JP2007315195A - 内燃機関のシリンダブロックおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】シリンダボア間の冷却用連通路を流れる流量の増量に好適な内燃機関のシリンダブロックおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】一直線上に複数のシリンダボア2が並設されたシリンダブロック1に、並設方向の一端側から各シリンダボア2の左右両側に分かれ、他端側へと通過するよう形成された冷却水流路5A、5Bと、前記左右に分かれた冷却水流路5A、5Bを、各シリンダボア2間において連通させるか若しくは各シリンダボア2間においてトップデッキ上に連通させる冷却用連通路6とを備えたウォータジャケット5を形成し、前記冷却水流路5A、5Bの前記冷却用連通路6が開口した部位若しくはその近傍に、シリンダ壁3若しくはシリンダブロック外壁4から冷却水流路5A、5Bを横断する複数のブリッジ9を設けるようにした。
【選択図】図1
【解決手段】一直線上に複数のシリンダボア2が並設されたシリンダブロック1に、並設方向の一端側から各シリンダボア2の左右両側に分かれ、他端側へと通過するよう形成された冷却水流路5A、5Bと、前記左右に分かれた冷却水流路5A、5Bを、各シリンダボア2間において連通させるか若しくは各シリンダボア2間においてトップデッキ上に連通させる冷却用連通路6とを備えたウォータジャケット5を形成し、前記冷却水流路5A、5Bの前記冷却用連通路6が開口した部位若しくはその近傍に、シリンダ壁3若しくはシリンダブロック外壁4から冷却水流路5A、5Bを横断する複数のブリッジ9を設けるようにした。
【選択図】図1
Description
本発明は、内燃機関のシリンダブロックおよびその製造方法に関するものである。
従来から内燃機関のシリンダボア間に形成した冷却用連通路の冷却水通過流量を増量させるため、冷却用連通路のウォータジャケットへの開口部近傍に冷却水を案内する整流壁を設けることが提案されている(特許文献1、2参照)。
上記特許文献1では、ウォータジャケットを構成する冷却水通過流路と冷却用連通路との各分流部位に、水流に方向性を付与する整流壁を設けるようにしている。具体的には、前記整流壁は、吸気側冷却水通過流路では、前記分流部における分流点の下流に形成して水流を連通路側に向け、排気側の冷却水通過流路では、分流部における分流点の上流に形成して水流を下流側に向けるようにしている。
上記特許文献2では、ウォータジャケットの外壁に開口する、冷却用連通孔加工用のキリ孔をふさぐ盲プラグに、シリンダボア回りを流れる冷却水をボア間の冷却用連通孔へ向ける整流突起として、冷却水の流れ方向に略直交する起立板を設け、冷却用連通孔側の先端に冷却水を上向きに付勢する斜辺部を形成するようにしている。
特開平10−196449号公報
実開平7−22052号公報
しかしながら、上記従来例では、いずれも冷却用連通路のウォータジャケットへの開口部近傍に冷却水を案内する整流壁を設けて、前記開口部近傍でのウォータジャケット内の水流を部分的に制限するものであるため、該当部分を回避する流れを誘発し、結果的に該当部分への冷却水の流れが抑制されることとなり、シリンダボア間の冷却用連通路を流れる流量を増量できない不具合があった。
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、シリンダボア間の冷却用連通路を流れる流量の増量に好適な内燃機関のシリンダブロックおよびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、一直線上に複数のシリンダボアが並設されたシリンダブロックに、並設方向の一端側から各シリンダボアの左右両側に分かれ、他端側へと通過するよう形成された冷却水流路と、前記左右に分かれた冷却水流路を、各シリンダボア間において連通させるか若しくは各シリンダボア間においてトップデッキ上に連通させる冷却用連通路とを備えたウォータジャケットを形成し、前記冷却水流路の前記冷却用連通路が開口した部位若しくはその近傍に、シリンダ壁若しくはシリンダブロック外壁から冷却水流路を横断する複数のブリッジを設けるようにした。
したがって、本発明では、内燃機関のシリンダブロックのウォータジャケットにおける左右に分かれた冷却水流路を、各シリンダボア間において連通させるか若しくは各シリンダボア間においてトップデッキ上に連通させる冷却用連通路が開口した部位若しくはその近傍に、シリンダ壁若しくはシリンダブロック外壁から冷却水流路を横断する複数のブリッジを設けたため、前記ブリッジを通過する冷却水を均一な流速分布とでき、冷却水がウォータジャケットの下部側に偏って流れることを抑制でき且つその圧力を上昇でき、シリンダボア間に配置した冷却用連通路内へ流入する冷却水量を増加させ、シリンダボア間の放熱性を向上させることができる。
以下、本発明の内燃機関のシリンダブロックおよびその製造方法を各実施形態に基づいて説明する。図1は、本発明を適用した内燃機関のシリンダブロックの第1実施形態を示す断面図、図2はシリンダブロックの一方のバンクの平面図、図3は前記一方のバンクの断面図である。
図1〜図3は、夫々の片側に3気筒のシリンダボアを備えるV型6気筒内燃機関のシリンダブロック1を示し、夫々のバンクには3つのシリンダボア2を備えており、夫々のバンクの各シリンダボア2は夫々のシリンダ壁3を連ねて一直線上に並設され、その周りをブロック外壁4で囲んでウォータジャケット5が形成されている。図1に示すシリンダブロック1は、図中の右半分がシリンダボア2の中心を含む断面図であり、図中の左半分がシリンダボア2間の断面図である。
前記ウォータジャケット5は、各シリンダボア2の吸気側(両バンクの内側であり、図2、3では下側)と排気側(両バンクの外側であり、図2、3では上側)にあたる左右両側に分かれ、互いに対称形となる波形に形成され、一端側(図2、3では左側)から他端側(図2、3では右側)へと通過する冷却水流路5A、5Bと、各シリンダボア2間のシリンダ壁3を貫通させて前記吸気側冷却水流路5Aをトップデッキ上(図示しない、シリンダヘッド側)に連通させる冷却用連通路6とを備える。前記冷却用連通路6は、図1に示すように、前記吸気側冷却水流路5A側において二又に分岐させており、冷却水が前記吸気側冷却水流路5A側の二箇所の流入口から冷却用連通路6に流入し、分岐部で合流してトップデッキ上に流出されるよう構成している。
前記シリンダ壁3同士が連結されている部位に対応する前記ブロック外壁4には、図示しないシリンダヘッドを固定するためのボルト孔8が形成され、このボルト孔8を囲んでボス肉部分8Aをブロック外壁4に形成している。このボス肉部分8Aは、各シリンダボア2間の内方に窪んでいるシリンダ壁面3にウォータジャケット5の空間を介在させて対面している。
前記ウォータジャケット5は、シリンダボア2の並設方向に対して一端(図2、3においては左手前)側に図示しない入水口を備える。V型内燃機関においては、エンジン前方側の両バンク間に前記入水口が配置されている。そして、その入水口から供給された冷却水は、ウォータジャケット5の各シリンダボア2の吸気側と排気側にあたる左右両側に分かれて、各波形の冷却水流路5A、5Bを通り抜け、他端側に配置されている図示しない出水口およびトップデッキに設けた連通孔7を介して図示しないシリンダヘッドに形成されたウォータジャケットへと送り出されるようになっている。また、冷却水流路5A、5Bを流れる冷却水の一部は、各シリンダボア2間の冷却用連通路6を経由して、図示しないシリンダヘッドに形成されたウォータジャケットへと送り出されるようになっている。
前記ウォータジャケット5を構成するシリンダブロック1の外壁4の内面とシリンダ壁3とは、各シリンダボア2間の近傍において、シリンダブロック1と一体に形成された複数のブリッジ9により連結されている。前記複数のブリッジ9は、シリンダブロック1のヘッドボルト孔8を取囲むボス肉部分8Aとシリンダボア2間のシリンダ壁面3とを連結する、ボア軸方向に配列された比較的断面積の大きい複数の中央ブリッジ9Aと、中央ブリッジ9Aを挟んでシリンダ列方向に夫々配列され、ヘッドボルト孔8を取囲むボス肉部分8Aとシリンダ壁面3とを連結する、ボア軸方向に配列された比較的断面積の小さい複数の左右ブリッジ9Bとで構成され、中央ブリッジ9Aと左右ブリッジ9Bとはシリンダブロック1の側面から見て、図4に示すように、千鳥状に交互に配列されている。
前記複数のブリッジ9は、前記ウォータジャケット5を構成する前記一対の冷却水流路5A、5Bを、各シリンダボア2間の近傍部分において、複数の流路に分割する。即ち、前記中央ブリッジ9Aは、図5に示すように、冷却水流路5A、5Bを分割(図5では、吸気側(右側)冷却水流路5Aおよび排気側(左側)冷却水流路5Bを6分割)している。また、千鳥配置された左右ブリッジ9Bは、中央ブリッジ9Aで分割した各冷却水流路5A、5Bの手前側と前方側のボア軸方向中央を横切るように配置されている。
前記ウォータジャケット5を、各シリンダボア2間の近傍において横切る複数の中央ブリッジ9Aおよび左右ブリッジ9Bは、シリンダ壁3およびシリンダブロック壁面4と一体に、鋳造により形成される。図6は、鋳造時に前記ウォータジャケット5を構成する中子10の斜視図である。図示された中子10には、ウォータジャケット5を構成する本体部分10Aと、本体部分10Aに一体に連結した冷却水の流入口部分10Bと、が形成されている。中子10に形成された上方への複数の突起10Cは、シリンダブロック1のトップデッキを貫通させてシリンダヘッドの冷却ジャケットへの連通路を構成する部分である。
前記中央ブリッジ9Aおよび左右ブリッジ9Bは、ウォータジャケット5を構成する中子10の本体部分10Aに、内外面間を貫通させて複数の穴11を設けることにより形成されている。シリンダボア2間の冷却用連通路6は、図示されるように、中子10と一体に形成してもよいが、鋳造されたシリンダブロック1にドリル加工を施して形成してもよい。
鋳造時おいては、鋳込まれる溶湯が前記中子10を取囲み充填されることにより、ウォータジャケット5の空間を形成し、溶湯が中子10の内外面間を貫通させた複数の穴11に流入・充填されることによりウォータジャケット5の空間を横切る複数のブリッジ9が形成される。そして、鋳造後に中子10を鋳物から取除くことにより、中央ブリッジ9Aおよび左右ブリッジ9Bが一体形成されたシリンダブロック1を得ることができる。
以上の構成の内燃機関のシリンダブロック1によれば、入水口から流入した冷却水は、吸気側の冷却水流路5Aと排気側の冷却水流路5Bとに分かれ、図7、8に示すように、吸気側の冷却水流路5Aに流れ込んだ冷却水は、先ず、手前側の複数の左右ブリッジ9Bを廻り込むよう流れが曲げられ、次いで、中央ブリッジ9Aを廻り込むように流れが曲げられ、さらに、奥側の左右ブリッジ9Bを廻り込むよう流れが曲げられて流れる。このように流れが曲げられると、流れが曲げられる手前側の範囲から圧力(動圧)が上昇される反面その流速が低下され、ブリッジ9間においては流路が狭められることにより流速が低下され、圧力が上昇される。図9は中央ブリッジ9Aを通過している冷却水の流速分布を示したものであり、図10は比較のためにブリッジを備えていないものにおける冷却水の流速分布を示したものである。
前記ブリッジを備えない比較例においては、図10に示すように、流路抵抗となる部材が存在しないため、冷却水流路5Aにおける流速が0.6〜1.3[m/sec]と比較的速く且つ冷却水流路5Bの中央側において比較的高い流速(1.3[m/sec])を示すものの、冷却水流路5Aの上方の周辺領域に開口させてシリンダボア2間に配置した冷却用連通路6内における冷却水の流速はその最大値が1.9[m/sec]と比較的低いものとなっている。
これに対し、本実施形態における流速分布は、図9に示すように、中央ブリッジ9A間を通過中の冷却水の平均流速が0.4〜0.6[m/sec]と比較的低い値となっているものの、冷却水流路5Aの全領域において一様な流速分布が得られており、これがため、通過中の冷却水圧力が上昇されて、冷却水流路5Aの上方の周辺領域に開口させてシリンダボア2間に配置した冷却用連通路6内における冷却水の流速が2.1〜3.8[m/sec]と比較的高い値が得られている。
即ち、本実施形態では、中央ブリッジ9Aおよび左右ブリッジ9Bがボア2軸方向に千鳥状に配置されていることにより、中央ブリッジ9A間の通路の先には左右ブリッジ9Bが配列されているため、中央ブリッジ9A間の通路を通過する際の動圧が上昇される。このため、ウォータジャケット5の前記一対の冷却水流路5A、5Bを流れる冷却水の流速は、各シリンダボア2間の近傍に配置した各ブリッジ9間を通過する際に、その流速が低下されるものの均一な流速分布とされ、冷却水がウォータジャケット5の下部側に偏って流れることを抑制できる一方、その圧力が上昇される。前記圧力上昇は、冷却水流路5A、5Bの上方の周辺領域に開口させてシリンダボア2間に配置した冷却用連通路内6へ流入する冷却水量を増加させ、シリンダボア2間の放熱性を向上させることができる。
また、前記中央ブリッジ9Aおよび左右ブリッジ9Bは、吸気側(右側)冷却水流路5Aおよび排気側(左側)冷却水流路5Bのいずれの側においても、シリンダボア2を形成しているシリンダ壁3と一体となっていることにより、それ自身がシリンダ壁3の放熱面積を拡大させて冷却水流路5A、5Bを流れる冷却水との間で積極的に熱交換が行われてボア表面からの放熱性を向上させる。しかも、これらのブリッジ9はブロック外壁4とも一体となっているため、シリンダ壁3の熱をブロック外壁4にも伝達させてブロック外壁4からも冷却水流路5A、5Bを流れる冷却水との間で熱交換することにより放熱させるようにも機能する。これらの機能により、シリンダボア2同士の間の壁面からの放熱性を格段に向上させることができる。
本出願人の実験によれば、以上のように、各シリンダボア2間の近傍部分にシリンダ壁3面とブロック外壁4とを一体に連結する中央ブリッジ9Aおよび左右ブリッジ9Bを配置することにより、シリンダボア2間の温度は、約3〜5[%]低減させることができ、シリンダボア2間以外のシリンダボア2の温度も、約2〜3[%]低減させることができた。
また、各シリンダボア2間の近傍部分にシリンダ壁面3とブロック外壁4(ヘッドボルト用のボルト穴8のボス肉部分8A)とを一体に連結する中央ブリッジ9Aおよび左右ブリッジ9Bを配置することにより、ブロック外壁4のボス肉部分8Aのボルト横方向(シリンダ列と直交する方向)の剛性を向上させることができ、シリンダヘッドをヘッドボルトによりシリンダブロック1に締付けて組立てた際におけるシリンダボア2の変形を抑制することができる。
図11は本実施形態におけるトップデッキから80mm離れた部位におけるシリンダボア2の変形状態を、真円度(A)および4次変形(B)により示したものであり、図12は比較のために、前記ブリッジを備えないシリンダブロックにおける同様部位のシリンダボア2の変形状態を、真円度(A)および4次変形(B)により示したものである。
図11〜図12に示すように、ヘッドボルト締付による影響により変形の大きいヘッドボルト付近に、ウォータジャケット5を橋渡しする形状で複数のブリッジ9を一体に設けることで、シリンダボア2の真円度が向上されている。シリンダボア2の真円度の向上代は、比較例に対して約5〜15[%]改善されていた。また、シリンダボア2の4次変形においては、図11、12に示すように向上されており、シリンダボア2の4次変形の向上代は、比較例に対して約7〜23[%]改善されていた。
以上のように、各シリンダボア2間の近傍部分にシリンダ壁面3とブロック外壁4(ヘッドボルト用のボルト穴8のボス肉部分8A)とを一体に連結する中央ブリッジ9Aおよび左右ブリッジ9Bを配置することにより、ウォータジャケット5周りの剛性が向上され、ヘッドボルトからの引張及び曲げモーメントを抑制でき、シリンダボア2の真円度、4次変形ともに改善されると共に、シリンダボア2の径縮小量も低減することができる。
なお、上記実施形態において、冷却用連通路6として、いずれか一方の冷却水流路5A、5Bをシリンダボア2間においてトップデッキ上に連通させるものについて説明したが、図示はしないが、左右に分かれた冷却水流路5A、5Bを、各シリンダボア2間において連通させる冷却用連通路であってもよい。
また、上記実施形態において、シリンダ壁3とシリンダブロック外壁4とを連結する複数のブリッジ9として、これらが一体に鋳造されるものについて説明したが、図示はしないが、シリンダ壁3若しくはシリンダブロック外壁4から冷却水流路5A、5Bを横断するようシリンダボア2軸方向に配列した複数のブリッジで構成してもよく、同様の効果を発揮させることができる。
また、上記実施形態において、シリンダ壁3とシリンダブロック外壁4とを連結する複数のブリッジ9として、これらが一体に鋳造されるものについて説明したが、図示はしないが、一対の縦材同士を複数の横材を構成するブリッジで連結した梯子状部材をシリンダブロックと別体に形成し、この梯子状部材を冷却水流路5A、5Bの前記連通路6が開口した部位若しくはその近傍にトップデッキ側から冷却水流路5A、5B内に挿入・固定するものであってもよく、同様の効果を発揮させることができる。この場合には、オープンデッキタイプのシリンダブロック1に適用するに最適とできる。
また、上記実施形態において、シリンダ壁3とシリンダブロック外壁4とを連結する複数のブリッジ9として、中央に配列したブリッジ9Aとその上流および下流に配列した左右ブリッジ9Bとの3列に形成したものについて説明したが、図示はしないが、複数のブリッジを1列に配列するものであってもよく、また複数のブリッジを2列にシリンダボア軸方向の位置をずらせて配列するものであってもよい。また、その配列位置として、前記連通路6が開口した部位若しくはその近傍において、ウォータジャケット5の冷却水流路5A、5Bを縦方向に分断若しくは横断するものであればよい。
本実施形態においては、以下に記載する効果を奏することができる。
(ア)一直線上に複数のシリンダボア2が並設されたシリンダブロック1に、並設方向の一端側から各シリンダボア2の左右両側に分かれ、他端側へと通過するよう形成された冷却水流路5A、5Bと、前記左右に分かれた冷却水流路5A、5Bを、各シリンダボア2間において連通させるか若しくは各シリンダボア2間においてトップデッキ上に連通させる冷却用連通路6とを備えたウォータジャケット5を形成し、前記冷却水流路5A、5Bの前記冷却用連通路6が開口した部位若しくはその近傍に、シリンダ壁3若しくはシリンダブロック外壁4から冷却水流路5A、5Bを横断する複数のブリッジ9を設けるようにした。このため、前記ブリッジ9を通過する冷却水を均一な流速分布とでき、冷却水がウォータジャケット5の下部側に偏って流れることを抑制でき且つその圧力を上昇でき、シリンダボア2間に配置した冷却用連通路6内へ流入する冷却水量を増加させ、シリンダボア2間の放熱性を向上させることができる。
(イ)複数のブリッジ9を、シリンダ壁3に一体に形成されてシリンダブロック外壁4側に向かって突出して冷却水流路5A、5Bを横断するよう構成することにより、シリンダ壁面3とウォータジャケット5の冷却水流路5A、5Bを流れる冷却水との間の熱交換の表面積を増加でき、シリンダ壁面3からの放熱性を向上させることができる。
(ウ)複数のブリッジ9を、シリンダ壁3とシリンダブロック外壁4とを連結する一体構造に形成することにより、ウォ一夕ジャケット5の内外面が複数箇所で橋渡しされ、ヘッドボルト横の剛性が向上し、ヘッド締付によるシリンダボア2の変形を抑制することができる。
(エ)複数のブリッジ9を、冷却水流路5A、5Bに複数列がシリンダボア2軸方向の位置を異ならせて配列されることにより、放熱性および剛性が向上され、前記(ア)〜(ウ)の効果を一層向上できる。
1 シリンダブロック
2 シリンダボア
3 シリンダ壁、シリンダ壁面
4 ブロック外壁
5 ウォータジャケット
5A、5B 冷却水流路
6 冷却用連通路
7 連通路
8 ボルト穴
8A ボス肉部分
9、9A、9B ブリッジ
10 中子
2 シリンダボア
3 シリンダ壁、シリンダ壁面
4 ブロック外壁
5 ウォータジャケット
5A、5B 冷却水流路
6 冷却用連通路
7 連通路
8 ボルト穴
8A ボス肉部分
9、9A、9B ブリッジ
10 中子
Claims (5)
- 一直線上に複数のシリンダボアが並設されたシリンダブロックに、並設方向の一端側から各シリンダボアの左右両側に分かれ、他端側へと通過するよう形成された冷却水流路と、前記左右に分かれた冷却水流路を、各シリンダボア間において連通させるか若しくは各シリンダボア間においてトップデッキ上に連通させる冷却用連通路とを備えたウォータジャケットを形成し、
前記冷却水流路の前記冷却用連通路が開口した部位若しくはその近傍に、シリンダ壁若しくはシリンダブロック外壁から冷却水流路を横断する複数のブリッジを設けたことを特徴とする内燃機関のシリンダブロック。 - 前記複数のブリッジは、シリンダ壁に一体に形成されてシリンダブロック外壁側に向かって突出して冷却水流路を横断するものであることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のシリンダブロック。
- 前記複数のブリッジは、シリンダ壁とシリンダブロック外壁とを連結する一体構造に形成されて冷却水流路を横断するものであることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のシリンダブロック。
- 前記複数のブリッジは、冷却水流路にシリンダボア軸方向に配列され且つ複数列がシリンダボア軸方向の位置を異ならせて配列されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の内燃機関のシリンダブロック。
- 内燃機関のシリンダブロック鋳造時に、一直線上に複数のシリンダ壁が並設された外面形状を形成する内面とシリンダブロック外壁の内面形状を形成する外面とを備えて、並設方向の一端側から各シリンダボアの左右両側に分かれ、他端側へと通過するよう形成された冷却水流路からなるウォータジャケットを形成する中子のシリンダボア間若しくはその近傍に位置する部位に、中子の内外面を連通させる複数の貫通穴をシリンダボア軸方向に配列して設け、
前記により得られた中子をシリンダブロックの鋳造型に設置して溶湯を鋳造型に充填することによりシリンダブロックを鋳造し、
前記冷却水流路のシリンダボア間若しくはその近傍に、シリンダ壁とシリンダブロック外壁とを連結する複数のブリッジをシリンダボア軸方向に配列して形成することを特徴とする内燃機関のシリンダブロックの製造方法。
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