接続されている。また、発光ダイオード12aのカソードA2は信号線を介して制御部40に接続されている。
フォトトライアック12bの第1アノードB1は、電源ライン901のうちのインピーダンス回路20と機器30との間に接続されている。また、フォトトライアック12bの第2アノードB2は電源ライン901にうちのインピーダンス回路20と商用電源90との間に接続されている。
発光ダイオード12aは電流が流れると発光する。フォトトライアック12bは、第1アノードB1の電位が第2アノードB2の電位より大きい状態で発光ダイオード12aからの光を受けるとフォトサイリスタ121がオン状態になる。他方、第1アノードB1の電位が第2アノードB2の電位より小さい状態で発光ダイオード12aからの光を受けるとフォトサイリスタ122がオン状態になる。
このように、フォトトライアック12bは双方向の印加電圧に対して動作する双方向素子であり、しかも高速で動作するので、双方向の高速スイッチとして利用される。
また、第2スイッチ12の動作制御、つまり発光ダイオード12aへの通電制御は制御部40が行う。
(3)過電圧保護回路50の動作
図4において、通常時、スイッチ11はオンし、バイパス回路35は第2スイッチ12が閉じて導通状態であるので、機器30には電圧Va=Vacが印加されている。
商用電源90の電圧Vacが急激に増加し、制御部40が電圧検出器33から出力される電圧が、バリスタが導通するであろう閾値を超えたと判定したとき、制御部40は、第2スイッチ12の発光ダイオード12aへの通電を停止し、フォトトライアック12bをオフさせる。
その結果、商用電源90―インピーダンス回路20―過電圧導通回路10―商用電源90という閉回路が構成される。このとき、機器30には電圧Va=Vac―Vzが印加されるが、過電圧値よりも小さいので、機器30は過電圧から保護される。
電圧検出器33が過電圧状態を検出すると、スイッチ11が電源ライン901を遮断して、インピーダンス回路20での電力消費を止める。
商用電源90の電圧Vacが下がり、電圧検出器33から出力される電圧が、バリスタの制限電圧より低い、復帰のための閾値よりも下がったと制御部40が判定したとき、制御部40は、第2スイッチ12の発光ダイオード12aへ通電し、フォトトライアック12bをオンさせる。さらに、スイッチ11をオンさせて電源ライン901を接続することで、通常の動作に復帰する。
(4)第2実施形態の変形例
図5は、第2実施形態の変形例に係る過電圧保護回路50を備えた装置の回路図である。図5において、本変形例では、図4の第2実施形態における電圧検出器33に替わって、電流検出器34が採用されている。電流検出器34は、過電圧導通回路10に直列接続されている。
電流検出器34において電流が検出されるといくことは、過電圧導通回路10のバリスタが導通状態となっていることであり、これは即ち商用電源90の電圧Vacが過大電圧になっていることを意味するので、電圧検出器33に替わって電流検出器34で過電圧を検出することができる。
(5)第2実施形態の特徴
(5−1)
過電圧保護回路50では、通常時は、過電圧導通回路10のバリスタが非導通で、且つスイッチ11は電源ライン901を導通状態にし、第2スイッチ12をオンにしてバイパス回路35を閉じているので、インピーダンス回路20で電力が消費されることはなく、機器30への印加電圧がインピーダンス回路20での電圧降下分だけ低くなることも回避することができる。
(5−2)
過電圧時には、過電圧導通回路10のバリスタが導通状態となり、第2スイッチ12がオフすることによって、機器30には電圧Va=Vac―Vzsが印加されるが、過電圧値よりも小さいので、機器30は過電圧から保護される。
(5−3)
また、スイッチ11が電源ライン901を遮断することによってインピーダンス回路20での電力消費を止める。この結果、インピーダンス回路20の電力定格を小さくすることができる。
(5−4)
電圧Vaが過大電圧のときであっても、機器30には電圧Va=Vac―Vzsが印加されるだけである。それゆえ、短時間の過大電圧からの保護だけのために機器30の電圧定格を高く設計する必要がなく、合理的である。
<第3実施形態>
(1)電力変換装置200の構成
図6は、本発明の第3実施形態に係る過電圧保護回路100を備えた電力変換装置200の回路図である。図6において、電力変換装置200は、直流電源部80、インバータ95、過電圧保護回路100で構成されている。
インバータ95は、直流電源部80から一対の電源ライン801,802を介して電力供給されている。過電圧保護回路100は、直流電源部80とインバータ95との間に接続されている。
(1−1)直流電源部80
直流電源部80は、整流部81と、整流部81と並列接続される平滑コンデンサ82とで構成されている。
整流部81は、4つのダイオードD1a,D1b,D2a,D2bによってブリッジ状に構成されている。具体的には、ダイオードD1aとD1b、D2aとD2bは、それぞれ互いに直列に接続されている。ダイオードD1a,D2aの各カソード端子は、共に平滑コンデンサ82のプラス側端子に接続されており、整流部81の正側出力端子として機能する。ダイオードD1b,D2bの各ダイオードの各アノード端子は、共に平滑コンデンサ82のマイナス側端子に接続されており、整流部81の負側出力端子として機能する。
ダイオードD1a及びダイオードD1bの接続点は、商用電源90の一方の極に接続されている。ダイオードD2a及びダイオードD2bの接続点は、商用電源90の他方の極に接続されている。整流部81は、商用電源90から出力される交流電圧を整流して直流電圧を生成し、これを平滑コンデンサ82へ供給する。
平滑コンデンサ82は、整流部81によって整流された電圧を平滑する。平滑後の電圧Vdcは、平滑コンデンサ82の出力側に接続されるインバータ95へ印加される。
なお、コンデンサの種類としては、電解コンデンサやフィルムコンデンサ、タンタルコンデンサ等が挙げられるが、本実施形態においては、平滑コンデンサ82として電解コンデンサが採用される。
この直流電源部80は、交流電圧を直流電圧に変換するコンバータ回路と言い換えることもできる。
(1−2)インバータ95
インバータ95は、複数のIGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ、以下、単にトランジスタという)及び複数の還流用ダイオードを含んでいる。インバータ95は、平滑コンデンサ82からの電圧Vdcが印加され、かつゲート駆動回路96により指示されたタイミングで各トランジスタがオン及びオフを行うことによって、モータ150を駆動する駆動電圧を生成する。モータ150は、例えばヒートポンプ式空気調和機の圧縮機モータ、ファンモータである。
なお、本実施形態のインバータ95は、電圧形インバータであるが、それに限定されるものではなく、電流形インバータでもよい。
(1−3)ゲート駆動回路96
ゲート駆動回路96は、制御部40からの指令に基づき、インバータ95の各トランジスタのオン及びオフの状態を変化させる。
(1−4)過電圧保護回路100
過電圧保護回路100は、過電圧導通回路60と、インピーダンス回路70と、電圧検出器83、バイパス回路85と、スイッチ61とを含んでいる。
(2)過電圧保護回路100の詳細構成
この第3実施形態と、既に説明した第1実施形態及び第2実施形態と大きく異なる点は、過電圧保護回路100が直流部に設けられていることである。したがって、各構成要素も交流仕様から直流仕様に置き換えられることに鑑みて、同一名称であっても符号を換えて、再度説明する。
(2−1)過電圧導通回路60
過電圧導通回路60は、過電圧時に電流を流す素子で構成されている。過電圧時に電流を流す素子としては、バリスタ、ツェナダイオード、及びアバランシェダイオードのいずれかが採用される。
本実施形態では、過電圧導通回路60は、一つのバリスタで構成されている。バリスタは、通常は電流がながれないが、印加電圧が制限電圧を超えると一気に電流が流れその電流値が所定範囲に収まっている間は電圧を所定の制限電圧に維持することができる。
過電圧導通回路60は、一対の電源ライン801,802間に機器30と並列に接続されている。
(2−2)インピーダンス回路70
インピーダンス回路70は、当該回路における電圧と電流との比であるインピーダンスがZとなるように構成された回路である。一般に抵抗素子やPTCサーミスタが採用される。
インピーダンス回路70は、電源ライン801上で、直流電源部80と過電圧導通回路60との間に接続されている。
(2−3)電圧検出器83
電圧検出器83は、平滑コンデンサ82の出力側に接続されており、平滑コンデンサ82の両端電圧、即ち平滑後の電圧Vdcの値を検出する。電圧検出器83は、例えば、互いに直列に接続された2つの抵抗が平滑コンデンサ82に並列接続され、電圧Vdcが分圧されるように構成される。それら2つの抵抗同士の接続点の電圧値は、制御部40に入力される。
(2−4)バイパス回路85
バイパス回路85は、インピーダンス回路70に並列接続されており、インピーダンス回路70を迂回する回路である。バイパス回路85は、第2スイッチ62を有している。第2スイッチ62は、バイパス回路85を開閉する。ここで、バイパス回路85を開閉するとは、バイパス回路85を導通又は遮断して非導通にすることである。
(2−5)スイッチ61
スイッチ61は、電源ライン801を開閉する。ここで、電源ライン801を開閉するとは、電源ライン801を導通又は遮断して非導通にすることである。
スイッチ61は、通常時は電源ライン801を閉、つまり導通状態にしておく。他方、過電圧時には、過電圧導通回路60が導通し、第2スイッチ62がオフして、直流電源部80―インピーダンス回路70―過電圧導通回路60―直流電源部80という閉回路が構成され、インバータ95の保護動作が行われた後に、スイッチ61がオフして電源ライン801を遮断する。
電源ライン801を遮断する目的は、インピーダンス回路70での電力消費を止めるためであり、インピーダンス回路70の電力定格を小さくすることができ、低コスト化を図ることができる。
スイッチ61は、スイッチ61は高速性を求められないので、本実施形態ではリレー回路が採用されている。
図6に示すように、スイッチ61は、電源ライン801を開閉するリレー接点61aと、リレー接点61aを動作させるリレーコイル61bと、リレーコイル61bへの通電と非通電とを行うトランジスタ61cとを含んでいる。リレーコイル61bの一端は、電源Vbの正極に接続され、他端はトランジスタ61cのコレクタ側に接続されている。制御部40は、トランジスタ61cのベース電流の有無を切り換えて、コレクタとエミッタ間をオンオフし、リレーコイル61bへの通電と非通電を行う。
(2−6)第2スイッチ62
第2スイッチ62は、通常時はバイパス回路85を閉、つまり導通状態にしておく。なぜなら、通常時にバイパス回路85を開(非導通状態)にしておくと、インピーダンス回路70で常に電力消費される上に、インバータ95への印加電圧がインピーダンス回路70のインピーダンスZの電圧降下分だけ低くなるからである。
他方、過電圧時はインバータ95を保護するためにバイパス回路85を素早く開にして、直流電源部80―インピーダンス回路70―過電圧導通回路60―直流電源部80という閉回路を構成する必要がある。そのため、第2スイッチ62には、高速動作が求められる。
図6に示すように、第2スイッチ62は、フォトカプラ62aと、駆動回路62bと、トランジスタ62cとで構成されている。フォトカプラ62aは、発光ダイオード621とフォトトランジスタ622を内蔵している。
スイッチ61の入力側(C1−C2間)にはフォトカプラ62aの発光ダイオード621が接続されている。発光ダイオード621のアノードC1は抵抗Rを介して電源Vcに接続されている。発光ダイオード621のカソードC2は信号線を介して制御部40に接続されている。また、フォトトランジスタ622は駆動回路62bとGNDとの間に接続されている。
第2スイッチ62の出力側(D1−D2間)にトランジスタ62cが設けられている。トランジスタ62cのエミッタD1はインピーダンス回路70とインバータ95との間に接続されている。また、トランジスタ62cのコレクタD2はインピーダンス回路70と直流電源部80との間に接続されている。
制御部40の制御信号は、フォトカプラ62aを介して駆動回路62bに入力される。駆動回路62bには、駆動用電源(図示せず)が接続されており、制御部40が発光ダイオード621の信号ラインをオンさせると、発光ダイオード621が発光しフォトトランジスタ622が導通する。このフォトトランジスタ622が導通している間、駆動回路62bからトランジスタ62cのベースに駆動信号が出力され、トランジスタ62cのコレクタD2−エミッタD1間が導通する。
逆に、制御部40が発光ダイオード621の信号ラインをオフさせると、発光ダイオード621が発光しないので、フォトトランジスタ622は導通しない。このフォトトランジスタ622が導通していない間、トランジスタ62cのコレクタD2−エミッタD1間も導通しない。
(3)過電圧保護回路100の動作
図6において、通常時、過電圧導通回路60のバリスタが非導通状態で、バイパス回路85は第2スイッチ62が閉じて導通状態であるので、機器30には電圧Va=Vdcが印加されている。
直流電源部80の電圧Vdcが急激に増加し、制御部40が電圧検出器83から出力される電圧が閾値を超えたと判定したとき、制御部40は、第2スイッチ62の発光ダイオード621への通電を停止し、トランジスタ62cをオフさせる。
その結果、直流電源部80―インピーダンス回路70―過電圧導通回路60―直流電源部80という閉回路が構成される。このとき、インバータ95には電圧Va=Vdc―Vzが印加されるが、過電圧値よりも小さいので、インバータ95は過電圧から保護される。
電圧検出器83が過電圧状態を検出すると、スイッチ61が電源ライン801を遮断して、インピーダンス回路70での電力消費を止める。
商用電源90の電圧Vacが下がり、電圧検出器83から出力される電圧が、バリスタの制限電圧より低い、復帰のための閾値よりも下がったと制御部40が判定したとき、制御部40は第2スイッチ62の発光ダイオード621へ通電し、トランジスタ62cをオンさせる。さらに、スイッチ61をオンさせて電源ライン801を接続することで、通常の動作に復帰する。
(4)第3実施形態の変形例
図7は、第3実施形態の変形例に係る過電圧保護回路100を備えた電力変換装置200の回路図である。図7において、本変形例では、図6の第3実施形態における電圧検出器83に替わって、電流検出器84が採用されている。電流検出器84は、過電圧導通回路60に直列接続されている。
電流検出器84において電流が検出されるということは、過電圧導通回路60のバリスタが導通状態となっていることであり、これは即ち直流電源部80の電圧Vdcが過大電圧になっていることを意味するので、電圧検出器83に替わって電流検出器84で過電圧を検出することができる。
(5)第3実施形態の特徴
(5−1)
過電圧保護回路100では、通常時は、過電圧導通回路60のバリスタが非導通で、且つスイッチ61は電源ライン801を導通状態にし、第2スイッチ62をオンにしてバイパス回路35を閉じているので、インピーダンス回路70で電力が消費されることはなく、インバータ95への印加電圧がインピーダンス回路70での電圧降下分だけ低くなることも回避することができる。
(5−2)
過電圧時には、過電圧導通回路60のバリスタが導通状態となり、第2スイッチ62がオフすることによって、インバータ95には電圧V=Vdc―Vzが印加されるが、過電圧値よりも小さいので、インバータ95は過電圧から保護される。
(5−3)
また、スイッチ61が電源ライン801を遮断することによってインピーダンス回路70での電力消費を止める。この結果、インピーダンス回路70の電力定格を小さくすることができる。
(5−4)
さらに、直流電源部80の下流側に配置される第2スイッチ62は片方向スイッチでよいので、第2スイッチ62の低コスト化を図ることができる。
<第4実施形態>
(1)過電圧保護回路100の構成
図8は、本発明の第4実施形態に係る過電圧保護回路100を備えた電力変換装置200の回路図である。図8において、インバータ95は、直流電源部80から一対の電源ライン801,802を介して電力供給されている。過電圧保護回路100の一部は商用電源90と直流電源部80との間に接続され、他の部分は直流電源部80とインバータ95との間に接続されている。
過電圧保護回路100は、過電圧導通回路60と、スイッチ11と、インピーダンス回路70と、電圧検出器33、バイパス回路85と、第2スイッチ62とを含んでいる。
第4実施形態と、既に説明した第3実施形態と異なる点は、過電圧保護回路100の構成要素である電圧検出器とスイッチとが商用電源90と直流電源部80との間に設けられていることである。つまり、電圧検出器及びスイッチの配置が、第1実施形態における電圧検出器33及びスイッチ11の配置と同じである。したがって、電圧検出器及びスイッチが直流仕様から交流仕様に置き換えられることに鑑みて、第1実施形態の電圧検出器33及びスイッチ11が採用されている。
したがって、各構成要素の内容は、第1実施形態の電圧検出器33及びスイッチ11、第3実施形態の過電圧導通回路60、インピーダンス回路70、及びバイパス回路85と同様であるので、ここでは説明を省略し、動作説明のみ行う。
(2)過電圧保護回路100の動作
図8において、通常時、過電圧導通回路60のバリスタは非導通状態で、バイパス回路85は第2スイッチ62が閉じて導通状態であり、且つスイッチ11は電源ライン901を導通状態にしているので、インバータ95には電圧Va=Vdcが印加されている。
商用電源90の電圧Vacの変動により、直流電源部80の電圧Vdcが急激に増加し、制御部40が電圧検出器33から出力される電圧が閾値を超えたと判定したとき、制御部40は第2スイッチ62の発光ダイオード621への通電を停止し、トランジスタ62cをオフさせる。
その結果、直流電源部80―インピーダンス回路70―過電圧導通回路60―直流電源部80という閉回路が構成される。このとき、インバータ95には電圧Va=Vdc―Vzが印加されるが、過電圧値よりも小さいので、インバータ95は過電圧から保護される。
電圧検出器33が過電圧状態を検出すると、スイッチ11が電源ライン901を遮断して、インピーダンス回路70での電力消費を止める。
商用電源90の電圧Vacが下がり、電圧検出器33から出力される電圧が、バリスタの制限電圧より低い、復帰のための閾値よりも下がったと制御部40が判定したとき、制御部40は第2スイッチ62の発光ダイオード621へ通電し、トランジスタ62cをオンさせる。さらに、スイッチ11をオンさせて電源ライン901を接続することで、通常の動作に復帰する。
(3)第4実施形態の特徴
(3−1)
過電圧保護回路100では、通常時は第2スイッチ62をオンにしてバイパス回路85を閉じているので、インピーダンス回路70で電力が消費されることはなく、インバータ95への印加電圧がインピーダンス回路70での電圧降下分だけ低くなることも回避することができる。
(3−2)
過電圧時には、過電圧導通回路60のバリスタが導通状態となり、第2スイッチ62がオフすることによって、インバータ95には電圧Va=Vdc―Vzが印加されるが、過電圧値よりも小さいので、インバータ95は過電圧から保護される。
(3−3)
また、スイッチ11が電源ライン901を遮断することによってインピーダンス回路70での過熱を抑制し、電力消費を止める。この結果、インピーダンス回路70の電力定格を小さくすることができる。
(3−4)
さらに、直流電源部80の下流側に配置される第2スイッチ62は片方向スイッチでよいので、スイッチの低コスト化を図ることができる。
<その他実施形態>
(A)
図1に示す第1実施形態、及び図2に示す第1実施形態の変形例は、いずれも交流電圧に対する過電圧保護回路を実施形態としているが、電源が直流電源である場合、あるいは機器内に交流電源を整流する直流電源部を持つ場合には、各構成要素を交流仕様から直流仕様へ置き換えて直流電源部の下流側に設けてもよい。
(B)
第4実施形態は、第3実施形態から、電圧検出器とスイッチとを、商用電源90と直流電源部80との間に設けるように変更したものであるが、電圧検出器のみを商用電源90と直流電源部80との間に設けるようにしてもよい。
(C)
第3実施形態、第4実施形態では、機器の内部に過電圧保護回路を持つ例を示したが、機器はコンバータ回路とインバータ回路を持つものに限定されない。
(D)
第1実施形態では、機器30の保護動作が行なわれ、電圧検出器が過電圧状態を検出した後にスイッチがオフされるものとしたが、保護動作が行なわれてから所定時間が経過したことを判定してスイッチをオフしてもよい。
本発明は、電源電圧の変動が起こり易い地域で使用される機器、例えば、冷凍装置に有用である。
10,60 過電圧導通回路(所定素子)
11,61 スイッチ
12,62 第2スイッチ
20,70 インピーダンス回路
33,83 電圧検出器(過電圧状態検出手段)
34,84 電流検出器(過電圧状態検出手段)
35,85 バイパス回路
50,100 過電圧保護回路
80 直流電源部(DC電源、コンバータ回路)
90 商用電源(AC電源)
95 インバータ(インバータ回路)
200 電力変換装置
特開2009−207329号公報

Claims (10)

  1. 電源と前記電源から電力を供給される機器との間に接続される過電圧保護回路であって、
    前記電源と前記機器とを結ぶ一対の電源ライン間に前記機器と並列に接続され、過電圧時に電流を流す所定素子(10,60)と、
    前記電源ラインのうちの前記電源と前記所定素子(10,60)との間に接続されるインピーダンス回路(20,70)と、
    を備える、
    過電圧保護回路(50,100)。
  2. 前記電源ラインを開閉するスイッチ(11,61)と、
    前記所定素子(10,60)に印加される電圧が過電圧状態であることを検出する過電圧状態検出手段(33,34,83,84)と、
    をさらに備え、
    前記スイッチ(11,61)は、通常時は前記電源ラインを導通状態にし、前記過電圧状態検出手段(33,34,83,84)によって過電圧状態が検出されたとき、前記電源ラインを遮断する、
    請求項1に記載の過電圧保護回路(50,100)。
  3. 前記インピーダンス回路(20,70)を迂回するバイパス回路(35,85)と、
    前記所定素子(10,60)に印加される電圧が過電圧状態であることを検出する過電圧状態検出手段(33,34,83,84)と、
    をさらに備え、
    前記バイパス回路(35,85)は、前記バイパス回路(35,85)を開閉する第2スイッチ(12,62)を有し、
    前記第2スイッチ(12,62)は、通常時は前記バイパス回路(35,85)を閉じ、前記過電圧状態検出手段(33,34,83,84)によって前記過電圧状態が検出されたときに前記バイパス回路(35,85)を遮断する、
    請求項1に記載の過電圧保護回路(50,100)。
  4. 前記インピーダンス回路(20,70)を迂回するバイパス回路(35,85)さらに備え、
    前記バイパス回路(35,85)は、前記バイパス回路(35,85)を開閉する第2スイッチ(12,62)を有し、
    前記第2スイッチ(12,62)は、通常時は前記バイパス回路(35,85)を閉じ、前記過電圧状態検出手段(33,34,83,84)によって前記過電圧状態が検出されたときに前記バイパス回路(35,85)を遮断する、
    請求項2に記載の過電圧保護回路(50,100)。
  5. 前記過電圧状態検出手段は、前記電源の電圧を検出する電圧検出器(33,83)である、
    請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の過電圧保護回路(50,100)。
  6. 前記過電圧状態検出手段は、前記所定素子(10,60)を流れる電流の電流検出器(34,84)である、
    請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の過電圧保護回路(50,100)。
  7. 前記所定素子(10,60)は、バリスタ、ツェナダイオード、及びアバランシェダイオードのいずれか1つを含む、
    請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の過電圧保護回路(50,100)。
  8. 前記電源は、AC電源である、
    請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の過電圧保護回路(50)。
  9. 前記電源は、DC電源である、
    請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の過電圧保護回路(100)。
  10. 交流電源に接続され、交流電圧を直流電圧に変換するコンバータ回路(80)と、
    前記直流電圧を交流電圧に変換するインバータ回路(95)と、
    請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の過電圧保護回路(100)と、
    を備える、
    電力変換装置(200)。
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