JP5678526B2 - エンジンのウォータジャケット構造 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンのシリンダブロックに冷却水を循環させるウォータジャケット構造に関するものである。
従来から冷却水による過冷却を防止してピストンとシリンダライナとを適度に加熱保持するエンジンの冷却水通路構造が提案されている(特許文献1参照)。
これは、ウォータジャケットに浅底部と深底部とを設けることにより、浅底部では冷却水によるシリンダ上部が積極的に冷却され、深底部では冷却水が滞留するためシリンダ下部の冷却を抑制するようにしている。
特開2005−337140号公報
ところで、ウォータジャケットの温度差は、シリンダの上下方向だけではなく、例えば、吸気マニホールド側と排気マニホールド側との間でも異なっている。このため、上記従来例のように、ウォータジャケットに浅底部と深底部とを設けただけでは十分な温度均一化を図れないという課題があった。
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、温度均一化に好適なエンジンのウォータジャケット構造を提供することを目的とする。
本発明は、複数のシリンダを直線状に連ねて備えるシリンダブロックのシリンダの外周とブロック外壁との間にウォータジャケットを画成して備えるエンジンのウォータジャケット構造である。そして、前記ウォータジャケット内の底部からウォータジャケット内に隆起させ、その先端側に冷却水が通過可能な空間を備える、複数のリブにより、排気マニホールドが配置される側及び吸気マニホールドが配置される側の両方において、前記ブロック外壁内面と前記シリンダの当該シリンダ同士が連結された部分を除く外周面とを連結する。そして、排気マニホールドが配置される側のリブのウォータジャケット内での高さ寸法を、吸気マニホールドが配置される側のリブのウォータジャケット内での高さ寸法より高く形成したことを特徴とする。
したがって、本発明では、冷却水がリブにより片寄せて絞られつつ流れて、燃焼室に近い側で流速を高め、高温になりやすい燃焼室に近い側での冷却性を高くする冷却性能を、吸気マニホールドが配置された側より、リブ高さ寸法が高い排気マニホールドが配置された側で高くできる。このため、シリンダにおいて、排気マニホールドが配置された側の温度と吸気マニホールドが配置された側の温度との温度差を低減させることができる。結果として、シリンダの熱変形を抑制でき、熱変形に伴うオイル消費を抑制をすることができる。
本発明の第1実施形態のウォータジャケット構造を適用したV型エンジンの概略構成図。 第1実施形態の第1実施例を示すエンジンのウォータジャケット構造の平面図。 図2のA−A線およびC−C線に沿う断面図。 図2のB−B線に沿う断面図。 第1実施形態の第2実施例を示すエンジンのウォータジャケット構造の平面図。 図5のA−A線およびE−E線に沿う断面図。 図5のB−B線およびF−F線に沿う断面図。 図5のC−C線に沿う断面図。 図5のD−D線に沿う断面図。 本発明の第2実施形態を示すエンジンのウォータジャケット構造の平面図。 図10のA−A線に沿う断面図。 図10のB−B線に沿う断面図。 図10のC−C線に沿う断面図。 図10のD−D線に沿う断面図。
以下、本発明のエンジンのウォータジャケット構造を各実施形態に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1〜図4は本発明を適用した第1実施形態における第1実施例のエンジンのウォータジャケット構造である。
図1は本実施形態のウォータジャケット構造を適用したV型エンジンを示し、V型に形成されたシリンダブロック1と、シリンダブロック1の夫々のバンク上に固定され、吸排気バルブ3,4を搭載してシリンダ上部に燃焼室7を構成するシリンダヘッド2と、を備える。夫々のバンク上に固定される一対のシリンダヘッド2には、吸気マニホールド5が両バンク内側に形成され、排気マニホールド6が両バンク外側に形成されている。吸気は吸気マニホールド5、吸気弁3を介して燃焼室7に供給され、燃焼室7で燃焼されて高温となった排気ガスは排気弁4、排気マニホールド6を介して排気される。
図2は夫々の片側バンクに3気筒のシリンダ10を備えるV型6気筒エンジンのシリンダブロック1を示す平面図である。図では、シリンダヘッド2が取付けられる左右のバンク上面を、紙面と正対させて図示している。V型6気筒エンジンのシリンダブロック1は、夫々のバンクに3つのシリンダ10を備えている。夫々のバンクの各シリンダ10は夫々のシリンダ10同士を連結して一直線上に配置されている。連結されたシリンダ10の周りは、隙間をあけてブロック外壁11で囲まれ、シリンダ10とブロック外壁11との間に冷却水が循環するウォータジャケット12が形成されている。なお、本実施形態ではシリンダ10の内側にライナーを設けていないが、ここにライナーを設けても構わない。
シリンダ10とブロック外壁11とは、図3,4に示すように、上部および中央部において、ウォータジャケット12により分離された、オープンデッキとされ、下部において両者はデッキ(ロワーデッキ)により一体に連結されて構成されている。前記シリンダ10同士が連結されている部位に対応する前記ブロック外壁11には、ガスケットを介して図示しないシリンダヘッド2を固定するためのボルト孔9が形成されている。
前記ウォータジャケット12は、両バンク内側空間12Aと両バンク外側空間12Bとにより各シリンダ10を取囲み、両空間12A,12Bは互いに対称形となる波形に形成され、夫々の前後端で互いに連通している。また、前記両空間12A,12Bは、シリンダ10同士が連結された部分の上端面に左右方向(シリンダ10配列方向とは直交する方向)に設けた冷却用通路13を介して連通している。この冷却用通路13は、一方の空間から他方の空間に冷却水を流すことにより、シリンダ10同士の連結部分、特にその上部領域を冷却可能としている。
前記ウォータジャケット12は、両バンクにおける各外側空間12Bに連通させて冷却水入口14を配置すると共に、両バンクにおける各内側空間12Aに連通させて冷却水出口15を配置している。図4に示すように、冷却水入口14は、両バンクにおける各外側空間12Bの中央部の上部位置に連通するようブロック外壁11を貫通させて配置され、その入口部は図示しない配管を介してラジエータ出口に連通される。冷却水出口15は、両バンクにおける各内側空間12Aの中央部の下部位置に連通するようブロック外壁11を貫通させて配置され、その出口部は図示しない配管を介してラジエータ入口に連通される。
各シリンダ10の外周とブロック外壁11の内周とは、各シリンダ10中心を通りシリンダ10配列方向と直交する各線上において、ジャケット底部に配置されたリブ16により連結されている。各リブ16のジャケット底部からの高さは、配列方向中央部のシリンダ10においては、図4に示すように、冷却水入口側(シリンダヘッド2の排気マニホールド6に臨む側)において低くされている。また、冷却水出口側(シリンダヘッド2の吸気マニホールド5に臨む側)においては、「ゼロ」即ち、リブ16を配置していない状態としている。配列方向両側のシリンダ10においては、各リブ16のジャケット底部からの高さは、図3に示すように、冷却水入口14側(シリンダヘッド2の排気マニホールド6に臨む側)において高くされている。また、冷却水出口15側(シリンダヘッド2の吸気マニホールド5に臨む側)においては、低くされている。
これらのリブ16は、シリンダブロック1の鋳造時に、ブロック外壁11からリブ16を介してシリンダ10への溶湯の流れを促進し、シリンダ10の上端が溶湯の行止りとなるオープンデッキ構造での懸案である、シリンダ10に発生する鋳巣を低減させる効果がある。
以上の構成のエンジンのウォータジャケット構造の動作について以下に説明する。 ラジエータにより冷却されて戻された冷却水は両バンクの外側に配置されている冷却水入口14に供給され、冷却水入口14から両バンクのウォータジャケット12の外側空間12Bのシリンダヘッド2に近い上方の中央部に流入する。このため、ラジエータから戻った冷えた冷却水が、燃焼室7での燃焼熱および燃焼ガスが排出される排気マニホールド6からの熱により高温となっているシリンダ10の上部を効果的に冷却する。
そして、外側空間12Bに流入した冷却水はその大部分が、外側空間12Bの中央部から左右方向(図中上下方向)両側に分かれて流れ、連結されたシリンダ10の端部に回り込み、両バンクのウォータジャケット12の内側空間12Aの端部側から内側空間12Aの中央部に向かって流れる主流を構成する。また、冷却水の一部は、外側空間12Bからシリンダ10同士が連結された部分の上端面に設けた冷却用通路13を介して直接ウォータジャケット12の内側空間12Aに流れる副流を構成する。そして、前記主流および副流を伴って内側空間12Aの中央部に流れた冷却水は、内側空間12Aの中央部に開口している冷却水出口15に流れ、冷却水出口15からラジエータの入口に流出する。前記副流は、シリンダ10同士が隣接して高温となるシリンダ10同士の連結部を、冷却用通路13を流れる冷却水により直接冷却する。
前記主流は、その途中において、シリンダ10とブロック外壁11とを連結しているリブ16により流路がシリンダヘッド2側に片寄せて絞られつつ流れることにより、シリンダ10の燃焼室7に近い側で流速が高められ、シリンダ10の燃焼室7から遠い側で流速が低下されることになる。このため、燃焼室7に近い高温になりやすい上部側で冷却水による冷却を大きくし、燃焼室7から遠く冷却されやすい低温側での過冷却を抑制する。結果として、高温になりやすい上部と冷却されやすい下部の温度差が低減され、上部では耐ノック性を向上させると共に、下部では低温側の温度上昇により、オイルによる粘性フリクション低減ができる。
また、前記リブ16はその高さ寸法が、シリンダヘッド2の排気マニホールド6が配置されている側(外側空間12B側)で高く、吸気マニホールド5が配置されている側(内側空間12A側)で低く形成されている。このため、外側空間12B側でシリンダ10の燃焼室7に近い側での流速が、内側空間12A側でシリンダ10の燃焼室7に近い側での流速より、高められることとなる。従って、高温となる排気マニホールド6に近い側での冷却水による冷却性が、吸気マニホールド5に近い側での冷却水による冷却性より、高くすることができる。このため、高温となる排気マニホールド6が近くに配置された外側空間12Bに接するシリンダ10の温度と、吸気マニホールド5が近くに配置された内側空間12Aに接するシリンダ10の温度と、の温度差を低減させることができる。結果として、シリンダ10の熱変形を抑制でき、熱変形に伴うオイル消費を抑制をすることができる。
図5〜図9に示す本実施形態における第2実施例のエンジンのウォータジャケット構造を示す。本実施例では、図5に示すように、シリンダ10の中心を挟んで対向しているシリンダヘッド2を固定するためのボルト孔9同士を結んだ線上に、夫々リブ16(片バンク当りに12箇所)を配置している(図6〜図9参照)。各リブ16のウォータジャケット12の底部からの高さ寸法は、図6〜図9に示すように、ウォータジャケット12の冷却水入口14に臨む外側空間12Bの中央側2箇所(両バンクで4箇所)のリブ16と、冷却水出口に臨む内側空間12Aの6箇所(両バンクで12箇所)のリブ16では、比較的低く形成している。そして、図6,7に示すように、ウォータジャケット12の冷却水入口14に臨む外側空間12Bの下流側4箇所(両バンクで8箇所)のリブ16において、比較的高く形成している。その他の構成は、第1実施例と同様に構成している。
以上の構成の第2実施例のエンジンのウォータジャケット構造においても、第1実施例と同様に、冷却水が循環する。即ち、ラジエータにより冷却されて戻された冷却水は両バンクの外側に配置されている冷却水入口14に供給され、冷却水入口14から両バンクのウォータジャケット12の外側空間12Bのシリンダヘッド2に近い上方の中央部に流入する。このため、ラジエータから戻った冷えた冷却水が、燃焼室7での燃焼熱および燃焼ガスが排出される排気マニホールド6からの熱により高温となっているシリンダ10の上部を効果的に冷却する。
そして、外側空間12Bに流入した冷却水はその大部分が、外側空間12Bの中央部から左右方向(図中上下方向)両側に分かれて流れ、連結されたシリンダ10の端部に回り込み、両バンクのウォータジャケット12の内側空間12Aの端部側から内側空間12Aの中央部に向かって流れる主流を構成する。また、冷却水の一部は、外側空間12Bからシリンダ10同士が連結された部分の上端面に設けた冷却用通路13を介して直接ウォータジャケット12の内側空間12Aに流れる副流を構成する。そして、前記主流および副流を伴って内側空間12Aの中央部に流れた冷却水は、内側空間12Aの中央部に開口している冷却水出口15に流れ、冷却水出口15からラジエータの入口に流出する。前記副流は、シリンダ10同士が隣接して高温となるシリンダ10同士の連結部を、冷却用通路13を流れる冷却水により直接冷却する。
前記主流は、先ず中央のシリンダ10とブロック外壁11とを連結している一対のリブ16により、流路がシリンダヘッド2側に片寄せて絞られつつ流れることにより、シリンダ10の燃焼室7に近い側で流速が高められ、シリンダ10の燃焼室7から遠い側で流速が低下されることになる。このため、燃焼室7に近い高温になりやすい上部側で冷却水による冷却を大きくし、燃焼室7から遠く冷却されやすい低温側での過冷却を抑制する。結果として、高温になりやすい上部と冷却されやすい下部の温度差が低減され、上部では耐ノック性を向上させると共に、下部低温側の温度上昇により、オイルによる粘性フリクション低減ができる。
しかも、上記一対のリブ16により高温になりやすい上部に流れが曲げられることにより、外側空間12Bからシリンダ10同士が連結された部分の上端面に設けた冷却用通路13を介して直接ウォータジャケット12の内側空間12Aに流れる副流を増加させる。結果として、シリンダ10間の冷却用通路13を流れる冷却水流量が増加されシリンダ10間の冷却性が向上する。
次いで、両側のシリンダ10とブロック外壁11とを連結している高さ寸法が比較的高く形成されている2個のリブ16を通過することにより、外側空間12B側でシリンダ10の燃焼室7に近い側での流速が、内側空間12A側でシリンダ10の燃焼室7に近い側での流速より、高められることとなる。従って、高温となる排気マニホールド6に近い側での冷却水による冷却性が、吸気マニホールド5に近い側での冷却水による冷却性より、高くすることができる。このため、高温となる排気マニホールド6が近くに配置された外側空間12Bに接するシリンダ10の温度と、吸気マニホールド5が近くに配置された内側空間12Aに接するシリンダ10の温度と、の温度差を低減させることができる。結果として、シリンダ10の熱変形を抑制でき、熱変形に伴うオイル消費を抑制することができる。
本実施形態においては、以下に記載する効果を奏することができる。
(ア)複数のシリンダ10を直線状に連ねて備えるシリンダブロック1のシリンダ10の外周とブロック外壁11との間にウォータジャケット12を画成して備えるエンジンのウォータジャケット構造である。前記ウォータジャケット12内の底部からウォータジャケット12内に隆起させ、その先端側に冷却水が通過可能な空間を備える、複数のリブ16により前記ブロック外壁11内面とシリンダ10の外周面とを連結する。前記シリンダ10の排気マニホールド6が配置される側のリブ16のウォータジャケット12内での高さ寸法を、吸気マニホールド5が配置される側のリブ16のウォータジャケット12内での高さ寸法より高く形成した。
このため、シリンダ10とブロック外壁11とを連結しているリブ16により流路がシリンダヘッド2側に片寄せて絞られつつ流れることにより、シリンダ10の燃焼室7に近い側で流速が高められ、シリンダ10の燃焼室7から遠い側で流速が低下される。即ち、燃焼室7に近い高温になりやすい上部側で冷却水による冷却を大きくし、燃焼室7から遠く冷却されやすい低温側での過冷却を抑制する。結果として、高温になりやすい上部と冷却されやすい下部の温度差が低減され、上部では耐ノック性を向上させると共に、下部では低温側の温度上昇により、オイルによる粘性フリクション低減ができる。
しかも、高温となる排気マニホールド6に近い側での冷却水による冷却性が、吸気マニホールド5に近い側での冷却水による冷却性より、高くすることができる。このため、高温となる排気マニホールド6が近くに配置された外側空間12Bに接するシリンダ10の温度と、吸気マニホールド5が近くに配置された内側空間12Aに接するシリンダ10の温度と、の温度差を低減させることができる。結果として、シリンダ10の熱変形を抑制でき、熱変形に伴うオイル消費を抑制をすることができる。
(イ)ウォータジャケット12への冷却水入口は、シリンダブロック1に結合されるシリンダヘッド2に近接させた位置でウォータジャケット12に接続されているため、ラジエータから戻った冷えた冷却水が、燃焼室7での燃焼熱および燃焼ガスが排出される排気マニホールド6からの熱により高温となっているシリンダ10の上部を効果的に冷却する。
(第2実施形態)
図10〜図14は、本発明を適用したエンジンのウォータジャケット構造の第2実施形態を示し、図10は平面図、図11〜図14は断面図である。本実施形態においては、冷却水が各バンクの配列方向に流れる構成を第1実施形態に追加したものである。なお、第1実施形態と同一装置には同一符号を付してその説明を省略ないし簡略化する。
本実施形態においては、図10に示すように、冷却水入口14が各バンクの配列方向の一端部の近傍に配置され、冷却水出口15がバンク他端に配置されている。冷却水入口14から流入した冷却水は、各バンクのウォータジャケット12の内側空間12Aへ流通する流れと、バンク一端のシリンダ10を回り込み、その後に外側空間12Bを流通する流れとに別れ、バンク他端でこれらが合流されて冷却水出口15から排出される。ウォータジャケット12の内外空間には、第1実施形態と同様に、各シリンダ10とブロック外壁11とを連結するリブ16が配置されている。各リブ16のジャケット底面からの高さは、図11〜図13に示すように、排気マニホールド6が配置されている外側空間12B側のリブ16が、吸気マニホールド5が配置されている内側空間12A側のリブ16より高くなるよう形成している。また、外側空間12B内に配置されている各リブ16および内側空間12A内に配置されている各リブ16においても、上流側に配置されているリブ16の高さは低く、下流に移るに連れて次第に高くなるように高さ寸法が設定されている。また、各リブ16の先端形状は、図14に示すように、上流側から下流側に移るに連れて隆起させた傾斜面に形成している。その他の構成は、第1実施形態と同様に構成している。
以上の構成のエンジンのウォータジャケット構造においては、ラジエータにより冷却されて戻された冷却水は両バンクの端部近傍に配置されている冷却水入口14に供給される。冷却水入口14から流入した冷却水は、各バンクのウォータジャケット12の内側空間12Aへ流通する流れと、バンク一端のシリンダ10を回り込み、その後に外側空間12Bを流通する流れとに別れ、バンク他端でこれらが合流されて冷却水出口15から排出される。
ウォータジャケット12の内外空間を流れる冷却水は、各シリンダ10とブロック外壁11とを連結しているリブ16により、流路がシリンダヘッド2側に片寄せて絞られつつ流れることにより、シリンダ10の燃焼室7に近い側で流速が高められ、シリンダ10の燃焼室7から遠い側で流速が低下されることになる。このため、燃焼室7に近い高温になりやすい上部側で冷却水による冷却を大きくし、燃焼室7から遠く冷却されやすい低温側での過冷却を抑制する。結果として、高温になりやすい上部と冷却されやすい下部の温度差が低減され、上部では耐ノック性を向上させると共に、下部では低温側の温度上昇により、オイルによる粘性フリクション低減ができる。しかも、各リブ16の先端形状を、上流側で低く下流側で高くなる傾斜面に形成しているため、リブ16下への巻き込み流れ(図中のループ状の流れ)が少なくでき、下部冷却の低減と通水抵抗の低減ができ、上記した作用効果を一層促進させることができる。
また、シリンダ10との熱交換により冷却水の水温が下流に至るに連れて徐々に上昇されることになる。しかし、ウォータジャケット12の内外空間に夫々配置されているリブ16の高さ寸法が、上流側で低く下流側で高く設定して通過する冷却水の流速を徐々に高めて、冷却効果を下流側に至るに連れて高めるようにしている。このため、上流側と下流側とのシリンダ10の温度差を低減させることができる。
しかも、ウォータジャケット12の外側空間12Bに配置されているリブ16の高さを内側空間12Aに配置されているリブ16の高さより高い寸法としているため、外側空間12B側でシリンダ10の燃焼室7に近い側での流速を、内側空間12A側でシリンダ10の燃焼室7に近い側での流速より高めることとなる。従って、高温となる排気マニホールド6に近い側での冷却水による冷却性が、吸気マニホールド5に近い側での冷却水による冷却性より、高くすることができる。このため、高温となる排気マニホールド6が近くに配置された外側空間12Bに接するシリンダ10の温度と、吸気マニホールド5が近くに配置された内側空間12Aに接するシリンダ10の温度と、の温度差を低減させることができる。結果として、シリンダ10の熱変形を抑制でき、熱変形に伴うオイル消費を抑制をすることができる。
また、ウォータジャケット12の内側空間12Aの流速が低く外側空間12Bの流速が高くなることから、両者の圧力差により、冷却水の一部は、内側空間12Aからシリンダ10同士が連結された部分の上端面に設けた冷却用通路13を介して直接ウォータジャケット12の外側空間12Bに流れる副流を構成する。前記副流は、シリンダ10同士が隣接して高温となるシリンダ10同士の連結部を、冷却用通路13を流れる冷却水により直接冷却する。
本実施形態においては、第1実施形態における効果(ア)、(イ)に加えて以下に記載した効果を奏することができる。
(ウ)各リブ16の高さ寸法は、冷却水の流れ方向上流側で低く、下流側で高く形成されていることにより、通過する冷却水の流速を下流に移るに連れて徐々に高めて、冷却効果を下流側に至るに連れて高めることができる。結果として、上流側と下流側とのシリンダ10の温度差を低減させることができる。
(エ)各リブ16の先端は、冷却水の流れ方向上流側で低く下流側で高くなる傾斜した形状に構成されているため、リブ16下への巻き込み流れが少なくでき、下部冷却の低減と通水抵抗の低減ができ、上記した作用効果を一層促進させることができる。
1 シリンダブロック
2 シリンダヘッド
3 吸気弁
4 排気弁
5 吸気マニホールド
6 排気マニホールド
7 燃焼室

9 ボルト孔
10 シリンダ
11 ブロック外壁
12 ウォータジャケット
13 冷却用通路
16 リブ

Claims (4)

  1. 複数のシリンダを直線状に連ねて備えるシリンダブロックのシリンダの外周とブロック外壁との間にウォータジャケットを画成して備えるエンジンのウォータジャケット構造であって、
    前記ウォータジャケット内の底部からウォータジャケット内に隆起させ、その先端側に冷却水が通過可能な空間を備える、複数のリブにより、排気マニホールドが配置される側及び吸気マニホールドが配置される側の両方において、前記ブロック外壁内面と前記シリンダの当該シリンダ同士が連結された部分を除く外周面とを連結すると共に、
    前記排気マニホールドが配置される側のリブのウォータジャケット内での高さ寸法を、前記吸気マニホールドが配置される側のリブのウォータジャケット内での高さ寸法より高く形成したことを特徴とするエンジンのウォータジャケット構造。
  2. 前記ウォータジャケットへの冷却水入口は、シリンダブロックに結合されるシリンダヘッドに近接させた位置でウォータジャケットに接続されていることを特徴とする請求項1に記載のエンジンのウォータジャケット構造。
  3. 前記リブの先端は、冷却水の流れ方向上流側で低く下流側で高くなる傾斜した形状に構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエンジンのウォータジャケット構造。
  4. 前記各リブの高さ寸法は、冷却水の流れ方向上流側で低く、下流側で高く形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一つに記載のエンジンのウォータジャケット構造。
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