(前提技術)
本実施例のぱちんこ遊技機においては、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が複数混在する。その複数の遊技としての第1の遊技と第2の遊技とが、同時に実行されないよう第2の遊技が優先的に実行される。またこれらの遊技性を両立させるために、複数の始動入賞口、複数の特別図柄表示装置、複数の保留ランプを備える。第1の遊技における大当りの出玉より、第2の遊技における大当りの出玉の方がおおむね多くなるように設計される。例えば、第2の遊技の方が確変を伴う大当りとなる確率が高く、また、第2の遊技の方が大当りした際の特別遊技を構成する単位遊技数が多い(大入賞口の開放時間が長い長開放単位遊技と開放時間が短い短開放単位遊技とが一つの特別遊技中に混在し、同一単位遊技数であっても第2の遊技の方が第1の遊技よりも長開放単位遊技の数が多い場合を含む)など、第2の遊技の方が第1の遊技より相対的に利益が高くなる設計がされている。その上で、最初は第1の遊技にて初当りを狙い、第1の遊技における大当りで時短が付与された後は第2の遊技を繰り返し狙って多くの出玉を得る、という遊技性を実現する。
図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。ぱちんこ遊技機100は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機100の遊技機枠は、外枠101、前枠102、透明板103、扉104、上球皿105、下球皿106、発射ハンドル107、スピーカー108、演出ボタン109、十字キー110、装飾ランプ111を含む。外枠101は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機100を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠102は、外枠101の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠101へ開閉可能に取り付けられる。前枠102は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
透明板103は、ガラスなどにより形成され、扉104により支持される。扉104は、図示しないヒンジ機構により前枠102へ開閉可能に取り付けられる。上球皿105は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿106への遊技球の抜き取り等をする機構を有する。下球皿106は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。扉104の上部には左右にスピーカー108が設けられており、演出を制御する手段によって遊技状態や演出などに応じた効果音や楽曲の音声を出力する。扉104の外観を構成する樹脂部材の大部分が半透明であり、その透過する内部に装飾ランプ111が設けられる。装飾ランプ111は、演出を制御する手段によって遊技状態や演出などに応じた様々な色で発光するLEDであり、点滅等することで演出の役割を果たす。
遊技盤80は、レール82により区画された遊技領域81上に、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口20、第1作動口31、第2作動口32、一般入賞口33、アウト口34、演出表示装置60、センター飾り64を含む。センター飾り64は、遊技領域81の略中央部とその上部および右部にわたって演出表示装置60の画面枠を形成するように設けられる装飾的な樹脂部材であり、遊技球の流路、演出表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。センター飾り64の下部には流入した遊技球が転動するステージ65が形成され、その転動の仕方によってステージ65からの落下方向は第1始動口11へ入球する方向と第1始動口11に入球しない側方の方向とに振り分けられる。センター飾り64の上部には、演出内容に沿って駆動されて演出的な動作をする可動役物66が設けられる。遊技領域81には、遊技球の流路を形成するための図示しない複数の遊技釘や風車などの機構が設置される。なお、本明細書において「入球」「入賞」「落入」は相互に同義としてもよい。また、各入賞口や各入球口は、遊技球が通過するタイプの「通過口」(「ゲート」や「スルーチャッカー」等とも呼ぶ)で構成される場合があってもよく、「入球」「入賞」「落入」と「通過」もまた相互に同義としてもよい。
第1始動口11は第1の遊技に対応する始動入賞口として設けられ、第2始動口12は第2の遊技に対応する始動入賞口として設けられる。第1始動口11と第2始動口12は、遊技者の意思にしたがった遊技球の発射強弱によって一方への入球を狙うことが可能となるように構成される。第1始動口11は、遊技領域81における略中央下部に設けられ、第2始動口12は、第1始動口11の直下に設けられる。左打ち、すなわちセンター飾り64の左側通路へ流れるように狙って相対的に弱めに打球した場合は第1始動口11および第2始動口12に入球可能ないし入球容易である一方、右打ち、すなわちセンター飾り64の右側通路へ流れるように狙って相対的に強めに打球した場合は第2始動口12には入球可能ないし入球容易であるが第1始動口11には入球不能ないし入球困難となるように遊技釘の配置による流路が形成される。ただし、通常時には第2始動口12の開口部上方が第1始動口11に覆われて遊技球の流入が妨げられることから、第2始動口12の拡開機構が開放されない限り第2始動口12には入球不能ないし入球困難である。当否抽選は、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する抽選であり、第1始動口11または第2始動口12へ入球があるたびに実行される。
なお、第1始動口11および第2始動口12は、遊技球の発射強弱によっていずれかを目標にした打ち分けが可能な程度に互いに離れた位置に設けられてもよい。第1始動口11と第2始動口12は、それぞれ遊技領域81の左側と右側に離して設置され、一方を狙った遊技球が他方へ入球しがたい構成としてもよい。たとえば、第1始動口11は、左打ち、すなわちセンター飾り64の左側通路へ流れるように狙って比較的弱めに発射したときに入球可能ないし入球容易となるような位置に設けられる。第2始動口12は、右打ち、すなわちセンター飾り64の右側通路へ流れるように狙って比較的強めに発射したときに入球可能ないし入球容易となるような位置に設けられる。
第1始動口11は、第1始動入賞検出装置16を備える。第1始動入賞検出装置16は、第1始動口11への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1始動入賞情報を生成する。第2始動口12は、第2始動入賞検出装置17と、拡開機構である普通電動役物90(いわゆる電動チューリップ)と、普通電動役物90を開閉させるための普通電動役物ソレノイド91を備える。第2始動入賞検出装置17は、第2始動口12への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2始動入賞情報を生成する。
第1作動口31は、遊技領域81の左側方位置に設けられ、第1通過検出装置36を含む。第1通過検出装置36は、第1作動口31への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。第2作動口32は、遊技領域81の右側方位置に設けられ、第2通過検出装置37を含む。第2通過検出装置37は、第2作動口32への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。第1作動口31または第2作動口32への遊技球の通過は普通電動役物90を拡開させるか否かを決定する開放抽選の契機となる。第1作動口31または第2作動口32を遊技球が通過すると、開放抽選の判定結果を示す図柄である普通図柄が普通図柄表示部45に変動表示される。したがって、開放抽選は「普通図柄抽選」とも呼ぶ。変動開始から所定時間の経過後に、普通図柄の変動表示が停止する。普通図柄が当りの図柄で停止すると、普通電動役物ソレノイド91の駆動力により普通電動役物90が拡開され、第2始動口12への入球可能性が高まる。なお、変形例として作動口の個数を1個とし、遊技領域81の左側方位置に設ける構成としてもよい。
3つの一般入賞口33は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置38をそれぞれ備える。一般入賞検出装置38は、一般入賞口33への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成する。
大入賞口20は、遊技球の入球を検出するための大入賞検出装置25と、大入賞口20を開閉させるための大入賞口ソレノイド92を備える。大入賞検出装置25は、大入賞口20への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す大入賞口入賞情報を生成する。大入賞口20は、第1特別図柄51または第2特別図柄52が所定の態様にて停止したときに「大当り」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。大入賞口20はアウト口34の右上方の位置に設けられる。なお、変形例として大入賞口を遊技領域81の中央下部や大入賞口20の上方または下方にさらにもう一つ設け、複数の大入賞口が設けられる構成としてもよい。アウト口34は、各入賞口のいずれにも入球しなかった遊技球が排出される排出口であり、アウト検出装置39を備える。アウト検出装置39は、アウト口34を通過して排出される遊技球を検出するセンサであり、検出時にその検出を示す排出情報を生成する。アウト口34は、各入賞口のいずれにも入球しなかった遊技球がすべて誘導されて通過し得るよう、遊技領域81の中央最下端部に設けられる。アウト口34の球詰まりを防止するために十分な幅の遊技球通路を確保しつつ、アウト検出装置39を複数個並べて設ける仕様としてもよい。
遊技盤80における遊技領域81の外側下方に、図柄等表示ユニット120が配置される。図柄等表示ユニット120には、第1特別図柄表示部41、第2特別図柄表示部42、第1特図保留表示部71、第2特図保留表示部72、普通図柄表示部45、普図保留表示部75、遊技状態表示部76、異常報知部77等の各表示部が設けられる。具体的には、第1の遊技に対応する第1特別図柄表示部41と第2の遊技に対応する第2特別図柄表示部42とが左側下位置に左右に並設され、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動が表示される。
第1特別図柄51は、第1始動口11への遊技球の入球を契機とする第1当否抽選の判定結果に対応した図柄であり、所定の当り態様にて停止されたときに特別遊技としての大当りが発生する。第2特別図柄52は、第2始動口12への遊技球の入球を契機とする第2当否抽選の判定結果に対応した図柄であり、所定の当り態様にて停止されたときに特別遊技としての大当りが発生する。第1特別図柄表示部41および第2特別図柄表示部42は、例えば「8の字」を形成する7個のセグメントおよび「ドット」を表す1個のセグメントの8個のセグメントからなる8セグメントLEDの表示装置である。8セグメントLEDでは、8個のセグメントを組み合わせることにより8ビット分の数値を表現できる。セグメントの組合せで表される第1特別図柄51および第2特別図柄52は、必ずしも文字や数字の体をなしておらず、各セグメントの組合せで形成される一般に意味を持たない記号であってよい。これらの記号が高速で次々に入れ替わって第1特別図柄表示部41および第2特別図柄表示部42へ表示され、または、所定の表示(例えば「-」)と非表示(例えば全消灯)とが所定時間繰り返された後に判定結果に対応した図柄が表示されることにより、第1特別図柄51および第2特別図柄52の図柄変動表示が実現される。なお、第1特別図柄表示部41および第2特別図柄表示部42を8セグメントLEDではないLEDドットアレーを用いて、その点灯パターンや点灯色の組合せで複数種類の第1特別図柄51および第2特別図柄52を表現してもよい。
また、第1特別図柄51および第2特別図柄52は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施例では遊技領域81の左下方の第1特別図柄表示部41および第2特別図柄表示部42にて目立たない大きさで表示させる。ただし、特別図柄自体に演出的な役割をもたせることで装飾図柄を用いずに表現する手法を採用する場合には、特別図柄を8セグメントLEDではなく、例えば液晶ディスプレイ等の他の表示装置に表示させる構成としてもよい。
第1特別図柄表示部41の上方には第1の遊技に対応する特別図柄変動の保留ランプとして第1特図保留表示部71が設けられ、第2特別図柄表示部42の上方には第2の遊技に対応する特別図柄変動の保留ランプとして第2特図保留表示部72が設けられる。第1特図保留表示部71は2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって第1の遊技における当否抽選値の保留されている数(以下、当否抽選値の保留されている数を単に「保留数」ともいう)を表示する。第1特図保留表示部71における保留数は、第1特別図柄51の変動中または特別遊技の実行中に第1始動口11へ入賞したことに基づいて抽選値を取得した回数(個数)であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。第2特図保留表示部72も2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって第2の遊技における保留数を表示する。第2特図保留表示部72における保留数は、第2特別図柄52の変動中または特別遊技の実行中に第2始動口12へ入賞したことに基づいて抽選値を取得した回数(個数)であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。当否抽選値の保留数は、演出表示装置60の画面下部にも保留ランプ画像の点灯個数で表す形で表示される。
図柄等表示ユニット120における右側には、普通図柄表示部45が設けられる。普通図柄表示部45は、便宜上、二つのランプで構成されるとともに、それらの点灯組合せによって普通図柄の表示状態が表現される。まず、第1のランプと第2のランプを同時に点滅表示させることにより普通図柄の変動が表現され、最終的には第1のランプと第2のランプの点灯状態の組合せで普通図柄の停止図柄が表現される。例えば、第1のランプの点灯と第2のランプの消灯で外れの停止図柄が表現され、第1のランプの消灯と第2のランプの点灯で第1の当り態様が表現され、第1のランプと第2のランプの両方の点灯で第2の当り態様が表現される。
また、普通図柄表示部45の右側には普通図柄変動の保留ランプとして普図保留表示部75が設けられる。普図保留表示部75もまた2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄の変動中に第1作動口31または第2作動口32を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。
なお、図柄等表示ユニット120には遊技状態表示部76、異常報知部77が設けられている。遊技状態表示部76は、後述する特定遊技状態等の遊技状態に対応した表示をする表示部であり、例えば1つのランプと1つの7セグメントLEDで構成される。例えば、確率変動中の場合にランプを点灯表示、入球容易状態中の場合に点滅表示、通常状態の場合に消灯表示することにより各遊技状態を報知し、特別遊技の実行中は7セグメントLEDによりその特別遊技で実行する単位遊技数(ラウンド数)を表示する。異常報知部77は、遊技機の一部の異常を報知する表示部であり、例えば複数のランプで構成され、異常の種類に応じた点灯パターンにより異常を報知する。なお、これらの表示部を図柄等表示ユニット120に集約配置せず、各表示部を個別に構成してもよいし、または、適宜まとめた複数の表示装置に分けて構成してもよい。また、特定遊技状態等の遊技状態の報知は、例えば電源断から復帰した後の一定時間といった所定期間に限りなされるよう構成してもよい。
遊技領域81の略中央にはセンター飾り64により形成される画面枠から画面が露出するように演出表示装置60が設けられ、第1特別図柄51または第2特別図柄52に連動する装飾図柄61を含む演出画像の変動を表示する。以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という。
演出表示装置60は、第1特別図柄51または第2特別図柄52の変動表示と連動する形で装飾図柄61を変動表示する液晶ディスプレイで構成される表示装置である。装飾図柄61は、第1特別図柄51および第2特別図柄52で示される抽選の判定結果表示を視覚的に演出するための図柄である。演出表示装置60は、装飾図柄61として、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄を変動させる動画像を画面の中央領域に表示する。本実施例においては、「0」~「9」の数字で構成される図柄を3列に表示して変動させ、最終的に停止表示される3個の図柄組合せによって当りまたは外れを示す。装飾図柄61を構成する複数図柄のそれぞれは、色彩や模様の装飾が施された数字、文字、または記号で構成されるが、これら数字、文字、記号に対して全図柄に共通する絵柄または図柄ごとに異なる絵柄を加えて一体化させる形で構成されてもよい。この絵柄は、ぱちんこ遊技機100の当該機種に設定された装飾または演出のテーマに関連するモチーフが描かれた絵柄であり、例えば人物や動物のキャラクタが描かれた絵柄であってもよい。装飾図柄61は、絵柄が一体的に含まれる図柄が変動表示される場合と、絵柄が分離して数字、文字、記号の部分のみが変動表示される場合とが、演出の展開に沿って切り替えられる構成であってもよい。装飾図柄61の変動表示の背景には、ぱちんこ遊技機100の当該機種に設定された装飾または演出のテーマに関連する演出的効果を有する動画像が図柄変動と連動して表示される。
演出表示装置60は、高精細なドットマトリクス型表示装置である液晶ディスプレイで構成されるが、その表示領域の横幅は遊技領域の横幅の半分程度であってもよいし、半分を超える大型サイズであってもよい。大型サイズの場合、演出表示装置の右側の遊技球通路は遊技球1個が通過できる程度の通路幅にて形成され、遊技者はいわゆる「右打ち」として最大強度で打ち出せばほぼ確実に右側通路へ遊技球を通過させることができ、いわゆる「左打ち」との打ち分けができる。演出表示装置60は、単一の表示装置で構成される場合だけでなく、複数の表示装置の組合せで構成されてもよい。複数の場合、メイン液晶とサブ液晶の組合せといった大小異なる大きさのディスプレイを組み合わせてもよく、サブ液晶はメイン液晶に隣接する位置に配置されてもよいし、遊技盤以外の位置、例えば発射ハンドルの近傍(上球皿、右側装飾ランプなど)に設置されてもよい。発射ハンドルの近傍に設置される場合、遊技者が操作入力可能なタッチパネルの形で構成されてもよい。演出表示装置60は、液晶ディスプレイに限らず、有機ELディスプレイなどの表示装置で構成されてもよいし、ドラム回転式などの機械的表示手段やLEDマトリクス式などの表示手段で構成されてもよい。
演出ボタン109は、遊技者が演出内容に応じて遊技機へ所定の指示を入力するために押下する操作入力手段であり、その押下態様に応じて演出内容等に変化が加えられる。演出ボタン109は、前枠102に設けられる。演出ボタン109は、通常、前枠102内に格納されているが、演出ボタン109の裏側には棒状の部材が取り付けられており、棒状の部材と演出ボタン109とを盤面に略垂直な方向に突出させることができるように設けられる。棒状の部材と演出ボタン109は、外部に突出した状態においてレバー112として機能し、遊技者は演出ボタン109を握持してレバー112を下方へ引くことができるようになっている。これによっても、遊技者が遊技機へ所定の指示を入力することができる。十字キー110は、遊技者が遊技機へ方向指示を入力する操作入力手段であり、上球皿105の左方の外壁面に設けられる。
以上のような構成の遊技機においてなされる遊技の方法および制御の流れを概説する。遊技者が発射ハンドル107を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿105に貯留された遊技球が1球ずつレール82に案内されて遊技領域81へ発射される。遊技者が発射ハンドル107の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域81の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車、センター飾り64等に当たりながらその当たり方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口33、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口20の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿105または下球皿106に払い出される。一般入賞口33等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口34に落入した遊技球はアウト球として処理される。セーフ球の排出はアウト検出装置39による検出の対象外とする仕様としてもよいし、セーフ球もアウト検出装置39が設けられた領域に誘導してその排出をすべてアウト検出装置39により検出する仕様としてもよい。あるいは、セーフ球の誘導およびアウト検出装置39によるセーフ球の検出はせず、セーフ球の検出球数をアウト球の検出球数に加算した合計を排出球数とする仕様としてもよい。
また、第1作動口31または第2作動口32を遊技球が通過すると、普通図柄表示部45において普通図柄が変動表示され、表示に先だって決定された変動表示時間の経過後に停止表示される。普通図柄が第1の当り態様または第2の当り態様で停止表示された場合、停止表示された図柄の当り態様と停止表示された際の遊技状態に基づいて普通電動役物90を拡開する。すなわち、図柄停止時の遊技状態が通常遊技状態で、普通図柄が第1の当り態様で停止表示した場合には、普通電動役物90の開放として0.1秒間の短開放が実行される。また、特定遊技状態(例えば入球容易状態)時に普通図柄が第1の当り態様で停止表示した場合、通常時および特定遊技状態(例えば入球容易状態)時に普通図柄が第2の当り態様で停止表示した場合には、普通電動役物90の開放として6秒間の長開放が実行される。ここで、普通図柄の当選確率と長開放の実行確率は、遊技状態によって異なるように設定される。具体的には、通常状態における開放抽選では、1/100の確率で普通図柄が当りとなり、その場合の短開放の実行確率(第1の当り態様の当り図柄が選択される確率)は1/3、長開放の実行確率(第2の当り態様の当り図柄を選択する確率)は2/3に設定される。また、特定遊技状態(例えば入球容易状態)における開放抽選では、99/100の確率で普通図柄が当りとなり、第1の当り態様と第2の当り態様の選択確率は通常遊技状態と変わらないものの、いずれの態様で当選しても長開放が実行されるように設定される。このように入球容易状態では普通図柄の当り確率の変動機能(1/100から99/100に確率変動)と開放時間の延長機能(第1の当り態様で停止表示した場合の開放時間を0.1秒から6.0秒に延長)により、第2始動口12への入球容易性を高めている。なお、普通電動役物90の作動期間を延長させる機能(長開放)を「開放延長」と呼ぶこともある。
なお、上述のように通常状態では長開放となる確率の方が短開放の確率より高い仕様とすることで、普通図柄の当選時には通常状態でも一定の割合で長開放が実行されるようにする。変形例として、通常状態では逆に短開放となる確率の方が長開放の確率より高い仕様としてもよいし、両者の確率を同じにする仕様としてもよいし、必ず短開放となる仕様としてもよい。また、入球容易状態のときには、さらに普通図柄の変動時間の短縮機能を加えた3つの機能を用いて第2始動口12への入球容易性を高める構成としてもよい。その場合の普通図柄の変動時間は、例えば通常状態では10秒間であり、入球容易状態では2秒間である。なお、通常状態における開放抽選の当り確率をゼロ(0/100)に設定し、入球容易状態において開放抽選がなされた場合に限り普通電動役物90が拡開されうる仕様としてもよい。さらに、普通電動役物90が拡開するときはその旨を事前に報知してもよく、普通図柄変動の保留を先読みして普通図柄の変動開始前に報知してもよいし、普通図柄の変動中に報知してもよい。
第2始動口12の普通電動役物90を長開放させるときの開放態様の変形例としては、短開放時より長い2秒開放を3回繰り返すことにより総開放時間を6秒程度にまで長くする態様としてもよい。また、開放時間と開放回数の組合せを複数通り用意し、いずれかを選択する構成としてもよい。例えば2秒開放を3回の場合、6秒開放を1回の場合と比較して総開放時間は同じであるが、インターバル期間も含めると前者は後者より長い。そのため、特に第2始動口12を右打ちの方向に配置する変形例の構成では、開放に気がついた遊技者がその時点から打球方向を第2始動口12に合わせたとして前者の方が入球チャンスが長いともいえる。また、普通図柄の当り種類が複数存在するように構成し、その当り種類に応じて拡開機構の開放態様が異なるようにしてもよい。例えば、普通図柄が第1の当りとなった場合、通常状態では0.1秒開放を1回、入球容易状態では1秒開放を3回とし、第2の当りとなった場合、通常状態では6秒開放を1回、入球容易状態では2秒開放を2回としてもよい。
一方、第1始動口11または第2始動口12に入球すると、第1特別図柄表示部41、第2特別図柄表示部42および演出表示装置60において第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61が変動表示される。第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61の変動表示は、表示に先だって決定された変動表示時間の経過後に停止される。第1特別図柄51および第2特別図柄52は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動パターンにしたがって変動表示される。装飾図柄61は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動演出パターンにしたがって変動表示される。変動パターンおよび変動演出パターンはそれぞれ複数種ずつ用意され、それぞれが長短様々な変動時間をもつ。変動パターンにしたがって第1特別図柄51および第2特別図柄52が変動表示される間、同じ変動時間をもつ変動演出パターンにしたがって装飾図柄61が変動表示される。変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61の変動が停止される。以下、変動演出パターンにしたがって表示される装飾図柄61の変動表示を例示するとともに、変動演出パターンについて簡単に説明する。なお、変動パターンおよび変動演出パターンの決定方法等の詳細は別途説明する。
装飾図柄61の変動表示の一例としては、まず変動開始とともにスロットマシンのリール回転のように3列とも図柄を変動させ、変動終了タイミングへ近づいたときに一列ずつ停止させることで最終的な停止態様としての図柄組合せを表示する。なお、装飾図柄190の変動停止時の動作として、1列ずつではなく複数列同時に停止させるよう制御して変動表示中に装飾図柄以外の演出表示を注目させてもよいし、より短い変動時間で図柄変動を表示できるようにしてもよい。また、装飾図柄190の変動開始時の動作として当該変動におけるその後の展開(演出パターンの種類等)に応じて一部の列の変動開始を遅延させるように制御して、期待感を演出するようにしてもよい。
次に、変動演出パターンについて簡単に説明する。変動演出パターンには、通常外れ演出パターン、リーチ外れ演出パターン、リーチ大当り演出パターンが含まれる。通常外れ演出パターンは、通常の外れの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。リーチ外れ演出パターンは、あと一つ図柄が揃えば大当りとなる状態であるリーチ状態を経て外れの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。リーチ大当り演出パターンは、リーチ状態を経て大当りの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれ、相対的に変動時間の短いリーチパターンを「ノーマルリーチ」と称し、変動時間の長いリーチパターンを「スーパーリーチ」と称する。通常外れ演出パターン、リーチ外れ演出パターン、リーチ大当り演出パターンは、それぞれ通常状態にて表示する通常のパターンと、時短状態において表示する時短用パターンとがある。ただし、通常状態であっても、第2始動口12への入球に対応する第2図柄変動であった場合は、大当りが確変を伴う確率や特別遊技の単位遊技数が多くなる確率が第1始動口11への入球に対応する第1変動より高いチャンス状態といえるため、相対的に有利な大当りが発生するチャンスであることを表示するチャンス演出用のパターンを用いてもよい。なお、実施例では時短状態において時短用のパターンを用いるが、確変状態では時短を伴うため、確変状態においても時短用パターンが用いられる。ただし、変形例では確変状態において時短用とは異なる確変用のパターンを用いる仕様としてもよい。あるいは、時短用と確変用で共通のパターンを用いる仕様としてもよいし、時短用のパターンは特に用いずに確変状態において確変用のパターンを用いる仕様としてもよい。
なお、当否抽選の保留数が所定数(例えば3個)になると、遊技効率を高めるために外れの場合の図柄変動時間が通常より短縮される(以下、「短縮変動」ともいう)。同様に、当否抽選の保留数が4個になると、さらに遊技効率を高めるために外れの場合の図柄変動時間が上記3個の場合よりもさらに短縮される(以下、「超短縮変動」ともいう)。上述の図柄変動を経て、停止時の第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61が大当りを示す停止態様となった場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、大入賞口20の開閉動作が開始される。大当りを示す装飾図柄61の停止態様は、例えば3つの図柄の種類が一致する組合せの態様である。
特別遊技には通常特別遊技と短縮特別遊技の2種類があり、それぞれ獲得賞球による利益に大きな差が生じる。通常特別遊技は、開始デモ時間と呼ばれる演出画面の表示によって開始される。開始デモ時間の画面表示後に大入賞口20が開放され、その開放が約30秒間続いた後、または9球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。このような大入賞口20の開放から閉鎖までが、基本的には単位遊技と呼ばれるが、1回の単位遊技の間に複数回の短時間の開放を繰り返す場合があってもよい。大入賞口20の開閉ないし単位遊技が所定回数、例えば4回または10回繰り返された後、終了デモ時間と呼ばれる演出画面の表示によって通常特別遊技が終了される。通常特別遊技においては、1回の単位遊技あたり9球以上の入球が十分に期待でき、10回分の単位遊技によって十分な賞球(これを「出玉」ともいう)を獲得でき、大きな利益が得られる。10回の単位遊技が繰り返される特別遊技を適宜「10R大当り」とも称し、4回の単位遊技が繰り返される特別遊技を適宜「4R大当り」とも称する。なお、単位遊技は10回繰り返されるものの、一部の単位遊技で大入賞口20を通常よりも短い時間(例えば1.6秒)開放させることで実質的に少数回の単位遊技が繰り返されたものと同様の通常特別遊技(「実質nR大当り」と称する場合もある)を実現することもできる。
一方、短縮特別遊技は、開始デモ時間および終了デモ時間が短く、または、ほとんどなく(0.1秒など)、1回の単位遊技で大入賞口20を1.6秒間だけ開放させる。この単位遊技を2回繰り返して短縮特別遊技が終了される。短縮特別遊技では、ごく短時間の大入賞口20の開放を2回繰り返すだけであるため、大入賞口20にはほとんど入球し得ず、実質的に出玉がほぼゼロまたは少数(例えば数球~数10球程度など、1ラウンドに1~2球程度までの入球に応じた払出数)に等しい特別遊技である。2回の単位遊技が繰り返される特別遊技を適宜「2R大当り」とも称する。なお、単位遊技の回数は通常特別遊技と同じものの、全ての単位遊技で大入賞口20を通常よりも短い時間開放させることで短縮特別遊技を実現することもできる。
また、上述の図柄変動を経て、停止時の第1特別図柄51または第2特別図柄52および装飾図柄61が所定の小当り態様であった場合、1回の単位遊技で構成される小当り遊技に移行し、大入賞口20の開閉動作が実行される。小当り遊技を構成する1回の単位遊技においては、大入賞口20が約1.6秒間だけ開放され、外観上は2R大当りと近似する動作態様となる。
特別遊技が発生した場合であってそのときの当り停止図柄が特定の態様(例えば「777」)であった場合、特別遊技の終了後に特定遊技の一つである確変がさらに開始される。確変中は、通常の確率状態より当りの確率が高い当否抽選が行われ、比較的早期に新たな特別遊技が発生し得る。なお、当否抽選の判定結果が特定大当り、すなわち確変を伴う大当りであったことは外観上明示せず、装飾図柄や演出内容として明示的に報知しない潜伏確変状態としてもよい。その場合、確変中であっても確変であるか非確変であるかが演出表示装置60には明示されない。なお、所定条件が成立した場合に確変であるか非確変であるかを演出表示装置60に明示してもよい。
特別遊技が終了した後の通常遊技において特定遊技状態の一つである入球容易状態が開始される。入球容易状態では、開放抽選の当り確率を通常より高めるとともに、普通電動役物90の拡開時間を長開放とする開放延長を実行する。一定時間あたりの普通図柄の当り回数が増加し得る上、第2始動口12への入球容易性も増すため、第2始動口12への入球数が増加する可能性も高い。したがって、第2始動口12への入球による賞球を得られる機会が増加する結果、持ち玉をほとんど減らさないか、あるいは少しずつ持ち玉を増やしながら遊技し続けることが可能となる。
入球容易状態においては、特定遊技状態の一つとして、第1特別図柄51、第2特別図柄52、装飾図柄61の変動時間が通常状態よりも短縮される、いわゆる時短がさらに実行される。第1特別図柄51、第2特別図柄52、装飾図柄61の変動時間は、所定の変動回数、例えば100回の変動表示がなされた後で元の変動時間に戻されるが、その変動回数に達する前に大当りが発生すれば時短もいったん終了する。時短において第1特別図柄51、第2特別図柄52、装飾図柄61の変動時間が短縮されるため、通常の変動時間のまま図柄変動がなされる通常状態の場合と比べて、大当りが発生するまでの時間を短縮することができ、大当りの獲得容易性を相対的に高めることができる。変形例では、入球容易状態において特別図柄の時短を実施しない仕様としてもよい。
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。電源スイッチ150は、ぱちんこ遊技機100の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板200は、ぱちんこ遊技機100の全体動作を制御し、とくに第1始動口11、第2始動口12へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板300は、液晶ユニット151を備え、演出表示装置60における表示内容を制御し、特にメイン基板200による判定結果に応じて演出的な表示内容を変動させる。裏セット機構152は、賞球タンク153や賞球の流路、賞球を払い出す払出装置154等を含む。払出装置154は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク153から供給される遊技球を上球皿105へ払い出す。払出制御基板155は、払出装置154による払出動作を制御する。発射装置156は、上球皿105の貯留球を遊技領域81へ1球ずつ発射する。発射制御基板157は、発射装置156の発射動作を制御する。電源基板158は、ぱちんこ遊技機100の各部へ電力を供給する。メイン基板200の基板上には、性能表示部159が設けられる。性能表示部159は、セーフ球とアウト球の合計である発射球総数に対する総賞球数の比率を、例えば4桁の数字を表示する4つの7セグメントLEDで構成される。
メイン基板200の基板上には、設定変更装置170が設けられる。設定変更装置170は、複数の遊技仕様に対応する複数の設定(遊技設定ともいう)のいずれかに設定を変更するための装置である。遊技設定として例えば6段階の設定(設定1~設定6)が用意され、遊技設定に応じて大当りとなる確率を異ならせることができる。具体的には、設定1から設定6のうち数値が大きいほど遊技者に有利な遊技仕様にでき、設定1から設定6までの大当り確率のそれぞれをM1~M6とした場合、M1≦M2≦M3≦M4≦M5≦M6となるように各設定の大当り確率を定めることができる。異なる遊技設定に対して異なる大当り確率を割り当てることは必須ではなく、異なる遊技設定間で大当り確率が同一となるようにしてもよい。例えば、設定1から設定6までの全ての遊技設定に対して同一の大当り確率を割り当ててもよい。
設定変更装置170は、遊技店の従業員が持つ設定キーを挿入する設定キーシリンダ171と、複数の遊技設定のいずれかに設定を変更するための設定変更ボタン172と、設定された設定値を点灯表示する設定表示部173と、設定された設定値を記憶する設定メモリとを含む。設定キーシリンダ171は、設定を変更できる状態(以下「設定変更状態」という)や設定を確認できる状態(以下「設定確認状態」という)へ移行するためのターンキー型のスイッチである。まず、電源スイッチ150をオフにし、設定キーシリンダ171に設定キーを挿入して設定キーを回してオン状態にしてから、電源スイッチ150をオンにすると、設定変更状態または設定確認状態へ移行する。設定変更状態へ移行するためには、RAMクリアスイッチ(「RWMクリアスイッチ」と呼称する場合もある)を押下しながら電源スイッチ150をオンにする。一方、設定確認状態へ移行するには、RAMクリアスイッチを押下せずに電源スイッチ150をオンにする。
設定変更状態へ移行した場合、設定表示部173に遊技設定の初期値として設定1を示す「1」の数字が表示され、設定変更ボタン172を押下することで設定を変更できる。設定表示部173は、1桁の数字を表示する7セグメントLEDで構成される。設定変更ボタン172を1回押下するごとに設定表示部173に表示される設定値が1→2→3→4→5→6→1→・・・というように順番に変更される。設定を変更した後に設定キーシリンダ171に挿入した設定キーを元に戻してオフ状態にすると、そのときに設定表示部173に表示されている設定値が設定メモリに記憶されて設定変更が確定し、遊技可能な状態となる。一方、設定確認状態へ移行した場合、設定メモリに記憶された設定値が設定表示部173に表示される。設定確認状態では、設定変更ボタン172を押下しても設定表示部173に表示される設定値は切り替わらず、設定を変更することはできない。その後、設定キーシリンダ171に挿入した設定キーを元に戻してオフ状態にすると、遊技可能な状態となる。なお、設定キーをオフ状態にして遊技可能な状態にすると、設定表示部173が消灯し、現在の設定値を視認できない状態となる。
なお、設定変更ボタン172は、RAMクリアスイッチと兼用されてもよい。この場合、設定キーが回されていない状態(設定キーオフ状態)でRAMクリアスイッチが押されたまま電源投入があれば、RAMクリアが実行される。一方、設定キーが回された状態(設定キーオン状態)でRAMクリアスイッチが押されたまま電源投入があれば、RAMクリアの実行とともに設定変更状態へ移行する。また、設定キーオフ状態でRAMクリアスイッチが押されずに電源投入があれば、RAMクリアを伴わない電源復帰となる。一方、設定キーオン状態でRAMクリアスイッチが押されずに電源投入があれば、設定確認状態へ移行する。また、設定表示部173は、性能表示部159と兼用されてもよい。この場合、兼用表示部は、遊技可能状態の場合には性能表示部159として機能し、設定変更状態または設定確認状態の場合には設定表示部173として機能してもよい。その他、設定変更装置170を設けないこととし、遊技設定の変更が不可となるようにしてもよい。
<機能ブロック>
図3は、ぱちんこ遊技機100の機能ブロックを示す。以下、各構成を用いて実現される機能を説明するが、本明細書中では、物理構成と機能構成を整合させるため、例えばメイン基板200、払出制御基板155、発射制御基板157等、物理構成として既に説明している部分については便宜上その用語をそのまま使用する場合がある。
ぱちんこ遊技機100は、遊技機外部から供給される交流電源(AC24V等)に基づいて遊技機内で使用する電源を生成する電源基板158と、遊技の基本動作や遊技の進行を制御する主制御装置としてのメイン基板200と、賞球払出しを制御する枠制御装置としての払出制御基板155と、遊技領域への遊技球の発射を制御する発射制御基板157と、演出的な動作や処理を制御する副制御装置としてのサブ基板300とに機能を分担させた形態で構成される。
メイン基板200は、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口20、第1作動口31、第2作動口32、一般入賞口群(第1一般入賞口33a,第2一般入賞口33b)、アウト口34、図柄等表示ユニット120、外部情報出力端子160と電気的に接続されており、各々との間で各種制御信号を送受信する。払出制御基板155は、メイン基板200、発射制御基板157、払出装置154と電気的に接続されている。払出制御基板155は、メイン基板200から送信される賞球払出やメイン基板200の制御状態を示す信号等に基づいて発射の許可信号を発射制御基板157に送信して発射制御基板157を間接的に制御するとともに、払出装置154による賞球の払出を制御する。払出装置154は、払出モータ166と球計数センサ167を含む。発射制御基板157は、払出制御基板155、発射装置156、球送装置164と電気的に接続されており、払出制御基板155から送信される発射の許可信号等に基づいて球送装置164および発射装置156を制御して遊技球を発射させる。サブ基板300は、演出表示装置60、可動役物66(駆動モータ67、位置検出センサ68)、スピーカー108、演出用入力操作装置115(演出ボタン109、十字キー110)、装飾ランプ111と電気的に接続されており、各々との間で各種制御信号を送受信する。
メイン基板200とサブ基板300の間におけるデータの送受信はメイン基板200からサブ基板300への一方向となるよう一方向でのデータ送受信にて全体動作を実現するための各構成がメイン基板200とサブ基板300に配置される。メイン基板200からサブ基板300へのデータ送信の一方向性が保たれるため、サブ基板300に含まれる構成からメイン基板200に含まれる構成へはデータを送信することができず、データ送信の要求もできない。したがって、サブ基板300は、メイン基板200で生成された情報が送信されない限りその情報を参照することはできない。また、メイン基板200と払出制御基板155の間、払出制御基板155と発射制御基板157の間は、双方向でデータ送受信がなされる。ただし、メイン基板200とサブ基板300の間と同様、メイン基板200から払出制御基板155への一方向でのデータ送受信とする構成や、払出制御基板155から発射制御基板157への一方向でのデータ送受信とする構成にしてもよい。
なお、以下に説明するメイン基板200、払出制御基板155、発射制御基板157、サブ基板300に含まれる各機能ブロックはあくまで例示にすぎず、変形例として、一部の機能ブロックが他の基板に搭載されてもよい。例えばメイン基板200に含まれる機能ブロックがサブ基板300に搭載される形で構成してもよいし、発射制御基板157に含まれる機能ブロックが払出制御基板155に搭載される形で構成してもよい。また、例えばメイン基板200に含まれる機能ブロックの一部がメイン基板200に搭載される形で構成してもよいし、残りの部分が払出制御基板155に搭載される等、機能ブロックの一部を複数の基板に分割して設け、全体として1つの機能ブロックが構成されるようにしてもよい。
<メイン基板200>
図4は、メイン基板200の機能構成を示すブロック図である。メイン基板200は、入球判定手段201、性能表示部159、乱数生成手段202、第1抽選手段211、第2抽選手段212、事前判定手段235、普図抽選手段213、保留制御手段240、メイン表示制御手段250、特別遊技制御手段260、小当り遊技制御手段265、特定遊技制御手段270、開閉制御手段275、特図調整手段276、メイン初期処理実行手段280、メイン電断処理実行手段282、メインエラー検出手段284、設定変更手段286、設定確認手段287、コマンド通信手段205を備える。
<入球判定手段201>
入球判定手段201は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段201は、第1始動入賞情報を受け取ると遊技球が第1始動口11に入賞したと判断し、第2始動入賞情報を受け取ると遊技球が第2始動口12に入賞したと判断する。入球判定手段201は、大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が大入賞口20に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口33に入賞したと判断する。入球判定手段201は、通過情報を受け取ると遊技球が第1作動口31または第2作動口32を通過したと判断する。入球判定手段201は、排出情報を受け取ると遊技球がアウト口34を通過したと判断する。入球判定手段201は、セーフ球とアウト球の合計である発射球総数に対する総賞球数の比率を算出して性能表示部159に表示させる。入球判定手段201は、大当りとなる確率が通常確率状態かつ通常入球状態(いわゆる低確率かつ低入球である低低状態)のときの「払出球数」÷「アウト球数」×100の値を性能表示部159に表示させる。したがって、性能表示部159は、低ベース状態でのベースを表示する。
<乱数生成手段202>
乱数生成手段202は、第1抽選手段211、第2抽選手段212、普図抽選手段213での各種決定に用いるための乱数を生成する。具体的には、乱数生成手段202は、第1当否判定手段221、第2当否判定手段222による当否抽選で使用する乱数(「当否抽選値」ともいう)として「0」から「65535」までの範囲の乱数を所定手段により生成する。また、乱数生成手段202は、第1図柄決定手段226、第2図柄決定手段227による図柄決定(図柄抽選)で使用する乱数(「図柄決定抽選値」ともいう)として「0」から「255」までの範囲の乱数を所定手段により生成する。また、乱数生成手段202は、第1変動パターン決定手段231、第2変動パターン決定手段232による変動パターンの決定で使用する乱数(「変動パターン決定抽選値」ともいう)として「0」から「255」までの範囲の乱数を所定手段により生成する。また、乱数生成手段202は、普図抽選手段213による当否抽選で使用する乱数として「0」から「99」までの範囲の乱数を所定手段により生成する。また、乱数生成手段202は、普通図柄の決定の際に使用する乱数として「0」~「2」までの範囲の乱数を所定手段により生成する。なお、ここでいう「乱数」は、乱数生成回路で生成する物理乱数や数学的な意味での真正乱数のほか、16ビットカウンタを利用した乱数や乱数生成アルゴリズムを利用したソフトウェア乱数などの疑似乱数でもよい。またはハードウェア乱数とソフトウェア乱数を組み合わせて生成する乱数でもよい。また、第1抽選手段211および第2抽選手段212で取得する乱数は、同じ生成手段により生成された乱数を取得してもよいし、別の生成手段により生成された乱数を取得してもよい。
<普図抽選手段213>
普図抽選手段213は、第1作動口31または第2作動口32を遊技球が通過したときに、普通図柄の当否抽選に用いる乱数と普通図柄の停止図柄決定に用いる乱数とを乱数生成手段202から取得して抽選を実行する。普図抽選手段213は、普通図柄の当否判定のために参照する普通図柄当否判定テーブル(不図示)と、普通図柄表示部45に表示させる普通図柄の停止図柄決定のために参照する普通図柄判定テーブルとを保持する。普通図柄当否判定テーブルには当否抽選用の抽選値と当りとの対応関係が、普通図柄判定テーブルには停止図柄決定用の抽選値と普通図柄との対応関係がそれぞれ定められており、前述した当り確率と図柄の選択確率に基づいて普通図柄の当否および停止図柄が決定される。普図抽選手段213は、普通図柄の当否抽選用の抽選値が当りに該当する場合、普通図柄判定テーブルを参照して普通図柄の停止図柄を決定し、普通図柄の当否抽選用の抽選値が外れに該当する場合はつねに1の外れ図柄の態様を決定する。普通図柄の当否判定の結果が当りに該当し、普通図柄が所定の図柄(第1の当り態様または第2の当り態様)で停止すると、後述する開閉制御手段275が停止図柄の態様と遊技状態に応じて第2始動口12の普通電動役物90を拡開する。拡開時間は、短開放時が0.1秒で、長開放時で6秒である。普通図柄の抽選値は、後述する保留制御手段240により一時的に保留される。ただし、保留制御手段240により保留される所定の保留上限数を超えない場合にだけ抽選値が保留される。
<第1抽選手段211および第2抽選手段212>
第1抽選手段211は、第1の遊技に係る第1の抽選を実行する機能として、第1抽選値取得手段216、第1当否判定手段221、第1図柄決定手段226、第1変動パターン決定手段231を含み、第1始動口11への入球に対応する当否抽選として第1当否抽選を実行する。第1抽選手段211による各種の抽選結果に基づき、メイン表示制御手段250により第1特別図柄表示部41において第1特別図柄51の変動表示がなされる。また、コマンド通信手段205から送信される情報に基づき、演出表示装置60の表示領域において装飾図柄61の変動表示がなされる。第2抽選手段212は、第2抽選値取得手段217、第2当否判定手段222、第2図柄決定手段227、第2変動パターン決定手段232を含み、第2始動口12への入球に対応する当否抽選として第2当否抽選を実行する。第2抽選手段212による各種の抽選結果に基づき、メイン表示制御手段250により第2特別図柄表示部42において第2特別図柄52の変動表示がなされる。また、コマンド通信手段205から送信される情報に基づき、演出表示装置60の表示領域において装飾図柄61の変動表示がなされる。
<第1抽選値取得手段216および第2抽選値取得手段217>
第1抽選値取得手段216は、第1始動口11への入球を契機に、第1抽選手段211による各種の抽選や決定のための乱数を乱数生成手段202から取得する。具体的には、第1当否判定手段221による当否判定用の第1当否抽選値、第1図柄決定手段226による第1特別図柄51の停止態様決定用の第1図柄抽選値、第1変動パターン決定手段231による第1特別図柄51の変動パターン(変動時間)決定用の第1パターン抽選値をそれぞれ対応する乱数生成手段から取得する。第2抽選値取得手段217は、第2始動口12への入球を契機に、第2抽選手段212による各種の抽選や決定のための乱数を乱数生成手段202から取得する。具体的には、第2当否判定手段222による当否判定用の第2当否抽選値、第2図柄決定手段227による第2特別図柄52の停止態様決定用の第2図柄抽選値、第2変動パターン決定手段232による第2特別図柄52の変動パターン(変動時間)決定用の第2パターン抽選値をそれぞれ対応する乱数生成手段から取得する。
第1当否判定手段221は、第1当否抽選値に基づき、特別遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する。第2当否判定手段222は、第2当否抽選値に基づき、特別遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する。当否判定では、より具体的には、特別遊技へ移行することを示す「大当り」、小当り遊技へ移行することを示す「小当り」、特別遊技および小当り遊技には移行しないことを示す「外れ」、のいずれに該当するかが判定される。第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、当否判定で参照する当否判定テーブルを保持する。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する当否判定を、後述する事前当否判定と区別するために、適宜「本判定としての当否判定」とも呼ぶ。なお、本明細書において「テーブル」や「選択基準」というときは、厳密に抽選値などの第1のパラメータと、選択肢を示す値などの第2のパラメータとの対応関係をテーブル構造で定めたデータを指すだけでなく、そのような対応関係として第1のパラメータから第2のパラメータを導出するプログラム構造で実現する場合も広く含むものとする。それらを含めて実質的に「テーブル」と同義の概念として適宜「選択基準」と称する。また、テーブル構造を用いる場合、実質的に1種類となる選択基準を構造的に細分化された複数のテーブルの組合せで構成してもよいが、「複数種の選択基準」というときはその細分化されたテーブルの数ではなくテーブルの実質的な種類の数を示す。
第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、当否判定で参照する当否判定テーブルとして、それぞれの当否判定に対応するテーブルを保持する。具体的には、第1当否判定手段221による当否判定用の当否判定テーブル(「第1当否判定テーブル」ともいう)と、第2当否判定手段222による当否判定用の当否判定テーブル(「第2当否判定テーブル」ともいう)を保持し、実行する当否判定に応じて参照するテーブルを選択する。複数の当否判定テーブルには、大当り、小当り、外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられた大当りの範囲設定に応じて当否確率が定まる。また、複数の遊技設定に対応する複数種類の当否判定テーブルが用意され、例えば設定1から設定6までの遊技設定のそれぞれに対し、当否抽選値と当否判定結果との対応関係が異なる当否判定テーブルが用意される。なお、複数の遊技設定間で大当り、小当り、外れの確率が同一である場合には、複数の遊技設定で共通となる当否判定テーブルが用意されてもよい。
図5は、当否判定テーブルを模式的に示す図である。本図は、特定の遊技設定に対応する当否判定テーブルを示し、設定6に対応する当否判定テーブルを示す。本図の当否判定テーブルには、大当り、小当り、外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられたそれぞれの範囲設定に応じて大当り当否確率や小当りの当否確率が定まる。第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、本判定として当否判定において本図の当否判定テーブルを参照する。第1当否判定手段221による第1当否抽選と第2当否判定手段222による第2当否抽選のいずれにおいても、通常時には当否抽選値が0~299の範囲に該当したときのみ大当りとなる。確変時には大当りの範囲が拡大され、当否抽選値が0~299の範囲に該当する場合だけでなく、300~2999の範囲に該当する場合にも大当りとなる。このように、大当りに該当する範囲は遊技状態に応じて変化する。なお、本図では単一の当否判定テーブルによって通常時と確変時の双方の大当り範囲を示したが、当否判定テーブルは通常時用と確変時用とで別個に用意してもよいし、第1当否抽選用と第2当否抽選用とで別個に用意してもよい。
本実施例においては、当否抽選値が大当り範囲に該当しない場合であっても、所定の範囲に該当した場合には小当りとなる。本図の例では、第1当否判定手段221が取得する当否抽選値が56500~65535の範囲に該当した場合に小当りとなり、第2当否判定手段222が取得する当否抽選値が64000~65535の範囲に該当した場合に小当りとなる。すなわち、第2当否抽選よりも第1当否抽選の方が小当りに該当する範囲が広く、小当りが発生しやすい。このように、大当りに該当しなかった場合、本来はすべて「外れ」であるが、本図の例では大当りに該当しなかった場合のうち小当りにも該当しなかった場合の当否抽選値範囲を特に「外れ」と表現している。すなわち、「当否」を「大当りか否か」の観点で捉える場合は、「小当り」は「大当りではない」という意味で広義の「外れ」に含めて考えてもよい。また、「当否」を「当りか否か」の観点で捉える場合には、「小当り」は「大当り」とともに広義の「当り」に含めて考えてもよい。なお、本図では大当りか否かの判定テーブルと小当りか否かの判定テーブルとを単一の当否判定テーブルの形で実現する例を示したが、それぞれを別個のテーブルとして実現してもよい。また、「小当り」については、第1の遊技と第2の遊技の一方のみに設けることとしてもよいし、いずれの遊技にも設けないこととしてもよい。その場合、対応する当否判定テーブルに小当りに対応する値が設定されない。
図6は、設定値ごとの当否抽選値の範囲設定を模式的に示す。本図(a)は、第1当否判定手段221が取得する第1当否抽選値と当否判定結果の対応関係を示す。本図(b)は、第2当否判定手段222が取得する第2当否抽選値と当否判定結果の対応関係を示す。通常時および確変時に大当りとなる第1当否抽選値および第2当否抽選値の範囲は、設定値「1」であれば0~294、設定値「2」であれば0~295、設定値「3」であれば0~296、設定値「4」であれば0~297、設定値「5」であれば0~298、設定値「6」であれば、0~299である。したがって、設定値が大きくなるほど通常時に大当りとなる当否抽選値の範囲が増え、通常時に大当りとなる確率が高められる。また、確変時にのみ大当り(つまり、通常時は外れ)となる第1当否抽選値および第2当否抽選値の範囲は、設定値「1」であれば295~2949、設定値「2」であれば296~2959、設定値「3」であれば297~2969、設定値「4」であれば298~2979、設定値「5」であれば299~2989、設定値「6」であれば、300~2999である。したがって、設定値が大きくなるほど確変時に大当りとなる当否抽選値の範囲も増え、確変時に大当りとなる確率も高められる。なお、通常時に大当りとなる通常時大当り確率と、確変時に大当りとなる確変時大当り確率との比は、設定値に拘わらず一定となるように当否抽選値の範囲が定められる。本図では、通常時大当り確率に対して確変時大当り確率が10倍となるように当否抽選値の範囲が定められており、全ての設定値「1」~「6」において共通となっている。また、小当りとなる確率も設定値に拘わらず一定となるように当否抽選値の範囲が定められる。全ての設定値「1」~「6」において、第1当否抽選値の範囲が56500~65535に該当した場合に小当りとなり、第2当否抽選値の範囲が64000~65535に該当した場合に小当りとなる。大当りまたは小当りとなる範囲外の当否抽選値の範囲は「外れ」となる。本図では、設定値ごとに大当り確率を異ならせているが、異なる設定値間で大当り確率が同一となるように当否抽選値と当否判定結果の対応関係を定めてもよい。
<第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227>
図4に戻り、第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、乱数生成手段202から取得する図柄抽選値と当否判定の結果に基づいて、図柄の変動開始にあたってその停止図柄を決定する。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、特別図柄の停止図柄を決定するために参照する複数の図柄判定テーブルを保持する。具体的には、第1図柄決定手段226は第1当否判定手段221による当否判定の結果に応じた複数の図柄判定テーブルを保持し、第2図柄決定手段227は第2当否判定手段222による当否判定の結果に応じた複数の図柄判定テーブルを保持する。第1当否判定手段221は、大当り時に参照する大当り時第1図柄判定テーブル、小当り時に参照する小当り時第1図柄判定テーブル、外れ時に参照する外れ時第1図柄判定テーブルを保持する。第2当否判定手段222は、大当り時に参照する大当り時第2図柄判定テーブル、小当り時に参照する小当り時第2図柄判定テーブル、外れ時に参照する外れ時第2図柄判定テーブルを保持する。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、当否判定の結果に応じて参照する図柄判定テーブルを選択する。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する図柄判定を、後述する事前図柄判定と区別するために、適宜「本判定としての図柄判定」とも呼ぶ。
図7は、図柄判定テーブルを模式的に示す図である。図7(a)は当否判定結果が大当りであった場合に参照するテーブルであり、図7(b)は当否判定結果が外れであった場合に参照するテーブルであり、図7(c)は当否判定結果が小当りであった場合に参照するテーブルである。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、本判定として図柄判定において本図の図柄判定テーブルを参照する。各図柄判定テーブルには、特別図柄の種類を示す「0」~「10」の番号と第1図柄抽選値または第2図柄抽選値との対応関係が定められている。特別図柄の種類はそれぞれ大当り、小当り、外れの当否判定結果と対応付けられており、「0」~「4」が大当りに対応し、「5」~「9」が小当りに対応し、「10」が外れに対応する。各種類には複数の特別図柄、すなわちセグメントの組合せで形成される一般に意味を持たない記号が複数割り当てられている。
図7(a)に示す通り、特別図柄の種類「0」~「4」が大当りおよび大当り後の確率変動の有無に対応付けられている。具体的には、種類「0」は特定大当りとして確変を伴う10R大当りを示し、第1図柄抽選値の場合は「0~99」に対応付けられ、第2図柄抽選値の場合は「0~144」に対応付けられる。種類「1」は特定大当りとして確変を伴う4R大当り(または「実質4R当り」)を示し、第1図柄抽選値の場合は「100~149」に対応付けられ、第2図柄抽選値の場合は「145~149」に対応付けられる。種類「2」は確変を伴う2R大当りを示し、第1図柄抽選値および第2図柄抽選値がともに「150~189」に種類「2」が対応付けられる。種類「3」は通常大当りとして確変を伴わない10R大当りを示し、第1図柄抽選値および第2図柄抽選値がともに「150~189」に種類「3」が対応付けられる。種類「4」は通常大当りとして確変を伴わない4R大当りを示し、第1図柄抽選値および第2図柄抽選値がともに「230~255」に種類「4」が対応付けられる。このように図柄抽選値の範囲の大きさによって大当り種類(すなわち、大当りの内容とその後の確率変動の有無)ごとの選択確率が定まる。
なお、特別図柄の種類をより多く設けることも可能であり、その場合には複数の特別図柄の種類に対応して1の大当り種類が定まるように構成することで、図柄種類を増やしつつ大当りの種類を少なく設定することができる。あるいは、増加した図柄種類に対応させてより多くの大当りの種類に細分化することも可能である。さらに、第1の抽選時と第2の抽選時とで異なる図柄種類を設けることも可能である。この場合には、第1の抽選時に選択される特別図柄の種類、第2の抽選時に選択される特別図柄の種類のそれぞれに対応するように1の大当り種類が定まるように構成される。ただし、第1の抽選と第2の抽選とで確率変動の割合が同一となるように設定することが望ましい。
図7(b)に示す通り、種類「10」は当否判定結果が外れの場合における全範囲の図柄抽選値に対応付けられている。したがって、外れの場合には必ず同じ特別図柄が停止表示することが決定される。なお、外れの場合に停止表示する特別図柄を複数設けることも可能である。
図7(c)に示す通り、特別図柄の種類「5」~「9」が小当りに対応付けられている。種類「5」は図柄抽選値の範囲「0~49」に対応付けられ、種類「6」は図柄抽選値の範囲「50~99」に対応付けられる。種類「7」は図柄抽選値の範囲「100~149」に対応付けられ、種類「8」は図柄抽選値の範囲「150~199」に対応付けられ、種類「9」は図柄抽選値の範囲「200~255」に対応付けられる。
なお、本実施例においては、メイン基板200における記憶領域を節約するために、事前図柄判定においても図7のテーブルが事前図柄判定テーブルとして参照される。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、事前図柄判定の結果として特別図柄の種類を示す「0」~「10」の値を第1当否抽選または第2当否抽選であることを示す値や保留の個数とともに演出決定手段303へ送信する。なお、事前図柄判定テーブルとして、さらに細分化し複雑な判定を実施可能としたもの、または同様の特別遊技を実行する大当り図柄の判定範囲をまとめて簡易的にしたものを利用するようにしてもよい。また、本実施例のように外れの際に一律に図柄が定まる場合は、取得した図柄抽選値を参照することなく、また、外れ時用の図柄判定テーブルを用意することなく、特定の図柄を決定してもよい。
<第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232>
図4に戻り、第1変動パターン決定手段231は、第1特別図柄表示部41および演出表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、乱数生成手段202から取得する第1パターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定する。第2変動パターン決定手段232は、第2特別図柄表示部42および演出表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、乱数生成手段202から取得する第2パターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定する。第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、それぞれ図柄変動を開始する際に変動パターンテーブルを参照してその図柄変動の変動パターンを決定する。また、第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、パターン抽選値がいずれの変動パターン範囲に該当するかの事前パターン判定を実行する。第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232、メイン基板200の制御手段は、変動開始条件を満たした際に変動パターンを決定するために参照する変動パターンテーブルと、始動口への入球時に先読み処理の実行判定のための情報生成に使用する事前パターン判定テーブルをそれぞれ保持または共有する。変動パターンには、特別図柄を変動表示させるときの変動開始から停止までの変動時間が定められており、その種類によって長短様々な変動時間をもつ。すなわち、図柄変動の表示過程が定められた各変動パターンには、実質的には、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄の変動が停止される。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する変動パターン判定を、特に事前パターン判定と区別するために、適宜「本判定としての変動パターン判定」とも呼ぶ。また、後述する装飾図柄の変動演出パターンの選択に資するため、同一の変動時間でありながら異なる種類の変動パターンとして定義する場合もある。
図8は、変動パターンテーブルを模式的に示す図である。第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、通常状態においては本図(a)のテーブルを参照し、時短状態においては本図(b)のテーブルを参照する。
図8(a)の通り、通常状態において当否判定結果が外れとなった場合、パターン抽選値が0~4であればパターン範囲番号「0」のスーパーリーチである「スーパー1」を選択し、パターン抽選値が5~9であればパターン範囲番号「1」のスーパーリーチである「スーパー2」を選択する。パターン抽選値が10~19であればパターン範囲番号「2」のノーマルリーチである「ノーマル1」を選択し、パターン抽選値が20~29であればパターン範囲番号「3」のノーマルリーチである「ノーマル2」を選択する。パターン抽選値が30~255であればパターン範囲番号「4」の「リーチなし外れ」を選択する。「リーチなし外れ」としては、保留数に応じて異なる変動パターンが選択され、保留数が0~2のときは10秒の変動パターン、保留数が3のときは7秒の変動パターン、保留数が4のときは4秒の変動パターンがそれぞれ選択される。
本図では、変動時間別に主に5種類に分類した例を説明するが、サブ基板300においてそれらの変動パターンごとに複数の変動演出パターンが用意されており、全体で数十種類の変動演出パターンがそれぞれの分類の抽選値範囲に対応付けられていることに等しい。
「ノーマル1」「ノーマル2」「リーチなし外れ」に割り当てられたパターン抽選値の範囲もまた保留数に応じて異なる。保留数が0,1のときは本図(a)に示す通りであるが、保留数が増えるほど「ノーマル1」「ノーマル2」の抽選値範囲が狭くなり、「リーチなし外れ」の抽選値範囲が広くなる。保留数が少ないほど変動時間が相対的に長い変動パターンの抽選値範囲が広くされており、変動時間の長い変動パターンが選択される確率が高まる。そのため、保留数が少ないほど平均的な変動時間が長くなり、保留数が多いほど平均的な変動時間が短くなる。保留数ごとにパターン抽選値範囲と変動パターンの対応関係が異なる変動パターンテーブルを用いることにより、保留数が少なくなったときに変動時間の長い変動パターンが選択されやすくなる制御を実現できる。
通常状態において当否判定結果が4R大当りまたは10R大当りとなった場合、パターン抽選値が0~123であればパターン範囲番号「5」のスーパーリーチである「スーパー1」を選択し、パターン抽選値が124~248であればパターン範囲番号「6」のスーパーリーチである「スーパー2」を選択する。パターン抽選値が249~252であればパターン範囲番号「7」のノーマルリーチである「ノーマル1」を選択し、パターン抽選値が253~255であればパターン範囲番号「8」のノーマルリーチである「ノーマル2」を選択する。
通常状態において当否判定結果が2R大当りまたは小当りとなった場合、パターン抽選値が0~122であればパターン範囲番号「9」のスーパーリーチである「スーパー3」を選択し、パターン抽選値が123~255であればパターン範囲番号「10」のノーマルリーチである「ノーマル3」を選択する。
第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、いわゆる先読み結果として事前判定結果を演出決定手段303へ送信する場合は、パターン範囲番号の値(0~10)を、第1当否抽選と第2当否抽選のいずれであるかを示す値や保留の個数とともに送信する。なお、図8に示す実施例では、事前パターン判定にて当否判定結果別にテーブルを有するように例示しているが、当否抽選結果にかかわらず1の事前パターン判定テーブルを用いて、乱数値がおよそどの範囲に位置するかに関する情報のみを導き出すようにするとともに、サブ基板300の制御手段側で、事前当否判定結果とともに、いかなる変動が実行されるかを判断するように制御してもよい。
時短状態において参照する図8(b)の変動パターンテーブルは、すべて時短用の変動パターンにパターン抽選値が割り当てられている。ただし、パターン抽選値の範囲と変動時間の対応関係は、外れで選択される「リーチなし外れ短縮」以外はすべて図8(a)と同様である。「リーチなし外れ短縮」は、図8(a)における「リーチなし外れ」と同じ抽選値範囲とパターン範囲番号に対応付けられる、相対的に短い変動時間の変動パターンである。「リーチなし外れ短縮」もまた、保留数に応じて異なる変動パターンが選択され、保留数が0,1のときは10秒の変動パターン、保留数が2~4のときは1秒の変動パターンがそれぞれ選択される。なお、第1変動パターン決定手段231と第2変動パターン決定手段232で異なる変動パターンテーブルを参照する仕様としてもよいし、遊技状態に応じて異なる変動パターンテーブルを参照する仕様としてもよい。例えば、第2の抽選を第1の抽選より有利な設定とし、第2の抽選を第1の抽選に優先して処理するような遊技機では、時短に伴う入球容易状態にもかかわらず第2の抽選の保留が枯渇して第1の抽選が連続実行されてしまう状況は遊技者にとって好ましくない。そのため、入球容易状態における第1の抽選における外れ変動では、変動時間を短縮しない長時間(例えば10秒)の変動パターンが保留数に拘らず一律に選択されるような変動パターンテーブルを参照することとしてもよい。
<保留制御手段240>
図4に戻り、保留制御手段240は、特図保留手段241、普図保留手段242を含む。特図保留手段241は、新たに第1当否抽選値または第2当否抽選値が取得されるときに、それ以前に取得されていた第1当否抽選値または第2当否抽選値に対応する図柄変動が表示されている場合、新たに取得された第1当否抽選値または第2当否抽選値に対応する図柄変動の開始を保留し、その当否抽選値を対応する図柄の変動表示開始まで記憶する。ここで、第1特別図柄について、それぞれ4個を上限に、第1当否抽選値、第1図柄抽選値、第1パターン抽選値を記憶し、第2特別図柄について、それぞれ4個を上限に、第2当否抽選値、第2図柄抽選値、第2パターン抽選値を記憶する。普図保留手段242は、普図抽選手段213により取得された普図抽選値を保留球として記憶する。これらの保留数がそれぞれ第1特図保留表示部71、第2特図保留表示部72、普図保留表示部75の点灯数または点滅数により表される。特図保留手段241による保留の数は演出表示装置60にも表示される。
特図保留手段241に保留された第2当否抽選の抽選値は第1当否抽選の抽選値より優先的に消化されて図柄変動が表示される。そのため、第1当否抽選として大当りの抽選値が保留されていても第2当否抽選として抽選値の保留がある限りは第1当否抽選の大当り抽選値に対応する図柄変動は表示されない。したがって、第1当否抽選として大当りの保留があっても、さらに第2当否抽選として大当りの保留が入るまで打ち続けることで、複数回の連続的な大当りを獲得できる可能性がある。
<メイン表示制御手段250>
メイン表示制御手段250は、第1特図制御手段251、第2特図制御手段252、普図制御手段254を含む。第1特図制御手段251は、第1抽選手段211による第1当否抽選の判定結果に対応して決定された変動パターンにしたがい第1特別図柄51の変動を第1特別図柄表示部41に表示させる。第1特図制御手段251は、それ以前になされた第1当否抽選または第2当否抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。第2特図制御手段252は、第2抽選手段212による第2当否抽選の判定結果に対応して決定された変動パターンにしたがい第2特別図柄52の変動を第2特別図柄表示部42に表示させる。第2特図制御手段252もまた、それ以前になされた第1当否抽選または第2当否抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。
第1特図制御手段251は、特図保留手段241により第2当否抽選の当否抽選値が記憶されている場合は第1当否抽選に対応する図柄変動表示の開始を留保する。一方、第2特図制御手段252は、特図保留手段241により第1当否抽選の当否抽選値が記憶されているか否かにかかわらず第2当否抽選に対応する図柄変動表示を開始する。これにより、第1当否抽選と第2当否抽選の双方に抽選値が保留されていた場合、第2当否抽選で保留された抽選値が優先的に読み出されて図柄変動が表示される。そのような場合、第2当否抽選の保留数が0になるまでは第1当否抽選で保留された抽選値は読み出されずその図柄変動も開始しない。
第1特図制御手段251および第2特図制御手段252は、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、後述するコマンド通信手段205により変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出決定手段303(サブメイン)へ送信する。変動開始コマンドを送信するとき、本判定として判定ないし決定された当否判定結果、停止図柄、変動パターンのそれぞれを示す値と第1当否抽選と第2当否抽選のいずれであるかを示す値とを変動開始コマンドとともに演出決定手段303へ送信する。変動停止コマンドを送信するとき、あらためて停止図柄を示す値を変動停止コマンドとともに演出決定手段303へ送信する。また、演出決定手段303(サブメイン)は、演出制御手段304(サブサブ)による装飾図柄の変動表示を制御するために、変動開始コマンドや変動停止コマンドなどを演出制御手段304へ送信する。これにより、メイン表示制御手段250および演出制御手段304(サブサブ)による変動表示が同期し、連動が保たれる。普図制御手段254は、普図抽選手段213による抽選の判定結果を普通図柄の変動表示として普通図柄表示部45に表示させる。
<特図調整手段276>
特図調整手段276は、第1特別図柄51および第2特別図柄52のうち、一方を変動表示させる間は他方の変動表示の開始を待機させる。特図調整手段276は、第1始動口11および第2始動口12のうちいずれに遊技球が入球したかの順序に関係なく、第2始動口12への入球に基づく第2特別図柄52の変動表示を、第1始動口11への入球に基づく第1特別図柄51の変動表示より優先させる。例えば、第1当否抽選値および第2当否抽選値の双方が保留されているとき、つねに第2当否抽選値を優先的に消化させ、第2特別図柄52を連続的に変動表示させる。
なお、変形例における特図調整手段276は、第1特別図柄51の変動表示と第2特別図柄52の変動表示とを、第1始動口11および第2始動口12への入球順序にしたがって選択的に変動表示させてもよい。例えば、第1始動口11、第1始動口11、第2始動口12の順序で入球したときは、第1特別図柄51、第1特別図柄51、第2特別図柄52の順序で変動表示される。この場合、特図調整手段276は保留制御手段240を監視して当否抽選値の保留順序を記憶する。どちらの特別図柄を変動させるべきかが遊技球の入球順、すなわち保留制御手段240における当否抽選値の保留順序にしたがって決定されるので、遊技者は変動の順序を視覚的に把握しやすい。
別の変形例における特図調整手段276は、第1特別図柄51の変動表示と第2特別図柄52の変動表示とを、入球順序にかかわらず予め定められた消化順序にて表示させてもよい。例えば、第1特別図柄51の変動表示と第2特別図柄52の変動表示とを交互に表示することを優先してもよい。例えば、第1当否抽選値および第2当否抽選値の双方が保留されているとき、第1特別図柄51と第2特別図柄52とが交互に変動表示される。いずれの特別図柄を変動させるべきかが遊技球の入球順に関係なく単純に交互に入れ替わるので、遊技者は変動の順序を感覚的に把握しやすい。
特図調整手段276は、また、第1特別図柄51および第2特別図柄52のうち、一方が当り態様で停止されたときは他方の変動表示の開始を待機させる。この場合、特別遊技を実行する間は特別図柄の変動表示は開始されないので、遊技者は特別遊技に集中することができる。
<事前判定手段235>
事前判定手段235は、第1抽選事前判定手段236と第2抽選事前判定手段237を含む。第1抽選事前判定手段236は、第1当否判定手段221、第1図柄決定手段226、第1変動パターン決定手段231による各種判定の実行前に、第1抽選値取得手段216が取得した各種乱数を用いて第1特図制御手段251による第1特別図柄の変動開始前に当該変動に関する情報を事前に判定する。第2抽選事前判定手段237は、第2当否判定手段222、第2図柄決定手段227、第2変動パターン決定手段232による各種判定の実行前に、第2抽選値取得手段217が取得した各種乱数を用いて第2特図制御手段252による第2特別図柄の変動開始前に当該変動に関する情報を事前に判定する。
第1抽選事前判定手段236は、第1抽選手段211に係る事前判定用の判定テーブルとして、第1事前当否抽選値判定テーブル、第1事前図柄抽選値判定テーブル、第1事前変動パターン乱数値判定テーブルを保持する。第1抽選事前判定手段236は、第1事前当否抽選値判定テーブルを用いて特図保留手段241に記憶される第1当否抽選値が属する乱数グループを判定する。第1抽選事前判定手段236は、第1事前図柄抽選値判定テーブルを用いて特図保留手段241に記憶される第1図柄抽選値が属する乱数グループを判定する。第1抽選事前判定手段236は、第1事前変動パターン判定テーブルを用いて特図保留手段241に記憶される第1変動パターン抽選値が属する乱数グループを判定する。そしてこれらの判定結果を事前判定結果として一時的に記憶して、後述するコマンド通信手段205(サブ制御コマンド送信手段207)により事前判定結果に関する情報をサブ基板300に送信する。
図9は、事前当否判定で参照される事前当否判定テーブルを模式的に示す図である。第1抽選事前判定手段236(第1の遊技に関する事前当否判定)は、第1始動口11への入球時に図9(a)の第1事前当否抽選値判定テーブルを参照し、当否抽選値が「0~299」の場合はその旨を示す「1」の値を事前当否判定結果として設定する。当否抽選値が「300~2999」の場合はその旨を示す「2」の値を事前当否判定結果として設定する。当否抽選値が「3000~56499」の場合はその旨を示す「3」の値を事前当否判定結果として設定する。当否抽選値が「56500~65535」の場合はその旨を示す「4」の値を事前当否判定結果として設定する。次に、第1事前図柄抽選値判定テーブル(図示省略)を参照し、第1図柄抽選値が「0~99」の場合はその旨を示す「0」の値を事前図柄判定結果として設定する。第1図柄抽選値が「100~149」の場合はその旨を示す「1」の値を事前図柄判定結果として設定する。第1図柄抽選値が「150~189」の場合はその旨を示す「2」の値を事前図柄判定結果として設定する。第1図柄抽選値が「190~229」の場合はその旨を示す「3」の値を事前図柄判定結果として設定する。第1図柄抽選値が「230~255」の場合はその旨を示す「4」の値を事前図柄判定結果として設定する。さらに、第1事前変動パターン乱数値判定テーブル(図示省略)を参照し、第1パターン抽選値が「0~9」の場合はその旨を示す「A」の値を事前パターン判定結果として設定する。第1パターン抽選値が「10~29」の場合はその旨を示す「B」の値を事前パターン判定結果として設定する。第1パターン抽選値が「30~255」の場合はその旨を示す「C」の値を事前パターン判定結果として設定する。以上のように第1抽選事前判定手段236(第1の遊技に関する事前当否判定)により設定された事前判定情報は、後述するコマンド通信手段205(サブ制御コマンド送信手段207)により第1始動口11への入球を示す(第1当否抽選であることを示す)情報、保留の個数を示す情報等の送信タイミングにあわせて演出決定手段303に送信される。
第2抽選事前判定手段237(第2の遊技に関する事前当否判定)は、第2始動口12への入球時に図9(b)の、第2事前当否抽選値判定テーブルを参照し、当否抽選値が「0~299」の場合はその旨を示す「1」の値を事前当否判定結果として設定する。当否抽選値が「300~2999」の場合はその旨を示す「2」の値を事前当否判定結果として設定する。当否抽選値が「3000~63999」の場合はその旨を示す「3」の値を事前当否判定結果として設定する。当否抽選値が「64000~65535」の場合はその旨を示す「4」の値を事前当否判定結果として設定する。次に、第2事前図柄抽選値判定テーブル(図示省略)を参照し、第2図柄抽選値が「0~144」の場合はその旨を示す「0」の値を事前図柄判定結果として設定する。第2図柄抽選値が「145~149」の場合はその旨を示す「1」の値を事前図柄判定結果として設定する。第2図柄抽選値が「150~189」の場合はその旨を示す「2」の値を事前図柄判定結果として設定する。第2図柄抽選値が「190~229」の場合はその旨を示す「3」の値を事前図柄判定結果として設定する。第2図柄抽選値が「230~255」の場合はその旨を示す「4」の値を事前図柄判定結果として設定する。さらに、第2事前変動パターン乱数値判定テーブル(図示省略)を参照し、第2パターン抽選値が「0~9」の場合はその旨を示す「A」の値を事前パターン判定結果として設定する。第2パターン抽選値が「10~29」の場合はその旨を示す「B」の値を事前パターン判定結果として設定する。第2パターン抽選値が「30~255」の場合はその旨を示す「C」の値を事前パターン判定結果として設定する。以上のように第2抽選事前判定手段237(第2の遊技に関する事前当否判定)により設定された事前判定情報は、後述するコマンド通信手段205(サブ制御コマンド送信手段207)により第2始動口12への入球を示す(第2当否抽選であることを示す)情報、保留の個数を示す情報等の送信タイミングにあわせて演出決定手段303に送信される。
なお、事前判定手段235による事前判定結果として一時記憶された各種情報は、保留記憶数と同様に、それぞれ4個を上限に所定の事前判定結果記憶領域に記憶する。なお、事前判定結果を保留制御手段240が記憶する保留記憶領域を用いて記憶してもよい。事前判定手段235による事前判定結果を後述するコマンド通信手段205(サブ制御コマンド送信手段207)により演出決定手段303に送信したことに基づいて当該情報を消去するようにしてもよい。このように、他の領域と共用したり、送信完了に基づいて情報を消去することにより、メイン基板200における記憶領域の効率利用が期待できる。また、事前判定用の判定テーブルとして、事前判定専用のテーブルを設けずに、本判定用の判定テーブルを用いてもよく、第1の遊技に関する事前当否判定と第2の遊技に関する事前判定とで一部または全部が共通の事前判定テーブルを共用してもよい。このように、他の判定テーブルと共用することで、メイン基板200におけるデータ容量の削減が期待できる。なお、事前判定手段235の判定結果として送信する内容は、例えば、当否の判定結果のみを送信するなど、適宜選択することも可能である。また、事前判定手段235により判定することなく、第1抽選値取得手段216、第2抽選値取得手段217で取得した乱数の値を前述のコマンド通信手段205によりサブ基板300に送信し、サブ基板300により事前判定の内容を判断するように構成してもよい。
事前判定手段235は、設定変更装置170により設定される設定値に応じて、当否抽選値と事前当否判定結果との対応関係が異なる事前当否抽選値判定テーブルを参照してもよい。上述の当否判定テーブルと同様、複数の遊技設定に対応する複数種類の事前当否抽選値判定テーブルを用意し、遊技設定の設定値に応じて参照する事前当否抽選値判定テーブルを切り替えてもよい。その他、複数の遊技設定間で共通利用できる事前当否抽選値判定テーブルを用いてもよい。この場合、遊技設定の設定値と事前当否判定結果の値の組み合わせにより当否が事前判定されてもよい。
図10は、遊技設定に対応した事前当否判定テーブルを模式的に示す図である。本図(a)は、第1抽選事前判定手段236が参照する事前当否判定テーブルであり、本図(b)は、第2抽選事前判定手段237が参照する事前当否判定テーブルである。当否抽選値が「0~294」の場合には事前当否判定結果が「11」となり、全設定1~6において大当りとなることを示す。当否抽選値が「295」の場合には事前当否判定結果が「12」となり、通常時の設定2以上または確変時の全設定において大当りとなることを示す。当否抽選値が「296」の場合には事前当否判定結果が「13」となり、通常時の設定3以上または確変時の全設定にて大当りとなることを示す。当否抽選値が「297」の場合には事前当否判定結果が「14」となり、通常時の設定4以上または確変時の全設定において大当りとなることを示す。当否抽選値が「298」の場合には事前当否判定結果が「15」となり、通常時の設定5以上または確変時の全設定において大当りとなることを示す。当否抽選値が「299」の場合には事前当否判定結果が「16」となり、通常時の設定6または確変時の全設定にて大当りとなることを示す。また、当否抽選値が「300~2949」の場合には事前当否判定結果が「21」となり、確変時の全設定において大当りとなることを示す。当否抽選値が「2950~2959」の場合には事前当否判定結果が「22」となり、確変時の設定2以上において大当りとなることを示す。当否抽選値が「2960~2969」の場合には事前当否判定結果が「23」となり、確変時の設定3以上において大当りとなることを示す。当否抽選値が「2970~2979」の場合には事前当否判定結果が「23」となり、確変時の設定4以上において大当りとなることを示す。当否抽選値が「2980~2989」の場合には事前当否判定結果が「25」となり、確変時の設定5以上において大当りとなることを示す。当否抽選値が「2990~2999」の場合には事前当否判定結果が「26」となり、確変時の設定6において大当りとなることを示す。さらに、(a)に示す第1当否抽選値が「3000~56499」となる場合、および、(b)に示す第2当否抽選値が「3000~63999」となる場合、事前当否判定結果が「30」となり、全設定において小当りとなることを示す。また、(a)に示す第1当否抽選値が「56500~65535」となる場合、および、(b)に示す第2当否抽選値が「64000~65535」となる場合、事前当否判定結果が「40」となり、全設定において外れとなることを示す。このような事前当否判定テーブルを用いることにより、遊技設定の設定値ごとに適切な事前当否判定結果を示すことができる。
<特別遊技制御手段260>
特別遊技制御手段260は、第1抽選手段211による第1当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第1特別図柄51が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、大入賞口20を開放させることにより特別遊技を実行する。同様に、特別遊技制御手段260は、第2抽選手段212による第2当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第2特別図柄52が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、大入賞口20を開放させることにより特別遊技を実行する。
特別遊技は、大入賞口20の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、複数回の単位遊技で構成される。特別遊技には、単位遊技を10回繰り返す10R大当りと、単位遊技を4回繰り返す4R大当りと、10R大当りおよび4R大当りより開放時間が短い単位遊技を2回だけ繰り返す2R大当りがある。10R大当りは第2当否抽選での大当りであり、4R大当りは第1当否抽選での大当りである。10R大当りおよび4R大当りにおいては、1回の単位遊技において大入賞口20を原則として約30秒間開放させる。2R大当りにおいては、1回の単位遊技において大入賞口20を約1.6秒間だけ開放させる。特別遊技制御手段260は、単位遊技の設定ラウンド数を消化したときに特別遊技を終了させる。なお、2R大当りとなった場合においても、所定の条件を満たした場合には、10R大当りおよび4R大当りと同様の開放態様で大入賞口20を開放させてもよい。
<小当り遊技制御手段265>
小当り遊技制御手段265は、第1抽選手段211による第1の抽選が小当りを示す結果となった場合、第1特別図柄51が所定の小当り態様で停止されたときに小当り遊技作動条件が成立したと判定し、開閉制御手段275に大入賞口20を開放させることにより小当り遊技を実行する。同様に、小当り遊技制御手段265は、第2抽選手段212による第2の抽選が小当りを示す結果となった場合、第2特別図柄52が所定の小当り態様で停止されたときに小当り遊技作動条件が成立したと判定し、開閉制御手段275に大入賞口20を開放させることにより小当り遊技を実行する。
小当り遊技においては、単位遊技が1回実行され、1回の単位遊技において大入賞口20を2回開閉する。小当り遊技制御手段265は、1回の開閉あたり大入賞口20を約0.8秒間だけ開放させた後、大入賞口20を閉鎖して小当り遊技を終了させる。
<特定遊技制御手段270>
特定遊技制御手段270は、確変状態、時短状態、および入球容易状態における通常遊技を制御する。特定遊技制御手段270は、特別図柄が確変への移行を伴う特定大当りの図柄であった場合に、特別遊技の終了後に遊技状態を確変状態、時短状態および入球容易状態へ移行させる。確変状態、時短状態および入球容易状態は、次の大当りが発生するまで継続される。時短状態においては、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動表示時間が概ね短くなるよう、第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232が変動時間の短い変動パターンを選択する。ただし、通常状態においては、保留制御手段240による当否抽選値の保留数に応じた変動パターンテーブルを参照し、保留制御手段240による保留数が少なくなるほど変動時間の長い変動パターンが出現しやすくなる。入球容易状態においては、普通図柄の確変および普通図柄の時短、並びに第2始動口12の開放延長の3つの機能のうち少なくともいずれかが実施されることにより、第2始動口12への入球頻度(入球容易性)が向上する。確変状態の間は第1当否判定手段221および第2当否判定手段222による当否判定結果が大当りとなる確率が高い値のまま維持される。また、特定遊技制御手段270は、特定大当りとなった場合に第2始動口12を開放延長状態にさせるとともに、その当否抽選が第2当否抽選であった場合に限りさらに開放抽選の当り確率を通常確率状態より高い確変状態へ移行させる。
<開閉制御手段275>
開閉制御手段275は、第2始動口12の普通電動役物90や大入賞口20の開閉を制御する。開閉制御手段275は、普通図柄が特定の態様で停止されると、普通電動役物ソレノイド91に開放指示を送り、第2始動口12の普通電動役物90を開放させる。開閉制御手段275は、通常状態においては開放抽選の結果に応じて短開放または長開放の開放時間にて第2始動口12を開放させ、入球容易状態においては長開放の開放時間にて第2始動口12を開放させる。第2始動口12の入球容易性を高め、遊技者が持ち玉を減らさずに遊技を継続できるようにするものである。開閉制御手段275は、特別遊技において、大入賞口ソレノイド92に開放指示を送り、大入賞口20を開放させる。
<メイン初期処理実行手段280、メイン電断処理実行手段282、メインエラー検出手段284>
メイン初期処理実行手段280は、ぱちんこ遊技機100の電源投入時または電源断復帰時におけるメイン基板200の制御開始処理を実行する。メイン電断処理実行手段282は、電源断などの電源異常発生時にメイン基板200における電源断処理などの異常時対応処理を実行する。メインエラー検出手段284は、メイン基板200における異常検知処理を実行する。なお、メイン基板200の制御開始処理、異常時対応処理、および異常検知処理については後述する。
<設定変更手段286、設定確認手段287>
設定変更手段286は、遊技設定を変更するための「設定変更処理」を実行する。設定変更手段286は、設定キーシリンダ171がオン状態のときにRAMクリアスイッチを押しながら電源スイッチ150がオンにされた場合、上述の設定変更状態へ移行させる。設定変更手段286は、設定変更状態へ移行された場合、設定メモリに記憶される設定値を設定表示部173に表示させる。設定変更手段286は、設定変更ボタン172の押下に応じて設定表示部173に表示される設定値を1→2→3→4→5→6→1→・・・のように順番に変更し、設定メモリに記憶される設定値を設定表示部173の表示と同じ値に更新する。設定変更手段286は、設定キーシリンダ171がオフ状態にされた場合、設定変更状態を終了させ、設定表示部173を消灯させる。
設定確認手段287は、遊技設定を確認するための「設定確認処理」を実行する。設定確認手段287は、設定キーシリンダ171がオン状態のときにRAMクリアスイッチが押されずに電源スイッチ150がオンにされた場合、上述の設定確認状態へ移行させる。設定確認手段287は、設定確認状態へ移行された場合、設定メモリに記憶される設定値を設定表示部173に表示させる。設定確認手段287は、上述の設定変更手段286と異なり、設定変更ボタン172が押下されたとしても設定表示部173に表示される設定値を変更せず、設定メモリに記憶される設定値も更新しない。設定確認手段287は、設定キーシリンダ171がオフ状態にされた場合、設定確認状態を終了させ、設定表示部173を消灯させる。
なお、設定メモリで管理する設定値データは「1」~「6」の数値ではなく、代わりに「0」~「5」の数値を用いてもよい。この場合、設定値「0」が設定1に対応し、設定値「1」が設定2に対応し、設定値「2」が設定3に対応し、設定値「3」が設定4に対応し、設定値「4」が設定5に対応し、設定値「5」が設定6に対応してもよい。設定値データの正常値として「0」を用いることにより、RAM異常時にRAMクリア処理をして設定値データを初期値「0」にセットしたときに異常判定されなくなるため、異常時のRAMクリア処理を簡易化できる。また、設定値データを利用して何らかの抽選を実行する場合、例えば、先読み処理において設定値毎に異なるテーブルやデータを選択する場合に、その選択のためのオフセット処理を簡略化できるという利点もある。例えば、設定値データとして「1」~「6」を用いる場合、テーブルやデータ選択のオフセットデータとしてこれらの値をそのまま使用する際には開始アドレスを-1する等の追加処理が必要となる。一方、設定値データとして「0」~「5」を用いる場合には、設定値データの数値をそのままオフセットデータとして使用できる。なお、設定変更手段286および設定確認手段287は、設定値データとして「0」~「5」の数値を用いる場合、設定値データの数値をそのまま設定表示部173に表示してもよいし、設定値データの数値に+1を加えた数値を設定表示部173に表示してもよい。後者の場合、「0」~「5」の数値データが遊技設定における設定1~設定6の数値に変換されて表示されるため、遊技機の管理者にとって分かりやすい表示とすることができる。
<コマンド送信手段>
コマンド通信手段205は、払出等の実行に必要な制御コマンドを払出制御基板155に送信する払出制御コマンド通信手段206と、演出制御等の実行に必要な制御コマンドをサブ基板300に送信するサブ制御コマンド送信手段207を含む。払出制御コマンド通信手段206は、入球判定手段201による各入賞口への入球の判定に基づいて各入賞口に対応した数の賞球の払出を指示する払出コマンドを送信し、メイン基板200で発生したエラーの状態等を示すコマンドを送信する。サブ制御コマンド送信手段207は、図柄変動を開始するにあたり、その図柄変動に対応する抽選の判定結果を図柄変動の制御コマンドとともに演出決定手段303へ送信する。
サブ制御コマンド送信手段207は、第1特図制御手段251および第2特図制御手段252が第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出決定手段303(サブメイン)へ送信する。変動開始コマンドを送信するとき、本判定として判定ないし決定された当否判定結果、停止図柄、変動パターンのそれぞれを示す値と第1当否抽選と第2当否抽選のいずれであるかを示す値とを変動開始コマンドとともに演出決定手段303へ送信する。変動停止コマンドを送信するとき、あらためて停止図柄を示す値を変動停止コマンドとともに演出決定手段303へ送信する。また、演出決定手段303(サブメイン)は、演出制御手段304(サブサブ)による装飾図柄の変動表示を制御するために、変動開始コマンドや変動停止コマンドなどを演出制御手段304へ送信する。これにより、メイン表示制御手段250および演出制御手段304(サブサブ)による変動表示が同期し、連動が保たれる。また、サブ制御コマンド送信手段207は、事前判定手段235による事前判定結果を演出決定手段303へ送信する。事前判定結果は送信バッファに一時保存された後、その抽選に対応する図柄変動表示が直ちに開始されるか否かにかかわらず事前判定結果に対応する入賞口(第1始動口11、第2始動口12)の種別情報、保留個数の情報、遊技状態等と併せて演出決定手段303へ送信され、送信バッファから消去または後に上書きされる。これにより、サブ基板300の側にとっては受信した事前判定結果により、図柄変動開始の順番が巡ってくる前にあらかじめ当否結果を推測的に認識できる、いわゆる「先読み」と呼ばれる処理が実現される。なお、サブ基板300が行う事前判定情報に基づく処理等については後述する。サブ制御コマンド送信手段207は、特別遊技制御手段260による特別遊技に関する情報、小当り遊技制御手段265による小当り遊技に関する情報、普図抽選手段213による抽選結果の情報、設定変更手段286により設定される遊技設定の設定値情報をサブ基板300に送信する。また、サブ制御コマンド送信手段207は、メイン初期処理実行手段280およびメインエラー検出手段284等による初期処理に関する情報やエラーに関する情報等、メイン基板200での各種制御、または、メイン基板200に送信される各種信号等に関する情報を適宜、サブ基板300に送信する。
図11は、サブ基板の構成を示すブロック図である。サブ基板300は、図柄態様決定手段301、パターン記憶手段302、演出決定手段303、演出制御手段304、計時手段307、演出設定手段308、サブ初期処理実行手段360、サブ電断処理実行手段362、サブエラー検出手段364、コマンド受信手段370、サブ側事前判定手段371を備える。
パターン記憶手段302は、装飾図柄61の変動において演出表示装置60に表示させる演出的な画像内容とその表示過程が定められた複数の演出パターンを保持する。演出パターンには、装飾図柄61の変動表示における変動開始から停止までの変動過程と演出過程が定められた複数の変動演出パターンと、装飾図柄の変動表示とは別に表示されて大当りへの期待度の高さを変動表示の停止前に予告的に示唆する複数の予告演出パターンとが含まれる。
コマンド受信手段370は、コマンド通信手段205から送信される各種コマンドを受信し、サブ側事前判定手段371は、コマンド通信手段205から送信される事前判定結果を保持する。演出決定手段303は、通常演出決定手段373と先読み演出決定手段374を含む。通常演出決定手段373は、コマンド通信手段205から送信される第1当否抽選の判定結果または第2当否抽選の判定結果の情報に応じて、演出制御手段304によって演出表示装置60へ表示し、スピーカー108、装飾ランプ111等に出力する演出内容を決定する。演出決定手段303は、コマンド通信手段205から送信される遊技設定の設定値に応じて演出内容を決定する。先読み演出決定手段374は、コマンド通信手段205から送信される事前判定結果に応じて、演出制御手段304によって演出表示装置60へ表示し、スピーカー108、装飾ランプ111等に出力する演出内容を決定する。通常演出決定手段373は、第1変動パターン決定手段231または第2変動パターン決定手段232により決定され、コマンド通信手段205から送信された特別図柄の変動パターンに対応する複数の変動演出パターンの中からいずれかを選択してパターン記憶手段302から読み出す。通常演出決定手段373は、読み出した変動演出パターンの情報を演出制御手段304へ送る。通常演出決定手段373は、変動演出パターンを選択するために参照すべきパターンテーブルを保持する。なお、コマンド通信手段205から送信される事前判定結果を参照して通常演出決定手段373により変動演出パターンを決定する場合があってもよく、先読み演出決定手段374による先読み演出の内容と併せて変動演出パターンを決定する場合があってもよい。先読み演出決定手段374は、コマンド通信手段205からの事前判定結果と、サブ基板300に保持する過去の事前判定結果や遊技状態情報等に基づいて本判定の結果をより精度よく特定し、その特定した結果に基づいて本判定前から先読み演出を実行するか否か、および、その実行内容を決定する。具体的には、先読み演出決定手段374は、現在の遊技状態が確率変動遊技中であるかを判定した上で、今回受信した事前判定結果より前の事前判定結果に基づいて通常遊技状態に移行するか否かを判定する。その判定結果を踏まえ、今回受信した事前判定結果に係る本判定の当否結果や選択される変動パターン等を特定し、当該特定結果に基づいて先読み演出の実行可否、先読み演出の実行内容を決定する。なお、演出決定手段303は、通常演出決定手段373と先読み演出決定手段374とが協同している部分が多いため、特に必要な部分を除き、両者を包括した演出決定手段303として説明する。
各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段303は、特別図柄の変動パターンに応じて、変動時間が等しい演出画像の変動演出パターンを選択する。
図柄態様決定手段301は、装飾図柄61の停止図柄の組合せとその配置を、第1抽選手段211または第2抽選手段212による抽選の判定結果、特別図柄の停止図柄、特別図柄の変動パターン、装飾図柄の変動演出パターンに応じて決定する。図柄態様決定手段301は、決定した停止図柄の組合せを示す情報を演出制御手段304へ送信する。図柄態様決定手段301は、装飾図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルを保持する。
装飾図柄61の停止図柄は、3つの図柄の組合せとして形成され、例えば第1当否判定手段221および第2当否判定手段222による当否判定結果が4R大当りまたは10R大当りの特別遊技への移行を示す場合には特定の組合せ、例えば「777」や「111」のように3つの図柄が揃った組合せが選択される。当否判定結果が2R大当りの場合や小当りの場合もまた特定の組合せ、例えば「357」のような所定の組合せが選択されるが、それらの特定の組合せは必ずしも3つの図柄が揃った組合せでなくてもよい。当否判定結果が大当りでも小当りでもない場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組合せであって、2R大当りや小当りのときに選択される特定の組合せに該当しない組合せが選択される。当否判定結果が4R大当りや10R大当りではない場合であって、リーチ付きの外れを示す変動パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように一つだけ図柄が揃っていない組合せを選択する。
装飾図柄の変動演出パターンには、装飾図柄の変動表示態様、すなわち装飾図柄の変動開始から変動停止までの演出過程が定義される。変動演出パターンには、通常の外れ図柄を表示するときのパターンと、あと一つ図柄が揃えば大当りとなるリーチ状態を経て外れ図柄を表示するときのパターンと、リーチ状態を経て大当り図柄を表示するときのパターンが含まれる。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれる。各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段303は、特別図柄の変動パターンに応じて、特別図柄と変動時間が等しい装飾図柄の変動演出パターンを選択する。
時短状態において、第1変動パターン決定手段231または第2変動パターン決定手段232により選択された変動パターンが時短用のパターンであった場合、演出決定手段303は時短用の演出内容が定められた変動演出パターンを選択する。時短用の演出内容は、時短または確変により遊技者に有利な状態であることを印象づける背景映像や音声が出力される演出である。
予告演出パターンは、特定のキャラクタやモチーフの画像、アニメーション、映像などを一時的に画面表示させる演出パターンや、役物を動作させる演出パターン、特定の音声を出力する演出パターンである。予告演出パターンによる演出は、図柄変動と並行して実行され、その図柄変動が大当り態様にて停止する期待度が高いことを予告的に示唆する。例えば、キャラクタの画像を一つだけ画面に表示させるだけの通常予告演出や、多数のキャラクタの群れを画面の一端から他端へ通過させるように表示させる群予告演出がある。また、予告演出の表示過程を複数段階に分け、表示させる段階数を可変にして段階数が多いほど大当りへの期待度が高くなるように設定されるステップアップ予告演出がさらに含まれる。
予告演出パターンには、装飾図柄61の表示態様がリーチ状態となった後のタイミングで演出が実行されて図柄の最終的な停止態様を予告するパターン(リーチ後予告)と、装飾図柄61が一つも停止していないタイミングで演出が実行されてリーチ状態となることを同時に予告するパターン(リーチ前予告)とがある。
演出決定手段303は、当否抽選の判定結果または事前判定結果に応じて演出表示装置60に予告演出を表示させるか否かを所定の予告抽選により決定して事前演出設定をするとともに、表示させるべき予告演出パターンを決定する。演出決定手段303は、予告演出を表示させるか否かを決定するために参照すべき予告決定テーブルと、予告演出パターンの種類を選択するときに参照すべき予告種類テーブルとを保持する。予告決定テーブルは、当否抽選の判定結果または事前判定結果に応じて異なる欄が参照されるように設定されており、当否抽選が当りの場合は外れの場合よりも高い確率で予告演出を表示させるよう、当否抽選の判定結果と予告演出を表示するか否かの対応関係が定められる。これにより、予告演出が表示されること自体で大当りへの期待度の高さを示唆することができる。
演出制御手段304は、選択された変動演出パターンデータにしたがって演出表示装置60へ装飾図柄61を含む演出画像を変動表示させる。演出制御手段304は、装飾図柄61の変動開始コマンドを受け取ったことを新たな装飾図柄の変動表示の開始条件とする。演出制御手段304は、予告演出を表示させる旨が演出決定手段303により決定された場合、選択された予告演出パターンにしたがった予告演出を図柄変動の演出に重畳させる形で演出表示装置60へ表示させる。
演出制御手段304は、第2当否抽選の当否抽選値が記憶されている場合は第1当否抽選に対応する図柄変動表示の開始を留保し、第1当否抽選の当否抽選値が記憶されているか否かにかかわらず第2当否抽選に対応する図柄変動表示を開始する。これにより、第1当否抽選と第2当否抽選の双方について抽選値が保留されていた場合は第2当否抽選で保留された抽選値が優先的に読み出されて装飾図柄の変動が表示される。そのような場合、第2当否抽選の保留数が0になるまでは第1当否抽選で保留された抽選値は読み出されずその装飾図柄の変動も開始しない。このように演出制御手段304は、装飾図柄61の変動表示を含む図柄変動演出を演出表示装置60に表示させる。
演出制御手段304は、装飾ランプ111の点灯および消灯や、可動役物66の動作をさらに制御する。演出制御手段304は、演出表示制御手段305、音声制御手段306、ランプ制御手段309を有する。演出表示制御手段305は、演出表示装置60への表示を制御し、音声制御手段306は、スピーカー108からの音声出力を制御する。ランプ制御手段309は、装飾ランプ111の点灯および消灯を制御する。
第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動中、演出表示装置60には図柄変動中であることを示す画像を表示する必要がある。通常、ある程度の大きさを持つ通常サイズの装飾図柄61を変動表示させるが、通常サイズの装飾図柄61の変動表示の視認性を阻害する態様で、装飾図柄61の変動以外を主要な演出内容とする特殊な演出を表示させてもよい。この場合、通常サイズの装飾図柄より小さいサイズの装飾図柄である代替図柄を変動表示させることにより図柄変動中であることを遊技者に提示する。以下、単に装飾図柄と呼ぶ場合は通常サイズの装飾図柄を意味するが、代替図柄と区別する場合、通常サイズの装飾図柄を「通常装飾図柄」や「メイン装飾図柄」とも呼ぶ。
代替図柄は、通常装飾図柄の視認性が阻害される間、例えば通常装飾図柄が非表示となる間に表示される。代替図柄は、当否判定結果を演出的に示唆するための装飾図柄の一形態であり、通常装飾図柄よりも簡略化(言い換えれば簡易化、簡素化)された表示形態を有し、通常装飾図柄よりも簡略化された変動過程にて表示される。代替図柄は、通常装飾図柄の図柄種類を示す部分に対応した外観上の表示形態を有し、例えば、図柄種類を示す数字、文字、記号を表す表示形態を有する。また代替図柄は、通常装飾図柄が変動表示される領域よりも狭い領域で変動表示され、典型的には図柄以外の要素によるメイン演出を阻害しにくい位置、例えば演出表示装置60の画面の隅で変動表示される。代替図柄は、通常装飾図柄よりも相対的に小さく表示されるが、少なくとも図柄種類が外観上識別可能となる表示形態を有する。なお代替図柄は、通常装飾図柄をそのまま縮小したものでもよく、サイズ以外は通常装飾図柄と同一であってもよい。
複数の通常装飾図柄の代わりに表示される複数の代替図柄は、変動終了時の停止態様の組合せによって当否抽選の結果が遊技者に有利な状態となる期待度の高さを示唆する。例えば、複数の代替図柄は、3つの代替図柄のうち2つの図柄種類が揃ったリーチ状態となることによって当該変動における大当りの期待度が高いことを示唆する。また、リーチ状態となる左右図柄が「3」や「7」などの期待度が相対的に高いことを示唆する特定種類の図柄となることや、「1」や「2」などの期待度が相対的に低いことを示唆する種類の図柄となることによって、そのリーチ状態の期待度の高低を示唆してもよい。なお代替図柄は、外観上、確定的な停止状態になることはなく、微小な揺れが維持される仮停止状態になる。代替図柄の仮停止後に、代替図柄に代えて通常装飾図柄を表示させ、その通常装飾図柄を確定停止の状態で表示させてもよい。また、通常装飾図柄と代替図柄を排他的に表示するのではなく、表示期間の重複があってもよい。さらにまた、通常装飾図柄の視認性が阻害される所定の演出時に、通常装飾図柄の変動表示を継続するとともに代替図柄の変動を表示させてもよい。代替図柄とは異なり、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動中に演出表示装置60の所定の領域において、代替図柄と同程度かそれよりも小さい画像にて特別図柄が変動中であることを示唆する簡易図柄を変動表示してもよい。簡易図柄は、通常装飾図柄と同様に3つの図柄組合せの変動表示で構成してもよいし、一つの図柄の変動表示で構成してもよいし、単なる記号(「○」「×」など)を順次切り替える形で構成してもよい。簡易図柄は通常装飾図柄や代替図柄の変動表示態様とは関連性を持たせず、特別図柄の変動開始から変動終了まで一定の変動を表示し、停止表示時には通常装飾図柄の停止表示態様と関連した表示をしてもよい。なお、簡易図柄は、特別図柄の変動表示中であることの示唆および特別図柄の結果が最低限報知されるものであればよく、2つの図柄組合せで表示するものなど適宜変更可能である。また、簡易図柄を「サブ装飾図柄」「サブ装図」「ミニ装飾図柄」「ミニ装図」などと呼んでもよい。演出表示装置60とは別に簡易図柄と同等の表示をLED等の発光態様によって示す第4図柄と呼ばれる装飾図柄の変動表示を用いてもよい。第4図柄は、演出表示装置60に不具合が発生した場合などにおいて、遊技の進行(特別図柄の変動中表示、結果表示)を示すために用いられる。第4図柄の表示態様の一例として、LEDが「白」、「青」、「緑」、「黄」、「橙」、「赤」と順次点灯(消灯を含む点滅としても可)していくことで変動表示してもよいし、特別図柄の種類に応じてある単色で点滅することで変動表示を示唆し、停止表示した際の発光色で外れや大当りの種類を示唆してもよい。
計時手段307は、遊技に使用する時間情報を出力する計時回路である。計時手段307は、電源投入時からの時間をカウンタで計測して時間情報として出力するタイマ回路である。ただし、電池を内蔵してぱちんこ遊技機100の電源オフ時や停電時も電池によって日時を計測し続けられるリアルタイムクロック回路でもよい。リアルタイムクロック回路の場合、個体差や時刻ズレによって遊技台ごとの時刻に微差が生じる可能性があるのに対し、タイマ回路の場合、同時に電源投入する限り複数の遊技台の間で時刻の差が生じる可能性は小さい。
演出決定手段303は、計時手段307により出力される時間情報が所定の時間を示したことを契機とする所定タイミングに開始する同調演出を実行する。同調演出は、図柄変動の変動期間や遊技状態とは実質的に非同期の期間である同調演出期間にて演出表示装置60に表示させる演出である。同調演出期間は数分間に及び、その長さは1回分の図柄変動時間よりも長く、複数回の図柄変動期間を包含し得る。同調演出の演出パターンはパターン記憶手段302に格納されており、その演出パターンには所定の楽曲と映像の再生が定められている。同調演出の演出パターンは複数種類用意され、月、日付、曜日、時刻などの日時によって異なる種類の演出パターンが選択され得る。
同調演出は通常遊技中か特別遊技中かを問わず実行される。ここで「通常遊技中」には、いわゆる待機デモ画面の表示中も含まれる。すなわち「通常遊技中」には、(1)図柄が変動表示されている「変動表示中通常遊技」、(2)図柄の変動表示中ではなく待機デモ画面の表示中でもない「変動停止中通常遊技」、(3)図柄の変動表示中ではなく待機デモ画面の表示中である「待機デモ画面表示中通常遊技」、が含まれる。(1)~(3)のいずれの期間中も同調演出は実行され得るが、(2)および(3)のときは同調演出における音量低減や輝度低減などの制御をする出力態様が(1)のときとは異なり得る。また、待機デモ画面表示中は、遊技者による演出ボタン109や十字キー110の操作によって後述の携帯連携システムに関する情報を入力でき、その操作入力があったときは同調演出の映像および音声の出力が抑制され、携帯連携システムによる演出カスタマイズなどの画面表示が優先される。
同調演出は、例えば所定の楽曲の演奏や映像を所定の時間(「同調演出開始時間」と呼ぶ)に再生する演出である。同調演出を再生する契機となる時間は、ぱちんこ遊技機100の電源投入時から所定時間間隔を挟んで到達する時間であってもよいし、標準時を基準とした毎正時または正時半の時刻であってもよい。あるいは、日付または曜日によって異なり得る時刻が設定されてもよく、「1時間ごと」のように一定間隔ではなく、最初は1時間後、次は3時間後、というように間隔が異なったり、その間隔が日付や曜日によって異なったりしてもよい。遊技店ごとに遊技店員によって時間を指定できる可変設定であってもよい。ただし、同じ遊技店に設置される複数台の同一機種間において少なくとも同じ時刻で同じ同調演出が実行されるようあらかじめ設定される。例えば、電源投入時から所定時間間隔を挟んで到達する時間を契機とする仕様の場合、遊技店においては複数台を同時に電源投入する。これにより、所定時間となったことを契機にそれら複数の遊技台において一斉に同じ同調演出が実行される。その結果、あたかも複数台で同期しているように同時に演出が表示され、同時に同じ楽曲や映像が流れることでその場でライブ演奏や映画の上映がなされているかの如く臨場感のある相乗的な演出効果が得られる。
同調演出の機能は同じ機種の別の遊技台にも同様に内蔵されており、同じ遊技島における複数の遊技台は毎日遊技店員によって同時に電源投入される。そして、同時に電源投入される複数の遊技台はすべてほぼ同時に同調演出開始時間を迎えることとなり、一斉に同時進行で同調演出を実行し得ることになる。これを複数台同期演出と呼ぶ。その場合、映像の表示が複数台で同調するだけでなく、効果音や背景音楽の出力もまた複数台で同調することとなり、同調する台数が多いほど一斉に演出を実行することによる相乗効果も高まる。
演出設定手段308は、遊技者の遊技履歴を記憶する。遊技履歴とは、遊技結果の履歴および演出結果の履歴を含む。遊技結果の履歴は、打球数、賞球数、大当り回数、確変回数、時短回数といった遊技の結果として遊技者が得られる出玉につながる遊技の結果である。演出結果の履歴は、遊技上の利益とは異なり、演出の内容や種類を変更できる権利や特定種類の演出を出現しやすくできる権利が付与されるといった利益を獲得するために記録される演出上の得点等の情報である。例えば、所定の演出の出現回数やミニゲームの結果などを得点化して遊技者に付与するために、その得点や遊技履歴を示す符号化情報、例えば二次元コードを画面に表示する。その二次元コードを遊技者が自分の携帯端末のカメラで読み取って復号すると、復号により得られた得点や遊技履歴の情報が遊技者の携帯端末に蓄積される。二次元コードを介した遊技機と遊技者の携帯端末との連携システムについては後述する。なお、ここでいう得点は、後述の演出カスタマイズの幅を広げるために必要となるもので、得点が所定の累積値に達すること(例えば1000ポイントに到達することや、100ポイント到達ごと、など)を契機として、カスタマイズ可能な項目が増加する仕様である。
演出設定手段308は、遊技者の選択指示および遊技履歴に基づき、演出カスタマイズとして複数種類の演出内容の選択肢からいずれを選択するかの設定を記憶する。例えば、特別遊技中に表示させる演出パターンとして、表示されるモチーフやキャラクタや楽曲が異なる複数種類の演出パターンがパターン記憶手段302に用意され、そのうちいずれの演出を表示させるかを遊技者に選択させることとする。または、図柄変動させる装飾図柄に含まれる絵柄のデザインとして複数種類のモチーフまたはキャラクタの絵柄がパターン記憶手段302に用意され、そのうちいずれの絵柄を表示させるかを遊技者に選択させることとする。それらの場合に、待機デモ画面の表示中に遊技者による演出ボタン109や十字キー110の操作を受け付け、その操作を介して演出パターンの選択がなされると、演出設定手段308はその選択内容を記憶する。演出決定手段303は、演出設定手段308により記憶された設定に応じて、特別遊技中の演出パターンの種類を選択する。
サブ初期処理実行手段360は、ぱちんこ遊技機100の電源投入時または電源断復帰時におけるサブ基板300の制御開始処理を実行する。サブ電断処理実行手段362は、電源断などの電源異常発生時にサブ基板300における電源断処理などの異常時対応処理を実行する。サブエラー検出手段364は、サブ基板300における異常検知処理を実行する。サブエラー検出手段364が電源断を検出すると、サブ電断処理実行手段362は、電源断処理としてRAMのデータをバックアップ用RAMにバックアップする。
図12は、携帯連携システムの概略を模式的に示す図である。携帯連携システムの前提として、遊技者はあらかじめ携帯端末354で専用サイトが設けられた遊技履歴サーバ358にアカウントおよびパスワードを設定することでユーザ登録しておく。遊技開始時において遊技者により演出ボタン109が押下されたとき、演出表示制御手段305が演出表示装置60の画面に遊技履歴サーバ358の専用サイトのアドレスを符号化した二次元コード350を表示させ、それを遊技者に携帯端末のカメラで読み取らせて遊技履歴サーバ358の専用サイトにアクセスさせる。その専用サイトから遊技者の識別情報や演出得点履歴を符号化した文字情報(これを「パスワード情報」とも呼ぶ)が携帯端末に送信され、携帯端末の画面に表示される。そのパスワード情報の入力画面を演出表示制御手段305が演出表示装置60に表示させ、十字キー110等のボタン操作を介して遊技者に入力させる。入力されたパスワード情報を演出設定手段308が復号して遊技者の識別情報や演出得点履歴として登録することにより、その遊技者の前回までの遊技内容や演出得点状態を引き継ぐことができる。このパスワード情報の入力が、その遊技者の遊技履歴の記録開始指示および各種演出要素を選択する演出カスタマイズの開始指示となる。以降、ぱちんこ遊技機100においては遊技や演出の進行に伴い、演出設定手段308がその遊技者に対して演出上の利益として付与する得点を随時加算して演出得点履歴として累積させるとともに、遊技者は随時、演出カスタマイズを実施して、各種演出要素として好みの要素を選択して設定することができる。演出上の得点付与は、図柄変動ごとに加算することを基本とし、特別遊技への移行期待度が高い演出種類ほど高い得点を付与し、特別遊技へ移行したときも高い得点を付与する。
演出カスタマイズとして、遊技者は累積的に獲得した得点の一部を利用し、その利用するポイント数に応じて、演出表示装置60に表示される演出内容を構成する色、背景、形状、キャラクタ、楽曲などの演出要素を好みの種類に変更することができる。演出設定手段308は、遊技者によるボタン操作を介した演出要素の変更指示を受け取り、その指示に応じて各種演出要素を変更する。カスタマイズできる演出要素は、その要素ごとに複数種類の項目が用意され、項目ごとに必要なポイント数として異なる値が設定されている。したがって、累積された得点が所定値に達することを契機にカスタマイズ可能な項目が増え、あるいはカスタマイズ可能項目を増加させるチャンスが付与されることとなる。遊技者が遊技ないし演出カスタマイズの終了指示としてボタン操作をすると、演出設定手段308は、演出上の特典や演出得点履歴などの情報を符号化した二次元コード350を生成し、これを演出表示制御手段305が演出表示装置60に表示する。その二次元コード350を遊技者が自身の携帯端末のカメラで読み取り、その読み取った二次元コード352を復号することにより情報を取得して携帯端末354に蓄積できる。またその情報は携帯端末354から専用サイトのある遊技履歴サーバ358へネットワーク356を経由して送信され、自身のアカウント情報と紐付けられて管理される。このように、演出上の特典や演出得点履歴などの情報が二次元コード350の表示およびその読み取りという伝送手段を介して携帯端末354へ伝達され、遊技履歴サーバ358にて管理されることで、次回の遊技で遊技や演出の内容を引き継ぐことができる。また、長く遊技を続けることで図柄変動回数や演出回数が増える分、得点を得ることができる。
図13は、メイン基板200およびサブ基板300のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。メイン基板200は、メインCPU290、メインRAM291、メインROM292などの電子部品を含む。メインROM292には、遊技動作全般を制御するためのメイン制御プログラムおよびデータがあらかじめ格納される。メインROM292からメイン制御プログラムまたはデータがメインRAM291へ読み込まれ、メイン制御プログラムがメインCPU290によって実行される。各電子部品間は図示しないシステムバスやデータバスなどのバスで結ばれる。各入球口からの入球信号や払出制御基板155からの払出信号などは図示しない各種インタフェースを介してメインCPU290により取得される。メインCPU290は、図示しない各種駆動回路により各入賞口ソレノイドや第1特別図柄表示部41、第2特別図柄表示部42などの外部装置を駆動制御する。また、メインCPU290からサブ基板300へは、演出制御に必要な命令が当否抽選の結果や図柄の決定結果、変動パターンの決定結果などの情報とともに送信される。メイン基板200からサブ基板300へは、一方向通信で信号が送信される。
メイン基板200からサブ基板300へ送信する命令データは、いわゆるMODEデータと呼ばれる1バイトの命令種別データと、いわゆるEVENTデータと呼ばれる1バイトの命令内容データとの組合せによる2バイト構成である。メイン基板200は、命令種別データおよび命令内容データを対応付けてサブ基板300へ送信することで一命令を送ることができる。命令種別データは、命令の種別を示すビット列であり、あらかじめ命令の種別ごとに開発段階で一意の種別コードを割り当ててある。命令内容データは、命令の内容を示すビット列である。命令種別データおよび命令内容データの最上位ビットは命令種別データと命令内容データのいずれであるかを示す識別ビットであり、最上位ビットが1のときは命令種別データであることを示し、最上位ビットが0のときは命令内容データであることを示す。
メイン基板200からサブ基板300への通信は、1回のデータ送信につき1バイトのデータを送信する仕様のため、2バイトの命令データを送信するために1バイトずつ2回の送信が必要となる。1回目の通信で上位バイトであるMODEデータを送信し、2回目の通信で下位バイトであるEVENTデータを送信する。ノイズ等の影響による通信失敗の可能性を考慮し、メイン基板200は同じデータを連続で送信し、サブ基板300により同じデータが2連続で読み込まれた時点でそのデータの送受信の完了を確定する。2連続で読み込まれるまではメイン基板200は同じデータを繰り返し送信し、最大5回まで送信する。
サブ基板300は、サブCPU310、サブRAM311、サブROM312、演出制御装置313などの電子部品を含む。サブROM312は、演出過程が定義された演出パターンデータや演出表示過程が定義された表示パターンデータなどを含むサブ制御プログラムを保持するデータ格納手段の一つである。サブROM312から演出パターンデータ、表示パターンデータ、音声パターンデータを含むサブ制御プログラムがサブRAM311へ読み込まれ、そのサブ制御プログラムによる演出制御がサブCPU310によって実行される。各電子部品間は図示しないシステムバスやデータバスなどのバスで結ばれる。演出ボタン109などの外部装置からの信号は図示しない各種インタフェースを介してサブCPU310により取得される。サブCPU310は、演出パターンデータにしたがって、演出制御装置313、図示しない各種駆動回路や制御回路により演出表示装置60、スピーカー108、装飾ランプ111、可動役物66などの外部装置を駆動して表示出力、音声出力、ランプ点灯、役物動作による演出を制御する。サブCPU310は、表示パターンデータおよび音声パターンデータを演出制御装置313へ送信する。なお、本実施例ではサブ基板300が演出制御装置313を内包する例を説明するが、サブ基板300と演出制御装置313とは基板として一体化していることを要さず、分離して互いに接続された別個の基板として形成されてもよい。
図14は、演出制御装置313のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。演出制御装置313は、制御CPU320、制御RAM322、データROM324、表示制御回路326、音声制御回路314を含む。データROM324は、演出表示に用いられる演出画像データおよびモーションデータや、音声出力に用いられる音声データなどの素材データをデータ圧縮した状態で保持するデータ格納手段の一つである。演出画像データは、当否抽選の判定結果などを示す演出オブジェクトとして変動表示や演出表示に用いられる画像であり、例えば装飾図柄変動に用いる装飾図柄のスプライト画像、予告演出に用いるスプライト画像、各種演出に用いる動画といった素材画像である。モーションデータは、各種演出に用いる画像に所定タイミングで演出的な動作を加える場合のその動作が定義されたデータである。音声データは、演出中に出力される楽曲、背景音、効果音、キャラクタのセリフといった音声のデータである。
サブCPU310から送られた表示パターンデータに基づいて、その表示パターンデータに指定された演出画像データやモーションデータがデータROM324から制御RAM322へ読み出され、その演出画像データやモーションデータを用いた演出表示が制御CPU320によって実行される。その結果、制御CPU320から表示制御回路326へ演出表示に関するコマンド、演出画像データ、モーションデータが送信され、表示制御回路326により表示制御がなされる。同様にして、制御CPU320から音声制御回路314へ音声出力に関するコマンド、音声データが送信され、音声制御回路314により音声出力制御がなされる。
表示制御回路326は、デコーダ332、描画メモリ334、描画回路336、フレームバッファ338、表示回路340を含み、それぞれがバス330を介して接続される。本図のバス330は、便宜上、システムバス、データバス、アドレスバスなどのバスを包括的に示したものである。
制御CPU320から送られた演出画像データやモーションデータは描画メモリ334に格納され、それらのデータのうち圧縮されたデータはデコーダ332によって復号される。描画メモリ334は、演出画像データやモーションデータをデコーダ332により復号する場合のワークエリアとして用いられたり、描画回路336による描画処理や画像処理を実行する場合のワークエリアとして用いられたりするVRAM(VideoRAM)である。
描画回路336は、描画メモリ334に格納されたデータを用い、制御CPU320から送られたコマンドを順に実行して表示用画像を生成し、その生成された表示用画像を動画像のフレームとしてフレームバッファ338に格納する。フレームバッファ338は、演出表示装置60へ出力すべき動画像のフレームを一時的に格納するバッファメモリとしてのVRAMである。
表示回路340は、フレームバッファ338に格納された表示用画像を格納された順に映像信号の形で演出表示装置60へ出力する。フレームバッファ338は、例えば2フレーム分のメモリ領域を有し、表示回路340が1フレーム分のメモリ領域から表示用画像を出力する間に、描画回路336が次の表示用画像を生成して、もう1フレーム分のメモリ領域に格納する。
なお、データROM324には、表示制御回路326によりなされる表示制御過程が定義された「詳細表示パターンデータ」が保持されている。このとき、サブCPU310から送られる表示パターンデータは、演出表示過程の概要が定義される「概略表示パターンデータ」ということができる。例えば、概略表示パターンデータには、装飾図柄の変動開始および変動停止タイミングや、複数の動画像の再生順序や、再生開始および停止のタイミングなど、一連の演出表示過程の大まかな流れが定義される。一方、詳細表示パターンデータには、装飾図柄の変動表示を実現するためのスプライト画像の表示順序や、モーションデータに基づく動画像を表示するためのフレーム単位での表示処理順序など、細かな表示制御過程が定義される。
演出制御装置313は、サブCPU310から送られた「概略表示パターンデータ」に基づく表示制御をする場合、その処理に必要な「詳細表示パターンデータ」をデータROM324から読み出し、双方の表示パターンデータを用いて表示処理を実行する。したがって、演出制御装置313は、「概略表示パターンデータ」および「詳細表示パターンデータ」を含む表示パターデータに基づいて表示制御処理を実行するということができる。そこで、本明細書においては、明示的に言及しない限り、サブROM312に格納される「概略表示パターンデータ」とデータROM324に格納される「詳細表示パターンデータ」を区別せず、単に「表示パターンデータ」という。例えば、演出制御手段が、データ格納手段に保持される表示パターンデータに基づき特定の処理をするという場合、この表示パターンデータには、「概略表示パターンデータ」と「詳細表示パターンデータ」を含むものとする。なお、変形例においては、表示パターンデータが、「概略表示パターンデータ」と「詳細表示パターンデータ」とに分かれておらず、双方を兼ねる表示パターンデータがサブROM312またはデータROM324に保持されていてもよい。
本実施例では、演出制御装置313のハードウェア構成として、制御CPU320、制御RAM322、データROM324および表示制御回路326が含まれる構成を示している。変形例においては、制御CPU320、制御RAM322、データROM324および表示制御回路326が、それぞれ別の電子部品として構成されるのではなく、一体化されていてもよい。また、表示制御回路326によって実行されるとした処理が、制御CPU320、制御RAM322またはデータROM324により実行されてもよい。例えば、演出制御装置313に含まれる制御CPU320が、表示制御回路326に含まれるデコーダ332、描画回路336、表示回路340により実行されるとした処理を実行してもよい。また、演出制御装置313に含まれる制御RAM322が描画メモリ334やフレームバッファ338の機能を兼ねてもよい。その他、演出制御装置313に表示制御回路326が含まれないハードウェア構成であってもよく、この場合、表示制御回路326により実行されるとした処理が、制御CPU320、制御RAM322またはデータROM324により実行されてもよい。
また、本実施例では、サブ基板300のハードウェア構成として、サブCPU310、サブRAM311およびサブROM312の他に、演出制御装置313が含まれる構成を示している。変形例においては、サブCPU310、サブRAM311、ROM312および演出制御装置313が、それぞれ別の電子部品として構成されるのではなく、一体化されていてもよい。また、演出制御装置313によって実行されるとした処理が、サブCPU310、サブRAM311またはサブROM312により実行されてもよい。例えば、サブCPU310が制御CPU320の処理を実行してもよいし、サブRAM311が制御RAM322の機能を兼ねてもよいし、サブROM312がデータROM324の機能を兼ねてもよい。その他、サブ基板300に演出制御装置313が含まれないハードウェア構成であってもよく、この場合、演出制御装置313により実行されるとした処理が、サブCPU310、サブRAM311またはサブROM312により実行されてもよい。
図15は、ぱちんこ遊技機におけるメイン基板200の制御開始処理を示すフローチャートである。この制御開始処理は、メイン初期処理実行手段280により実行されるが、以降、メイン初期処理実行手段280として機能するメインCPU290が実行するものとして説明する。電源スイッチ150が投入されると、メインCPU290は、スタックポインタを設定し(S100)、メインRAM291へのアクセスを許可し(S102)、メインCPU290の内蔵レジスタの設定などのハードウェアに関する初期設定を実行する(S104)。
メインCPU290は、設定キーの操作状態を確認し、設定キーがON状態であれば(S105のY)、RAMクリアスイッチの操作状態を確認する。RAMクリアスイッチがONされていれば(S122のY)、設定変更処理を実行する(S124)。一方、RAMクリアがOFFであれば(S122のN)、設定確認処理を実行する(S126)。なお、S105にいて、設定キーがOFF状態であれば(S105のN)、S122~S126の処理をスキップする。
つづいて、RAMクリアスイッチの操作状態、電源断情報フラグの値、及びメインRAM291に格納されているデータの状態に応じて、電源断復帰処理又はメインRAM291の初期化処理を実行する。具体的には、RAMクリアスイッチがONされず、かつ、電源断情報フラグの値と、メインRAM291に格納されているデータとの双方が正常であった場合は、電源断復帰時の処理を実行する。それ以外の場合、すなわち、RAMクリアスイッチがONされた場合、又は、RAMクリアスイッチがONされなかった場合でも、電源断情報フラグと、メインRAM291に格納されているデータとのいずれかが正常でなかった場合は、メインRAM291の初期化処理を実行する。
メインCPU290は、RAMクリアスイッチの操作状態を確認し、RAMクリアスイッチがONされた場合(S106のY)、メインRAM291を初期化する(S116)。RAMクリアスイッチがONされなかった場合(S106のN)、メインCPU290は、電源断情報フラグの値を確認する(S108)。電源断情報フラグの値が電源断正常データと一致しなければ(S108のN)、メインRAM291を初期化する(S116)。電源断情報フラグの値が電源断正常データと一致すれば(S108のY)、メインRAM291に格納されているデータを検査する(S110)。後述するように、前回の電源断時に処理が正常に終了していれば、メインRAM291に格納されていたデータのチェックサムがメインRAM291に格納されているので、メインCPU290は、チェックサムを用いてメインRAM291のデータを検査する。メインRAM291に格納されているデータが正常でなければ(S112のN)、メインRAM291のデータを初期化する(S116)。メインRAMに格納されているデータが正常であれば(S112のY)、電源断前の状態に復帰するための処理を実行する(S114)。
電源断復帰処理(S114)において、電源投入が正常に行われたことを示す電源投入正常データを電源断情報フラグに格納し、各種エラーの初期設定及び払出制御基板155との通信初期設定を実行する。つづいて、電源断前の未送信分のコマンド要求をクリアし、遊技状態を示す各種情報のコマンド送信を要求する。つづいて、第1特別図柄及び第2特別図柄の作動保留球数に対応した演出コマンドを要求する。つづいて、第2始動口12及び大入賞口20の開放/閉鎖状態を電源断前の状態に復帰させる。つづいて、特別図柄の確率変動機能の作動状態を報知するための処理を実行する。
RAM初期化処理(S116)において、電源投入正常データを電源断情報フラグに格納し、メインRAM291の全領域を0でクリアし、メインRAM291の初期設定及び演出表示器の初期化を実行する。なお、S116の初期化処理では、設定変更装置170の設定メモリに記憶される設定値はクリアされず、S124の設定変更処理で設定された設定値がそのまま保持される。
電源断復帰処理(S114)又はRAM初期化処理(S116)が終了すると、後述する割込処理を起動するためにカウント値をセットし、割込タイマの動作を開始させる(S118)。これにより、以降、所定の時間(例えば4ミリ秒)ごとにタイマ割込が発生し、後述する割込処理が実行される。つづいて、メインCPU290は、遊技機を管理するためのメイン処理を実行する(S120)。
図16は、図15におけるS124の設定変更処理を詳細に示すフローチャートである。遊技設定の設定値が記憶されるべき設定メモリの値を確認し、設定メモリ値が正常でなければ(S132のN)、設定値を初期化して初期値にする(S134)。設定値データとして「1」~「6」を用いる場合、初期値として「1」をセットし、設定値データとして「0」~「5」を用いる場合、初期値として「0」をセットする。設定メモリ値が正常であれば(S132のY)、S134の処理をスキップする。つづいて、設定変更状態へ移行し(S136)、設定メモリに記憶された設定値を設定表示部173に表示させる(S138)。設定変更ボタン172による変更操作があれば(S140のY)、設定表示部173に表示される設定値を更新するとともに、設定メモリに記憶される設定値を更新する(S142)。変更操作がなければ(S140のN)、S142の処理をスキップする。設定キーがONのままであれば(S144のN)、S138~S142の処理を繰り返す。設定キーシリンダ171に挿入される設定キーが元に戻されてOFFになれば(S144のY)、設定表示部173を非表示にして設定値が視認できない状態にし(S146)、リターンする。
図17は、図15におけるS126の設定確認処理を詳細に示すフローチャートである。遊技設定の設定値が記憶されるべき設定メモリの値を確認し、設定メモリ値が正常でなければ(S152のN)、設定値を初期化して初期値にする(S154)。設定メモリ値が正常であれば(S152のY)、S154の処理をスキップする。設定確認状態へ移行し(S156)、設定メモリに記憶された設定値を設定表示部173に表示させる(S158)。設定キーがONのままであれば(S160のN)、S158の処理を繰り返して設定値の表示を継続し、設定キーがOFFになれば(S160のY)、設定表示部173を非表示にして設定値が視認できない状態にし(S162)、リターンする。
図18は、図15におけるS120のメイン処理を詳細に示すフローチャートである。メインCPU290は、タイマ割込をいったん禁止し(S200)、ウォッチドッグタイマの動作を開始させ(S202)、電源断を監視する(S204)。図示しない電源電圧監視回路において電源基板158から供給される電源電圧の低下が検出されると、電源電圧監視回路からメインCPU290に無条件割込要求信号が入力されることにより実行される電源断記憶処理において、電源断確認データが電源断確認フラグに格納される。したがって、メインCPU290は、電源断確認フラグの値を監視し(S204)、電源断確認フラグの値が電源断確認データに一致する場合は(S206のY)、電源断のための処理を実行するために、S212に進む。電源断確認フラグの値が電源断確認データに一致しない場合は(S206のN)、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新するため、初期値乱数更新処理を実行し(S208)、タイマ割込を許可して(S210)、S200に戻る。以降、S200~S210が繰り返される。タイマ割込が禁止されている間(S202~S208)にタイマ割込が発生した場合、S210においてタイマ割込が許可された後に、後述する割込処理を実行する。
S206において電源断が検知されると(S206のY)、メインCPU290は、ウォッチドッグタイマをリスタートさせ(S212)、電源断情報フラグの内容を確認する(S214)。電源断情報フラグの内容が電源投入正常データと一致しない場合は(S214のN)、電源投入時のデータが正常に保存されていないと判断し、電源断異常データを電源断情報フラグに格納して(S216)、S222に進む。電源断情報フラグの内容が電源投入正常データと一致する場合は(S214のY)、電源投入時のデータが正常に保存されていると判断し、電源断正常データを電源断情報フラグに格納する(S218)。つづいて、次回の電源投入時に、バックアップされたメインRAM291のデータを検査するために、メインRAM291に格納されているデータのチェックサムを算出してメインRAM291に格納する(S220)。つづいて、メインRAM291へのアクセスを禁止して(S222)、電源が落ちるまでループする。なお、上記の電源断時の処理は、メインCPU290により実現されるメイン電断処理実行手段282が実行する。
図19は、割込処理の詳細を示すフローチャートである。メイン処理(S120)においてタイマ割込が発生すると、メインCPU290は割込処理を実行する。まず、割込動作条件を設定し(S300)、ウォッチドッグタイマをリスタートさせる(S302)。つづいて、遊技機を管理するため、入力処理(S304)、各種乱数更新処理(S306)、初期値更新型乱数更新処理(S308)、初期値乱数更新処理(S310)、タイマ減算処理(S312)、第2始動口有効期間設定処理(S314)、入賞監視処理(S316)、賞球制御処理(S318)、普通図柄作動ゲート監視処理(S320)、普通図柄制御処理(S322)、普通図柄変動開始監視処理(S324)、始動口監視制御処理(S326)、特別図柄制御処理(S328)、特別電動役物制御処理(S330)、大入賞口有効期間設定処理(S332)、特別図柄変動開始監視制御処理(S334)、異常検知処理(S336)、入球通過時間異常検出処理(S338)、遊技状態表示処理(S340)、ハンドル状態信号検査処理(S342)、LED出力処理(S344)、発射制御信号出力処理(S346)、試験信号出力処理(S348)、ソレノイド出力処理(S350)、演出制御コマンド送信処理(S352)、外部情報出力処理(S354)を順に実行し、次回のタイマ割込を許可して(S356)、リターンする。
入力処理(S304)において、遊技盤面に取り付けられているスイッチ、断線短絡電源異常検知信号、扉・枠の開放信号、磁気検知信号、電波検知信号、及びタッチ状態信号の入力ポートのデータを監視し、入力状態を示すデータを作成してメインRAM291に格納する。なお、この入力状態を示すデータは、レベルデータ(今回の割込時における入力ポートのデータ)と、立ち上がりデータまたは立ち下がりデータ(今回の割込時における入力ポートのデータと前回の割込時における入力ポートのデータを排他的論理和で比較して切り替わりが見られたスイッチを示すデータ)である。
各種乱数更新処理(S306)において、普通図柄変動パターン乱数及び変動パターン乱数を更新する。普通図柄変動パターン乱数をメインRAM291から読み出し、値が所定の最大値未満である場合は値をインクリメントして格納し、値が所定の最大値以上である場合は0を格納する。また、変動パターン乱数をメインRAM291から読み出し、値から所定値を減算した結果が0以上である場合は減算結果を格納し、0未満である場合は所定の最大値を格納する。これにより、普通図柄変動パターン乱数及び変動パターン乱数は、タイマ割込が発生する時間ごとに更新される。
初期値更新型乱数更新処理(S308)において、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数を更新する。それぞれの乱数の値、最大値、及び初期値をメインRAM291から読み出し、乱数の値をインクリメントする。インクリメントした結果が、最大値を超えた場合は、乱数の値を0とする。また、インクリメントした結果が、初期値に一致した場合は、初期値乱数をメインRAM291から読み出し、初期値を更新する。これにより、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数は、タイマ割込が発生する時間ごとに更新され、乱数の値が初期値に戻ると、すなわち乱数の範囲を一巡すると、新たに初期値を設定し直して乱数が生成される。
初期値乱数更新処理(S310)において、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新する。メインRAM291の初期値乱数更新テーブルから初期値乱数を読み出し、初期値乱数の値をインクリメントする。インクリメントした結果が、上限値を超えていた場合は、初期値乱数の値を0とする。メイン処理(S120)における初期値乱数更新処理(S208)においても、同様の処理が実行される。
タイマ減算処理(S312)において、2バイトタイマを更新する。各種制御用のタイマの値をそれぞれテーブルにしたがってメインRAM291から読み出し、タイマの値が0以外である場合、値を順次デクリメントして格納する。タイマの値が0である場合、タイマの更新は実行しない。
第2始動口有効期間設定処理(S314)において、第2始動口12の有効期間を設定する。第2始動口12には、遊技球の入球により賞球の払い出し及び第2特別図柄に係る抽選が実行される有効期間と、遊技球が入球しても賞球の払い出し及び第2特別図柄に係る抽選が実行されない無効期間が設定される。後述するように、始動口監視制御処理(S326)において、第2始動口12の無効期間には、第2始動口入賞の監視処理を実行しないので、第2始動口12に遊技球が入球しても賞球の払い出し及び第2特別図柄に係る抽選は実行されない。第1始動口11、大入賞口20、第1作動口31、第2作動口32、一般入賞口33などに、有効期間及び無効期間が設定される場合についても同様である。普通図柄の状態が「普通電動役物作動中」である場合、第2始動口有効期間フラグに第2始動口12が有効期間であることを示すデータを格納する。普通図柄の状態が「普通電動役物作動中」でない場合、第2始動口有効延長タイマの値が0でなければ、第2始動口有効期間フラグに第2始動口12が有効期間であることを示すデータを格納し、第2始動口有効延長タイマの値が0であれば、第2始動口有効期間フラグに第2始動口が無効期間であることを示すデータを格納する。
入賞監視処理(S316)において、遊技球のスイッチ通過を検査し、遊技球がスイッチを通過したとき、そのスイッチに無効期間がない、又は、現在有効期間である場合で、かつ、賞球払い出しがある場合、入賞カウンタを更新する。また、外部情報出力端子160へ出力するセキュリティの出力要求の作成及びコマンドの送信を要求する。
賞球制御処理(S318)において、払出制御基板155からのデータ受信の監視、払出制御基板155へのコマンド送信要求、払出制御基板155へのコマンド送信、及び払出制御基板155からの受信データの検査を、順に実行する。
普通図柄作動ゲート監視処理(S320)において、遊技球の第1作動口31、第2作動口32の通過を監視し、遊技球が第1作動口31または第2作動口32を通過したと判断したとき、普通図柄変動の保留数が上限値である4未満である場合は、普通図柄の保留数を更新し、普通図柄に係る乱数をメインRAM291に格納する。
普通図柄制御処理(S322)において、普通図柄の状態を監視し、普通図柄制御中と判断した場合、普通図柄表示部45又は普通電動役物90に係る処理を実行する。普通図柄の状態が「普通図柄変動中」である場合、普通図柄変動中処理を実行し、「普通図柄停止図柄表示中」である場合、普通図柄停止図柄表示中処理を実行し、「普通電動役物作動中」である場合、普通電動役物作動中処理を実行し、「普通電動役物作動終了デモ中」である場合、普通電動役物作動終了デモ中処理を実行する。普通図柄変動中処理において、普通図柄の変動を行った後、変動時間を監視し、普通図柄の変動時間終了と判断した場合、普通図柄の変動停止設定を行って、普通図柄の状態を「普通図柄停止図柄表示中」に設定する。普通図柄停止図柄表示中処理において、普通図柄の停止図柄表示時間を監視し、普通図柄の停止図柄表示時間終了と判断した場合、当り判定の結果に対応した普通図柄の作動終了設定を実行する。当りの場合は、普通図柄の状態を「普通電動役物作動中」に設定し、普通電動役物作動開始時の普通電動役物開放延長機能の作動状態を保存し、普通電動役物作動開始時の普通電動役物開放延長機能の作動状態に対応した普通電動役物ソレノイド91の作動設定を実行する。はずれの場合は、普通図柄の状態を「普通図柄変動待機中」に設定する。普通電動役物作動中処理において、遊技球の普通電動役物90に係る入賞口の入賞を監視し、普通電動役物90に係る入賞口の入賞数が最大入賞数に達したと判断した場合は、普通電動役物90の作動終了設定及び第2始動口有効延長時間の設定を実行する。普通電動役物90に係る入賞口の入賞数が最大入賞数に達していないと判断した場合は、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖時間の監視、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖の設定を行い、一連の普通電動役物90の入口の開放が終了したと判断した場合は、普通電動役物90の作動終了設定及び第2始動口有効延長時間の設定を実行する。なお、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖時間の終了でないと判断した場合は、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖の設定は実行しない。普通電動役物作動終了デモ中処理において、普通電動役物90の作動終了デモ時間の監視を行い、普通電動役物90の作動終了デモ時間終了と判断した場合、普通図柄の状態を「普通図柄変動待機中」に設定する。
普通図柄変動開始監視処理(S324)において、普通図柄の状態を監視し、「普通図柄変動待機中」であり、かつ、普通図柄作動保留球数の値が0以外である場合、普通図柄の変動を開始させると判断する。普通図柄の変動を開始させると判断した場合、普通図柄作動保留球数をデクリメントし、当り判定、停止図柄の決定、普通図柄の変動パターン番号の設定、及び普通図柄の変動時間の設定を実行する。その後、普通図柄の状態を「普通図柄変動中」に設定し、普通図柄の状態設定、当り判定、及び変動パターン決定に使用したメインRAM291の領域をクリアする。
始動口監視制御処理(S326)において、遊技球の第1始動口11入賞及び第2始動口12入賞を監視する。第1特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合は、内蔵乱数を取得し、取得した内蔵乱数に特別図柄当りソフト乱数の値を加算した値を、大当り判定で使用する特別図柄当り乱数としてバッファに格納する。また、特別図柄に係る乱数として、図柄乱数及び変動パターン乱数を取得して記憶する。第2特別図柄の保留を第1特別図柄の保留に優先して消化する場合は、当該入賞に係る保留の更新のみを実行するが、特別図柄の保留の消化順序が入賞順である場合は、当該入賞に係る保留の更新のほか、合計保留数の更新及び入賞順序の記憶を実行する。つづいて、始動口入賞時に記憶する乱数に対応した予告演出コマンドを要求するため、遊技機の状態を確認し、コマンド送信期間と判断した場合、当り予告演出要求、当り図柄予告演出要求、パターン予告演出要求を順に実行する。ここで、(1)当り待ち中で、かつ、普通図柄の確率変動機能が未作動中に、第1特別図柄に係る乱数を記憶する場合、(2)当り待ち中で、かつ、普通図柄の確率変動機能が未作動中に、第2特別図柄に係る乱数を記憶する場合、(3)大当り中又は小当り中に第2特別図柄に係る乱数を記憶する場合のいずれかに該当する場合に、コマンド送信期間であると判断する。つづいて、特別図柄の作動保留球数に対応した演出コマンドを要求する。これにより、特別図柄の作動保留球数が更新されたことが、サブ基板300に通知される。以上のように、先読みにおいては、事前判定情報(事前当否判定情報、事前図柄判定情報、事前パターン判定情報)、保留球数の4つがセットとしてサブ基板300に送信される。なお、上記の例では、メインCPU290において、事前判定処理のためのコマンドの送信を制御したが、別の例では、始動口への入球がある場合には一様に送信を行い、先読み可能期間であるか否かなどの各種の状況判断は、サブCPU310が行ってもよい。つづいて、第2始動口有効期間フラグの値を検査し、第2始動口有効期間フラグの値が第2始動口12が有効期間であることを示すデータである場合、第1始動口入賞の場合と同様に、第2始動口入賞の監視処理を実行する。第2始動口有効期間フラグの値が第2始動口12が無効期間であることを示すデータである場合、第2始動口入賞の監視処理は実行しない。なお、保留球数が0であったときに遊技球の入賞を確認した場合には、ここでいったん保留球数を0から1にした上で、後述する変動開始に係る制御処理が実行される。
特別図柄制御処理(S328)において、当り待ち状態の検査を行い、特別電動役物が作動中、すなわち、大当り中又は小当り中である場合、特別図柄制御処理を終了する。特別電動役物が未作動である場合、特別図柄の状態を検査し、「特別図柄変動待機中」であれば、特別図柄制御汎用処理を終了し、「変動開始」であれば、特別図柄変動開始処理を実行し、「特別図柄変動中」であれば、特別図柄変動中処理を実行し、「特別図柄停止図柄表示中」であれば、特別図柄停止図柄表示中処理を実行する。特別図柄変動開始処理において、変動パターン乱数に基づいて特別図柄変動パターンの選択番号を取得し、特別図柄変動パターン番号に対応した変動時間を決定し、サブ基板300に演出表示を開始させるため、変動付加図柄情報、変動パターン、及びキャラクタの情報のコマンドを要求し、特別図柄の状態を「特別図柄変動中」に設定し、特別図柄変動パターンの決定に使用した変動パターン判定領域を0でクリアする。特別図柄変動中処理において、特別図柄の変動を行った後、変動時間を監視し、特別図柄の変動時間終了と判断した場合、特別図柄の変動停止設定を行って、特別図柄の状態を「特別図柄停止図柄表示中」に設定する。特別図柄停止図柄表示中処理において、特別図柄の停止図柄表示時間を監視し、特別図柄の停止図柄表示時間終了と判断した場合、当り判定の結果に対応した特別図柄の作動終了設定を実行する。大当りの場合は、特別図柄の作動を終了させるため、特別図柄の状態を「特別図柄変動待機中」に設定し、特別電動役物が連続して作動する回数の設定を行い、特別図柄の確率変動機能、特別図柄の変動時間短縮機能、普通図柄の確率変動機能、普通図柄の変動時間短縮機能、及び普通電動役物の開放延長機能を未作動にし、遊技機の状態を大入賞口開放準備中に設定し、当り開始デモ表示時間の設定、当り開始デモ演出のコマンド要求、及び発射位置指定演出のコマンド要求(「右打ち」など推奨発射位置を示唆する演出を実行させるためのコマンド要求)を実行する。当り判定の結果が小当りである場合、特別図柄の変動時間短縮機能及び普通図柄の確率変動機能の作動終了判定を行い、変動パターン選択状態を更新し、遊技状態のコマンド要求を行い、特別図柄の作動を終了させるため、特別図柄の状態を「特別図柄変動待機中」に設定し、遊技機の状態を小当り開始デモ中に設定し、当り開始デモ表示時間の設定、当り開始デモ演出のコマンド要求、及び発射位置指定演出のコマンド要求を実行する。当り判定の結果がはずれである場合、特別図柄の変動時間短縮機能及び普通図柄の確率変動機能の作動終了判定を行い、変動パターン選択状態を更新し、遊技状態のコマンド要求を行い、特別図柄の作動を終了させるため、特別図柄の状態を「特別図柄変動待機中」に設定し、発射位置指定演出のコマンド要求を実行する。
特別電動役物制御処理(S330)において、特別電動役物に係る処理を実行するため、条件装置及び特別電動役物の作動状態を検査し、条件装置が作動中又は特別電動役物が作動中と判断した場合、特別電動役物に係る処理を実行する。特別電動役物の作動状態に応じて、大入賞口開放準備中処理、特別電動役物作動中処理、大入賞口閉鎖中処理、大当り終了デモ中処理、小当り開始デモ中処理、小当り特電作動中処理、小当り大入賞口閉鎖中処理、小当り終了デモ中処理を実行する。
大入賞口有効期間設定処理(S332)において、大入賞口20の有効期間判定の結果を保存するため、大入賞口有効時間の値が0である場合は、大入賞口有効期間フラグに大入賞口無効期間データを格納し、0以外である場合は、大入賞口有効期間フラグに大入賞口有効期間データを格納する。
特別図柄変動開始監視制御処理(S334)において、特別図柄の作動状態を監視し、特別図柄が変動開始できる状態であるか否かを判定する。特別図柄の保留球の消化順序が、第2特別図柄の優先消化である場合、(1)大当り中又は小当り中でないこと、(2)第1特別図柄が変動待機中であること、(3)第2特別図柄が変動待機中であること、(4)当該特別図柄の作動保留球数が0以外であること、の全てが満たされているときに、特別図柄が変動開始できる状態であると判定する。特別図柄の保留球の消化順序が、入賞順である場合、上記(1)~(3)に加えて、(5)特別図柄の保留球数の合計が0以外であること、(6)当該判定が消化順序すなわち入賞順と一致すること、の全てが満たされているときに、特別図柄が変動開始できる状態であると判定する。
特別図柄が変動開始できる状態であると判定された場合、当該特別図柄の作動保留球数を減算し、第1特別図柄及び第2特別図柄の保留球数に対応した演出コマンドを要求する。これにより、特別図柄の保留球数が更新されたことがサブ基板300に通知される。
つづいて、特別図柄の当り判定を実行する。当り判定において、特別図柄当り乱数により、大当り、小当り、はずれのいずれであるかが判定され、判定結果が、特別図柄判定フラグに格納される。つづいて、図柄を決定する。図柄の決定において、当り判定が大当りであった場合、特別図柄当り図柄乱数に基づいて大当り図柄が決定され、小当りであった場合、小当り図柄が決定され、はずれであった場合、はずれ図柄が決定される。
当り判定の結果が大当りであった場合、図柄の決定処理において決定された当り図柄の種別を示す群判定番号の値に基づいて、特別図柄の確率変動機能の作動内容を判定し、特別図柄の変動時間短縮機能の作動内容や、普通図柄の入賞容易状態を設定など、大当り終了後の遊技状態を設定する。つづいて、特別電動役物が連続して作動する回数や、大入賞口の開放時間の内容など、大当り中の設定を実行する。つづいて、当り判定の結果と、普通図柄の確率変動機能の作動状態に基づいて、大当り終了後に参照すべき変動パターンテーブルを選択することにより、変動パターン選択状態の内容を設定する。つづいて、遊技状態及び当り図柄の種別を示す群判定番号の値に基づいて選択されたテーブルを参照して、開始デモ時間及び終了デモ時間を設定する。つづいて、当り判定及び図柄決定に使用したメインRAM291の領域をクリアし、特別図柄の状態を「変動開始」に設定する。
当り判定の結果が小当りであった場合、小当り終了後に参照すべき変動パターンテーブルを選択することにより、変動パターン選択状態の内容を設定し、開始デモ時間及び終了デモ時間を設定し、当り判定及び図柄決定に使用したメインRAM291の領域をクリアして、特別図柄の状態を「変動開始」に設定する。当り判定の結果がはずれであった場合、当り判定及び図柄決定に使用したメインRAM291の領域をクリアして、特別図柄の状態を「変動開始」に設定する。
異常検知処理(S336)において、メインエラー検出手段284として機能するメインCPU290は、磁気検知信号、断線短絡電源異常検知信号、電波検知信号、扉・枠の開放信号を検査し、エラー状態に変化があった場合は、エラー状態を記憶して、サブ基板300に遊技機のエラー状態演出の表示を要求する。このとき、制御基板に搭載されたLED等の発光手段の発光態様をエラー状態に応じて制御してもよい。エラー状態に変化がなかった場合は、エラー状態の記憶及びエラー状態演出の表示要求は実行しない。
入球通過時間異常検出処理(S338)において、メインエラー検出手段284として機能するメインCPU290は、入球通過時間異常を検出するため、各スイッチレベルの連続オン時間の監視を行い、連続オン時間(例えば、スイッチがオンであるとき割込み毎にインクリメントするカウンタの値)が異常値であったと判断した場合、入球通過時間異常の設定、コマンドの送信要求、外部情報出力端子160へ出力するセキュリティの出力要求の作成を順に実行する。このとき、制御基板に搭載されたLED等の発光手段の発光態様を入球通過時間異常に応じて制御してもよい。連続オン時間が異常ではないと判断した場合は、セキュリティの出力要求の作成は実行しない。
遊技状態表示処理(S340)において、特別電動役物が連続して作動する回数、エラー状態、普通図柄の作動保留球数、及び特別図柄の作動保留球数の表示を要求するため、それぞれの表示データを作成する。
ハンドル状態信号検査処理(S342)において、ハンドルのタッチ状態を監視するため、ハンドル状態の検査を行い、検査の結果、ハンドル状態に変化ありと判断した場合、ハンドル状態監視タイマの減算、ハンドル状態の更新、ハンドル状態監視タイマの設定、及びハンドル状態演出のコマンド送信要求を実行する。検査の結果、ハンドル状態に変化なしと判断した場合、ハンドル状態監視タイマの設定を実行する。ハンドル状態監視タイマの値をデクリメントした結果が0以外の場合、タイマ減算中と判断して、以降の処理は実行しない。
LED出力処理(S344)において、特別図柄の表示、普通図柄の表示、特別図柄の作動保留球数の表示、普通図柄の作動保留球数の表示、遊技状態の表示、特別電動役物が連続して作動する回数の表示、役物連続作動装置未作動時の特別電動役物の作動状態の表示、打ち分けの表示、エラーの表示、賞球比率の表示を実行するために、表示の初期化、表示データの取得及び出力を順に実行する。
発射制御信号出力処理(S346)において、遊技球の発射の禁止/許可の信号を出力するため、払出制御基板155との通信状態及び断線短絡電源異常に対応した発射の禁止/許可の設定、及び発射の禁止/許可データの取得を行った後、発射の禁止/許可の信号の出力を実行する。
試験信号出力処理(S348)において、試験装置に出力する信号を作成し、対応した出力ポートに出力する。
ソレノイド出力処理(S350)において、普通電動役物ソレノイド91及び大入賞口ソレノイド92の出力データを出力するために、普通電動役物ソレノイド91の出力データの取得、大入賞口ソレノイド92の出力データの取得及び出力データの出力を実行する。それぞれのソレノイドの作動フラグ及び作動タイマを取得し、取得したソレノイド作動フラグ及びソレノイド作動タイマに対応した出力データを取得する。つづいて、ソレノイド作動タイマを更新し、出力データをソレノイド出力ポートへ出力する。
演出制御コマンド送信処理(S352)において、サブ基板300へ送信するコマンドの送信要求の有無を検査し、送信要求があると判断した場合、要求するコマンドデータを取得し、使用したコマンドバッファを0でクリアし、取得したコマンドデータに対応したMODEデータの取得、MODEデータの出力、MODEデータの保持、取得したコマンドデータに対応したEVENTデータの取得、EVENTデータの出力を順に実行する。
外部情報出力処理(S354)において、外部情報出力端子160に出力する信号を作成し、作成した信号を外部情報出力ポートに出力する。
上述したメイン基板200の動作過程において使用される乱数について、より詳細に説明する。メイン基板200において使用される乱数には、主に、普通図柄に係る乱数として、普通図柄当り乱数、及び普通図柄変動パターン乱数があり、特別図柄に係る乱数として、特別図柄当り乱数(ハード乱数)、特別図柄当りソフト乱数、特別図柄当り図柄乱数、変動パターン乱数がある。また、初期値更新型乱数である、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数の初期値を与えるための乱数として、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数がある。
普通図柄当り乱数は、割込処理の初期値更新型乱数更新処理(S308)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。普通図柄当り乱数は、割込処理の普通図柄作動ゲート監視処理(S320)において、遊技球が第1作動口31または第2作動口32を通過したと判断されたとき、普通図柄変動の保留数が上限値である4未満である場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。普通図柄乱数は、普通図柄変動開始監視処理(S324)において、普通図柄の変動を開始させると判断されたときに、当り判定及び停止図柄の決定のために使用される。
普通図柄変動パターン乱数は、例えば0~232の値をとり、割込処理の各種乱数更新処理(S306)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。普通図柄変動パターン乱数は、割込処理の普通図柄作動ゲート監視処理(S320)において、遊技球が第1作動口31または第2作動口32を通過したと判断されたとき、普通図柄変動の保留数が上限値である4未満である場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。普通図柄変動パターン乱数は、普通図柄変動開始監視処理(S324)において、普通図柄の変動を開始させると判断されたときに、普通図柄の変動パターンの決定のために使用される。
特別図柄当り乱数は、割込処理の始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、内蔵乱数と特別図柄当りソフト乱数の値を取得し、両者を加算することにより生成され、メインRAM291の所定位置に格納される。特別図柄当り乱数は、割込処理の特別図柄変動開始監視制御処理(S334)において、大当り判定及び小当り判定を実行するために使用される。
特別図柄当りソフト乱数は、割込処理の初期値更新型乱数更新処理(S308)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。特別図柄当りソフト乱数は、始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、上述したように、特別図柄当り乱数を生成するために使用される。
特別図柄当り図柄乱数は、例えば0~999(図7の例では0~255)の値をとり、割込処理の初期値更新型乱数更新処理(S308)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。特別図柄当り図柄乱数は、始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。特別図柄当り図柄乱数は、割込処理の特別図柄変動開始監視制御処理(S334)において、当り判定が大当りであった場合に、大当り図柄を決定するために用いられる。
変動パターン乱数は、例えば0~49999(図8の例では0~255)の値をとり、割込処理の各種乱数更新処理(S306)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。変動パターン乱数は、始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。変動パターン乱数は、割込処理の特別図柄制御処理(S328)において、特別図柄変動パターンを決定するために用いられる。
普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数は、それぞれ、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数と同じ範囲の値をとり、メイン処理(S120)の初期値乱数更新処理(S208)及び割込処理の初期値乱数更新処理(S310)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数は、初期値更新型乱数更新処理(S308)において、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数を更新するときに、それぞれの乱数の初期値として用いられる。
割込処理は、タイマ割込により一定時間ごとに実行されるので、割込処理に含まれる各種乱数更新処理(S306)及び初期値更新型乱数更新処理(S308)も、一定時間ごとに実行される。すなわち、普通図柄当り乱数、普通図柄変動パターン乱数、特別図柄当り乱数、特別図柄当りソフト乱数、特別図柄当り図柄乱数、変動パターン乱数は、一定時間ごとに更新される。これに対して、メイン処理(S120)は、割込処理が終了してから次のタイマ割込が発生するまでの間、すなわち、タイマにより計測される一定時間から割込処理に要した時間を減じた時間だけ繰り返される。割込処理に要する時間は、遊技状態などに応じて異なるので、メイン処理(S120)における初期値乱数更新処理(S208)は、各種乱数更新処理(S306)や初期値更新型乱数更新処理(S308)と異なり、一定時間ごとに実行されるわけではない。これにより、初期値更新型乱数更新処理(S308)において初期値を設定する際に取得される初期値乱数を毎回ランダムにすることができる。
図20は、ぱちんこ遊技機におけるサブ基板300の制御開始処理を示すフローチャートである。この制御開始処理は、サブ初期処理実行手段360により実行されるが、以降、サブ初期処理実行手段360として機能するサブCPU310が実行するものとして説明する。サブ基板300の制御を開始すると、サブCPU310はスタックポインタを設定し(S500)、各種の初期設定が完了するまですべての割込を禁止し(S502)、サブCPU310のレジスタ設定やポート初期化といったハードウェアに関する初期設定を実行する(S504)。サブROM312から制御プログラムを読み出してサブRAM311に配置するとともに、制御プログラムにおける各種の変数のうち、初期値のある変数については初期値を設定し、初期値のない変数についてはゼロクリアのデータを設定することにより、サブRAM311を初期化する(S506)。なお、サブ基板300における割込処理は、最優先で実行される割込処理として、電源立ち上げ時の処理と、ウォッチドッグ機能が有効な場合における各種異常発生時のリセット処理とがある。次に実行優先度の高い優先レベル7の割込処理として、メイン基板200から受信するコマンド処理があり、その次に優先度の高い優先レベル3の割込処理として、ウォッチドッグタイマによるCPU暴走検知時のリセット処理がある。次に優先される優先レベル2の割込処理として、制御CPU320との間で送受信されるコマンドに係る処理があり、最も優先度の低い優先レベル1の割込処理として、リアルタイムクロックとの通信処理やランプ、ソレノイド、モータ等の各種デバイス制御処理等がある。以上の各種処理に関する割込が仮に同時に発生した場合には、割込の種類ごとにあらかじめ設定された優先度の高いものから優先して実行される。なお、本図に示す処理は、最優先レベルの割込である電源立ち上げ時の処理および各種異常発生時のリセット処理と、優先レベル3の割込であるCPU暴走検知時のリセット処理とを含む。
メイン基板200から受信するコマンド以外の割込(優先レベル7)を禁止し(S510)、あらかじめ記憶された全機種用のすべてのエラー情報から当該機種で使用する各種エラー情報を設定する(S512)。装飾ランプ111などのすべてのランプを消灯し(S514)、ウォッチドッグタイマの動作を開始し(S516)、メイン処理を実行する(S518)。通常はS518のメイン処理から本フローへ戻ることはないが、戻ったときはスリープ(小消費電力モード)へ移行する(S520)。
図21は、図20におけるS518のメイン処理を詳細に示すフローチャートである。図20のS506においてサブRAM311に配置された制御プログラムが正確に配置されているかを本図のメイン処理内でチェックするためにそのチェックを開始する先頭アドレスを取得し(S530)、以降の処理においてすべての割込を許可し(S532)、モータやソレノイド等のデバイスの初期化動作を実行する(S534)。
ウォッチドッグタイマを使用する設定であればウォッチドッグタイマをクリアし(S536)、装飾図柄の外れの組合せがランダムの組合せになるように装飾図柄のカウンタを更新し(S540)、サブCPU310の入力ポートを監視する(S542)。なお、S540はカウンタを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する方式における処理であるため、外れ図柄となる全ての図柄組合せを組み込んだ抽選シートを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する方式の場合にはS540の処理は実行しない。その抽選シートを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する処理は、S552で後述する通りメイン基板200から特別図柄の停止図柄を示すコマンドを受信したときに実行する。サブエラー検出手段364として機能するサブCPU310は、エラー状態を監視して各種エラーを検知したときはそのエラーを報知し(S544)、演出ボタン109の入力状態に応じた処理を実行し(S546)、予告抽選を実行する(S548)。なお、S548における予告抽選は、特に図柄変動開始直後に出現させる予告演出のコマンドをできる限り早期に演出制御装置313へ送信するため、抽選処理を1回のループで処理するのではなく複数回のループに分け、図柄変動開始直後に出現させる予告演出を先のループで抽選する。リアルタイムクロック、ランプ、モータ、ソレノイド等のデバイスに対する動作要求があればその動作を実行し(S550)、コマンドバッファに保存されたコマンドを解析し(S552)、コマンド解析直後の場合はS536の処理へ戻り(S554のY)、コマンド解析直後でないときは(S554のN)、空き時間で行えばよい低優先度の処理として抽選用ソフト乱数を更新し(S556)、S536の処理に戻る。なお、S552において、解析するコマンドが特別図柄の変動パターンを示す場合は装飾図柄の変動演出パターンをこのS552の処理にて決定し、解析するコマンドが特別図柄の停止図柄を示す場合は抽選シートを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する方式であれば装飾図柄の停止図柄をこのS552の処理にて決定する。
図22は、メイン基板200からコマンドを受信した場合の割込処理を示すフローチャートである。メイン基板200から受信するメインコマンドは、リセット割込やエラー割込に次いで優先度の高い優先レベル7の割込命令である。メイン基板200から受信したデータを入力ポートへ読みに行き、2回連続で同じデータが読み込まれたときにそのデータを新たなコマンドとして確定し(S600のY)、その確定したコマンドが第1コマンド(MODEデータ)であれば(S602のY)、その第1コマンドを一時記憶領域に保存する(S604)。ハード乱数を後続の処理のために取得し(S606)、元のルーチンに戻る。このようにメイン基板200からメインコマンドの割込があるたびにハード乱数を取得しておくことにより、乱数の取得タイミングに周期性を生じさせず、値のランダム性を高める。S600において読み込まれたデータが2回連続で一致しなければ(最高5回まで読み込み可能)、S602をスキップして元のルーチンに戻る(S600のN)。
S602において、確定したコマンドが第1コマンドではなく第2コマンドの場合は(S602のN)、第1コマンドがすでに適切に受信済みであることが確認できれば(S608のY)、コマンドバッファ(コマンドデータ用のリングバッファ)における読み取り位置であるコマンドライトポインタを取得し(S610)、第1コマンドと第2コマンドとをコマンドバッファに保存する(S612)。コマンドバッファに保存されたコマンドデータは、図21のS552において解析される。コマンドライトポインタを更新し(S614)、一時記憶領域に保存させていた第1コマンドをクリアして(S616)、元のルーチンに戻る。S608において第1コマンドが受信済みでないときはS610以降をスキップして(S608のN)、元のルーチンに戻る。
図23は、演出表示制御のためのタイマ割込が発生した場合の割込処理を示すフローチャートである。このタイマ割込は、サブCPU310から制御CPU320へ演出表示に関するコマンドを送信するための優先レベル2の割込であり、500μs周期で発生する。この割込では、バッファをチェックし(S620)、バッファに送信用のコマンドデータがあれば(S622のY)、そのコマンドデータを読み込み(S624)、制御CPU320へ送信する(S626)。なお、制御CPU320へのコマンドデータの送信は、制御CPU320側で正常受信された旨を示すコマンドをサブCPU310が制御CPU320から受信するまで所定時間間隔で最大3回まで送信を試みる。送信後、バッファの読み出しアドレスの設定を更新し(S628)、元のルーチンに戻る。バッファに送信用のデータがなければ(S622のN)、S624以降をスキップして元のルーチンに戻る。
図24は、サブCPU310が制御CPU320からコマンドを受信した場合の割込処理を示すフローチャートである。この割込もまた優先レベル2の割込である。サブCPU310が制御CPU320から受信するコマンドは、主にサブCPU310から制御CPU320へ送信したコマンドが正常受信された旨を示すコマンドである。制御CPU320からコマンドを受信した場合、受信したコマンドデータを読み出し(S630)、コマンドを解析し(S632)、コマンドバッファに保存して(S634)、元のルーチンに戻る。
図25は、各種デバイス制御のためのタイマ割込が発生した場合の割込処理を示すフローチャートである。このタイマ割込は、装飾ランプ111などのランプ制御、可動役物66を駆動するソレノイドやモータの制御、各種タイマの管理制御のための割込であり、1ms周期で発生する。優先度が最も低い優先レベル1の割込であるため、優先レベル2以上の割込を許可し(S640)、演出ボタン109からの入力を示す信号、エラー検知を示す信号、電断を示す信号、モータやソレノイド等の制御対象デバイスへの駆動信号等を入出力するポートの入出力を処理する(S642)。このとき、電断を示す信号が入力された場合は直ちにバックアップ処理へ移行する。モータやソレノイド等のデバイスの制御パターンに基づくカウント処理やS642でポートにデータを書き込むためのバッファのオンオフ制御など、デバイス制御に係るデータを更新し(S644)、演出のタイミングを計るためのタイマを更新し(S646)、演出ボタン109の入力有効時間を管理するためのタイマを更新し(S648)、装飾ランプ111の点灯切換制御や制御CPU320の暴走監視制御等のためのタスク制御用カウンタを更新して16ms周期を作成する(S650)。
なお、装飾ランプ111の点灯切換制御の最小単位は16msである。画像表示制御の1フレームが16msまたは32msであり、その整数倍を装飾ランプ111の点灯切換制御の最小単位としておくことで、ランプ制御と画像表示制御を同期させやすくできる。また、例えば30秒間のエラー報知といった、比較的長時間の期間をカウントする場合に、仮に1割込(1ms)周期のカウントを用いてしまうとカウント値が必要以上に長くなってしまうが、16ms周期のカウント値とすることによってカウント値を短くすることもできる。
タスク制御には処理0~15までの16種類のタスクがあり、そのうち1つのタスクが装飾ランプ111の点灯切換制御であり、2つのタスクが制御CPU320の暴走監視制御である。装飾ランプ111の点灯切換制御は、タスク制御用カウンタのカウント値に応じて16割込に1回実行することで16ms周期での切換を実現する。制御CPU320の暴走監視制御は、例えば処理0と処理8に割り当て、タスク制御用カウンタのカウント値が0と8のとき、すなわち8割込に1回、制御CPU320からのトグル信号を監視(S652)することで、8ms周期での監視を実現する。
なお、制御CPU320からは1フレームごとにオンオフ反転するトグル信号が出力されており、このトグル信号が1600ms連続して同じ値のまま変化しない場合に制御CPU320が暴走していると判断し、サブCPU310から制御CPU320へリセット信号を送信し、リセット信号を受信した制御CPU320はリセットを実行する。制御CPU320からは1フレーム(16msまたは32ms)周期でトグル信号を受信するため、その周期より短い8ms周期で監視する。最後に、上述のような例えば30秒間のエラー報知といった比較的長時間のエラー報知期間を管理するタイマを減算し(S654)、そのタイムアウト時にエラー報知が終了する。
図26は、特別図柄変動表示の過程を示すフローチャートである。第2当否抽選値の保留がなされている場合(S700のY)、第2当否判定手段222が第2当否抽選値を読み出して第2特別図柄52の当否を判定し(S702)、第2当否判定手段222が第2特別図柄52の停止図柄を決定し(S704)、第2変動パターン決定手段232が第2特別図柄52の変動パターンを決定し(S706)、決定した結果とともに変動開始コマンドをサブ基板300へ送信して第2特別図柄52の図柄変動を開始する(S716)。
第2当否抽選値の保留がなされていない場合であって(S700のN)、第1当否抽選値の保留がなされている場合(S708のY)、第1当否判定手段221が第1当否抽選値を読み出してあらためて第1特別図柄51の当否を判定し(S710)、第1当否判定手段221が第1特別図柄51の停止図柄を決定し(S712)、第1変動パターン決定手段231が第1特別図柄51の変動パターンを決定し(S714)、決定した結果とともに変動開始コマンドをサブ基板300へ送信して第1特別図柄51の図柄変動を開始する(S716)。第1当否抽選値の保留がなされていない場合はS710からS722までの処理をスキップする(S708のN)。
特別図柄の図柄変動表示を処理し(S718)、所定の変動時間が経過して図柄表示の停止タイミングに達するまでS718を繰り返し(S720のN)、所定の変動時間が経過して図柄表示の停止タイミングに達したときは(S720のY)、変動停止コマンドをサブ基板300へ送信して表示中の図柄変動をあらかじめ決定された停止図柄にて停止し(S722)、特別図柄の変動表示を終了する。
図27は、装飾図柄変動表示の過程を示すフローチャートである。サブ基板300の演出決定手段303がメイン基板200から変動開始および演出表示内容を示すコマンドを受信し(S750)、受信した特別図柄の停止図柄、変動パターン、当否判定結果に応じて装飾図柄の停止態様を決定し(S752)、変動パターンに対応する変動演出パターンを決定する(S754)。ここで、事前判定により前兆設定がオンになっている場合(S756のY)、すでに決定されている変動演出パターンが、予告演出との重畳表示を回避すべき特定の演出内容が含まれたパターンでない場合であって(S758のN)、前兆設定がオンされた契機である図柄変動でなければ(S760のN)、所定の予告演出を表示すべき設定を実行し(S764)、前兆設定がオンされた契機である図柄変動である場合は(S760のY)、前兆設定をオフする(S762)。前兆設定がオンでない場合や(S756のN)、変動演出パターンに特定の演出内容が含まれる場合は(S758のY)、S760からS764の処理をスキップする。
その後、装飾図柄の変動演出表示を開始し(S766)、装飾図柄の変動演出表示処理と(S768)、予告演出の表示処理を実行し(S770)、メイン基板200から変動停止コマンドを受信するまでS768とS770を繰り返し(S772のN)、変動停止コマンドを受信したときに(S772のY)、S752で決定された停止態様にて装飾図柄を停止表示させることで図柄変動表示を停止し(S774)、装飾図柄の変動演出を終了する(S776)。
図28は、特別遊技の過程を示すフローチャートである。まず、演出表示制御手段305が特別遊技の演出処理を開始し(S800)、開閉制御手段275が大入賞口20を開放する(S802)。所定の開放時間が経過せず(S804のN)、大入賞口20への入球数も9球以上に達していなければS804に戻り(S806のN)、所定の開放時間が経過したか(S804のY)、開放時間が経過していないものの(S804のN)、大入賞口20への入球数が9球以上に達した場合(S806のY)、開閉制御手段275が大入賞口20を閉鎖させる(S810)。
単位遊技が最終ラウンドに達していなければ(S810のN)、ラウンド数に1を加算してS802に戻り(S812)、単位遊技が最終ラウンドに達していた場合は(S810のY)、演出表示制御手段305は特別遊技の演出処理を終了させ(S814)、特別遊技制御手段260は特別遊技を終了させ(S816)、特定遊技、すなわち確変、時短、入球容易状態の実行を開始する(S818)。
図29は、小当り遊技の過程を示すフローチャートである。小当り遊技において、1回だけ実行される単位遊技を開始し(S819)、大入賞口20を開放させ(S820)、所定の開放時間を経過するまで開放を継続させ(S822のN)、開放時間を経過した場合(S822のY)、大入賞口20を閉鎖し(S824)、設定回数分の開閉が終了していなければ(S826のN)、開閉回数に1を加算してS820に戻り(S828)、設定回数分の開閉が終了していれば(S826のY)、小当り遊技を終了する。
前提技術においては、第1の遊技における大当りの出玉より、第2の遊技における大当りの出玉の方が概ね多い、すなわち、第1の遊技よりも第2の遊技の方が1回の大当りにおける賞球獲得期待値が多くなるように設計されていたが、別の例では、第1の遊技の方が第2の遊技よりも賞球獲得期待値が多くなるように設計されてもよいし、第1の遊技と第2の遊技の賞球獲得期待値が概ね等しくなるように設計されてもよい。後者の場合、第1の遊技において実行される特別遊技と第2の遊技において実行される特別遊技に含まれる単位遊技の数の平均が等しくなるように設計されてもよい。例えば、第1の遊技においては、100%の確率で単位遊技が7回実行される特別遊技が実行され、第2の遊技においては、50%の確率で単位遊技が4回実行される特別遊技が、50%の確率で単位遊技が10回実行される特別遊技が実行されてもよい。また、いずれの場合においても、大入賞口に特定領域が設けられ、大入賞口に入球した遊技球が特定領域に入球または特定領域を通過した場合に、特別遊技終了後の通常遊技において確変状態などの特定遊技が実施されるように構成されてもよい。この場合、第1の遊技において大当りとなった場合に実行される特別遊技よりも、第2の遊技において大当りとなった場合に実行される特別遊技の方が、特定領域への入球容易性が高く、特別遊技の終了後に確変状態の通常遊技が実行される確率が高くなるように構成されてもよい。例えば、特定領域への入球が相対的に困難となる特別遊技が実行される第1当りと、特定領域への入球が相対的に容易となる特別遊技が実行される第2当りとが設けられ、第1の遊技よりも第2の遊技の方が第2当りとなる確率が高いように構成されてもよい。または、第1の遊技において第2当りとなる確率は100%未満であるが、第2の遊技において第2当りとなる確率は100%であるように構成されてもよい。
<第1実施例>
本実施例について、前提技術と相違する点を中心に以下説明し、共通する点の説明を省略する。
本実施例においては、所定種類の変動演出パターン(例えば、特殊演出パターンやリーチ変動演出パターン)が選択された場合に、演出ボタン109やレバー112の外観を模した操作手段画像としてのボタン画像(あるいはレバー画像)を画面に表示して遊技者に操作入力を促すとともに、その演出ボタン109の操作に応じてボタン画像(あるいはレバー画像)の表示態様が変化する演出(以下、「ボタン昇格演出」といい、レバー112、レバー画像などの演出ボタン以外の操作手段を用いる演出および画像は、取り立てて区別する必要がない場合に「ボタン昇格演出」「ボタン画像」の概念の中に含まれているものとして説明する)を実行する。ボタン画像として、複数の表示態様のボタン画像、例えば色、模様、形状などの態様が異なる複数のボタン画像が用意され、いずれの色、模様、形状のボタン画像が表示されるかによって示唆する大当り期待度の高さが異なる。本実施例におけるボタン昇格演出の演出過程は、特殊演出パターンないしリーチ変動演出パターンの一つであるボタン昇格演出パターンに定められる。ボタン昇格演出パターンには、リーチ成立後に複数段階にわたって大当り期待度がステップアップし得る演出過程が定められ、複数段階の演出のそれぞれに、遊技者に演出ボタン109の操作入力を促すためのボタン画像が表示される。一つの段階から次の段階の演出または大当りへ発展するための条件として演出ボタン109の操作態様に関する操作入力条件が定められ、その条件を満たす操作入力があったときに次の段階の演出または大当へ発展し得る。なお、「ボタン演出」(または「ボタン予告」)と記載する場合には、演出ボタン109の操作に伴い、実行中の演出(演出表示装置60の演出表示、スピーカー108の音演出、装飾ランプ111の発光演出等)に変化を与える演出を総称するものとし、「ボタン昇格演出」も演出表示装置60に表示されるボタン画像を変化させることから「ボタン演出」に含まれる。本実施例(および第2実施例以降の実施例)において、「ボタン昇格演出」が実行される場合には音演出、装飾ランプ111(特に演出ボタン109のランプ)の発光演出を伴うものがほとんどであるため、以降の実施例中の記載では必要がない限り「ボタン昇格演出」においても「ボタン演出」と表記する。
操作態様の条件は、演出ボタン109の操作回数や連続操作時間などの操作量の形で定められ、操作手段画像の種類ごとに大当り期待度が高い種類ほど操作量が多くなるように定められる。ただし、ここでいう「操作量」は操作手段画像の種類ごとの平均的な値でもよく、相対的に大当り期待度が高い種類に対して、例外的に少ない操作量、例えば「押下1回」といった最少の操作量を操作態様条件とすることをアットランダムに低頻度で付与する場合がある仕様としてもよい。
また、操作態様条件として、演出ボタン109の操作を有効に受け付ける有効期間の長さがさらに定められる。演出ボタン109の有効期間の長さとしては、遊技者に要求する操作量の多さに応じて異なる時間が定められてもよい。
演出決定手段303は、特別図柄の変動パターンとして特定の変動パターンが選択された場合に、特殊演出パターンとして複数種類のボタン演出パターンからいずれかを選択し得る。ボタン演出パターンには、複数の演出段階にわたって発展し得る演出過程が定められる。ボタン演出パターンの複数の演出段階のそれぞれにおいて、複数種類のボタン画像のうちいずれを表示することで大当り期待度の高さを示唆するか、および、ボタン画像の種類ごとに次の演出へ発展するために満たすべき操作入力条件がボタン演出パターンに定められる。
図30は、ボタン演出においてボタン画像を画面に出現させるときの画面例を模式的に示す。図30(a)および(b)はボタン画像500を例示する。ボタン演出パターンに基づく演出では、リーチ成立後に表示される複数の演出段階のそれぞれにおいて、図30(a)のように画面の略中央にボタン画像500を出現させる。ボタン画像500の周囲には、ボタン画像500の下方にある第1関連表示領域502に操作入力条件として操作入力の有効期間の状況を示唆する情報が表示され、ボタン画像500の上方にある第2関連表示領域504に操作入力条件として操作態様の状況を示唆する情報が表示される。画面右下隅には、装飾図柄506が縮小されて変動表示される。ボタン演出の開始とともに、画面には操作入力条件を遊技者に案内する「ボタンを3回連打!」のような文字列が表示される。
第1関連表示領域502には、演出ボタン109の操作入力の有効期間の経過時間および残り時間のうち少なくともいずれかを示唆する数字等が表示される。例えば、第1関連表示領域502には操作入力の有効期間の残り時間が「あと3秒」のような文字で表示される。変形例として経過時間または残り時間がインジケーター(メーター表示やゲージ表示)の形で表示されてもよい。なお、第1関連表示領域502に表示される有効期間の時間表示は、内部的な制御において参照される有効期間と必ずしも厳密に一致する数字を表示していなくてもよく、表示上は有効期間の時間を示唆するものであれば足りる。例えば、第1関連表示領域502において有効期間の表示が開始されるタイミングより僅かに前後するタイミングで演出ボタン109の有効期間が開始されていてもよく、第1関連表示領域502において有効期間が「0秒」となるタイミングより僅かに前後するタイミングで演出ボタン109の有効期間が終了してもよい。
第2関連表示領域504には、次の演出段階への発展ないし操作手段画像の種類の変化(「昇格」ともいう)がなされるために遊技者に要求される操作態様について、その操作状況が遊技者による演出ボタン109の操作に応じて表示される。例えば、演出ボタン109の操作量の経過(例えば、操作した回数や時間)および残り操作量(例えば、残り回数や残り時間)のうち少なくともいずれかを示す数字が表示される。例えば、操作状況として「0回」「1回」「2回」といった数字や文字またはインジケーター(メーター表示やゲージ表示)、さらには図形等で構成される複数のオブジェクト(オブジェクトは操作回数1回につき1個のオブジェクトを対応させてもよいし、色や形状を異ならせてオブジェクト表示の態様ごとに操作回数を異ならせてもよい)が指す操作回数が増加する形または残り回数が減少する形で第2関連表示領域504に表示される。
遊技者により演出ボタン109が操作、すなわち押下されると、その操作に対応する演出が表示される。例えばボタン演出が、味方キャラクタと敵キャラクタが対戦する映像が表示されるバトル演出で構成される場合、演出ボタン109の操作がなされるたびに敵キャラクタに攻撃を加える映像が表示される。敵キャラクタに加える攻撃は、演出ボタン109の操作量に応じた回数の攻撃が表示されてもよいし、演出ボタン109の操作態様に応じた種類の攻撃が表示されてもよい。
図30(b)は図30(a)から1秒後の画面例であり、画面の略中央にボタン画像500を表示し、画面右下隅には縮小された装飾図柄506を変動表示する。第1関連表示領域502には、操作入力の有効期間の残り時間が「あと2秒」のような文字で表示される。第2関連表示領域504には、遊技者に要求する操作回数として、残り回数を示す「あと1回」の文字が表示される。操作回数が所定数に達し、あるいは残り回数が「0回」になると、ボタン画像500の種類がより上位のランクのボタン画像500に切り替えられ得る。例えば、最も低い第1ランクの態様(例えば白色のボタン)のボタン画像500が最初に表示され、演出段階がより上位の段階へ昇格したときに上位の第2ランクの態様(例えば青色のボタン)のボタン画像500に切り替えられ、演出段階がさらに上位の段階へ昇格したときに上位の第3ランクの態様(例えば赤色のボタン)のボタン画像500に切り替えられる。また、第3ランクの態様のボタン画像500に切り替わる代わりに、さらに上位の第4ランクの態様(例えばボタンではなくレバー型操作部材の先端に設けられた特別ボタン)のボタン画像500に切り替えられるパターンがあってもよい。また、各演出段階において表示されているボタン画像500の種類が示唆する大当り期待度と対応するように演出画像が表示される。
ボタン画像500が上位のランクの態様に昇格する際に、合わせてステップアップする予告演出を表示してもよい。この場合の予告演出は、例えば、特定の特殊オブジェクトが画面に割り込んで表示されるカットイン予告演出や、複数種類のセリフのうちいずれかを文字列の形で画面に表示するコメント予告演出などであってもよい。ボタン画像500のランクがより上位に昇格する場合ほど必要な操作回数が多いため、複数の段階を経て最後の演出が表示されるまでの累積的な操作量や時間が冗長になりかねない。そこで、演出を小出しにして冗長さを和らげるために、演出段階が進行するごとに何らかの予告演出を出すとともに、各演出段階で発生する予告演出の種類を変更するようにしてもよい。例えば、第1演出段階ではボタン画像500として白色の通常ボタンを表示するとともに、コメント予告演出を表示する。第2演出段階ではボタン画像500として青色のボタン画像500を表示するとともに、カットイン予告演出を表示する。第3演出段階ではボタン画像500として赤色のボタン画像500を表示するとともに、当否判定結果を示す当否分岐演出を表示する。
変形例として、ボタン画像500の種類ごとに大当り期待度が高い種類ほど、操作量ではなく、操作態様が異なるように定められてもよい。この場合、大当り期待度が高い種類ほど操作態様の難易度、複雑さ、煩雑さが高められてもよい。例えば、第1演出段階では操作入力条件として第1操作態様(例えば、単発押し)を要求するとともに、演出内容として敵キャラクターに対する通常攻撃の場面を表示する。第2演出段階では操作入力条件として第2操作態様(例えば、連打)を要求するとともに、演出内容として敵キャラクターに対する追撃のような形で複数回攻撃の場面を表示する。第3演出段階では操作入力条件として第3操作態様(例えば、長押し)を要求するとともに、演出内容として敵キャラクターをそろそろ倒せそうになっているところで最後の必殺技を繰り出すためのエネルギーを溜め込むように長押しを要求する場面を表示するようにしてもよい。このように第1操作態様、第2操作態様、第3操作態様のように異なる操作態様を第1~3演出段階のそれぞれで要求することで、演出が単調とならないようにすることができる。
図31は、ボタン演出の一例における演出過程を模式的に示すタイムチャートである。図31(a)はボタン画像500の表示タイミングおよび表示態様を示す。図31(b)はボタン演出を構成する複数の演出期間のタイミングおよびその長さと内容を示す。図31(c)は音声演出の出力期間とタイミングおよびその長さを示す。図31(d)は演出ボタン109のランプの点灯期間とタイミングおよびその長さ、点灯色または点灯態様を示す。図31(e)は演出ボタン109の有効期間のタイミングおよびその長さを示す。図31(f)は演出ボタン109の操作例およびその操作態様を示す。
本図に例示するボタン演出においては、図31(b)に示すように、S900の「リーチ前予告」の期間においてリーチを示唆する予告演出が実行されてリーチが成立した後、「導入演出」の期間が設定される(S901)。「導入演出」においては、これから開始されるボタン演出において遊技者がボタン操作をすればボタン画像や演出のランクが昇格して大当り期待度が高まっていくことを案内する演出が実行される。「ステップ1」(S902)において第1演出段階の演出が実行され、その演出において演出ボタン109の第1有効期間(S911)が設けられ、その第1有効期間(S911)となる前までは演出ボタン109は無効期間(S910)となる。
第1有効期間(S911)では、操作態様として1回の押下を要求する「ボタンを1回押せ!」の文字列と白色のボタン画像500が表示されるとともに(S930)、演出ボタン109のランプが白色で点灯される(S920)。演出ボタン109のランプはその点灯によって有効期間であることを示し、その点灯色によって大当り期待度の高さを示す。ボタン画像500の第1関連表示領域502には有効期間の残り時間として「あと1秒」が表示され、第2関連表示領域504には操作態様として「あと1回」が表示される。第1有効期間(S911)において遊技者により演出ボタン109が1回押下されて操作入力条件を満たすと(S940)、第2関連表示領域504の残り回数は「0回」に変化するとともに、有効期間の終了とともに第1関連表示領域502には「0秒」が表示され、演出ボタン109のランプがフラッシュのように閃光を放つ(S921)。「ステップ1」の後は次の演出段階へ発展する演出継続に成功するか失敗するかの分岐演出が実行され(S903)、S940において操作入力条件を満たす操作入力があった場合は「まだまだ!」といった演出継続を示す文字列の表示とともに第2演出段階である「ステップ2」の演出が実行される(S904)、操作入力条件を満たさない場合は第2演出段階以降の演出に代えて他の演出に差し替えられる(図示せず)。
「ステップ2」(S904)において第2演出段階の演出が実行され、その演出において演出ボタン109の第2有効期間(S913)が設けられる。第2演出段階における演出ボタン109の操作入力条件は第1演出段階における演出ボタン109の操作入力条件より操作量が多いため、第2有効期間(S913)は第1有効期間(S911)より長い期間とされる。第1有効期間(S911)の後から第2有効期間(S913)までの間は無効期間である(S912)。第2有効期間(S913)では、操作態様として3回の押下を要求する「ボタンを3回連打!」の文字列と青色のボタン画像500が表示されるとともに(S931)、演出ボタン109のランプが青色で点灯され(S922)、ボタン画像500および演出ボタン109の発光色が白色から青色に発展したことを示す効果音を出力する(S950)。演出ボタン109のランプはその点灯によって有効期間であることを示し、その点灯色によって大当り期待度の高さを示す。ボタン画像500の第1関連表示領域502には有効期間の残り時間として「3秒」が表示され、第2関連表示領域504には操作態様として「3回」が表示される。第2有効期間(S913)において遊技者により演出ボタン109が連打されると(S941)、第2関連表示領域504の文字は押下のたびに「あと2回」「あと1回」「あと0回」へ残り回数が減少するように表示される。第1関連表示領域502には有効期間の経過とともに「あと2秒」「あと1秒」のように残り時間の減少(カウントダウン)が表示され、有効期間の終了とともに「0秒」が表示される。有効期間内に演出ボタン109が3回連打されて操作入力条件が満たされると、演出ボタン109のランプがフラッシュのように閃光を放つ(S923)。「ステップ2」の後は次の演出段階へ発展する演出継続に成功するか失敗するかの分岐演出が実行され(S905)、S941において操作入力条件を満たす操作入力があった場合は「まだまだ続く!」といった演出継続を示す文字列の表示とともに第3演出段階である「ステップ3」の演出が実行される(S906)。操作入力条件を満たさない場合は第3演出段階以降の演出に代えて他の演出に差し替えられる(図示せず)。
「ステップ3」(S906)において第3演出段階の演出が実行され、その演出において演出ボタン109の第3有効期間(S917)が設けられるが、第3有効期間の前に画面上では明示しない、裏技ないし隠し機能として短時間の隠し有効期間(S915)が設けられる。隠し有効期間(S915)は、画面にボタン画像500は表示されないが、演出ボタン109のランプは密かに白色で点灯し(S924)、遊技者が演出ボタン109を押下すればその操作が有効となる期間である。演出ボタン109のランプはその点灯によって有効期間であることを示す。隠し有効期間(S915)において遊技者が演出ボタン109を押下した場合、当否判定結果に応じた確率で演出抽選が実行され、大当り期待度を示唆する演出の実行パターンが当選した場合に演出を表示してもよく、例えば大当りの場合ほど高い確率で大当り期待度の高い演出を実行してもよい。大当り期待度の高い演出は、例えば特定の特殊オブジェクトが画面に割り込んで表示されるカットイン予告演出や、演出ボタン109を虹色のような多色で変化させながら発光する演出や、特別な効果音を出力する演出などである。隠し有効期間(S915)は、第1~3有効期間とは重ならないタイミングで設けられることで、演出制御の複雑化を回避する。第2有効期間(S913)の後から隠し有効期間(S915)の前までの間は無効期間となる(S914)。なお、隠しボタンの実行パターンは、ボタン押下時のみでなく、変動開始時等において先に抽選で決定しておくものであってもよい。
第3演出段階における演出ボタン109の操作入力条件は第2演出段階における演出ボタン109の操作入力条件より操作量が多いため、第3有効期間(S917)は第2有効期間(S913)より長い期間とされる。隠し有効期間(S915)の後から第3有効期間(S917)の前までの間は無効期間となる(S916)。第3有効期間(S917)では、操作態様として10回の連打を要求する「ボタンを10回連打!」の文字列と赤色のボタン画像500が表示されて有効期間の残り時間のカウントダウン表示が開始されるとともに(S932)、演出ボタン109のランプが赤色で点灯され(S925)、ボタン画像500および演出ボタン109の発光色が青色から赤色に発展したことを示す効果音を出力する(S951)。演出ボタン109のランプはその点灯によって有効期間であることを示し、その点灯色によって大当り期待度の高さを示す。ボタン画像500の第1関連表示領域502には有効期間の残り時間として「あと5秒」が表示され、第2関連表示領域504には操作態様として「あと10回」が表示される。第3有効期間(S917)において遊技者により演出ボタン109が連打されると(S942)、第2関連表示領域504の文字は押下のたびに「あと9回」「あと8回」「あと7回」のように残り回数が減少するように表示される。第1関連表示領域502には有効期間の経過とともに「あと2秒」「あと1秒」のように残り時間の減少(カウントダウン)が表示され、有効期間の終了とともに「0秒」が表示される。有効期間内に演出ボタン109が10回連打されて操作入力条件が満たされると、演出ボタン109のランプが虹のような多色で変化しながら発光する(S926)。「ステップ3」の後は当否判定結果が大当りと外れのいずれであるかの分岐演出が実行され(S907)、大当りまたは外れが表示される。分岐演出(S907)の間は、演出ボタン109は無効期間である(S918)。
所定の演出段階で演出ボタン109に対する操作の有効期間において、遊技者により何も操作入力がなされなかった場合は、次の演出段階へは移行しない。その場合、次の演出段階以降のボタン演出の実行は省略し、残りの期間は代替的な演出で差し替える。代替的な演出は、ボタン画像500の表示はなく、演出の発展、すなわち大当り期待度が上がるような演出もない。例えば、ボタン演出がバトル演出で構成される場合、遊技者による演出ボタン109の操作があって演出段階が進むほど味方キャラクタが優勢となるステップアップ予告演出(例えばカットイン予告演出など)が実行されるのに対し、演出ボタン109の操作がない場合は味方キャラクタと敵キャラクタが拮抗したまま勝敗がつかないような演出が代替的な演出として表示され、そのままボタン画像500やステップアップ予告演出が表示されることなく最終的な当否分岐演出に至る。また例えば、通常のボタン演出に代える代替的な演出として、装飾図柄を仮停止させたり、再変動させたりする演出に切り替えてもよい。
演出ボタン109の有効期間に遊技者による操作入力そのものはあったものの、その操作入力が操作入力条件を満たさなかった場合は、ボタン演出は継続されるがボタン画像500の種類は上位のランクの種類に昇格されることなく、ステップアップ予告演出が表示されることもなく、同じ種類のボタン画像500が表示される演出に差し替えられる。操作入力条件を満たさなかった場合とは、例えば5秒以内に10回の操作入力を遊技者に要求する条件において有効期間内に1~9回の入力しかなかったような場合である。変形例として、操作入力が操作入力条件を満たさなかった場合、操作入力がなかった場合と同様に次の演出段階以降のボタン演出は省略されて代替的な演出で差し替えられる仕様としてもよい。
なお、本図の例において、各ステップの分岐演出(S903、S905、S907の各演出や、S921、S923、S926などの各ボタンランプ演出)は、有効期間経過時(終了時)に操作入力条件を判定していたが、有効期間中に操作入力条件を満たした場合に、すぐに分岐演出を開始するものであってもよい。この場合、分岐演出の開始時期が手前にずれることとなるが、分岐演出の結果報知画面の表示を長く継続するなどして、ステップ2以降の演出タイミングを合わせるように構成することが好ましい(ステップ数が多い特殊演出パターンに当選しているほど、複数回のボタン演出にて分岐演出の実行時期が手前にシフトすると、特別図柄の変動表示時間と、演出の実行時間のずれが大きくなるため)。
図32は、ボタン演出に表示させるボタン画像の種類の組合せが定められた複数種類の演出パターンを示すテーブルの図である。本図では6種類の演出パターンを例示するとともに、パターンIDとして「1」から「6」までが割り当てられる。
パターンID「1」の演出パターンでは、第1演出段階で第1ランクである白色のボタン画像500が表示されるが、第2演出段階以降には演出が発展せず、ボタン画像500の昇格や表示はないまま外れで終了することが定められる。パターンID「1」の演出パターンは、第1演出段階のまま演出終了する変動時間の長さである変動パターンに対応して選択される。
パターンID「2」の演出パターンでは、第1演出段階で第1ランクである白色のボタン画像500が表示され、第2演出段階では第2ランクである青色のボタン画像500へ昇格するが、第3演出段階には演出が発展せず、ボタン画像500の昇格や表示がないまま終了することが定められる。
パターンID「3」の演出パターンでは、第1演出段階から第2ランクである青色のボタン画像500が表示され、第2演出段階でも同じ第2ランクである青色のボタン画像500が表示されるが、第3演出段階には演出が発展せず、ボタン画像500の昇格や表示がないまま終了することが定められる。パターンID「2」「3」の演出パターンは、第2演出段階のまま演出終了する変動時間の長さである変動パターンに対応して選択される。
パターンID「4」の演出パターンでは、第1演出段階で第1ランクである白色のボタン画像500が表示され、第2演出段階では第2ランクである青色のボタン画像500に昇格し、第3演出段階では第3ランクである赤色のボタン画像500に昇格することが定められる。
パターンID「5」の演出パターンでは、第1演出段階から第2ランクである青色のボタン画像500が表示され、第2演出段階でも同じ第2ランクである青色のボタン画像500が表示され、第3演出段階では第3ランクである赤色のボタン画像500に昇格することが定められる。
パターンID「6」の演出パターンでは、第1演出段階で第1ランクである白色のボタン画像500が表示され、第2演出段階では第2ランクである青色のボタン画像500に昇格し、第3演出段階では第3ランクである赤色のボタン画像500へ特別昇格することが定められる。特別昇格とは、第2演出段階からボタン画像500が昇格せずに終了すると見せかけた後、第2演出段階の演出を巻き戻す演出、例えば高速で逆再生するような演出を表示してからあらためて順再生をして第3演出段階でボタン画像500が第3ランクである赤色のボタン画像500または第4ランクであるレバー型操作部材のボタン画像500へ昇格する演出である。パターンID「4」~「6」の演出パターンは、第3演出段階まで発展し得る変動時間の長さである変動パターンに対応して選択される。
なお、演出決定手段303は、複数種類の演出パターンからいずれかを決定した後、演出パターンのパターンIDに応じて第1演出段階から第3演出段階までの各操作入力条件を決定する。また、パターンID「2」~「6」が選択された場合に、第1演出段階で演出ボタン109の操作がなかった場合にパターンID「1」の演出パターンに差し替えることで第2演出段階以降のボタン演出が実行されないようにしてもよい。同様に、パターンID「4」~「6」が選択された場合に、第2演出段階で演出ボタン109の操作がなかった場合にパターンID「2」または「3」の演出パターンに差し替えることで第3演出段階のボタン演出が実行されないようにしてもよい。変形例として、第1演出段階までで終了する演出パターン、第2演出段階までで終了する演出パターン、および第3演出段階まで発展する演出パターンのいずれも共通の演出パターンに定めることとしてもよい。その場合、変動パターンの変動時間の長さにかかわらず、パターンID「4」~「6」のいずれかを選択した上で、第1演出段階までで終了する場合は第1演出段階までを参照して残りを省略し、第2演出段階までで終了する場合は第2演出段階までを参照して残りを省略するようにすればよい。
変形例として、第3演出段階(本図の例における最終の段階)のように大きな回数の操作を通常の操作入力条件として要求する段階では、第2関連表示領域504に「あと10回」といった数字を明示するのではなく、「連打!」といった曖昧な言葉により回数をあえて不明確にする表示としてもよい。この場合、第1演出段階では1回の操作を要求し、第2演出段階では3回の操作を要求していた流れに基づく推測から、第3演出段階では4回以上の操作を要求していると遊技者に想像させながら、実際には1回の操作で大当りが確定する、といった特殊な操作入力条件により、意外性のある演出も可能となる。
変形例として、一つの演出表示装置60の演出表示領域ではなく、複数の演出表示領域で同時進行的に複数のボタン演出を実行する場合に、それぞれの領域に並行して本実施例のボタン演出を表示し、同時進行させるようにしてもよい。ここでいう複数の演出表示領域は、例えばメイン液晶とサブ液晶の組合せのような複数の演出表示装置であってもよいし、一つの演出表示装置60の表示領域を分割して複数の演出表示領域を設ける場合であってもよい。これらの場合、複数の演出表示領域のそれぞれにボタン画像500を表示させ、操作入力条件として操作態様や有効期間を表示させるとともに、遊技者による1回の演出ボタン109の操作で複数のボタン画像500のすべてに対してボタン画像の種類を昇格させる演出やステップアップ予告演出を並行して表示させてもよい。ただし、二つの演出表示領域で表示する場合であって、一方の演出表示領域で演出ボタン109の操作が操作入力条件を満たしてボタン画像500の種類が昇格するタイミングとなった場合は、そのボタン操作に対応して表示される演出に遊技者を注目させるとともに演出の重複制御を回避するために他方の演出表示領域では演出ボタン109の有効期間を一時的に停止してもよい。すなわち、演出ボタン109の有効期間を一時的に無効期間に切り替えて所定時間が経過した後に再び有効期間に戻す制御をし、続きの操作回数の表示を継続する処理である。
変形例として、第1演出段階から大当り期待度の高い種類(例えば第2ランク以上の種類)のボタン画像500が表示される場合は、第2演出段階以降への発展が確定していることを表してもよい。この場合、第1演出段階における演出ボタン109の操作によって、さらに大当り期待度の高いランク(第3ランク以上)へボタン画像500が昇格することを示唆するものであってもよい。また、第1演出段階から最高ランクより一つ下位のボタン画像500が表示され、当否判定結果が大当りの場合は第3演出段階で最高ランクのボタン画像500に昇格するボタン演出を実行する場合があってもよい。
また、他の変形例として、第2関連表示領域504(操作回数表示)の領域を使用して設定値を示唆する演出を実行してもよい。例えば、残り10回以上となる操作パターンである場合に、「残り6回」から「残り4回」の期間においては残り操作回数の減少1回につき演出ボタン109を2回ずつ操作させる、すなわち演出ボタン109が2回操作されるごとに残り操作回数を1だけ減らす(よって、10回の演出上の操作期間を実質13回の操作期間とする)ように構成することによって、設定値が「4」から「6」の高設定であることを示唆してもよい。あるいは、「残り6回」など特定の特定回数となったときに残り回数の数字の文字色やフォント等を変更(例えば金色の文字を表示)するように構成することで設定値を示唆可能に構成してもよい。
<第2実施例>
本実施例について、前提技術および第1実施例と相違する点を中心に以下説明し、共通する点の説明を省略する。
本実施例においては、所定種類の変動演出パターン(以下、「特殊演出パターン」という)が選択された場合に、演出ボタン109の外観を模した操作手段画像としてのボタン画像を画面に表示して遊技者に操作入力を促すとともに、その演出ボタン109の操作に応じてボタン画像の表示態様が変化する演出を実行する。ボタン画像として、複数の表示態様、例えば色、模様、形状などの態様が異なる複数種類のボタン画像が用意され、いずれの色、模様、形状のボタン画像が表示されるかによって示唆する大当り期待度の高さが異なる。本実施例における特殊演出パターンは、第1の特殊演出パターンと第2の特殊演出パターンに分けられ、いずれの特殊演出パターンでも、まず相対的に大当り期待度の低い種類のボタン画像が表示されてから、遊技者による操作に応じて続きの演出が実行されることが定められる。第1の特殊演出パターンでは、相対的に大当り期待度の低い種類のボタン画像が表示された後、演出ボタン109の有効期間内にボタン操作があった場合に通常予告演出を実行する。第2の特殊演出パターンでは、相対的に大当り期待度の低い種類のボタン画像が表示された後、演出ボタン109の有効期間内にボタン操作があった場合に相対的に大当り期待度の高い種類のボタン画像への昇格を表示するとともに、その後、昇格したボタン画像を画面端または画面隅に退避させる。退避させたボタン画像は、後の演出で活用されるとともに、後の演出において大当り期待度の高い演出が実行されることを予告する役割を持つ。
演出決定手段303は、特殊演出パターンに対応する変動時間の変動パターンが選択された場合に複数種類の特殊演出パターンからいずれかを選択する。演出決定手段303は、特殊演出パターンとして第1の特殊演出パターンを選択した場合、ボタン演出において表示させるボタン画像の種類を複数種類から選択し、通常予告演出の内容を複数種類の内容から選択する。演出決定手段303は、特殊演出パターンとして第2の特殊演出パターンを選択した場合、ボタン演出において最初に表示させる第1ボタン画像の種類を複数種類から選択するとともに、ボタン画像のランク昇格後に表示させる第2ボタン画像の種類を複数種類から選択する。また、第2の特殊演出パターンに基づく演出において表示させる演出内容を複数種類の内容から選択する。演出表示制御手段305は、第1の特殊演出パターンが選択された場合に、第1の特殊演出パターンに基づく演出を実行する。演出表示制御手段305は、第2の特殊演出パターンが選択された場合、第2の特殊演出パターンに基づく演出を実行する。
図33は、第2実施例における第1のボタン演出の画面遷移例を模式的に示す。第1の特殊演出パターンに基づく演出では、第1画面510のように、ボタン画像500および「ボタンを押せ!」といった遊技者に演出ボタン109の操作を促す文字列を表示させる。その後、演出ボタン109の有効期間内に演出ボタン109が押下された場合は、第2画面511のように通常予告演出として「闇におちよ・・・」といったセリフの文字列によるコメント予告515を表示させる。コメント予告演出は、複数種類のセリフのうちいずれかを文字列の形で画面に表示することで大当り期待度の高さを示唆する予告演出である。
一方、第1画面510において演出ボタン109の有効期間内に演出ボタン109が操作されなかった場合は、第3画面512のようにコメント予告515は表示されず、演出の発展も表示されない。この場合、代替演出として、例えばバトル演出であれば味方キャラクターと敵キャラクターの戦闘が拮抗して決着が付かない過程が表示される演出が表示されてもよい。
図34は、第2実施例における第2のボタン演出の画面遷移例を模式的に示す。第2の特殊演出パターンに基づく演出では、第1画面520のように、第1ボタン画像530および「ボタンを押せ!」といった遊技者に演出ボタン109の操作を促す文字列を表示させる。その後、演出ボタン109の有効期間内に演出ボタン109が押下された場合は、第2画面521のように図33のコメント予告515と同様の外観を持つコメント予告516を一瞬表示して第1の特殊演出パターンに基づく演出と見せかけて、コメント予告516を消去する。そして、第3画面522のように第1ボタン画像530とは色が異なる種類の第2ボタン画像531を表示させるとともに「ボタン昇格!」といった文字列による昇格マーク535を表示させる昇格演出を実行する。昇格演出は、表示中の第1ボタン画像530の種類を、上位ランクの種類の第2ボタン画像531に切り替えて表示する演出であり、大当り期待度がより高まることを示唆する。すなわち、最初に第1の特殊演出パターンのボタン画像500と同じ第1ボタン画像530と、コメント予告515と同じコメント予告516を表示することにより、通常の演出が表示されていると遊技者に思わせておきながら、通常の演出とは異なる演出をさらに表示させることで大当り期待度が高まったことを表現することができる。最初に表示するボタン画像500および第1ボタン画像530の種類だけでは、第1の特殊演出パターンと第2の特殊演出パターンのどちらが表示されているのかは判別できないように構成する。同様に、コメント予告515およびコメント予告516の種類だけでは、第1の特殊演出パターンと第2の特殊演出パターンのどちらが表示されているのかは判別できないように構成する。なお、本図のコメント予告516では図33のコメント予告515と同じセリフを例示しているが、別のセリフが選択されて表示されてもよい。なお、「上位ランク」の種類の第2ボタン画像531は、後のボタン演出が実行される際の有効期間中に、操作手段の操作入力が有効期間であることを示す画像表示として利用される。また、後のボタン演出で操作入力がなされた場合など演出切り替えのための条件が成立した際に、相対的に大当り期待度が高い予告の演出表示が実行されることを示唆する画像である。さらに、第2ボタン画像531は、第1ボタン画像530と同一であってもよいし、キャラクター画像や文字列表示を付帯的に追加した態様で大当りに対する期待感を遊技者に与える構成としてもよい。
第3画面522の後、第4画面523において、第2ボタン画像531は、サイズを縮小して画面端へ退避させた第3ボタン画像532として表示される。画面端に移動させた第3ボタン画像532は、後続の演出までその位置に据え置かれる。このように第3ボタン画像532が画面の隅に据え置かれることで、後続の演出までチャンスが引き継がれ、大当り期待度の高い演出が続くことを示唆することができる。据え置かれた第3ボタン画像532は、同じ図柄変動内における後続の演出で用いられてもよいし、次の図柄変動内における後続の演出で用いられてもよい。後続の演出においても第3画面522と同様に第1ボタン画像530の種類が昇格する昇格演出が実行されて第3ボタン画像532と同様に画面端に蓄積されてもよいし、後続の演出が実行されるたびに第3ボタン画像532のランクがさらに昇格する、あるいは後続の演出において高期待度の予告(赤カットイン)が発生したことに基づいてボタン画像を発生した予告と同系統の画像(赤色のボタン画像)に昇格させるように構成されてもよい。
なお、本実施例の第2の特殊演出パターンに基づく演出では、第1画面520で演出ボタン109が操作された場合に、第2画面521において通常予告演出を一瞬表示した後、または通常予告演出を表示しながら、昇格演出を実行する仕様としている。変形例における第2の特殊演出パターンに基づく演出では、第1画面520で演出ボタン109が操作された場合に、第2画面521において通常予告演出を表示せずに第2画面521以降の昇格演出を実行する仕様としてもよい。あるいは、通常予告演出に似せた外観にて昇格演出を実行する仕様としてもよく、例えばコメント予告に似せた外観の演出を表示させておいて、遊技者が演出ボタン109を押下すると昇格演出が表示されるような仕様であってもよい。
一方、第1画面520において演出ボタン109の有効期間内に演出ボタン109が操作されなかった場合は、第4画面523のようにコメント予告515も昇格演出も表示されず、演出の発展も表示されない。この場合、代替演出として、例えばバトル演出であれば味方キャラクターと敵キャラクターの戦闘が拮抗して決着が付かない演出過程が表示されてもよい。
第2の特殊演出パターンに基づく演出が実行される場合、後続の変動演出においても第2の特殊演出パターンに基づく演出が連続して実行されてもよい。例えば、遊技者が演出ボタン109を操作した場合は、昇格演出とともに第3ボタン画像532を画面端に退避させた状態で次の第2の特殊演出パターンに基づく演出を実行し、同様に遊技者の演出ボタン109の操作に応じて第3ボタン画像532を画面端に蓄積(ストック)していく、あるいは蓄積した第3ボタン画像532を上位ランクの画像に変換する(蓄積ボタン画像昇格)。例えば、大当り期待度の高い図柄変動に該当する事前判定結果が保留記憶に含まれる場合や、第1特別図柄と第2特別図柄の保留記憶の合計が上限値である8個になった場合に、その大当りに該当する当否抽選値に対応する図柄変動までの複数回の図柄変動演出において第2の特殊演出パターンに基づく演出を連続で繰り返す。
一方、第2の特殊演出パターンに基づく演出において遊技者による演出ボタン109の操作があった場合に限り、後続の演出でも第2の特殊演出パターンに基づく演出を連続的に実行したり、蓄積された第3ボタン画像532を利用する演出を実行したりするようにしてもよい。例えば、後続の演出の開始直前に、先行する演出で遊技者が演出ボタン109を操作したか否かに応じて異なる演出パターンテーブルを参照し、後続の演出を決定する。先行する演出でボタン画像が蓄積されなかったにもかかわらず、後続の演出でボタン画像の蓄積を前提とする演出や相対的に大当り期待度の高い演出が実行されると、ボタン画像蓄積の有無と後続の演出の大当り期待度とが整合せず、演出内容と大当り期待度との対応関係が崩れかねないためである。先行する演出で遊技者が演出ボタン109を操作して第3ボタン画像532が蓄積されている場合、後続の演出としては、例えば大当りに該当する図柄変動演出であれば蓄積されている第3ボタン画像532を用いて大当りの有無を煽る演出を選択し、大当りに該当しない図柄変動演出であればさらに第3ボタン画像532を蓄積し得るボタン演出を選択する。
本実施例においては、先行する演出で演出ボタン109の操作有無ないしボタン画像の蓄積有無に応じて異なる演出パターンテーブルを参照して演出を決定する構成を説明した。変形例においては、先行する演出で演出ボタン109の操作有無ないしボタン画像の蓄積有無にかかわらず、以下の(1)~(5)の組合せを事前に決定し、演出ボタン109が操作された場合でも操作されない場合でも演出を実行できるようにしてもよい。すなわち、第1の特殊演出パターンまたは第2の特殊演出パターンの決定時に、演出ボタン109の操作があった場合の演出内容と操作がなかった場合の演出内容をあらかじめ先に決定しておく仕様としてもよい。その場合の決定内容は、例えば(1)ボタン画像のランク昇格をするか否か(すなわち、コメント予告とするか昇格演出とするか)、(2)通常予告内容(例えばコメント予告)として表示する内容、(3)ボタン画像のランク昇格をする場合のランク、すなわち昇格後に表示するボタン画像の種類、(4)遊技者が有効期間内に演出ボタン109を押下した場合に後のボタン演出で表示する昇格時の演出の内容、(5)遊技者が有効期間内に演出ボタン109を押下しなかった場合に後のボタン演出で表示する非昇格時の演出の内容、の組合せを一括して決定してもよい。この決定内容をもとに、演出決定手段303は実際の演出ボタン109の操作有無に応じて演出内容を選択して実行させる。
上述の通り昇格演出は、大当り期待度の高い図柄変動に該当する事前判定結果が保留記憶に含まれる場合や、第1特別図柄と第2特別図柄の保留記憶の合計が上限値である8個になった場合に、大当りに該当する図柄変動までの変動演出において実行されるように構成してよい。例えば、大当り期待度の高い図柄変動より前に実行される1つ以上の変動演出のうち少なくともいずれかにおいて昇格演出に差し替え可能なボタン演出が決定された場合であれば、その変動演出において昇格演出を実行するようにしてもよい。また、昇格演出に差し替え可能なボタン演出が決定されなかった場合であれば、大当り期待度の高い図柄変動の直前の変動演出で強制的に昇格演出を差し替えたり、大当り期待度の高い図柄変動の中で昇格演出を実行するように調整したりしてもよい。ただし、大当り期待度の高い図柄変動の中でも昇格演出が実行不能な場合は、昇格演出は実行しないこととしてもよい。また、特別遊技の実行から起算して特別図柄の変動回数が所定回数に到達した場合に移行する特殊な変動パターンが選択される期間(特殊変動パターンテーブル参照期間)において、複数変動に跨って昇格演出を1回ないし複数回実行し、当該期間の後の外れ変動あるいは当該期間中の大当り変動において、蓄積した第3ボタン画像532を用いたボタン演出を行う変動演出パターンを実行する構成としてもよい。特殊な変動パターンが選択される期間は、1の特殊変動パターンテーブル参照期間でなく、複数の特殊変動パターンテーブル参照期間で構成され、昇格演出が選択される可能性が異なる複数の期間が連続するように構成してもよい。
図35は、第2実施例のボタン演出の一例における演出過程を模式的に示すタイムチャートである。図35(a)はボタン画像の表示タイミングおよび表示態様を示す。図35(b)はボタン演出を構成する複数の演出期間のタイミングおよびその長さと内容を示す。図35(c)は音声演出の出力期間とタイミングおよびその長さを示す。図35(d)は演出ボタン109のランプの点灯期間とタイミングおよびその長さ、点灯色または点灯態様を示す。図35(e)は演出ボタン109の有効期間のタイミングおよびその長さを示す。図35(f)は演出ボタン109の操作タイミングを示す。
本図に例示するボタン演出においては、図35(b)に示すように、S960の「リーチ前予告」の期間においてリーチ発生を示唆する予告演出とともに、その間に1回目のボタン演出である「ボタン演出1」(S961)が実行され、「リーチ前予告」(S960)の後に2回目のボタン演出である「ボタン演出2」(S963)が実行され、その後に「リーチ演出」(S965)が実行される。「リーチ演出」(S965)の後に3回目のボタン演出である「ボタン演出3」(S966)が実行されて、当否分岐(S967)が実行される。
「ボタン演出1」(S961)においては、演出ボタン109の押下を要求する「ボタンを押せ!」の文字列が表示された後に、演出ボタン109の第1有効期間(S971)が設けられる。第1有効期間(S971)となる前までは演出ボタン109は無効期間(S970)となる。第1有効期間においては、白色の第1ボタン画像530が表示されるとともに(S990)、演出ボタン109のランプが白色で点灯される(S980)。演出ボタン109のランプはその点灯によって演出ボタン109の有効期間であることを示し、その点灯色によって大当り期待度の高さを示す。第1有効期間(S971)において遊技者により演出ボタン109が押下されると(S1000)、効果音が出力されるとともに(S1010)、白色の第1ボタン画像530が青色の第2ボタン画像531に「昇格」(S962)し、その第2ボタン画像531が縮小して退避されて第3ボタン画像532として画面端にストックされる(S991)。
「ボタン演出2」(S963)においては、演出ボタン109の押下を要求する「ボタンを押せ!」の文字列が表示された後に、演出ボタン109の第2有効期間(S973)が設けられる。第1有効期間(S971)の後から第2有効期間(S973)までの間は無効期間である(S972)。第2有効期間(S973)の直前には演出ボタン109のランプを点滅させる期間が設けられ(S981)、その期間には効果音が出力される(S1011)。演出ボタン109のランプ点滅と効果音により、その直後(第2有効期間、S973)に演出ボタン109の操作入力が有効になることを遊技者に報知している。第2有効期間(S973)においては、S991で画面端にストックされた青色のボタン画像が拡大して表示されるとともに(S992)、演出ボタン109のランプが青色で点灯される(S982)。第2有効期間(S973)において遊技者により演出ボタン109が押下されると(S1001)、効果音が出力されるとともに(S1012)、青色のボタン画像が赤色のボタン画像に「昇格」(S964)し、その赤色のボタン画像が縮小して退避されて画面端にストックされる(S993)。「昇格」(S964)の後、「リーチ演出」が実行される(S965)。
「ボタン演出3」(S966)においては、演出ボタン109の押下を要求する「ボタンを押せ!」の文字列が表示された後に、演出ボタン109の第3有効期間(S975)が設けられる。第2有効期間(S973)の後から第3有効期間(S975)までの間は無効期間である(S974)。第3有効期間(S975)の直前にもまた演出ボタン109のランプを点滅させる期間が設けられ(S983)、その期間には効果音が出力される(S1013)。演出ボタン109のランプ点滅と効果音により、その直後(第3有効期間、S975)に演出ボタン109の操作入力が有効になることを遊技者に報知している。第3有効期間(S975)においては、S993で画面端にストックされた赤色のボタン画像が拡大して表示されるとともに(S994)、演出ボタン109のランプが赤色で点灯される(S984)。第3有効期間(S975)において遊技者により演出ボタン109が押下されると(S1002)、効果音が出力されるとともに(S1014)、当否分岐演出として大当りとなるか外れとなるかを煽る演出が実行される(S967)。当否分岐演出の間は演出ボタン109は無効期間となる(S976)。
第1有効期間(S971)および第2有効期間(S973)において、遊技者により何も操作入力がなされなかった場合は、ボタン画像の昇格やストックは表示されない。その場合、以降のボタン演出の実行は省略し、残りの期間は代替的な演出で差し替える。代替的な演出は、ボタン画像の表示はなく、演出の発展、すなわち大当り期待度が上がるような演出もない。例えば、ボタン演出がバトル演出で構成される場合、演出ボタン109の操作がない場合は味方キャラクタと敵キャラクタが拮抗したまま勝敗がつかないような演出が代替的な演出として表示され、そのままボタン画像ないしボタン演出が表示されることなく最終的な当否分岐演出に至る。また例えば、通常のボタン演出に代える代替的な演出として、装飾図柄を仮停止させたり、再変動させたりする演出に切り替えてもよい。
なお、図35の例では、「ボタン演出2」および「ボタン演出3」において、それまでストックされていたボタン画像を用いて演出を実行するが、変形例においては、これら一連の演出においてボタン画像を用いない演出を間に挟んで実行するように構成してもよい。このようにボタン画像を用いない演出を間に挟む場合、遊技者は演出ボタン109を押下してボタン画像の昇格を狙ったにもかかわらず昇格が発生せずに同じボタン画像が表示されたと誤認してしまう可能性もある。そのため、ストックされていたボタン画像を演出で用いる直前に、S981やS983において演出ボタン109のランプを点滅させ、S1011やS1013において効果音を出力することで、ボタン画像を演出で用いることを強調している。
変形例として、S991やS993でストックされたボタン画像は、どの色でストックされたかが遊技者に特定されにくいように、白、青、赤などの複数の色で循環するように変化させた状態で画面端に表示してもよいし、シルエットのように色を施さないボタンの外形または輪郭だけを画面端に表示してもよい。
別の変形例として、演出ボタン109の単発押しだけでなく、複数回連続して押下する「連打」や、一定時間押下を保持する「長押し」を遊技者に要求する場合を含めてもよい。
また、本実施例では、ボタン演出においてボタン操作があった場合にボタン画像を「退避」させて表示させる構成を採用したが、別の変形例として、ボタン画像の位置は変更せず、ボタン画像を昇格(あるいは同等のボタン画像を維持)した状態でその場に待機させ、「LOCK」や「HOLD」の文字を付加して表示したり、「鎖」の画像でボタン画像を固定したりして、ボタン画像が固定化されたように表示することによって、後続のボタン演出のタイミングまで待機させるように構成してもよい。
<第3実施例>
本実施例について、前提技術、第1実施例、および第2実施例と相違する点を中心に以下説明し、共通する点の説明を省略する。
本実施例においては、所定種類の変動演出パターン(以下、「特殊演出パターン」という)が選択された場合に、演出ボタン109の外観を模した操作手段画像としてのボタン画像を画面に表示して遊技者に操作入力を促すとともに、その演出ボタン109の操作に応じてボタン画像の表示態様が変化する演出を実行する。ボタン画像として、複数の表示態様、例えば色、模様、形状などの態様が異なる複数種類のボタン画像が用意され、いずれの色、模様、形状のボタン画像が表示されるかによって示唆する大当り期待度の高さが異なる。本実施例における特殊演出パターンは、第2実施例における第1の特殊演出パターンおよび第2の特殊演出パターンに対する変形例に位置づけられる、第3の特殊演出パターンである。すなわち、ボタン演出において操作入力を促された演出ボタン109に対して通常の操作、例えば単発押しをした場合には、第2実施例の第1の特殊演出パターンまたは第2の特殊演出パターンのように、コメント予告や昇格演出が実行される。一方、大当り期待度が相対的に高い特定種類のボタン画像が表示されたときに通常と異なる操作、例えば長押しをし続けると、そのボタン画像が縮小して画面端に退避されてストックされ、後続の演出において長押しをやめてストックを解除すると、そのストックされていた高期待度のボタン画像が後続の演出で利用できるものである。このように、本実施例では、所定の大当り期待度のボタン画像が表示されたときに遊技者は任意でボタン画像を後続の演出へストックすることができる。例えば、期待度の高いボタン画像が出現したときに、遊技者はその場ではボタン画像の期待度を利用せず、最後の当否分岐演出まで保持しておいて、そのタイミングでボタン画像の期待度を利用することができる。すなわち、期待度の高いボタン画像を、リーチが出る前に利用するよりリーチになった後に利用する方が望ましいと考える遊技者は、ボタン画像をストックして後で利用すればよい。
演出決定手段303は、特殊演出パターンに対応する変動時間の変動パターンが選択された場合に複数種類の特殊演出パターンからいずれかを選択する。演出決定手段303は、特殊演出パターンとして第3の特殊演出パターンを選択した場合、ボタン演出において最初に表示させるボタン画像の種類を複数種類から選択するとともに、第3の特殊演出パターンに基づく演出において表示させる演出内容を複数種類の内容から選択する。演出表示制御手段305は、第3の特殊演出パターンが選択された場合に、第3の特殊演出パターンに基づく演出を実行する。
図36は、第3実施例におけるボタン演出の画面遷移例を模式的に示す。第3の特殊演出パターンに基づく演出では、第1画面540のように、第1ボタン画像550および「ボタンを押せ!」といった遊技者に演出ボタン109の操作を促す文字列を表示させる。その後、演出ボタン109の有効期間内に演出ボタン109の単発押しがされた場合は、第2画面541のように通常予告演出として「闇におちよ・・・」といったセリフの文字列によるコメント予告517を表示させる。コメント予告演出は、複数種類のセリフのうちいずれかを文字列の形で画面に表示することで大当り期待度の高さを示唆する予告演出である。
一方、第1画面540において演出ボタン109の有効期間内に演出ボタン109が操作されなかった場合は、第6画面545のようにコメント予告517は表示されず、演出の発展も表示されない。この場合、代替演出として、例えばバトル演出であれば味方キャラクターと敵キャラクターの戦闘が拮抗して決着が付かない過程が表示される演出が表示されてもよい。
第1画面540で表示される第1ボタン画像550が、相対的に大当り期待度が高い種類、例えば赤色のボタン画像の場合で、有効期間内に演出ボタン109の長押しがされた場合は、第3画面542のように第1ボタン画像550が縮小されて画面端に退避された赤色の第2ボタン画像551の形でストックされる。このとき、ボタン画像をストックすることが可能であることを示す「長押しでストック可」の文字列549が有効期間の開始前から画面に表示される。これは、有効期間が決して長い時間ではないため、遊技者が文字列549を読んでから長押しを開始しても間に合うように早めに文字列549を表示させる趣旨である。さらに、文字列549を表示させる前にその前兆となるようなエフェクト表示を画面に表示させて、これから文字列549が表示されること、およびボタン画像のストックが可能になること、を示唆してもよい。第2ボタン画像551のストックは演出ボタン109の長押しがされる間、画面端に据え置かれる。このように大当り期待度が高い第2ボタン画像551が画面の隅に据え置かれることで、後続の演出までチャンスが引き継がれ、大当り期待度の高い演出が続くことを示唆することができる。また、遊技者の任意でボタン画像がストックされる場合(第3画面542)とされない場合(第2画面541)とで、続く演出が切り替えられることが外観にも明確に表れる。
第4画面543のように、その後のボタン演出で、例えば相対的に大当り期待度が低い白色の第3ボタン画像552が表示されたときに遊技者が演出ボタン109の長押しを解除すると、第5画面544のように赤色の第2ボタン画像551は拡大されて第3ボタン画像552から差し替えられて第4ボタン画像553として表示される。ここで、遊技者は相対的に期待度の高い色の演出ボタン109を押下することで、後続の演出、例えば当否分岐演出において大当りが発生する期待を高めることができる。例えば第4画面543でバトル演出が表示されている場合には、味方キャラクターが敵キャラクターに勝利する場面を表示する一方、ボタン画像がストックされていなかった場合であれば別の演出によって大当りを演出してもよい。
図37は、第3実施例のボタン演出の一例における演出過程を模式的に示すタイムチャートである。図37(a)はボタン画像の表示タイミングおよび表示態様を示す。図37(b)はボタン演出を構成する複数の演出期間のタイミングおよびその長さと内容を示す。図37(c)は音声演出の出力期間とタイミングおよびその長さを示す。図37(d)は演出ボタン109のランプの点灯期間とタイミングおよびその長さ、点灯色または点灯態様を示す。図37(e)は演出ボタン109の有効期間のタイミングおよびその長さを示す。図37(f)は演出ボタン109の操作タイミングおよび操作態様を示す。
本図に例示するボタン演出においては、図37(b)に示すように、S1020の「リーチ前予告」の期間においてリーチ発生を示唆する予告演出とともに、その間に1回目のボタン演出である「ボタン演出1」(S1021)が実行され、「リーチ前予告」(S1020)の後に2回目のボタン演出である「ボタン演出2」(S1023)が実行され、その後に「リーチ演出」(S1025)が実行される。「リーチ演出」(S1025)の後に3回目のボタン演出である「ボタン演出3」(S1026)が実行されて、当否分岐(S1027)が実行される。
「ボタン演出1」(S1021)においては、演出ボタン109の押下を要求する「ボタンを押せ!」の文字列が表示された後に、演出ボタン109の第1有効期間(S1031)が設けられる。第1有効期間(S1031)となる前までは演出ボタン109は無効期間(S1030)となる。第1有効期間においては、白色のボタン画像が表示されるとともに(S1050)、演出ボタン109のランプが白色で点灯される(S1040)。演出ボタン109のランプはその点灯によって演出ボタン109の有効期間であることを示し、その点灯色によって大当り期待度の高さを示す。第1有効期間(S1031)において遊技者により演出ボタン109が単発押しされると(S1060)、効果音が出力されるとともに(S1070)、コメント予告が表示される(S1022)。
「ボタン演出2」(S1023)においては、演出ボタン109の押下を要求する「ボタンを押せ!」の文字列が表示された後に、演出ボタン109の第2有効期間(S1033)が設けられる。第1有効期間(S1031)の後から第2有効期間(S1033)までの間は無効期間である(S1032)。第2有効期間(S1033)においては、赤色のボタン画像が表示されるとともに(S1051)、演出ボタン109のランプが赤色で点滅される(S1041)。ここで、演出ボタン109のランプが通常の「点灯」ではなく「点滅」されることで、演出ボタン109を単発押しだけでなく、長押しも可能であることを示唆する。第2有効期間(S1033)において遊技者により演出ボタン109の単発押しがされると(S1061)、演出ボタン109のランプがフラッシュのように閃光を放ち(S1042)、効果音が出力されるとともに(S1071)、コメント予告が表示される(S1024)。一方、第2有効期間(S1033)において遊技者により演出ボタン109の長押しがされると(S1061)、効果音が出力されるとともに(S1071)、赤色のボタン画像が縮小して退避され、遊技者が演出ボタン109の長押しを維持する限り画面端にストックされ続ける(S1052)。その後、「リーチ演出」が実行され(S1025)、その間に遊技者が演出ボタン109の長押しをやめてしまうと、ストックされている赤色のボタン画像は消失する。
「ボタン演出3」(S1026)においては、演出ボタン109の押下を要求する「ボタンを押せ!」の文字列とともに白色のボタン画像が表示(S1053)された後に、演出ボタン109の第3有効期間(S1035)が設けられる。なお、第3有効期間は当否分岐演出前の最後の有効期間であり、仮にこの期間でもボタン画像のストックが可能だとしても後からそのストックを解除して後続の演出に利用する機会がないため、第3有効期間ではストックを受け付けない仕様としている。第2有効期間(S1033)の後から第3有効期間(S1035)までの間は無効期間である(S1034)。第3有効期間(S1035)の直前に演出ボタン109のランプを点滅させる期間が設けられ(S1043)、その期間には効果音が出力される(S1072)。演出ボタン109のランプ点滅と効果音により、演出ボタン109の長押しを解除することで、表示中の白色のボタン画像をストックされているボタン画像で差し替えることが可能であることを示唆する。ここで遊技者が演出ボタン109の長押しを解除すると、第3有効期間(S1035)において、画面端にストックされていた赤色のボタン画像が拡大し、白色のボタン画像から差し替えられ(S1054)、演出ボタン109のランプが赤色で点灯される(S1044)。第3有効期間(S1035)において遊技者により演出ボタン109が単発押しされると(S1062)、効果音が出力されるとともに(S1073)、当否分岐演出として大当りとなるか外れとなるかを煽る演出が実行される(S1027)。当否分岐演出の間は演出ボタン109は無効期間となる(S1036)。このように、いずれかのボタン演出でストックがされたボタン画像は、最後の有効期間において必ずストック解除および演出への利用が可能となる仕様としている。
第1有効期間(S1031)および第2有効期間(S1033)において、遊技者により何も操作入力がなされなかった場合は、ボタン画像の昇格やストックは表示されない。その場合、以降のボタン演出の実行は省略し、残りの期間は代替的な演出で差し替える。代替的な演出は、ボタン画像の表示はなく、演出の発展、すなわち大当り期待度が上がるような演出もない。例えば、ボタン演出がバトル演出で構成される場合、演出ボタン109の操作がない場合は味方キャラクタと敵キャラクタが拮抗したまま勝敗がつかないような演出が代替的な演出として表示され、そのままボタン画像ないしボタン演出が表示されることなく最終的な当否分岐演出に至る。また例えば、通常のボタン演出に代える代替的な演出として、装飾図柄を仮停止させたり、再変動させたりする演出に切り替えてもよい。
なお、遊技者による演出ボタン109の操作態様が、単発押しと長押しのいずれであるかを判別するために、演出ボタン109の操作オン(押下)を示す信号がハイに立ち上がるタイミングで判定せず、立ち上がりから所定時間、例えば0.2秒が経過するまでは判定しない。そして、立ち上がりから0.2秒後~0.5秒後の間で演出ボタン109の操作オン(押下)を示す信号がローに立ち下がれば(あるいは立ち下がっていれば)、その立ち下がりタイミング(または0.2秒後のタイミング)で「単発押し」であると判定し、0.5秒経過しても操作オン(押下)のままであればそのタイミング(立ち上がりから0.5秒後)で「長押し」であると判定する。ただし、両者の判別を簡素化するために、ボタン画像をストックする指示として、演出ボタン109ではなく別の操作手段、例えば十字キー110を押下することとしてもよく、このように構成すれば、操作オン(押下)を示す信号の立ち上がりに基づいて操作の有無を判断することが可能となる。
このように、相対的に期待度の高い特定種類のボタン画像が表示されているときに演出ボタン109を長押しするとそのボタン画像が画面端にストックされる。一方、特定種類以外のボタン画像、例えば相対的に期待度の低い種類のボタン画像が表示されているときに演出ボタン109を長押ししてもボタン画像はストックされないが、変形例においてはボタン画像の種類にかかわらず長押しによりボタン画像をストックできる仕様としてもよい。あるいは、特定種類以外のボタン画像が表示されているときに長押しされた場合は、その長押しに対する反応として通常の単発押しのときとは異なる反応、例えば異なる色に変化させたり、通常と異なる効果音を出力したりしてもよい。
また、本実施例では、相対的に高い大当り期待度のボタン画像をストックし、後のボタン演出で使用することにより、後のボタン演出にて表示されるボタン画像をストック画像に昇格することを可能としたが、後のボタン演出において、初めに表示されるボタン画像がストックされたボタン画像と同等以上の大当り期待度であるボタン画像であるように構成してもよい。このように構成することで、例えば、先のボタン演出においてストック可能なボタン画像の中で相対的に大当り期待度が低い態様で表示された場合、後のボタン演出でストック可能なボタン画像以上のボタン画像が表示されないのではないか、という疑念を遊技者が抱かないように構成できる。また、後のボタン演出においてストック画像と同等以上のボタン画像が表示された場合は、後のボタン演出のボタン画像をさらに昇格させることを可能としたり、大当り確定パターンないし大当りとなる期待度が80%程度となるよう高期待度としたりするなどの法則性を持たせるように構成してもよい。
本実施例においては、演出ボタン109の通常の操作態様として単発押しを要求している例を説明したが、変形例においては、通常の操作態様として連打や長押しを要求し、ボタン画像をストックするための操作態様としてこれらと異なる操作態様(例えば単発押し)を要求する仕様としてもよい。また、ボタン画像をストックする時点で通常の操作態様として要求されていた操作態様とは異なる操作態様を、ストックを解除した後で通常の操作態様として要求してもよい。例えば、ストック時点では通常の操作態様として単発押しが要求されていたボタン画像を、ストック解除後は操作態様として連打を要求する仕様としてもよい。
本実施例においては、ボタン画像のストックが可能な期間において演出ボタン109のランプを点滅させるなど、点灯態様を通常態様と変えることでストック可能であることを示唆している。変形例においては、演出ボタン109の点灯態様だけでなく、ボタン画像をさらに点滅させるなど、ボタン画像の表示態様を通常態様と変えることによってもストック可能であることを示唆してもよい。
また、本実施例においては、ストックの解除を長押しの解除操作として、遊技者に任意にタイミングを設定可能として説明したが、変形例としては、予め演出抽選により決定されたパターンに応じてストック画像の使用タイミングを定めてもよい。さらに、変形例における、第3の特殊演出パターンの演出抽選により決定されるボタン画像のストックのパターンの中にはストックされたボタン画像を使用できずに変動が終了されてストック画像が破棄されるガセパターンを含むように構成してもよい(なお、ガセパターンを含む場合、ストック可能な態様のボタン画像の中で、一定期待度以上のものはガセパターンが無いように構成することが好ましい)。
また、本実施例においては、遊技者が長押しする期間にボタン画像がストックされるように構成したため、ストック期間中のボタン演出では遊技者が演出ボタン109を操作できないことが想定される。そこで、ストック中のボタン演出は十字キー110の上ボタンで代替するように構成してもよいし、ボタン有効期間中に自動で押下操作があったものと判定して演出するオートボタン(自動操作)により、ストック中のボタン演出の操作時演出を実行可能とするように構成してもよい。
<第4実施例>
本実施例について、前提技術、第1実施例、第2実施例、および第3実施例と相違する点を中心に以下説明し、共通する点の説明を省略する。
本実施例においては、所定種類の変動演出パターン(以下、「特殊演出パターン」という)が選択された場合に、演出ボタン109の外観を模した操作手段画像としてのボタン画像を画面に表示して遊技者に操作入力を促すとともに、その演出ボタン109の操作に応じてボタン画像の表示態様が変化する演出を実行する。ボタン画像として、複数の表示態様、例えば色、模様、形状などの態様が異なる複数種類のボタン画像が用意され、いずれの色、模様、形状のボタン画像が表示されるかによって示唆する大当り期待度の高さが異なる。本実施例におけるボタン演出は、ボタン画像の表示中における所定の有効期間に遊技者が演出ボタン109を押下すると、表示中のボタン画像が複数個のボタン画像に分裂することにより増殖し、演出ボタン109の押下のたびに分裂ないし増殖を繰り返す演出である。このとき、増殖したボタン画像の少なくとも一部が相対的に大当り期待度の高い種類のボタン画像となる場合があり、増殖を繰り返すことによって、より大当り期待度の高い種類のボタン画像が出現する可能性がある。最後に演出ボタン109を押下したときに表示されていた複数個のボタン画像がそれぞれ個別のコメント予告画像に変化する。より大当り期待度の高いボタン画像ほど、より大当り期待度の高いコメント予告画像に変化することで、大当りの可能性を示唆する。
演出決定手段303は、特殊演出パターンに対応する変動時間の変動パターンが選択された場合に複数種類の特殊演出パターンからいずれかを選択する。演出決定手段303は、特殊演出パターンを選択した場合、ボタン画像の最終増殖数を抽選で決定する。ボタン画像の最終増殖数は、最終的な増殖後のボタン画像の個数であり、例えば2個まで(1回)増殖、4個まで(2回)増殖、8個まで(3回)増殖、のような2の累乗個数のいずれかを選択する。ただし、変形例として2以外の自然数の累乗個数へ増殖する場合があってもよいし(例えば1個のボタン画像が3個のボタン画像に分裂するような演出では3の累乗個数となる)、累乗個数以外の規則的または不規則的な個数へ増殖する場合があってもよい(例えば分裂するボタンと分裂しないボタンが混在するような演出)。
演出決定手段303は、最終増殖数の分だけコメント予告として表示するコメント予告画像の種類を決定する抽選を実行し、最終増殖数分の抽選結果をバッファに順次格納する。バッファに格納された最終増殖数分の抽選結果に対応するコメント予告画像は複数種類あり、それぞれ個別に大当り期待度の高さを示唆する。演出決定手段303は、コメント予告画像の種類と、対応するボタン画像の種類とが、それぞれ示唆する大当り期待度の高さについて整合するように、ボタン画像の種類を選択する。例えば、コメント予告として大当り期待度の低い種類の抽選結果が格納された場合、そのコメント予告画像に対応するボタン画像としては大当り期待度の低い種類である白色のボタン画像(「通常ボタン画像」ともいう)が表示されるようにする。コメント予告として次に大当り期待度が高い種類の抽選結果が格納された場合、そのコメント予告画像に対応するボタン画像としては次に大当り期待度が高い種類である青色のボタン画像(「チャンスボタン画像」ともいう)が表示されるようにする。コメント予告として最も大当り期待度の高い種類の抽選結果が格納された場合、そのコメント予告画像に対応するボタン画像としては最も大当り期待度の高い種類である赤色のボタン画像(「大チャンスボタン画像」ともいう)が表示されるようにする。
例えば、バッファには大当り期待度の低い抽選結果から順に格納しておき、最初に表示するボタン画像の種類はバッファの最初の抽選結果に対応する大当り期待度のボタン種類とする。遊技者により演出ボタン109が押下されるたびに増殖するボタン画像の分だけ次のバッファ領域を参照し、そのバッファ領域に格納された抽選結果に対応する大当り期待度のボタン画像を表示する。このように、演出決定手段303は、遊技者による実際の演出ボタン109の押下によって表示されたボタン画像の個数分だけ、バッファからコメント予告の抽選結果を抽出し、その抽選結果に応じた種類のボタン画像とコメント予告画像を表示させる。なお、本実施例では大当り期待度のランクとして3段階に分けた例を示したが、変形例としては4段階以上としてもよいし、2段階としてもよい。
ここで、ボタン画像の種類を決定するにあたって、「通常ボタン画像」「チャンスボタン画像」「大チャンスボタン画像」の3種類だけでなく、「昇格によるチャンスボタン画像」「昇格による大チャンスボタン画像」の2種類をさらに有してもよい。「昇格」は、1段階下の種類のボタン画像をいったん表示しておき、後述する裏技ないし隠し機能としての所定の操作態様条件(「演出展開条件」ともいう)が満たされた場合にボタン画像の種類を1段階昇格させることを意味する。すなわち、「昇格によるチャンスボタン画像」は、先に通常ボタン画像を表示してからチャンスボタン画像に昇格するものであり、「昇格による大チャンスボタン画像」は、先にチャンスボタン画像を表示してから大チャンスボタン画像に昇格するものである。「昇格によるチャンスボタン画像」にも「チャンスボタン画像」に対応するコメント予告画像が対応し、「昇格による大チャンスボタン画像」にも「大チャンスボタン画像」に対応するコメント予告画像が対応する。コメント予告の抽選結果としては、ボタン押下がなく昇格しなかった場合も考慮して、大当り期待度の低いものから「通常ボタン画像」「昇格によるチャンスボタン画像」「チャンスボタン画像」「昇格による大チャンスボタン画像」「大チャンスボタン画像」の順に、対応する抽選結果がバッファに格納される。
変形例として、演出決定手段303は、先にボタン画像の最終増殖数を決定した後で、ボタン画像の種類と個数を決定してからコメント予告を決定するようにしてもよい。例えば最終増殖数が「8個」に決定された場合、白色の通常ボタン画像を3個、青色のチャンスボタン画像を2個、赤色の大チャンスボタン画像を3個、のように決定する。その上で、通常ボタン画像の個数「3個」と同数だけ大当り期待度の低いコメント予告画像用の抽選テーブルで3回抽選を実行して抽選結果をバッファに格納する。同様に、チャンスボタン画像の個数「2個」と同数だけ大当り期待度の高いコメント予告画像用の抽選テーブルで2回抽選を実行して抽選結果をバッファに格納する。さらに、大チャンスボタン画像の個数「3個」と同数だけ大当り期待度が最も高いコメント予告画像用の抽選テーブルで3回抽選を実行して抽選結果をバッファに格納する。このようにバッファには大当り期待度の低い抽選結果から順に格納しておき、最初に表示するボタン画像の種類はバッファの最初の抽選結果に対応する大当り期待度のボタン種類とする。遊技者により演出ボタン109が押下されるたびに増殖するボタン画像の分だけ次のバッファ領域を参照し、そのバッファ領域に格納された抽選結果に対応する大当り期待度のボタン画像を表示する。例えば演出ボタン109が2回押下されてボタン画像が4個表示される状況になれば4個目のバッファ領域まで参照されるため、3個の通常ボタン画像と1個のチャンスボタン画像が表示される。さらにもう1回押下されるとさらに4個分のバッファ領域が参照されるため、残り1個のチャンスボタン画像と3個の大チャンスボタン画像が表示される。
別の変形例としては、表示するボタン画像の種類がボタン分裂のたびに1段階高い種類のボタン画像を増殖する規則に基づく仕様としてもよい(ただし、赤色の大チャンスボタン画像が上限種類)。例えば、最初のボタン画像は必ず白色の通常ボタン画像とし、通常ボタン画像からの分裂で青色のチャンスボタン画像を増殖し、それら通常ボタン画像とチャンスボタン画像からの分裂でそれぞれ別のチャンスボタン画像と大チャンスボタン画像を増殖する。このような規則性を設ける場合には、演出決定手段303は特にボタン画像の種類を決定することを要しない。
さらに別の変形例として、コメント予告の抽選結果を、対応するボタン画像の種類ごとにわけてバッファに格納してもよい。その場合、期待度の低い順にボタン画像を表示せず、唐突に大チャンスボタン画像を出現させることも可能となる。
図38は、第4実施例におけるボタン演出の画面遷移例を模式的に示す。本実施例の特殊演出パターンに基づく演出では、第1画面560のように、第1ボタン画像570および第1ボタン押下指示565を表示させる。第1ボタン画像570は、低い大当り期待度を示唆する白色の通常ボタン画像であり、第1ボタン押下指示565は、「ボタンを押せ!」といった遊技者に演出ボタン109の操作を促す文字列ないしその画像である。これに対し、演出ボタン109の有効期間内に遊技者によって演出ボタン109が押下されると、第1ボタン画像570から第2ボタン画像571が分裂するような演出表示により、第2画面561のように2個のボタン画像へと増殖する。増殖により出現した第2ボタン画像571は、第1ボタン画像570より1段階高い大当り期待度を示唆する青色のチャンスボタン画像である。
第2画面561では、再び「ボタンを押せ!」といった遊技者に演出ボタン109の操作を促す文字列ないしその画像である第2ボタン押下指示566を表示させる。これに対して、演出ボタン109の有効期間内に遊技者によって演出ボタン109が押下されると、第1ボタン画像570が第1ボタン画像570と第3ボタン画像572に分裂するとともに第2ボタン画像571が第2ボタン画像571と第4ボタン画像573に分裂するような演出表示により、第3画面562のように4個のボタン画像へと増殖する。増殖により出現した第3ボタン画像572は、第1ボタン画像570より1段階高い大当り期待度を示唆する青色のチャンスボタン画像である。また、増殖により出現した第4ボタン画像573は、第2ボタン画像571より1段階高い大当り期待度を示唆する赤色の大チャンスボタン画像である。
第3画面562では、いわゆる裏技ないし隠し機能として、遊技者には明示しない形で設ける有効期間が設定されている。すなわち、「ボタンを押せ!」といった遊技者に演出ボタン109の操作を促す明示的な指示は表示しないが、演出ボタン109のランプを点滅させるなどの暗示的な態様での押下タイミング示唆とともに演出ボタン109の有効期間となっている。これに対して、演出ボタン109の有効期間内に遊技者によって演出ボタン109が所定態様で押下されると、いずれかのボタン画像が、より大当り期待度の高いボタン画像へ昇格する。本図の例では、第4画面563に示す通り、第3ボタン画像572が青色のチャンスボタン画像から赤色の大チャンスボタン画像へ変化する。本実施例では、ボタン画像の種類が昇格する裏技ないし隠し機能の演出展開条件として、演出ボタン109を所定回数押下することが遊技者に要求されるが、変形例として、演出ボタン109の操作以外の事象成立を演出展開条件としてもよい。例えば、有効期間内に所定の入球口に所定個数を入球させることや、所定の抽選で当選することなどを演出展開条件としてもよい。
第4画面563では、再び「ボタンを押せ!」といった遊技者に演出ボタン109の操作を促す文字列ないしその画像である第3ボタン押下指示567を表示させる。これに対して、演出ボタン109の有効期間内に遊技者によって演出ボタン109が押下されると、第5画面564のように第1ボタン画像570、第2ボタン画像571、第3ボタン画像572、第4ボタン画像573がそれぞれ第1コメント予告画像575、第2コメント予告画像576、第3コメント予告画像577、第4コメント予告画像578に変化する。それぞれ変化前後のボタン画像とコメント予告の示唆する大当り期待度の高さが対応しており、チャンスボタン画像ではない第1ボタン画像570は「闇におちよ」という大当り期待度の低い第1コメント予告画像575に変化するが、チャンスボタン画像である第2ボタン画像571は「この光は」という大当り期待度が相対的に高い第2コメント予告画像576に変化する。また、大チャンスボタン画像である第3ボタン画像572と第4ボタン画像573は、「激熱!!」というさらに大当り期待度が高い第3コメント予告画像577、第4コメント予告画像578に変化する。
一方、第1画面540において演出ボタン109の有効期間内に演出ボタン109が操作されなかった場合は、以降は有効期間が発生せず、第2画面561から第4画面563のようなボタン画像の分裂ないし増殖、および、昇格はなされない。ただし、第4画面563における第3ボタン押下指示567のような最後のボタン押下指示に応じて演出ボタン109が押下された場合は、第1ボタン画像570に対応するコメント予告画像だけが表示される。変形例として、1回でもボタン押下指示に対して演出ボタン109の押下がなかった場合にコメント予告画像も表示しない仕様としてもよい。別の変形例として、ボタン押下がなかった有効期間があったとしてもそれ以降の有効期間の発生を妨げず、後からボタン増殖することもある仕様としてもよい。以上のように、後続の演出を省略する場合、代替演出として、例えばバトル演出であれば味方キャラクターと敵キャラクターの戦闘が拮抗して決着が付かない過程が表示される演出が表示されてもよい。
さらに別の変形例として、第1画面560や第2画面561において第1ボタン押下指示565や第2ボタン押下指示566を表示せず、演出ボタン109の有効期間も設けず、遊技者による演出ボタン109の押下なしに、ボタン画像が所定時間を経過するたびに分裂ないし増殖するような仕様であってもよい。
図39は、第4実施例のボタン演出の一例における演出過程を模式的に示すタイムチャートである。図39(a)はボタン画像の表示タイミングおよび表示態様を示す。図39(b)はボタン演出を構成する複数の演出期間のタイミングおよびその長さと内容を示す。図39(c)は音声演出の出力期間とタイミングおよびその長さを示す。図39(d)は演出ボタン109のランプの点灯期間とタイミングおよびその長さ、点灯色または点灯態様を示す。図39(e)は演出ボタン109の有効期間のタイミングおよびその長さを示す。図39(f)は演出ボタン109の操作タイミングおよび操作態様を示す。
本図に例示するボタン演出においては、図39(b)に示すように、S1120の「リーチ前予告」の期間においてリーチ発生を示唆する予告演出を表示し、1回目のボタン演出である「ステップ1」(S1121)が表示され、分岐演出(S1122)が表示され、2回目のボタン演出である「ステップ2」(S1123)が表示され、分岐演出(S1124)が表示され、3回目のボタン演出である「ステップ3」(S1125)が表示されて、分岐演出(S1126)が表示され、コメント予告演出(S1127)が表示される。
「ステップ1」(S1121)においては、演出ボタン109の押下を要求する第1ボタン押下指示565が表示され、演出ボタン109の第1有効期間(S1131)が設けられる。第1有効期間(S1131)となる前までは演出ボタン109は無効期間(S1130)となる。第1有効期間においては、白色の通常ボタン画像が表示されており(S1150)、演出ボタン109のランプが白色で点灯される(S1140)。演出ボタン109のランプはその点灯によって演出ボタン109の有効期間であることを示し、その点灯色によって大当り期待度の高さを示す。第1有効期間(S1131)において遊技者により演出ボタン109が押下されると(S1160)、効果音が出力されるとともに(S1170)、通常ボタン画像が分裂するかどうかを煽る分岐演出(S1122)を経て通常ボタン画像からチャンスボタン画像が分裂する。
「ステップ2」(S1123)においては、演出ボタン109の押下を要求する第2ボタン押下指示566が表示され、演出ボタン109の第2有効期間(S1133)が設けられる。第1有効期間(S1131)の後から第2有効期間(S1133)までの間は無効期間である(S1132)。第2有効期間(S1133)においては、白色の通常ボタン画像と青色のチャンスボタン画像が表示されており(S1151)、演出ボタン109のランプが青色で点灯される(S1141)。なお、複数種類のボタン画像が表示されているときは、表示中のボタン画像の中で最も大当り期待度が高い種類と同色に合わせて演出ボタン109のランプが点灯されることを原則とする。第2有効期間(S1133)において遊技者により演出ボタン109が押下されると(S1161)、効果音が出力されるとともに(S1171)、通常ボタン画像およびチャンスボタン画像が分裂するかどうかを煽る分岐演出(S1124)を経て通常ボタン画像からチャンスボタン画像が分裂し、チャンスボタン画像から大チャンスボタン画像が分裂する。
「ステップ3」(S1125)においては、まず演出ボタン109の第3有効期間(S1135)が設けられる。第2有効期間(S1133)の後から第3有効期間(S1135)までの間は無効期間である(S1134)。ただし、第3有効期間は遊技者に明示しない裏技ないし隠し機能としての有効期間であり、通常ボタン画像、チャンスボタン画像、大チャンスボタン画像が表示されているが、例外的に最も大当り期待度が高い大チャンスボタン画像ではなく、最も大当り期待度が低い通常ボタン画像と同色で合わせて演出ボタン109のランプが点滅される。変形例としては、演出ボタン109のランプを単に大当り期待度の低い色で点灯させるか、逆に消灯させることで、原則通りではない特殊な点灯態様にして、有効期間であることを暗示的に示唆してもよい。第3有効期間において演出ボタン109が所定の押下態様、例えば2回押下(S1162,S1163)された場合に、その押下に応じて効果音が出力されるとともに(S1172,S1173)、いずれかのボタン画像の種類が1段階昇格する。例えば、チャンスボタン画像の一つが大チャンスボタン画像に昇格する。本図の例では、演出展開条件として2回の押下を要求する例を説明したが、変形例としては、より多数回の押下、例えば10連打を要求するような仕様でもよい。
「ステップ3」(S1125)においては、さらに演出ボタン109の押下を要求する第3ボタン押下指示567が表示され、演出ボタン109の第4有効期間(S1137)が設けられる。第3有効期間(S1135)の後から第4有効期間(S1137)までの間は無効期間である(S1136)。第4有効期間(S1137)において遊技者により演出ボタン109が押下されると(S1164)、効果音が出力されるとともに(S1174)、各ボタン画像が分裂するかどうかを煽る分岐演出(S1126)を経て各ボタン画像がコメント予告画像に変化し、コメント予告演出が表示される(S1127)。S1126およびS1127の間は演出ボタン109は無効期間となる(S1138)。
第1有効期間(S1131)、第2有効期間(S1133)、第3有効期間(S1135)において、遊技者により何も操作入力がなされなかった場合は、ボタン画像の分裂ないし増殖やボタン種類の昇格は表示されない。その場合、以降のボタン演出の実行は省略し、残りの期間は代替的な演出で差し替える。代替的な演出は、ボタン画像の表示はなく、演出の発展、すなわち大当り期待度が上がるような演出もない。例えば、ボタン演出がバトル演出で構成される場合、演出ボタン109の操作がない場合は味方キャラクタと敵キャラクタが拮抗したまま勝敗がつかないような演出が代替的な演出として表示され、そのままボタン画像ないしボタン演出が表示されることなく最終的な当否分岐演出に至る。また例えば、通常のボタン演出に代える代替的な演出として、装飾図柄を仮停止させたり、再変動させたりする演出に切り替えてもよい。
本実施例の変形例として、分裂によって1段階高い期待度のボタン画像が増殖した場合に、そのボタン画像を画面端または画面隅に退避させて後続の演出まで据え置く(ストックする)ことができる仕様としてもよい。退避させたボタン画像は、第2実施例や第3実施例のように後の演出で活用されるとともに、後の演出において大当り期待度の高い演出が実行されることを予告する役割を持つ。この場合、退避させてストックできるボタン画像の種類を、相対的に大当り期待度の高いチャンスボタン画像と大チャンスボタン画像に限定してもよい。
<第5実施例>
本実施例について、前提技術、第1実施例、第2実施例、第3実施例、および第4実施例と相違する点を中心に以下説明し、共通する点の説明を省略する。
本実施例においては、所定種類の予告演出パターン(以下、「特殊演出パターン」または「予告シナリオパターン」という)が選択された場合に、演出ボタン109の外観を模した操作手段画像としてのボタン画像を画面に表示して遊技者に操作入力を促すとともに、その演出ボタン109の操作を有効とする期間の開始に先立って、その開始までの所要時間ないし待機時間を示唆する演出(以下、「ボタンタイマー演出」という)を実行する。ボタン画像として、複数の表示態様、例えば色、模様、形状などの態様が異なる複数種類のボタン画像が用意され、いずれの色、模様、形状のボタン画像が表示されるかによって示唆する大当り期待度の高さが異なる。本実施例におけるボタンタイマー演出は、ボタン画像の表示中における所定の有効期間に遊技者が演出ボタン109を押下すると当否分岐演出やリーチ演出などの所定の演出が実行され得ることを前提とする。ここでいう「所定の演出」は、各種のリーチ演出であってもよいし、コメント予告等の別の予告演出であってもよい。演出ボタン109の有効期間が開始される前に、その開始までの所要時間ないし待機時間を「ボタンタイマー」の形で示す予告演出がボタン画像の近傍に表示される。これにより、ボタン画像の出現と同時またはその前後に演出ボタン109の有効期間が開始されるのに比べ、有効期間の開始を遊技者に事前案内して待機させることができ、遊技者により演出ボタン109が有効期間内に適切に操作される可能性を高めることができる。なお、「所要時間」ないし「待機時間」は、演出上表示される見かけの時間であってもよく、その計測時間表示に対して早送り、巻き戻し、一時停止等の変化を加えるように構成してもよい。
演出決定手段303は、特殊演出パターンに対応する変動時間の変動パターンおよび変動演出パターンが選択された場合に、複数種類の特殊演出パターンからいずれかを抽選で選択する。演出決定手段303は、特殊演出パターンを選択した場合、ボタン画像およびボタンタイマーの表示有無やその表示タイミング等を決定する。また、本実施例においてはボタンタイマーを用いたボタンタイマー演出として少なくとも2種類の特殊演出パターンを説明する。以下、本実施例においてこれら2種類の特殊演出パターンを第1の特殊演出パターンと第2の特殊演出パターンと呼ぶ。
図40は、第5実施例の第1の特殊演出パターンにおけるボタンタイマー演出の画面遷移例を模式的に示す。第1の特殊演出パターンに基づくボタンタイマー演出では、第1画面580のように、ボタン画像590および第1待機状態表示600を表示させる。ボタン画像590は、低い大当り期待度を示唆する白色の通常ボタン画像であり、第1待機状態表示600は、「待機中」といった演出ボタン109の有効期間開始前であることを示す文字列ないしその画像である。以降、ボタンタイマー演出は装飾図柄506の変動表示や変動演出を阻害しないように画面の左下隅に表示される。
なお、本実施例では本来ボタンタイマー演出の対象となる図柄変動演出より手前の図柄変動演出から、ボタン画像が「待機中」といった第1待機状態表示600とともに表示される例を説明するが、変形例においては本来のボタンタイマー演出の対象となる図柄変動演出内においてのみボタン画像を表示する仕様としてもよい。あるいは、原則としてすべての図柄変動演出において画面隅に常時ボタン画像と「待機中」の文字を表示させるとともに、これを「ボタンタイマー演出」とは区別して「ボタン待機演出」と位置づけてもよい。その場合、本来のボタンタイマー演出の対象となる図柄変動演出においてボタン画像とともにカウントダウンタイマー等を表示させる演出のみを「ボタンタイマー演出」と呼んでもよい。
ボタンタイマー演出の対象となる図柄変動演出において、ボタン画像590の上方には第2待機状態表示601が表示される。第2待機状態表示601は、第2画面581は演出ボタン109の有効期間またはその示唆を開始するまでの所要時間ないし待機時間をカウントダウンするタイマーの画像である。第2待機状態表示601により、そのタイマーに示される「残り10秒」といった残り時間の経過後に演出ボタン109の有効期間が開始されることを予告する。本実施例の「タイマー」は、残り時間をカウントダウンする形で表示するが、変形例においては有効期間開始までの所要時間到達をゼロからカウントアップする形で表示してもよい。または、数字ではなくインジケーター(メーター表示やゲージ表示)の形で表示されてもよい。タイマーをインジケーターで表示する場合には、前述した「ボタン待機演出」において、演出の結果に基づきインジケーターで表示する時間量を増加させる(タイマーとして計時する時間を長くする)演出を実行してもよい。このような構成とすることによって、変動の後半過程(例えばスーパーリーチ発展後など)においてボタン演出が発生するという期待感を高めるようにすることができる。また、タイマーの示唆する時間量の多さによって、「ボタン待機演出」や「ボタンタイマー演出」中のインジケーター等の表示の態様(色、大きさ、装飾デザインの形状等)を変更してもよい。例えば、デフォルトの態様では青色である数字やインジケーターを、赤色の数字やインジケーター等に置き換えるようにすることで、タイマーの計時中も遊技者に期待感を与えるように構成してもよい。さらに、インジケーター等に加える表示態様の変更に応じて、ボタン演出時のボタン画像にも同様の表示態様を示唆するようなエフェクトを付加するようにしてもよい。
ボタン画像590の下方には「ボタン準備中」の文字列である第1ボタン指示表示610が表示される。第1ボタン指示表示610は、これから演出ボタン109の有効期間が開始される旨を遊技者に事前案内し、演出ボタン109の操作に備えさせる内容を文字列の形で示すものである。
ボタン画像590には、その右側に第1キャラクター画像591が付随するように表示される。第1キャラクター画像591は、その画像の動作によってボタン画像590の種類を昇格させるか否かを煽る昇格演出に用いる画像である。本実施例では傘を差している女の子のキャラクターをモチーフとしているが、そのようなキャラクター画像に限定されず、キャラクター以外の画像を用いてもよい。
第3画面582はボタン画像の昇格演出中を示す。昇格演出は、第2画面581まで表示されていたボタン画像590に第1キャラクター画像591の「傘」が覆い被さった画像(主に広げられた傘のみが表示されてボタン画像が傘にほぼ隠れているこの画像を「第2キャラクター画像592」と呼ぶ)を表示し、ボタン画像が傘で見えなくなっている間により大当り期待度の高い種類のボタン画像に差し替わっているか否かを煽る演出である。昇格演出においては、第2キャラクター画像592の上方に表示される第3待機状態表示602に「残り??秒」というようにタイマーの進行がいったん停止されてリセットされた旨と待機時間の延長が示唆される。第2キャラクター画像592の下方には第2ボタン指示表示611として「ドライブギア準備中」といった文字列が表示される。ここでいう「ドライブギア」は、レバー付きボタン画像を指し、大当り期待度が最も高い種類のボタン画像への昇格が示唆されている。これらの昇格演出により大当り期待度が上昇したことが示唆される。なお、昇格演出における第3待機状態表示602の変形例として、「残り3秒」といった文字列が「残り??秒」といった文字列に急に切り替わるのではなく、切り替わるかどうかを煽るような演出を加えることで昇格演出に対する遊技者の期待感を高めてもよい。
第4画面583では、第3画面582の第2キャラクター画像592である「傘」がボタン画像の位置から右方へ移動して第1キャラクター画像591に戻るとともに、昇格後のボタン画像としてレバー付きボタン画像593が露出する。レバー付きボタン画像593の下方には第3ボタン指示表示612として「ドライブギアを引け!」といった文字列でレバー付きボタン画像593の操作を遊技者に促す言葉が表示される。
以上、本図では昇格演出が発生してボタン画像の種類が昇格する例を説明したが、昇格演出は必ず発生するわけではなく、昇格演出が発生しない場合もある。また昇格演出が発生しても必ず昇格するとは限らず、第2キャラクター画像592の「傘」が元の位置に戻ってもボタン画像の種類は昇格演出前と同じままとなっている場合もある。
図41は、第5実施例の第2の特殊演出パターンにおけるボタンタイマー演出の画面遷移例を模式的に示す。第2の特殊演出パターンは、特にスーパーリーチに発展する変動演出において用いられる。第2の特殊演出パターンに基づくボタンタイマー演出では、第1の特殊演出パターンの第1画面580と同様に、第1画面620において第1ボタン画像630および第1待機状態表示640を表示させる。第1ボタン画像630は、低い大当り期待度を示唆する白色の通常ボタン画像であり、第1待機状態表示640は、「待機中」といった演出ボタン109の有効期間開始前であることを示す文字列ないしその画像である。以降、ボタンタイマー演出は装飾図柄506の変動表示や変動演出を阻害しないように画面の左下隅に表示される。
第2画面621は第1の特殊演出パターンの第2画面581と同様であり、第2待機状態表示641が第1ボタン画像630の上方に表示される。第2待機状態表示641は、演出ボタン109の有効期間またはその示唆を開始するまでの所要時間ないし待機時間をカウントダウンするタイマーの画像である。第2待機状態表示641により、そのタイマーに示される「残り10秒」といった残り時間の経過後に演出ボタン109の有効期間が開始されることを予告する。
第1ボタン画像630の下方には「ボタン準備中」の文字列である第1ボタン指示表示650が表示される。このとき、3個の装飾図柄506のうち一つが停止する。第1ボタン指示表示650は、これから演出ボタン109の有効期間が開始される旨を遊技者に事前案内し、演出ボタン109の操作に備えさせる内容を文字列の形で示すものである。これらの予告によって、リーチの発生および大当り期待度の高さが示唆される。第1ボタン画像630には、その右側に第1キャラクター画像591が付随するように表示される。第1キャラクター画像591は、第1ボタン画像630の種類を後に昇格させるか否かをそのキャラクターの動作によって煽る昇格演出に用いる画像である。本実施例では傘を差している女の子のキャラクターをモチーフとしているが、そのようなキャラクター画像に限定されず、キャラクター以外の画像を用いてもよい。
第3画面622はボタン画像の昇格演出中を示す。この昇格演出は、装飾図柄506のリーチ発生とともに表示され、第2画面621まで表示されていた第1ボタン画像630に対して、第4実施例と同様に分裂ないし増殖させる演出を表示する。その分裂ないし増殖により、第1ボタン画像630から第2ボタン画像632および第3ボタン画像633が増殖して縦に並べて表示される。ボタンタイマーがゼロになるまでボタン画像の増殖が繰り返され、増殖したボタン画像の個数の多さによって、ボタン画像の種類が昇格する可能性の高さを示唆する。第1ボタン画像630、第2ボタン画像632、第3ボタン画像633の上方には第3待機状態表示642が表示され、右方には第1キャラクター画像591が表示され、下方には第2ボタン指示表示651が表示される。第3待機状態表示642には「残り3秒」というようにボタンタイマーの進行状態が示される。第2ボタン指示表示651として「ボタンストック中」といった文字列により、ボタン画像が分裂して増殖され、画面に据え置かれていることが示される。このように、第3待機状態表示642に示される残り時間がゼロになるまでボタン画像の分裂ないし増殖が繰り返され、ストックされる。
残り時間がゼロとなり、ボタンタイマーの対象となっている予告演出の実行時期となると(ここでは、装飾図柄506が3個同種で揃うかどうかの当落煽り表示の段階を例示)、増殖した複数個のボタン画像が一つのボタン画像に合体するアニメーションが表示されるとともに、合体後のボタン画像として、例えば第4画面623のようなレバー付きボタン画像634が表示される。昇格後のボタン画像の種類は、昇格前のボタン画像の個数に応じて異なる。例えば、2個のボタン画像が合体するときは青色のチャンスボタン画像に昇格し、3個のボタン画像が合体するときは図のように白色のレバー付きボタン画像に昇格し、6個のボタン画像が合体するときは赤色のレバー付きボタン画像に昇格する。第3画面622のようなボタン画像をストックする演出が発動すると必ず2個以上のボタン画像のストックが表示され、それら複数のボタン画像の合体が保証されるため、チャンスボタン画像以上のボタン画像への昇格が確定し、大当り期待度が高まる。なお、変形例として、ストックされたボタン画像の個数に応じた昇格ではなく、個数と同じ回数分だけ昇格するか否かの煽りを実行するようにしてもよい。その場合、例えば演出において主となるボタン画像に対してストックされたボタン画像をキャラクター画像が一つずつ投げつけてボタン画像が昇格するか否かを煽るような演出であってもよい。あるいは、複数のボタン画像同士が1対1ずつぶつかって合体していく様子をアニメーションで表示し、合体のたびに他の色のボタン画像に昇格するか否かを煽る演出としてもよい。
第4画面623では、複数のボタン画像が一つに合体して昇格したレバー付きボタン画像634が表示される。レバー付きボタン画像634の下方には第3ボタン指示表示652として「ドライブギアを引け!」といった文字列でレバー付きボタン画像634の操作を遊技者に促す言葉が表示される。レバー付きボタン画像634の右方には第1キャラクター画像591が表示される。レバー付きボタンである演出ボタン109が遊技者によって操作されると、装飾図柄506が3個同種で揃うかどうかの当落煽りの演出である当落分岐演出が表示される。なお、変形例として、ストックされたボタン画像の個数に応じてボタン画像をチャンスボタンへと変更する以外にも、ストックされたボタン個数に応じて演出ボタン109に対する操作態様を変更するパターンを選択可能とするように構成してもよい。このように構成することで、例えばボタン画像が3個ストックされている状況下でボタンタイマーの対象演出が実行されるにあたってレバー付きボタン画像が表示されることを期待した遊技者に対して、演出ボタン109の連打演出といった複数回の操作を要する演出に切り替えるようにして意外性および興趣性を与えることができる。また、本実施例におけるボタン画像の昇格と、変形例の操作態様の変更双方を実行するパターンを有するように構成してもよい。
図42は、第1の特殊演出パターンに基づくボタンタイマー演出の一例における演出過程を模式的に示すタイムチャートである。図42(a)はボタン画像の表示タイミングおよび表示態様を示す。図42(b)はボタンタイマー演出を構成する複数の演出期間のタイミングおよびその長さと内容を示す。図42(c)は音声演出の出力期間とタイミングおよびその長さを示す。図42(d)は演出ボタン109のランプの点灯期間とタイミングおよびその長さ、点灯色または点灯態様を示す。図42(e)は演出ボタン109の有効期間のタイミングおよびその長さを示す。図42(f)は演出ボタン109の操作タイミングおよび操作態様を示す。
第1の特殊演出パターンに基づく演出期間においては複数の予告演出が表示され、そのうち2回の予告演出がボタン予告演出である。2回のボタン予告演出のうち一つは「非対象ボタン予告」であり、もう一つが「対象ボタン予告」である。「非対象ボタン予告」は、ボタンタイマー演出を伴わない、すなわちボタンタイマーによる事前予告の対象ではない予告演出である。「対象ボタン予告」は、ボタンタイマー演出を伴う、すなわちボタンタイマーによる事前予告の対象となる予告演出である。
まず、図42(b)におけるS1220の「手前変動」の期間、すなわち第1の特殊演出パターンの対象となる図柄変動期間より一つ手前の図柄変動期間においてすでにS1250のようなボタン画像および「待機中」の文字が表示される。演出ボタン109のランプは白色にてゆっくりとした周期で明暗が切り替えられる(S1240)。ボタン画像および「待機中」の文字を表示する間に、先読み結果に基づき、ボタンタイマー演出の開始が直後に控えていることを示す告知音を出力してもよい(S1270)。なお、「手前変動」は、図中に示す大きさは便宜的に小さく表現しているが、複数回の図柄変動期間である場合も含む。
第1の特殊演出パターンの対象となる図柄変動期間では(S1221)、所定のタイミングにおいて「非対象ボタン予告」が開始され(S1222)、演出ボタン109のランプが白色で点滅する(S1241)。「非対象ボタン予告」の間に演出ボタン109の第1有効期間(S1231)が設けられる。第1有効期間(S1231)となる前までは演出ボタン109は無効期間(S1230)となる。第1有効期間において演出ボタン109が操作されると(S1260)、次の演出に発展するか否かを煽る分岐演出が表示される(S1223)。以上の「非対象ボタン予告」と並行して、「対象ボタン予告」に先立って演出ボタン109の有効期間開始までをボタンタイマーでカウントダウン予告するボタンタイマー演出が以下の説明の通り表示される。
所定のタイミングでボタン画像と「残り10秒」といった文字列の組合せであるボタンタイマーが表示され(S1252)、タイマーによるカウントダウンの開始を知らせる開始音が出力される(S1271)。次に、カウントダウンタイマーがゼロになる前に、ボタン画像にキャラクター画像が重なってボタンが見えなくなるとともに「残り??秒」と表示することでカウントダウンタイマーが停止、リセットされ、昇格演出が開始する(S1253)。演出ボタン109のランプは複数の発光色で次々に変化し(S1242)、ボタン画像の種類が昇格するか否かを煽るような音が出力される(S1272)。その後、ボタン画像種類の確定を示す確定音の出力とともに(S1273)、昇格したボタン画像(例えばレバー付きボタン画像)が出現する(S1254)。ボタン画像の上方には「残り30秒」のように、タイマーの残り時間の値が再設定され、カウントダウンが再開される。演出ボタン109のランプは白色で高速点滅され、「対象ボタン予告」の開始が近いことを示唆する。なお、図示はしていないが、非対象ボタン予告(S1222)におけるボタン操作時(S1260)の効果音等も音演出として出力され得る。非対象ボタン予告の操作時における音演出が本実施例における煽り音(S1272)や確定音(S1273)などと重複する場合には、操作時の効果音等と煽り音、確定音のいずれが遊技者にとって期待感を与えるものであるかに応じて、予め定められていた優先順に基づき出力音量や出力されるスピーカの位置(音声チャネル)等が設定される。
カウントダウンタイマーの残り時間がゼロになり、「対象ボタン予告」が表示される(S1224)。「対象ボタン予告」の間に演出ボタン109の第2有効期間(S1233)が設けられる。第2有効期間(S1233)と第1有効期間(S1231)の間は演出ボタン109は無効期間(S1232)である。第2有効期間ではレバー付きボタン画像が表示され(S1255)、「ドライブギアを引け!」といった操作指示の表示とともに演出ボタン109のランプが赤色で点灯する(S1244)。第2有効期間において演出ボタン109が操作されると(S1261)、当否結果の表示を煽る当否分岐演出が表示される(S1225)。当否分岐演出の間は演出ボタン109は無効期間となる(S1234)。
第1有効期間(S1231)および第2有効期間(S1233)において、遊技者により何も操作入力がなされなかった場合でも、後続の演出を表示することとしてもよいし、後続の演出を省略し、残りの期間は代替的な演出で差し替えることとしてもよい。代替的な演出は、ボタン画像の表示はなく、演出の発展、すなわち大当り期待度が上がるような演出もない。例えば、ボタン予告演出がバトル演出で構成される場合、演出ボタン109の操作がない場合は味方キャラクタと敵キャラクタが拮抗したまま勝敗がつかないような演出が代替的な演出として表示され、そのままボタン画像ないし後続の演出が表示されることなく最終的な当否分岐演出に至る。また例えば、通常の後続の演出に代える代替的な演出として、装飾図柄を仮停止させたり、再変動させたりする演出に切り替えてもよい。
図43は、予告シナリオ決定テーブルを模式的に示す。「ID」の欄には、1から19までの予告シナリオパターンIDが示され、本図では19種類の予告シナリオパターンが例示される。演出決定手段303で選択される複数の変動演出パターンのそれぞれに対し、変動時間に基づいて19種類の予告シナリオパターンのうち3~6種類ずつが対応づけられており、それら3~6種類の予告シナリオパターンからいずれかが抽選で選択される。例えば、メイン基板200において50秒の変動パターンが選択され、その変動パターンに対応する変動演出パターンとして50秒の変動演出パターンAが演出決定手段303により選択された場合、予告シナリオパターンとしては変動演出パターンAに対応する数種類のパターン(いずれのパターンも50秒の変動演出に対応するシナリオで構成される)からいずれかが抽選で選択される。
予告シナリオパターンとしては、1回の変動演出期間を最大8ブロックに分け、ブロックごとに表示する予告演出やリーチ演出などの演出の組合せで1回の演出シナリオが構成される。最大8期間のブロックのうち、「ブロックA」から「ブロックF」までの6ブロックはリーチ前予告であり、「ブロックG」「ブロックH」はリーチ後予告である。ただし、この8ブロックは必ずしも変動演出期間を分割した期間とは限らず、各ブロックに対して選択された予告演出同士で互いに期間の一部が重複するように表示されることがあってもよい。すなわち、「ブロックA」~「ブロックH」は、絶対的な演出期間を規定するものではなく、相対的な演出順序を規定するにすぎず、あるいは各ブロックは同時期に実行され得る予告演出のカテゴリを示すにすぎない。
なお、「予告シナリオ決定テーブル」として、予告シナリオパターンの種類や選択傾向が異なる複数種のテーブルを用意し、変動演出パターンの種類ないし大当り期待度の高さや、表示中の背景画像または演出モード等に応じていずれの予告シナリオ決定テーブルを参照するかを決定してもよい。予告シナリオパターンにしたがって選択する予告演出の種類やその種類を決定するための抽選テーブルもまた、変動演出パターンの種類ないし大当り期待度の高さや、表示中の背景画像または演出モード等に対応する演出となるように決定してもよい。
図43の予告シナリオ決定テーブルにおいて、序盤の「ブロックA」「ブロックB」は、「にぎやかし系」と示されるように、演出内容や動作による遊技の盛り上げを主目的とする演出である「A-1」「A-2」「B-1」「B-2」のいずれかが表示されるか、または「なし」と示されるようにその期間に特に演出が表示されない場合もある。「A-1」「A-2」は、例えばコメント予告、キャラクター画像の動作、可動役物の揺動動作、などであってよい。「B-1」「B-2」は、例えば擬似連続変動演出における連続変動するか否かを図柄で煽る演出や、リーチが成立するか否かを煽る演出などであってよい。
「ブロックC」「ブロックD」は、「通常予告」として「C-1」~「C-4」や「D-1」~「D-3」のいずれかが表示されるか、または「なし」と示されるようにその期間に特に演出が表示されない場合もある。例えば、パターンIDが「1」の演出パターンには、「ブロックA」では「A-1」の演出を表示し、「ブロックB」では特に演出を表示せず、「ブロックC」では「C-1」の演出を表示し、「ブロックD」では特に演出を表示しないよう定められる。
ここで、「D-1」のように下線が付された演出は、ボタン画像が表示され得るボタン予告演出であることを示す。ただし、実際にボタン画像が表示されるか否かは、次の図44で示される別の抽選で決定される。ボタン予告演出のうち、ボタンタイマーの表示有無を決定する抽選が実行されるのは、パターンID「13」「15」「16」「18」「19」である(いずれもIDに下線が付されている予告シナリオパターンであり、右端の「タイマー」欄に「あり」と書かれたパターンである。)。
最大8期間のブロックのうち、中盤の「ブロックE」は「発展予告」の演出期間であり、リーチへの発展を示唆する予告演出である「E-1」が表示され得る。「ブロックF」は「リーチ煽り」の演出期間であり、リーチへ発展するか否かを煽る演出である「F-1」が表示され得る。「F-1」は下線が付されている通り、ボタン画像が表示され得るボタン予告演出である。「ブロックG」と「ブロックH」はリーチ開始後の演出期間であり、リーチ前半の「ブロックG」では「リーチa」から「リーチf」までのいずれかが表示され得る。リーチ後半の「ブロックH」では「リーチg」が表示され得る。これらのリーチ演出のうち、下線が付された「リーチa」「リーチc」「リーチd」「リーチf」「リーチg」においてボタン画像が表示され得る。
図44は、ボタンタイマーの表示タイミングの決定テーブルを模式的に示す。ボタンタイマーは、図43で示した通り予告シナリオパターンID「13」「15」「16」「18」「19」の5種類が選択された場合に、その表示タイミングが抽選で決定されて表示される。本図の右欄のように、ID「13」「15」「16」「18」「19」のそれぞれに抽選値範囲が割り当てられ、いずれかのタイミングが選択される。ボタンタイマーの表示タイミングは「タイミング1」から「タイミング3」までの3通りのうちいずれか1箇所で表示される場合と、いずれか2箇所で表示される場合と、3箇所とも表示される場合とがあり得る。例えば「予告C~E」の期間においては図43の例でいう「D-1」の演出時が該当し、「予告F」の期間においては図43の例でいう「F-1」の演出時が該当し、「予告G,H」の期間においては図43の例でいう「リーチa」「リーチc」「リーチd」「リーチf」「リーチg」の演出時が該当する。
例えばID「13」「15」の場合、ボタンタイマーの表示タイミングは「タイミング1のみ」「タイミング2のみ」「タイミング1と2」の3通りからいずれかが選択される。例えばID「16」の場合、ボタンタイマーの表示タイミングは「タイミング1のみ」「タイミング2のみ」「タイミング3のみ」「タイミング1と2」の4通りからいずれかが選択される。例えばID「18」の場合、ボタンタイマーの表示タイミングは「タイミング1のみ」「タイミング3のみ」「タイミング1と3」の3通りからいずれかが選択される。例えばID「19」の場合、ボタンタイマーの表示タイミングは「タイミング2のみ」「タイミング3のみ」「タイミング2と3」の3通りからいずれかが選択される。
本図の例では「タイミング1」「タイミング2」「タイミング3」の3通りから表示タイミングを決定するが、変形例として「タイミング1」「タイミング2」「タイミング2(昇格あり)」「タイミング3」「タイミング3(昇格あり)」といった選択肢のように、昇格演出によるボタン画像種類の昇格有無との組合せで表示タイミングを決定してもよい。ただし、このタイミングを示す数字(タイミングN)は、図柄変動開始からの順序を示すものであってよく、ボタンタイマーによるカウントダウンの対象となるボタン予告演出のタイミングを示す数字(タイミングX)と同じか小さい(すなわち、ボタン予告演出のタイミングより時間的に早い段階である)場合に、ボタンタイマーの表示が決定する。変形例として、ボタンタイマーおよびボタン予告演出のタイミングを示す数字は、図柄変動終了からの順序を示すように設定してもよい。また、ボタンタイマーのタイミングNがボタン予告演出のタイミングXより大きい数字であった場合に(ボタンタイマーのタイミングの方が予告演出のタイミングより時間的に後になってしまう場合に)、ボタンタイマーのタイミングを強制的に最も早い「タイミング1」に設定する仕様としてもよい。
なお、リーチの成立に至らずに変動演出が終了する場合には、図44の抽選をせずに、あるいは図44の抽選結果にかかわらず、リーチ前の最も大当り期待度が低い予告期間である「予告C」を強制的にボタンタイマーの表示タイミングに決定してもよい。
図43や図44に示すように予告シナリオパターンに基づいて予告演出の種類およびタイミングを決定することでボタン予告演出の表示タイミングが定まった上で、ボタン予告演出が含まれる場合に、ボタンタイマーの表示有無を決定する。これらを演出決定手段303が一括の抽選で決定してもよいし、個別の抽選に決定してもよい。ボタンタイマーの表示ありとする決定がされた場合は、ボタンタイマー演出が選択されやすい抽選テーブルを参照してボタンタイマーの表示タイミングを決定してもよい。
上述の第2の特殊演出パターンに該当する予告シナリオパターンが選択された場合、演出決定手段303はボタン画像のストック有無を決定する。その場合、予告シナリオパターンにおいてすでに最終的なボタン画像の種類が定まっているため(通常ボタン画像、チャンスボタン画像、レバー付きボタン画像のいずれが最終的に表示されるかが予告シナリオパターンに定められている)、そのボタン画像の種類に応じてストックするボタン画像の個数やストックのタイミングを決定する。
<第6実施例>
本実施例について、前提技術、第1実施例、第2実施例、第3実施例、第4実施例、および第5実施例と相違する点を中心に以下説明し、共通する点の説明を省略する。
本実施例においては、所定種類の予告演出パターン(以下、「特殊演出パターン」という)が選択された場合に、演出ボタン109の外観を模した操作手段画像としてのボタン画像を画面に表示して遊技者に操作入力を促す予告演出(以下、「ボタン予告演出」という)を表示する。そのボタン予告演出では、操作入力の有効期間内に操作手段の操作があった場合、表示されていたボタン画像を画面の所定位置に設けられた演出済領域へ退避させて所定限度まで蓄積させ、蓄積された1個以上のボタン画像が後続の演出で用いられ得る。ボタン画像として、複数の表示態様、例えば色、模様、形状などの態様が異なる複数種類のボタン画像が用意され、いずれの色、模様、形状のボタン画像が表示されるかによって示唆する大当り期待度の高さが異なる。本実施例におけるボタン予告演出は、ボタン画像の表示中における所定の有効期間に遊技者が演出ボタン109を押下すると当否分岐演出やリーチ演出などの所定の演出が実行され得ることを前提とする。ここでいう「所定の演出」は、各種のリーチ演出であってもよいし、コメント予告等の別の予告演出であってもよい。
演出決定手段303は、特殊演出パターンに対応する変動時間の変動パターンおよび変動演出パターンが選択された場合に、複数種類の特殊演出パターンからいずれかを抽選で選択し得る。演出決定手段303は、特殊演出パターンを選択した場合、ボタン予告演出の表示有無、表示回数、表示タイミング、ボタン画像の種類等を決定する。
図45は、第6実施例におけるボタン予告演出の画面遷移例を模式的に示す。このボタン予告演出では、第1画面660のように、ボタン画像671を「ボタンを押せ!」といったボタン押下を指示する文字列とともに画面に表示させる。ボタン画像671は、低い大当り期待度を示唆する白色の通常ボタン画像である。画面の左下隅には演出済領域675が設けられる。演出済領域675は、過去のボタン予告演出で表示されたボタン画像が縮小されて退避させられる領域であり、その演出済領域675に最大で5個の縮小ボタン画像が履歴として演出実行順に蓄積される。演出済領域675の左から第1ボタン画像670a、第2ボタン画像670b、第3ボタン画像670c、第4ボタン画像670d、第5ボタン画像670eの順序で古い順に並べられている。第1ボタン画像670a、第2ボタン画像670b、第4ボタン画像670dは白色の通常ボタン画像であり、第5ボタン画像670eは青色のチャンスボタン画像であり、第3ボタン画像670cは赤色の大チャンスボタン画像である。
遊技者により演出ボタン109が有効期間内に押下されると、対応する演出が実行された後に、第2画面661に示すようにボタン画像671が縮小されて演出済領域675へ退避させられる。このとき、最古の画像である第1ボタン画像670aが消去され、第2ボタン画像670b、第3ボタン画像670c、第4ボタン画像670d、第5ボタン画像670eの位置が左へ1コマずつ移動され、新しく退避されたボタン画像671の縮小ボタン画像が第6ボタン画像670fとして演出済領域675の右端位置に格納される。以上がボタン予告演出におけるボタン画像の基本的な表示過程である。演出済領域675において蓄積されるボタン画像の種類は、例えばサブRAM311などのメモリにおいてボタン画像の履歴として先入先出法(FIFO)に倣う方式で最大5個まで記憶されることを原則とする。新たなボタン演出が発生すると、演出決定手段303は記憶するボタン画像の履歴から最古のボタン画像の種類を消去し、新たなボタン画像の種類を追加する。演出済領域675には、この履歴に記憶される種類のボタン画像が、それぞれの格納位置の順に表示される。
ボタン予告演出においては、ボタン画像の出現に先立ってボタン導入演出が表示される場合がある。ボタン導入演出は、ボタン画像の出現を予告する予告演出として表示されてもよい。ボタン導入演出は、ボタン画像およびボタン操作指示の表示に先立って、複数種類のボタン画像のうちいずれが表示されるかを、演出済領域675に表示される過去のボタン画像から選ぶ形で煽る演出である。演出済領域675にはそれぞれ個別の大当り期待度の高さを示唆する複数種類のボタン画像が蓄積されており、いずれが選ばれるかによって、当該ボタン予告演出の大当り期待度が決まることとなり、遊技者の期待感を高めることができる。また、原則としてチャンスボタン画像以上の種類を選択する場合にだけボタン導入演出を実行することとすれば、ボタン画像を選ぶ演出が表示されること自体で一定以上の大当り期待度が期待できる。第3画面662に示すボタン導入演出では演出済領域675またはその近傍にキャラクター画像672を出現させ、そのキャラクター画像672が左右に動き回るような表示をすることでボタン画像を選んでいる様子を表現する。本図の例では、キャラクター画像672が大チャンスボタン画像である第3ボタン画像670cを選び、演出済領域675から取り出して画面の略中央に押し出しながら拡大させる様子が表示される。
ボタン導入演出を実行するか否かは、演出決定手段303によって決定される。過去5回分のボタン予告演出で表示したボタン画像の種類が履歴として記憶される。演出決定手段303は新たなボタン予告演出を実行するにあたってそのボタン予告演出で表示し得るボタン画像が過去5回分の履歴に含まれているかどうかを参照する。演出決定手段303は、新たなボタン予告演出で表示し得るボタン画像が履歴に含まれていた場合に、ボタン導入演出の実行を決定する。すなわち、過去5回以内に表示されたボタン画像を演出済領域675から取り出して中央に再表示するような演出となる。例えば履歴のうち最古から2番目のボタン画像を取り出す場合、記憶されたボタン画像の履歴のうち最古から2番目のボタン画像のデータを取り出して履歴から消去し、3~5番目のボタン画像のデータを2~4番目のボタン画像のデータとして移動または格納位置のアドレス書換をした上で、ボタン予告演出後に新たなボタン画像、すなわち取り出したボタン画像のデータを最新(5番目)の位置へ追加する。ただし、ボタン導入演出の決定タイミングによっては、履歴のうち最古のボタン画像が実際のボタン導入演出の実行タイミング前後で画面から消去されてしまっていることも考えられるため、履歴のうち最古のボタン画像を参照の対象外としてもよい。あるいは、ボタン導入演出の決定タイミングにおいて、一つ前のボタン予告演出が実行中(すなわち、これからボタン画像の履歴更新が発生しようとしているタイミング)である場合に限り履歴のうち最古のボタン画像を参照の対象外とする仕様としてもよい。逆に、ボタン画像の履歴更新タイミングとは無関係に、図柄変動開始時などの固定的なタイミングでボタン導入演出の実行有無を決定する場合は、一律に履歴のうち最古のボタン画像を参照の対象外としてもよい。また、図柄変動開始時ではなく、ボタン予告演出の開始タイミングから所定の短時間(例えば5秒)だけ遡ったタイミングでボタン画像の履歴を参照することとし、ボタン画像の履歴更新タイミングと重ならないようにしてもよい。ただし、図柄変動の開始直後にボタン予告演出を実行する場合には、例外的に図柄変動開始時にボタン画像の履歴を参照することとしてもよい。
変形例として、演出決定手段303は、先にボタン導入演出の実行有無を決定した上でボタン画像の履歴を参照し、表示し得るボタン画像が履歴になかった場合、ボタン導入演出をキャンセルする仕様としてもよい。また、ボタン予告演出を複数回実行することが決定された場合、例えば後に実行するボタン予告演出において大チャンスボタン画像を表示する予定となったものの、履歴には大チャンスボタン画像がなかった場合、先に実行するボタン予告演出において大チャンスボタン画像を表示して履歴に加えた上で、後に実行するボタン予告演出においてボタン導入演出を実行できるようにしてもよい。
図46は、第6実施例のボタン予告演出における演出過程を模式的に示すタイムチャートである。図46(a)はボタン画像の表示タイミングおよび表示態様を示す。図46(b)はボタンタイマー演出を構成する複数の演出期間のタイミングおよびその長さと内容を示す。図46(c)は音声演出の出力期間とタイミングおよびその長さを示す。図46(d)は演出ボタン109のランプの点灯期間とタイミングおよびその長さ、点灯色または点灯態様を示す。図46(e)は演出ボタン109の有効期間のタイミングおよびその長さを示す。図46(f)は演出ボタン109の操作タイミングおよび操作態様を示す。
本図の例では、一つ手前の図柄変動も含めて3回のボタン予告演出が表示される。3回のボタン予告演出のうち一つがボタン導入演出の実行対象である「対象ボタン予告」であり、残り二つがボタン導入演出を伴わない「非対象ボタン予告」である。
まず、図46(b)にいう「手前変動」の期間(S1320)においては、ボタン予告演出が非対象ボタン予告演出として実行される(S1321)。その間、チャンスボタン画像および演出済領域675に蓄積された5個の縮小ボタン画像が表示され(S1350)、演出ボタン109は有効期間となり(S1331)、演出ボタン109のランプは青色で点灯する(S1340)。第1有効期間(S1331)となる前までは演出ボタン109は無効期間(S1330)となる。第1有効期間において演出ボタン109が操作されると(S1360)、次の演出に発展するか否かを煽る分岐演出が表示される(S1322)。演出済領域675における5個のボタン画像のうち左端の最古のボタン画像が消去され、残り4個のボタン画像が左に1コマずつ移動し、青色のチャンスボタン画像の縮小画像が演出済領域675の右端へ移動して加わる(S1351)。
次に、図46(b)にいう「当該変動」の期間(S1323)においては、新たなボタン予告演出が非対象ボタン予告演出として実行され(S1324)、通常ボタン画像および演出済領域675に蓄積された5個の縮小ボタン画像が表示され(S1352)、演出ボタン109は第2有効期間となり(S1333)、演出ボタン109のランプは白色で点灯する(S1341)。第2有効期間(S1333)と第1有効期間(S1331)の間は演出ボタン109は無効期間(S1332)である。第2有効期間において演出ボタン109が操作されると(S1361)、次の演出に発展するか否かを煽る分岐演出が表示される(S1325)。演出済領域675における5個のボタン画像のうち左端の最古のボタン画像が消去され、残り4個のボタン画像が左に1コマずつ移動し、白色の通常ボタン画像の縮小画像が演出済領域675の右端へ移動して加わる(S1353)。
次に、「当該変動」の期間(S1323)においては、2回目のボタン予告演出が対象ボタン予告演出として実行される(S1329)。ここでは赤色の大チャンスボタン画像の表示が予定されるが、大チャンスボタン画像が履歴にも残存していたため、S1329の前にボタン導入演出を実行することが決定される。ボタン導入演出として、まずキャラクター画像672を出現させ(S1326)、演出済領域675の近傍に待機させた後(S1327)、キャラクター画像672が各ボタン画像の上方を1個ずつ移動しながらいずれのボタン画像を取り出すかを選ぶ様子を表示するとともに(S1328)、近接するボタン画像の色に対応した発光色にて演出ボタン109のランプを発光し、キャラクター画像672の移動とともに演出ボタン109の発光色を切り替えていく(S1342)。キャラクター画像672が赤色の大チャンスボタン画像を選ぶ様子を表示すると、ボタン画像の決定を知らせる効果音を出力する(S1370)。S1329の期間においては、赤色の大チャンスボタン画像を表示するとともに、演出済領域675には残り4個のボタン画像が表示され、大チャンスボタン画像があった位置には空欄が表示される(S1355)。大チャンスボタン画像の近傍にはキャラクター画像672が表示される。演出ボタン109は第3有効期間となり(S1335)、演出ボタン109のランプは赤色で点灯する(S1343)。第3有効期間(S1335)と第2有効期間(S1333)の間は演出ボタン109は無効期間(S1334)である。第3有効期間において演出ボタン109が操作されると(S1362)、次の演出に発展するか否かを煽る分岐演出が表示される(S1330)。演出済領域675における5個のボタン画像のうち左端の最古のボタン画像が消去され、空欄および残り3個のボタン画像が左へ1コマずつ移動し、赤色の大チャンスボタン画像の縮小画像が演出済領域675の右端へ移動して加わる(S1356)。第3有効期間の後は無効期間となり(S1336)、図柄変動は次変動へと移行する(S1331)。なお、S1356の変形例として、空欄には所定のデフォルト値が設定されて白色のボタン画像が表示されるようにしてもよい。
第1有効期間(S1331)、第2有効期間(S1333)、第3有効期間(S1335)において、遊技者により何も操作入力がなされなかった場合でも、後続の演出を表示することとしてもよいし、後続の演出を省略し、残りの期間は代替的な演出で差し替えることとしてもよい。代替的な演出は、ボタン画像の表示はなく、演出の発展、すなわち大当り期待度が上がるような演出もない。例えば、ボタン予告演出がバトル演出で構成される場合、演出ボタン109の操作がない場合は味方キャラクタと敵キャラクタが拮抗したまま勝敗がつかないような演出が代替的な演出として表示され、そのままボタン画像ないし後続の演出が表示されることなく最終的な当否分岐演出に至る。また例えば、通常の後続の演出に代える代替的な演出として、装飾図柄を仮停止させたり、再変動させたりする演出に切り替えてもよい。
本実施例のボタン予告演出の第1の応用例として、ある期間に演出済領域675に蓄積したボタン画像の数に応じて、遊技状態に関する報知を実行するようにしてもよい。遊技状態に関する報知としては、例えば確変状態であるかどうかを明示しない潜伏確変の状態における確変有無の報知でもよい。また、150回の図柄変動を終期とする潜伏確変状態と75回の図柄変動を終期とする時短状態とがある遊技機において、時短回数が75変動目となったときにそのまま入球容易状態が継続するかどうか、すなわち確変状態にあるかどうかを「確変へ昇格するかどうか」という形で煽るような報知を実行してもよい。また、このような場合には、特別遊技の終了後の遊技状態(または特別遊技の契機となった図柄)に応じて、特別遊技終了後からの図柄変動回数が何変動目であるかに応じて1回ないし複数回特定のテーブルを参照するようにしてボタン予告演出を定期的に発生しやすくし(参照回数は遊技状態で異なるように設定される)、ボタン予告演出の発生頻度が低い場合に遊技状態に応じてボタン画像の蓄積を増やすことで遊技状態を示す期待度に近づけてもよい。入球容易状態においては保留個数が4個溜まると超短縮変動になって超短縮変動が連続することも多く、超短縮変動ではボタン演出の実行頻度が下がりやすいため、いわゆる先読み演出として実行される複数変動にまたがってセリフを掛け合うようなボタン予告演出を実行することで確変状態にあるかどうかを煽る報知における演出済ボタン画像の数を増加させるように構成してもよい。
本実施例のボタン予告演出の第2の応用例として、演出済領域675に蓄積したボタン画像の数が規定数に達した場合に強制的に大当り期待度の高いボタン画像、例えば青色のチャンスボタン画像に変化させ、次回のボタン予告演出の際に大当り期待度の高いボタン画像の表示に切り替えてもよい。ただし、切り替えられるボタン予告演出としては、リーチ中に表示するボタン予告演出などの種類またはタイミングに限定してもよい。チャンスボタン画像を用いるボタン予告演出の待機状態となった場合に所定のフラグを立て、チャンスボタン画像を用いるボタン予告演出が発生しやすい演出決定テーブルを優先的に参照するようにしてもよい。演出済領域675に蓄積したボタン画像が規定数に達した場合であって、保留内に大当り期待度の高い図柄変動や大当りに該当する図柄変動が含まれている場合、さらに大当り期待度の高いボタン画像(大チャンスボタン画像やレバー付きボタン画像など)を待機させるようにしてもよい。変形例として、ボタン予告演出の回数ではなく、ボタン予告演出ごとに獲得する演出上のポイント(高期待度ボタンの方がポイントが溜まりやすい)に応じて、特定の予告演出(例えばリーチ中における当落分岐手前のカットイン予告演出)を昇格させる仕様としてもよい。演出上のポイントは、所定のインジケーター上などで表示される特定のタイミングで演出ボタン109を押下したときに1.2倍~3倍といった、より多くのポイントを獲得できるようにしてもよい。演出上のポイントは、演出ボタン109の押下だけでなく、十字キー110などの指定された別のボタンに対する操作でさらにポイントが増えるといった仕様としてもよい。
本実施例のボタン予告演出の第3の応用例として、演出済領域675に蓄積したボタン画像の数が規定数に達した場合に所定の演出を実行するようにしてもよい。例えば、ボタン画像の種類ごとに対応するキャラクター画像を設定しておき、ボタン画像の種類別に蓄積して規定数に到達したときにそのボタン画像の種類に対応するキャラクター画像を用いた演出を実行するようにしてもよい。規定数は、ボタン画像の種類ごとに同じ数を設定してもよいし、別個の数を設定してもよい。別個の数とする場合、例えば通常ボタン画像は50個、チャンスボタン画像は20個、大チャンスボタン画像は10個、というように、大当り期待度が低く出現頻度が高い種類ほど規定数を多くしてもよい。
例えば通常ボタン画像の数が規定数に達した場合、対応するキャラクターに関する楽曲の再生、対応する特定の演出ステージへの移行、保留内にある大当りの告知、といった複数種類の演出のうち少なくともいずれかを発生させてもよい。ただし、実行中の図柄変動の演出状況によっては次変動から発生させるようにしてもよい。例えば、規定数まで溜まったタイミングが大当りの図柄変動中であった場合はいったん所定の演出の実行をキャンセルしてもよい。その場合、1回の特別遊技または特別遊技の連続(連チャン)が終了した後に、規定数より1~3少ない状態から再開してもよい(保留がある程度溜まってからでないと「保留内大当り告知」は実施できないため)。チャンスボタン画像の数が規定数に達した場合、現在の遊技設定の状態示唆を実行してもよい。大チャンスボタン画像の数が規定数に達した場合、1回きりの完全告知演出(例えば、次回の大当りの図柄変動において大チャンスボタン画像のボタン予告演出が必ず表示されることを予告する演出)を実行してもよい。
なお、演出ボタン109を連打する場合、通常ボタン画像であれば連打の回数に応じた個数や所定倍数の個数を蓄積するようにしてもよい。ただし、チャンスボタン画像や大チャンスボタン画像の場合は演出ボタン109の連打にもかかわらず所定個数(例えば1個または3個など)に固定してもよい。
<第7実施例>
本実施例について、前提技術、第1実施例、第2実施例、第3実施例、第4実施例、第5実施例、および第6実施例と相違する点を中心に以下説明し、共通する点の説明を省略する。
本実施例においては、所定種類の予告演出パターン(以下、「特殊演出パターン」という)が選択された場合に、演出ボタン109の外観を模した操作手段画像としてのボタン画像を画面に表示して遊技者に操作入力を促す予告演出(以下、「ボタン予告演出」という)を表示する。そのボタン予告演出では、操作入力の有効期間内に操作手段の操作があった場合に所定の演出を実行し得るとともに、その有効期間の経過を示すインジケーターがボタン画像の近傍に表示される。ボタン画像として、複数の表示態様、例えば色、模様、形状などの態様が異なる複数種類のボタン画像が用意され、いずれの色、模様、形状のボタン画像が表示されるかによって示唆する大当り期待度の高さが異なる。本実施例におけるボタン予告演出は、ボタン画像の表示中における所定の有効期間に遊技者が演出ボタン109を押下すると当否分岐演出やリーチ演出などの所定の演出が実行され得ることを前提とする。ここでいう「所定の演出」は、各種のリーチ演出であってもよいし、コメント予告等の別の予告演出であってもよい。また「ボタン予告演出」は、第1~6実施例に示されるボタン画像を用いた各種演出のいずれであってもよい。
演出決定手段303は、特殊演出パターンに対応する変動時間の変動パターンおよび変動演出パターンが選択された場合に、複数種類の特殊演出パターンからいずれかを抽選で選択し得る。演出決定手段303は、特殊演出パターンを選択した場合、ボタン予告演出の表示有無、表示回数、表示タイミング、ボタン画像の種類等を決定する。
図47は、第7実施例におけるボタン予告演出の画面例を模式的に示す。図47(a)は標準的なインジケーターの表示態様を示す。原則として通常時は図示するような態様の標準インジケーターで演出ボタン109の有効期間の経過を示す。標準インジケーターは横棒状のインジケーターであり、右から左の方向でインジケーター(メーター表示やゲージ表示)の示す量が減少する様子を表示することで有効期間の経過を表現する。ここで、本実施例のボタン予告演出の実行が決定された場合であって、相対的に大当り期待度が高い演出を表示する場合に、その大当り期待度の高さを示唆するために通常より有効期間を長く設定するとともに、以下の表示態様が異なる8通りの特殊なインジケーターのいずれかによって有効期間の経過を表現する。ボタン画像の種類だけでなく、特殊なインジケーターの表示態様によっても副次的に大当り期待度の高さを示唆することができる。なお、変形例としては、有効期間を通常より長くすることなく、以下の8通りの特殊なインジケーターによって大当り期待度の高さを示唆してもよい。
図47(b)はインジケーターの第1特殊例を模式的に示す。第1特殊例におけるインジケーターは図47(a)の標準インジケーターより長い横棒状のインジケーターであり、その長さによって有効期間が通常より長いこと、ないし、大当り期待度が高いことを示唆する。また、大当り期待度の段階数に応じて有効期間の長さを変え、その段階数ないし有効期間の長さに応じて第1特殊例のインジケーターの長さも変えてよい。なお、第1特殊例のインジケーターは標準インジケーターより長いが、そのインジケーターが示す値の減り方(または増え方)の速度は標準インジケーターと同じであるため、インジケーターが長いほど有効期間も長いことを示すことができる。
図47(c)はインジケーターの第2特殊例を模式的に示す。第2特殊例におけるインジケーターは図47(a)の標準インジケーターより太い横棒状のインジケーターであり、その太さによって有効期間が通常より長いこと、ないし、大当り期待度が高いことを示唆する。また、大当り期待度の段階数に応じて有効期間の長さを変え、その段階数ないし有効期間の長さに応じて第2特殊例のインジケーターの太さも変えてよい。なお、第2特殊例のインジケーターは標準インジケーターより太い分、そのインジケーターが示す値の減り方(または増え方)の速度が標準インジケーターより遅くなることで、インジケーターが太いほど有効期間が長いことを示すことができる。
図47(d)はインジケーターの第3特殊例を模式的に示す。第3特殊例におけるインジケーターは図47(a)の標準インジケーターより本数が多い横棒状のインジケーターであり、その本数の多さによって有効期間が通常より長いこと、ないし、大当り期待度が高いことを示唆する。また、大当り期待度の段階数に応じて有効期間の長さを変え、その段階数ないし有効期間の長さに応じて第3特殊例のインジケーターの本数も変えてよい。なお、第3特殊例のインジケーターは標準インジケーターより多い分、そのインジケーターが示す値の減り方(または増え方)の速度が標準インジケーターより遅くなることで、インジケーターが多いほど有効期間が長いことを示すことができる。なお、インジケーターの本数を増やす演出として、手前の図柄変動ないしボタン予告演出においてインジケーターを蓄積(ストック)する演出を実行してもよい。
図47(e)はインジケーターの第4特殊例を模式的に示す。第4特殊例におけるインジケーターは図47(a)の標準インジケーターと異なる色の横棒状のインジケーターであり、その色の違いによって有効期間が通常より長いこと、ないし、大当り期待度が高いことを示唆する。また、大当り期待度の段階数に応じて有効期間の長さを変え、その段階数ないし有効期間の長さに応じて第4特殊例のインジケーターの色も変えてよい。さらに、遊技者が演出ボタン109を長押しする期間の長さや連打回数に応じてインジケーターの残り時間を示す部分の色を変化させてもよい。あるいは、遊技者が演出ボタン109を長押しする期間の長さや連打回数に応じてインジケーターの経過済み時間を示す部分の色を変化させてもよい。色の変化としては、例えば青色、緑色、黄色、赤色の順に変化してもよく、色の変化が進むほど有効期間が長いことを意味し、その分、より大当り期待度の高いことを示唆する色に到達する可能性が高まる。また、色の数が多いほど、あるいは色の変化幅が広いほど変化に時間がかかるため、その分、有効期間が長いことを示すことができる。
図48は、第7実施例におけるボタン予告演出の画面例を模式的に示す。図48(a)はインジケーターの第5特殊例を模式的に示す。第5特殊例におけるインジケーターもまた図47(a)の標準インジケーターと異なる色の横棒状のインジケーターであり、その色の違いによって有効期間が通常より長いこと、ないし、大当り期待度が高いことを示唆する。ただし、第4特殊例とは色の変化が逆順であり、例えば赤色、黄色、緑色、青色の順、すなわち大当り期待度が高い色から低い色に変化していく。インジケーターの経過済み時間を示す部分の色をそのような順序で変化させる。大当り期待度の段階数に応じて有効期間の長さを変え、その段階数ないし有効期間の長さに応じて第5特殊例のインジケーターの色も変えてよい。さらに、遊技者が演出ボタン109を長押しする期間の長さや連打回数に応じてインジケーターの経過済み時間を示す部分の色を変化させてもよい。色の数が多いほど、あるいは色の変化幅が広いほど変化に時間がかかるため、その分、有効期間が長いことを示すことができる。
図48(b)はインジケーターの第6特殊例を模式的に示す。第6特殊例は第3特殊例の変形例である。第6特殊例におけるインジケーターは図47(a)の標準インジケーターより本数が多い横棒状のインジケーターであり、その本数の多さによって有効期間が通常より長いこと、ないし、大当り期待度が高いことを示唆する。ただし、第3特殊例と異なり、インジケーターの本数を「×3」といった数字で示し、同時に表示するインジケーターの本数は1つである。例えば「×3」といった数字でインジケーターが3本あることを示す場合、インジケーター1本分を消化するたびに数字を減らす。また、大当り期待度の段階数に応じて有効期間の長さを変え、その段階数ないし有効期間の長さに応じて第6特殊例のインジケーターの本数も変えてよい。なお、第6特殊例のインジケーターは標準インジケーターより多い分、そのインジケーターが示す値の減り方(または増え方)の速度が標準インジケーターより遅くなることで、インジケーターが多いほど有効期間が長いことを示すことができる。なお、インジケーターの本数を増やす演出として、手前の図柄変動ないしボタン予告演出においてインジケーターを蓄積(ストック)する演出を実行してもよい。
図48(c)はインジケーターの第7特殊例を模式的に示す。第7特殊例におけるインジケーターは図47(a)の標準インジケーターとは異なる方向で増減する横棒状のインジケーターであり、その方向によって有効期間が通常より長いこと、ないし、大当り期待度が高いことを示唆する。標準インジケーターでは右から左へインジケーターの示す値が減少するのに対し、第7特殊例のインジケーターは左から右へインジケーターの示す値が減少する。
図48(d)はインジケーターの第8特殊例を模式的に示す。第8特殊例におけるインジケーターは図47(a)の標準インジケーターより消化時間が長い横棒状のインジケーターであり、その消化時間の長さによって有効期間が通常より長いこと、ないし、大当り期待度が高いことを示唆する。ただし、インジケーター自体は標準インジケーターと同等の外観を持ち、遊技者が演出ボタン109を押下しないままインジケーターが消化し終わると折り返す(あるいは反転する)ように逆方向にインジケーターの消化が始まるようになっている。また、大当り期待度の段階数に応じて有効期間の長さを変え、その段階数ないし有効期間の長さに応じて第8特殊例のインジケーターの折返し(あるいは反転)可能回数も変えてよい。なお、第8特殊例のインジケーターは標準インジケーターより消化時間が長い分、そのインジケーターが示す値の減り方(または増え方)の速度が標準インジケーターより遅くなることで、インジケーターの消化時間が長いほど有効期間が長いことを示すことができる。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例はあくまで例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。例えば、変形例においては、本発明をスロットマシン、じゃん球遊技機、その他の遊技機に適用してもよい。
上記の第1実施例においては、操作状況を数字、文字、インジケーターなどで表示する例を説明した。変形例においては、図形等で構成される複数のオブジェクト(オブジェクトは操作回数1回につき1個のオブジェクトを対応させてもよいし、色や形状を異ならせてオブジェクト表示の態様ごとに操作回数を異ならせてもよい)が指す操作回数が増加する形または残り回数が減少する形で操作状況を表示するようにしてもよい。
なお、実施例および変形例に記載の技術は、以下の態様によって特定されてもよい。
[第1態様]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が抽選の契機となる始動入賞口と、
前記始動入賞口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するための抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
前記当否判定の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
前記当否判定の結果に応じて前記図柄表示装置へ停止表示させる図柄を決定する図柄決定手段と、
図柄の変動表示過程が定められた複数種の変動パターンからいずれかを抽選で選択する変動パターン決定手段と、
前記当否判定の結果が大当りであった場合に前記特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
演出内容が表示される演出表示装置と、
前記演出表示装置に表示させる演出内容を決定する演出決定手段と、
前記演出決定手段により決定された前記演出内容を前記演出表示装置に表示させる演出表示制御手段と、
遊技者による操作入力を受け付ける操作手段と、を備え、
前記演出決定手段は、所定の条件を満たした場合に、前記演出内容として特殊演出パターンに基づく演出の実行を決定し、
前記特殊演出パターンには、複数の演出段階にわたって発展し得る演出過程が定められるとともに、前記複数の演出段階のそれぞれにおいて、前記操作手段を示す画像である複数種類の操作手段画像のうちいずれを表示するかを定めた表示態様パターン、および、前記操作手段画像の種類ごとに次の演出への発展あるいは前記特殊演出パターンの演出結果を報知するために満たすべき前記操作手段に対する操作態様の条件が定められ、
前記演出表示制御手段は、前記特殊演出パターンに基づく演出の実行が決定された場合、前記複数の演出段階のそれぞれにおいて所定位置に前記表示態様パターンにて定められた種類の操作手段画像を表示させるとともに、前記表示する操作手段画像の対応箇所に前記操作態様の条件に定められた内容を示唆する表示をさせ、実行中の前記特殊演出パターンの演出段階が次の演出へ発展し得ることが定められている場合であって、遊技者による前記操作手段の操作入力が前記操作態様の条件を満たす場合は、次の演出への発展を表示させるとともに前記操作手段画像の種類をより大当り期待度の高い種類に変化させ得ることを特徴とする弾球遊技機。
本実施例における「特殊演出パターン」は、三つの図柄があと一つですべて同じ図柄で揃うリーチ状態の成立を伴う変動演出パターンであってよく、その演出パターンとして複数種類の演出パターンが用意される。「複数の演出段階」としては、一つの変動演出パターンに、例えば第1演出段階から第3演出段階まで発展し得る演出が定められるとともに、次の演出への発展により大当り期待度の上昇を示唆し、発展する段階数が多いほど大当り期待度が高いことを示唆するように定められる。複数種類の特殊演出パターンには、第2演出段階までの発展が定められた特殊演出パターンや、第2演出段階以降には発展しないことが定められた特殊演出パターンも含まれる。ただし、変形例として、第1演出段階から第3演出段階まで発展する演出過程が定められた特殊演出パターンで共通化した上で、第3演出段階には発展せずに第3演出段階の部分を他の演出で差し替える制御や第2演出段階にも発展せずに第2演出段階以降の部分を他の演出で差し替える制御をするようにしてもよい。「操作手段画像」は、操作手段(例えば演出ボタン109やレバー付きボタン)の外観が描かれたボタン画像であってよい。ボタン画像は、例えば色や柄、大きさ、形状などの表示態様の種類によって大当り期待度の高さが異なる。例えば、白色のボタン画像、青色のボタン画像、赤色のボタン画像、レバー付きボタン画像の順に大当り期待度が高くなるよう定められてよい。「操作態様の条件」は、例えば演出ボタン109の操作回数や連続操作時間などの操作量の形で定められてよく、操作手段画像の種類ごとに大当り期待度が高い種類ほど操作量が多くなるように定められてもよい。ただし、例外的に少ない操作量、例えば「押下1回」といった最少の操作量で「操作態様の条件」を満たす機会をアットランダムに低頻度で付与する場合がある仕様としてもよい。また、「操作態様の条件」として、演出ボタン109の操作を有効に受け付ける有効期間の長さがさらに定められるとともに、遊技者に要求する操作量の多さに応じて有効期間の長さも異なる時間が定められてもよい。「操作手段画像の対応箇所」は、操作手段画像との対応関係が外観上把握しやすい近傍位置であって、操作手段画像の周囲いずれかの方向に隣接する近傍領域であってよい。「操作態様の条件に定められた内容を示唆する表示」は、例えば操作態様の条件である操作量の状況および有効期間の状況のうち少なくともいずれかを示唆する情報を表示するものであってよい。
この態様によると、遊技者にボタン操作させる意欲を効果的に高められるとともに、多様な操作で飽きさせないようにして興趣を高めた斬新なボタン演出を実現することができる。
[第2態様]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が抽選の契機となる始動入賞口と、
前記始動入賞口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するための抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
前記当否判定の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
前記当否判定の結果に応じて前記図柄表示装置へ停止表示させる図柄を決定する図柄決定手段と、
図柄の変動表示過程が定められた複数種の変動パターンからいずれかを抽選で選択する変動パターン決定手段と、
前記当否判定の結果が大当りであった場合に前記特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
演出内容が表示される演出表示装置と、
前記演出表示装置に表示させる演出内容を決定する演出決定手段と、
前記演出決定手段により決定された前記演出内容を前記演出表示装置に表示させる演出表示制御手段と、
遊技者による操作入力を受け付ける操作手段と、を備え、
前記演出決定手段は、前記演出内容として特殊演出パターンに基づく演出の実行を決定可能であり、
前記特殊演出パターンには、それぞれ大当り期待度の高さを示唆する画像であって前記操作手段を示す画像である複数種類の操作手段画像のうちいずれかを表示させた後、遊技者による前記操作手段の操作に応じて所定の通常予告演出を表示する演出過程が定められた第1の特殊演出パターンと、前記操作手段画像と態様が共通する第1の操作手段画像を表示させた後、その第1の操作手段画像を、遊技者による前記操作手段の操作に応じて前記第1の操作手段画像より高いレベルの大当り期待度を示唆する種類である第2の操作手段画像に切り替えることが定められた第2の特殊演出パターンと、が含まれ、
前記演出表示制御手段は、前記第1の特殊演出パターンに基づく演出の実行が決定された場合は、いずれかの種類の操作手段画像を表示させた後、遊技者による前記操作手段の操作に応じて前記通常予告演出を表示し、前記第2の特殊演出パターンに基づく演出の実行が決定された場合は、所定位置に前記第1の操作手段画像を表示させた後、遊技者による前記操作手段の操作に応じて前記第1の操作手段画像を前記第2の操作手段画像に切り替え、前記第2の操作手段画像を画面の所定位置に待機させて後続の演出へ据え置くとともに、その待機させた前記第2の操作手段画像を用いた後続の演出を実行することを特徴とする弾球遊技機。
本態様における「特殊演出パターン」は、3つの図柄のうち2つが同じ画像で揃った状態であってあと一つですべて同じ図柄で揃うリーチ状態の成立を伴う変動演出パターンでってよく、その演出パターンとして複数種類の演出パターンが用意される。「操作手段画像」は、操作手段(例えば演出ボタン109やレバー付きボタン)の外観が描かれたボタン画像であってよい。ボタン画像は、例えば色や柄、大きさ、形状などの表示態様の種類によって大当り期待度の高さが異なる。例えば、白色のボタン画像、青色のボタン画像、赤色のボタン画像、レバー付きボタン画像の順に大当り期待度が高くなるよう定められてよい。「前記操作手段画像と態様が共通する画像」は、「前記操作手段画像」と同じ画像であってよいし、同じ画像と一部の要素を除いて態様が同じである画像であってもよい。すなわち、遊技者が一見して違いが分からない程度に外観が同等である画像を指す。「後続の演出」は、「通常予告演出」より大当り期待度が高いことを示唆する演出であってよい。また「後続の演出」は、「第2の特殊演出パターン」の中に定められた、操作手段画像の切り替え直後に実行される演出であってもよいし、「第2の特殊演出パターン」に基づく演出の終了後に実行される演出であってもよいし、さらに1回または複数回の図柄変動演出を挟んだ後に実行される演出であってもよい。「第2の操作手段画像」の「待機」は、「第2の操作手段画像」の態様を維持したまま画面の隅などに移動させることであってもよいし、「第2の操作手段画像」の大きさを縮小して画面の隅などに移動させることであってもよいし、「第2の操作手段画像」の種類を昇格した上で、移動せずに「LOCK」の文字を表示したり、「鎖」を巻き付けて「HOLD」の文字を表示したりしてその場に固定(保持)することであってもよい。「第2の特殊演出パターン」には、操作手段の操作に応じて「通常予告演出」を表示させた後に「第2の操作手段画像」へ切り替えるよう定められてもよいし、操作手段の操作に応じて「通常予告演出」を表示させずに「第2の操作手段画像」へ切り替えるよう定められてもよい。「第1の特殊演出パターン」および「第2の特殊演出パターン」のいずれにおいても、遊技者により操作手段の操作がなかった場合は、「通常予告演出」や操作手段画像の切り替えは表示されないように制御してよい。
本態様によると、遊技者にボタン操作させる意欲を効果的に高められるとともに、ボタン画像を待機させる演出に予告の役割を持たせて興趣を高めた斬新なボタン演出を実現することができる。
[第3態様]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が抽選の契機となる始動入賞口と、
前記始動入賞口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するための抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
前記当否判定の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
前記当否判定の結果に応じて前記図柄表示装置へ停止表示させる図柄を決定する図柄決定手段と、
図柄の変動表示過程が定められた複数種の変動パターンからいずれかを抽選で選択する変動パターン決定手段と、
前記当否判定の結果が大当りであった場合に前記特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
演出内容が表示される演出表示装置と、
前記演出表示装置に表示させる演出内容を決定する演出決定手段と、
前記演出決定手段により決定された前記演出内容を前記演出表示装置に表示させる演出表示制御手段と、
遊技者による操作入力を受け付ける操作手段と、を備え、
前記演出決定手段は、所定の条件を満たした場合に、前記演出内容として特殊演出パターンに基づく演出の実行を決定し、
前記特殊演出パターンには、それぞれ大当り期待度の高さを示唆する画像であって前記操作手段を示す画像である複数種類の操作手段画像のうちいずれかを表示させた後、遊技者により前記操作手段に対して第1の操作態様がなされた場合は所定の通常予告演出を表示する演出過程が定められ、前記表示させる操作手段画像が所定種類であった場合であって遊技者により前記操作手段に対して前記第1の操作態様と異なる第2の操作態様がなされた場合は前記操作手段画像を画面の所定位置に退避させて後続の演出へ据え置くとともに、その退避させた前記操作手段画像を用いた後続の演出を実行することが定められ、
前記演出表示制御手段は、前記特殊演出パターンに基づく演出の実行が決定された場合は、いずれかの種類の操作手段画像を表示させた後、遊技者による前記操作手段の操作が前記第1の操作態様であれば前記通常予告演出を表示し、遊技者による前記操作手段の操作が前記第2の操作態様であれば前記操作手段画像を画面の所定位置に退避させて後続の演出へ据え置くとともに、その退避させた前記操作手段画像を用いた後続の演出を実行することを特徴とする弾球遊技機。
本態様における「特殊演出パターン」は、3つの図柄のうち2つが同じ画像で揃った状態であってあと一つですべて同じ図柄で揃うリーチ状態の成立を伴う変動演出パターンであってよく、その演出パターンとして複数種類の演出パターンが用意される。「操作手段画像」は、操作手段(例えば演出ボタン109やレバー付きボタン)の外観が描かれたボタン画像であってよい。ボタン画像は、例えば色や柄、大きさ、形状などの表示態様の種類によって大当り期待度の高さが異なる。例えば、白色のボタン画像、青色のボタン画像、赤色のボタン画像、レバー付きボタン画像の順に大当り期待度が高くなるよう定められてよい。「操作態様」は、操作手段の操作回数や操作時間などの操作量の態様であってもよい。「後続の演出」は、「通常予告演出」より大当り期待度が高いことを示唆する演出であってよい。また「後続の演出」は、「第2の特殊演出パターン」の中に定められた、操作手段画像の切り替え直後に実行される演出であってもよいし、「第2の特殊演出パターン」に基づく演出の終了後に実行される演出であってもよいし、さらに1回または複数回の図柄変動演出を挟んだ後に実行される演出であってもよい。「操作手段画像」の「退避」は、「操作手段画像」の態様を維持したまま画面の隅などに移動させることであってもよいし、「操作手段画像」の大きさを縮小して画面の隅などに移動させることであってもよい。遊技者により操作手段の操作がなかった場合は、「通常予告演出」や操作手段画像の切り替えは表示されないように制御してよい。
本態様によると、遊技者にボタン操作させる意欲を効果的に高められるとともに、ボタン画像を遊技者の任意で後の演出までストックできる演出により興趣を高めた斬新なボタン演出を実現することができる。
[第4態様]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が抽選の契機となる始動入賞口と、
前記始動入賞口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するための抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
前記当否判定の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
前記当否判定の結果に応じて前記図柄表示装置へ停止表示させる図柄を決定する図柄決定手段と、
図柄の変動表示過程が定められた複数種の変動パターンからいずれかを抽選で選択する変動パターン決定手段と、
前記当否判定の結果が大当りであった場合に前記特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
演出内容が表示される演出表示装置と、
前記演出表示装置に表示させる演出内容を決定する演出決定手段と、
前記演出決定手段により決定された前記演出内容を前記演出表示装置に表示させる演出表示制御手段と、
遊技者による操作入力を受け付ける操作手段と、を備え、
前記演出決定手段は、所定の特殊演出条件を満たした場合に、前記演出内容として特殊演出パターンに基づく演出の実行を決定し、
前記特殊演出パターンには、前記操作手段を示す画像であって前記操作手段の操作があったときに所定の予告演出画像に切り替わり得る画像である、それぞれ大当り期待度の高さを示唆する複数種類の操作手段画像のうちいずれかを表示させ、所定の演出展開条件が満たされるたびに前記表示されている操作手段画像の数を増殖させて複数の操作手段画像を表示し、その複数の操作手段画像はそれぞれ大当り期待度の高さを示唆するとともに少なくともいずれかの操作手段画像が相対的に高い大当り期待度を示唆する複数種類の操作手段画像を含み得るものであってそれぞれ個別の予告演出画像に切り替わることが定められ、
前記演出表示制御手段は、前記特殊演出パターンに基づく演出の実行が決定された場合は、いずれかの種類の操作手段画像を表示させ、前記演出展開条件が満たされるたびに前記表示されている操作手段画像の数を増殖させて複数の操作手段画像を表示し、前記操作手段の操作があれば前記表示されている一つまたは複数の操作手段画像を個別の予告演出画像に切り替わる演出を実行することを特徴とする弾球遊技機。
「特殊演出条件」は、演出パターンとして特殊演出パターンが選択されるための条件であってよく、特殊演出パターンの演出時間に対応する変動時間を持つ変動パターンが選択されていることを条件の一つとしてもよいし、演出を決定する抽選での当選を条件の一つとしてもよい。「特殊演出パターン」は、三つの図柄があと一つですべて同じ図柄で揃うリーチ状態の成立を伴う変動演出パターンであってよく、その演出パターンとして複数種類の演出パターンが用意される。「操作手段画像」は、操作手段(例えば演出ボタン109やレバー付きボタン)の外観が描かれたボタン画像であってよい。ボタン画像は、例えば色や柄、大きさ、形状などの表示態様の種類によって大当り期待度の高さが異なる。例えば、白色のボタン画像、青色のボタン画像、赤色のボタン画像、レバー付きボタン画像の順に大当り期待度が高くなるよう定められてよい。「特殊演出パターン」に基づく演出で表示される操作手段画像の初期的な表示個数は1個でも複数個でもよい。「予告演出画像」は、例えばコメント予告などの所定の予告演出として表示される画像であって、それぞれ大当り期待度の高さを示唆する複数種類の画像が用意されてよい。「予告演出画像に切り替わり」は、ボタン画像の色、形状、模様などの表示態様の変化でもよいし、操作手段画像自体を別の種類の操作手段画像に差し替えることであってもよく、さらには、表示されているボタン画像を消去するとともに背景の予告演出の表示を切り替えることであってもよい。「演出展開条件」は、操作手段画像の数を増殖させる契機となる条件であってよく、遊技者が操作手段を操作したことを条件としてもよいし、所定時間の経過や所定入球口への入球といった事象の成立を条件としてもよい。「満たされるたび」は、「演出展開条件」が複数回満たされることを前提としてもよいが、1回しか満たさない場合を含んでもよい。「増殖」は、1個の操作手段画像を分割ないし分裂させて複数個に変化させることを示してもよいし、1個または複数個の操作手段画像を追加することを示してもよい。表示された一つまたは複数の操作手段画像は、その一部または全部を画面の所定位置に退避させて後続の演出へ据え置くとともに、その退避させた操作手段画像を用いた後続の演出を実行するようにしてもよい。その場合、複数種類の操作手段画像のうち相対的に高い大当り期待度を示唆する種類の操作手段画像のみを退避させるようにしてもよい。
本態様によると、遊技者にボタン操作させる意欲を効果的に高められるとともに、増殖させるボタン画像の個数や種類により興趣を高めた斬新なボタン演出を実現することができる。
[第5態様]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が抽選の契機となる始動入賞口と、
前記始動入賞口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するための抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
前記当否判定の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
前記当否判定の結果に応じて前記図柄表示装置へ停止表示させる図柄を決定する図柄決定手段と、
図柄の変動表示過程が定められた複数種の変動パターンからいずれかを抽選で選択する変動パターン決定手段と、
前記当否判定の結果が大当りであった場合に前記特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
演出内容が表示される演出表示装置と、
前記演出表示装置に表示させる演出内容を決定する演出決定手段と、
前記演出決定手段により決定された前記演出内容を前記演出表示装置に表示させる演出表示制御手段と、
遊技者による操作入力を受け付ける操作手段と、を備え、
前記演出決定手段は、所定の条件を満たした場合に、前記演出内容として特殊演出パターンに基づく演出の実行を決定し、
前記特殊演出パターンには、前記操作手段を示す画像であって前記操作手段の操作入力の有効期間において操作があったときに所定の演出を実行し得ることを示唆する操作手段画像を用いる演出を表示させるとともに、前記操作手段の操作入力の有効期間開始に先立って前記有効期間開始までの待機時間を示唆する操作準備画像を表示させる演出が定められ、
前記演出表示制御手段は、前記特殊演出パターンに基づく演出の実行が決定された場合は、前記操作手段画像を表示させるとともに、前記有効期間開始に先立って前記操作準備画像を表示開始する演出を実行することを特徴とする弾球遊技機。
本実施例における「特殊演出パターン」は、三つの図柄があと一つですべて同じ図柄で揃うリーチ状態の成立を伴う変動演出において実行される演出パターンであってよく、その演出パターンとして複数種類の演出パターンが用意される。「操作手段画像」は、操作手段(例えば演出ボタン109やレバー付きボタン)の外観が描かれたボタン画像であってよい。ボタン画像は、例えば色や柄、大きさ、形状などの表示態様の種類によって大当り期待度の高さが異なる。例えば、白色のボタン画像、青色のボタン画像、赤色のボタン画像、レバー付きボタン画像の順に大当り期待度が高くなるよう定められてよい。ボタン画像の種類は、演出の途中で大当り期待度が相対的に高い種類に昇格する形で差し替えてもよいし、ボタン画像には所定のキャラクター画像を付随させた上でそのキャラクター画像を用いてボタン画像の差替演出を実行してもよい。「待機時間」は、操作手段の操作入力の有効期間開始までの所要時間であってもよいし、その有効期間開始前後に設定される所定の時間的ポイントまでの時間を示してもよい。その時間的ポイントは、例えば操作手段の操作入力の有効期間が開始されることを示す音声の出力タイミングやランプの点灯タイミングといった所定の事象のタイミングであってもよい。また、「待機時間」は実際に計時される時間ではなく、演出上表示される見かけの時間であってもよい。
本態様によると、遊技者にボタン操作させる意欲を効果的に高められるとともに、ボタン操作の有効期間開始に先立ってタイマーで予告する演出により興趣を高めた斬新なボタン演出を実現することができる。
[第6態様]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が抽選の契機となる始動入賞口と、
前記始動入賞口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するための抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
前記当否判定の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
前記当否判定の結果に応じて前記図柄表示装置へ停止表示させる図柄を決定する図柄決定手段と、
図柄の変動表示過程が定められた複数種の変動パターンからいずれかを抽選で選択する変動パターン決定手段と、
前記当否判定の結果が大当りであった場合に前記特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
演出内容が表示される演出表示装置と、
前記演出表示装置に表示させる演出内容を決定する演出決定手段と、
前記演出決定手段により決定された前記演出内容を前記演出表示装置に表示させる演出表示制御手段と、
遊技者による操作入力を受け付ける操作手段と、を備え、
前記演出決定手段は、所定の特殊演出条件を満たした場合に、前記演出内容として特殊演出パターンに基づく演出の実行を決定し、
前記特殊演出パターンには、前記操作手段を示す画像であって前記操作手段の操作入力の有効期間において操作があったときに所定の演出を実行し得ることを示唆する操作手段画像を用いる予告演出を表示させるとともに、前記有効期間内に前記操作手段の操作があった場合、前記表示されていた操作手段画像を画面の所定位置に設けられた演出済領域へ退避させて所定限度まで蓄積させ、蓄積された1個以上の操作手段画像が後続の演出で用いられ得ることが定められ、
前記演出表示制御手段は、前記特殊演出パターンに基づく予告演出の実行が決定された場合は、前記操作手段画像とともに前記予告演出を表示させるとともに、前記有効期間内に前記操作手段の操作があった場合、前記表示されていた操作手段画像を前記演出済領域へ退避させて所定限度まで蓄積させ、所定の後続演出条件が満たされた場合に前記蓄積された1個以上の操作手段画像のうちいずれかを用いる演出を表示することを特徴とする弾球遊技機。
「特殊演出条件」は、演出パターンとして特殊演出パターンが選択されるための条件であってよく、特殊演出パターンの演出時間に対応する変動時間を持つ変動パターンが選択されていることを条件の一つとしてもよいし、演出を決定する抽選での当選を条件の一つとしてもよい。「特殊演出パターン」は、三つの図柄があと一つですべて同じ図柄で揃うリーチ状態の成立を伴う変動演出において実行される演出パターンであってよく、その演出パターンとして複数種類の演出パターンが用意されてよい。「操作手段画像」は、操作手段(例えば演出ボタン109やレバー付きボタン)の外観が描かれたボタン画像であってよい。ボタン画像は、例えば色や柄、大きさ、形状などの表示態様の種類によって大当り期待度の高さが異なる。例えば、白色のボタン画像、青色のボタン画像、赤色のボタン画像、レバー付きボタン画像の順に大当り期待度が高くなるよう定められてよい。「所定限度」は、蓄積できるボタン個数の上限であってもよいし、蓄積できる時間的な終期であってもよい。「後続の演出」は、「予告演出」より大当り期待度が高いことを示唆する演出であってよい。また「後続の演出」は、「特殊演出パターン」の中に定められた、操作手段画像の退避直後に実行される演出であってもよいし、「特殊演出パターン」に基づく演出の終了後に実行される演出であってもよいし、さらに1回または複数回の図柄変動演出を挟んだ後に実行される演出であってもよいし、あるいは演出済領域に少なくとも一つの操作手段画像が表示されている間に実行される演出であればよい。「操作手段画像」の「退避」は、「操作手段画像」の態様を維持したまま画面の隅などに移動させることであってもよいし、「操作手段画像」の大きさを縮小して画面の隅などに移動させることであってもよい。「演出済領域」への蓄積は、所定個数を上限としてもよく、操作手段画像が上限まで蓄積されている場合にあらたな操作手段画像の退避が発生した場合は、蓄積されている複数個の操作手段画像のうち最古の蓄積画像を除去してからあらたな画像を蓄積画像に加えることとしてもよい。「前記有効期間内に前記操作手段の操作があった場合、」としているが、有効期間内に適切な操作がなされなかった場合にも演出済領域に操作手段画像を蓄積できるようにしてもよい。
本態様によると、遊技者にボタン操作させる意欲を効果的に高められるとともに、演出済のボタン画像を蓄積する演出により興趣を高めた斬新なボタン演出を実現することができる。
[第7態様]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が抽選の契機となる始動入賞口と、
前記始動入賞口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するための抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
前記当否判定の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
前記当否判定の結果に応じて前記図柄表示装置へ停止表示させる図柄を決定する図柄決定手段と、
図柄の変動表示過程が定められた複数種の変動パターンからいずれかを抽選で選択する変動パターン決定手段と、
前記当否判定の結果が大当りであった場合に前記特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
演出内容が表示される演出表示装置と、
前記演出表示装置に表示させる演出内容を決定する演出決定手段と、
前記演出決定手段により決定された前記演出内容を前記演出表示装置に表示させる演出表示制御手段と、
遊技者による操作入力を受け付ける操作手段と、を備え、
前記演出決定手段は、所定の条件を満たした場合に、前記演出内容として特殊演出パターンに基づく演出の実行を決定し、
前記特殊演出パターンには、前記操作手段を示す画像であって前記操作手段の操作入力の有効期間において操作があったときに所定の演出を実行し得ることを示唆する操作手段画像を用いる予告演出を表示させるとともに、前記予告演出において前記有効期間の経過を示すためのインジケーターを、大当り期待度の高さに応じた表示態様にて画面に表示させることが定められ、
前記演出表示制御手段は、前記特殊演出パターンに基づく予告演出の実行が決定された場合に前記操作手段画像とともに前記予告演出を表示させ、前記予告演出において前記有効期間の経過を示すためのインジケーターを画面に表示させるとともにそのインジケーターによる前記有効期間の経過の表示態様によって大当り期待度の高さを示唆することを特徴とする弾球遊技機。
「有効期間の経過」は、有効期間の経過時間を指してもよいし、有効期間終了までの残り時間を指してもよい。「インジケーター」は、「有効期間の経過」として所定の指標物で示す値がアナログ的ないし連続的な値として増減するように表示してもよいし、所定の指標物で示す値がデジタル的ないし離散的に所定の目盛り単位で増減するように表示してもよい。「表示態様」は、「インジケーター」としての所定の指標物の長さ、太さ、数、色、模様、形状、増減方向、増減速度、増減単位、およびこれらの変化の仕方などであってよい。
本態様によると、遊技者にボタン操作させる意欲を効果的に高められるとともに、ボタン操作の有効期間の表示態様を通常とは異なる態様とすることにより興趣を高めた斬新なボタン演出を実現することができる。