JP2015116830A - 鞍乗型車両のロック機構 - Google Patents
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Abstract
【課題】外部からワイヤを操作されたとしても、ワイヤがロック解除に作用しにくくすることにより、外部操作によるロックの解除を困難にすることができる。
【解決手段】ロック機構のロック解除に必要なワイヤ35の操作量が、ワイヤ35が張られた方向と直交する方向からワイヤ35を押し引きすることによるロック解除に必要な操作量よりも小さくされている。換言すると、不適正な操作によるロック解除に必要なワイヤ35の操作量は、適正な操作によるロック解除に必要な操作量よりも大きくなっている。したがって、ロック解除を意図しない外部からの操作がワイヤ35に対してなされた場合には、ワイヤ35がロック機構のロック解除に作用しにくくなる。その結果、外部操作によるロック解除を困難にすることができる。
【選択図】図8
【解決手段】ロック機構のロック解除に必要なワイヤ35の操作量が、ワイヤ35が張られた方向と直交する方向からワイヤ35を押し引きすることによるロック解除に必要な操作量よりも小さくされている。換言すると、不適正な操作によるロック解除に必要なワイヤ35の操作量は、適正な操作によるロック解除に必要な操作量よりも大きくなっている。したがって、ロック解除を意図しない外部からの操作がワイヤ35に対してなされた場合には、ワイヤ35がロック機構のロック解除に作用しにくくなる。その結果、外部操作によるロック解除を困難にすることができる。
【選択図】図8
Description
本発明は、搭乗者が車両にまたがった状態で走行する鞍乗型車両のロック機構に係り、特に、鞍乗型車両におけるシートなどの車両構成部材のロック解除をワイヤを介して行う技術に関する。
従来、この種の装置として、シート(30)と、回動金具(53)と、第1の係合金具(60)と、第2の係合金具(54)と、巻き上げ部(112)と、ワイヤ(111)とを備えたシートロック装置がある(例えば、特許文献1参照)。
シート(30)の下部に設けられた第1の係合金具(60)は、第2の係合金具(54)側に押し込まれ、第2の係合金具(54)が回動金具(53)と係合する。回動金具(53)は、バネによって付勢されているので、第2の係合金具(54)と回動金具(53)との係合は維持される。ワイヤ(111)は、一端側が回動金具(53)に取り付けられ、他端側が巻き上げ部(112)に巻き付けられている。シート(30)がロックされた状態を解消するには、搭乗者がイグニションキー(100)を巻き上げ部(112)に差し込み、イグニションキー(100)を長手方向周りにひねる。すると、巻き上げ部(112)が回転し、ワイヤ(111)が巻き取られ、回動金具(53)がバネの付勢力に逆らって回動する。すると、回動金具(53)と第2の係合金具(54)との係合が解消されて、第1の係合金具(60)が第2の係合金具(54)により押し上げられる。
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、従来の装置は、回動金具(53)と巻き上げ部(112)とを接続するワイヤ(111)の一部を、外部から例えば指先で押したり、引っ張ったりすることにより、回動金具(53)が回動することがある。したがって、イグニションキー(100)を用いることなく、ロックを解除することができる場合があるという問題がある。
すなわち、従来の装置は、回動金具(53)と巻き上げ部(112)とを接続するワイヤ(111)の一部を、外部から例えば指先で押したり、引っ張ったりすることにより、回動金具(53)が回動することがある。したがって、イグニションキー(100)を用いることなく、ロックを解除することができる場合があるという問題がある。
上記のような問題を回避するには、ワイヤを外部から操作できないように、ワイヤを別部材で覆うことが考えられる。しかしながら、ワイヤの全長にわたって漏れなく完全に覆うことは、非常に多大な労力を要するので、構成上は非現実的である。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、外部からワイヤを操作されたとしても、ワイヤがロック解除に作用しにくくすることにより、外部操作によるロックの解除を困難にすることができる鞍乗型車両のロック機構を提供することを目的とする。
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、鞍乗型車両のロック装置であって、車両構成部材の動作をロックするロック機構と、前記ロック機構に接続されたワイヤと、前記ワイヤを前記ロック機構のロック解除方向へ操作することにより前記ロック機構のロックを解除するロック解除機構と、を備え、前記ロック解除機構は、前記ロック解除機構によるロック解除に必要な前記ワイヤの操作量が、前記ワイヤが張られた方向と直交する方向から前記ワイヤを押し引きすることによるロック解除に必要な操作量よりも小さくされているものである。
すなわち、請求項1に記載の発明は、鞍乗型車両のロック装置であって、車両構成部材の動作をロックするロック機構と、前記ロック機構に接続されたワイヤと、前記ワイヤを前記ロック機構のロック解除方向へ操作することにより前記ロック機構のロックを解除するロック解除機構と、を備え、前記ロック解除機構は、前記ロック解除機構によるロック解除に必要な前記ワイヤの操作量が、前記ワイヤが張られた方向と直交する方向から前記ワイヤを押し引きすることによるロック解除に必要な操作量よりも小さくされているものである。
[作用・効果]請求項1に記載の発明によれば、ロック解除機構は、ロック解除機構によるロック解除に必要なワイヤの操作量が、ワイヤが張られた方向と直交する方向からワイヤを押し引きすることによるロック解除に必要な操作量よりも小さくされている。換言すると、不適正な操作によるロック解除に必要なワイヤの操作量は、適正な操作によるロック解除に必要なワイヤの操作量よりも大きくなる。したがって、ロック解除を意図しない外部からの操作がワイヤに対してなされた場合には、ワイヤがロック機構のロック解除に作用しにくくなる。その結果、外部操作によるロック解除を困難にすることができる。
なお、本発明における鞍乗型車両とは、搭乗者がまたがった姿勢で乗車する車両のことをいう。
また、本発明において、前記ロック解除方向とは異なる方向へ前記ワイヤを移動可能に支持する支持機構をさらに備え、前記支持機構は、前記ロック解除方向と異なる方向へ前記ワイヤを移動可能に支持する開放状態と、前記ロック解除方向と異なる方向への前記ワイヤの移動を規制するように前記ワイヤを支持する規制状態と、に切り替え可能に設けられ、搭乗者の操作に基づいて前記規制状態に切り替えられることが好ましい(請求項2)。
支持機構は、搭乗者の操作に基づいてワイヤの支持状態を開放状態から規制状態に切り替えられる。したがって、搭乗者の意図でロックを解除することができる。
また、本発明において、前記支持機構は、前記ロック解除方向へ前記ワイヤを引っ張るバネ部材をさらに備え、前記バネ部材は、前記ロック機構のロックを解除するのに必要な力よりも小さな力で前記ワイヤを引っ張るように設けられていることが好ましい(請求項3)。
ワイヤが外部から操作されると、支持機構により、ロック機構のロック解除方向と異なる方向へワイヤが引き出されることになる。その操作がされなくなると、バネ部材によりワイヤがロック解除方向へ引っ張られる。したがって、外部からワイヤが操作されても、ワイヤがバネ部材により元の状態に戻るので、搭乗者が意図した操作の際にロック解除が容易にできる。
また、本発明において、前記支持機構は、前記ロック解除方向へ前記ワイヤを巻き取るぜんまいバネをさらに備え、前記ぜんまいバネは、前記ロック機構のロックを解除するのに必要な力よりも小さな力で前記ワイヤを巻き取るように設けられていることが好ましい(請求項4)。
ぜんまいバネによりワイヤをロック解除方向へ巻き取るので、ワイヤの可動域を確保し易い。また、ぜんまいバネが螺旋状であるので、支持機構をコンパクト化できる。
また、本発明において、イグニションキーにより回転される回転軸に設けられ、電源を操作するメインスイッチをさらに備え、前記ぜんまいバネは、前記回転軸と同軸に配置されていることが好ましい(請求項5)。
イグニションキーにより操作されるメインスイッチの回転軸に同軸でぜんまいバネを備えるので、メインスイッチ周りのコンパクト化を図ることができる。
また、本発明において、搭乗者が着座するためのものであって、開閉自在に構成され、開閉側に係合部を設けられたシートをさらに備え、前記ロック機構は、前記係合部と係合するフック部材と、前記フック部材を前記係合部との係合を解除する方向に付勢するロック機構側バネ部材と、前記フック部材が前記係合部と係合された状態で、前記フック部材を係止し、この係止を維持する方向に前記ロック機構側バネ部材で付勢され、前記ワイヤが接続された回動部材とを備え、前記ロック解除機構は、前記回動部材の係止を維持する方向とは逆方向に向かって前記ワイヤを引っ張ることでロック解除を行うことが好ましい(請求項6)。
シートを閉止すると、シートの係合部がロック機構のフック部材と係合し、フック部材を回動部材が係止する。その状態は、ロック機構側バネ部材が回動部材を付勢することで維持されている。ロック解除機構は、ワイヤが引っ張られることにより、回動部材とフック部材の係止が解除されるので、ロック機構のロック解除が行われる。したがって、比較的簡単な構成でシートのロック及びロック解除を実現できる。
また、本発明において、前記ロック機構側バネ部材は、前記支持機構のバネ部材よりもバネ定数が大きく設定されていることが好ましい(請求項7)。
ロック機構側バネ部材は、支持機構のバネ部材よりもバネ定数が大きく、支持機構のバネ部材の方が伸びやすくなっているので、ワイヤに対して垂直な方向からの操作によって支持機構のバネ部材が優先的に変形してロックが解除されるのを防ぐことができる。
また、本発明において、前記ロック機構は、前記シートの前端よりも後方に配置され、
前記ロック解除機構は、前記シートの前端よりも前方に配置されていることが好ましい(請求項8)。
前記ロック解除機構は、前記シートの前端よりも前方に配置されていることが好ましい(請求項8)。
ロック機構とロック解除機構との距離が長いとワイヤも長くなるので、外部からワイヤに対する操作を行うことができる箇所が多く存在することになる。そこで、支持機構とロック解除機構とを備えることで、外部操作によるロックの解除を困難にできる。
また、本発明において、前記ロック機構は、前記ロック解除機構に対して離間して配置されていることが好ましい(請求項9)。
ロック機構とロック解除機構とが離間しているとワイヤも長くなるので、外部からワイヤに対する操作を行うことができる箇所が多く存在することになる。そこで、支持機構とロック解除機構とを備えることで、外部操作によるロックの解除を困難にできる。
また、本発明において、前記支持機構は、前記メインスイッチの回転に連動して前記開放状態と前記規制状態とに切り替えられることが好ましい(請求項10)。
メインスイッチの回転に連動して支持機構の開放状態と規制状態とが切り替えられるので、簡単な操作でロック解除を行うことができる。
また、本発明において、前記支持機構は、ロック解除の際に、ロック解除方向と異なる方向への前記ワイヤの移動に対する抵抗を大きくすることが好ましい(請求項11)。
ワイヤが移動しづらくなるので、ロック解除の際に、ワイヤをロック解除方向へ移動させることができ、ロック解除を行うことができる。
また、本発明において、前記ロック解除機構は、ロック解除の際に、前記ワイヤを直接的に把持することが好ましい(請求項12)。
ワイヤを直接的に把持するので、ロック解除の際に、ワイヤをロック解除方向へ確実に移動させることができ、ロック解除を確実に行うことができる。
また、本発明において、前記支持機構及び前記ロック解除機構は、前記メインスイッチのケーシング内に配置されていることが好ましい(請求項13)。
メインスイッチのケーシング内に支持機構とロック解除機構が配置されているので、組み立て性を高くできる。
また、本発明において、前記ロック解除機構は、前記回転軸の外周面に突出して形成された突起部と、前記回転軸の外周方向に離間して配置されたレバーとを備え、前記レバーは、回転中心に前記ワイヤの直径より大きな幅の溝を備え、前記ワイヤが前記溝に通されて取り付けられ、前記回転軸が非回転である場合に前記ワイヤが引っ張られた場合には、前記溝を前記ワイヤが通り抜け、前記回転軸が回転された場合には、前記突起部が前記レバーを回転させ、前記溝で前記ワイヤを係止して前記ロック機構のロック解除方向へ前記ワイヤを引っ張ることが好ましい(請求項14)。
回転軸が非回転である場合にワイヤが引っ張られた場合には、溝をワイヤが通り抜けるので、外部からワイヤを操作されてもロック解除されない。一方、回転軸が回転された場合には、突起部がレバーを回転させ、溝で前記ワイヤを係止してロック機構のロック解除方向へワイヤを引っ張るので、ロック解除を行うことができる。突起部と、溝を有するレバーとの比較的簡単な構成でロック解除機構を構成することができ、コストを抑制することができる。
また、本発明において、前記ロック解除機構は、前記回転軸の外周面から突出し、前記回転軸の周りを公転する公転片と、前記回転軸側に揺動軸を備えた揺動片とを備え、前記揺動片は、前記ロッドで押圧される押圧部と、前記押圧部の反対側であって前記揺動軸側に形成され、前記押圧部が押圧された際に前記ワイヤを係止する係止突起と、前記揺動軸から離れた位置に形成され、前記揺動軸の周方向に突出して形成された周突起とを備え、前記回転軸が非回転である場合に前記ワイヤが引っ張られた場合には、前記揺動片の係止突起側を前記ワイヤが通り抜け、前記回転軸が回転された場合には、前記公転片が前記揺動片を揺動させ、前記係止突起で前記ワイヤの一部位を固定し、前記固定された一部位から前記ロック機構側の前記ワイヤの一部を前記周突起で前記ワイヤをたたみ込んで前記ワイヤを引っ張ることが好ましい(請求項15)。
回転軸が非回転である場合にワイヤが引っ張られた場合には、揺動片の係止突起側をワイヤが通り抜けるので、外部からワイヤを操作されてもロック解除されない。一方、回転軸が回転された場合には、公転片が揺動片を揺動させ、係止突起でワイヤの一部位を固定し、固定された一部位からロック機構側のワイヤの一部を周突起がたたみ込んでワイヤを引っ張るので、ロック解除を行うことができる。公転片と、係止突起及び周突起とを有する揺動片との比較的簡単な構成でロック解除機構を構成することができ、コストを抑制することができる。また、周突起の突出度合いを調節することで、ワイヤをたたみ込む長さを調節できるので、ロック解除に必要なワイヤの長さが変更されても比較的容易に対応することができる。
なお、本明細書は、次のような基板処理装置に係る発明も開示している。
(1)前記(1)に記載の鞍乗型車両のロック装置において、
前記ロック機構は、ロック解除とは反対方向へ前記ワイヤを引っ張るロック機構側バネ部材を備え、前記ロック解除機構は、ロック解除方向へ前記ワイヤを引っ張るバネ部材を備え、前記ロック機構側バネ部材は、前記バネ部材よりもバネ定数が大きく設定されている鞍乗型車両のロック装置。
前記ロック機構は、ロック解除とは反対方向へ前記ワイヤを引っ張るロック機構側バネ部材を備え、前記ロック解除機構は、ロック解除方向へ前記ワイヤを引っ張るバネ部材を備え、前記ロック機構側バネ部材は、前記バネ部材よりもバネ定数が大きく設定されている鞍乗型車両のロック装置。
前記(1)に記載の発明によれば、ロック機構側バネ部材は、バネ部材よりもバネ定数が大きく、バネ部材の方が伸びやすくなっているので、ワイヤに対して垂直な方向からの操作によってバネ部材が優先的に変形してロックが解除されるのを防ぐことができる。
本発明に係る鞍乗型車両のロック装置によれば、ロック解除機構は、ロック解除機構によるロック解除に必要なワイヤの操作量が、ワイヤが張られた方向と直交する方向からワイヤを押し引きすることによるロック解除に必要な操作量よりも小さくされている。換言すると、不適正な操作によるロック解除に必要なワイヤの操作量は、適正な操作によるロック解除に必要なワイヤの操作量よりも大きくなる。したがって、ロック解除を意図しない外部からの操作がワイヤに対してなされた場合には、ワイヤがロック機構のロック解除に作用しにくくなる。その結果、外部操作によるロック解除を困難にすることができる。
本発明における鞍乗型車両としてスクータを例にとり、以下にそのロック解除装置について説明する。なお、ロック及びロック解除の対象である車両構成部材としては、シートを例にとって説明する。
以下、図面を参照して本発明の実施例1について説明する。
図1は、実施例1に係るロック解除機構を備えたスクータの概略構成を示す全体図であり、図2は、ロック機構の概略構成を示す図である。なお、図1においては、外形を二点鎖線で示してある。
図1は、実施例1に係るロック解除機構を備えたスクータの概略構成を示す全体図であり、図2は、ロック機構の概略構成を示す図である。なお、図1においては、外形を二点鎖線で示してある。
<鞍乗型車両(スクータ)>
スクータ1は、メインフレーム3と、ヘッドパイプ5と、フロントフォーク7と、前輪9と、ステアリングハンドル11と、燃料タンク13と、動力伝達装置15と、後輪17と、リアサスペンション19と、エンジン21とを備えている。
スクータ1は、メインフレーム3と、ヘッドパイプ5と、フロントフォーク7と、前輪9と、ステアリングハンドル11と、燃料タンク13と、動力伝達装置15と、後輪17と、リアサスペンション19と、エンジン21とを備えている。
メインフレーム3は、主要な構成を固定するものである。ヘッドパイプ5は、メインフレーム3の前端部に設けられ、フロントフォーク7を左右に揺動可能に保持している。前輪9は、フロントフォーク7の下端部に回転可能に取り付けられている。ステアリングハンドル11は、フロントフォーク7の上部に取り付けられている。燃料タンク13は、走行に必要な燃料を貯留するものであり、メインフレーム3の後端部に取り付けられている。動力伝達装置15は、メインフレーム3の後部下方に配置され、メインフレーム3に対して揺動可能に取り付けられている。後輪17は、動力伝達装置15の後端部に配置され、動力伝達装置15に回転可能に取り付けられている。リアサスペンション19は、動力伝達装置15の後端部に配置され、メインフレーム3と動力伝達装置15との間に挟まれた状態で取り付けられている。駆動力を発生するエンジン21は、メインフレーム3と動力伝達装置15との間に配置され、エンジン21で生じた駆動力は、動力伝達装置15を介して後輪17に伝達される。
メインフレーム3及びエンジン21の上方であって、燃料タンク13の前側には、シート23が設けられている。シート23の下部には、収納ボックス25が設けられている。シート23は、搭乗者が着座するものであり、収納ボックス25は、搭乗者が物を収納するために利用される。なお、シート23は、水平方向に向けられた揺動軸を前側に備え、揺動軸を中心に回転することで上方に大きく開放できる。
シート23の後部には、シート23をロックするロック機構29が配置されている。具体的には、側面視において、シート23の前後方向における中心よりも後方に位置する部分と上下方向で重なる位置にロック機構29が配置されている。ロック機構29の構成については詳細を後述する。また、ヘッドパイプ5には、メインスイッチ31固定されている。メインスイッチ31は、ステアリングハンドル11の下端よりも下方に配置されている。メインスイッチ31は、ヘッドパイプ5の前端よりも後方に配置されている。このメインスイッチ31は、スクータ1の電源を操作するためのものである。メインスイッチ31には、ロック解除機構33が設けられている。ロック機構29とロック解除機構33とは、ワイヤ35で接続されている。ワイヤ35は、ロック機構29からロック解除機構33までメインフレーム3に沿って配置されている。なお、図示省略してあるが、ワイヤ35は、ワイヤ35の外形よりやや大きな内径を備えたチューブに通されており、ワイヤ35が円滑に移動するようになっている。
上述したロック機構29は、シート23に形成されたシートフック37の下方に配置されている。シートフック37は、シート23をロック機構29により固定するためのものであり、シート23の下面に設けられている。
なお、上記のロック機構29が本発明における「ロック装置」に相当する。
<ロック機構>
ロック機構29は、案内溝39と、ロック機構フック41と、回動部材43と、バネ45と、第1の位置規制ブロック47と、第2の位置規制ブロック49とを備えている。案内溝39は、シートフック37をロック機構フック41へと案内する。ロック機構フック41は、U字状を呈する係止爪51と、係止爪51のうちの下部側の先端部であって、U字溝側に形成された凹部53とを有する。ロック機構フック41は、揺動軸P1周りに揺動自在に取り付けられている。
ロック機構29は、案内溝39と、ロック機構フック41と、回動部材43と、バネ45と、第1の位置規制ブロック47と、第2の位置規制ブロック49とを備えている。案内溝39は、シートフック37をロック機構フック41へと案内する。ロック機構フック41は、U字状を呈する係止爪51と、係止爪51のうちの下部側の先端部であって、U字溝側に形成された凹部53とを有する。ロック機構フック41は、揺動軸P1周りに揺動自在に取り付けられている。
回動部材43は、案内溝39を挟んだロック機構フック41の反対側に設けられている。回動部材43は、ロック機構フック41の凹部53と係合して、ロック機構フック41を係止する係止部55を備えている。回動部材43は、揺動軸P2周りに揺動自在に取り付けられている。また、回動部材43は、係止部55の反対側であって、揺動軸P2より下方の一部位にワイヤ35の一端側が取り付けられている。
バネ45は、回動部材43とロック機構フック41とに接続されている。詳細には、バネ45は、ロック機構フック41の揺動軸P1より下部と、回動部材43の揺動軸P2より下部とに両端部が接続されている。したがって、ロック機構フック41は、時計回りに引っ張られ、回動部材43は、反時計回りに引っ張られる。しかし、第1の位置規制ブロック47は、ロック機構フック41を図1に示す姿勢に維持し、第2の位置規制ブロック49は、回動部材43を図1に示す姿勢に維持する。
なお、上述したバネ45が本発明における「ロック機構側バネ部材」に相当する。
この図1に示す状態でシート23が閉められると、シートフック37が案内溝39に案内されてロック機構フック41を押し下げる。すると、下側の係止爪51が回動部材43を回転させ、係止部55に凹部53がはまり込み、その状態で安定し、シート23が閉止された状態でロックされる。詳細は後述するが、ロックを解除するには、ワイヤ35をロック解除方向ULDに引っ張ればよい。すると、回動部材43が時計回りに回転され、回動部材43とロック機構フック41との係合が解かれて、ロック機構フック41が時計回りに回転し、シートフック37がロック機構フック41から解放される。
<ロック解除機構>
次に、図3〜図7を参照してロック解除機構33について説明する。なお、図3は、ロック解除機構の縦断面図であり、図4は、アッパケースを示し、(a)は縦断面図を、(b)は底面図を、(c)は側面図であり、図5は、ロッドを示し、(a)は側面図を、(b)は底面図を、(c)は(a)とは異なる方向から見た側面図であり、図6は、ロアケースを示し、(a)は平面図を、(b)は縦断面図を、(c)は側面図であり、図7は、レバーを示し、(a)は側面図を、(b)は底面図を、(c)は(a)とは異なる方向から見た側面図である。
次に、図3〜図7を参照してロック解除機構33について説明する。なお、図3は、ロック解除機構の縦断面図であり、図4は、アッパケースを示し、(a)は縦断面図を、(b)は底面図を、(c)は側面図であり、図5は、ロッドを示し、(a)は側面図を、(b)は底面図を、(c)は(a)とは異なる方向から見た側面図であり、図6は、ロアケースを示し、(a)は平面図を、(b)は縦断面図を、(c)は側面図であり、図7は、レバーを示し、(a)は側面図を、(b)は底面図を、(c)は(a)とは異なる方向から見た側面図である。
ロック解除機構33は、メインスイッチ31と同軸に組み込まれている。具体的には、メインスイッチ31の奥側に設けられている。メインスイッチ31は、キー操作部57と、アッパケース59と、ロッド61と、ロアケース63と、レバー65と、スイッチ部67と、ぜんまいバネ69とを備えている。
キー操作部57は、搭乗者によってイグニションキー71が差し込まれ、電源のオン/オフ操作や、シートロックの解除操作が行われる。図3中において、反時計回り(矢印A方向)へのイグニションキー71の操作がシート23の解放(ロック解除)を意味し、時計回り(矢印B方向)へのイグニションキー71の回転が電源のオンを意味する。キー操作部57の下部には、アッパケース59とロアケース63とが設けられている。ロアケース63は、ロッド61の下部と、レバー65と、ぜんまいバネ69とをアッパケース59との間に位置させるようにアッパケース59に嵌め付けられている。ロアケース63は、その下部に、ロッド61の回転に応じてスイッチングを行うことができるように、スイッチ部67を設けられている。
アッパケース59は、図4に示すように、突出部73と、ベース部75とを備えている。突出部73は、スクータ1のシート23に着座した搭乗者側に向かって突出して形成されている。突出部73は、ロッド71が長手方向に挿入される貫通穴77を形成されている。ベース部75は、内部に収納部79が形成されている。収納部79は、ロアケース63を収納する。収納部79の外周壁のうち、平面視で対向する一対の部位には、係合穴81が形成されている。また、収納部79の外周壁の一部位には、スリット穴83が形成されている。このスリット穴83は、収納部79から外部に貫通して形成され、収納部79の外周壁の高さ方向にわたって長く形成されている。スリット穴83は、ワイヤ35が通される。
ロッド61は、図5に示すように、軸部85と、突起部87と、鐔部89と、操作部91と、スリット部93を備えている。軸部85は、アッパケース59の貫通穴77に挿入される。軸部85の外径は、貫通穴77の内径よりも若干小さく形成されている。突起部87は、軸部85の外周面の一部位から外側に突出して形成されており、レバー65に接触してレバー65を回転させる。鐔部89は、軸部85及び操作部91よりも外径が大きく突出して形成されている。鐔部89は、ロッド61がロアケース63に安定して位置するように設けられている。操作部91は、スイッチ部67のロータリスイッチ(不図示)を回転させる。スリット部93は、操作部71から突起部87近くにまで形成された縦長状の溝である。この部分には、ぜんまいバネ69の中心側に位置する一端側が取り付けられる。
ロアケース63は、図6に示すように、バネ収納部95と、スイッチ収納部97とを備えている。バネ収納部95は、スイッチ収納部97よりも外径が大きく形成されている。スイッチ収納部97は、内部にスイッチ部67を収納する。バネ収納部95は、バネ収納室99と、軸穴101と、スリット穴103と、レバー軸穴105と、係合突起107とを備えている。バネ収納室99は、ぜんまいバネ69を、その螺旋の中心が軸穴101側になるように配置される。軸穴101は、ロッド61の操作部91が挿入される。スリット穴103は、アッパケース59のスリット穴83と同様にワイヤ35が通される。レバー軸穴105は、軸穴101から外周方向に離間して形成され、レバー65を回転可能に支持する。係合突起107は、バネ収納部95の外周面において、平面視で対向する一対の部位に形成されている。これらの係合突起107は、アッパケース59の係合穴81に係合され、これによりロアケース63がアッパケース59に取り付けられる。
なお、上述したアッパケース59とロアケース63とが本発明における「ケーシング」に相当する。
レバー65は、図7に示すように、回転片109と、回転軸芯111とを備えている。回転片109は、ロッド61の突起部87に接触されて回転される。回転軸心111は、ロアケース63のレバー軸穴105に挿入される。また、回転軸芯111は、溝113が形成されている。この溝113は、ワイヤ35の直径よりも若干大きな幅を有する。つまり、ワイヤ35は、溝113を抵抗少なく通り抜けて移動することができる。なお、レバー65は、溝113をワイヤ35が抵抗少なく通り抜けられる「開放状態」と、溝113をワイヤ35が通り抜けにくい「規制状態」とにわたって、ロッド61の回転により切り替えられる。
上述したように各部が構成され、ワイヤ35の一端側が外周端の一端側に接続されたぜんまいバネ69と、ぜんまいバネ69の他端側が取り付けられたロッド61と、ワイヤ35が溝113に通されたワイヤレバー65とがロアケース63に配置された状態で、ロアケース63がアッパケース59に取り付けられる。また、ワイヤ35の他端側は、上述したロック機構29の回動部材43に接続される。組み立てられた状態では、ロッド61が回転軸P3を中心に回転可能であり、レバー65が軸芯P4を中心に回転可能になっている。
詳細は後述するが、ロック解除は、主としてロッド61の突起部87と、溝113を有するレバー65とで行われるので、ロック解除機構33を比較的簡単な構成とすることができ、コストを抑制することができる。
上述したぜんまいバネ69は、そのバネ定数が、ロック機構29のバネ45よりも小さく設定されている。換言すると、ロック機構39のバネ45は、ぜんまいバネ69よりもバネ定数が大きいものが使用されており、それらを同じ長さとした場合に同じ荷重をかけると、ぜんまいバネ69の方がバネ45よりも長く伸びる。したがって、ロック解除機構33のぜんまいバネ69がロック機構29のロックを解除してしまうという誤作動を防止できる。
なお、上述したぜんまいバネ69とレバー65とが本発明における「支持機構」に相当する。また、ぜんまいバネ69が本発明における「バネ部材」に相当する。また、ロッド61が本発明における「回転軸」に相当する。
<ロック解除の動作説明>
次に、図8を参照して、上述したロック解除機構33の動作について説明する。なお、図8は、実施例1に係るロック解除機構の動作説明図であり、(a)は開放状態を示し、(b)はロッドとレバーの位置関係を示し、(c)〜(d)は規制状態への過程を示す図である。
次に、図8を参照して、上述したロック解除機構33の動作について説明する。なお、図8は、実施例1に係るロック解除機構の動作説明図であり、(a)は開放状態を示し、(b)はロッドとレバーの位置関係を示し、(c)〜(d)は規制状態への過程を示す図である。
初期状態としては、既にシート23がロック機構29によってロックされ、搭乗者がイグニションキー71をメインスイッチ31に挿入してオフとしているか、またはイグニションキー71をメインスイッチ31に挿入していない状態であるものとする。つまり、図3のように、メインスイッチ31がオフの位置にあるものとする。
このとき、ロッド61の突起部87は、平面視で図8(b)に示すようにレバー65に接しているだけである。詳細には、ロッド61の突起部87は、レバー65の回転片109に当接した状態である。このとき、レバー65は、ロック解除機構33から外部へのワイヤ35の引き出し方向にその溝113が向いており、「解放状態」となっている。換言すると、溝113の向きと、ワイヤ35の外部への引き出し方向とがほぼ一致している。したがって、例えば、ワイヤ35が張られた方向に直交する方向に、外部からワイヤ35が押したり引かれたりすると、レバー65の溝113をワイヤ35が通過するとともに、ぜんまいバネ69が伸びる。その結果、ワイヤ35は、外部から操作された部分からロック解除方向ULDとは反対側に引き出されることになり、ロック機構29側のワイヤ35がロック解除方向ULDに引っ張られ難い。したがって、搭乗者やスクータ1の所有者以外の者が、イグニションキー71の操作によりロックを解除せずに、外部からワイヤ35を直接的に操作しても、ワイヤ35がロック機構29のロック解除に作用しにくい。なお、ロック解除機構33がぜんまいバネ69を備えているので、引き出されたワイヤ35がぜんまいバネ69により引き戻される。したがって、外部からワイヤ35が操作されても、ワイヤ35がたるむことなく元に戻るので、意図した際のロック解除が容易にできる。
一方、搭乗者またはスクータ1の所有者がイグニションキー71を操作して、メインスイッチ31をOPEN方向へ回したとする。すると、イグニションキー71の回転に応じて、ロッド61が軸芯P3周りに回転する(図8(b))。したがって、レバー65が図8(c)〜図8(e)のように軸芯P4周りに回転してゆく。その結果、ワイヤ35の外部への引き出し方向に対して溝113の向きが大きな角度を有する姿勢とされるので、ワイヤ35がロック解除方向ULDに引っ張られる。そして、ロック機構29のロック解除が行われる。
上述したように、本実施例にかかるロック解除機構33は、ロック機構29のロック解除に必要なワイヤ35の操作量が、ワイヤ35が張られた方向と直交する方向からワイヤ35を押し引きすることによるロック解除に必要な操作量よりも小さくされている。換言すると、不適正な操作によるロック解除に必要なワイヤ35の操作量は、適正な操作によるロック解除に必要な操作量よりも大きくなっている。したがって、ロック解除を意図しない外部からの操作がワイヤ35に対してなされた場合には、ワイヤ35がロック機構29のロック解除に作用しにくくなる。その結果、外部操作によるロック解除を困難にすることができる。
また、本実施例は、ロック解除機構33がぜんまいバネ69を備えているので、ワイヤ35をロック解除方向ULDに巻き取ることができる。したがって、ワイヤ35の可動域を確保し易くできる。また、ぜんまいバネ35が螺旋状であるので、ロック解除機構33を小型化しやすい。さらに、ロック解除機構33がメインスイッチ31のロッド61に設けられているので、メインスイッチ31周りの小型化に貢献できる。また、ロック解除機構33がメインスイッチ31のアッパケース59とロアケース63とからなるケーシング内に収められているので、組み立て性を高くできる。
次に、図面を参照して本発明の実施例2について説明する。図9は、実施例2に係るロック解除機構の概略構成図である。なお、上述した実施例1と同じ構成については同符号を付すことで詳細な説明については省略する。
<ロック解除機構>
本実施例のロック解除機構33Aは、ロッド61Aと、揺動片115とを備えている。ロッド61Aは、その外周面から突出し、ロッド61Aの外周面から離れた位置に公転片117を備えている。公転片117は、ロッド61Aの回転に伴ってロッド61Aの周りを回転する。揺動片115は、ワイヤ35とロッド61Aとの間に配置された軸芯P5周りに揺動する。揺動片115は、ある程度の剛性を備え、かつ、ある程度の弾性を有する部材で構成されている。また、揺動片115は、押圧部119と、係止突起121と、周突起123とを備えている。押圧部119は、公転片117の回転により押圧される。係止突起121は、押圧部119の反対側であって軸芯P5側に形成され、揺動片115からワイヤ35側へ突出して形成されている。また、係止突起121は、空洞部125を備えている。周突起123は、軸芯P5から離れた位置に形成され、軸芯P5の周方向(ワイヤ35側)に突出して形成されている。
本実施例のロック解除機構33Aは、ロッド61Aと、揺動片115とを備えている。ロッド61Aは、その外周面から突出し、ロッド61Aの外周面から離れた位置に公転片117を備えている。公転片117は、ロッド61Aの回転に伴ってロッド61Aの周りを回転する。揺動片115は、ワイヤ35とロッド61Aとの間に配置された軸芯P5周りに揺動する。揺動片115は、ある程度の剛性を備え、かつ、ある程度の弾性を有する部材で構成されている。また、揺動片115は、押圧部119と、係止突起121と、周突起123とを備えている。押圧部119は、公転片117の回転により押圧される。係止突起121は、押圧部119の反対側であって軸芯P5側に形成され、揺動片115からワイヤ35側へ突出して形成されている。また、係止突起121は、空洞部125を備えている。周突起123は、軸芯P5から離れた位置に形成され、軸芯P5の周方向(ワイヤ35側)に突出して形成されている。
なお、上述したぜんまいバネ69と揺動片115とが本発明における「支持機構」に相当する。
<ロック解除の動作説明>
次に、図10を参照して、上述したロック解除機構33の動作について説明する。なお、図10は、実施例2に係るロック解除機構の動作説明図であり、(a)は開放状態を示し、(b)〜(d)は規制状態への過程を示す図である。
次に、図10を参照して、上述したロック解除機構33の動作について説明する。なお、図10は、実施例2に係るロック解除機構の動作説明図であり、(a)は開放状態を示し、(b)〜(d)は規制状態への過程を示す図である。
初期状態としては、既にシート23がロックされ、搭乗者がイグニションキー71をメインスイッチ31に挿入してオフとしているか、またはイグニションキー71をメインスイッチ31に挿入していない状態であるものとする。
このとき、ロッド61Aの公転片117は、図10(a)に示すように、揺動片115の押圧部119に接しているだけであり、係止突起121はワイヤ35に対して圧力を加えていない)(「開放状態」)。したがって、例えば、ワイヤ35が張られた方向に直交する方向に、外部からワイヤ35が押したり引かれたりすると、揺動片115の係止突起121とケーシングとの間をワイヤ35が通過するとともに、ぜんまいバネ69が伸びる。その結果、ワイヤ35は、外部から外部から操作された部分からロック解除方向ULDとは反対側に引き出されることになり、ロック機構29側のワイヤ35がロック解除方向ULDに引っ張られ難い。
一方、搭乗者またはスクータ1の所有者がイグニションキー71を操作して、メインスイッチ31をOPEN方向へ回したとする。すると、イグニションキー71の回転に応じて、ロッド61Aが回転し、これに応じて公転片117も回転してゆく。したがって、揺動片115が図10(b)〜図10(d)に示すように、軸芯P5周りに揺動してゆく。すると、ワイヤ35のぜんまいバネ69側の一部位が係止突起121で固定され、次に、空洞部125がつぶされつつ、周突起123によりワイヤ35がたたみ込まれる(「規制状態」)。その結果、ワイヤ35がロック解除方向ULD側へ引っ張られる。そして、ロック機構29のロック解除が行われる。
本実施例の構成であっても、上述した実施例1と同様の効果を奏することができる。さらに、ワイヤ35を揺動片115とケーシングで直接的に把持しているので、ワイヤ35をロック解除方向ULDに確実に移動させることができる優位点を備えている。
また、ロック解除機構33Aによるロック解除は、主としてロッド61Aの公転片117と、揺動片115とで行われるので、ロック解除機構33Aを比較的簡単な構成とすることができ、コストを抑制することができる。また、周突起123の突出度合いを調整することで、ワイヤ35をたたみ込む長さを微調整できるので、ロック機構29が変更されたり、ワイヤ35の長さが変更されたりしても、比較的容易に対応することができる。
ここで、参考のために従来例の操作量について、図12を参照にして説明する。なお、図12(a)、(b)は、従来技術における操作量について説明する模式図である。
図12では、ワイヤ35の両端部の一端側をW1とし、他端側がW2とし、他端側W2を一端側W1に移動させることでロック解除が可能であるものとする。適正な操作では、ワイヤ35の他端部W2を位置P1まで移動させることでロック解除される。一方、外部操作によるロック解除では、ワイヤ35を垂直に押し込んで、ワイヤ35の他端部W2を位置P1まで移動することでロック解除される。このときの適正な操作による操作量はop1であり、不適正な操作による操作量はop2である(図12(a))。
上記の操作量op1,op2との大小関係を理解しやすくするために、図12(b)を参照する。この図12(b)では、ロック解除のためにワイヤ35の他端部W2を一端部W1まで移動させている。このとき、適正な操作量は、ワイヤ35の一端部W1と他端部W2の長さ(図中ではop1=W1−W2と表記)である。一方、不適正な操作による操作量は、ワイヤ35の一端部W1と他端部W2の長さの半分(図中では、op2=(W1−W2)/2と表記)となる。つまり、不適正な操作による操作量op2<適正な操作による操作量op1となるので、従来技術では、外部操作により容易にロック解除されることが分かる。そのため、上述したような本発明の技術的な意義が明確であることが分かる。
本発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上述した各実施例1,2では、支持機構がぜんまいバネ69を備えている。しかしながら、本発明はぜんまいバネ69が必須要件ではない。つまり、例えば、図11に示す構成としてもよい。なお、図11は、変形例に係るロック解除機構の概略構成図である。
変形例に係るロック解除機構33Bは、実施例2におけるぜんまいバネ69に代えてコイルバネ69Bを備えている。この場合、メインスイッチ31のケーシングが、コイルバネ69Bの一端部の大きさ分だけ突出するので、スペース効率は上記実施例1,2に比較すると悪くなる。しかし、上記実施例1,2と同様の効果を奏することができる。
(2)上述した各実施例1,2では、鞍乗型車両としてスクータ1を例にとったが、本発明は鞍乗型車両であればスクータ1以外のロック装置にも適用することができる。鞍乗型車両としては、スクータタイプ以外のモペットなどの自動二輪車、ATV(All Terrain Vehicle(全地形型車両)四輪バギー)、スノーモービルなどがある。
(3)上述した各実施例1,2では、ロック及びロック解除の対象である車両構成部材としてシート23を例にとったが、本発明はその他の車両構成部材にも適用できる。その他の車両構成部材としては、例えば、車両を持ち上げつつ位置を固定するためのメインスタンド、後輪の両側に配置された収納ボックスの蓋などがある。
(4)上述した各実施例1,2及び変形例では、ぜんまいバネ69、コイルバネ69Bをバネ部材として採用している。しかしながら、本発明のバネ部材はこれらに限定されるものではなく、例えば、板バネなどを採用してもよい。
1 … スクータ
3 … メインフレーム
5 … ヘッドパイプ
25 … 収納ボックス
29 … ロック機構
31 … メインスイッチ
33 … ロック解除機構
35 … ワイヤ
37 … シートフック
39 … 案内溝
41 … ロック機構フック
43 … 回動部材
45 … バネ
ULD … ロック解除方向
59 … アッパケース
61 … ロッド
63 … ロアケース
65 … レバー
69 … ぜんまいバネ
87 … 突起部
3 … メインフレーム
5 … ヘッドパイプ
25 … 収納ボックス
29 … ロック機構
31 … メインスイッチ
33 … ロック解除機構
35 … ワイヤ
37 … シートフック
39 … 案内溝
41 … ロック機構フック
43 … 回動部材
45 … バネ
ULD … ロック解除方向
59 … アッパケース
61 … ロッド
63 … ロアケース
65 … レバー
69 … ぜんまいバネ
87 … 突起部
Claims (15)
- 鞍乗型車両のロック装置であって、
車両構成部材の動作をロックするロック機構と、
前記ロック機構に接続されたワイヤと、
前記ワイヤを前記ロック機構のロック解除方向へ操作することにより前記ロック機構のロックを解除するロック解除機構と、
を備え、
前記ロック解除機構は、前記ロック解除機構によるロック解除に必要な前記ワイヤの操作量が、前記ワイヤが張られた方向と直交する方向から前記ワイヤを押し引きすることによるロック解除に必要な操作量よりも小さくされている鞍乗型車両のロック装置。 - 請求項1に記載の鞍乗型車両のロック装置において、
前記ロック解除方向とは異なる方向へ前記ワイヤを移動可能に支持する支持機構をさらに備え、
前記支持機構は、前記ロック解除方向と異なる方向へ前記ワイヤを移動可能に支持する開放状態と、前記ロック解除方向と異なる方向への前記ワイヤの移動を規制するように前記ワイヤを支持する規制状態と、に切り替え可能に設けられ、搭乗者の操作に基づいて前記規制状態に切り替えられる鞍乗型車両のロック装置。 - 請求項2に記載の鞍乗型車両のロック装置において、
前記支持機構は、前記ロック解除方向へ前記ワイヤを引っ張るバネ部材をさらに備え、
前記バネ部材は、前記ロック機構のロックを解除するのに必要な力よりも小さな力で前記ワイヤを引っ張るように設けられている鞍乗型車両のロック装置。 - 請求項2に記載の鞍乗型車両のロック装置において、
前記支持機構は、前記ロック解除方向へ前記ワイヤを巻き取るぜんまいバネをさらに備え、
前記ぜんまいバネは、前記ロック機構のロックを解除するのに必要な力よりも小さな力で前記ワイヤを巻き取るように設けられている鞍乗型車両のロック装置。 - 請求項4に記載の鞍乗型車両のロック装置において、
イグニションキーにより回転される回転軸に設けられ、電源を操作するメインスイッチをさらに備え、
前記ぜんまいバネは、前記回転軸と同軸に配置されている鞍乗型車両のロック装置。 - 請求項1から5のいずれかに記載の鞍乗型車両のロック装置において、
搭乗者が着座するためのものであって、開閉自在に構成され、開閉側に係合部を設けられたシートをさらに備え、
前記ロック機構は、前記係合部と係合するフック部材と、前記フック部材を前記係合部との係合を解除する方向に付勢するロック機構側バネ部材と、前記フック部材が前記係合部と係合された状態で、前記フック部材を係止し、この係止を維持する方向に前記ロック機構側バネ部材で付勢され、前記ワイヤが接続された回動部材とを備え、
前記ロック解除機構は、前記回動部材の係止を維持する方向とは逆方向に向かって前記ワイヤを引っ張ることでロック解除を行う鞍乗型車両のロック装置。 - 請求項6に記載の鞍乗型車両のロック装置において、
前記ロック機構側バネ部材は、前記支持機構のバネ部材よりもバネ定数が大きく設定されている鞍乗型車両のロック装置。 - 請求項6または7に記載の鞍乗型車両のロック装置において、
前記ロック機構は、前記シートの前端よりも後方に配置され、
前記ロック解除機構は、前記シートの前端よりも前方に配置されている鞍乗型車両のロック装置。 - 請求項1から7のいずれかに記載の鞍乗型車両のロック装置において、
前記ロック機構は、前記ロック解除機構に対して離間して配置されている鞍乗型車両のロック装置。 - 請求項5から9のいずれかに記載の鞍乗型車両のロック装置において、
前記支持機構は、前記メインスイッチの回転に連動して前記開放状態と前記規制状態とに切り替えられる鞍乗型車両のロック装置。 - 請求項2から10のいずれかに記載の鞍乗型車両のロック装置において、
前記支持機構は、ロック解除の際に、ロック解除方向と異なる方向への前記ワイヤの移動に対する抵抗を大きくする鞍乗型車両のロック装置。 - 請求項2から10のいずれかに記載の鞍乗型車両のロック装置において、
前記ロック解除機構は、ロック解除の際に、前記ワイヤを直接的に把持する鞍乗型車両のロック装置。 - 請求項5から12のいずれかに記載の鞍乗型車両のロック装置において、
前記支持機構及び前記ロック解除機構は、前記メインスイッチのケーシング内に配置されている鞍乗型車両のロック装置。 - 請求項1から13のいずれかに記載の鞍乗型車両のロック装置において、
前記ロック解除機構は、前記回転軸の外周面に突出して形成された突起部と、前記回転軸の外周方向に離間して配置されたレバーとを備え、
前記レバーは、回転中心に前記ワイヤの直径より大きな幅の溝を備え、前記ワイヤが前記溝に通されて取り付けられ、
前記回転軸が非回転である場合に前記ワイヤが引っ張られた場合には、前記溝を前記ワイヤが通り抜け、前記回転軸が回転された場合には、前記突起部が前記レバーを回転させ、前記溝で前記ワイヤを係止して前記ロック機構のロック解除方向へ前記ワイヤを引っ張る鞍乗型車両のロック装置。 - 請求項1から13のいずれかに記載の鞍乗型車両のロック装置において、
前記ロック解除機構は、前記回転軸の外周面から突出し、前記回転軸の周りを公転する公転片と、前記回転軸側に揺動軸を備えた揺動片とを備え、
前記揺動片は、前記ロッドで押圧される押圧部と、前記押圧部の反対側であって前記揺動軸側に形成され、前記押圧部が押圧された際に前記ワイヤを係止する係止突起と、前記揺動軸から離れた位置に形成され、前記揺動軸の周方向に突出して形成された周突起とを備え、
前記回転軸が非回転である場合に前記ワイヤが引っ張られた場合には、前記揺動片の係止突起側を前記ワイヤが通り抜け、前記回転軸が回転された場合には、前記公転片が前記揺動片を揺動させ、前記係止突起で前記ワイヤの一部位を固定し、前記固定された一部位から前記ロック機構側の前記ワイヤの一部を前記周突起で前記ワイヤをたたみ込んで前記ワイヤを引っ張る鞍乗型車両のロック装置。
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