JP2016180413A - 多気筒エンジンの冷却構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】多気筒エンジンの冷却構造において、冷間時におけるシリンダヘッドの冷却及びエンジンの暖気促進を効果的に達成することを課題とする。【解決手段】本発明は、シリンダブロックが、気筒列の一端側に設けられ、ウォータジャケットへ冷却液を導入する導入部と、導入部の近傍に設けられ、シリンダブロックのウォータジャケットの吸気側部分への冷却液の流れを制限する絞り部と、導入部の近傍に設けられ、導入部から導入された冷却液をシリンダヘッド側へ指向させる傾斜部とを有し、シリンダヘッドが、気筒列の他端側に設けられ、シリンダヘッドのウォータジャケットから冷却液を排出する排出部を有し、傾斜部のシリンダヘッド側に、シリンダブロックとシリンダヘッドのウォータジャケットを互いに接続する連通路が設けられたことを特徴とする。【選択図】図3

Description

本発明は、自動車等の多気筒エンジンの冷却構造に関し、特にシリンダヘッド及びシリンダブロックを冷却液により冷却するエンジンの技術分野に属する。
従来、自動車等において、エンジンが適切な温度となるようにエンジン内部に冷却液を流してエンジンを冷却する冷却構造が採用されている。
例えば、特許文献1には、シリンダブロックのウォータジャケット内にスペーサを配置し、このスペーサの冷却液導入側には冷却液をシリンダヘッド側に誘導する誘導スロープ部と、この誘導スロープ部の上端部に連設され、ウォータジャケットの上部流路を形成する流路分離部材とを設け、ウォータジャケットの上部流路を流れる冷却液の流量及び流速を増加させてUターン状に流すことで、シリンダの上下方向の温度差を抑制する技術が開示されている。
ここで、エンジンの冷間時にエンジンを早期に暖気することは、燃焼性能や排気浄化性能の点で有利となるが、この従来技術は、エンジンの冷間時の暖気促進を効果的に達成することを課題とするものではない。
また、エンジンの冷間時にもシリンダヘッドは高温の排気ガスに晒されるため冷却が必要であるが、この従来技術は、この冷間時にシリンダヘッド側の冷却を効果的に達成することを課題とするものではない。
特許第4845620号
そこで、本発明は、多気筒エンジンの冷間時におけるシリンダヘッドの冷却及びエンジンの暖気促進を効果的に達成することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明に係る多気筒エンジンの冷却構造は、次のように構成したことを特徴とする。
まず、本願の請求項1に係る発明は、
直列に配置された複数の気筒のシリンダボアを囲むようにシリンダブロックに設けられたウォータジャケットと、シリンダヘッドに設けられたウォータジャケットとを有し、ウォータポンプにより、これらウォータジャケットとラジエータとを経由させて冷却液を循環させる冷却液経路が備えられた多気筒エンジンの冷却装置であって、
前記シリンダブロックは、
気筒列の一端側に設けられ、前記シリンダブロックのウォータジャケットへ冷却液を導入する導入部と、
前記導入部の近傍に設けられ、前記導入部から導入された冷却液が前記シリンダブロックのウォータジャケットの吸気側部分へ流れるのを制限する絞り部と、
前記導入部の近傍に設けられ、前記導入部から導入された冷却液をシリンダヘッド側へ指向させる傾斜部と
を有し、
前記シリンダヘッドは、
気筒列の他端側に設けられ、前記シリンダヘッドのウォータジャケットから冷却液を排出する排出部を有し、
前記傾斜部のシリンダヘッド側に、前記シリンダブロックと前記シリンダヘッドのウォータジャケットを互いに接続する連通路が設けられ、
前記傾斜部及び連通路の双方が気筒列の一端側に設けられ、
前記傾斜部は、冷却液が前記連通路を介して前記シリンダヘッドのウォータジャケット内に流れるように冷却液をシリンダヘッド側へ指向させる
ことを特徴とする。
また、本願の請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、
前記シリンダブロックのウォータジャケット内に、その内壁部及び外壁部との間に間隔を設けてスペーサが配設され、
前記絞り部と前記傾斜部は、前記スペーサの外周に形成されている
ことを特徴とする。
また、本願の請求項3に係る発明は、請求項2に係る発明において、
前記シリンダブロックのウォータジャケットの排気側部分は、シリンダ軸方向の上側の方が下側よりも流路断面積が大きくなるように形成されている
ことを特徴とする。
さらに、本願の請求項4に係る発明は、請求項3に係る発明において、
前記スペーサの排気側部分において、シリンダ軸方向の中央には前記傾斜部の上端部に連設する段部が形成され、該段部の上側の方が下側よりも前記スペーサと前記外壁部の間隔が広くなるように形成されている
ことを特徴とする。
さらに、本願の請求項5に係る発明は、請求項3または4に係る発明において、
前記絞り部は、前記スペーサの外周から外側へ突出するリブ形状の上側絞り部と下側絞り部とからなり、前記上側絞り部は前記下側絞り部よりも突出量が大きくなるように形成されている
ことを特徴とする。
さらに、本願の請求項6に係る発明は、請求項5に係る発明において、
前記スペーサの吸気側部分の下端に、前記スペーサの外周から外側へ突出するつば部が形成されている
ことを特徴とする。
さらに、本願の請求項7に係る発明は、請求項3乃至6のいずれか1項に係る発明において、
前記シリンダブロックは、
吸気側における気筒列の中央部に設けられ、前記シリンダブロックのウォータジャケットから冷却液を排出する排出部を有する
ことを特徴とする。
また、本願の請求項8に係る発明は、請求項7に係る発明において、
前記シリンダブロックの排出部に連結された冷却液経路に、エンジン温度に応じて開閉する制御弁を備え、エンジンの冷間時に、前記制御弁で冷却液経路を閉じ、導入部からの冷却液は前記傾斜部でシリンダヘッド側へ指向され、前記連通路から前記シリンダヘッドのウォータジャケット内へ流入する
ことを特徴とする。
また、本願の請求項9に係る発明は、請求項1乃至8のいずれか1項に係る発明において、
前記傾斜部は、気筒列の一端側に吸気側から排気側に向かって登り傾斜に形成される
ことを特徴とする。
以上の構成により、本願の各請求項に係る発明によれば、次の効果が得られる。
請求項1に係る発明によれば、シリンダブロックは、気筒列の一端側に設けられ、シリンダブロックのウォータジャケットへ冷却液を導入する導入部と、導入部の近傍に設けられ、導入部から導入された冷却液がシリンダブロックのウォータジャケットの吸気側部分へ流れるのを制限する絞り部と、導入部の近傍に設けられ、導入部から導入された冷却液をシリンダヘッド側へ指向させる傾斜部とを有し、シリンダヘッドは、気筒列の他端側に設けられ、シリンダヘッドのウォータジャケットから冷却液を排出する排出部を有し、傾斜部のシリンダヘッド側に、シリンダブロックとシリンダヘッドのウォータジャケットを互いに接続する連通路が設けられているため、エンジン冷間時にシリンダヘッドのウォータジャケットのみに冷却水Wが循環するように制御すると、傾斜部によってシリンダヘッド側へ指向された冷却液は、シリンダブロックのウォータジャケットの排気側部分にはほとんど流れずに、連通路を介してシリンダヘッドのウォータジャケット内に流れる。したがって、シリンダブロックが冷却されずに温度が徐々に上昇してエンジンの暖機が促進される。これにより、潤滑油の粘度が早期に低下し、摺動抵抗が低減するため、燃費が向上できる。
請求項2に係る発明によれば、シリンダブロックのウォータジャケット内には、その内壁部及び外壁部との間に間隔を設けてスペーサが配設されているため、導入部より導入される冷却液によりシリンダが直接冷却されて局所的に低温になるのを抑制することができる。
また、絞り部及び傾斜部はスペーサの外周に設けられているため、スペーサと共に絞り部及び傾斜部を容易に一体形成できる。
請求項3に係る発明によれば、ブロック側ウォータジャケットの排気側部分におけるシリンダ軸方向の上側は下側よりも流路断面積が大きくなるように形成されているため、エンジン実働時に高温の排気によって特に温度が上がりやすいシリンダブロックの排気側上部について、排気側下部よりもより冷却することができる。そのため、各シリンダの上下方向の温度差が抑制される。
請求項4に係る発明によれば、スペーサの排気側部分は、シリンダ軸方向の上側の方が下側よりもスペーサと外壁部の間隔が広くなるように形成されているため、当該構成でも、請求項1に係る発明の効果で述べたような、各シリンダの上下方向の温度差を低減する効果を実現できる。
請求項5に係る発明によれば、絞り部はスペーサの外周から外側へ突出するリブ形状の上側絞り部と下側絞り部とからなり、上側絞り部は下側絞り部よりも突出量が大きいため、導入部より導入した冷却液は大部分が排気側に流れるが、比較的少量の冷却液が下側絞り部を介して吸気側に流れる。したがって、吸気側よりも排気側により多くの冷却液が流れるため、吸気側よりも温度が上がりやすい排気側のシリンダブロックをより冷却でき、各シリンダの吸気側と排気側の温度差を抑制することができる。
請求項6に係る発明によれば、スペーサの吸気側下端には、スペーサの外周から外側へ突出するつば部が形成されているため、スペーサの下端部からスペーサの内側に冷却液が回り込むのを抑制することができ、シリンダの上下方向の温度差が拡大するのを防止できる。
請求項7に係る発明によれば、シリンダブロックには、ブロック側ウォータジャケットの吸気側における気筒列の略中央から冷却液を排出するブロック側排出部が設けられているため、ブロック側ウォータジャケット内を流れる冷却液は、気筒列の一端側から導入され、排気側から気筒列の他端側を介して吸気側へ流れ、吸気側の気筒列の略中央から排出されるまで、冷却液はシリンダの熱を奪いながら徐々にその温度が上昇する。そのため、気筒列の一端側のシリンダは、比較的低温の冷却液によって排気側が冷却されるのに対して、吸気側は絞り部によって冷却液がほとんど流れず冷却されない。一方、気筒列の他端側のシリンダは、比較的高温の冷却液によって排気側及び吸気側が冷却される。したがって、各シリンダの排気側と吸気側の冷却を平均して比較すれば、気筒列の一端側のシリンダと他端側のシリンダはおおよそ同等に冷却されるため、各シリンダ間の温度差が抑制されることとなる。
本発明の一実施形態の冷却装置の概略構成を示すブロック図である。 同冷却装置のシリンダブロックの分解斜視図である。 同シリンダブロックの平面図である。 同シリンダブロックの第2気筒における垂直断面図である。 同シリンダブロックの第4気筒における垂直断面図である。 同シリンダブロックの斜視図である。 スペーサの吸気側の斜視図である。 同スペーサの排気側の斜視図である。 同スペーサの平面図である。 同スペーサの排気側の正面図である。 同スペーサの吸気側の背面図である。 同スペーサの傾斜部側の側面図である。 同スペーサの案内部側の側面図である。 同冷却装置の冷却回路制御部による制御方法を示すフローチャートである。 同冷却装置によるエンジン温度に応じた冷却方法を示すブロック図である。
以下、本発明に係る多気筒エンジンの冷却装置の実施形態について、図1から図15を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る多気筒エンジンの冷却装置1の概略構成を示している。多気筒エンジン2(以下、単に「エンジン」という)は、4つのシリンダがクランク軸方向に直列に配設され、吸気系と排気系とが互いにシリンダヘッド4の反対側に配置された所謂クロスフロー型の直列4気筒ディーゼルエンジンである。当該エンジン2は、車両前部に設けられたエンジンルーム(図示しない)内に、気筒列が車幅方向を向き、その排気系が車両前後方向における後方側に位置し、各気筒のシリンダ軸が上下方向を向くように搭載されている。
エンジン2は、シリンダブロック3と、このシリンダブロック3の上側に設けられたシリンダヘッド4で主に構成されている。
なお、図1では、シリンダブロック3は上方から見たもの、シリンダヘッド4は下方から見たものとして記載しているため、シリンダブロック3とシリンダヘッド4の吸気側(「IN」と図示)及び排気側(「EX」と図示)の位置関係が逆になっている。
シリンダブロック3には、後述するブロック側ウォータジャケット33、導入孔36及びブロック側排出孔37が設けられ、シリンダヘッド4には、後述するヘッド側ウォータジャケット61及びヘッド側排出孔62が設けられている。そして、導入孔36からブロック側ウォータジャケット33内に導入された冷却水Wはブロック側排出孔37から排出され、導入孔36からヘッド側ウォータジャケット61内に導入された冷却水Wはヘッド側排出孔62から排出される。
また、この導入孔36には、これらブロック側ウォータジャケット33、61内に冷却水Wを供給するためのウォータポンプ5が設けられている。なお、このウォータポンプ5は、エンジン2の回転によって受動的に駆動されるポンプである。
当該冷却装置1は、これらブロック側ウォータジャケット33、61に適宜ラジエータ7等を経由して冷却水Wを循環させるための冷却液経路を備えており、該冷却液経路は第1〜4経路11〜14から構成され、これら第1〜4経路11〜14のいずれかに冷却水Wを循環させるための経路の切換は、冷却回路制御部101によってサーモスタット弁6a及び第1〜第3制御弁6b〜6dで構成された冷却回路切換部6を制御することで行われる。次に、これら第1〜4経路11〜14について詳細に説明する。
図1に示すように、第1経路11は、ヘッド側排出孔62と導入孔36とを連結している。この第1経路11は、ラジエータ7を迂回する一方、冷却水Wの温度を測定する水温センサ102とサーモスタット弁6aを順に経由している。なお、サーモスタット弁6aは制御弁6b〜6dが故障して冷却水Wの水温が所定値以上になると開く弁であり、このサーモスタット弁6aによれば、正常時は第1経路11のみに冷却水Wが循環し、異常時は後述する第2経路12も冷却水Wが循環する状態になり、エンジン2を保護することができる。また、水温センサ102はヘッド側排出孔62の近傍に設けられている。
第2経路12は、ヘッド側排出孔62と導入孔36とを連結している。この第2経路12は、ラジエータ7を迂回する一方、アイドリングストップ用ウォータポンプ21、空調用ヒータコア22、EGRクーラ23及びEGRバルブ24、第1制御弁6bを順に経由している。なお、アイドリングストップ用ウォータポンプ21は、アイドリング時にエンジン2を一時停止している際に空調用ヒータコア22へ冷却水Wを流すためのポンプである。また、EGRクーラ23とEGRバルブ24は互いに並列になるように第2経路12を経由している。
第3経路13は、排出孔37と導入孔36とを連結している。この第3経路13は、ラジエータ7を迂回する一方、エンジンオイルクーラ25、自動変速機のオイル熱交換器26、第2制御弁6cを順に経由している。なお、エンジンオイルクーラ25は、ブロック側排出孔37に設けられている。
第4経路14は、ヘッド側排出孔62と導入孔36とを連結している。この第4経路14は、温度センサ102、ラジエータ7、第3制御弁6dを順に経由している。
冷却回路制御部101は、ECU100内に設けられた制御部の一つである。この冷却回路制御部101は、冷却水Wの温度を検知する水温センサ102、エンジン回転数センサ103及び燃料噴射量センサ104、エンジン回転数と燃料噴射量とにより判定されるエンジン2の負荷状態に基づいてエンジン2のヘッド燃焼室壁面温度Tを予測し、予測されたヘッド燃焼室壁面温度Tに応じて第1乃至第3制御弁6b〜6dを制御する。
図2と図3はそれぞれ、シリンダブロック3の分解斜視図と平面図である。シリンダブロック3は、シリンダブロック本体30とスペーサ40から主に構成されている。なお、ガスケット50はシリンダブロック3の構成ではないが、説明の便宜上、図2に記載している。
シリンダブロック本体30は、直列に配置された第1〜第4気筒#1〜#4のシリンダボア32が、そのシリンダ軸が上下方向を向くように設けられている。図2及び図3に示すように、シリンダブロック本体30の上面31には、これら4つのシリンダボア32を囲むような環状の凹溝であるブロック側ウォータジャケット33が設けられている。このブロック側ウォータジャケット33は、シリンダブロック3の排気側を通る排気側流路34とシリンダブロック3の吸気側を通る吸気側流路35とから構成されている。
なお、本実施形態の説明では、シリンダブロック3を吸気側から見て左から右に第1気筒#1から第4気筒#4が順に並んでおり、これら気筒#1〜#4が並ぶ気筒列において、第1気筒#1がある側を「一端側」、第4気筒のある側を「他端側」と呼ぶこととする。
また、凹溝であるブロック側ウォータジャケット33の排気側流路34と吸気側流路35を形成する壁面のうち、内側にある側壁をそれぞれ内壁部34a、35a、外側にある側壁をそれぞれ外壁部34b、35bとする。
また、シリンダブロック本体30は、気筒列の一端側に設けられ、ブロック側ウォータジャケット33へ冷却水Wを導入する導入孔36と、吸気側における気筒列の中央部に設けられ、ブロック側ウォータジャケット33から冷却水Wを排出する排出孔37が設けられている。
さらに、シリンダブロック本体30には、シリンダブロック3とシリンダヘッド4をガスケット50を介して互いに結合するための複数のヘッドボルトが螺合可能なねじ穴38…38が設けられている。
ガスケット50は、複数の金属板を重ね合わせて複数箇所をカシメにより一体化した金属シートガスケットであり、その全体の形状がシリンダブロック本体30の上面31に対応する形状とされている。
このガスケット50には、図2に示すように、シリンダブロック本体30のシリンダボア32に対応する位置に円孔51…51と、ねじ穴38…38に対応する位置に上述のヘッドボルトの挿通穴54…54が設けられている。
また、ガスケット50には、ブロック側ウォータジャケット33とヘッド側ウォータジャケット61(図示しない)とを互いに連通させる複数の第1連通孔52…52と第2連通孔53…53が設けられている。この第1連通孔52…52は、ガスケット50の気筒列の一端側に設けられ、第2連通孔53…53は、排気側と吸気側にそれぞれ設けられている。
シリンダブロック3とシリンダヘッド4を結合した際に、このガスケット50の有する弾性反発力によって、円孔51…51の周囲と挿通穴54…54の周囲をシールし、各気筒#1〜#4の燃焼室からの燃焼ガスの漏出や、ブロック側ウォータジャケット33、61からの冷却水Wの漏出等を防止する。
なお、図示していないが、シリンダヘッド4は、その気筒列の他端側に、ヘッド側ウォータジャケット61から冷却水Wを排出するヘッド側排出孔62が設けられている。
図4と図5はそれぞれ、シリンダブロック3の第2気筒#2と第4気筒#4における垂直断面図である。
図4、図5に示すように、ブロック側ウォータジャケット33の内部に配設されたスペーサ40は、その底部がブロック側ウォータジャケット33の底面に接するように載置されると共に、ブロック側ウォータジャケット33の内壁部34a、35a及び外壁部34b、35bとの間に間隔を設けて配設されている。
ここで、スペーサ40の内周面とブロック側ウォータジャケット33の内壁部34a、35aとの間の隙間は比較的狭く、スペーサ40の外周面と外壁部34b、35bとの間の隙間は比較的広くなっており、このスペーサ40の外側の隙間が冷却水Wの流れる主な流路となっている。なお、単に「排気側流路34」または「吸気側流路35」という場合には、このスペーサ40の外側の隙間を指すものとする。
また、図4、図5の左側に示すように、スペーサ40に設けられた後述する段部44より上側の方が下側よりも外壁部34bとの隙間が広いため、排気側流路34はシリンダ軸方向の上側の方が下側よりも流路断面積が大きくなっている。
図7から図13を参照しながら、スペーサ40の構造について説明する。なお、図7、図8はスペーサ40単体を吸気側と排気側から見た斜視図であり、図9は上方から見た平面図であり、図10、図11は排気側と吸気側から見た正面図と背面図であり、図12、図13は導入部側とその反対側から見た側面図である。なお、これら図面には、スペーサ40がブロック側ウォータジャケット33の内部に配設される際の向きを示すIN(吸気側)とEX(排気側)の記号を付している。
スペーサ40は、ブロック側ウォータジャケット33の内部に間隔を設けて収納されるような板厚と、シリンダブロック3の上面31から突出しないような高さを有し、シリンダ軸方向にほぼ平行に延在する平面視で環状の縦壁部41によって主に構成されている。
例えば図7、図9、図12に示すように、一端側かつ吸気側の縦壁部41には、その外周から外側へ突出するリブ状の絞り部42が設けられている。この絞り部42は、上側絞り部42aと下側絞り部42bとから構成されており、上側絞り部42aは下側絞り部42bよりも突出量が大きくなるように形成されている
また、例えば図7、図12に示すように、一端側の縦壁部41には、吸気側から排気側に向かって縦壁部41の下端からシリンダ軸方向の中央まで登るように滑らかに傾斜したリブ状の傾斜部43が設けられている。
例えば図8、図11〜図13に示すように、排気側の縦壁部41におけるシリンダ軸方向の中央には、上述の傾斜部43の上端部に連設する段部44が形成されている。これによれば、スペーサ40がブロック側ウォータジャケット33の内部に配設された際に、段部44の上側の方が下側よりもスペーサ40と外壁部34bの間隔が広くなる。
なお、例えば図7、図10、図13に示すように、縦壁部41の他端側において排気側から吸気側まで回り込むように設けられ、上述の段部44と連設され、排気側から吸気側に向かってシリンダヘッド側に更に登るように滑らかに傾斜したリブ状の案内部45を設けても良い。
また、例えば図7、図12に示すように、吸気側の縦壁部41の下端に、その外周から外側へ突出するつば部46を形成しても良い。
さらに、例えば図7、図13に示すように、他端側の縦壁部41の下端に、寒冷地用ヒータを挿入するための切り欠きである寒冷地用ヒータ挿入部47を設けても良い。
スペーサ40は、ブロック側ウォータジャケット33の内部に配設されるため、シリンダブロック3内の高温に耐え得る耐熱性と、冷却水Wの水圧によって変形や破損が生じない程度の剛性を備えた樹脂で形成されている。この樹脂として、例えば、ポリアミド系熱可塑性樹脂(PA66、PPA等)、オレフィン系熱可塑性樹脂(PP)、ポリフェニレンサルファイド系熱可塑性樹脂(PPS)等の樹脂を1つまたは複数を組合せて選択可能であり、必要に応じてガラス繊維等を前述の樹脂に配合してもよい。この樹脂製のスペーサ40は、射出成形機によって一体的に成形される。
次に、図6から図13を参照しながら、スペーサ40の作用について説明する。なお、これら図面には、スペーサ40がブロック側ウォータジャケット33の内部に配設された際の冷却水Wの流れを示す矢印を付している。
(1)まず、ウォータポンプ5によってシリンダブロック3の導入孔36から冷却水Wがブロック側ウォータジャケット33内に導入される。
この際に、図3〜図5に示すように、スペーサ40はブロック側ウォータジャケット33内に内壁部34a、35a及び外壁部34b、35bとの間に間隔を設けて配設されているため、導入孔36から導入された冷却水Wがブロック側ウォータジャケット33の内壁部35aに直接当たって、その部分でシリンダが局所的に低温になるのを抑制することができる。
また、図7に示すように、導入孔36から導入された冷却水Wは、導入孔36の近傍の吸気側に設けられた絞り部42によって吸気側流路35への流れが制限されるため、大部分が排気側流路34へ流れる。一方で、下側絞り部42bは上側絞り部42aよりも突出量が小さいため、より広い下側絞り部42bと外壁部35bとの隙間を通った比較的少量の冷却水Wが吸気側流路35に流れる。
したがって、吸気側流路35よりも排気側流路34により多くの冷却水Wが流れるため、吸気側よりも温度が上がりやすい排気側のシリンダブロック3をより冷却でき、各シリンダの吸気側と排気側の温度差を抑制することができる。
(2)次に、排気側流路34へ流れた冷却水Wは、図6、図7、図12に示すように、導入孔36の近傍の排気側に設けられた傾斜部43によって、シリンダヘッド4側へ指向されて流れる。
ここで、ブロック側ウォータジャケット33とヘッド側ウォータジャケット61は、ガスケット50の一端側にある第1連通孔52を介して互いに接続されているため、後述する冷却回路制御部101によって、エンジン冷間時に第1経路11のみに冷却水Wが循環するように制御すると、シリンダヘッド4側へ指向された冷却水Wは、ブロック側ウォータジャケット33の排気側流路34には流れずに、第1連通孔52を介してヘッド側ウォータジャケット61内に流れる。
したがって、シリンダブロック3が冷却されずに温度が徐々に上昇してエンジン2の暖機が促進される。
(3)次に、傾斜部43から排気側流路34へ流れた冷却水Wは、図8、図11に示すように、傾斜部43の上端部に連設する段部44によって、スペーサ40と外壁部34bとの間隔が広く、流路断面積がより大きい段部44の上側の方に下側よりも多く流れる。
したがって、エンジン実働時に排気ガスによって特に温度が上がりやすいシリンダブロック3の排気側上部について、排気側下部よりさらに冷却することができるため、各シリンダの上下方向の温度差を抑制することができる。
(4)次に、排気側流路34を流れた冷却水Wは、段部44と連設され、縦壁部41の他端側に設けられた案内部45によって、排気側流路34から吸気側流路35に向かって流れるにつれて、シリンダヘッド側に指向される。
したがって、シリンダヘッド側に指向された冷却水Wは、ガスケット50の吸気側に設けられた第2連通孔53を介してヘッド側ウォータジャケット61に流れやすいため、シリンダヘッド4をより積極的に冷却することができる。
(5)次に、第2連通孔53を介してヘッド側ウォータジャケット61に流れなかった冷却水Wは、吸気側流路35を通って、シリンダブロック3の吸気側の気筒列の中央に設けられたブロック側排出孔37から排出される。
導入孔36からブロック側排出孔37まで上述のように流れる間に、冷却水Wは各シリンダの熱を吸収しながら徐々に水温が上昇するので、第1気筒#1は比較的低温の冷却水Wによって排気側が冷却されるのに対して、吸気側は絞り部42によって冷却水Wがほとんど流れず冷却されないが、第4気筒#4は、比較的高温になった冷却水Wによって排気側及び吸気側が冷却される。
したがって、各シリンダの排気側と吸気側の冷却を平均して比較すると、気筒列の両端にある第1気筒#1と第4気筒#4であっても、おおよそ同等に冷却されると言い得るため、各シリンダ間の温度差が抑制されることとなる。
以上により、各シリンダの上下方向の温度差、各シリンダの排気側と吸気側の温度差及び各シリンダ間の温度差を抑制することで、シリンダ全体の温度分布を均一にすることができる。
(6)一方で、下側絞り部42bと外壁部35bとの隙間を通って吸気側流路35に流れた冷却水Wは、スペーサ40の外周から外側へ突出するつば部46が縦壁部41の吸気側部分の下端に設けられているため、このつば部46によってスペーサ40の下端からスペーサ40の内側に回り込むのが抑止され、シリンダの上下方向の温度差が拡大するのを防止できる。
(7)さらに、スペーサ40に寒冷地用ヒータ挿入部47が設けられている場合、縦壁部41の寒冷地用ヒータ挿入部47に寒冷地用ヒータを挿入することで、ブロック側ウォータジャケット33内の冷却水Wの凍結を防止することができる。
(8)最後に、絞り部42、傾斜部43、段部44、案内部45及びつば部46は、スペーサ40の縦壁部41の外周に設けられているため、スペーサ40と共に容易に一体形成できる。
図14は、冷却回路制御部101の制御方法を示すフローチャートであり、図15は、エンジン温度に応じた冷却方法を示すブロック図である。図14のフローチャートに従って、冷却回路制御部101による冷却装置1の制御方法について、図15を参照しながら以下に説明する。
まず、エンジン冷間時は、全ての制御弁6b〜6dが閉弁されている(ステップS1)。このとき、図15(a)に示すように、第1経路11に冷却水Wが循環される。なお、このときのシリンダヘッド4には、局所的な加熱を防止しながらエンジン2を暖機するため、比較的少量の冷却水Wが流される。
次に、ヘッド燃焼室壁温Tが所定の温度T(例えば150℃)以上であるか判定する(ステップS2)。
ステップS2で、ヘッド燃焼室壁温Tが所定の温度T以上であると判定されると、第1制御弁6bを開弁する(ステップS3)。このとき、図15(b)に示すように、第1経路11と第2経路12に冷却水Wが循環される。
次に、ヘッド燃焼室壁温Tが所定の温度T(T>T)以上であるか判定する(ステップS4)。
ステップS4で、ヘッド燃焼室壁温Tが所定の温度T以上であると判定されると、第2制御弁6cを開弁する(ステップS5)。このとき、図15(c)に示すように、第1経路から第3経路11〜13に冷却水Wが循環される。
次に、エンジン2の暖機が完了したか判定する(ステップS6)。なお、この判定は、ヘッド燃焼室壁温Tが所定の温度T(T>T2)以上であるか否かで行ってもよい。
最後に、ステップS6で、エンジン2の暖機が完了したと判定されると、第3制御弁6dを開弁する(ステップS7)。このとき、図15(d)に示すように、第1経路から第4経路11〜14の全てに冷却水Wが循環される。
以上により、暖機運転時に冷却回路制御部101によって第1乃至第3制御弁6b〜6dを閉弁すると、ヘッド側排出孔62と導入孔36とを連結する第1経路11のみに冷却水Wが循環するが、このとき冷却水Wはブロック側ウォータジャケット33にはほとんど流れないため、シリンダブロック3の温度が徐々に上昇する。したがって、エンジン2の暖機を促進できる。
また、冷却回路制御部101によってエンジン温度の上昇に伴って第1乃至第3制御弁6b〜6dを順次開弁している。この際に、第1制御弁6bを開弁すると第2経路12にも冷却水Wが循環するが、この第2経路12はラジエータ7を経由しないと共に、冷却水Wはブロック側ウォータジャケット33にはほとんど流れないため、引き続きエンジン2の暖機が促進される。
次に、第2制御弁6cを開弁すると第3経路13にも冷却水Wが循環し、この第3経路13はシリンダブロック3に接続されているため、シリンダブロック3もある程度冷却されるが、ラジエータ7を迂回しているため、エンジン2の暖機が進む。
さらに、第3制御弁6dを開弁すると、第4経路14にも冷却水Wが循環し、この第4経路14はラジエータ7に接続されているため、このラジエータ7によって冷却水Wの温度を下げられ、暖機後のエンジン2を所定温度に保つことができる。
したがって、冷却回路制御部101によれば、暖機運転時は第1乃至第3制御弁6b〜6dを閉弁し、エンジン温度の上昇に伴って第1乃至第3制御弁6b〜6dを順次開弁することで、エンジン2の温度に応じて各シリンダ及びシリンダヘッド4を適正に冷却できる。
また、暖機途中で第1制御弁6bを開弁して空調用ヒータコア22またはEGRクーラ23を経由している第2経路12にも冷却水Wを循環させるため、暖機途中から暖房性能を確保でき、また、EGRクーラ23を適正に冷却できる。
さらに、暖機途中で第3制御弁6dを開弁してエンジンオイルクーラ25または自動変速機のオイル熱交換器26を経由している第3経路13にも冷却水Wを循環させるため、エンジンオイルを冷却できると共に、変速機オイルを適正に加熱して、粘度の早期低下により、摺動抵抗が早期に低減して燃費を向上させることができる。
なお、本発明は例示された実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計上の変更が可能であることは言うまでもない。
例えば、本実施形態では、絞り部42、傾斜部43及び段部44をスペーサ40と一体に形成したが、スペーサ40を設けずに、ブロック側ウォータジャケット33の内部形状を工夫してこれらの機能を持たせることで、シリンダブロック3自体でこれらを形成しても良い。
また、本実施形態では、直列4気筒ディーゼルエンジンに適用したが、気筒数は複数あれば何気筒であっても良く、また、本発明は、ディーゼルエンジンに限るものでないため、ガソリンエンジンに適用しても良い。
以上のように、本発明によれば、自動車等の多気筒エンジンにおいて、冷間時におけるシリンダヘッドの冷却及びエンジンの暖気促進を効果的に達成できるので、この種のエンジンの製造産業分野において好適に利用される。
1 冷却装置
2 多気筒エンジン
3 シリンダブロック
4 シリンダヘッド
5 ウォータポンプ
7 ラジエータ
30 シリンダブロック本体(シリンダブロック)
32 シリンダボア
33 ブロック側ウォータジャケット(シリンダブロックのウォータジャケット)
34 排気側流路(ウォータジャケットの排気側部分)
34a、35a 内壁部
34b、35b 外壁部
36 導入孔(導入部)
37 ブロック側排出孔(シリンダブロックの排出部)
40 スペーサ
42 絞り部
42a 上側絞り部
42b 下側絞り部
43 傾斜部
52 第1連通孔(連通路)
61 ヘッド側ウォータジャケット(シリンダヘッドのウォータジャケット)
62 ヘッド側排出孔(シリンダヘッドの排出部)
W 冷却水(冷却液)
#1〜#4 気筒
まず、本願の請求項1に係る発明は、
直列に配置された複数の気筒のシリンダボアを囲むようにシリンダブロックに設けられたウォータジャケットと、シリンダヘッドに設けられたウォータジャケットとを有し、ウォータポンプにより、これらウォータジャケットとラジエータとを経由させて冷却液を循環させる冷却液経路が備えられた多気筒エンジンの冷却装置であって、
前記シリンダブロックは、気筒列の一端側に設けられ、前記シリンダブロックのウォータジャケットへ冷却液を導入する導入部を有し、
前記シリンダブロックのウォータジャケット内には、その内壁部及び外壁部との間にスペーサが配設され、
前記スペーサは、前記シリンダブロックのウォータジャケットの内壁部側に位置してシリンダ軸方向に延設されたシリンダヘッド側縦壁部と、前記シリンダヘッド側縦壁部の反シリンダヘッド側部位から前記シリンダブロックのウォータジャケットの外壁部側に延設された横壁部とを有し、
前記横壁部は、前記導入部近傍において該導入部よりも反シリンダヘッド側に位置し、これにより、前記導入部から導入された冷却液が、前記シリンダブロックのウォータジャケットにおいて前記横壁部を基準に反シリンダヘッド側よりもシリンダヘッド側に多く流れるように構成されている
ことを特徴とする。
また、本願の請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記スペーサは、前記シリンダブロックのウォータジャケットの内壁部側に位置し、前記横壁部から反シリンダヘッド側に向かってシリンダ軸方向に延設された反シリンダヘッド側縦壁部を有する
ことを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、横壁部が、導入部近傍において該導入部よりも反シリンダヘッド側に位置し、これにより、導入部から導入された冷却液が、シリンダブロックのウォータジャケットにおいて横壁部を基準に反シリンダヘッド側よりもシリンダヘッド側に多く流れるように構成されているので、横壁部を基準に反シリンダヘッド側よりもシリンダヘッド側で冷却が促進され、多気筒エンジンのシリンダ軸方向に生じる温度差を抑制できる。
請求項2に係る発明によれば、シリンダブロックのウォータジャケットの内壁部側に位置し、仕切部から反シリンダヘッド側に向かってシリンダ軸方向に延設する反シリンダヘッド側縦壁部がスペーサに設けられているので、請求項1の効果が具体的に達成される。

Claims (9)

  1. 直列に配置された複数の気筒のシリンダボアを囲むようにシリンダブロックに設けられたウォータジャケットと、シリンダヘッドに設けられたウォータジャケットとを有し、ウォータポンプにより、これらウォータジャケットとラジエータとを経由させて冷却液を循環させる冷却液経路が備えられた多気筒エンジンの冷却装置であって、
    前記シリンダブロックは、
    気筒列の一端側に設けられ、前記シリンダブロックのウォータジャケットへ冷却液を導入する導入部と、
    前記導入部の近傍に設けられ、前記導入部から導入された冷却液が前記シリンダブロックのウォータジャケットの吸気側部分へ流れるのを制限する絞り部と、
    前記導入部の近傍に設けられ、前記導入部から導入された冷却液をシリンダヘッド側へ指向させる傾斜部と
    を有し、
    前記シリンダヘッドは、
    気筒列の他端側に設けられ、前記シリンダヘッドのウォータジャケットから冷却液を排出する排出部を有し、
    前記傾斜部のシリンダヘッド側に、前記シリンダブロックと前記シリンダヘッドのウォータジャケットを互いに接続する連通路が設けられ、
    前記傾斜部及び連通路の双方が気筒列の一端側に設けられ、
    前記傾斜部は、冷却液が前記連通路を介して前記シリンダヘッドのウォータジャケット内に流れるように冷却液をシリンダヘッド側へ指向させることを特徴とする多気筒エンジンの冷却構造。
  2. 前記シリンダブロックのウォータジャケット内に、その内壁部及び外壁部との間に間隔を設けてスペーサが配設され、
    前記絞り部と前記傾斜部は、前記スペーサの外周に形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の多気筒エンジンの冷却構造。
  3. 前記シリンダブロックのウォータジャケットの排気側部分は、シリンダ軸方向の上側の方が下側よりも流路断面積が大きくなるように形成されている
    ことを特徴とする請求項2に記載の多気筒エンジンの冷却構造。
  4. 前記スペーサの排気側部分において、シリンダ軸方向の中央には前記傾斜部の上端部に連設する段部が形成され、該段部の上側の方が下側よりも前記スペーサと前記外壁部の間隔が広くなるように形成されている
    ことを特徴とする請求項3に記載の多気筒エンジンの冷却構造。
  5. 前記絞り部は、前記スペーサの外周から外側へ突出するリブ形状の上側絞り部と下側絞り部とからなり、前記上側絞り部は前記下側絞り部よりも突出量が大きくなるように形成されている
    ことを特徴とする請求項3または4に記載の多気筒エンジンの冷却構造。
  6. 前記スペーサの吸気側部分の下端に、前記スペーサの外周から外側へ突出するつば部が形成されている
    ことを特徴とする請求項5に記載の多気筒エンジンの冷却構造。
  7. 前記シリンダブロックは、
    吸気側における気筒列の中央部に設けられ、前記シリンダブロックのウォータジャケットから冷却液を排出する排出部を有する
    ことを特徴とする請求項3乃至6のいずれか1項に記載の多気筒エンジンの冷却構造。
  8. 前記シリンダブロックの排出部に連結された冷却液経路に、エンジン温度に応じて開閉する制御弁を備え、エンジンの冷間時に、前記制御弁で冷却液経路を閉じ、導入部からの冷却液は前記傾斜部でシリンダヘッド側へ指向され、前記連通路から前記シリンダヘッドのウォータジャケット内へ流入する
    ことを特徴とする請求項7に記載の多気筒エンジンの冷却構造。
  9. 前記傾斜部は、気筒列の一端側に吸気側から排気側に向かって登り傾斜に形成される
    ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の多気筒エンジンの冷却構造。
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