JP2015116349A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】演出を再現する機能を備える遊技機であって、演出の再現機能に対する遊技者側の注目度が高く、その再現機能の利用頻度が高い遊技機を提供すること。
【解決手段】スロットマシン1は、複数種類の演出を実行する演出実行手段と、予め定められた条件が成立した場合に遊技者に有利な特典を付与する特典付与手段と、演出実行手段にて実行した演出を特定可能な実行演出情報を記憶する実行演出情報記憶手段と、遊技者が操作する操作手段と、通常状態において操作手段が遊技者により操作された場合に、実行演出情報記憶手段が記憶している実行演出情報に対応した元の演出をそのまま再現する一方、通常状態よりも特典の期待度が高い特別状態において操作手段が遊技者により操作された場合には、実行演出情報に対応した元の演出とは異なる特別演出を実行する演出再現手段と、を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、遊技進行中に各種の演出を実行する遊技機に関する。
近年、スロットマシンやパチンコ遊技機などの遊技機の分野では、遊技者に対して様々な演出を行なう遊技機が一般的となっている。遊技機が実行する演出としては、例えば、ボーナスゲームの当選に対する遊技者の期待感を高揚するための演出などがある。遊技中には、遊技者の期待感を高揚する演出が実行された後、確定報知等によってボーナスゲームの当選が確定することがある。
遊技者側の要望として、ボーナスゲームに当選したときの演出を再確認したいという要望がある。このような要望に応える技術として、実行済みの演出を遊技者に対して再現する遊技機が提案されている(例えば特許文献1参照。)。実行済みの演出を再現可能な遊技機であれば、遊技者が理解しにくい複雑な内容の演出や、出現頻度の低い演出等を再確認したいという遊技者側の要望に応えることも可能である。
特開2008−188103号公報
しかしながら、遊技機が演出の再現機能を備えていても、演出を見慣れた遊技者や演出の再現に対する注目度が低い遊技者等の場合、演出の再現機能がそれほど有用ではなく、再現機能を十分に活用しないという問題がある。
本発明は、演出を再現する機能を備える遊技機であって、演出の再現機能に対する遊技者側の注目度が高く、その再現機能の利用頻度が高い遊技機を提供するための発明である。
本発明は、複数種類の演出を実行する演出実行手段と、
予め定められた条件が成立し、前記演出実行手段が遊技者への特典の付与に対応した演出を実行した場合に、遊技者に有利な特典を付与する特典付与手段と、
前記演出実行手段にて実行した演出を特定可能な実行演出情報を記憶する実行演出情報記憶手段と、
遊技者が操作する操作手段と、
通常状態において前記操作手段が遊技者により操作された場合に、前記実行演出情報記憶手段が記憶している前記実行演出情報に対応した演出を再現する一方、前記特典を遊技者に付与することが確定している状態、又は前記通常状態よりも前記特典を遊技者に付与する期待度が高い状態である特別状態において前記操作手段が遊技者により操作された場合には、前記実行演出情報に対応した演出とは異なる特別演出を実行する演出再現手段と、を備えたことを特徴とする遊技機にある(請求項1)。
本発明の遊技機においては、遊技者が演出を再現するための操作をしたとき、特典付与が確定しているか特典の期待度が高い特別状態であれば、元の演出とは異なる特別演出が実行される。この遊技機の遊技では、演出を再現させようとする遊技者だけでなく、特典付与が発生するか否かを推測したいと考える遊技者も操作手段を操作するようになると期待できる。
つまり、本発明の遊技機では、演出を再現する機能が元の演出の単なる再現に留まらず、遊技結果と連携して演出を再現する機能が動作するという新たな遊技性が実現されている。この遊技機によれば、演出を再現する機能に対する遊技者の注目度を高くでき、遊技者による演出再現機能の利用頻度を高めることが可能である。
本発明の遊技機としては、遊技媒体(遊技価値)である玉を使用(発射)して遊技されるパチンコ遊技機や、所定の入賞図柄が停止表示されたときに入賞を発生させるスロットマシン等がある。パチンコ遊技機としては、入賞に応じて玉を払い出すタイプであっても良い。また、ポイントを使用して玉を発射し入賞に応じてポイントが付与される、いわゆる封入式のパチンコ遊技機であっても良い。封入式のパチンコ遊技機においては、ポイントが遊技価値として機能し、玉が遊技媒体として機能する。スロットマシンとしては、メダルやコイン等を遊技媒体(遊技価値)として利用して遊技されるタイプであっても良いが、メダル等を使用せず遊技価値としてのポイントを使用して(賭けて)遊技でき、入賞したときにポイントが付与される、いわゆる完全クレジット式のスロットマシンであっても良い。遊技媒体として玉を使用するパロット(R)であっても良い。
本発明において遊技者に付与する特典としては、大当たりやボーナスゲーム等の特賞状態のほか、特賞状態の確率が高くなる確変状態など遊技者にとって有利な状態が考えられる。さらに、パチンコ遊技機であれば、例えば、電動チューリップの開放時間及び頻度が高くなる時短状態等がある。スロットマシンであれば、入賞させるためのストップボタンの押順(操作順)が報知されるAT状態や、リプレイゲームの発生頻度が高くなりメダルの持ちが良くなるRT状態(リプレイタイム)等がある。
本発明における好適な一態様の遊技機は、図柄変動を実行する図柄変動実行手段と、
予め定められた回数の図柄変動を1周期として設定する周期設定手段と、
前記1周期が経過した場合に前記特典を付与するか否かを遊技者に報知する報知手段と、を備え、
前記実行演出情報記憶手段は、前記1周期が終了した場合に記憶している前記実行演出情報を消去する(請求項2)。
この場合には、周期毎に実行演出情報を記憶し直すことで、新たな演出を実行させて実行演出情報を記憶させようと考える遊技者を増やすことができ、遊技者側の遊技意欲を高めることができる。また、周期毎に実行演出情報を消去すれば、遊技者の交代があったとき、先の遊技者の遊技に由来する実行演出情報を後の遊技者が延々と引き継いで遊技を続けるような状況を未然に回避できる。
本発明の好適な一態様の遊技機が実行する複数種類の演出には、表示キャラクタが目的を達成しようとする動画を前記演出実行手段に表示する目的演出が含まれ、
前記演出再現手段は、前記表示キャラクタが目的を達成できなかった目的演出に対応した前記実行演出情報を記憶しており、且つ前記特別状態において前記操作手段が遊技者により操作された場合、前記特別演出として、前記表示キャラクタが目的を達成する目的演出を実行する(請求項3)。
目的を達成できず失敗に終った目的演出を再現する際、目的を達成して成功する目的演出を特別演出として実行するように構成すれば、元の目的演出と特別演出とを関連付けることが可能となる。このように元の目的演出と特別演出とを関連付ける場合であれば、元の目的演出の内容と特別演出が全く関係ない場合に比べ、特別演出に対する遊技者の注目度を高くできる。また、例えば周期毎に演出実行情報を消去する構成を組み合わせれば、目的を達成できなかった元の目的演出に対応した実行演出情報を記憶し続けてしまうおそれを抑制できる。
本発明における好適な一態様の遊技機における演出再現手段は、遊技者により前記操作手段が操作され前記特別演出を実行した後に遊技者により前記操作手段が再び操作された場合、前記実行演出情報に対応した演出を再現する(請求項4)。
操作手段を操作した遊技者は、実行演出情報に対応する元の演出とは異なる特別演出の実行に応じて特別状態である可能性があると推定できる。しかし、元の演出をそのままもう一度見たくて操作手段を操作した遊技者の場合、不満が生じるおそれがある。そこで、特別演出の実行後に再び操作手段が操作されたときには実行演出情報に対応する元の演出をそのまま実行するように構成すれば、上記のような遊技者側の不満を解消できる。
本発明における好適な一態様の遊技機における演出再現手段は、通常状態において前記操作手段が遊技者により操作された場合に前記特別演出を実行することがあると共に、前記特別状態において前記操作手段が遊技者により操作された場合に前記実行演出情報記憶手段が記憶している前記実行演出情報に対応した演出を再現することがある一方、
前記特別状態では、前記操作手段が遊技者により操作されたときに前記特別演出が実行される確率が通常状態よりも高く設定されている(請求項5)。
この場合には、操作手段を遊技者が操作した際の特別演出の実行頻度に応じて、特典の期待度が高い特別状態であるか否かを遊技者が推定できるようになる。遊技者が特別演出の実行頻度を精度高く把握するためには、演出の再現を何度も実行させる必要があるので、演出を再現する機能の利用頻度を一層高めることができる。
本発明における好適な一態様の遊技機は、遊技価値が賭けられた状態で図柄変動を開始するために遊技者が操作する開始操作手段と、
前記開始操作手段が操作されたときに、予め定められた役の中から内部当選役を決定するための内部抽選を実行する内部抽選手段と、
前記図柄変動を停止させるために遊技者が操作する停止操作手段と、
前記停止操作手段が操作された場合に図柄変動を停止するための制御を実行する停止制御手段と、を備え、前記演出実行手段は、前記図柄変動の実行中に演出を実行する(請求項6)。
この遊技機の場合、図柄変動の停止後、次回の図柄変動が開始されるまでの間に演出の再現を実行することも良く、図柄変動中に演出の再現を実行しても良い。
実施例1における、スロットマシンの外観を示す正面図。 実施例1における、リールの外周に配置された図柄の配列を展開して示す展開図。 実施例1における、仮想的な液晶リールの図柄の配列を示す説明図。 実施例1における、表示窓を含む図柄表示部を示す正面図。 実施例1における、液晶リールの図柄を表示する図柄表示領域を示す正面図。 実施例1における、各役の入賞図柄、利益を示す説明図。 実施例1における、内部当選役抽選テーブルに規定された各小役の当選乱数の個数を示す説明図。 実施例1における、演出用の各入賞役の入賞図柄、利益を示す説明図。 実施例1における、基本遊技の流れを示す説明図。 実施例1における、タッチパネルの表示画面を例示する正面図。 実施例1における、ライブカレンダーを例示する正面図。 実施例1における、ライブカレンダーの変化を例示する図。 実施例1における、再現演出の説明図。 実施例1における、チャンスゾーンに適用するラッキー図柄マップを例示する図。 実施例1における、ATナビ画面を例示する図。
本発明の実施の形態につき、以下の実施例を用いて具体的に説明する。
(実施例1)
本例は、遊技者側の操作に応じて実行済みの演出を再現する機能を備えるスロットマシン(遊技機)1に関する例である。この内容について、図1〜図15を用いて説明する。
まず、本例のスロットマシン1の外観的な構成について、図1を参照して説明する。スロットマシン1の前面では、遊技者の顔の正面に当たる位置に大型のタッチパネル53が配置されている。タッチパネル53の上側には上部パネル12が設けられ、下側にはスロットマシン1の基部をなすベース部100が形成されている。タッチパネル53の右側下部には、入賞に応じたメダル(遊技価値をなす遊技媒体)の払出数を表示する払出数表示部551、及びクレジット数を表示するクレジット表示部552が配置されている。タッチパネル53の右側上部には、AT状態の発生中に点灯するATランプ部58が設けられている。
タッチパネル53は、液晶ディスプレイの表示画面に沿って透明なタッチスクリーンシートが積層された表示部である。タッチパネル53には、演出用のサブリールである液晶リール51や、遊技を演出する各種の演出画像等が表示される。遊技者は、タッチパネル53に表示されたアイコン等を指先等でタッチ操作可能である。
特に、本例のスロットマシン1では、実行済みの演出をリスト表示する思い出アルバム531(実行済演出リスト表示領域)や、最大120ゲームの周期中の演出予定を表示するライブカレンダー532(演出予定表示領域)等が、タッチパネル53に表示される場合がある。これらの表示内容については、後で図を参照しながら詳しく説明する。
タッチパネル53に表示される液晶リール51は、円柱形状の外周面に21個の図柄が配置された仮想的な回転リール(図2)をソフトウェア的に模擬したリールである。液晶リール51は、タッチパネル53に表示された図柄表示領域510に3つ横並びで表示される。図柄表示領域510では、各液晶リール51の図柄が3つずつ表示され、全体で3行3列の9図柄が表示される。
上部パネル12の中央には、表示窓110L、C、Rが3つ横並びで配置された図柄表示部11が設けられている。図柄表示部11の両脇の空きスペースには、ランプ部56及びスピーカ520が上下2段で配置されている。表示窓110の内側には、図柄を変動表示させるリール(図柄変動実行手段)21が1つずつ配置されている。
リール21は、円柱形状をなす回転リールである。図3のごとく、リール21の外周面には、略一定の間隔を空けて21個の図柄が配置され、リール21が回転すると、表示窓110を介して遊技者側から視認される図柄が変動する。
ベース部100は、遊技者から奥まって位置するタッチパネル53に相対して張り出すように形成され、タッチパネル53と隣り合う上端部に棚面状の操作面14を有している。ベース部100では、操作面14の下側に隣接して操作パネル13が設けられ、下端部には、受け皿15が設けられている。
操作面14の左側には、メダルを賭けるためのベットボタン64、クレジットされたメダルを受け皿15に払い出させるための精算ボタン65、及び後述するリセット処理を実行させるリセットボタン66が配置されている。操作面14の右端には、メダルを直接投入するためのメダル投入口630が配置されている。
操作パネル13には、リール21の図柄変動を開始させるためのスタートレバー(開始操作手段)62と、リール21の図柄変動を停止させるためのストップボタン(停止操作手段)61と、が配置されている。ストップボタン61としては、3つの表示窓110L、C、Rに対応する3つのストップボタン61L、C、Rがある。
スロットマシン1では、上部パネル12の3つの表示窓110L、C、Rに対して水平方向の入賞ライン101が設定されている(図4参照。)。この入賞ライン101に沿って所定の入賞図柄が停止表示されたときに入賞が発生する。
タッチパネル53に表示される図柄表示領域510の3行3列の9図柄に対しては、演出用の入賞ライン211〜214が設定されている。演出用の入賞ラインは、図5に示すごとく、中段水平方向の入賞ライン211、上段水平方向の入賞ライン212、及び対角方向の入賞ライン213、214よりなる4ラインにより構成されている。
上部パネル12の3つの表示窓110L、C、Rの入賞ライン101に沿って入賞図柄が停止していずれかの役が入賞したときには、図柄表示領域510の演出用の入賞ライン211〜214のいずれかに沿って演出用の入賞図柄が停止表示される。なお、入賞図柄の組み合わせ等については、図6及び図8を参照して後で詳しく説明する。
スロットマシン1には、各部の動作を制御する主制御基板10Mのほか、演出用のサブ基板10Sが収容されている。主制御基板10Mは、以下の(1)及び(2)の各手段としての機能を備え、サブ基板10Sは、以下の(3)〜(8)の各手段としての機能を備えている。図示は省略するが、主制御基板10M、及びサブ基板10Sには、種々の演算処理を実行するCPUのほか、プログラム等を記憶するROMや、書き換え可能な記憶素子であるRAM等が実装されている。主制御基板10M、及びサブ基板10Sでは、それぞれ、ROMから読み出したプログラムをCPUが実行することにより各手段としての機能が実現される。
(1)内部抽選手段:内部当選役を決定するための内部抽選等の抽選処理を実行する手段。
(2)停止制御手段:リール21による図柄変動を停止するための制御を実行する手段。
(3)特典付与手段:AT抽選での当選を条件としてAT状態(特典)を発生させる手段。
(4)実行演出情報記憶手段:遊技中に実行した演出を特定可能な実行演出情報を記憶する手段。
(5)周期設定手段:予め定められたゲーム数(本例では最大120ゲーム)を1周期として設定する手段。最大ゲーム数を120ゲームとした所定のゲーム数範囲を予め定めた本例に代えて、特定のゲーム数を予め固定的に定めておくことも良い。
(6)AT抽選手段:AT状態を発生させるか否かを決定するAT抽選を実行する手段。
(7)演出抽選手段:実行する演出内容を決定するための演出抽選等の抽選処理を実行する手段。
(8)内部ポイント集計手段:遊技者が獲得したポイントの累積である内部ポイントを集計する手段。スロットマシン1では、この内部ポイントが多いほど、AT抽選が当選となる期待度が高く設定される。
また、タッチパネル53は、以下の(9)〜(12)の各手段としての機能を有している。
(9)演出実行手段:演出画像を表示することで各種の演出を実行する手段。
(10)報知手段:AT抽選の結果を報知する手段。
(11)操作手段:実行済の演出を再現して実行させるために遊技者が操作する手段。
(12)演出再現手段:遊技者の操作に応じて演出を再現して実行する手段。元の演出をそのまま再現して実行する場合のほか、元の演出とは異なる特別演出を実行する場合がある。
以上のように構成されたスロットマシン1を遊技するに当たっては、ベットボタン64の有効操作によりクレジットされたメダルを賭けるか、あるいはメダル投入口630を介してメダルを直接投入する必要がある。規定数(本例では1枚)のメダルが賭けられた状態でスタートレバー62を操作すると、リール21の一斉回転に応じて図柄変動を開始してゲームをスタートできる。その後、ストップボタン61の操作によって全てのリール21を停止させたときに、入賞/ハズレが確定してゲームが終了する。入賞が発生していれば、入賞役に対応する利益が付与される。つまり、図柄変動を開始し、入賞/ハズレが確定することを1回のゲームとして遊技が進行する。
スロットマシン1では、ゲームの開始に応じて抽選用乱数が内部処理により取得される。各役の当選乱数が規定された内部抽選テーブル(図示略)に対して抽選用乱数が照合されて内部当選役が決定される。内部当選役は、その役の入賞図柄が図柄表示部11の入賞ライン101(図4)に沿って停止すれば入賞となり、停止できないと内部当選してもハズレとなる。
本例のスロットマシン1では、入賞に応じてメダルが払出される2種類の小役(1枚役、9枚役)と、メダルを投入することなく次のゲームをスタートできるリプレイ役と、が入賞役として設定されている(図6)。各役の入賞図柄としては、ゾロ目の図柄の組み合わせが設定されている。
各役の当選乱数の個数は、図7のように設定されている。9枚役には、押順に関わらず入賞可能な共通9枚役のほか、入賞させるためのストップボタン61の押順が指定されたA〜Fの6種類がある。9枚役A〜Fが内部当選したとき、その9枚役に対応する押順でストップボタン61を操作すれば必ず入賞できる一方、押順が違うとハズレとなる。9枚役A〜Fは、AT状態下で押順を報知するAT役となっている。なお、本例のスロットマシン1は、非AT状態下では左ストップボタン61Lから順番に操作させる仕様となっており、これ以外の押順で9枚役を入賞させた場合、10ゲームの間、前出のポイントを獲得できないペナルティが課されるようになっている。
図6中のいずれかの入賞図柄が入賞ライン101に停止表示されて入賞が発生したとき、図柄表示領域510の入賞ライン211〜214のいずれかに沿って演出用の入賞図柄が停止表示される。図6中の各役に対応する演出用の入賞図柄は図8のように設定されている。例えば、1枚役が内部当選したときには、入賞ライン211〜214のいずれかに沿って図柄「7」を停止表示させて揃えることができる。9枚役A〜Fが内部当選し、かつ、押順が正解の場合、入賞ライン211〜214のいずれかに沿ってベル図柄が揃う。共通9枚役が内部当選した場合、ベル図柄、リンゴ図柄、チェリー図柄のいずれかに振り分けられる。チェリー図柄及びリンゴ図柄の入賞図柄は、それぞれ、100ゲームに1回の割合で出現するように設定されている。
次に、主人公のキャラクタ(表示キャラクタ)が恋愛を成就していく恋愛シミュレーションをテーマとしたスロットマシン1の遊技性について説明する。スロットマシン1の遊技では、高校3年の主人公がクリスマスイブの「記念祭」で意中のヒロインに告白するまでを1周期として、遊技の進行に応じて恋愛が進展する(図9参照。)。1周期は、高校3年生の秋の日(11月15日)からクリスマスイブの「記念祭」までの40日間である。1周期中の各日にちに対して1〜5ゲーム程度が対応付けられ、対応付けられた1〜5ゲームを消化する毎に1日が経過する。11月15日からスタートした後、予め定められたゲーム数(最大120ゲーム)を消化したときに40日間が経過して1周期が終了する。
「記念祭」までには様々な「イベント」が設定されており、主人公はいくつかの「イベント」を経てターゲットのヒロイン(意中のヒロイン)と友好を深めていく。「記念祭」での意中のヒロインへの「告白」の成功、あるいはヒロインからの「告白」をもってAT当選が報知され、AT状態が確定して1周期が終了する。本実施例では、このようなAT当選を報知する演出は、タッチパネル53の表示を都度切り替えて行うものであり、AT当選の報知については、演出実行手段であるタッチパネル53がAT当選を報知する報知手段を備えていると言うことも可能である。
1周期中の遊技では、遊技結果に応じて遊技者にポイントが付与される場合があり、ポイントの累積である内部ポイントが多くなるほど意中のヒロインとの友好が深まって親密になっていく。したがって、内部ポイントが多くなるほど、AT抽選が当選となる期待度が高くなる。
AT抽選に当選すると「記念祭」での意中のヒロインへの「告白」の成功等によってその旨が報知され、その後、100ゲームに渡ってAT状態が発生する。一方、AT抽選にハズレとなった場合には、「告白」の失敗をもってその旨が報知されると共に、1周期の終了に応じてリセット処理がなされ、スタートライン(高校3年生の11月15日)に戻って「記念祭」に至る新たな1周期の遊技が再開される。
以上のような恋愛シミュレーションの遊技の流れに沿って、スロットマシン1の動作を詳しく説明する。恋愛シミュレーションは、タッチパネル53による演出表示を主体として進行する。「記念祭」までの1周期の遊技中では、例えば図10の表示画面がタッチパネル53に表示される。詳しくは後述するが、タッチパネル53には、演出用の液晶リール51のほか、1周期中のカレンダーであるライブカレンダー532や、ヒロインとの出来事を表示する思い出アルバム531等が表示される。
1周期のスタート時には、11月15日から「記念祭」までの40日間(図11参照。)における「イベント」の発生日が内部的に決定される。「イベント」の発生回数が多いほど、ターゲットであるヒロインと友好を深める機会が多くなってポイントを獲得できるチャンスが増えてAT抽選に当選となる期待度が高くなると共に、演出上では告白の成功率が高くなる。決定された「イベント」の少なくとも一部については、ライブカレンダー532上のマーク(笑顔マーク、びっくりマーク、ハートマークなど)により、将来的に「イベント」が発生する可能性が示唆される。
ただし、内部的に決定された「イベント」の全てがライブカレンダー532上で表示される訳ではない。非表示の「イベント」は、隠れ「イベント」として潜在的に発生したり、追加「イベント」として1周期の途中で追加的に発生することがある。
「イベント」のマークが付されていない日付に対応するゲームでベル図柄かチェリー図柄かリンゴ図柄で入賞すると、約10%程度の確率で、図12のように「イベント」の可能性を示唆するマークが増えるという変化が発生する。ライブカレンダー532上で「イベント」の回数が増えれば、上記のごとく内部ポイントの獲得期待度が高くなる。遊技者側では、ライブカレンダー532の変化に応じて期待感が高揚される。
最大120ゲームの1周期の遊技中では、今日に当たる日付がライブカレンダー532上で白抜き数字により識別表示される。「イベント」の発生日に対応するゲームで入賞役が発生した場合、恋愛を成就させるという目的を達成しようとする演出(目的演出)が実行される。なお、上記の通りライブカレンダー532には表示されない隠れ「イベント」も設定されている。隠れ「イベント」の発生日に対応するゲームで入賞役が発生すれば、上記と同様に演出が実行される。
例えば笑顔マークが付された日付に対応するゲームであれば、ヒロインをデートに誘う演出(目的演出)が実行される。この演出としては、デートに誘うという目的を達成できた成功演出と、デートを断られて目的を達成できなかった失敗演出と、がある。
成功演出が実行されるか失敗演出が実行されるかは、内部当選役を決定するための抽選用乱数を演出用の抽選テーブルと照合することにより決定される(演出抽選)。成功演出の期待度は、停止表示された演出用の入賞図柄の種類によって異なっている。例えば、笑顔マークに対応する演出の場合、成功演出の期待度はチェリー図柄20%、リンゴ図柄10%、ベル図柄5%、リプレイ3%、ハズレ1%となっている。成功演出が決定された場合には、目的を達成する成功演出が実行されると共に、遊技者に1ポイント付与されて内部ポイントに加算される。なお、本例の構成に代えて、いずれかの役が内部当選したときに成功演出やポイント付与の可能性を設定することも良い。
実行された演出のうち所定の確率で選択される一部の演出(成功演出及び失敗演出の両方が含まれる。)については、その演出を特定可能な実行演出情報が内部的に記憶されると共に、タッチパネル53に表示された思い出アルバム531(図10)に演出アイコン531Aとして登録される。なお、本例では、実行演出情報として、実行した演出に対応するフラグが記憶されるように構成している。これに代えて、実行した演出の元データ(動画データ等)を格納するメモリ領域内のアドレスを特定可能な情報を実行演出情報として採用することも良い。
思い出アルバム531の演出アイコン531Aは、各演出の最初のシーンの画像をアイコン化したものであり、対応する実行演出情報がソフトウェア的に紐付けされている。思い出アルバム531において手前側に表示される演出アイコン531Aは最大3つである。思い出アルバム531の右端をフリック操作すれば、背面側の演出アイコン531Aを手前側にポップアップ表示できる。
1周期中では、リール21による図柄変動が停止した後、新たな図柄変動が開始されるまでの期間である「ゲーム間」において、いつでも、演出を再現して実行させるための操作(再現操作)を行うことができる。思い出アルバム531に演出アイコン531Aが登録されている目的演出であれば、その演出アイコン531Aをタッチ操作する再現操作によって再現可能である。より詳細には、実行した失敗演出及び成功演出を含む目的演出を少なくとも再現可能に記憶しており、成功演出を再現させることも失敗演出を再現させることも可能である。
1周期中の遊技でいずれかの役が内部当選したときには、思い出アルバム531に登録された過去の目的演出のうち、失敗演出を再現して実行させるための再現操作を促す演出が発生する場合がある。具体的には、いずれかの役が内部当選したとき、失敗演出の再現操作を促す演出の実行が所定の確率で決定され、決定に応じて思い出アルバム531の枠531Wを点滅表示させる演出が開始される。この点滅表示中に失敗演出の演出アイコン531Aをタッチ操作する再現操作が行われると、ゲームが終了した後、紐付された実行演出情報が内部的に読み出されて対応する失敗演出が特定され、次のゲームが開始されるまでの間に対応する演出が実行される。
具体的には、いずれかの役が当選したときに、実行済みの元の失敗演出をそのまま再現して実行するか(図13下段)、内容を成功に変更した特別演出を実行するか(図13上段)、が演出抽選によって決定される。この演出抽選では、内部当選役の抽選用乱数を特別演出用の抽選テーブルに照合することで、元の失敗演出をそのまま再現して実行するか、特別演出を実行するかが決定される。実行抽選に当選すると、再現操作を行った場合に元の演出とは異なる成功演出(特別演出)が実行される。そして、失敗演出をそのまま再現して実行することに決定した場合の一部、及び特別演出を実行することに決定した場合に思い出アルバム531の枠531Wを点滅表示させる演出が開始される。
特別演出用の抽選テーブルは、数段階の内部ポイントの範囲毎に規定されている。内部ポイントが高いほど、特別演出の期待度が高い抽選テーブルが適用される。特別演出が決定される確率は、内部ポイントが0〜3ポイントのとき5%、4〜6のとき10%、7〜10のとき15%、11〜15のとき20%、16以上のとき25%となっている。
また、本例の構成では、内部ポイントが11以上のときがAT抽選の当選期待度が高い特別状態となっており、10以下のときが特別状態よりもAT抽選の当選期待度が低い通常状態となっている。この特別状態では、上記の通り、過去の失敗演出の内容を成功に変更して再現する特別演出が実行される確率が高くなっている。
1周期の遊技中に、内部ポイントが何ポイントあるかを遊技者が特定することは不可能となっているが、特別演出の実行やその実行頻度等に応じて、内部ポイントのポイント数の多少を推測することは可能となっている。遊技者は、特別演出が実行された場合や、特別演出の実行頻度が高いとき等では、内部ポイントが多い可能性が高いと推測できる。このように内部ポイントが多い可能性が高いと推定できた場合、AT抽選に当選する期待度が高いことを特定できる。
また、1周期に渡る遊技の進行中では、3日間〜7日間のチャンスゾーンが突如、発生することがある。このチャンスゾーンでは、1ゲーム消化する毎に1日が経過するようになっており、例えば7日間のチャンスゾーンであれば7ゲームが実行される。このチャンスゾーンでは、後述する通りAT抽選が実行される可能性がある。チャンスゾーンの中でAT抽選に当選すれば、直ちに1周期の遊技が終了してAT状態が発生する。一方、AT抽選に当選することなく予定された日数分のゲームを消化してチャンスゾーンを終了した場合には、チャンスゾーンによって中断していた1周期の遊技が再開される。このときには、チャンスゾーンに突入する直前の日にちを基準とし、チャンスゾーンの日数分だけ日付が進んだ状態から遊技が再開される。
チャンスゾーンに対しては、図14に例示するラッキー図柄マップが設定される。同図のラッキー図柄マップは、7日間のチャンスゾーンに対応するマップであり、図柄種類(ハズレを含む)を表す左端列を除き、縦方向の列が7列設定されている。各列は、チャンスゾーンの1日に対応し、例えば、1列目はチャンスゾーンの1日目を表している。ラッキー図柄マップでは、ラッキーゾーン中の今日の日付がハッチングにより表示されている。同図は、チャンスゾーンの1日目のラッキー図柄マップの例である。
チャンスゾーンの縦方向の各列には、ハートマーク、びっくりマーク、はてなマークという3種類のマークのうちのいずれか1つ以上のマークが配置され、列毎にマークの配置や数が相違している。例えば、2日目(2列目)であれば、チェリー図柄にハートマークが対応付けられ、ベル図柄にびっくりマークが対応付けられ、ハズレには、はてなマークが対応付けられている。
チャンスゾーン中のゲームで、図柄表示領域510の入賞ライン211〜214のいずれかに沿ってマークに対応する図柄を揃えることができれば、そのマークの種類に応じてポイントの獲得期待度がアップしたり、AT抽選に当選する期待度がアップする。
ハートマークに対応する図柄が揃えば、ATに当選する期待度80%のAT抽選が実行され、当選すれば「記念祭」を待つことなく直ちに1周期が終了して100ゲームに渡るAT状態が発生する(AT直当り)。
びっくりマークに対応する図柄が揃えば、複数ゲームに渡って連続イベントが発生する。この連続イベントでのポイントの獲得期待度は30%となっている。
はてなマークに対応する図柄が揃えば、1ゲーム完結の単発イベントが発生する。この単発イベントでのポイントの獲得期待度は5%となっている。
また、びっくりマーク、はてなマークについては、ハートマークよりも目的演出が実行される期待度が高くなっている。つまり、チャンスゾーンの中でびっくりマーク、はてなマークに対応する図柄を揃えることができたときには、ハートマークに対応する図柄を揃えたときと比べて、高い確率で新たな目的演出が実行される。例えばヒロインをデートに誘うことができた等の成功演出が目的演出として実行されれば、ポイントを獲得できる。一方、例えばヒロインをデートに誘えなかった等の失敗演出が実行された場合であっても、思い出アルバム531に登録される可能性が生じる。思い出アルバム531に登録されれば、その後、再現演出の実行により特別演出(成功演出)の実行、及びポイントの獲得を期待できる。
さらに1周期の間に実行される可能性がある演出のバリエーションとしては以下のような演出も設定されている。
数ゲームに渡って液晶リール51の図柄が変化し、液晶リール51における複数分の図柄表示部を使用して拡大した一の図柄を表示する演出(拡大図柄表示演出)。例えば、複数の液晶リール51に跨った図柄として巨大な食品(例えばまんじゅう)が表示されればAT抽選に当選する期待度が高くなる。具体的には、その図柄の表示後は、ポイントの獲得に当選する確率が高くなる。なお、内部ポイントを多く獲得している場合に実行する演出として拡大図柄表示演出を採用することもできる。
演出の進行中に主人公が妄想する表示を行う演出(妄想演出)。この演出の実行中にタッチパネル53の画面をフリック操作すれば、AT抽選に当選する期待度の報知を受けたり、ヒロインを表示した状態においてヒロインの表示角度を変化させることができる。なお、妄想タイムにおけるAT抽選に当選する期待度の報知は、内部ポイントのポイント数に応じて実行される。例えば、内部ポイントが16ポイント以上であれば、フリック操作を行った場合にAT確定が報知される場合もある。また、フリック操作を行う画面に、特定のキャラクタ(例えば、特定のヒロイン)を表示することで、AT抽選に当選する期待度が高いことを報知する演出を行っても良い。
その他、AT抽選に当選する期待度を報知するためにタッチパネル53の表示画面に特定のキャラクタをカットインして表示する演出や、いずれかの役が内部当選している可能性を示唆するために、チェリーやリンゴのカゴを持った着ぐるみの女の子を表示する演出も設定されている。
その後、ゲームの消化に応じて日付がクリスマスイブの12月24日になると、1周期に渡る遊技が終了する。1周期の終了時には、AT抽選が実行されると共に、その結果を報知するために「記念祭」の演出が実行される。AT抽選用の抽選テーブルは、複数段階の内部ポイントの範囲毎に規定され、内部ポイントが多いほどAT抽選に当選する確率が高くなっている。AT抽選の当選確率は、内部ポイントが0〜3ポイントのとき10%、4〜6のとき20%、7〜10のとき30%、11〜15のとき50%、16以上のとき100%となっている。
AT抽選がハズレとなった場合には、1周期中の「イベント」発生日や、実行演出情報や、内部ポイント等が全てリセットされた上で、1周期の最初(11月15日)に戻る。一方、AT抽選に当選した場合(上記の1周期途中のAT直当りの場合も同様)には、次のゲーム以降、100ゲームに渡るAT状態が発生する。なお、1周期の間に付与されたポイントの累計である内部ポイントは、AT状態への移行時に一旦リセットされる。
AT状態では、恋愛が成就していく過程を表す動画が音楽をバックに表示され、それぞれの思い出を彩る演出が実行される。9枚役A〜Fのいずれかが内部当選したときには、その9枚役を入賞させるための押順を報知するATナビ画面がタッチパネル53に表示される(図17参照。)。報知された押順に従ってストップボタン61を操作すると、内部当選した9枚役を確実に入賞できる。このようなATナビの恩恵を受けられるAT状態では、1ゲーム当たりのメダルの純増枚数が約2.3枚となっている。
AT状態下では、ポイントを付与するかどうかの抽選が毎ゲーム実行される。この抽選に当選するとポイントが1ポイント付与されて内部ポイントに加算される。なお、ポイントを付与するか否かの抽選テーブルは、数段階の内部ポイントの範囲毎に規定されている。内部ポイントが多いほど、内部ポイントの期待度が高くなる抽選テーブルが適用される。内部ポイントが付与される確率は、内部ポイントが0〜3ポイントのとき1%、4〜6のとき2%、7〜10のとき4%、11〜15のとき6%、16以上のとき8%となっている。
100ゲームに渡るAT状態の最後のゲームでは、AT状態を連続的に発生させるか否かのAT抽選が実行される。AT抽選用の抽選テーブルは、1周期が終了した時に実行されたAT抽選に適用される抽選テーブルと共通である。このAT抽選に当選すると、100ゲームに渡るAT状態が連続して発生する。一方、AT抽選がハズレの場合には、1周期が終了した時のAT抽選のハズレの場合と同様、1周期中の「イベント」発生日や、実行演出情報や、内部ポイント等が全てリセットされた上で、1周期の最初に戻る。
なお、スロットマシン1の遊技では、1周期の途中でリセットボタン66を操作すれば、「イベント」発生日や実行演出情報や内部ポイント等をクリアするリセット処理を実行させることができる。例えば、遊技を終了する際にリセットボタン66を操作すれば、1周期の最初にリセットでき、入れ替わりの他の遊技者が遊技を引き継いで簡単にAT状態を発生させてしまうような状況を未然に回避できる。
以上のような構成の本例のスロットマシン1では、遊技者が演出の再現操作を行ったとき、元の演出とは異なる特別演出が実行される場合がある。この特別演出の発生確率は、AT抽選に当選する期待度が高い特別状態であるか通常状態であるかによって異なっている。AT抽選に当選する期待度が高い特別状態の方が通常状態よりも、元の演出(失敗演出)とは異なる特別演出(成功演出)が実行される可能性が高くなっている。
それ故、スロットマシン1の遊技では、単に演出を再現させようとする遊技者だけでなく、AT状態が発生しそうか否かを推測したいと考える遊技者が再現操作を行うようになっている。このスロットマシン1では、演出の再現機能が単なる演出の再現に留まらず、遊技結果を反映したAT抽選の当選期待度と連携して演出再現機能が動作するという新たな遊技性が実現されている。このスロットマシン1によれば、演出再現機能に対する遊技者の注目度が高くでき、遊技者による演出再現機能の利用頻度を高めることが可能である。
スロットマシン1では、1周期の開始に当たって、実行済みの演出を特定する実行演出情報や内部ポイントや「イベント」発生日等のリセットが実行されるようになっている。このように周期毎に実行演出情報を記憶し直せば、新たな演出を実行させて実行演出情報を記憶させようと遊技者側の遊技意欲を高揚できる。また、周期毎に実行演出情報を消去すれば、遊技者の交代があったとき、先の遊技者の遊技に由来する実行演出情報を後の遊技者が延々と引き継いで遊技を続けるような状況を未然に回避できる。
スロットマシン1では、主人公のキャラクタがヒロインとの恋愛を成就させる目的を達成しようとする目的演出が実行される。失敗に終った目的演出である失敗演出を再現する際、元の演出とは内容が異なる特別演出が実行される場合がある。この特別演出としては、元の失敗演出と始まりが同じである一方、その後の展開が異なり目的を達成できる成功演出が設定されており、実行済みの元の演出と特別演出との関連付けが実現されている。
このように元の演出と特別演出とを関連付けているので、元の演出の内容と特別演出が全く関係ない場合に比べ、特別演出に対する遊技者の注目度を高くできる。また、例えば周期毎に演出実行情報を消去する構成を組み合わせているので、失敗した目的演出(元の演出)に対応した実行演出情報を記憶し続けてしまうおそれもない。
スロットマシン1では、内部ポイントが10ポイント以下である通常状態においても遊技者の再現操作に応じて特別演出(成功演出)を実行する場合がある一方、内部ポイント11以上の特別状態の方が、通常状態よりも再現操作に応じて特別演出が実行される確率が高くなっている。遊技者側では、再現操作を行ったときの特別演出の実行頻度に応じて、AT抽選の当選期待度が高い特別状態であるか通常状態であるかを推定できる。また、特別演出の実行頻度の把握精度を高めるためには、再現操作により演出の再現を何度も実行させる必要があるので、演出再現機能の利用頻度を一層高めることができる。
以上のような構成のスロットマシン1は、演出を再現する機能を備える遊技機であって、演出の再現機能に対する遊技者側の注目度が高く、その再現機能の利用頻度が高い遊技機となっている。
なお、スロットマシン1では、遊技者側の有利度合いが異なる6段階の設定値のうちのいずれかを選択的に設定可能であり、設定された設定値に応じてAT抽選などの各種抽選の当選確率が異なっている。遊技者側に有利ないわゆる高設定ほど、AT抽選に当選する期待度が高くなるように各種抽選の当選確率が設定されている。
本例の構成に代えて、あるいは加えて以下のような構成を採用することも良い。また、以下の各構成を適宜組み合わせて採用することも良い。
本例では、図柄変動実行手段として、回転式のリール21と液晶リール51とを例示している。メインのリール21としては、回転式のリールに代えて、液晶ディスプレイ等の表示装置の表示画面において図柄を変動表示させる液晶リールを採用することもできる。同様に、演出用の液晶リール51を回転式のリールに置き換えることもできる。
本例では最大120ゲームに亘る遊技期間を1周期に設定したが、1周期中のゲーム数については任意に変更できる。また、1周期中の日数についても、40日間以外の日数を設定しても良い。本例では、1周期に実行するゲーム数に範囲を設定しているが、このゲーム数を固定しても良い。
図柄表示部11では、各表示窓110に1図柄ずつ表示され、水平方向1本のみ入賞ラインが設定されている。これに代えて、各表示窓110で3図柄ずつ表示し、水平方向3本、対角方向2本の入賞ラインを設定することも良い。同様に、タッチパネル53の図柄表示領域510の入賞ラインについても適宜変更できる。
タッチパネル53にて目的演出を実行する構成を採用したが、この構成には限定されない。回転式のリールを用いて演出を実行するようにしても良いし、人形等のキャラクタを用いて演出を実行することも可能である。
遊技者に付与する特典としてAT状態を採用したが、付与する特典の内容を変更しても良く、リプレイ確率が高くなるリプレイタイムや、役に当選する確率が高くなるボーナスゲームや、パチンコ遊技機において遊技者が玉を得やすくなる大当たり状態等を採用することも可能である。
本例では、「イベント」発生日に対応するゲームでいずれかの役が入賞した場合に、特別演出(成功演出)が実行されたりポイントを獲得できる可能性を設定している。これに代えて、いずれかの役の内部当選に応じて特別演出が実行されたりポイント等を獲得できる可能性を設定することも良い。あるいは、「イベント」発生日に対応するゲームであるか否かに関わらず、ポイントを付与するか否かの抽選を毎ゲーム実行することも良い。毎ゲームの抽選を採用した場合、ポイントを付与する確率は、例えば、内部ポイントが0〜3ポイントのとき1%、4〜6のとき2%、7〜10のとき4%、11〜15のとき6%、16以上のとき8%というように設定すると良い。
本例では、AT状態に連続性(継続性)を持たせているが、AT状態が連続(継続)するか否かあるいは継続し易さの報知の演出に特別演出を利用しても良い。具体的には、AT状態下で実行されるポイントの付与抽選にハズレとなったときの失敗演出を記憶しておき、演出を再現する操作を行った場合に、そのときの内部ポイントが多いほど、特別演出として成功演出が実行される確率を高くする構成が考えられる。さらに、AT状態の残りゲーム数を増加させる場合を設定すると共に、増加するか否か(増加し易さ)を表す演出に特別演出を利用しても良い。具体的には、ゲーム数の増加に失敗した演出を記憶しておき、演出を再現する操作を行った場合に、特別演出としてゲーム数の増加に成功する演出を実行してゲーム数を増加する構成が考えられる。
内部ポイントの付与に当選していた場合に失敗演出を実行し、後から特別演出として成功演出を実行し、ポイントの付与を報知するようにしても良い。
タッチパネル53に対する操作により遊技者が演出の再現を要求する構成を採用したが、再現を要求するための操作手段としては、ボタンやレバーなど何れの構成であっても良い。
再現演出は完全に同じ演出を再現する必要はない。元の演出をダイジェスト化したり、動画の一部のコマを抜粋して表示する等、簡略化することも可能である。
失敗演出を成功演出に変更した演出を特別演出として設定しているが、元の演出とは関係のない特別演出を設定することも良い。例えば、AT抽選に当選する期待度が高いことを報知する演出や、AT状態の付与が確定(特典の付与が確定)していることを報知する演出等を、特別演出に設定しても良い。元の演出の続きのストーリーを含む演出を特別演出として設定することも良い。再現操作を実行した場合、特別演出が発生しなければ元の演出と同じ場面で終了する一方、特別演出が発生すれば元の演出の続きを見られるようになる。続きを見たいと思う遊技者の気持ちを刺激でき、演出再現機能の利用頻度を高めることができる。
本例では、1周期が終了したとき、AT抽選に当選すれば直ちにAT状態に移行し、ハズレであれば直ちに1周期の最初に戻るように構成している。これに代えて、1周期が終了した際、AT抽選の当否に関わらず、AT抽選の抽選結果を報知するために複数ゲームに渡る前兆モードに突入するという仕様を採用しても良い。この仕様の場合、前兆モードが終了した後、AT状態あるいは新たな周期が開始されるようになる。さらに例えば、前兆モードにおいて、演出を再現させる操作を遊技者に促し、操作に応じて元の演出及び特別演出のいずれかが実行されるようにしても良い。AT抽選に当選する期待度が高いほど、特別演出が実行される可能性が高くなるように設定すると良い。
本例では、特別演出を実行可能となったとき、思い出アルバム531の点滅表示により演出を再現させる操作を遊技者に促す構成を採用している。これに代えて、再現させる操作を遊技者に促さない構成を採用することもできる。
本例では、1周期が終了する度に、実行済みの演出の情報(実行演出情報等)を消去する構成としたが、実行演出情報を消去しない構成を採用することもできる。
1周期が終了したときにAT抽選の抽選結果を報知する構成を例示したが、周期を設定しなくても良いし、1ゲーム毎にAT状態を発生させるか否かの抽選を行うようにしても良い。1ゲームの実行中に演出を再現させるように構成すると共に、当選しているゲームにおいて特別演出が実行される可能性を高くすれば良い。
また、AT抽選の当選確率が高くなる状態が設けられている場合、その状態においては特別演出が実行される確率を高くしても良い。例えば、パチンコ遊技機における大当たり状態の抽選に当選する確率が高くなる高確率モード(例えば確変状態)において、高確率モードである期待度を遊技者に推測させるために特別演出を実行するようにしても良い。例えば、高確率モードであるか低確率モードであるか遊技者側からの判断が難しい構成において、高確率モード下で遊技者による演出の再現操作が行われた場合には、低確率モードの場合よりも特別演出(元の演出とは異なる演出)が実行される確率が高くなるように設定すれば良い。
特別演出を実行した後に、再度、遊技者が演出を再現させようとした場合には、特別演出ではなく、元の演出をそのまま再現するようにしても良い。この場合には、元の演出を確認したくて再現操作を行ったものの特別演出の発生により元の演出を確認できなくなってしまったという状況に対して適切に対応できるようになる。さらに、特別演出を実行した場合には、その特別演出自体についても実行済みの演出として再現可能にしても良い。
ターゲットのヒロイン候補を複数人設定しておき、遊技者が好みにより選択できるようにしても良い。攻略難易度をヒロインによって異ならせ、高嶺の花のヒロインについては、AT状態の発生確率を低くする一方、AT状態が発生した際には継続ゲーム数を長く設定することで、ハイリスク・ハイリターンの仕様を実現することも良い。攻略したヒロインによって、AT状態の継続中の演出画像や音楽を変更することも良い。女性の遊技者向けにイケメン(美男子)キャラクターを設定することも良い。
本例では、遊技者により再現操作が行われたとき、AT抽選に当選する期待度が低い通常状態であっても特別演出を実行する場合を設定している。また、AT抽選に当選する期待度が高い特別状態であっても、特別演出が実行されず元の失敗演出がそのまま再現される場合を設定している。これに代えて、通常状態では特別演出が一切実行されないようにしても良い。また、特別状態では、再現操作に応じて必ず特別演出が実行されるように構成しても良い。
目的演出の内容を任意に変更しても良く、例えば、主人公が所定時刻までに学校に到着することを目的とし、所定時刻までに学校に到着できたか否かを表示する演出を実行しても良い。
本例では、AT当選の報知、及び目的演出の実行がタッチパネル53で行われる構成を採用している。これに代えて、AT当選の報知、及び目的演出の実行のうちのいずれか一方が異なる場所や装置で実行される構成を採用することも良い。この場合でも、演出実行手段が報知手段を備える構成に含まれる。
以上、実施例のごとく本発明の具体例を詳細に説明したが、これらの具体例は、特許請求の範囲に包含される技術の一例を開示しているにすぎない。言うまでもなく、具体例の構成や数値等によって、特許請求の範囲が限定的に解釈されるべきではない。特許請求の範囲は、公知技術や当業者の知識等を利用して前記具体例を多様に変形、変更、あるいは適宜組み合わせた技術を包含している。
1 スロットマシン(遊技機)
10M 主制御基板(内部抽選手段、停止制御手段)
10S サブ基板(特典付与手段、実行演出情報記憶手段、周期設定手段、AT抽選手段、演出抽選手段、内部ポイント集計手段)
11 図柄表示部
110 表示窓
21 リール(図柄変動実行手段)
51 液晶リール(図柄変動実行手段)
510 図柄表示領域
53 タッチパネル(演出実行手段、報知手段、操作手段、演出再現手段)
531 思い出アルバム(実行済演出リスト表示領域)
532 ライブカレンダー(演出予定表示領域)
61 ストップボタン(停止操作手段)
62 スタートレバー(開始操作手段)
64 ベットボタン
65 精算ボタン
66 リセットボタン

Claims (6)

  1. 複数種類の演出を実行する演出実行手段と、
    予め定められた条件が成立し、前記演出実行手段が遊技者への特典の付与に対応した演出を実行した場合に、遊技者に有利な特典を付与する特典付与手段と、
    前記演出実行手段にて実行した演出を特定可能な実行演出情報を記憶する実行演出情報記憶手段と、
    遊技者が操作する操作手段と、
    通常状態において前記操作手段が遊技者により操作された場合に、前記実行演出情報記憶手段が記憶している前記実行演出情報に対応した演出を再現する一方、前記特典を遊技者に付与することが確定している状態、又は前記通常状態よりも前記特典を遊技者に付与する期待度が高い状態である特別状態において前記操作手段が遊技者により操作された場合には、前記実行演出情報に対応した演出とは異なる特別演出を実行する演出再現手段と、を備えたことを特徴とする遊技機。
  2. 図柄変動を実行する図柄変動実行手段と、
    予め定められた回数の図柄変動を1周期として設定する周期設定手段と、
    前記1周期が経過した場合に前記特典を付与するか否かを遊技者に報知する報知手段と、を備え、
    前記実行演出情報記憶手段は、前記1周期が終了した場合に記憶している前記実行演出情報を消去することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  3. 前記複数種類の演出には、表示キャラクタが目的を達成しようとする動画を前記演出実行手段に表示する目的演出が含まれ、
    前記演出再現手段は、前記表示キャラクタが目的を達成できなかった目的演出に対応した前記実行演出情報を記憶しており、且つ前記特別状態において前記操作手段が遊技者により操作された場合、前記特別演出として、前記表示キャラクタが目的を達成する目的演出を実行することを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
  4. 前記演出再現手段は、遊技者により前記操作手段が操作され前記特別演出を実行した後に遊技者により前記操作手段が再び操作された場合、前記実行演出情報に対応した演出を再現することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の遊技機。
  5. 前記演出再現手段は、通常状態において前記操作手段が遊技者により操作された場合に前記特別演出を実行することがあると共に、前記特別状態において前記操作手段が遊技者により操作された場合に前記実行演出情報記憶手段が記憶している前記実行演出情報に対応した演出を再現することがある一方、
    前記特別状態では、前記操作手段が遊技者により操作されたときに前記特別演出が実行される確率が通常状態よりも高く設定されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の遊技機。
  6. 遊技価値が賭けられた状態で図柄変動を開始するために遊技者が操作する開始操作手段と、
    前記開始操作手段が操作されたときに、予め定められた役の中から内部当選役を決定するための内部抽選を実行する内部抽選手段と、
    前記図柄変動を停止させるために遊技者が操作する停止操作手段と、
    前記停止操作手段が操作された場合に図柄変動を停止するための制御を実行する停止制御手段と、を備え、前記演出実行手段は、前記図柄変動の実行中に演出を実行することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の遊技機。
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