JP6484048B2 - シリンダ冷却装置 - Google Patents
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Description
このようなシリンダの冷却に関する従来技術として、例えば、特許文献1には、複数気筒の全てのシリンダの温度を均一化することを目的とし、ウォータポンプからの冷却水をウォータジャケット内に導入する入口部に、水流がシリンダに直接衝突しないよう分流させる「そらせ部」を設けることが記載されている。
また、特許文献2には、シリンダボア全体をより均一に冷却することを目的として、ウォータジャケット内を厚さ方向に区画するスペーサを設けるとともに、スペーサの上方に冷却水を案内する突片を有する複数の孔を設けることが記載されている。
また、特許文献3には、スペーサでウォータジャケット内部が区画された構造において、入口部寄りのシリンダライナにおける過冷却を防止するため、入口部からウォータジャケット内に流出する冷却水がスペーサの上端部、下端部から、スペーサの内側に入り込むことを防止する規制構造を設けることが記載されている。
また、特許文献4には、ウォータジャケット内に冷却水を導入する一対の導入路がそれぞれ形成する水流が、ウォータジャケット内で衝突するように構成し、ウォータジャケット内で乱流を発生させることが記載されている。
このため、特に圧縮比を高める傾向にあり耐ノック性が年々シビアになっている近年のエンジンにおいては、冷却能力のさらなる強化が求められている。
シリンダの冷却強化を重視した場合、ウォータポンプによって加圧された冷却水を、シリンダ外周面に直接衝突するように、ウォータジャケット内に吐出させることが効果的である。
しかし、水流がシリンダの外周面に正対するように吐出させた場合、シリンダ周方向において冷却が不均一となって、シリンダライナが部分的に高温となる箇所が生じ、ノッキング等の原因となることが懸念される。さらに、シリンダに衝突して偏向した水流が下死点側に流入し、下死点側のシリンダライナ壁面を過冷却する原因となる。
これに対し、ウォータジャケットの内部を、引用文献2,3に記載されているようなスペーサで区画し、下死点側のシリンダ壁面を保温して過冷却を防止することも考えられるが、構造が複雑化し、部品点数、重量が増加してしまう。
上述した問題に鑑み、本発明の課題は、燃焼室に隣接する領域の冷却能力を強化しかつシリンダ周方向の温度分布を均一化するとともに、燃焼室側から離れた領域の過冷却を防止したシリンダ冷却装置を構造を複雑化することなく提供することである。
請求項1に係る発明は、ピストンが挿入される筒状部材であるシリンダの周囲を取り囲んで形成され冷却水が通流されるウォータジャケットと、各気筒の前記シリンダ毎にそれぞれ設けられウォータポンプによって加圧された冷却水を前記ウォータジャケット内における燃焼室に隣接する領域に吐出して前記シリンダの中心軸を挟んで広がる方向に進行する第1の水流及び第2の水流をそれぞれ形成する第1の導入孔及び第2の導入孔とを備えるシリンダ冷却装置であって、前記第1の導入孔及び前記第2の導入孔は、前記シリンダの中心軸方向から見たときに、前記冷却水を吐出する吐出口の中心と前記シリンダの中心とを結んだ直線と、水流の主流方向とがなす角度αが、前記吐出口の中心を通る前記シリンダ外周面の接線と、前記直線とがなす角度βに対して小さく、前記第1の導入孔の前記吐出口と前記第2の導入孔の前記吐出口との間隔が前記シリンダの外周面の直径よりも小さく、前記第1の導入孔及び前記第2の導入孔は、各孔の出口の間隔が入口の間隔よりも広がるように流路方向が相対的に傾斜するよう配置されることを特徴とするシリンダ冷却装置である。
これによれば、第1の導入孔及び第2の導入孔がそれぞれ吐出する冷却水の主流を、シリンダの外周面に対して斜めに衝突させ、シリンダの外周面に沿ってシリンダの両側を実質的に対称に流れる旋回流を形成することができる。
これによって、シリンダ外周面から冷却水への熱伝達が促進され、燃焼ガスに曝される時間が長い燃焼室近傍(上死点近傍)の領域におけるシリンダ壁面の冷却能力を強化することができ、また、円周方向における温度分布を均一化することができる。
また、シリンダ外周面に衝突した水流が偏向して下死点側へ流れることを抑制し、下死点側のシリンダ壁面の過冷却を防止することができる。
請求項2に係る発明は、前記ウォータジャケットは、前記シリンダが形成されるシリンダブロックにおけるシリンダヘッドガスケットとの当接面と近接する領域において、前記シリンダの全周にわたって連続して形成されることを特徴とする請求項1に記載のシリンダ冷却装置である。
請求項3に係る発明は、前記第1の導入孔及び前記第2の導入孔は、各孔の中央部に、前記冷却水の流れ方向における入口及び出口の流路断面積よりも小さな流路断面積を有する絞り部を設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシリンダ冷却装置である。
これによれば、第1の導入孔及び第2の導入孔を、シリンダブロック端面を機械加工すること等によって簡単に形成することができる。
また、第1の導入孔及び第2の導入孔が吐出する水流がシリンダヘッドガスケットの表面に沿って流れるため、シリンダヘッドガスケットを介してシリンダヘッドを冷却することができる。
これによれば、高温となりやすい各気筒のシリンダヘッドの排気ポート周辺の冷却を強化することができる。
実施例1のシリンダ冷却装置は、例えば、乗用車等の自動車に走行用動力源として搭載されるエンジンに設けられるものである。
実施例1において、エンジンは、例えば、水冷水平対向4気筒の4ストロークガソリンエンジンである。
エンジンは、乗用車の車体前部に設けられるエンジンルームに縦置き搭載され、車両前方側から第1乃至第4気筒を有する。
第1気筒及び第3気筒は、クランクシャフトに対して車幅方向右側に配置される右バンクに設けられ、第2気筒及び第4気筒は、クランクシャフトに対して車幅方向左側に配置される左バンクに設けられている。
図1は、左バンクのシリンダブロックにおけるシリンダヘッド側の端部を、車幅方向外側(シリンダヘッド側)の斜め下方側から見た状態を示している。
シリンダブロック1は、本体部10、第2気筒シリンダ20、第4気筒シリンダ30、気筒間連結壁40、ウォータジャケット50、副室60、隔壁70、第1導入孔80、第2導入孔90等を有して構成されている。
本体部10のクランクシャフト側の端部は、クランクシャフトを収容する左右二分割のクランクケースの左半部を構成し、クランクシャフトのジャーナル部を支持するベアリング部が形成されている。
本体部10の車幅方向外側(上死点側)の端面11には、図示しないシリンダヘッドが締結される。
端面11とシリンダヘッドとの間には、燃焼ガス、冷却水、潤滑油等の漏出を防止する図示しないヘッドガスケットが挟み込まれる。
本体部10は、例えば、アルミニウム系合金を鋳造後、所定の機械加工を施して形成されている。
第2気筒シリンダ20、第4気筒シリンダ30は、その中心軸がクランクシャフトの回転軸と実質的に直交する方向にほぼ沿うように、車幅方向にほぼ沿って水平に配置されている。
第2気筒シリンダ20、第4気筒シリンダ30は、車両前方側から順次配列されている。
第2気筒シリンダ20、第4気筒シリンダ30は、アルミニウム系合金によって、本体部10と一体に形成されている。
第2気筒シリンダ20、第4気筒シリンダ30の内径側には、ピストンとの摺動面を構成する例えば鋳鉄製の図示しないシリンダライナが圧入されている。
気筒間連結壁40は、第2気筒シリンダ20の中心軸と第4気筒シリンダ30の中心軸とを含む平面にほぼ沿って平板状に形成され、第2気筒シリンダ20、第4気筒シリンダ30の軸線方向にほぼ沿って延在している。
気筒間連結壁40の上死点側(シリンダヘッド側)の端部には、冷却水の通過を可能とするスリット41が形成されている。
スリット41は、気筒間連結壁40の上死点側の端縁における中央部を、下死点側に凹ませて溝状に形成されている。
ウォータジャケット50内は、副室60から第1導入孔80、第2導入孔90を介して供給される冷却水が充填されている。
ウォータジャケット50は、内部の冷却水を排出する図示しない水抜き孔を有する。
副室60には、図示しないウォータポンプによって加圧された冷却水が送り込まれる。
副室60は、第2気筒シリンダ20、第4気筒シリンダ30に対して下方側に設けられている。
なお、実施例1のエンジンにおいては、各シリンダの上方側が吸気ポート、下方側が排気ポート側となるように構成されており、副室60は、シリンダヘッドにおける排気ポート側の領域に隣接して配置されている。
隔壁70は、本体部10と一体に形成されている。
隔壁70は、第2気筒シリンダ20、第4気筒シリンダ30の下方において、エンジンの前後方向(図1の左右方向)にほぼ沿って配置されている。
隔壁70は、本体部10と一体に鋳造により形成されている。
隔壁70のシリンダヘッド側の端面は、本体部10の端面11と実質的に同一平面となるように機械加工によって仕上げられ、ヘッドガスケットと当接するようになっている。
第1導入孔80、第2導入孔90は、各気筒のシリンダ毎にそれぞれ設けられている。
第1導入孔80、第2導入孔90は、ウォータジャケット50内に、第2気筒シリンダ20の中心軸を挟んで広がる方向に進行する一対の水流を形成する。
第1導入孔80、第2導入孔90は、隔壁70の上死点側(シリンダヘッド側)の端縁(端面)を下死点側へ凹ませて形成されたスリット状(溝状)に形成されている。
実施例1においては、第1導入孔80、第2導入孔90は、冷却水が流れる方向に沿って一定の幅及び深さを有する矩形断面の溝部となっている。
このような溝部は、例えば、シリンダブロック1を鋳造後、機械加工を施すことによって形成することが可能である。
第1導入孔80、第2導入孔90は、各孔の出口の間隔が入口の間隔よりも広がるように、流路方向が相対的に傾斜するよう配置されている。
第1導入孔80、第2導入孔90は、矩形溝の長手方向(溝内で対向する壁面の延在方向)を、シリンダの径方向に対してそれぞれ反対の方向に傾斜させ、各導入孔から吐出される水流が、隔壁70からの距離に応じて広がるように構成されている。
図2においては、第1導入孔80から吐出する水流の主流方向W(流速が最大となる箇所における流れの方向)について説明するが、第2導入孔90から吐出する水流についても、シリンダ径方向に対して実質的に対称となる以外は、実質的に同様となるように設定される。
第1導入孔80が隔壁70のウォータジャケット50側の面部に開口した箇所は、水流をウォータジャケット50内へ吐出する吐出口となる。
この吐出口の流路断面の中心をP点とする。
また、第1導入孔80、第2導入孔90の吐出口の間隔は、第2気筒シリンダ20の外周面直径Dに対して小さく設定されている。
このため、冷却強化が特に求められる上死点近傍の領域においては、シリンダの周方向における広い範囲に、比較的流速が速い水流が壁面に沿って形成されるため、シリンダの表面部からの距離に応じた冷却水の温度勾配が大きくなって熱流束が増加し、冷却能力が向上する。
なお、第2気筒以外のシリンダについても、実質的に同様に冷却が行われる。
なお、比較例及び後述する各実施例において、実施例1と実質的に共通する箇所については同じ符号を付して説明を省略し、主に相違点について説明する。
比較例のシリンダ冷却装置においては、実施例1の第1導入孔80、第2導入孔90に代えて、各気筒に一か所の導入孔100を設けるとともに、ウォータジャケット50の内部にこれを厚さ方向(シリンダ径方向)に区画するスペーサ110を挿入したものである。
このような構成とした場合、導入孔100から吐出された水流が対向するシリンダの外周面に実質的に正対することから、シリンダ外周面との衝突箇所付近において偏向した水流の一部は、本来要求される冷却能力が比較的低い下死点側へ流れてしまう。
スペーサ110は、このような流れが生じた場合であってもシリンダ外周面との衝突箇所付近の壁温及びシリンダライナの下死点側の壁温を保温し、シリンダ周方向の壁温の均一化と過冷却を防止する目的で設けられている。
図4は、円筒状のシリンダライナの内周面を平面状に展開した状態における温度分布のシミュレーション結果を示すものであって、上下方向はそれぞれ上死点側、下死点側を示し、左右方向はシリンダ周方向を示している(図5において同じ)。
図4に示すように、比較例においては、スペーサ110を設けることでスペーサ110を設けない構造よりもシリンダ周方向の壁温の均一化を図れるものの、それでもなお、円周方向における一部の箇所に、他の箇所に対して高温となる箇所が形成されている。
比較例の場合、このような壁温が高い箇所が、シリンダ内部の混合気を加熱してノッキングや早期着火等の異常燃焼を発生させることが懸念される。
図5に示すように、実施例1においては、円周方向における温度分布の不均一が図4に示す比較例に対して改善されていることがわかる。
特に、図4に示す比較例のように高温となる箇所が形成されないことから、ノッキング抑制に有効であることがわかる。
図6においては、シリンダ軸線方向における上死点側の端部、下死点側の端部及びその中間点の三水準において、周方向に分散した複数箇所の温度を示している。
図6に示すように、実施例においては、上死点において比較例に対して温度分布が均一化されかつ温度自体も低温となっている。
また、中間点及び下死点においても、スペーサ110を設けることなく同程度の温度に保温することが可能となっている。
(1)第1導入孔80、第2導入孔90がそれぞれ吐出する冷却水の水流の主流を、シリンダ20の外周面に対して斜めに衝突させ、シリンダ20,30の外周面に沿ってシリンダ20の両側を流れる旋回流を形成することができる。
これによって、シリンダ壁面から冷却水への熱伝達が促進され、燃焼ガスに曝される時間が長い燃焼室近傍の領域における冷却能力を強化することができ、また、円周方向における温度分布を均一化することができるため、エンジンの耐ノッキング性能を改善することができる。
また、シリンダ20の外周面に衝突した水流が偏向して下死点側へ流れることを抑制することができるため、スペーサ110等の他部品を用いることなく、下死点側のシリンダ壁面の過冷却を防止することができ、燃焼室近傍の領域を集中的に冷却することができる。
(2)第1導入孔80、第2導入孔90を隔壁70のシリンダヘッド側の端面を凹ませた溝状に形成することによって、各導入孔80,90を、シリンダブロック1のシリンダヘッド側の端面を機械加工すること等によって簡単に形成することができる。
また、第1、第2導入孔80,90から吐出する水流がシリンダヘッドガスケットに沿って流れるため、シリンダヘッドガスケットの表面を介してシリンダヘッドを冷却することができる。
(3)第1導入孔80、第2導入孔90を排気ポートに隣接する領域に配置したことによって、高温となりやすい各気筒のシリンダヘッドの排気ポート周辺の冷却を強化することができる。
実施例2においては、実施例1における第1導入孔80、第2導入孔90に代えて、以下説明する導入孔180を、ウォータジャケット50内における水流の主流方向Wが実質的に実施例1の第1導入孔80、第2導入孔90と同様となるように気筒あたり一対設けている。
図7は、シリンダブロック1の隔壁70において導入孔180が形成された領域を、シリンダ中心軸方向と直交する平面で切って見た断面図を示している(後述する図8において同じ)。
実施例2の導入孔180は、冷却水の流れ方向における上流側、下流側それぞれの半部に形成された入側テーパ部181、出側テーパ部182を有する。
出側テーパ部182は、ウォータジャケット50側に対して副室60側が狭くなるテーパ状となるように、矩形断面の溝状である導入孔180の溝幅を連続的に変化させたものである。
実施例2においては、入側テーパ部181、出側テーパ部182を構成する各壁面部(溝内面部)は、それぞれ実質的に平面状に形成されている。
実施例2においては、実施例1における第1導入孔80、第2導入孔90に代えて、以下説明する導入孔280を、水流の主流方向Wが実質的に実施例1の第1導入孔80、第2導入孔90と同様となるように気筒あたり一対設けている。
実施例3の導入孔280は、冷却水の流れ方向における上流側、下流側それぞれの半部に、入側凹面部281、出側凹面部282が形成されている。
入側凹面部281、出側凹面部282は、それぞれ、隔壁70のシリンダヘッド側の端面部から、シリンダ軸線方向にほぼ沿って、ドリルで穿孔加工を施すことによって形成されている。
入側凹面部281を形成する際には、ドリル刃の中心軸が副室60内部側となり、出側凹面部282を形成する際には、ドリル刃の中心軸がウォータジャケット50の内部側となるように、隔壁70に対してオフセットさせた状態で加工を行う。
上述した水流の主流方向Wの設定は、各凹面部281,282を加工する際のドリル刃の中心軸を、隔壁70の長手方向にオフセットすることによって実現できる。
本発明は、上述した各実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。
(1)第1、第2の導入孔の配置、形状、加工方法等は、上述した各実施例の構成に限らず、適宜変更することができる。
例えば、各実施例では、第1、第2の導入孔を、シリンダの中心軸を含む平面に対して実質的に対称に配置しているが、これに限らず、オフセットして配置してもよい。
また、各実施例において、導入孔を構成する溝深さは長さ方向にわたって一定としているが、溝深さが変化する構成としてもよい。例えば、ウォータジャケット側(出側)を浅くすることによって、絞りによる流速向上効果を高めてもよい。
また、各実施例の導入孔のような隔壁端面を溝状に凹ませた形状に限らず、隔壁のシリンダ軸線方向における中間部分に貫通孔として形成してもよい。
さらに、気筒あたり3個以上の導入孔を有する構成としてもよい。
(2)各実施例におけるエンジンは、一例として水平対向4気筒のガソリンエンジンであるが、シリンダレイアウトや気筒数はこれに限定されず、適宜変更することができる。
また、本発明は、ガソリンエンジンに限らず、例えばディーゼルエンジンやその他の水冷レシプロエンジン全般に適用することが可能である。
11 端面 20 第2気筒シリンダ
30 第4気筒シリンダ 40 気筒間連結壁部
41 スリット 50 ウォータジャケット
60 副室 70 隔壁
80 第1導入孔(実施例1) 90 第2導入孔(実施例1)
100 導入孔(比較例) 110 スペーサ
180 導入孔(実施例2) 181 入側テーパ部
182 出側テーパ部 280 導入孔(実施例3)
281 入側凹面部 282 出側凹面部
W 第1導入孔の主流方向
Claims (5)
- ピストンが挿入される筒状部材であるシリンダの周囲を取り囲んで形成され冷却水が通流されるウォータジャケットと、
各気筒の前記シリンダ毎にそれぞれ設けられウォータポンプによって加圧された冷却水を前記ウォータジャケット内における燃焼室に隣接する領域に吐出して前記シリンダの中心軸を挟んで広がる方向に進行する第1の水流及び第2の水流をそれぞれ形成する第1の導入孔及び第2の導入孔と
を備えるシリンダ冷却装置であって、
前記第1の導入孔及び前記第2の導入孔は、前記シリンダの中心軸方向から見たときに、前記冷却水を吐出する吐出口の中心と前記シリンダの中心とを結んだ直線と、水流の主流方向とがなす角度αが、前記吐出口の中心を通る前記シリンダ外周面の接線と、前記直線とがなす角度βに対して小さく、
前記第1の導入孔の前記吐出口と前記第2の導入孔の前記吐出口との間隔が前記シリンダの外周面の直径よりも小さく、
前記第1の導入孔及び前記第2の導入孔は、各孔の出口の間隔が入口の間隔よりも広がるように流路方向が相対的に傾斜するよう配置されること
を特徴とするシリンダ冷却装置。 - 前記ウォータジャケットは、前記シリンダが形成されるシリンダブロックにおけるシリンダヘッドガスケットとの当接面と近接する領域において、前記シリンダの全周にわたって連続して形成されること
を特徴とする請求項1に記載のシリンダ冷却装置。 - 前記第1の導入孔及び前記第2の導入孔は、各孔の中央部に、前記冷却水の流れ方向における入口及び出口の流路断面積よりも小さな流路断面積を有する絞り部を設けたこと
を特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシリンダ冷却装置。 - 前記第1の導入孔及び前記第2の導入孔は、前記シリンダが収容されるシリンダブロックにおけるシリンダヘッドガスケットとの当接面をクランクケース側に凹ませた溝部として形成されること
を特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のシリンダ冷却装置。 - 前記第1の導入孔及び前記第2の導入孔は、シリンダヘッドに形成される排気ポートに隣接して配置されること
を特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のシリンダ冷却装置。
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JP2016142179A (ja) | 2016-08-08 |
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