JP5137121B2 - スイッチング電源装置 - Google Patents

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本発明はスイッチング電源装置に関し、特に、二次側出力の過電圧状態および過電流状態を検出することができるスイッチング電源装置に関する。
スイッチング電源装置は、その用途に応じて種々のものが使用されている。例えば、図4に示すスイッチング電源装置1’は、交流電圧Vin(例えば、100V〜240V)を所定の直流電圧Voutに変換するものであり、二次側出力の過電圧状態および過電流状態を検出した場合に、スイッチング素子のスイッチング動作を停止し、スイッチング電源装置1’自身の損傷、および二次側出力に接続された負荷3の損傷を防いでいる(例えば、非特許文献1参照)。
スイッチング電源装置1’は制御回路2を備える。図2に示すように、制御回路2は、スイッチング素子Qと、そのスイッチング動作を制御するスイッチング制御部21と、スイッチング素子Qに流れる電流を監視する電流監視部22と、制御回路2に供給される駆動電圧を監視する電圧監視部23とを備える。制御回路2としては、例えば、サンケン電気株式会社製のIC「STR−A6251」が使用可能である。
図2および図4を参照して、スイッチング電源装置1’はトランスTを備え、トランスTは一次巻線T、二次巻線T、および補助巻線T’を有する。一次巻線Tは、制御回路2の端子Dを介してスイッチング素子Qのドレインに接続されている。また、スイッチング素子Qのソースは、端子OCPを介して抵抗Rに接続されている。
トランスTの二次巻線Tには、整流ダイオードDと平滑コンデンサCが接続され、二次巻線Tに誘起された交流電圧が整流および平滑されて二次側出力電圧Voutとして出力される。二次側出力電圧Voutの多寡は分圧抵抗R、R、およびフォトカプラPC、PC’によって一次側にフィードバックされる。そして、制御回路2のスイッチング制御部21は、二次側出力電圧Voutに応じて変化する端子FBの電圧に基づいて、スイッチング素子Qのデューティ比を制御する。これにより、二次側出力電圧Voutは一定に保たれる。
また、補助巻線T’には、整流ダイオードD、および平滑コンデンサCが接続され、補助巻線T’、整流ダイオードD、および平滑コンデンサCから補助電源部4が構成される。補助電源部4は、補助巻線T’に誘起される交流電圧を整流および平滑して直流電圧VCCを生成する。電圧VCCは、制御回路2の駆動電圧として使用される。
前記の通り、スイッチング電源装置1’は、二次側出力の過電流状態、すなわち二次側出力から負荷3に流れ込む電流Iが過度に多い状態を検出することができる。
具体的には、二次側出力が過電流状態になると、制御回路2のスイッチング素子Qにも過電流が流れる。この電流は端子OCPを通って抵抗Rに流れ、端子OCPの電圧が上昇する。電流監視部22は、端子OCPの電圧が所定値を超えると過電流状態であると判定する。そして、スイッチング制御部21は、スイッチング素子Qのデューティ比を変化させ、二次側出力電圧Voutを低下させることにより、過電流状態を緩和する。
二次側出力電圧Voutが低下すると、これに比例して制御回路2の駆動電圧VCCも低下する。そして、駆動電圧VCCが制御回路2の動作下限電圧に達すると、スイッチング素子Qのスイッチング動作は停止し、過電流状態が完全に解消される。
なお、過電流状態になると、過電流が流れる経路にある部品(二次巻線T、整流ダイオードD)が発熱し、損傷するおそれがある。
また、スイッチング電源装置1’は、二次側出力の過電圧状態、すなわち二次側出力電圧Voutが所定値を大きく超えている状態を検出することができる。
例えば、フォトカプラPC、PC’に何らかの異常が発生して、二次側出力電圧Voutが一次側にフィードバックされなくなると、端子FBの電圧が低下する。このとき、制御回路2は、二次側出力電圧Voutが所定値よりも下がっていると判定し、二次側出力電圧Voutを上昇させ続け、過電圧状態となる。
二次側出力電圧Voutが上昇すると、これに比例して制御回路2の駆動電圧VCCも上昇する。そして、駆動電圧VCCが所定値(以下、「過電圧保護設定電圧」)を超えると、制御回路2の電圧監視部23が過電圧状態であると判定し、スイッチング素子Qのスイッチング動作を停止させて、過電圧状態を解消する。
なお、過電圧状態になると、負荷3を損傷するおそれがある。
製品カタログ"STR−A6200シリーズ"、サンケン電気株式会社、インターネット、<http://www.sanken-ele.co.jp/news/contents/str-a6200j.pdf>、2008年2月18現在
前記の通り、図4に示すスイッチング電源装置1’において、過電流状態および過電圧状態は、いずれも駆動電圧VCCに基づいて判定される。図5に、制御回路2としてサンケン電気株式会社製のIC「STR−A6251」を使用した場合の、定常時の駆動電圧VCC、制御回路2の動作下限電圧、および過電圧保護設定電圧の関係を示す。
図5(A)では、定常時の駆動電圧VCC(=15[V])が動作下限電圧(=10[V])に近い値に設定され、過電流状態を早期に解消するようにしている。この場合は、定常時の駆動電圧VCCと過電圧保護設定電圧(=32[V])との差電圧が大きいので、過電圧状態が長時間続くとともに、負荷3に印加される過電圧が大きくなる。
一方、図5(B)では、定常時の駆動電圧VCC(=25[V])が過電圧保護設定電圧(=32[V])に近い値に設定され、過電圧状態を早期に解消するようにしている。この場合は、定常時の駆動電圧VCCと動作下限電圧(=10[V])との差電圧が大きいので、過電流状態が長時間続くこととになる。
つまり、従来のスイッチング電源装置1’では、過電流状態の早期解消と、過電圧状態の早期解消とを両立させることはできなかった。
そこで本発明は、過電流状態および過電圧状態の双方の早期解消が可能なスイッチング電源装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明に係るスイッチング電源装置は、
トランスの一次巻線に接続された第1のスイッチング素子と、前記第1のスイッチング素子を制御するスイッチング制御部とを有する制御回路を備え、前記第1のスイッチング素子のスイッチング動作によって前記トランスの二次巻線に誘起される交流電圧を整流および平滑して二次側出力電圧を生成しながら、前記スイッチング制御部に前記二次側出力電圧をフィードバックして前記二次側出力電圧を一定に保つスイッチング電源装置であって、前記トランスの一次側に設けられた補助巻線に誘起される交流電圧を整流および平滑して生成した第1の直流電圧を出力する補助電源部と、前記補助電源部と前記制御回路との間に設けられ、前記第1の直流電圧を第2の直流電圧に降下させ、該第2の直流電圧を、前記制御回路を駆動するための駆動電圧として前記制御回路に出力する電圧降下手段と、前記第1の直流電圧の多寡に応じて、前記電圧降下手段の入力側と出力側とを短絡することが可能な短絡部とを備え、前記第1の直流電圧が所定電圧を超えると、前記短絡部が前記電圧降下手段の入力側と出力側とを短絡することによって、前記電圧降下手段による電圧降下が実行されることなく前記第2の直流電圧が前記第1の直流電圧に向かって強制的に引き上げられ、前記第2の直流電圧が過電圧保護設定電圧に達すると、前記スイッチング制御部が前記第1のスイッチング素子を制御して前記二次側出力電圧を低下させるよう構成されており、かつ、前記第2の直流電圧と前記制御回路の動作下限電圧との差電圧が、前記過電圧保護設定電圧と前記第2の直流電圧との差電圧よりも小さくなるように、前記第2の直流電圧が設定されていることを特徴とする。
なお、本明細書中の用語「短絡」とは、電圧降下手段の入力側と出力側とを接続して、制御回路に入力される電圧値を過電圧保護設定電圧以上とすることを意味する。すなわち、電圧降下手段の入力側と出力側とを接続する接続経路に求められる条件としては、接続経路が有する抵抗成分で発生する電圧降下分を差し引いても、制御回路に入力される電圧値が過電圧保護設定電圧以上となればよい。
また好ましくは、上記スイッチング電源装置において、前記所定電圧は前記過電圧保護設定電圧以上に設定されていることを特徴とする。
また好ましくは、上記スイッチング電源装置において、前記短絡部は、エミッタとコレクタとの間に前記電圧降下手段を介装した第2のスイッチング素子と、該第2のスイッチング素子のベースにカソードが接続されるとともにアノードが前記補助巻線の低電位側に接続された定電圧ダイオードとを有し、前記第1の直流電圧が上昇して前記定電圧ダイオードが非導通状態から導通状態に切り換わることにより、前記第2のスイッチング素子がONし、前記定電圧ダイオードの入力側と出力側とを前記第2のスイッチング素子を介して短絡することを特徴とする。
また好ましくは、上記スイッチング電源装置において、前記電圧降下手段は定電圧ダイオードであることを特徴とする。
さらに好ましくは、上記スイッチング電源装置において、前記制御回路は1パッケージ化されたICであることを特徴とする。
本発明によれば、定常時の駆動電圧VCCを制御回路の動作下限電圧に近い値に設定した場合においても、二次側出力の過電圧状態を早期に解消することにより、負荷に印加される過電圧を低減可能なスイッチング電源装置を提供することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明に係るスイッチング電源装置の好ましい実施形態について説明する。
図1に、本発明に係るスイッチング電源装置の一実施形態を示す。
スイッチング電源装置1は制御回路2を備える。図2に示すように、制御回路2は、スイッチング素子Q(本発明の「第1のスイッチング素子」に相当)と、そのスイッチング動作を制御するスイッチング制御部21と、スイッチング素子Qに流れる電流を監視する電流監視部22と、制御回路2に供給される駆動電圧を監視する電圧監視部23とを備える。本実施形態では、制御回路2としてサンケン電気株式会社製のIC「STR−A6251」を利用している。
スイッチング電源装置1はトランスTを備え、トランスTは一次巻線T、二次巻線T、および一次側に設けられた補助巻線Tを有する。一次巻線Tは、制御回路2の端子Dを介してスイッチング素子Qのドレインに接続されている。スイッチング素子Qのソースは、端子OCPを介して抵抗Rに接続されている。
また、スイッチング電源装置1は、整流ダイオードDと平滑コンデンサCとからなる整流平滑回路を備え、入力された交流電圧Vinは、該整流平滑回路で直流電圧に変換された後、スイッチング素子Qのスイッチング動作により再び交流電圧に変換される。
トランスTの二次巻線Tには、整流ダイオードDと平滑コンデンサCが接続され、二次巻線Tに誘起された交流電圧が整流および平滑されて二次側出力電圧Vout(本実施形態では10[V])として出力される。二次側出力電圧Voutの多寡は分圧抵抗R、R、およびフォトカプラPC,PC’によって一次側にフィードバックされる。
具体的には、二次側出力電圧Voutが変化すると、発光側のフォトカプラPCの発光量が増減する。これにより、受光側のフォトカプラPC’のコレクタ−エミッタ間電圧が変動して、端子FBの電圧が変化する。そして、制御回路2のスイッチング制御部21は、二次側出力電圧Voutに応じて変化する端子FBの電圧に基づいて、スイッチング素子Qのデューティ比を制御する。これにより、二次側出力電圧Voutは一定に保たれる。
補助巻線Tには、整流ダイオードDS1、および平滑コンデンサCが接続され、補助巻線T’、整流ダイオードD、および平滑コンデンサCから補助電源部4が構成される。スイッチング電源装置1は、補助巻線Tに誘起される交流電圧を整流および平滑して第1の直流電圧を生成する。第1の直流電圧は補助電源部4と制御回路2との間に設けられた定電圧ダイオードZD(本発明の「電圧降下手段」に相当)を通って制御回路2の端子VCC(制御回路2を駆動するための駆動電圧の供給を受ける端子)に入力される。つまり、制御回路2の駆動電圧VCCは、補助電源部4から出力される第1の直流電圧を定電圧ダイオードZDの降伏電圧分だけ降下させた電圧(以下「第2の直流電圧」という)である。
また、定電圧ダイオードZDの両端には、主に、スイッチング素子Q(本発明の「第2のスイッチング素子」に相当)と定電圧ダイオードZDとからなる短絡部5が備えられる。具体的には、スイッチング素子Qのエミッタ−コレクタ間に定電圧ダイオードZDが介装され、スイッチング素子Qのベースと定電圧ダイオードZDのカソードが接続されるとともに定電圧ダイオードZDのアノードが補助巻線Tの低電位側に接続されている。短絡部5の動作については後で詳述する。なお、抵抗R、抵抗Rは、定電流垂下特性設定用の抵抗である。
本実施形態では、定電圧ダイオードZDの降伏電圧は11.7[V]、定電圧ダイオードZDの降伏電圧は33[V]である。また、本実施形態では、二次巻線Tの巻数:補助巻線Tの巻数=6(T):16(T)=3:8に設定されている。前記の通り、定常時に二次巻線Tで生成される二次側出力電圧Voutは10[V]なので、補助巻線Tで生成される第1の直流電圧は26.7(=10÷3×8)[V]、駆動電圧VCCは15(=26.7−11.7)[V]である。
なお、制御回路2(STR−A6251)の動作下限電圧は10[V]、過電圧保護設定電圧は32[V]である。また、上述した通り、定常時の駆動電圧VCCは15[V]である。すなわち、本実施形態では、駆動電圧VCCと制御回路2の動作下限電圧との差電圧が、過電圧保護設定電圧と駆動電圧VCCとの差電圧よりも小さくなるように、駆動電圧VCCが設定されている。
図1に示すスイッチング電源装置1において、二次側出力が過電流状態になると、制御回路2のスイッチング素子Qにも過電流が流れる。この電流は端子OCPを通って抵抗Rに流れ、端子OCPの電圧が上昇する。電流監視部22は、端子OCPの電圧が所定値を超えると過電流状態であると判定する。そして、スイッチング制御部21は、スイッチング素子Qのデューティ比を変化させ、定電流垂下特性を呈する過電流保護動作を実行させる。これにより、二次側出力電圧Voutは低下する。
二次側出力電圧Voutが低下すると、制御回路2の駆動電圧VCCも低下する。そして、駆動電圧VCCが制御回路2の動作下限電圧(=10[V])に達すると、スイッチング素子Qのスイッチング動作は停止し、過電流状態が解消される。本実施形態では、定常時の駆動電圧VCC(=15[V])は制御回路2の動作下限電圧に近い値に設定されているので、定電流垂下領域(定常時の二次側出力電圧Voutと制御回路2の動作下限電圧とで挟まれた電圧範囲)を小さくし、過電流状態を早期に解消することができる(図5(A)参照)。
続いて、図3を参照しつつ、過電圧状態における動作について説明する。なお、図3中の符号VCSは、平滑コンデンサCの両端の電圧、すなわち補助電源部4が出力する第1の直流電圧である。
時間TにおいてフォトカプラPC、PC’に異常が発生し、フォトカプラPC、PC’による2次側出力電圧Voutを一定に保つためのフィードバック信号が2次側から1次側へ伝達されなくなると、スイッチング素子Qが最大デューティ比で動作し、二次側出力電圧Voutが上昇を始め、これとともに電圧VCSも上昇する。
そして、時間Tにおいて、電圧VCSが33.6[V](定電圧ダイオードZDの降伏電圧33[V]とトランジスタQのベース−エミッタ間電圧0.6[V]との和、本発明の「所定電圧」に相当)に達すると、定電圧ダイオードZDが非導通状態から導通状態に切り換わり、抵抗Rおよび定電圧ダイオードZDを通ってスイッチング素子Qのベース電流が流れ始める。これにより、スイッチング素子QがONし、定電圧ダイオードZDの入力側と出力側とが短絡される。
定電圧ダイオードZDが短絡されると、定電圧ダイオードZDによる電圧降下が実行されることなく駆動電圧VCCは第1の直流電圧(電圧VCS)に向かって急激に引き上げられる。より詳しくは、制御回路2の端子VCCには、33.3[V](33.6[V]からトランジスタQのコレクタ−エミッタ間飽和電圧0.3[V]を引いた電圧)が強制的に印加される。
そして、時間Tにおいて駆動電圧VCCが制御回路2の過電圧保護設定電圧である32[V]に達すると、電圧監視部23が過電圧状態であると判定し、過電圧保護動作が実行される。すなわち、スイッチング素子Qのスイッチング動作が停止され、二次側出力の過電圧状態が解消される。
以上の動作をまとめると、トランスの2次側からのフィードバックに異常が発生すると、駆動電圧VCCは15[V]から21.9(=33.6−11.7)[V]まで上昇する。その後、スイッチング素子QがONし、定電圧ダイオードZDの入力側と出力側とが短絡されることによって、駆動電圧VCCは強制的に33.3[V]まで引き上げられる。
なお、二次巻線Tの巻数:補助巻線Tの巻数=3:8であることから、過電圧保護動作が開始される際の2次側出力電圧Voutは12.6(=33.6÷8×3)[V]と計算される。しかしながら、過電圧保護動作が実行されてから、スイッチング動作が停止されるまでには遅延時間が存在するため、2次側出力電圧Voutは実際には14[V]まで上昇する。一方、電圧VCSは、2次側出力電圧Voutが14[V]まで上昇することから、37.3(=14÷3×8)[V]まで上昇する。
結局、図1に示すスイッチング電源装置1によれば、第1の直流電圧が所定電圧を超えた場合に、電圧降下手段である定電圧ダイオードZDの入力側と出力側とを短絡し、駆動電圧VCCを急激に引き上げることによって、早期に過電圧保護機能を動作させ、過電圧状態を解消することができる。
一方で、電圧降下手段(ZD)および短絡部5を備えていない従来のスイッチング電源装置1’では、二次巻線Tの巻数:補助巻線T’の巻数=6:9に設定され、定常時の二次側出力電圧Voutを10[V]としたときの駆動電圧VCCは15(=10÷6×9)[V]である。過電圧保護設定電圧は32[V]であるから、駆動電圧VCCが15[V]から32[V]に上昇(電圧比で2.13倍)するまで過電圧保護動作が実行されない。
したがって、図4に示す従来のスイッチング電源装置1’では、二次側出力電圧Voutが、定常時(10[V])の2.13倍である約21[V]まで上昇して、はじめて過電圧保護動作が実行される。
これに対して、本実施形態に係るスイッチング電源装置1では、上述したように、二次側出力電圧Voutは約14[V]までしか上昇しない。つまり、本発明に係るスイッチング電源装置では、早期に過電圧状態を解消することにより、負荷3に印加される過電圧を低減することができる。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。
例えば、制御回路2としてサンケン電気株式会社製のIC「STR−A6251」を使用しているが、これに限定されず、同社製のSTR−Y6400シリーズや他社製相当品も使用することができる。つまり、本願発明の制御回路としては、(i)第1のスイッチング素子とスイッチング制御部とが1パッケージ化されたICに収容され、(ii)過電圧保護動作が第1の直流電圧の大きさに依存し、第1の直流電圧に応じた過電圧保護動作以外にラッチ停止させる機能が内部に存在しないICが好適に使用される。
本発明に係るスイッチング電源装置の一実施形態を示す回路図である。 スイッチング電源装置に使用される制御回路のブロック図である。 過電圧状態における本発明に係るスイッチング電源装置の動作を示すグラフである。 従来のスイッチング電源装置を示す回路図である。 定常時の駆動電圧VCCと、制御回路の動作下限電圧と、過電圧保護設定電圧の関係を説明する図であって、(A)は駆動電圧VCCが動作下限電圧に近い値に設定された場合、(B)は駆動電圧VCCが過電圧保護設定電圧に近い値に設定された場合である。
符号の説明
1 スイッチング電源装置
2 制御回路
21 スイッチング制御部
22 電流監視部
23 電圧監視部
3 負荷
4 補助電源部
5 短絡部
第1のスイッチング素子
第2のスイッチング素子
T トランス
一次巻線
二次巻線
補助巻線
VCC 駆動電圧(第2の直流電圧)
CS 第1の直流電圧
out 2次側出力電圧
ZD 定電圧ダイオード(電圧降下手段)

Claims (5)

  1. トランスの一次巻線に接続された第1のスイッチング素子と、前記第1のスイッチング素子を制御するスイッチング制御部とを有する制御回路を備え、前記第1のスイッチング素子のスイッチング動作によって前記トランスの二次巻線に誘起される交流電圧を整流および平滑して二次側出力電圧を生成しながら、前記スイッチング制御部に前記二次側出力電圧をフィードバックして前記二次側出力電圧を一定に保つスイッチング電源装置であって、
    前記トランスの一次側に設けられた補助巻線に誘起される交流電圧を整流および平滑して生成した第1の直流電圧を出力する補助電源部と、
    前記補助電源部と前記制御回路との間に設けられ、前記第1の直流電圧を第2の直流電圧に降下させ、該第2の直流電圧を、前記制御回路を駆動するための駆動電圧として前記制御回路に出力する電圧降下手段と、
    前記第1の直流電圧の多寡に応じて、前記電圧降下手段の入力側と出力側とを短絡することが可能な短絡部と、
    を備え、
    前記第1の直流電圧が所定電圧を超えると、前記短絡部が前記電圧降下手段の入力側と出力側とを短絡することによって、前記電圧降下手段による電圧降下が実行されることなく前記第2の直流電圧が前記第1の直流電圧に向かって強制的に引き上げられ、
    前記第2の直流電圧が過電圧保護設定電圧に達すると、前記スイッチング制御部が前記第1のスイッチング素子を制御して前記二次側出力電圧を低下させるよう構成されており、かつ、
    前記第2の直流電圧と前記制御回路の動作下限電圧との差電圧が、前記過電圧保護設定電圧と前記第2の直流電圧との差電圧よりも小さくなるように、前記第2の直流電圧が設定されていることを特徴とするスイッチング電源装置。
  2. 前記所定電圧は前記過電圧保護設定電圧以上に設定されていることを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源装置。
  3. 前記短絡部は、エミッタとコレクタとの間に前記電圧降下手段を介装した第2のスイッチング素子と、該第2のスイッチング素子のベースにカソードが接続されるとともにアノードが前記補助巻線の低電位側に接続された定電圧ダイオードとを有し、
    前記第1の直流電圧が上昇して前記定電圧ダイオードが非導通状態から導通状態に切り換わることにより、前記第2のスイッチング素子がONし、前記定電圧ダイオードの入力側と出力側とを前記第2のスイッチング素子を介して短絡することを特徴とする請求項1または2に記載のスイッチング電源装置。
  4. 前記電圧降下手段は定電圧ダイオードであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のスイッチング電源装置。
  5. 前記制御回路は、1パッケージ化されたICであることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のスイッチング電源装置。
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