JP2015113705A - エンジンの冷却構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポート間において燃焼室上部に対応するシリンダヘッド底壁の冷却性能を十分に確保することができるエンジンの冷却構造を提供することを目的とする。
【解決手段】シリンダヘッド4は、エンジン2のシリンダ列方向に冷却水の主流を流すように構成されたヘッド側ウォータジャケット60を有し、該ヘッド側ウォータジャケット60には、1気筒に対して2つ設けられる排気ポート72、72間に、幅方向外側(排気側)から上記主流に向かって冷却水を流すようにポート間冷却流路65を形成し、幅方向外側(排気側)からの冷却水をポート間冷却流路65上部に指向させて流す第1の冷却水指向手段としての内側案内面60f、上面60gと、上記主流からの冷却水をポート間冷却流路65上部に対向させて流す第2の冷却水指向手段としての下面60hを備えている。
【選択図】図11

Description

この発明は、複数の気筒を列状に有するエンジンにおいて、該エンジンが、シリンダブロックとシリンダヘッドとを備え、該シリンダヘッドが、上記エンジンのシリンダ列方向に冷却水の主流を流すように構成されたウォータジャケットを有するエンジンの冷却構造に関する。
従来、エンジンのシリンダヘッドの冷却を行うために、シリンダヘッド内部に形成されたウォータジャケットに冷却水を流してこれを循環させることが行われている。
下記特許文献1では、上述したようなウォータジャケットを有するシリンダヘッドにおいて、吸排気ポートのポート間の隙間に十分に冷却水を流すため、ポート壁部に突出部(リブ)を設けることが開示されている。
特開2004−225582号公報
ところで、上記特許文献1に開示されたエンジンの冷却構造は、ポート壁部に設けた突出部(リブ)によって吸排気ポートのポート間の隙間に流れる冷却水の流量を確保することができるようになってはいるが、ポート間の隙間自体が狭く、燃焼室上部に対応するシリンダヘッド底壁の冷却性能の確保という観点から見ると、十分な冷却性能が得られないという問題があった。
特に、ディーゼルエンジンにおいては、燃焼室上部が略平坦で吸排気バルブが略直立に設けられることから、幅方向中間部(シリンダ列方向と直交する方向の中間部)のウォータジャケットが狭く、主流の流れが制約を受けることになる。このため、燃焼室上部に対応するシリンダヘッド底壁において十分な冷却性能が得られない傾向が顕著となる。
この発明は、ポート間において燃焼室上部に対応するシリンダヘッド底壁の冷却性能を十分に確保することができるエンジンの冷却構造を提供することを目的とする。
この発明のエンジンの冷却構造は、複数の気筒を列状に有するエンジンにおいて、該エンジンが、シリンダブロックとシリンダヘッドとを備え、該シリンダヘッドは、上記エンジンのシリンダ列方向に冷却水の主流を流すように構成されたウォータジャケットを有し、該ウォータジャケットには、1気筒に対して2つ設けられるポート間に、上記シリンダ列方向と直交する幅方向外側から上記主流に向かって冷却水を流すようにポート間冷却流路を形成し、上記シリンダヘッドの幅方向外側からの冷却水を上記ポート間冷却流路上部に指向させて流す第1の冷却水指向手段と、上記主流からの冷却水を上記ポート間冷却流路上部に対向させて流す第2の冷却水指向手段とを備えたものである。
この構成によれば、ポート間冷却流路の幅方向外側からの冷却水と上記主流との衝突により、上下方向の旋回流が発生し、この上下方向の旋回流によって、比較的高温となる燃焼室上部に対応するシリンダヘッドの底壁を充分に冷却することができる。このため、ポート間において燃焼室上部に対応するシリンダヘッドの底壁の冷却性能を充分に確保することができる。
この発明の一実施態様においては、上記ポート間冷却流路の上面が、幅方向外側から内側に向かって上方に傾斜しており、上記第1の冷却水指向手段を、上記ポート間冷却流路の上面により構成したものである。
この構成によれば、冷却水をポート間冷却流路の上面に沿って上方かつ幅方向内側に確実に案内することができる。
この発明の一実施態様においては、上記シリンダブロックと上記シリンダヘッドとの間にガスケットを設けると共に、該ガスケットには、幅方向外側からの冷却水を供給するためのガスケット孔を形成し、該ガスケット孔を、上記ポート間冷却流路の内面に対して幅方向の外側寄りにオフセット配置したものである。
この構成によれば、幅方向外側で冷却水の流れに乱れが生じることを抑制でき、ガスケット孔から供給される冷却水を、効率よく上方に案内することができる。

この発明の一実施態様においては、上記シリンダブロックと上記シリンダヘッドとの間にガスケットを設けると共に、該ガスケットには、幅方向外側からの冷却水を供給するためのガスケット孔を形成し、該ガスケット孔の孔径を、上記第2の冷却水指向手段により上記ポート間冷却流路上部に対向するように流れる冷却水の流れに応じて設定したものである。
この構成によれば、各気筒では、ガスケット孔の位置や、各気筒における冷却水の温度、及びウォータジャケットの形状等の諸要因により、上記主流の流れ(詳しくは、主流の流れ方向及び流量)が異なることになるが、ガスケット孔の孔径を上記主流の流れに応じて適宜調整することにより、いずれの気筒においても、燃焼室上部に対応するシリンダヘッドの底壁を上記旋回流によって充分に冷却することができる。つまり、気筒間における冷却性能のバラツキを抑制することができる。
この発明の一実施態様においては、上記シリンダヘッドの幅方向外側に、冷却水を幅方向内側に案内する内側案内面を設けたものである。
この構成によれば、シリンダヘッドの幅方向外側から供給される冷却水を、幅方向内側に向かって確実に案内することができる。
この発明の一実施態様においては、隣接する上記気筒間には、幅方向の中間部に、上記シリンダヘッドと上記シリンダブロックとを締結するためのヘッドボルトを設けると共に、上記内側案内面をU字状に形成したものである。
この構成によれば、ヘッドボルトの軸力を、内側案内面の壁部を介してシリンダヘッド下面に効率的に伝達させることができる。これにより、シリンダブロックとシリンダヘッドを締結した際のシール性を向上させることができ、各気筒の燃焼室からの燃焼ガスの漏出や、ウォータジャケットからの冷却水の漏出等を確実に防止できる。
この発明の一実施態様においては、上記主流の流れを上方に指向させる上方案内面を、上記ウォータジャケットの内面に設け、上記第2の冷却水指向手段を、上記上方案内面により構成したものである。
この構成によれば、上記主流を、ポート間冷却流路の上部に効果的に対向させることができ、ポート間冷却流路の幅方向外側からの冷却水と上記主流とをより確実に衝突させることができる。
この発明の一実施態様においては、上記冷却水をシリンダ列方向端部の気筒側から上記シリンダブロックのウォータジャケットに流入させて、上記シリンダヘッドの上記ウォータジャケットの上記シリンダ列方向端部の気筒側に案内し、上記シリンダブロックの上記ウォータジャケットを流れる冷却水を暖機時に制限する制御手段を備えたものである。
この構成によれば、上記制御手段による冷却水の制限によってエンジンの暖機を促進しつつ、上記シリンダ列方向端部の気筒側からシリンダ列方向に冷却水を流す場合における冷却不足を解消することができる。
この発明によれば、上下方向の旋回流が発生し、この上下方向の旋回流によって、比較的高温となる燃焼室上部に対応するシリンダヘッドの底壁を充分に冷却することができる。このため、ポート間において燃焼室上部に対応するシリンダヘッドの底壁の冷却性能を充分に確保することができる。
本発明の実施形態に係るエンジン冷却装置の概略構成を示すブロック図。 同冷却装置のシリンダブロックの分解斜視図。 ガスケットを示す平面図。 シリンダヘッドの平面図。 ヘッド側ウォータジャケットを燃焼室側から見た底面図。 シリンダヘッド4の要部拡大断面図。 図4のA−A線矢視断面図。 図4のB−B線矢視断面図。 ヘッド側ウォータジャケットを示す要部拡大平面図。 ヘッド側ウォータジャケットを図9の矢視X方向から見た図。 ポート間冷却流路の長手方向に沿ってヘッド側ウォータジャケットを切断した断面図。 冷却水の流れを気筒毎に解析した結果を示す図。 図4のC−C線矢視断面図。 図4のD−D線矢視断面図。 同冷却装置の冷却回路制御部による制御方法を示すフローチャート。 同冷却装置によるエンジン温度に応じた冷却方法を示すブロック図。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳述する。
図1は、本発明の実施形態に係る多気筒エンジンの冷却装置1の概略構成を示している。多気筒エンジン2(以下、単に「エンジン」という)は、4つのシリンダがクランク軸方向に直列に配設され、吸気系と排気系とが互いにシリンダヘッド4の反対側に配置された所謂クロスフロー型の直列4気筒ディーゼルエンジンである。当該エンジン2は、車両前部に設けられたエンジンルーム(図示しない)内に、気筒列が車幅方向を向き、その排気系が車両前後方向における後方側に位置し、各気筒のシリンダ軸が上下方向を向くように搭載されている。なお、本実施形態の説明では、4つのシリンダが直列に配設される列方向をシリンダ列方向、該シリンダ列方向及び上下方向と直交する方向を「幅方向」と呼ぶこととする。
エンジン2は、シリンダブロック3と、このシリンダブロック3の上側に設けられたシリンダヘッド4で主に構成されている。
なお、図1では、シリンダブロック3は上方から見たもの、シリンダヘッド4は下方から見たものとして記載しているため、シリンダブロック3とシリンダヘッド4の吸気側(「IN」と図示)及び排気側(「EX」と図示)の位置関係が逆になっている。
シリンダブロック3には、後述するブロック側ウォータジャケット33、導入孔36及びブロック側排出孔37が設けられ、シリンダヘッド4には、後述するヘッド側ウォータジャケット60(図5〜図14参照)及びヘッド側排出孔70、具体的にはヘッド側第1排出孔70a及びヘッド側第2排出孔70b(図5参照)が設けられている。そして、導入孔36からブロック側ウォータジャケット33内に導入された冷却水はブロック側排出孔37から排出され、導入孔36からヘッド側ウォータジャケット60内に導入された冷却水はヘッド側排出孔70から排出される。
また、この導入孔36には、これらブロック側ウォータジャケット33、及びヘッド側ウォータジャケット60内に冷却水を供給するためのウォータポンプ5が設けられている。なお、このウォータポンプ5は、エンジン2の回転によって受動的に駆動されるポンプである。
当該冷却装置1は、これらブロック側ウォータジャケット33、及びヘッド側ウォータジャケット60に適宜ラジエータ7等を経由して冷却水を循環させるための冷却液経路を備えており、該冷却液経路は第1〜4経路11〜14から構成され、これら第1〜4経路11〜14のいずれかに冷却水を循環させるための経路の切換は、冷却回路制御部101によってサーモスタット弁6a及び第1〜第3制御弁6b〜6dで構成された冷却回路切換部6を制御することで行われる。次に、これら第1〜4経路11〜14について詳細に説明する。
図1に示すように、第1経路11は、ヘッド側第1排出孔70aと導入孔36とを連結している。この第1経路11は、ラジエータ7を迂回する一方、冷却水の温度を測定する水温センサ102とサーモスタット弁6aを順に経由している。なお、サーモスタット弁6aは制御弁6b〜6dが故障して冷却水の水温が所定値以上になると開く弁であり、このサーモスタット弁6aによれば、正常時は第1経路11のみに冷却水が循環し、異常時は後述する第2経路12も冷却水が循環する状態になり、エンジン2を保護することができる。また、水温センサ102はヘッド側第1排出孔70aの近傍に設けられている。
第2経路12は、ヘッド側第2排出孔70bと導入孔36とを連結している。この第2経路12は、ラジエータ7を迂回する一方、アイドリングストップ用ウォータポンプ21、空調用ヒータコア22、EGRクーラ23及びEGRバルブ24、第1制御弁6bを順に経由している。なお、アイドリングストップ用ウォータポンプ21は、アイドリング時にエンジン2を一時停止している際に空調用ヒータコア22へ冷却水を流すためのポンプである。また、EGRクーラ23とEGRバルブ24は互いに並列になるように第2経路12を経由している。
第3経路13は、ブロック側排出孔37と導入孔36とを連結している。この第3経路13は、ラジエータ7を迂回する一方、エンジンオイルクーラ25、自動変速機のオイル熱交換器26、第2制御弁6cを順に経由している。なお、エンジンオイルクーラ25は、ブロック側排出孔37に設けられている。
第4経路14は、ヘッド側第1排出孔70aと導入孔36とを連結している。この第4経路14は、水温センサ102、ラジエータ7、第3制御弁6dを順に経由している。
冷却回路制御部101は、ECU100内に設けられた制御部の一つである。この冷却回路制御部101は、冷却水の温度を検知する水温センサ102、エンジン回転数センサ103及び燃料噴射量センサ104、エンジン回転数と燃料噴射量とにより判定されるエンジン2の負荷状態に基づいてエンジン2のヘッド燃焼室壁面温度Tを予測し、予測されたヘッド燃焼室壁面温度Tに応じて第1乃至第3制御弁6b〜6dを制御する。
図2は、シリンダブロック3の分解斜視図である。シリンダブロック3は、シリンダブロック本体30とスペーサ40から主に構成されている。なお、ガスケット50はシリンダブロック3の構成ではないが、説明の便宜上、図2に記載している。
シリンダブロック本体30は、直列に配置された第1〜第4気筒#1〜#4のシリンダボア32が、そのシリンダ軸が上下方向を向くように設けられている。図2に示すように、シリンダブロック本体30の上面31には、これら4つのシリンダボア32を囲むような環状の凹溝であるブロック側ウォータジャケット33が設けられている。このブロック側ウォータジャケット33は、シリンダブロック3の排気側を通る排気側流路34とシリンダブロック3の吸気側を通る吸気側流路35とから構成されている。
なお、本実施形態の説明では、シリンダブロック3を吸気側から見て左から右に第1気筒#1から第4気筒#4が順に並んでおり、これら気筒#1〜#4が並ぶ気筒列において、第1気筒#1がある側を「一端側」、第4気筒のある側を「他端側」と呼ぶこととする。
また、シリンダブロック本体30は、気筒列の一端側に設けられ、ブロック側ウォータジャケット33へ冷却水を導入する導入孔36と、吸気側における気筒列の中央部に設けられ、ブロック側ウォータジャケット33から冷却水を排出するブロック側排出孔37が設けられている。
さらに、シリンダブロック本体30には、シリンダブロック3とシリンダヘッド4をガスケット50を介して互いに締結するための複数のヘッドボルト80(図8、図13参照)が螺合可能なねじ孔38、38、…が設けられている。
ガスケット50は、複数の金属板を重ね合わせて複数箇所をカシメにより一体化した金属シートガスケットであり、その全体の形状がシリンダブロック本体30の上面31に対応する形状とされている。
このガスケット50には、図2、図3に示すように、シリンダブロック本体30のシリンダボア32に対応する位置に円孔51a〜51d(図8、図13参照)と、ねじ孔38、38、…に対応する位置に上述のヘッドボルト80の挿通孔55、55、…が設けられている。
また、ガスケット50には、ブロック側ウォータジャケット33とヘッド側ウォータジャケット60とを互いに連通させる複数の第1連通孔52a〜52cと、第2連通孔53a〜53fと、第3連通孔54a〜54cとが設けられている。第1連通孔52a〜52cは、ガスケット50の気筒列の一端側、第2連通孔53a〜53fは、排気側と吸気側、第3連通孔54a〜54cは、円孔51、51、…間にそれぞれ設けられている。
シリンダブロック3とシリンダヘッド4を締結した際に、このガスケット50の有する弾性反発力によって、円孔51、51、…の周囲と挿通孔55、55、…の周囲をシールし、各気筒#1〜#4の燃焼室からの燃焼ガスの漏出や、ウォータジャケット33、60からの冷却水の漏出等を防止する。
図4は、シリンダヘッド4の平面図であり、第2気筒#2を部分的に水平断面図で示している。シリンダヘッド4には、上述したヘッド側ウォータジャケット60、及びヘッド側排出孔70の他、図4に示すように燃料噴射弁配設孔71と、排気ポート72と、吸気ポート73と、ヘッドボルト80が螺合可能なねじ孔74、74、…とが設けられている。
シリンダヘッド4では、燃料噴射弁配設孔71を囲んで、排気側に排気ポート72、吸気側に吸気ポート73がそれぞれ開口している。そして、各気筒#1〜#4において、吸気側には、2つの排気ポート72、72、…が設けられる一方、吸気側には、2つの吸気ポート73、73、…が設けられており、吸気2弁、排気2弁タイプの直列4気筒ディーゼルエンジンを構成している。
図5は、ヘッド側ウォータジャケット60を燃焼室側から見た底面図であり、ヘッド側ウォータジャケット60は、図5に示すようにシリンダヘッド4の幅方向(シリンダ列方向と直交する方向)中央部を通る主流流路61と、シリンダヘッド4の排気側を通る排気側流路62と、シリンダヘッド4の吸気側を通る吸気側流路63と、各気筒#1〜#4間において、吸気側流路63から主流流路61に向かって冷却水を流す気筒間冷却流路64と、各気筒#1〜#4の2つの排気ポート72、72間において、シリンダヘッド4の幅方向外側(排気側)から主流流路61に向かって冷却水を流すポート間冷却流路65とから構成されている。
また、シリンダヘッド4には、ヘッド側ウォータジャケット60と外部とを連通する複数の開口部75a〜75mが形成されている。シリンダヘッド4では、3つの開口部75a〜75cがヘッド側ウォータジャケット60の一端側に形成され、開口部75d〜75jが、各気筒#1〜#4毎、開口部75kが、各気筒#1〜#4間、開口部75l、75mが、排気側端部にそれぞれ形成されている。
ところで、シリンダヘッド4を鋳造する場合には、金型(主型)にジャケット中子、吸気ポート中子、排気ポート中子等をセットする。そして、鋳造により、重力とは逆の方向に溶湯を押し上げて、金型の各中子との間のキャビティに溶湯を注湯し、溶湯の凝固後において、これらの各中子を除去すると、シリンダヘッド4が鋳造される。鋳造後にジャケット中子が除去されると、この中子の各形成部に対応して、各流路61〜65が形成される。
また、上述した各中子は、一般的に砂で形成されるものであり、中子成形用の金型内に砂を流し込んだ後、薬品で砂を凝固処理することにより生成される。上述した複数の開口部75a〜75mは、ヘッド側ウォータジャケット60成形用の中子を生成する際に、金型内に砂を流し込むために形成された砂流し込み口に対応するものである。
図5では、ガスケット50の第1連通孔52a〜52c、第2連通孔53a〜53f、及び第3連通孔54a〜54cの位置を黒色の塗りつぶしで示している。上述した開口部75a〜75mのうち、開口部75a〜75cは、図5に示すように、ガスケット50の第1連通孔52a〜52cに連通しており、各気筒#1〜#4の開口部75eは、第2連通孔53a〜53d、気筒#2、#3の開口部75hは、第2連通孔53e、53f、各気筒#1〜#4間の開口部75kは、第3連通孔54a〜54cにそれぞれ連通している。これにより、開口部75a〜75c、75e、75h(気筒#2、#3のみ)、75kは、ガスケット50を介してブロック側ウォータジャケット33から冷却水が供給される冷却水入口(つまり、シリンダブロック3からの冷却水供給部)としての機能を有している。
各開口部75a〜75c、75e、75h(気筒#2、#3のみ)、75kからヘッド側ウォータジャケット60内に供給された冷却水は、図5に太矢印で示す方向に流れ、ヘッド側ウォータジャケット60内において、エンジン2のシリンダ列方向にその主流が流れるようになっている。本実施形態では、上記主流が、第1気筒#1(一端側)から第4気筒#4(他端側)に向かって流れるようになっている。
図6は、シリンダヘッド4の要部拡大断面図である。図6では、各気筒#1〜#4間のみを水平断面図で示し、隣接する一端側の気筒の排気ポート72及び吸気ポート73を左側に示す一方、隣接する他方側の気筒の排気ポート72及び吸気ポート73を右側に示している。上述したヘッド側ウォータジャケット60の主流流路61は、図5、図6に示すように、各気筒#1〜#4において、排気ポート72と吸気ポート73との間に形成され、冷却水の主流は、図6に太矢印α1で示すように、シリンダ列方向に沿って排気ポート72と吸気ポート73との間を流れる。
図7、図8は、それぞれ図4のA−A線矢視断面図、B−B線矢視断面図であり、ヘッド側ウォータジャケット60では、図5〜図8に示すように、隣接する気筒の排気ポート72、72の排気ポート壁72a、72aと、気筒間でヘッド側ウォータジャケット60(主流流路61)の底面を構成する底壁60aとの間を接続する第1リブ60b、60bが一対形成されている。
この一対の第1リブ60b、60bは、図5〜図8に示すように、平面視で排気ポート壁72a、72aからシリンダ列方向に沿って延びると共に、底壁60aに対して傾斜するように形成されている。そして、第1リブ60b、60b間には、開口部75gと主流流路61とを高低差なく互いに連通する谷形状の連通部60cが形成されている。
また、各気筒#1〜#4では、2つの吸気ポート73、73のうち、一端側の吸気ポート73がタンジェンシャル設定のストレートポート(タンジェンシャルポート)とされる一方、他端側の吸気ポート73は、スロート部が螺旋状にシリンダボア32に入射するヘリカルポートとされている。そして、ヘッド側ウォータジャケット60においては、図5、図6に示すように、ヘリカルポートとされた他端側の吸気ポート73の吸気ポート壁73aに、気筒列の一端側から他端側、つまりは、上記主流の流れ方向の上流側から下流側に向かって延びる第2リブ60dが形成されている。
この第2リブ60dは、他端側の吸気ポート73の厚肉部73bから、上記下流側かつ幅方向内側に向かって延びるように設けられており、第1リブ60bと同様、底壁60aに対して傾斜するように形成されている。そして、第2リブ60dの他端側には、開口部75jと主流流路61とを高低差なく互いに連通する連通部60eが形成されている。
主流流路61では、冷却水の主流が流れる際、上述した各リブ60b、60dにより、シリンダヘッド4の幅方向側部に位置する排気側流路62及び吸気側流路63への流れが制限される。このため、各気筒間のヘッド側ウォータジャケット60の下部において、上記主流をシリンダ列方向に確実に流すことができるようになっている。つまり、各リブ60b、60dは、上記主流の流れ方向をシリンダ列方向に沿うように整流する整流手段としての機能を有している。
一方、各リブ60b、60dを底壁60aに対して傾斜させ、かつ第1リブ60b、60b間、及び第2リブ60dの他端側にそれぞれ連通部60c、60eを設けることで、ヘッド側ウォータジャケット60用の中子生成時には、中子生成用の砂を、図6に太矢印β1、β2で示すように、開口部75g、75jから確実に幅方向中間部の主流流路61に流すことができるようになっている。
また、第2リブ60dが上記下流側かつ幅方向内側に向かって延びているため、吸気側流路63を流れる冷却水は、気筒間冷却流路64と第2リブ60dとにより、図5に太矢印α2で示すように上記下流側の気筒#2〜#4の主流流路61に向かって案内され、上記主流に合流するようになっている。
特に、気筒#2、#3の吸気側流路63、63では、各開口部75h、75hがガスケット50の第2連通孔53e、53fに連通していることで、シリンダブロック3からの冷却水が付加的に供給されるようになっており、これによって、上記下流側の気筒#3、#4の主流流路61に付加的に冷却水を供給し、該主流流路61における流量を確保することができるようになっている。
また、シリンダヘッド4では、隣接する気筒間の幅方向中間部にねじ孔74が設けられ、そこには上述したヘッドボルト80が螺合している。本実施形態では、上述した第1リブ60bにより、ヘッドボルト80の軸力が、図8に太矢印γ1で示すように排気ポート壁72a及び第1リブ60bを介してシリンダヘッド4下面に効率的に伝達されるようになっている。なお、第2リブ60dについても、第1リブ60bと同様の機能を有しており、ヘッドボルト80の軸力をシリンダヘッド4下面に効率的に伝達するようになっている。
図9は、ヘッド側ウォータジャケット60を示す要部拡大平面図であり、気筒#1に対応する部位のみを示している。また、図10は、ヘッド側ウォータジャケット60を図9の矢視X方向から見た図であり、図11は、ポート間冷却流路65の長手方向に沿ってヘッド側ウォータジャケット60を切断した断面図、図12は、冷却水の流れを気筒#1〜#4毎に解析した結果を示す図である。なお、以降の説明では、気筒#2における冷却水の流れを一例として説明する。
シリンダヘッド4の幅方向外側(ここでは、排気側)では、図4、図5、図9に示すように、各気筒#1〜#4毎に平面視U字状の内側案内面60fが設けられている。
内側案内面60fは、開口部75eの幅方向外側、一端側、他端側の三方を囲むように形成され、ガスケット50の第2連通孔53a〜53d(シリンダヘッド4の幅方向外側)から供給される冷却水を、図5、図9、図11、図12に示すように開口部75eから幅方向内側に向かって案内する機能を有している。
また、ポート間冷却流路65では、その上面60gが、図11に示すように幅方向外側から内側に向かって上方に傾斜するように形成されており、これによって、第2連通孔53a〜53dから供給される冷却水は、図11に太矢印α3で示すように上面60gに沿ってポート間冷却流路65の上部を指向するように流れる。以降、太矢印α3で示す冷却水の流れを流れα3と呼ぶこととする。
また、ポート間冷却流路65は、各気筒#1〜#4の主流流路61と連通しており、各気筒#1〜#4では、図5、図9に示すように、主流流路61とポート間冷却流路65とによって平面視Y字状の流路が形成されている。
そして、主流流路61とポート間冷却流路65との連通部より上流側では、ヘッド側ウォータジャケット60の内面側に位置する主流流路61の下面60hが、図10に示すように一端側から他端側に向かって上方に傾斜するように形成されている。主流流路61から流れてきた主流の一部は、図9に太矢印α4で示すように吸気側に分流する一方、一部は、下面60hにより、図9〜図11に太矢印α5で示すように上方かつ幅方向外側(ここでは、排気側)に向かって分流し、図9〜図11に破線で示すポート間冷却流路65の上部の領域Z1に対向するように流れ込む。主流流路61の下面60hは、上記主流の流れを上方に指向させ、ポート間冷却流路65の上部に対向させる上方案内面としての機能を有している。以降、太矢印α5で示す上記主流の流れを流れα5と呼ぶこととする。
上述した流れα3と流れα5とは、図9、図11に示すように、ポート間冷却流路65の上面60gで互いに衝突する。ここで、ポート間冷却流路65では、流れα3、α5が主に上面60gを流れることにより、下層部の流量が上層部の流量よりも少なくなっており、これによって、下層部の水圧が上部の水圧よりも低圧となる。このため、上述したように流れα3と流れα5とが衝突したときには、図11に太矢印α6で示すように、上層部の冷却水が低圧の下層部に向かって流れ込み、上下方向の旋回流が発生する。
各気筒#1〜#4では、図9、図11、図12に破線で示すポート間冷却流路65の長手方向中央部の領域Z2の下方に燃焼室が配置されており、流れα3と流れα5との衝突によって下層部に流れ込んだ冷却水の一部は、図11に太矢印α7で示すように、燃焼室に対応する領域Z2を流れるようになっている。本実施形態では、比較的高温となる燃焼室上部のシリンダヘッド4の底壁60aを上記旋回流によって充分に冷却することができるようになっている。
図12(a)〜(d)は、それぞれ気筒#1〜#4についての解析結果を示しており、冷却水の流れ方向、流量(流速)を、それぞれ矢印の方向、長さで示している。また、図12(a)〜(d)に示す黒点は、冷却水が、同図の紙面方向、つまりはシリンダ列方向に流れていることを示している。
各気筒#1〜#4では、ガスケット50の各連通孔52a〜52c、53a〜53fの位置や、各気筒#1〜#4における冷却水の温度、及びヘッド側ウォータジャケット60の形状等の諸要因により、上記主流の流れα5(詳しくは、流れα5の流れ方向及び流量)が、図12(a)〜(d)に示すようにそれぞれ異なっている。
このため、本実施形態では、各気筒#1〜#4において確実に上記旋回流を発生させるべく、図3、図5、図12に示すように、第2連通孔53a〜53dの孔径が流れα5に応じて設定されている。気筒#1では、連通孔53aの孔径が相対的に小さく設定される一方、気筒#3では、第2連通孔53cの孔径が相対的に大きく設定され、その他の気筒#2、#4では、第2連通孔53b、53dの孔径が中間的な大きさに設定されている。これにより、いずれの気筒#1〜#4においても、燃焼室上部に対応するシリンダヘッド4の底壁60aを上記旋回流によって充分に冷却することができるようになっている。
また、いずれの気筒#1〜#4においても、各第2連通孔53a〜53dが、幅方向外側寄りにオフセット配置されている。これにより、幅方向外側で冷却水の流れに乱れが生じることを抑制しており、第2連通孔53a〜53dから供給される冷却水を、効率よく上方の上面60gに沿って案内することができるようになっている。
図13、図14は、それぞれ図4のC−C線矢視断面図、D−D線矢視断面図である。本実施形態では、開口部75eの三方を囲むように内側案内面60fがU字状に形成されていることで、ヘッドボルト80の軸力が、図13、図14に太矢印γ2、γ3で示すように、内側案内面60fの壁部を介してシリンダヘッド4下面に効率的に伝達されるようになっている。なお、図13、図14に示す太破線の矢印γ4、γ5は、排気ポート72によってヘッドボルト80の軸力伝達が阻害され、太矢印γ2、γ3の場合よりも軸力が低下していることを示している。
ここで、図14に二点鎖線で示すように、シリンダヘッド4の下部において、内側案内面60fと対応する位置にヘッド側ウォータジャケット60が配設された場合を考えてみる。この場合、図14に示すように、太矢印γ3、γ5で示すヘッドボルト80の軸力伝達がヘッド側ウォータジャケット60によって阻害され、最終的にシリンダヘッド4下面に伝達される軸力が著しく低下することになってしまう。
図15は、冷却回路制御部101の制御方法を示すフローチャートであり、図16は、エンジン温度に応じた冷却方法を示すブロック図である。図15のフローチャートに従って、冷却回路制御部101による冷却装置1の制御方法について、図16を参照しながら以下に説明する。
まず、エンジン冷間時は、全ての制御弁6b〜6dが閉弁されている(ステップS1)。このとき、図16(a)に示すように、第1経路11に冷却水が循環される。なお、このときのシリンダヘッド4には、局所的な加熱を防止しながらエンジン2を暖機するため、比較的少量の冷却水が流される。
次に、ヘッド燃焼室壁温Tが所定の温度T(例えば150℃)以上であるか判定する(ステップS2)。
ステップS2で、ヘッド燃焼室壁温Tが所定の温度T以上であると判定されると、第1制御弁6bを開弁する(ステップS3)。このとき、図16(b)に示すように、第1経路11と第2経路12に冷却水が循環される。
次に、ヘッド燃焼室壁温Tが所定の温度T(T>T)以上であるか判定する(ステップS4)。
ステップS4で、ヘッド燃焼室壁温Tが所定の温度T2以上であると判定されると、第2制御弁6cを開弁する(ステップS5)。このとき、図16(c)に示すように、第1経路から第3経路11〜13に冷却水が循環される。
次に、エンジン2の暖機が完了したか判定する(ステップS6)。なお、この判定は、ヘッド燃焼室壁温Tが所定の温度T(T>T)以上であるか否かで行ってもよい。
最後に、ステップS6で、エンジン2の暖機が完了したと判定されると、第3制御弁6dを開弁する(ステップS7)。このとき、図16(d)に示すように、第1経路から第4経路11〜14の全てに冷却水が循環される。
以上により、暖機運転時に冷却回路制御部101によって第1乃至第3制御弁6b〜6dを閉弁すると、ヘッド側第1排出孔70aと導入孔36とを連結する第1経路11のみに冷却水が循環するが、このとき冷却水はブロック側ウォータジャケット33にはほとんど流れないため、シリンダブロック3の温度が徐々に上昇する。したがって、エンジン2の暖機を促進できる。
また、冷却回路制御部101によってエンジン温度の上昇に伴って第1乃至第3制御弁6b〜6dを順次開弁している。この際に、第1制御弁6bを開弁すると第2経路12にも冷却水が循環するが、この第2経路12はラジエータ7を経由しないと共に、冷却水はブロック側ウォータジャケット33にはほとんど流れないため、引き続きエンジン2の暖機が促進される。
次に、第2制御弁6cを開弁すると第3経路13にも冷却水が循環し、この第3経路13はシリンダブロック3に接続されているため、シリンダブロック3もある程度冷却されるが、ラジエータ7を迂回しているため、エンジン2の暖機が進む。
さらに、第3制御弁6dを開弁すると、第4経路14にも冷却水が循環し、この第4経路14はラジエータ7に接続されているため、このラジエータ7によって冷却水の温度を下げられ、暖機後のエンジン2を所定温度に保つことができる。
したがって、冷却回路制御部101によれば、暖機運転時は第1乃至第3制御弁6b〜6dを閉弁し、エンジン温度の上昇に伴って第1乃至第3制御弁6b〜6dを順次開弁することで、エンジン2の温度に応じて各シリンダ及びシリンダヘッド4を適正に冷却できる。
また、暖機途中で第1制御弁6bを開弁して空調用ヒータコア22またはEGRクーラ23を経由している第2経路12にも冷却水を循環させるため、暖機途中から暖房性能を確保でき、また、EGRクーラ23を適正に冷却できる。
さらに、暖機途中で第3制御弁6dを開弁してエンジンオイルクーラ25または自動変速機のオイル熱交換器26を経由している第3経路13にも冷却水を循環させるため、エンジンオイルを冷却できると共に、変速機オイルを適正に加熱して、粘度の早期低下により、摺動抵抗が早期に低減して燃費を向上させることができる。
以上に示したように、本実施形態のエンジン2の冷却構造は、複数の気筒#1〜#4を列状に有するエンジン2において、該エンジン2が、シリンダブロック3とシリンダヘッド4とを備え、該シリンダヘッド4は、エンジン2のシリンダ列方向に冷却水の主流を流すように構成されたヘッド側ウォータジャケット60を有し、該ヘッド側ウォータジャケット60には、1気筒に対して2つ設けられる排気ポート72、72間に、幅方向外側(排気側)から上記主流に向かって冷却水を流すようにポート間冷却流路65を形成し、幅方向外側(排気側)からの冷却水をポート間冷却流路65上部に指向させて流す第1の冷却水指向手段としての内側案内面60f、上面60gと、上記主流からの冷却水をポート間冷却流路65上部に対向させて流す第2の冷却水指向手段としての下面60hを備えている。
上述したエンジン2の冷却構造によれば、ポート間冷却流路65の幅方向外側からの冷却水(流れα3)と上記主流(流れα5)との衝突により、上下方向の旋回流が発生し、この上下方向の旋回流によって、比較的高温となる燃焼室上部に対応するシリンダヘッド4の底壁を充分に冷却することができる。このため、排気ポート72、72間において燃焼室上部に対応するシリンダヘッド4の底壁60aの冷却性能を充分に確保することができる。
また、本実施形態のエンジン2の冷却構造では、ポート間冷却流路65の上面60gが、幅方向外側(排気側)から内側に向かって上方に傾斜しており、上記第1の冷却水指向手段を、ポート間冷却流路65の上面60gにより構成している。
上述したエンジン2の冷却構造によれば、冷却水をポート間冷却流路65の上面60gに沿って上方かつ幅方向内側に確実に案内することができる。
また、本実施形態のエンジン2の冷却構造では、シリンダブロック3とシリンダヘッド4との間にガスケット50を設けると共に、該ガスケット50には、幅方向外側からの冷却水を供給するための第2連通孔53a〜53dを形成し、該第2連通孔53a〜53dを、ポート間冷却流路65の内面に対して幅方向の外側寄りにオフセット配置している。
上述したエンジン2の冷却構造によれば、幅方向外側で冷却水の流れに乱れが生じることを抑制でき、第2連通孔53a〜53dから供給される冷却水を、効率よく上方に案内することができる。
また、本実施形態のエンジン2の冷却構造では、シリンダブロック3とシリンダヘッド4との間にガスケット50を設けると共に、該ガスケット50には、幅方向外側からの冷却水を供給するための第2連通孔53a〜53dを形成し、該第2連通孔53a〜53dの孔径を、下面60hによりポート間冷却流路65上部に対向するように流れる冷却水の流れに応じて設定している。
上述したエンジン2の冷却構造によれば、各気筒#1〜#4では、ガスケット50の各連通孔52a〜52c、53a〜53fの位置や、各気筒#1〜#4における冷却水の温度、及びヘッド側ウォータジャケット60の形状等の諸要因により、上記主流の流れα5が異なることになるが、第2連通孔53a〜53dの孔径を流れα5に応じて適宜調整することにより、いずれの気筒#1〜#4においても、燃焼室上部に対応するシリンダヘッド4の底壁60aを上記旋回流によって充分に冷却することができる。つまり、気筒#1〜#4間における冷却性能のバラツキを抑制することができる。
また、本実施形態のエンジン2の冷却構造では、シリンダヘッド4の幅方向外側に、冷却水を幅方向内側に案内する内側案内面60fを設けている。
上述したエンジン2の冷却構造によれば、ガスケット50の第2連通孔53a〜53d(シリンダヘッド4の幅方向外側)から供給される冷却水を、幅方向内側に向かって確実に案内することができる。
また、本実施形態のエンジン2の冷却構造では、隣接する気筒#1〜#4間の幅方向中間部に、シリンダヘッド4とシリンダブロック3とを締結するためのヘッドボルト80を設けると共に、内側案内面60fをU字状に形成している。
上述したエンジン2の冷却構造によれば、ヘッドボルト80の軸力を、内側案内面60fの壁部を介してシリンダヘッド4下面に効率的に伝達させることができる。これにより、シリンダブロック3とシリンダヘッド4を締結した際のシール性を向上させることができ、各気筒#1〜#4の燃焼室からの燃焼ガスの漏出や、ウォータジャケット33、60からの冷却水の漏出等を確実に防止できる。
また、本実施形態のエンジン2の冷却構造では、上記主流の流れを上方に指向させる主流流路61の下面60hを、ヘッド側ウォータジャケット60の内面に設け、上記第2の冷却水指向手段を、下面60hにより構成している。
上述したエンジン2の冷却構造によれば、上記主流(流れα5)を、ポート間冷却流路65の上部に効果的に対向させることができ、ポート間冷却流路65の幅方向外側からの冷却水(流れα3)と上記主流(流れα5)とをより確実に衝突させることができる。
また、本実施形態のエンジン2の冷却構造では、冷却水をシリンダ列方向一端部の気筒#1側からシリンダブロック3のブロック側ウォータジャケット33に流入させて、シリンダヘッド4のヘッド側ウォータジャケット60の上記シリンダ列方向一端部の気筒#1側に案内し、シリンダブロック3のブロック側ウォータジャケット33を流れる冷却水を暖機時に制限する制御手段として、ウォータポンプ5、冷却回路切換部6、ラジエータ7、ECU100の冷却回路制御部101、水温センサ102、エンジン回転数センサ103、及び燃料噴射量センサ104とを備えている。
上述したエンジン2の冷却構造によれば、上記制御手段による冷却水の制限によってエンジン2の暖機を促進しつつ、気筒#1側からシリンダ列方向に冷却水を流す場合における冷却不足を解消することができる。
なお、上述した実施形態では、直列4気筒ディーゼルエンジンに適用したが、気筒数は複数あれば何気筒であってもよい。
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明のポートは、排気ポート73に対応し、
以下同様に、
第1の冷却水指向手段は、内側案内面60f、上面60gに対応し、
第2の冷却水指向手段は、下面60hに対応し、
ガスケット孔は、第2連通孔53a〜53dに対応し、
上方案内面は、下面60hに対応し、
制御手段は、ウォータポンプ5、冷却回路切換部6、ラジエータ7、ECU100の冷却回路制御部101、水温センサ102、エンジン回転数センサ103、及び燃料噴射量センサ104に対応するも、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
2…多気筒エンジン
3…シリンダブロック
4…シリンダヘッド
5…ウォータポンプ
6…冷却回路切換部
7…ラジエータ
33…ブロック側ウォータジャケット
50…ガスケット
53a〜53d…第2連通孔
60…ヘッド側ウォータジャケット
60f…内側案内面
60g…上面
60h…下面
65…ポート間冷却流路
72…排気ポート
80…ヘッドボルト
101…冷却回路制御部
102…水温センサ
103…エンジン回転数センサ
104…燃料噴射量センサ
#1〜#4…気筒

Claims (8)

  1. 複数の気筒を列状に有するエンジンにおいて、
    該エンジンが、シリンダブロックとシリンダヘッドとを備え、
    該シリンダヘッドは、上記エンジンのシリンダ列方向に冷却水の主流を流すように構成されたウォータジャケットを有し、
    該ウォータジャケットには、1気筒に対して2つ設けられるポート間に、上記シリンダ列方向と直交する幅方向外側から上記主流に向かって冷却水を流すようにポート間冷却流路を形成し、
    上記シリンダヘッドの幅方向外側からの冷却水を上記ポート間冷却流路上部に指向させて流す第1の冷却水指向手段と、
    上記主流からの冷却水を上記ポート間冷却流路上部に対向させて流す第2の冷却水指向手段とを備えた
    エンジンの冷却構造。
  2. 上記ポート間冷却流路の上面が、幅方向外側から内側に向かって上方に傾斜しており、
    上記第1の冷却水指向手段を、上記ポート間冷却流路の上面により構成した
    請求項1記載のエンジンの冷却構造。
  3. 上記シリンダブロックと上記シリンダヘッドとの間にガスケットを設けると共に、
    該ガスケットには、幅方向外側からの冷却水を供給するためのガスケット孔を形成し、
    該ガスケット孔を、上記ポート間冷却流路の内面に対して幅方向の外側寄りにオフセット配置した
    請求項1または2記載のエンジンの冷却構造。
  4. 上記シリンダブロックと上記シリンダヘッドとの間にガスケットを設けると共に、
    該ガスケットには、幅方向外側からの冷却水を供給するためのガスケット孔を形成し、
    該ガスケット孔の孔径を、上記第2の冷却水指向手段により上記ポート間冷却流路上部に対向するように流れる冷却水の流れに応じて設定した
    請求項1または2記載のエンジンの冷却構造。
  5. 上記シリンダヘッドの幅方向外側に、冷却水を幅方向内側に案内する内側案内面を設けた
    請求項1〜4のいずれか一項に記載のエンジンの冷却構造。
  6. 隣接する上記気筒間には、幅方向の中間部に、上記シリンダヘッドと上記シリンダブロックとを締結するためのヘッドボルトを設けると共に、
    上記内側案内面をU字状に形成した
    請求項5記載のエンジンの冷却構造。
  7. 上記主流の流れを上方に指向させる上方案内面を、上記ウォータジャケットの内面に設け、上記第2の冷却水指向手段を、上記上方案内面により構成した
    請求項1〜6のいずれか一項に記載のエンジンの冷却構造。
  8. 上記冷却水をシリンダ列方向端部の気筒側から上記シリンダブロックのウォータジャケットに流入させて、上記シリンダヘッドの上記ウォータジャケットの上記シリンダ列方向端部の気筒側に案内し、上記シリンダブロックの上記ウォータジャケットを流れる冷却水を暖機時に制限する制御手段を備えた
    請求項1〜7のいずれか一項に記載のエンジンの冷却構造。
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