JP2015123872A - 鞍乗り型車両のフロントカウル構造 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、ヘッドライトとフロントカウルとの間から侵入する走行風の影響を、簡単な構造で低減できるようにすることを目的とする。
本発明によれば、ヘッドライトとフロントカウルとの間からフロントカウル内に走行風が侵入したとしても、この走行風は、フロントカウルの連通口を通ってフロントカウルの外のウインドスクリーン側に流れ、そのまま後方に抜け、フロントカウル内に滞留しない。このため、フロントカウルに連通口を設ける簡単な構成で、ヘッドライトとフロントカウルとの間から侵入する走行風の影響を低減できる。
本発明によれば、連通口の下方においてウインドスクリーンとフロントカウルとの間の隙間に走行風が侵入し難い。このため、ウインドスクリーンとフロントカウルとの間の隙間を流れる走行風が、連通口から外側に抜ける走行風の流れを妨げてしまうことを抑制できる。
本発明によれば、メーターパネルの前上方を覆って視認性を向上させるウインドスクリーンの後方でメーターパネル側の空間に負圧が生じても、フロントカウル内から連通口を介してウインドスクリーン側に抜ける走行風を供給できる。このため、負圧を利用してフロントカウル内の走行風を連通口から効率良く抜くことができるとともに、負圧を低減して風切り音を低減できる。
本発明によれば、ヘッドライトから後方へ漏れる光をヘッドライトリアカバーによって遮断できる。また、ヘッドライトリアカバーを設けた構成であっても、連通口から走行風を外側に効果的に抜くことができるため、ヘッドライトとフロントカウルとの間から侵入する走行風の影響を低減できる。
本発明によれば、幅方向の中央側に集まった走行風を連通口から効率良く抜くことができる。
さらに、本発明は、前記ウインドスクリーン(32)の前端(32a)は、前面視で前記ヘッドライト(30)の上端よりも下方まで延びていることを特徴とする。
本発明によれば、フロントカウル内に侵入する走行風を、ウインドスクリーンの前端によって低減できる。
また、ウインドスクリーンとフロントカウルとの間の隙間を流れる走行風が、連通口から外側に抜ける走行風の流れを妨げてしまうことを抑制できる。
また、負圧を利用してフロントカウル内の走行風を連通口から効率良く抜くことができるとともに、負圧を低減して風切り音を低減できる。
また、幅方向の中央側に集まった走行風を連通口から効率良く抜くことができる。
さらに、フロントカウル内に侵入する走行風を低減できる。
自動二輪車1は、車体フレーム10にエンジン11が支持され、前輪2を支持するフロントフォーク12が車体フレーム10の前端のヘッドパイプ10aに操舵可能に支持され、後輪3を支持するスイングアーム(不図示)が車体フレーム10の後部に設けられた車両である。自動二輪車1は、運転者が跨るようにして着座するシート14が車体フレーム10の前後の中央部の上方に設けられた鞍乗り型の車両である。
上記スイングアームは、車体フレーム10の下部に設けられたピボット軸(不図示)に上下揺動可能に支持され、後輪3はスイングアームの後端部に軸支される。スイングアームは、リアサスペンション15を介して車体フレーム10に連結される。
フロントフォーク12の上端部には、操舵用のハンドルバー16が取付けられ、フロントフォーク12の下端部には、車軸17を介して前輪2が支持されている。燃料タンク18は、メインフレーム10bに支持され、シート14の前方に位置する。
光を前方に照射するヘッドライト30は、フロントカウル26の前面に設けられ、前部ウインカ31は、フロントカウル26の左右の側面に設けられている。フロントカウル26の上部には、板状のウインドスクリーン32が取り付けられている。
ハンドルバー16の左右の両端には、運転者が把持するグリップ33が設けられている。バックミラー34は、ハンドルバー16上においてグリップ33よりも内側に取り付けられている。
運転者用の左右一対のステップ35は、エンジン11の後部の側方に設けられている。
前輪2を操舵自在にヘッドパイプ10aに支持する操舵部品36は、ヘッドパイプ10aに軸支されるステアリングシャフト37と、ステアリングシャフト37の上端に連結されるトップブリッジ38と、ステアリングシャフト37の下端に連結されるボトムブリッジ39と、左右一対の上記フロントフォーク12とを備える。
トップブリッジ38及びボトムブリッジ39は、フロントフォーク12を支持する支持孔部をステアリングシャフト37よりも前方の前部に備え、フロントフォーク12は、ヘッドパイプ10aの前方でステアリングシャフト37と略平行に支持される。
ハンドルバー16は、トップブリッジ38の上面に設けられたハンドル固定部38a(ハンドルバーの取付部)に固定される。
メーターパネル50とハンドルバー16との間には、車両の電源の切り替え操作用のキーシリンダー40が設けられており、キーシリンダー40はトップブリッジ38に支持される。
フロントカウルユニット42は、正面視において、前面の幅方向中央部が前方に凸となる様に全体的に湾曲した形状を備える。また、フロントカウルユニット42の前面は、側面視において、前上方側に凸となるように全体的に湾曲した形状を備え、後上がりの姿勢で配置される。
ウインドスクリーン32は、前面上面部44に取り付けられ、前面上面部44の全体を前方から覆う。前部ウインカ31は、左右の側面部45に取り付けられる。下方延出部47には、ライセンスプレートホルダー48が設けられており、ライセンスプレートホルダー48にはライセンスプレート(不図示)が取り付けられる。
図5に示すように、フロントフォーク12の前方には、フロントカウル26を後方から塞ぐ板状のヘッドライトリアカバー51が設けられている。ヘッドライトリアカバー51は、トップブリッジ38及びボトムブリッジ39に固定される。
フロントカウル26がヘッドライトリアカバー51に前方から取り付けられることで、フロントカウル26とヘッドライトリアカバー51との間には、部品を収容可能なカウル内空間Sが形成されている。カウル内空間Sには、ヘッドライト30、箱型のメーターユニット52、及び、電装品用の配線等が収納される。
フロントカウル26の前面開口部41は、正面視で略台形状に形成されており、車幅方向に延びる下縁41aと、下縁41aよりも車幅方向に長い上縁41bと、上縁41b及び下縁41aの左右の両端を上下に連結する側縁41c,41cとを有する。
詳細には、上縁41bは、車幅方向の中央部が最も前方且つ下方に位置し、左右の外側方側ほど後方且つ上方に位置するように湾曲している。上縁41bには、下端を屈曲させるようにして前方に突出したリブ部41dが、その幅方向の略全体に亘って形成されている。
フロントカウル26の裏面側において前面開口部41の周縁部には、側縁41c,41cに沿って上下に延びる縦リブ53,53が設けられている。縦リブ53,53は、後方へ突出している。
縦リブ53,53、横リブ55,55及びリブ状のヘッドライト支持部54,54によって、フロントカウル26の強度及び剛性が向上している。
前面上面部44の上部には、前面上面部44を裏面(下面)まで貫通する連通口57,57が、車幅方向に並んで一対形成されている。連通口57,57は、中央固定部56の上方に位置するとともに、車幅方向においては、ヘッドライト支持部54,54の間の中央部に位置している。また、前面上面部44の上端の中央部には、ヘッドライトリアカバー51の前端に連結される上端固定部44aが設けられている。
前面正面部43において前面上面部44の車幅方向の両端部に隣接する部分には、前面正面部43を貫通するスリット状の長孔58,58が形成されている。
前面正面部43の裏面側において長孔58,58の外側方の位置には、後方に突出する端部固定部59,59が設けられている。
上部連結部60,60及び下部連結部61,61には、クリップナット等によって構成されるナット部が設けられる。
図5、図8及び図9を参照し、ヘッドライトリアカバー51は、操舵部品36に取り付けられる背板部62と、背板部62の上縁から屈曲して前上方へ延びるパネル部63とを備える。
背板部62は、トップブリッジ38に固定される上側固定孔部64,64を上部の中央部に一対備える。また、背板部62は、ボトムブリッジ39に固定される下側固定孔部65,65を下部に一対備える。ヘッドライトリアカバー51は、上側固定孔部64,64及び下側固定孔部65,65に挿通される固定具66によってトップブリッジ38及びボトムブリッジ39に固定される。
固定孔部67,67,68,68は、運転者側から挿通される固定ボルト(不図示)によって、フロントカウル26の上部連結部60,60及び下部連結部61,61に連結される。
また、背板部62は、配線等が通される孔部69を複数備える。
自動二輪車1では、操舵部品36に固定されるヘッドライトリアカバー51にフロントカウル26が連結されるため、フロントカウルユニット42は、操舵部品36と一体に操舵方向に回動する。このため、フロントカウルユニット42の周囲を流れる走行風は、ハンドリング特性に影響する。
窓部72,72及び中央窓部72aは、周囲の部分よりも上方に一段膨出して形成されており、窓部72,72及び中央窓部72aの前方には、窓部72,72及び中央窓部72aと前縁63aとを繋ぐ前壁部63b(図5)が形成されている。前壁部63bは、ウインドスクリーン32よりも緩い角度で後上がりに傾斜している。
図5、図10及び図11を参照し、ヘッドライト30は、平面視において略V字状に前方に湾曲したケース80と、ケース80の前面を塞ぐレンズ81と、灯体としてのバルブ82と、ポジションランプ83とを備える。
レンズ81は、フロントカウル26の前面開口部41の周縁部に連続するように前方に凸となる湾曲形状で形成されたレンズ前面部84と、レンズ前面部84の周縁部からケース80側へ立設された周壁部85とを備える。
レンズ前面部84は、前面開口部41の形状に沿うように形成されており、前面視では、略台形状に形成されている。詳細には、レンズ前面部84の上縁84a(ヘッドライトの上縁)は、車幅方向の中央部が最も前方且つ下方に位置し、左右の外側方側ほど後方且つ上方に位置するように湾曲している。
また、ケース80は、上部膨出部88よりも上方に突出する上面リブ89,89を一対備える。上面リブ89,89は、ケース80の上面の左右の両端に形成されており、上端84b,84bの後方に位置する。
メーターユニット52は、パネル部63の裏面に固定され、ヘッドライト30のケース80の後上方に配置されている。
図3、図12及び図13に示すように、ウインドスクリーン32は、フロントカウル26の前面上面部44に沿って前上方に凸となる様に湾曲したスクリーン本体部91と、スクリーン本体部91の車幅方向の両端からスクリーン本体部91の湾曲度よりも大きく後方へ屈曲した側部92,92と、側部92,92から後方に延出したステー部93,93とを備える。ウインドスクリーン32は、半透明の樹脂製の板である。
ウインドスクリーン32は、ステー部93,93がフロントカウル26の長孔58,58に挿入されるとともに、中央ステー部94がフロントカウル26の中央固定部56に挿入されることで、フロントカウル26に位置決めされる。
ステー部93,93は、フロントカウル26の内側から締結される上記ねじ96によって端部固定部59,59に固定される。また、中央ステー部94は、フロントカウル26の内側から締結される上記ねじ95によって中央固定部56に固定される。
また、ウインドスクリーン32は、フロントカウル26の前面上面部44との間に所定の隙間Gをあけて固定されている。このため、ウインドスクリーン32及びフロントカウル26の寸法精度を厳しく管理する必要がない。
前面上面部44の連通口57,57(図5)は、スクリーン本体部91によって前方から覆われており、隙間G内に開口している。すなわち、連通口57,57は、スクリーン本体部91の下面(裏面)への連通口である。前面上面部44の下端でリブ部41dが前方に突出しているため、隙間Gの大きさは、リブ部41dの部分で最も狭くなっている。また、隙間Gの大きさは、リブ部41dの上方の部分では、略一定である。隙間Gの下端は、下方のヘッドライト30側に開放する開放部98となっている。
このように、ヘッドライト30が揺動するため、フロントカウルユニット42では、ヘッドライト30の揺動のためのスペースとして、ヘッドライト30の周縁部と前面開口部41の周縁部との間には、周囲隙間Iが設けられている。ここで、ヘッドライト30の周縁部は、レンズ81の周壁部85及びレンズ前面部84の周縁部を含む。
また、フロントカウルユニット42に当たる走行風の一部は、ヘッドライト30の周囲隙間Iからカウル内空間S内に侵入する走行風W3となる。
また、スクリーン後方空間Kは、ウインドスクリーン32の表面に沿う走行風W1の作用によって負圧となっているため、この負圧を利用して走行風W3を連通口57,57に効率良く導くことができる。さらに、連通口57,57からスクリーン後方空間Kに流れる走行風W3によって、スクリーン後方空間Kの負圧を低減できるため、負圧に起因する風切り音やバタツキを低減することができる。
また、レンズ81の左右側方の周囲隙間Iから侵入した走行風W3は、縦リブ53,53(図6)によって後方へ流れるように整流される。このため、走行風W3を効率良く連通口57,57から外側に抜くことができる。
また、ウインドスクリーン32の下縁32aが、前面視において、レンズ前面部84の幅方向の略全体に亘り、レンズ前面部84の上端よりも下方まで延出しているため、周囲隙間Iを隠して外観性を向上しながら、周囲隙間Iの大きさを確保できるとともに、レンズ前面部84の上方の周囲隙間Iから侵入する走行風W3の量を低減できる。
さらに、ウインドスクリーン32の前端である下縁32aは、前面視でヘッドライト30のレンズ前面部84の上端よりも下方まで延びているため、下縁32aの存在によって、周囲隙間Iに走行風が侵入し難くなる。このため、走行風W3の影響を低減できる。
上記実施の形態では、隙間Gの下端は、下方のヘッドライト30側に開放する開放部98となっているものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ウインドスクリーン32及びフロントカウル26の前端を連結して開放部98を設けない構成としても良い。
16 ハンドルバー(操舵用ハンドルバー)
26 フロントカウル
30 ヘッドライト
32 ウインドスクリーン
32a 下縁(ウインドスクリーンの前端)
36 操舵部品
38a ハンドル固定部(ハンドルバーの取付部)
44 前面上面部(上面部)
50 メーターパネル
51 ヘッドライトリアカバー
57,57 連通口
84a 上縁(ヘッドライトの上縁)
G 隙間
Claims (6)
- 車両(1)の前面に設けられて前方に照射するヘッドライト(30)と、当該ヘッドライト(30)の上下左右を覆うとともに、前記ヘッドライト(30)の上縁(84a)に連続して後上方に延びて前記ヘッドライト(30)へ向かう走行風を後上方へ流す上面部(44)を備えたフロントカウル(26)と、当該フロントカウル(26)の前記上面部(44)の上に所定の隙間(G)を持って取り付けられ、前記フロントカウル(26)の上端よりも上方に延びるウインドスクリーン(32)とを備える鞍乗り型車両のフロントカウル構造において、
前記フロントカウル(26)の前記上面部(44)において前記ウインドスクリーン(32)に覆われる位置に、前記ウインドスクリーン(32)の下面への連通口(57)が設けられたことを特徴とする鞍乗り型車両のフロントカウル構造。 - 前記ウインドスクリーン(32)と前記フロントカウル(26)との間の前記隙間(G)の大きさは、前記連通口(57)よりも下方で減らされていることを特徴とする請求項1記載の鞍乗り型車両のフロントカウル構造。
- 運転者の前方で操舵用ハンドルバー(16)の取付部(38a)の近くに配置され運転者に向けて車両情報を表示するメーターパネル(50)を備え、前記ウインドスクリーン(32)は、前記メーターパネル(50)の前上方を覆うように設けられ、
前記連通口(57)は、前記メーターパネル(50)の下方に設けられていることを特徴とする請求項1または2記載の鞍乗り型車両のフロントカウル構造。 - 前記車両(1)の操舵部品(36)に取り付けられ、前記ヘッドライト(30)、前記フロントカウル(26)及び前記メーターパネル(50)を支持するとともに、前記ヘッドライト(30)を後方から覆うヘッドライトリアカバー(51)を備えたことを特徴とする請求項3記載の鞍乗り型車両のフロントカウル構造。
- 前記フロントカウル(26)の前記上面部(44)は、幅方向中央部が前上方へ凸の曲面であり、前記連通口(57)は、幅方向中央寄りに設けられることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の鞍乗り型車両のフロントカウル構造。
- 前記ウインドスクリーン(32)の前端(32a)は、前面視で前記ヘッドライト(30)の上端よりも下方まで延びていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の鞍乗り型車両のフロントカウル構造。
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