JP2005048676A - 内燃機関のシリンダヘッド - Google Patents
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Abstract
【課題】 内燃機関のシリンダヘッドにおいて、重点的に冷却する必要のある吸気及び排気ポートの間を中心として、より効率的に冷却できる構成を提供する。
【解決手段】 シリンダヘッド10において、気筒の軸線にほぼ垂直な方向に流れるウォータジャケット15の天井面20に冷却液導入口18を備える。上記天井面20は、前記冷却液導入口18の周囲部分において、前記ウォータジャケット15の内底面17に近接する方向に突出する、突出部19を備える。この冷却液導入口18は、吸気ポートと排気ポートの間の位置に設けられている。
【選択図】 図5
【解決手段】 シリンダヘッド10において、気筒の軸線にほぼ垂直な方向に流れるウォータジャケット15の天井面20に冷却液導入口18を備える。上記天井面20は、前記冷却液導入口18の周囲部分において、前記ウォータジャケット15の内底面17に近接する方向に突出する、突出部19を備える。この冷却液導入口18は、吸気ポートと排気ポートの間の位置に設けられている。
【選択図】 図5
Description
本発明は、内燃機関のシリンダヘッドに関する。詳細には、シリンダヘッド内部に形成されるウォータージャケット等の冷却液経路による冷却構造の改良に関する。
内燃機関のシリンダヘッドは燃焼室を構成する部品であり、高温となることが避けられない。特に、シリンダヘッド下面の排気/吸気ポートの間の部分(弁間部)は燃焼ガスに晒されるため、燃焼室での燃焼に伴う衝撃や熱負荷を最も受け易くなっている。
具体的には、エンジンが運転され高温となると、弁間部の周囲には剛性の高い部分があるため、熱膨張が拘束される結果、大きな圧縮方向の熱応力が加わる。また、この応力が塑性域に達して塑性変形した場合、この状態からエンジンを停止すると、今度は収縮による大きな引張応力が発生する。
このような高低温のサイクルによって熱疲労が生じるのを防ぐために、シリンダヘッド下面の温度を下げる必要があり、例えばウォータジャケット等の冷却液経路を形成して冷却を行う構造が提案されている。
特許文献1は、気筒の直上部にあたる吸気ポートと排気ポートとの間の部分、特に燃焼室に近いその下層部分を、重点的に冷却を施す必要のある主要冷却部であるとし、この主要冷却部を効率的に冷却すべく、以下のような構造を採用している。
即ち、特許文献1の図1に示すように、シリンダヘッド10にウォータジャケットを、上層側14と下層側15とに区画形成する。そして下層側のウォータジャケット15には特許文献1の図2に示すように、各気筒毎に格別に設けられた冷却水の流入口20を形成する。各冷却水の流入口20からは、排気ポート11と吸気ポート12との間を通り、気筒列方向に対しほぼ直交する方向に延伸された気筒別の専用流路21を備える。
この構成によれば、冷却水は、各気筒毎に格別に設けられた流入口20から各々排気ポート11及び吸気ポート12の下層部を通るように形成された気筒別の専用流路21内を流れるようになる。この専用流路21は、気筒列に対してほぼ直交する方向に延伸されているため流路長が短く、しかも各気筒毎にそれぞれ設けられて並列となっているため、冷却水の流れに対する流路抵抗が小さく、圧力損失も小さくなる。このため、十分な流量の冷却水が排気ポート11及び吸気ポート12の間の下層部に送り込まれるようになる。こうして送り込まれる十分な流量の冷却水によって、燃焼室の直上部に位置し、燃焼に伴う衝撃や熱負荷を最も受け易い部分(即ち、排気ポート11と吸気ポート12間で燃焼室に近い下層部分)が効果的に冷却されるようになる。
特開2000−303903号公報(図1・図2、段落番号0025等)
ここで前述のとおり、シリンダヘッドはその下面が最も高温に晒されることから、熱疲労を回避するには、シリンダヘッドの下面側を効率よく冷却することが要請される。従って、上記ウォータジャケットは、その内底面から冷却水が効果的に熱を奪うことができるものでなければならない。
この点、上記特許文献1の冷却構造においては、下層側のウォータジャケット15内で冷却水は、排気ポート11及び吸気ポート12の間の専用流路21を流れる場合も、気筒の軸線にほぼ垂直な方向(ウォータジャケット15の内底面に平行な方向)に流れるのみである。従ってウォータジャケット15は、その内底面や側壁や天井面に接する層(境界層)は流速が低下してしまい、熱伝達係数が小さくなってしまう。この結果、ウォータジャケット15の内底面から冷却水が熱を十分に奪うことができず、シリンダヘッド10の下面を効率よく冷却できない。この結果、熱疲労の発生を確実に回避できない恐れがある。
なお、特許文献1のシリンダヘッド10には、下層側のウォータジャケット15に連通孔27・28が設けられている(図3、段落番号0040等)。しかし、これは下層側のウォータジャケット15と上層側のウォータジャケット14とを接続するためのものであって、上層側のウォータジャケット15の冷却水が連通孔27・28を経由して下層側のウォータジャケット15の内底面に積極的に冷却水を導く効果を奏するものではない。
また特許文献1のシリンダヘッド10においては、その下端から延伸され、前記下層側のウォータジャケット15に開口する補助流入口23・24が設けられている(図3、段落番号0038等)。しかし、これは前記弁間部などの重点的に冷却を施す必要のある部分に直接冷却水を供給するためのものであって、下層側のウォータジャケット15の内底面に特別に冷却水を導く効果を奏するものではない。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
即ち、第1の発明は、内燃機関のシリンダヘッドにおいて、気筒の軸線にほぼ垂直な方向に流れる冷却液経路の天井面に冷却液導入口を備え、上記天井面は、前記冷却液導入口の周囲部分において、前記冷却液経路の内底面に近接する方向に突出している、内燃機関のシリンダヘッドである。
この構成により、冷却液導入口は、その周囲の天井面が突出することによって、その開口位置が冷却液経路の内底面に近づけられる形となっている。従って、この冷却液導入口から前記冷却液経路に向けて噴出される冷却水の多くを、冷却液経路の内底面に衝突させることができる。この結果、冷却液経路の内底面(境界層)で淀んでいる冷却水を押し流し或いは撹拌することができ、この結果、熱伝達係数を高め、シリンダヘッドの下面を効果的に冷却することができる。
第2の発明は、前記冷却液導入口から前記冷却液経路に流入する冷却液の向きが前記気筒の軸線にほぼ平行である、内燃機関のシリンダヘッドである。
この構成により、冷却液導入口から冷却液経路に流入する冷却水が当該冷却液経路の内底面に鋭く衝突する構成とでき、当該内底面から効果的に熱を奪うことができる。この結果、シリンダヘッドの下面を効率的に冷却できる。
第3の発明は、前記冷却液導入口から前記冷却液経路に流入する冷却液の向きが前記冷却液経路の内底面にほぼ垂直である、内燃機関のシリンダヘッドである。
この構成により、冷却液導入口から冷却液経路に流入する冷却水が当該冷却液経路の内底面にほぼ垂直に衝突する構成とでき、当該内底面から効果的に熱を奪うことができる。この結果、シリンダヘッドの下面を効率的に冷却できる。
第4の発明は、当該シリンダヘッドは排気又は吸気のためのポートを複数有するとともに、前記冷却液経路は前記ポートの間を通過するように構成し、前記冷却液導入口は前記ポートの間の位置に形成される、内燃機関のシリンダヘッドである。
この構成により、高温となり易く熱応力が過大となり易いポート間の部分を効率的に冷却することができ、熱疲労を原因とするトラブルを確実に回避できる。
第5の発明は、前記冷却液経路は前記排気ポートと前記吸気ポートの間を通過するように構成し、前記冷却液導入口は前記排気ポートと前記吸気ポートの間の位置に形成される、内燃機関のシリンダヘッドである。
この構成により、特に熱応力が過大となり易い吸気ポートと排気ポートと間の部分を効率的に冷却することができ、熱疲労を原因とするトラブルを確実に回避できる。
第6の発明は、当該シリンダヘッドは互いに隣り合う排気ポートと吸気ポートを複数対有するとともに、前記冷却液導入口は、それぞれの対の前記排気ポートと前記吸気ポートの間の位置に形成される、内燃機関のシリンダヘッドである。
この構成により、複数ある弁間部を個別的に確実に冷却することができるから、熱疲労を原因とするトラブルを確実に回避できる。
第7の発明は、前記冷却液導入口は複数備えられており、これら複数の前記冷却液導入口は冷却液引込路を通じて冷却液分配路と連通している、内燃機関のシリンダヘッドである。
この構成により、冷却液分配路を介して冷却液を複数の冷却液導入口に分配する構成とでき、流路構造を簡素化することができる。
第8の発明は、当該シリンダヘッドは複数気筒型内燃機関のシリンダヘッドであり、前記冷却液分配路は前記気筒の並べられる方向に沿って設けられるとともに、冷却液は、前記冷却液分配路から前記冷却液引込路を通じて各気筒の前記冷却液導入口へ導かれる、内燃機関のシリンダヘッドである。
この構成により、複数の気筒の冷却液導入口に冷却液を適切に分配して供給する簡素な流路構造を実現できる。
第9の発明は、前記冷却液引込路は、冷却液を前記排気ポート寄りの位置から前記冷却液導入口へ導くように構成した、内燃機関のシリンダヘッドである。
この構成により、シリンダヘッド下面のみならず、燃焼後の高温ガスが通過する排気ポート部分の冷却効果をも奏させることができる。
第10の発明は、前記冷却液引込路の流路断面積は、前記冷却液分配路の流路断面積よりも小さくした、内燃機関のシリンダヘッドである。
この構成により、冷却液導入口から冷却液経路に流入する冷却液の流れの勢いを増加させて冷却液経路の内底面に強い流れを当てることが可能になり、シリンダヘッド下面を一層効率よく冷却できる。
次に、発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の一実施形態に係るシリンダヘッドの正面断面図、図2は図1のa−a断面矢視図である。図3は、1つの気筒分の構成を示す、図2の部分拡大図である。図4は、冷却液導入口の構成を詳細に示す、図3のb−b断面矢視図である。
図1は、本実施形態のシリンダヘッドの正面断面構造を示している。このシリンダヘッド10は、直列4気筒のディーゼル機関に採用されるもので、アルミニウム合金の鋳造によって形成されている。図1に示すように、シリンダヘッド10の内部には、冷却液経路としての第1ウォータジャケット15及び第2ウォータジャケット16が形成されている。両ウォータジャケット15・16は、図示しない流路を介して互いに連通している。
このウォータジャケット15・16には、図略のラジエータで放熱された後、ウォータポンプ(図略)にて加圧吐出された冷却液としての冷却水が、シリンダブロック内に形成された冷却水通路を通じて供給される。そして冷却水は、前記ウォータジャケット15・16を通過してシリンダヘッド10を冷却した後、再び前記ラジエータへと戻され、循環されている。
図2は図1のa−a線断面矢視図であり、第1ウォータジャケット15の流路形状が示されている。シリンダヘッド10の下方に設けられた図示しないシリンダブロックには、当該シリンダヘッド10の前面側から順に、第1気筒から第4気筒までの4つの気筒が、互いの軸線を平行にして直列的に配設されている。そしてシリンダヘッド10には図2に示すように、前記の気筒それぞれについて第1・第2排気ポート11a・11bと第1・第2吸気ポート12a・12bが形成されており、これら各ポート11・12の中央には、インジェクタを収容するための収容孔13が形成されている。なお、図3は、図2に示す4つの気筒のうち1つの部分について拡大したものであり、第1ウォータジャケット15内での冷却水の流れが矢印で示されている。
前述のウォータジャケット15・16は、冷却水が、前記各気筒の軸線にほぼ垂直な方向(換言すれば、シリンダヘッド10の下面に平行な方向)に流れるように形成されている。例えば前記第1ウォータジャケット15において冷却水は、図3に示すように、互いに隣り合う排気ポートと吸気ポートの間(第1排気ポート11aと第1吸気ポート12aの間、及び第2排気ポート11bと第2吸気ポート12bの間)を通過するよう構成されている。
そして図2に示すように、本実施形態のシリンダヘッド10の内部には、前記4つの気筒が並べられる方向に沿って、一直線状に細長い分配経路(冷却液分配路)2が設けられている。また、シリンダヘッド10内部には各気筒ごとの供給経路1が略上下方向に形成され、この供給経路1は、その一端をシリンダヘッド10の下面側に開口させる一方、他端は前記分配経路2にT字状に接続している(図1も併せて参照)。この供給経路1には、前記シリンダブロックに形成された図示しない冷却水通路から冷却水が供給されるように構成している。
前記分配経路2の形成位置は、前記ウォータジャケット15よりも上方位置とされている(図1参照)。そして、この分配経路2に接続するようにして、略上下方向に細長い冷却液引込路3a・3bがシリンダヘッド10内に形成されている。この冷却液引込路3a・3bは、1つの気筒につき2本備えられている。それぞれの冷却液引込路3a・3bの上方側の端部は前記分配経路2に接続させる一方、下方側の端部は、前述のウォータジャケット15の天井面に冷却液導入口18を形成している。本実施形態のシリンダヘッド10において、冷却液導入口18は、1つの気筒につき2個、計8個備えられている。
図2や図3に示すように、第1の冷却液引込路3aの冷却液導入口18は、前記第1排気ポート11aと第1吸気ポート12aの間の位置に形成される。また、第2の冷却液引込路3bの冷却液導入口18は、前記第2排気ポート11bと第2吸気ポート12bの間の位置に形成される。
図4は第1の冷却液引込路3aの冷却液導入口18の詳細な様子を示す、図3におけるb−b断面矢視図である。この図4に示すように、前記ウォータジャケット15の天井面20
には、前記第1の冷却液引込路3aに連通する前記冷却液導入口18が開口されている。そして、ウォータジャケット15の前記天井面20には、前記前記冷却液導入口18の周囲部分においてウォータジャケット15の内底面17に近接する方向に突出する、突出部19を設けている。この結果、前記分配経路2から前記冷却液引込路3aに供給された冷却水は、前記冷却液導入口18からウォータジャケット15へ流入する前の段階で、前記突出部19の部分の内壁19aによって案内されつつ、ウォータジャケット15の内底面17に近接するように導かれる。
には、前記第1の冷却液引込路3aに連通する前記冷却液導入口18が開口されている。そして、ウォータジャケット15の前記天井面20には、前記前記冷却液導入口18の周囲部分においてウォータジャケット15の内底面17に近接する方向に突出する、突出部19を設けている。この結果、前記分配経路2から前記冷却液引込路3aに供給された冷却水は、前記冷却液導入口18からウォータジャケット15へ流入する前の段階で、前記突出部19の部分の内壁19aによって案内されつつ、ウォータジャケット15の内底面17に近接するように導かれる。
言い換えれば前記冷却液導入口18は、当該冷却液導入口18の周囲に前記突出部19が設けられていることに伴って、その開口位置がウォータジャケット15の内底面17に近づけられる形となっている。更に言えば、前記冷却液導入口18が設けられている部分においては、前記内底面17と前記天井面20との距離が狭められている。
この構成で、前記冷却液導入口18からウォータジャケット15に向けて流れ込んだ冷却水は、当該ウォータジャケット15を前記気筒の軸線方向と垂直に流れる(前記内底面17と平行に流れる)冷却水の流れと混合される。しかし前述のように、前記冷却液導入口18の開口位置が前記突出部19の分だけ前記内底面17に近い位置とされているので、この冷却液導入口18から噴出される冷却水の流れは、前記突出部19部分の内壁19aによってガイドされた向き(図4に矢印Aで示す向き)があまり弱められず、ウォータジャケット15の内底面17に衝突することになる。
この衝突により、ウォータジャケット15の内底面17近く(前記境界層)で淀んでいる冷却水が押し流され或いは撹拌され、前記冷却液導入口18からの新しい冷却水が内底面17に供給される。この結果、シリンダヘッド10の下面に近い部位であるウォータジャケット15の内底面17の熱を効率的に奪うことができ、シリンダヘッド10の下面を効果的に冷却することができる。
なお図4に図示する構成では、前記冷却液導入口18から前記ウォータジャケット15に流入する冷却水の向き(矢印Aで示す)が斜めとなっているが、変形例としての図5に図示するように、前記冷却液導入口18から前記ウォータジャケット15に流入する冷却水の向き(矢印A)が、前記気筒の軸線にほぼ平行となるように構成しても良い。この場合は、冷却液導入口18からウォータジャケット15に流入する冷却水が当該ウォータジャケット15の内底面17に鋭く衝突する構成とでき、当該内底面17から効果的に熱を奪うことができる構成となっている。
見方を変えれば、この変形例の構成(図5)は、前記冷却液導入口18から前記ウォータジャケット15に流入する冷却水の向きが、前記ウォータジャケット15の内底面17にほぼ垂直である。従って、冷却液導入口18から流入した冷却水が、内底面17に対しほぼ垂直に衝突し、内底面17近くの境界層で淀んでいる冷却水を効率よく押し流すことができる。
そして本実施形態では図2や図3に示すように、前記ウォータジャケット15は、前記第1排気ポート11aと第1吸気ポート12aの間、及び、第2排気ポート11bと第2吸気ポート12bの間を通過するように構成している。そして、第1の冷却液引込路3aの前記冷却液導入口18は、前記第1排気ポート11aと第1吸気ポート12aの間の位置に形成し、第2の冷却液引込路3bの前記冷却液導入口18は、前記第2排気ポート11bと前記第2吸気ポート12bの間の位置に形成している。
こうすることで、高温となり易く熱応力が過大となりやすい排気・吸気ポートの間の部分(前記弁間部)においてウォータジャケット15の内底面17の熱を効果的に奪う構成とできるから、熱疲労を原因とするトラブルを確実に回避することができる。
また、本実施形態では、互いに隣り合うそれぞれの排気ポートと吸気ポートの対の間に一つずつ前記冷却液導入口18が形成される構成であるので、それぞれの弁間部を個別的に確実に冷却できる構成となっている。
また、本実施形態では、これらの複数の冷却液導入口18は、前記分配経路2に冷却液引込路3a(3b)を介して連通している。この結果、前記分配経路2を介して冷却液を複数の冷却液導入口18に分配する構成となり、流路構造を簡素化することができる。
特に、前記分配経路2を気筒の並べられる方向に沿って設け、各気筒の冷却液導入口18に当該分配経路2を介して分配する構成とすることで、複数の気筒の冷却液導入口18に冷却液を分配して供給できる簡素な構成が実現されている。
なお、前記分配経路2は、図1や図2に示すように、前記第1ウォータジャケット15よりもやや排気ポート11a(11b)寄りの位置に設けられている。そして冷却液引込路3a(3b)は、冷却液を前記排気ポート寄りの位置から前記冷却液導入口18へ導くように構成している。
この構成により、燃焼後の高温ガスが通過する排気ポート11a(11b)近傍の部分を冷却水が通過する構造とでき、シリンダヘッド10下面のみならず、排気ポート11a(11b)部分の冷却効果を奏させることができる。
また、本実施形態において、前記冷却液引込路3a(3b)の流路断面積は、前記分配経路2の流路断面積よりも小さく形成している。
このように冷却液引込路3a(3b)を細く形成することで、前記冷却液導入口18からウォータジャケット15に流入する冷却水の水流の勢いを増加させてウォータジャケット15の内底面17に強い水流を当てることが可能になり、シリンダヘッド10下面を一層効率良く冷却することができる。
なお、以上のような供給経路1や分配経路2や冷却液引込路3a・3bは、前記ウォータジャケット15・16と同様、公知の方法、即ちシリンダヘッド10の鋳込時の鋳型に中子を使用することで形成することができる。
以上に本発明の実施形態及び変形例を説明したが、本発明は以上の構成に限定されるものではなく、例えば以下のような変形が可能である。
(1)ウォータジャケット15の天井面20の突出部19の形状は、図4や図5のように流線形を呈しつつ緩やかに膨出するものに限らず、例えば図6に示すように、管を形成するように鋭く突出させても良い。
(2)前記冷却液導入口18の周囲における前記突出部19の天井面20からの突出量は任意に定めることができる。突出量を増加すると、より直接的にウォータジャケット15の内底面17に水流を衝突させることができるが、ウォータジャケット15内の冷却水の流れを当該突出部19が阻害することになるので、双方の事情を考慮して定めると良い。
(3)前記冷却液引込路3a(3b)は、一様な流路断面積とせずとも構わない。例えば図7に示すように、前記冷却液導入口18に向かうにつれて先細りとなるテーパ形状に構成しても良い。この場合、冷却液導入口18からウォータジャケット15に流入する水流を強くでき、内底面17の弁間部をより効果的に冷却できる利点がある。
(4)ウォータジャケット15が吸気ポートと排気ポートの間を通過する構成に限定されず、例えば、第1排気ポート11aと第2排気ポート11bの間を通過する構成であっても良い。この場合、両排気ポート11a・11bの間の位置に前記冷却液導入口18を設けると、両排気ポート11a・11bの間の部分を効果的に冷却することができる。
(5)本実施形態は直列4気筒のディーゼル機関のシリンダヘッドとして構成されているが、これに限らず、例えばV型8気筒等の内燃機関に適用できることは勿論である。
1 供給経路
2 分配経路(冷却液分配路)
3a・3b 冷却液引込路
15 ウォータジャケット(冷却液経路)
17 ウォータジャケットの内底面
18 冷却液導入口
19 突出部
20 ウォータジャケットの天井面
2 分配経路(冷却液分配路)
3a・3b 冷却液引込路
15 ウォータジャケット(冷却液経路)
17 ウォータジャケットの内底面
18 冷却液導入口
19 突出部
20 ウォータジャケットの天井面
Claims (10)
- 内燃機関のシリンダヘッドにおいて、気筒の軸線にほぼ垂直な方向に流れる冷却液経路の天井面に冷却液導入口を備え、上記天井面は、前記冷却液導入口の周囲部分において、前記冷却液経路の内底面に近接する方向に突出していることを特徴とする、内燃機関のシリンダヘッド。
- 請求項1に記載の内燃機関のシリンダヘッドであって、前記冷却液導入口から前記冷却液経路に流入する冷却液の向きが前記気筒の軸線にほぼ平行であることを特徴とする、内燃機関のシリンダヘッド。
- 請求項1に記載の内燃機関のシリンダヘッドであって、前記冷却液導入口から前記冷却液経路に流入する冷却液の向きが前記冷却液経路の内底面にほぼ垂直であることを特徴とする、内燃機関のシリンダヘッド。
- 請求項1又は請求項2に記載の内燃機関のシリンダヘッドであって、
当該シリンダヘッドは排気又は吸気のためのポートを複数有するとともに、
前記冷却液経路は前記ポートの間を通過するように構成し、
前記冷却液導入口は前記ポートの間の位置に形成されることを特徴とする、内燃機関のシリンダヘッド。 - 請求項4に記載の内燃機関のシリンダヘッドであって、
前記冷却液経路は前記排気ポートと前記吸気ポートの間を通過するように構成し、
前記冷却液導入口は前記排気ポートと前記吸気ポートの間の位置に形成されることを特徴とする、内燃機関のシリンダヘッド。 - 請求項5に記載の内燃機関のシリンダヘッドであって、
当該シリンダヘッドは互いに隣り合う排気ポートと吸気ポートを複数対有するとともに、
前記冷却液導入口は、それぞれの対の前記排気ポートと前記吸気ポートの間の位置に形成されることを特徴とする、内燃機関のシリンダヘッド。 - 請求項1から請求項6までの何れか一項に記載の内燃機関のシリンダヘッドであって、
前記冷却液導入口は複数備えられており、
これら複数の前記冷却液導入口は冷却液引込路を通じて冷却液分配路と連通していることを特徴とする、内燃機関のシリンダヘッド。 - 請求項7に記載の内燃機関のシリンダヘッドであって、
当該シリンダヘッドは複数気筒型内燃機関のシリンダヘッドであり、
前記冷却液分配路は前記気筒の並べられる方向に沿って設けられるとともに、
冷却液は、前記冷却液分配路から前記冷却液引込路を通じて各気筒の前記冷却液導入口へ導かれることを特徴とする、内燃機関のシリンダヘッド。 - 請求項7又は請求項8に記載の内燃機関のシリンダヘッドであって、
前記冷却液引込路は、冷却液を前記排気ポート寄りの位置から前記冷却液導入口へ導くように構成したことを特徴とする、内燃機関のシリンダヘッド。 - 請求項7から請求項9までの何れか一項に記載の内燃機関のシリンダヘッドであって、
前記冷却液引込路の流路断面積は、前記冷却液分配路の流路断面積よりも小さくしたことを特徴とする、内燃機関のシリンダヘッド。
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- 2003-07-30 JP JP2003282346A patent/JP2005048676A/ja active Pending
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