以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。
本発明に係る実施例1について説明する。図1は、本発明の実施例における、画像形成装置100を含むシステム構成を示すブロック図である。画像形成装置100は、クライアントPC101とネットワークを介して接続され、クライアントPC101から受信した各種入力データを処理し、画像形成を行って印刷物を出力する。クライアントPC101は転送時間を短縮するためCMYK画像データをエンコードし、画像形成装置に送信する。
図2は本実施例における、画像形成装置100の構成を示すブロック図である。各ブロック間の信号の送信はシステムバス201を介して行われる。CPU202及びサブCPU205は、ROM203に記憶された制御プログラムを読み出して印刷制御等の各種制御を実行する。RAM204は、CPU202及びサブCPU205のメモリ、ワークエリア等の一部領域として用いられる。サブCPU205は、クライアントPC101からネットワーク及びネットワークI/F211を介して送信されるエンコードデータをデコードし、トナー載量の算出及び定着温度の決定を行う。操作部206は、表示部207を備えている。操作部206で入力した情報がCPU202に送信され、CPU202が所望の処理を行い、それに伴い操作部206の表示部207で表示を行う。HDD208は多くの画像データを長期間保存することができる。スキャナ部209で読み取られた原稿の画像データは、印刷や保存、転送等の用途に用いられる。プリンタ部210で印刷すべき画像データは、プリンタ部210に送信され、プリンタ部210において用紙上に印刷される。ネットワークI/F211は、ネットワークを介してクライアントPC101等と画像データや各種情報を送信、または受信する。
図3は、プリンタ部210の構成を示す図である。中間転写体308を採用したタンデム方式であり、図3を用いて、画像形成装置100における画像形成の動作を説明する。
帯電手段は、Y、M、C、Kの色毎に感光体302Y、302M、302C、302Kを帯電させるための4個の注入帯電器303Y、303M、303C、303Kを備える構成である。各注入帯電器は、スリーブ303YS、303MS、303CS、303KSを備えている。
感光体302Y、302M,302C、302Kは、駆動モータ320Y、320M、320C、320Kの駆動力が伝達されて回転するものである。駆動モータは感光体302Y、302M、302C、302Kを画像形成動作に応じて反時計回り方向に回転させる。
露光手段は、感光体302Y、302M、302C、302Kへ照射部304Y、304M、304C、304Kより光を照射し、感光体302Y、302M、302C、302Kの表面を選択的に露光することにより、静電潜像を形成するように構成している。
現像手段は、静電潜像を可視化するために、Y、M、C、Kの色毎に現像を行う4個の現像器306Y、306M、306C、306Kを備える構成である。各現像器は、スリーブ306YS,306MS,306CS,306KSが設けられている。なお、各々の現像器26は脱着が可能である。
転写手段は、感光体302から中間転写体308へ単色トナー像を転写するために、中間転写体308を時計周り方向に回転させる。そして感光体302Y、302M、302C、302Kとその対向に位置する一次転写ローラ307Y、307M、307C、307Kの回転に伴って、単色トナー像を転写する。一次転写ローラ307に適当なバイアス電圧を印加すると共に感光体302の回転速度と中間転写体308の回転速度に差をつけることにより、効率良く単色トナー像を中間転写体308上に転写する。これを一次転写という。
更に転写手段は、ステーション毎に単色トナー像を中間転写体308上に重ね合わせ、重ね合わせた多色トナー像を中間転写体308の回転に伴い二次転写ローラ309まで搬送する。記録媒体330は、給紙トレイ301aあるいは給紙トレイ301bから給紙され、搬送経路中のローラによって二次転写ローラ309へ搬送される。中間転写体308上の多色トナー像は、二次転写ローラ309へ狭持搬送される記録媒体330上に転写される。二次転写とは、二次転写ローラ309に適当なバイアス電圧を印加することにより、中間転写体上308のトナー像を静電的に転写することをいう。二次転写ローラ309は、記録媒体330上に多色トナー像を転写している間、309aの位置で記録媒体330に当接し、印字処理後は309bの位置に移動し、中間転写体308から離間する。
定着装置311(定着部)は、記録媒体330に転写された多色トナー像を記録媒体330に溶融定着させるために、記録媒体330を加熱する定着ローラ312と記録媒体330を定着ローラ312に圧接させるための加圧ローラ313を備えている。定着ローラ312と加圧ローラ313は中空状に形成され、内部にそれぞれヒータ314、315が内蔵されている。定着装置311は、多色トナー像を保持した記録媒体330を定着ローラ312と加圧ローラ313により搬送するとともに、熱および圧力を加え、トナーを記録媒体上330に定着させる。この定着部には不図示の温度センサが取り付けられており、定着に十分な温度が確認された時、初めて定着動作が行われるように制御される。トナー定着後の記録媒体330は、その後排出ローラ331によって排紙トレイ332に排出して画像形成動作を終了する。
クリーニング手段310は、中間転写体308上に残ったトナーをクリーニングするものであり、中間転写体308上に形成された4色の多色トナー像を記録媒体330に転写した後に残った廃トナーは、クリーナ容器に蓄えられる。
次に、本実施例に係る画像形成装置100におけるトナー載量算出方法について説明する。ここで、トナー載量とは単位面積あたりのトナー量(色材量)のことを意味し、単位を%として説明する。例えば単位面積を1画素とした場合、C、M、Y、K各色の最大値を100%とした時に、最大値を2色重ねた場合にその画素は200%のトナー載量と定義する。各色階調性を持っている画像データであった場合、各色0〜100%までの間を取りうる。例えば、フルカラー印刷モードでC、M、Y、Kの4色トナーをフルに利用した画像データの場合は最大トナー載量は4色の合計であるため多くなり、K単色のモノクロ画像の場合、最大トナー載量は1色であるため少なくなる。最終的にページ内の最大値をそのページのトナー載量情報として保持する。
次に、本実施例に係る画像形成装置100において印刷出力する画像データの定着に必要となる定着部の温度を決定する方法について、図4、図5を用いて説明する。前述したように、トナー載量とは画像上の単位面積あたりのトナー量のことを意味している。定着不良なくトナーを定着させるためには、定着器の温度を対象ページ中のトナー載量の最大値が確実に定着できる温度に設定する必要がある。印刷する画像データにより、最大トナー載量が異なるため、定着温度も画像データごとに異なり、最大トナー載量が大きいほど定着温度も高く設定する。従って、図4においては、T5、T4、T3、T2、T1という順に定着温度が高くなる。
図5は、本実施例に係る画像形成装置100のトナー載量と定着温度の関係を示したグラフである。横軸はトナー載量を表しており、縦軸は定着温度を示している。例えば、対象ページのトナー載量情報が200%の場合、定着温度はT1に設定し、100%の場合はT5に設定する。本実施例において、トナー載量に対応した定着温度は、図4で示すようなトナー載量と定着温度との関係をルックアップテーブルの形でRAM204等にあらかじめ記憶しておき、算出したトナー載量に従ってテーブルを参照することで決定する。
次に、本実施例に係る画像形成装置100における省エネモードの制御フローを、図6を用いて説明する。図6は省エネモードの制御フローを示した図である。ステップS601において、CPU202は、クライアントPC101からCMYK画像のエンコードデータをネットワーク及びネットワークI/F211を介して受信し、RAM204に書き込む。なお、ステップS601で受信されるエンコードデータは、1ページ、または、複数ページからなるエンコードデータである。ステップS602において、サブCPU205は、RAM204に書き込まれたCMYK画像のエンコードデータのデコード、トナー載量を算出(取得)、定着温度の決定を開始する。ステップS603において、サブCPU205で定着温度の決定まで終了したらステップS604に移行する。ステップS604において、サブCPU205はステップS602、ステップS603で決定した定着温度をプリンタ部210に送信し、プリンタ部210はサブCPU205から受信した定着温度で定着、印刷を実行する。ステップS605において、全ページ終了していれば処理を終了し、そうでなければステップS602に移行する。
以上説明したとおり、省エネモードは全ページに対して各ページの画像データからトナー載量を算出し、定着温度を決定する。そのため、画像データのトナー載量を参照せずに、常に最大トナー載量が定着可能な定着温度で定着する場合と比べて、定着装置311のヒータ314、315で消費する電力を必要最低限に抑えることができる。
本実施例では、サブCPU205においてCMYK画像のエンコードデータのデコード、トナー載量を算出、定着温度の決定を行ったが、CPU202または専用回路を用いて行ってもよい。また、スキャナ部209で読み込んだ画像をCPU202でCMYK画像データにした後、サブCPU205でトナー載量算出及び定着温度の決定を行ってもよい。
本発明に係る実施例2について説明する。実施例1では、画像形成装置100が全ページに対して各ページの画像データからトナー載量を算出し、算出したトナー載量に対応した定着温度で定着することで、消費電力を必要最低限に抑えられることを説明した。しかし、クライアントPC101から受信するCMYK画像のエンコードデータをサブCPU205においてデコードに要する処理時間は、CMYK画像のエンコードデータの内容に依存するため常に一定ではない。また、トナー載量の算出に要する処理時間も単位面積の画素数をいくつにするかによって変化する。そのため、サブCPU205においてデコード及びトナー載量算出処理に要する時間が大きくなった場合、サブCPU205がデコードを開始してからプリンタ部210に定着温度を送信し定着装置311の温度を設定するまでに要する時間が大きくなる。よって、画像形成装置100の印刷速度が低下する。本実施例では、印刷速度を維持しつつ、可能な限り消費電力を抑える印刷速度優先モードについて説明する。
図7は本実施例における印刷速度優先モードの制御フローを示した図である。ステップS701は実施例1のステップS601と同様であるため説明を割愛する。ステップS702において、サブCPU205はCPU202によってRAM204にあらかじめ書き込まれている定められた時間を取得する。この定められた時間は、1ページ分のCMYK画像のエンコードデータのデコード、トナー載量の算出と、定着温度の決定処理に対する定められた時間(所定の時間)である。この定められた時間は、画像形成装置100の印刷速度を基準としてあらかじめ算出し、CPU202でRAM204に書き込んでおく。例えば、画像形成装置100の印刷速度が1分間に60枚であった場合、1枚当たりの印刷時間は1秒であるため、0.2秒余裕を持たせて定められた時間を0.8秒に設定する。なお、定められた時間は、1ページ分の処理時間に限定されず、1/2ページ、1/3ページ、2ページ、3ページなどの単位ページの定められた時間でもよい。
ステップS703において、サブCPU205は、複数ページからなる画像データである、CMYK画像のエンコードデータの単位ページのデコード、トナー載量の算出、定着温度の決定を開始する。その際、サブCPU205は、自身の内部カウンタによって、デコード、トナー載量の算出、定着温度の決定を行う画像処理にかかった時間を計測する。なお、定着温度の決定にかかった時間の計測を行わずに、時間の計測は、デコード、トナー載量の算出にかかった時間でもよい。また、トナー載量の算出は、画像データの単位面積あたりのC、M、Y、K各色のトナー量の総和を算出する。
ステップS704において、定められた時間内にサブCPU205で定着温度の決定が終了した場合ステップS705に移行し、終了しなかった場合ステップS706に移行する。ステップS705は実施例1のステップS604と同様であるため説明を割愛する。ステップS706において、サブCPU205はデコード、トナー載量を算出、定着温度の決定処理を中止し、最大定着温度をプリンタ部210に送信し、プリンタ部210はサブCPU205から受信した最大定着温度で定着を実行する。ここで、最大定着温度とは、CMYK各色材の最大載量を4色重ねた画像データを定着可能な所定の温度である。
ステップS707において、全ページのCMYK画像のエンコードデータのデコード、トナー載量の算出、定着温度の決定が終了していれば処理を終え、終了していなければステップS703に移行し、全ページ処理が終わるまで繰り返す。
以上説明したとおり、印刷速度優先モードは1ページ分のCMYK画像のエンコードデータのデコード、トナー載量を算出、定着温度の決定処理に対する時間を設け、所定の時間内に処理が終了しない場合、算出処理を中止し、最大定着温度で定着を開始する。そのため、画像形成装置100の印刷速度を落とさずに、かつ最大定着温度で印刷するため、定着温度の決定を中止しても定着不良を起こすことなく印刷することができる。
また、スリープ復帰後等定着装置311の温度が低い場合、定着装置311の温度を上げるためには時間がかかるため、定着温度を算出して定着装置311の温度を上げたのでは処理が間に合わず印刷速度の低下を招く。そのため最初の数ページ(所定ページ)に関しては定着温度の決定を行わず、最大定着温度で定着することで印刷速度の低下を抑えるようにしてもよい。その場合、数ページ先の定着温度の算出から行う。
本発明に係る実施例3について説明する。実施例1では画像形成装置100が全ページに対して各ページの画像データからトナー載量を算出し、定着温度を決定することで、消費電力を必要最低限に抑えられる省エネモードについて説明した。また、実施例2ではデコード、トナー載量を算出、定着温度の決定処理に対する時間を設け、所定の時間内に処理が終了しない場合、最大定着温度で印刷することで、画像形成装置100の印刷速度を落とさずに印刷する印刷速度優先モードについて説明した。しかし、実施例2では定着温度の算出を中止し最大定着温度で印刷した場合、トナー載量の小さい画像データに対しても最大定着温度で印刷することになるため、定着装置311のヒータ314、315で消費する電力が必要以上に大きくなる場合がある。
本実施例では実施例1の省エネモード及び実施例2の印刷速度優先モードの2つのモードを、予め設定された許容する割合に基づいて切り替えた場合の画像形成装置100について説明する。
図8は本実施例における制御フローを示した図である。まず、ステップS801において、実施例1のステップS601と同様であるため説明を割愛する。ステップS802においても、実施例2のステップS702と同様であるため説明を割愛する。ステップS803において、サブCPU205は予めCPU202によってRAM204に書き込まれた割合を取得する。この割合は、印刷を実行する上で実施例2のステップS706で説明したCMYK画像のエンコードデータのデコード、トナー載量算出、定着温度の決定処理を中止し、最大定着温度で印刷することを許容する割合である。許容する割合は、画像形成装置100の印刷速度及び省エネ目標を基準に設定される。例えば低消費電力を重視する場合は許容する割合を低めに、逆に印刷速度を重視する場合は許容する割合を高めに設定する。ステップS804において、前述したステップS803で取得した許容する割合から、非省エネ許容枚数を算出する。この非省エネ許容枚数は、印刷する枚数のうち、CMYK画像のエンコードデータのデコード、トナー載量算出、定着温度の算出処理を中止し、最大定着温度で印刷することを許容する枚数である。例えば、印刷枚数が10枚で、ステップS803において許容する割合を20%と定めた場合、非省エネ許容枚数は2枚である。ステップS805において、累積非省エネ枚数が、所定数である非省エネ許容枚数より小さい場合、ステップS806に移行し、所定数以上であればステップS807に移行する。ステップS806において、サブCPU205は実施例2で説明した印刷速度優先モードに移行する。ステップS807において、サブCPU205は実施例1で説明した省エネモードに移行する。ここで、累積非省エネ枚数は、後述するステップS813の処理が終わるたびに、画像形成装置100の中にある不図示のカウンタによりカウントされる。または、最大定着温度で印刷すると決定したタイミングでカウントされる。
ステップS808においては実施例1のステップS602と同様であるため説明を割愛する。ステップS809において、サブCPU205は、省エネモードであればステップS810に移行し、印刷速度優先モードであればステップS811に移行する。ステップS810において、サブCPU205はステップS802で取得した定められた時間に関わらずCMYK画像のエンコードデータのデコード、トナー載量算出、定着温度の決定処理が終了するまで行い、終了したらステップS812に移行する。
ステップS811において、サブCPU205は、ステップS802で取得した定められた時間内にCMYK画像のエンコードデータのデコード、トナー載量算出、定着温度の決定処理が終了すれば、ステップS812に移行する。定められた時間内に終了していなければステップS813に移行する。ステップS812においては、実施例1のステップS604と同様であるため説明を割愛する。ステップS813においても、実施例2のステップS706と同様であるため説明を割愛する。ステップS814において、全ページのCMYK画像のエンコードデータのデコード、トナー載量を算出、定着温度の決定が終了していれば処理を終え、終了していなければステップS805に移行し、全ページ処理が終わるまで繰り返す。
実施例3では、最大定着温度で印刷することを許容する割合を設定し、その割合に基づいて定着温度を決定することで、画像形成装置100の印刷速度の低下を抑制しつつ、画像形成装置100の消費電力を低減することができる。
本発明に係る実施例4について説明する。実施例3では画像形成装置100の印刷速度及び省エネ目標から予め許容する割合をRAM204に設定した。それに対して、本実施例ではその許容する割合を予め設定しておくのではなく、許容する割合をユーザが任意に選択可能な画像形成装置100の制御フローについて説明する。
図9は、許容する割合をユーザが設定可能な画像形成装置100の制御フローである。ステップS901及びステップS902は実施例2のステップS701及びステップS702と同様であるため説明を割愛する。ステップS903において、CPU202は表示部207に図10で示すような許容する割合をユーザに入力するよう促すUI(ユーザインタフェース)を表示させる。ステップS904において、CPU202は操作部206においてユーザの入力を検知する。その際、CPU202は印刷速度優先モードの入力を検知した場合許容する割合を100%とし、省エネモードの入力を検知した場合、許容する割合を0%とし、RAM204に書き込む。バランスモードの入力を検知した場合、CPU202は表示部207に図11で示すような印刷速度と省エネの優先度合をユーザに入力するよう促すUIを表示させる。その後、操作部206でユーザから入力される指示を検知し、選択に応じてCPU202は許容する割合をRAM204に書き込む。ステップS905以降は実施例3と同様であるため説明を割愛する。
以上説明したとおり、許容する割合をユーザが任意に選択可能にすることで、印刷速度と省エネのどちらを優先するかユーザが選択できるようになる。
本発明に係る実施例5について説明する。実施例2、実施例3、実施例4では、印刷速度優先モードにおいて1ページ単位でCMYK画像のエンコードデータのデコード、トナー載量算出、定着温度の決定処理に対して定められた時間を設けた。それに対して、本実施例ではページ単位ではなく、ページ単位よりも小さい単位で定められた時間を複数設ける。これにより、より短い時間で、デコード、トナー載量算出、定着温度の決定処理を中止し、最大定着温度で印刷を実行するか否かを判断する画像形成装置100について説明する。
図12は、本実施例における画像形成装置100の制御フローである。ステップS1201は実施例2のステップS701と同様であるため説明を割愛する。ステップS1202において、サブCPU205はRAM204にあらかじめ書き込まれている1ページあたりの定められた時間及び1/2ページあたりの定められた時間を取得する。1/2ページあたりの定められた時間は1ページあたりの定められた時間の半分とする。ステップS1203は実施例2のステップS703と同様であるため説明を割愛する。ステップS1204において、サブCPU205は1/2ページあたりの定められた時間内にCMYK画像のエンコードデータのデコード、トナー載量算出処理が半分以上終了しているか否か判断する。終了している場合はステップS1206に移行し、終了していない場合はステップS1205に移行する。ここで、定着温度決定に要する時間に関しては、実施例1で説明した通り、RAM204のルックアップテーブルにより決定するため処理時間はほとんどかからないので考慮しない。
ステップS1205において、サブCPU205はCPU202によってRAM204に書かれている1ページあたりの定められた時間を次ページの処理でのみ1/2ページあたりの定められた時間分増加させる。なお、増加する定められた時間は、1/2ページあたりの定められた時間に限定されず、所定の時間でよい。図13は、ステップS1202でCPU202によってRAM204に書き込まれた1ページあたりの定められた時間が0.8秒だった場合の1ページ及び1/2ページあたりの定められた時間を示す図である。ステップS1206以降は実施例2と同様であるため説明を割愛する。
以上説明したとおり、1/2ページあたりの時間を追加で設定することで、印刷速度優先モードにおいて実施例2と比較してより短い時間でそのページのデコード、トナー載量算出、定着温度の決定処理を中断し、最大定着温度で印刷を実行することができる。それにより、次ページの定められた時間をより長くとることが可能となり、印刷速度を維持しつつより多くのページで定着温度算出処理が実行できるようになる。また、本実施例では1/2ページあたりの定められた時間のみ追加で設定したが、より多くの定められた時間を追加してもよい。たとえば、1/3ページあたりの定められた時間で1/3ページの処理時間を判定してもよいし、1/4ページあたりの定められた時間で1/4ページの処理時間を判定してもよい。
本発明に係る実施例6について説明する。実施例2、実施例5では、印刷速度優先モードにおいてCMYK画像のエンコードデータのデコード、トナー載量算出、定着温度の決定処理に対する時間を設け、所定の時間内に処理が終了しない場合、算出処理を中止し、最大定着温度定着での印刷を実行した。処理時間はCMYK画像のエンコードデータ内容に依存するが、その中でもCMYK画像のエンコードデータのサイズによる影響が大きく、サイズが大きいほどデコードに要する処理時間が長くなる傾向にある。
本実施例では、CMYK画像のエンコードデータサイズによってデコード、トナー載量算出、定着温度の決定処理を行うか否かを判断する画像形成装置100について説明する。
図14は本実施例における画像処理装置100の制御フローである。ステップS1401及びステップS1402は実施例2のステップS701及びステップS702と同様であるため説明を割愛する。
ステップS1403において、サブCPU205はステップS1402で取得した1ページあたりの定められた時間内にデコード、トナー載量算出、定着温度の決定処理を終えることができるCMYK画像のエンコードデータサイズの閾値を算出する。図15は、ステップS1402で取得された1ページあたりの定められた時間が0.8秒だった場合及び1.2秒だった場合のCMYK画像のエンコードデータサイズの閾値の例を示す図である。
ステップS1404において、CPU202はステップS1401でRAM204に書き込んだCMYK画像のエンコードデータからCMYK画像のエンコードデータサイズを算出し、RAM204に書き込む。サブCPU205は、CPU202によってRAM204に書き込まれたCMYK画像のエンコードデータサイズを取得する。ステップS1405において、サブCPU205は、ステップS1404で取得したCMYK画像のエンコードデータサイズが、ステップS1403で算出した閾値以下であるか否か判定する。閾値以下であると判定した場合ステップS1406へ移行し、閾値を超えると判定した場合ステップS1408へ移行する。ステップS1406及びステップS1407は実施例2のステップS703及びステップS705と同様であるため説明を割愛する。ステップS1408において、サブCPU205はCPU202によってRAM204に書かれている1ページあたりの定められた時間を次ページの処理に対して、1ページあたりの定められた時間分増加させる。なお、増加する定められた時間は、1ページあたりの定められた時間に限定されず、所定の時間でよい。ステップS1408は、実施例5のステップS1205と同様であるためこれ以上の説明を割愛する。ステップS1409及びステップS1410は実施例2のステップS706及びステップS707と同様であるため説明を割愛する。
以上説明したとおり、CMYK画像のエンコードデータのサイズが所定時間から算出した閾値以上である場合、デコード及びトナー載量算出及び定着温度決定処理を行わずに最大定着温度で定着して印刷する。これにより、次ページの定められた時間をより長くとることが可能となり、印刷速度を維持しつつより多くのページで定着温度算出処理が実行できるようになる。
本発明に係る実施例7について説明する。実施例6では、1ページあたりの所定時間から閾値を算出し、CMYK画像のエンコードデータサイズが閾値以上の時、デコード、トナー載量算出、定着温度の決定処理を行わず、最大定着温度での印刷を実行した。
本実施例では決定した定着温度結果をプリンタ部210に送信せず、RAM204にスプールし、印刷速度に応じてCPU202がプリンタ部210に送信する。これにより、印刷処理に対して先行してデコード及びトナー載量算出及び定着温度決定処理を行う。
図16は本実施例における画像処理装置100の制御フローである。ステップS1601及びステップS1602は実施例6のステップS1401及びステップS1402と同様であるため説明を割愛する。
ステップS1603において、サブCPU205はRAM204にスプールされている決定した定着温度結果の数(以下、スプール数とする)を取得する。CMYK画像のエンコードデータが1ページ目の場合、スプール数は0である。印刷速度に対してデコード及びトナー載量算出及び定着温度決定処理が先行している場合、スプール数は1、2、3と増加する。
ステップS1604において、サブCPU205はステップS1602で取得した1ページあたりの定められた時間と、ステップS1603で取得したスプール数から閾値を算出する。図17は、1ページあたりの定められた時間が0.8秒及び1.2秒で、スプール数が0及び1及び2の場合のCMYK画像のエンコードデータサイズの閾値の例を示す図である。ステップS1605〜ステップS1607は実施例6のステップS1404〜ステップS1406と同様であるため説明を割愛する。ステップS1608において、サブCPU205はステップS1607で決定した定着温度をRAM204に書き込む。この時、スプール数は1増加することになる。ステップS1609において、サブCPU205は最大定着温度をRAM204に書き込む。この時、スプール数は1増加することになる。ステップS1610は実施例6のステップS1410と同様であるため説明を割愛する。
なお、図16には示していないが、スプールした決定した定着温度結果は、CPU202が印刷速度に応じてプリンタ部210に送信する。この時、スプール数は1減少することになる。
以上説明したとおり、決定した定着温度結果をRAM204にスプールし、印刷処理に対して先行してデコード及びトナー載量算出及び定着温度決定処理を行うことで、次ページ以降のCMYK画像のエンコードデータのサイズの閾値をより大きく設定する。それにより、印刷速度を維持しつつ次ページ以降のより多くのページで定着温度算出処理が実行できるようになる。
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。