JP3601077B2 - エンジンのシリンダヘッド - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はエンジンを構成するシリンダヘッドに関し、特に燃料噴射ノズルあるいは点火プラグを中心としてこれの周囲に吸気バルブ孔と排気バルブ孔からなる孔の集合体が位置された部分を効果的に冷却することができるシリンダヘッドの冷却構造を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
図6はエンジンのシリンダヘッドの平断面図を示すもので、上半分に吸気ポートと排気ポートを含む面を、そして下半分に吸・排気バルブ孔を通る面の平断面図をそれぞれ示している。また、図2は図6のB−B断面を、図3は図6のA−A断面をそれぞれ示している。
【0003】
図5に示すように、多気筒エンジンのシリンダヘッド1には、各気筒に対応して吸気バルブ孔3a、排気バルブ孔5a、及びこれらに連通する吸気ポート2、排気ポート6ならびに燃料噴射ノズル(点火プラグ)取付け孔4が形成されると共に、これらを取り囲んで冷却水ジャケット8が形成されている。
一方、冷却水ジャケット8の底壁1cには、シリンダボデイの冷却水ジャケット(不図示)に連通し、このシリンダボデイからシリンダヘッド1へ冷却水を導く給水孔9が形成されている。また、シリンダヘッドの長手方向の一端側壁1aには、冷却水ジャケット8内の冷却水をラジエータへ送り出すための冷却水パイプ(不図示)に接続される排水孔11が開口されている。
【0004】
即ち、冷却水はシリンダボデイを冷却した後に給水孔9を通ってシリンダヘッド1側の冷却水ジャケット8に導入され、このシリンダヘッド1を冷却した後に排水孔11からラジエータに送り出され、ここで熱交換(冷却)された後に冷却水ポンプ(不図示)によって再びシリンダボデイ側へ圧送されてエンジン内を循環しながら冷却するようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
シリンダヘッド1の中で、最も熱負荷の高くなる部分はバルブ孔間、即ち図6に示すように1気筒当たり4つのバルブを備えたエンジンにおいては、吸気バルブ孔3a同士の間、排気バルブ孔5a同士の間、更に吸気バルブ孔3aと排気バルブ孔5aとの間のバルブ孔が集合している部分である。この傾向は、勿論、2バルブ/1気筒のエンジンでも同様である。
【0006】
このような理由からバルブ孔間には多量の冷却水を流す必要があるが、近年はエンジンの高出力化に伴い、各バルブの径は大径化され、また、バルブ孔近傍には燃料噴射ノズルの取付孔4等が形成されるため、これらのバルブ孔間(星印:α、β、γ)は狭く形成されており、従って、冷却水を効果的に流すことは極めて困難な状態である。
【0007】
ところで、シリンダヘッド(冷却水ジャケット8)の底壁1cには、前記した給水孔9の他にこのシリンダヘッド1の長手方向にエア抜き孔10a、10bが開口されている。これらのエア抜き孔10a、10bは、エンジン組立て時において、シリンダヘッド1とシリンダボデイの組付け後、冷却水ジャケットに冷却水を注水する際にシリンダボデイの冷却水ジャケットに溜っていたエアの抜けを良くするために用いられるものである。
【0008】
図6に示したシリンダヘッド1においては、吸気ポート2側の側壁1a及び排気ポート6側の側壁1bに沿って、それぞれ4〜5個の小孔が開口してある。これらのエア抜き孔10a、10bが本来の目的であるエア抜きのために機能するのは、エンジン組立後、あるいはエンジンの整備(冷却水の交換等)後に冷却水を注水する時だけであり、通常は給水孔9と同様に冷却水の給水孔として機能している。
【0009】
一方、冷却水の排水孔11は、エンジンの長手方向の寸法を抑えることや、エンジンに取付く補機との関係から図6のようにシリンダヘッドの長手方向の一端部側壁に開口せざるを得ない設計上の制約がある。
前記のように冷却水の導入経路が形成されているエンジンを運転した場合には、給水孔9とエア抜き孔10a、10bを通じてシリンダボデイ側から冷却水ジャケット8に冷却水が供給されるが、その大部分はバルブ孔3a、5a間には流れることが少なく、シリンダヘッド1の側壁1a、1bにそって流れることが確認されている。これは、特に排水孔11を形成した側で顕著であり、図6に示すようにエア抜き孔10aから流入した冷却水の略全量が直接に排水孔11へ向かって流れていく。しかも、この流れは、かなり大流量の流れとなるため、給水孔9や他の側壁1b側のエア抜き孔10bから流入する冷却水を吸引するように作用する。従ってバルブ孔3a、5a間への冷却水の流れはますます阻害されることになり、バルブ孔3a、5a間の冷却が不足する。その結果、シリンダヘッド1の下面に亀裂を生じるなど、重大な不具合が発生することになる。
【0010】
そこで弁間部分あるいは弁軸穴部分の冷却不良の問題を解決する方法はいろいろと提案されているが、その一つとして実開昭64−51728号公報によって冷却水を一方向に流すようにすると共にシリンダヘッド部分に放熱フインを設けた装置が提案されているが、この技術は前記弁間部分を積極的に冷却する手段を開示するものではない。
【0011】
また、実開昭61−99652号公報によってシリンダヘッド下面上方に冷却水の外周通路を形成するとともに、この外周通路を排気側通路とその他の通路とに通路隔壁で仕切った構造を提案している。しかし、この構造は多数のシリンダを配列したエンジンには直ちに適用できるものを提案しておらず、特に熱が大量に伝わり易い弁間部分に通路を形成する必要があるなど、エンジン構造を煩雑化させる等の問題があり、多数のバルブを配置した最近のエンジンでは対応できなくなっている。
【0012】
本発明は燃料噴射弁あるいは点火プラグ等を中心とし、その周囲に複数のバルブ配置したシリンダを多数配列し、一方に排気ポートを、他方に吸気ポートをそれぞれ配置したエンジンにおいて、特にバルブ孔部分に積極的に冷却水を供給してこの部分の冷却を効率的に行うことができるシリンダヘッドを提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための本発明に係るエンジンのシリンダヘッド20は、冷却水ジャケット8内に吸・排気バルブ孔3a,5aを配置し、前記冷却水ジャケット8とシリンダヘッド20の外部とを連通する排水孔11をシリンダヘッドの側壁1aの一端部に開口すると共に、この側壁1aに沿い、冷却水ジャケット8に開口してシリンダブロックの冷却水ジャケットに連通する給水孔10aをシリンダ底壁1cに形成したエンジンのシリンダヘッド20であって、前記排水孔11が開口されている側の側壁1aと、前記排水孔11の近傍で、且つ、冷却水の流れに関して上流側のヘッドボルト7との間に隔壁22を配置すると共に、各気筒において、前記給水孔10aよりの冷却水を前記吸・排気バルブ孔3a,5aの回りに案内するように、各気筒の前記吸気バルブ孔3aのうち前記排水孔11から遠い側の前記吸気バルブ孔3aの外壁20aと該吸気バルブ孔3a近傍のヘッドボルトボス7との間には隔壁21を配置し、前記排水孔11に近い側の前記吸気バルブ孔3aの外壁20aと該吸気バルブ孔3a近傍のヘッドボルトボス7との間には流路23を設けて構成されている。
【0014】
本発明のシリンダヘッド20の技術的思想は、吸気バルブ孔3aと排気バルブ孔5aと、これらのバルブ孔3a、5aの中央に配置された燃料噴射ノズル孔4の集合体の、熱が集中する部分に冷却水を積極的に供給するものであるが、この集合体の周囲に配置されている給水孔9からの冷却水に付加して給水孔10aと10bからの冷却水も効果的にその部分に流そうとするものである。
【0015】
問題は、給水孔10a、10bがシリンダヘッド20の側壁1aと1bの近傍に配置されている関係で、ストレートな流路を形成し易いことである。このストレートな流路が形成されると、この流路を流れる冷却水が多くなって大きな流れを形成する。大きな流れが形成されると給水孔9から流入する冷却水が本来の流れ方向を変向して前記集合体の部分に向かわなくなるので、これを回避するために給水孔10aより流入する冷却水を積極的に集合部分に向かわせるように流路を形成したものである。
【0016】
この流路は吸気バルブ孔3aや、このバルブ孔3aの近傍に配置されている部材、好ましくはヘッドボルトボス7を利用して壁面を形成してこの壁面によって冷却水の流路を制限するものである。
【0017】
【作 用】
図1及び図5に示す如く、排水孔11が開口されている側の側壁1aと、この排水孔11の近傍のヘッドボルトボス7との間に隔壁22を設け、更に各気筒の吸気バルブ孔3a(吸気ポート2)のうち排水孔11から遠い側の吸気バルブ孔3aの外壁20aと、この吸気バルブ孔3a近傍のヘッドボルトボス7との間に隔壁21を夫々形成している。
【0018】
従って、給水孔10aから流入した冷却水Waは第2ジャケット部8bを通じて排水孔11へ向かって直接に流れるのを隔壁21によって阻止する。更に給水孔9と10bから流入した冷却水Wは吸気バルブ孔3aの外壁20aとヘッドボルトボス7との間を結ぶ隔壁21によって阻止される。従って、行き場を失なった冷却水Wはバルブ孔3a及びバルブ5a間へ流れ込みバルブ孔間(図5に星印のα、β、γで示す)の冷却性が格段に向上させることができる。
【0019】
【実 施 例】
次に図面を参照して本発明の実施例を説明する。
図1は、図6に示した改善前のエンジンのシリンダヘッド1を基本構造としてこれに改良を加えたシリンダヘッド20を示しており、同一の断面部分を示すとともに同一の符合は同一の部品をそれぞれ示している。
【0020】
本発明は片側の吸気側〔S〕に吸気ポート2を、他方の排気側〔E〕に排気ポート6を配置し、一方の側壁1aの端部に排水孔11を開口している。そして前記側壁1a側に吸気バルブ孔3aを、対向する側壁1b側に排気バルブ孔5aをそれぞれ配置し、更にこれらのバルブ孔3a、5aの中央部に燃料噴射ノズル取付孔4を配置してこれらの孔で一つの集合体を形成している。
【0021】
図2は図1におけるB−B断面を、図3は同A−A断面を示しており、前記吸気バルブ孔3aの上方にはバルブステム孔3が設けられ、更に排気バルブ孔5aの上方にはバルブステム孔5が設けられ、これらの吸・排気バルブを囲むように冷却水ジャケット8が設けられている。また、このジャケット8にはシリンダボデイに設けた冷却水ジャケットに連通するエア抜き孔を兼用する冷却水の給水孔10(10a,10b)が開口されている。
【0022】
前記吸気バルブ孔3aの外壁20aと、この外壁20aの近傍に形成されている部材、この実施例においてはヘッドボルトボス7と外壁20aとの間を隔壁21で連結して給水孔9から側壁20bの近傍を通って側壁1aの近傍へショートパスする通路を閉鎖している。
また、側壁1aの端部に開口されている排水孔11の近傍のヘッドボルトボス7と側壁1aとの間を隔壁22を設けて給水孔10aが配列されている第2ジャケット部8b側に形成した流路の端部を閉鎖している。
【0023】
この隔壁21の位置は、吸気バルブ孔3aの近傍にジャケット8内に突出するように設けてある部材、この実施例においては吸気バルブ孔3aとヘッドボルトボス7を利用し、これらの間を隔壁21で閉鎖して吸気バルブ孔3aの近傍に配置されている給水孔9より流出する冷却水の流れをこの吸気バルブ孔3aと排気バルブ孔5aの外壁20aに向かわせるようにすることが必要である。
【0024】
前記のように隔壁21を吸気バルブ孔3a側に設けることによってジャケット8はシリンダヘッド20の長手方向に沿って第1ジャケット部8aと第2ジャケット部8bとに大まかに分割されることになる。
つまり、第1ジャケット部8aと第2ジャケット部8bとは、シリンダヘッド20の長手方向に沿って平行しており、しかもこれらの間は所々が流路23で連結され、しかもこの流路23はシリンダブロックに連通する給水孔9の直近に位置して構成されている。このことは、給水孔10aより供給される冷却水Waを流路23を通じて熱を除去する必要があるバルブ孔3a,5aの外壁20aに積極的に、あたかもノズルから冷却水Waを噴出するようにしているのである。
【0025】
隔壁21と22は、前記のようにシリンダヘッド20に形成されているジャケット8を長手方向に、大まかに二つに分割して第1ジャケット部8aと第2ジャケット部8bを形成する役目をするものであるが、これらの隔壁21と22とはシリンダヘッドを鋳造する際にこれと一体的に鋳造される。この隔壁21と22はシリンダヘッドと同一材料であっても良いし、別の材料で形成したものであっても良い。
【0026】
前記のように吸気バルブ孔3a側の外壁20aと、この吸気バルブ孔3aの近傍に形成されているヘッドボルトボス7との間を隔壁21によって連結してこのヘッドボルトボス7の近傍に形成されていた流路を閉止することによって、第1ジャケット部8aと第2ジャケット部8bとが流路23を除いて分離された流路を形成している。
【0027】
図5は本発明のシリンダヘッド20の冷却ジャケット8内を流れる冷却水の様子を示す平面図であって、この図に示すように給水孔9より供給された冷却水Wは給水孔10aより供給される冷却水Waによって方向を変えられることなく、バルブ孔3a、5aの外壁20aの方向に向かって流れて星印で示すα、β及びγの熱が集まり易い弁間部分を積極的に冷却する。
【0028】
また、給水孔10aの近傍に流路23が開口されている関係でこの給水孔10aから噴出した冷却水Waはこの流路23よりバルブ孔3a,5a側へ導かれて前記冷却水Wと合流して前記弁間部分を効率的に冷却することができる。
図4は従来のシリンダヘッド1を使用した場合と、本発明に係るシリンダヘッド20を使用した場合のバルブ孔間α〜γ(図1、5、6参照)の壁面温度の測定結果を示している。
【0029】
□及び+でプロットした点は、従来のシリンダヘッド1を測定した場合で、夫々冷却水温度が約80℃の低温の時と約100℃の高温の時の各測定部位の壁面温度を示す。また、○及び△でプロットした点は、本発明に係るシリンダヘッド20を測定した場合であり、従来のシリンダヘッド1の場合と同様に、夫々冷却水温度が約80℃の低温の時と約100℃の高温の時の各測定部位の壁面温度を示す。この図から理解できるように、いずれの測定部位においても、また、冷却水温度の高・低によらず、本発明を適用した場合は壁面温度が低下していることが分かる。
【0030】
前記のように、本発明に係る給水孔10aからの冷却水Waを積極的にバルブ孔3a、5a側に案内するようにしたものは、従来の給水孔10aからの冷却水Waが排水孔11側に流出するものに比較して遙かに冷却効果が高く、特にバルブ間を効果的に冷却することができることが確認されいてる。
【0031】
【発明の効果】
本発明に係るシリンダヘッドは、冷却水ジャケット8内に吸・排気バルブ孔3a,5aを配置し、前記冷却水ジャケット8とシリンダヘッド20の外部とを連通する排水孔11をシリンダヘッドの側壁1aの一端部に開口すると共に、この側壁1aに沿い、冷却水ジャケット8に開口してシリンダブロックの冷却水ジャケットに連通する給水孔10aをシリンダ底壁1cに形成したエンジンのシリンダヘッド20であって、前記排水孔11が開口されている側の側壁1aと、前記排水孔11の近傍で、且つ、冷却水の流れに関して上流側のヘッドボルト7との間に隔壁22を配置すると共に、各気筒において、前記給水孔10aよりの冷却水を前記吸・排気バルブ孔3a,5aの回りに案内するように、各気筒の前記吸気バルブ孔3aのうち前記排水孔11から遠い側の前記吸気バルブ孔3aの外壁20aと該吸気バルブ孔3a近傍のヘッドボルトボス7との間には隔壁21を配置し、前記排水孔11に近い側の前記吸気バルブ孔3aの外壁20aと該吸気バルブ孔3a近傍のヘッドボルトボス7との間には流路23を設けて構成されている。
【0032】
従って、給水孔10aから供給される冷却水Waと給水孔9から供給される冷却水Wとは熱を多量に受ける吸・排気バルブ孔3a、5aが集合している部分の外壁20a側に導かれることから、この部分を集中的に冷却することができるのである。
前記のようにウオータージャケット8を給水孔10aが開口されている第2ジャケット部8bと、給水孔9が開口されている第1ジャケット部8aとに分離することによって、目的とする高度に熱を受ける部分に、あたかもミサイルを打ち込むように冷却水WとWaとを案内して冷却することができることから、多数のバルブを集合させたエンジンを効果的に冷却して熱応力が集中する部分をなくすことができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るシリンダヘッドの平断面図であって、上半分と下半分とに位置を異ならせて切断した面を示している。
【図2】図1におけるB−B断面図である。
【図3】図1におけるA−A線断面図である。
【図4】従来と本発明のシリンダヘッドの冷却効果を対比して示すグラフである。
【図5】本発明のシリンダヘッドにおける冷却水の流れを示す図である。
【図6】従来のシリンダヘッドにおける冷却水の流れを示す図である。
【符合の説明】
1、20 シリンダヘッド 1a 壁部 1b 側壁
2 吸気ポート 3 吸気バルブの軸孔 3a 吸気バルブの軸孔
4 燃料噴射ノズル孔(点火プラグの孔) 5 排気バルブの軸孔
5a 排気バルブ孔 7 ヘッドボルトボス
8 ジャケット 8a 第1ジャケット部 8b 第2ジャケット部
9 給水口 11 冷却水の排出口 21、22 隔壁
20a 外壁
【産業上の利用分野】
本発明はエンジンを構成するシリンダヘッドに関し、特に燃料噴射ノズルあるいは点火プラグを中心としてこれの周囲に吸気バルブ孔と排気バルブ孔からなる孔の集合体が位置された部分を効果的に冷却することができるシリンダヘッドの冷却構造を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
図6はエンジンのシリンダヘッドの平断面図を示すもので、上半分に吸気ポートと排気ポートを含む面を、そして下半分に吸・排気バルブ孔を通る面の平断面図をそれぞれ示している。また、図2は図6のB−B断面を、図3は図6のA−A断面をそれぞれ示している。
【0003】
図5に示すように、多気筒エンジンのシリンダヘッド1には、各気筒に対応して吸気バルブ孔3a、排気バルブ孔5a、及びこれらに連通する吸気ポート2、排気ポート6ならびに燃料噴射ノズル(点火プラグ)取付け孔4が形成されると共に、これらを取り囲んで冷却水ジャケット8が形成されている。
一方、冷却水ジャケット8の底壁1cには、シリンダボデイの冷却水ジャケット(不図示)に連通し、このシリンダボデイからシリンダヘッド1へ冷却水を導く給水孔9が形成されている。また、シリンダヘッドの長手方向の一端側壁1aには、冷却水ジャケット8内の冷却水をラジエータへ送り出すための冷却水パイプ(不図示)に接続される排水孔11が開口されている。
【0004】
即ち、冷却水はシリンダボデイを冷却した後に給水孔9を通ってシリンダヘッド1側の冷却水ジャケット8に導入され、このシリンダヘッド1を冷却した後に排水孔11からラジエータに送り出され、ここで熱交換(冷却)された後に冷却水ポンプ(不図示)によって再びシリンダボデイ側へ圧送されてエンジン内を循環しながら冷却するようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
シリンダヘッド1の中で、最も熱負荷の高くなる部分はバルブ孔間、即ち図6に示すように1気筒当たり4つのバルブを備えたエンジンにおいては、吸気バルブ孔3a同士の間、排気バルブ孔5a同士の間、更に吸気バルブ孔3aと排気バルブ孔5aとの間のバルブ孔が集合している部分である。この傾向は、勿論、2バルブ/1気筒のエンジンでも同様である。
【0006】
このような理由からバルブ孔間には多量の冷却水を流す必要があるが、近年はエンジンの高出力化に伴い、各バルブの径は大径化され、また、バルブ孔近傍には燃料噴射ノズルの取付孔4等が形成されるため、これらのバルブ孔間(星印:α、β、γ)は狭く形成されており、従って、冷却水を効果的に流すことは極めて困難な状態である。
【0007】
ところで、シリンダヘッド(冷却水ジャケット8)の底壁1cには、前記した給水孔9の他にこのシリンダヘッド1の長手方向にエア抜き孔10a、10bが開口されている。これらのエア抜き孔10a、10bは、エンジン組立て時において、シリンダヘッド1とシリンダボデイの組付け後、冷却水ジャケットに冷却水を注水する際にシリンダボデイの冷却水ジャケットに溜っていたエアの抜けを良くするために用いられるものである。
【0008】
図6に示したシリンダヘッド1においては、吸気ポート2側の側壁1a及び排気ポート6側の側壁1bに沿って、それぞれ4〜5個の小孔が開口してある。これらのエア抜き孔10a、10bが本来の目的であるエア抜きのために機能するのは、エンジン組立後、あるいはエンジンの整備(冷却水の交換等)後に冷却水を注水する時だけであり、通常は給水孔9と同様に冷却水の給水孔として機能している。
【0009】
一方、冷却水の排水孔11は、エンジンの長手方向の寸法を抑えることや、エンジンに取付く補機との関係から図6のようにシリンダヘッドの長手方向の一端部側壁に開口せざるを得ない設計上の制約がある。
前記のように冷却水の導入経路が形成されているエンジンを運転した場合には、給水孔9とエア抜き孔10a、10bを通じてシリンダボデイ側から冷却水ジャケット8に冷却水が供給されるが、その大部分はバルブ孔3a、5a間には流れることが少なく、シリンダヘッド1の側壁1a、1bにそって流れることが確認されている。これは、特に排水孔11を形成した側で顕著であり、図6に示すようにエア抜き孔10aから流入した冷却水の略全量が直接に排水孔11へ向かって流れていく。しかも、この流れは、かなり大流量の流れとなるため、給水孔9や他の側壁1b側のエア抜き孔10bから流入する冷却水を吸引するように作用する。従ってバルブ孔3a、5a間への冷却水の流れはますます阻害されることになり、バルブ孔3a、5a間の冷却が不足する。その結果、シリンダヘッド1の下面に亀裂を生じるなど、重大な不具合が発生することになる。
【0010】
そこで弁間部分あるいは弁軸穴部分の冷却不良の問題を解決する方法はいろいろと提案されているが、その一つとして実開昭64−51728号公報によって冷却水を一方向に流すようにすると共にシリンダヘッド部分に放熱フインを設けた装置が提案されているが、この技術は前記弁間部分を積極的に冷却する手段を開示するものではない。
【0011】
また、実開昭61−99652号公報によってシリンダヘッド下面上方に冷却水の外周通路を形成するとともに、この外周通路を排気側通路とその他の通路とに通路隔壁で仕切った構造を提案している。しかし、この構造は多数のシリンダを配列したエンジンには直ちに適用できるものを提案しておらず、特に熱が大量に伝わり易い弁間部分に通路を形成する必要があるなど、エンジン構造を煩雑化させる等の問題があり、多数のバルブを配置した最近のエンジンでは対応できなくなっている。
【0012】
本発明は燃料噴射弁あるいは点火プラグ等を中心とし、その周囲に複数のバルブ配置したシリンダを多数配列し、一方に排気ポートを、他方に吸気ポートをそれぞれ配置したエンジンにおいて、特にバルブ孔部分に積極的に冷却水を供給してこの部分の冷却を効率的に行うことができるシリンダヘッドを提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための本発明に係るエンジンのシリンダヘッド20は、冷却水ジャケット8内に吸・排気バルブ孔3a,5aを配置し、前記冷却水ジャケット8とシリンダヘッド20の外部とを連通する排水孔11をシリンダヘッドの側壁1aの一端部に開口すると共に、この側壁1aに沿い、冷却水ジャケット8に開口してシリンダブロックの冷却水ジャケットに連通する給水孔10aをシリンダ底壁1cに形成したエンジンのシリンダヘッド20であって、前記排水孔11が開口されている側の側壁1aと、前記排水孔11の近傍で、且つ、冷却水の流れに関して上流側のヘッドボルト7との間に隔壁22を配置すると共に、各気筒において、前記給水孔10aよりの冷却水を前記吸・排気バルブ孔3a,5aの回りに案内するように、各気筒の前記吸気バルブ孔3aのうち前記排水孔11から遠い側の前記吸気バルブ孔3aの外壁20aと該吸気バルブ孔3a近傍のヘッドボルトボス7との間には隔壁21を配置し、前記排水孔11に近い側の前記吸気バルブ孔3aの外壁20aと該吸気バルブ孔3a近傍のヘッドボルトボス7との間には流路23を設けて構成されている。
【0014】
本発明のシリンダヘッド20の技術的思想は、吸気バルブ孔3aと排気バルブ孔5aと、これらのバルブ孔3a、5aの中央に配置された燃料噴射ノズル孔4の集合体の、熱が集中する部分に冷却水を積極的に供給するものであるが、この集合体の周囲に配置されている給水孔9からの冷却水に付加して給水孔10aと10bからの冷却水も効果的にその部分に流そうとするものである。
【0015】
問題は、給水孔10a、10bがシリンダヘッド20の側壁1aと1bの近傍に配置されている関係で、ストレートな流路を形成し易いことである。このストレートな流路が形成されると、この流路を流れる冷却水が多くなって大きな流れを形成する。大きな流れが形成されると給水孔9から流入する冷却水が本来の流れ方向を変向して前記集合体の部分に向かわなくなるので、これを回避するために給水孔10aより流入する冷却水を積極的に集合部分に向かわせるように流路を形成したものである。
【0016】
この流路は吸気バルブ孔3aや、このバルブ孔3aの近傍に配置されている部材、好ましくはヘッドボルトボス7を利用して壁面を形成してこの壁面によって冷却水の流路を制限するものである。
【0017】
【作 用】
図1及び図5に示す如く、排水孔11が開口されている側の側壁1aと、この排水孔11の近傍のヘッドボルトボス7との間に隔壁22を設け、更に各気筒の吸気バルブ孔3a(吸気ポート2)のうち排水孔11から遠い側の吸気バルブ孔3aの外壁20aと、この吸気バルブ孔3a近傍のヘッドボルトボス7との間に隔壁21を夫々形成している。
【0018】
従って、給水孔10aから流入した冷却水Waは第2ジャケット部8bを通じて排水孔11へ向かって直接に流れるのを隔壁21によって阻止する。更に給水孔9と10bから流入した冷却水Wは吸気バルブ孔3aの外壁20aとヘッドボルトボス7との間を結ぶ隔壁21によって阻止される。従って、行き場を失なった冷却水Wはバルブ孔3a及びバルブ5a間へ流れ込みバルブ孔間(図5に星印のα、β、γで示す)の冷却性が格段に向上させることができる。
【0019】
【実 施 例】
次に図面を参照して本発明の実施例を説明する。
図1は、図6に示した改善前のエンジンのシリンダヘッド1を基本構造としてこれに改良を加えたシリンダヘッド20を示しており、同一の断面部分を示すとともに同一の符合は同一の部品をそれぞれ示している。
【0020】
本発明は片側の吸気側〔S〕に吸気ポート2を、他方の排気側〔E〕に排気ポート6を配置し、一方の側壁1aの端部に排水孔11を開口している。そして前記側壁1a側に吸気バルブ孔3aを、対向する側壁1b側に排気バルブ孔5aをそれぞれ配置し、更にこれらのバルブ孔3a、5aの中央部に燃料噴射ノズル取付孔4を配置してこれらの孔で一つの集合体を形成している。
【0021】
図2は図1におけるB−B断面を、図3は同A−A断面を示しており、前記吸気バルブ孔3aの上方にはバルブステム孔3が設けられ、更に排気バルブ孔5aの上方にはバルブステム孔5が設けられ、これらの吸・排気バルブを囲むように冷却水ジャケット8が設けられている。また、このジャケット8にはシリンダボデイに設けた冷却水ジャケットに連通するエア抜き孔を兼用する冷却水の給水孔10(10a,10b)が開口されている。
【0022】
前記吸気バルブ孔3aの外壁20aと、この外壁20aの近傍に形成されている部材、この実施例においてはヘッドボルトボス7と外壁20aとの間を隔壁21で連結して給水孔9から側壁20bの近傍を通って側壁1aの近傍へショートパスする通路を閉鎖している。
また、側壁1aの端部に開口されている排水孔11の近傍のヘッドボルトボス7と側壁1aとの間を隔壁22を設けて給水孔10aが配列されている第2ジャケット部8b側に形成した流路の端部を閉鎖している。
【0023】
この隔壁21の位置は、吸気バルブ孔3aの近傍にジャケット8内に突出するように設けてある部材、この実施例においては吸気バルブ孔3aとヘッドボルトボス7を利用し、これらの間を隔壁21で閉鎖して吸気バルブ孔3aの近傍に配置されている給水孔9より流出する冷却水の流れをこの吸気バルブ孔3aと排気バルブ孔5aの外壁20aに向かわせるようにすることが必要である。
【0024】
前記のように隔壁21を吸気バルブ孔3a側に設けることによってジャケット8はシリンダヘッド20の長手方向に沿って第1ジャケット部8aと第2ジャケット部8bとに大まかに分割されることになる。
つまり、第1ジャケット部8aと第2ジャケット部8bとは、シリンダヘッド20の長手方向に沿って平行しており、しかもこれらの間は所々が流路23で連結され、しかもこの流路23はシリンダブロックに連通する給水孔9の直近に位置して構成されている。このことは、給水孔10aより供給される冷却水Waを流路23を通じて熱を除去する必要があるバルブ孔3a,5aの外壁20aに積極的に、あたかもノズルから冷却水Waを噴出するようにしているのである。
【0025】
隔壁21と22は、前記のようにシリンダヘッド20に形成されているジャケット8を長手方向に、大まかに二つに分割して第1ジャケット部8aと第2ジャケット部8bを形成する役目をするものであるが、これらの隔壁21と22とはシリンダヘッドを鋳造する際にこれと一体的に鋳造される。この隔壁21と22はシリンダヘッドと同一材料であっても良いし、別の材料で形成したものであっても良い。
【0026】
前記のように吸気バルブ孔3a側の外壁20aと、この吸気バルブ孔3aの近傍に形成されているヘッドボルトボス7との間を隔壁21によって連結してこのヘッドボルトボス7の近傍に形成されていた流路を閉止することによって、第1ジャケット部8aと第2ジャケット部8bとが流路23を除いて分離された流路を形成している。
【0027】
図5は本発明のシリンダヘッド20の冷却ジャケット8内を流れる冷却水の様子を示す平面図であって、この図に示すように給水孔9より供給された冷却水Wは給水孔10aより供給される冷却水Waによって方向を変えられることなく、バルブ孔3a、5aの外壁20aの方向に向かって流れて星印で示すα、β及びγの熱が集まり易い弁間部分を積極的に冷却する。
【0028】
また、給水孔10aの近傍に流路23が開口されている関係でこの給水孔10aから噴出した冷却水Waはこの流路23よりバルブ孔3a,5a側へ導かれて前記冷却水Wと合流して前記弁間部分を効率的に冷却することができる。
図4は従来のシリンダヘッド1を使用した場合と、本発明に係るシリンダヘッド20を使用した場合のバルブ孔間α〜γ(図1、5、6参照)の壁面温度の測定結果を示している。
【0029】
□及び+でプロットした点は、従来のシリンダヘッド1を測定した場合で、夫々冷却水温度が約80℃の低温の時と約100℃の高温の時の各測定部位の壁面温度を示す。また、○及び△でプロットした点は、本発明に係るシリンダヘッド20を測定した場合であり、従来のシリンダヘッド1の場合と同様に、夫々冷却水温度が約80℃の低温の時と約100℃の高温の時の各測定部位の壁面温度を示す。この図から理解できるように、いずれの測定部位においても、また、冷却水温度の高・低によらず、本発明を適用した場合は壁面温度が低下していることが分かる。
【0030】
前記のように、本発明に係る給水孔10aからの冷却水Waを積極的にバルブ孔3a、5a側に案内するようにしたものは、従来の給水孔10aからの冷却水Waが排水孔11側に流出するものに比較して遙かに冷却効果が高く、特にバルブ間を効果的に冷却することができることが確認されいてる。
【0031】
【発明の効果】
本発明に係るシリンダヘッドは、冷却水ジャケット8内に吸・排気バルブ孔3a,5aを配置し、前記冷却水ジャケット8とシリンダヘッド20の外部とを連通する排水孔11をシリンダヘッドの側壁1aの一端部に開口すると共に、この側壁1aに沿い、冷却水ジャケット8に開口してシリンダブロックの冷却水ジャケットに連通する給水孔10aをシリンダ底壁1cに形成したエンジンのシリンダヘッド20であって、前記排水孔11が開口されている側の側壁1aと、前記排水孔11の近傍で、且つ、冷却水の流れに関して上流側のヘッドボルト7との間に隔壁22を配置すると共に、各気筒において、前記給水孔10aよりの冷却水を前記吸・排気バルブ孔3a,5aの回りに案内するように、各気筒の前記吸気バルブ孔3aのうち前記排水孔11から遠い側の前記吸気バルブ孔3aの外壁20aと該吸気バルブ孔3a近傍のヘッドボルトボス7との間には隔壁21を配置し、前記排水孔11に近い側の前記吸気バルブ孔3aの外壁20aと該吸気バルブ孔3a近傍のヘッドボルトボス7との間には流路23を設けて構成されている。
【0032】
従って、給水孔10aから供給される冷却水Waと給水孔9から供給される冷却水Wとは熱を多量に受ける吸・排気バルブ孔3a、5aが集合している部分の外壁20a側に導かれることから、この部分を集中的に冷却することができるのである。
前記のようにウオータージャケット8を給水孔10aが開口されている第2ジャケット部8bと、給水孔9が開口されている第1ジャケット部8aとに分離することによって、目的とする高度に熱を受ける部分に、あたかもミサイルを打ち込むように冷却水WとWaとを案内して冷却することができることから、多数のバルブを集合させたエンジンを効果的に冷却して熱応力が集中する部分をなくすことができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るシリンダヘッドの平断面図であって、上半分と下半分とに位置を異ならせて切断した面を示している。
【図2】図1におけるB−B断面図である。
【図3】図1におけるA−A線断面図である。
【図4】従来と本発明のシリンダヘッドの冷却効果を対比して示すグラフである。
【図5】本発明のシリンダヘッドにおける冷却水の流れを示す図である。
【図6】従来のシリンダヘッドにおける冷却水の流れを示す図である。
【符合の説明】
1、20 シリンダヘッド 1a 壁部 1b 側壁
2 吸気ポート 3 吸気バルブの軸孔 3a 吸気バルブの軸孔
4 燃料噴射ノズル孔(点火プラグの孔) 5 排気バルブの軸孔
5a 排気バルブ孔 7 ヘッドボルトボス
8 ジャケット 8a 第1ジャケット部 8b 第2ジャケット部
9 給水口 11 冷却水の排出口 21、22 隔壁
20a 外壁
Claims (1)
- 冷却水ジャケット8内に吸・排気バルブ孔3a,5aを配置し、前記冷却水ジャケット8とシリンダヘッド20の外部とを連通する排水孔11をシリンダヘッドの側壁1aの一端部に開口すると共に、この側壁1aに沿い、冷却水ジャケット8に開口してシリンダブロックの冷却水ジャケットに連通する給水孔10aをシリンダ底壁1cに形成したエンジンのシリンダヘッド20であって、
前記排水孔11が開口されている側の側壁1aと、前記排水孔11の近傍で、且つ、冷却水の流れに関して上流側のヘッドボルト7との間に隔壁22を配置すると共に、各気筒において、前記給水孔10aよりの冷却水を前記吸・排気バルブ孔3a,5aの回りに案内するように、各気筒の前記吸気バルブ孔3aのうち前記排水孔11から遠い側の前記吸気バルブ孔3aの外壁20aと該吸気バルブ孔3a近傍のヘッドボルトボス7との間には隔壁21を配置し、前記排水孔11に近い側の前記吸気バルブ孔3aの外壁20aと該吸気バルブ孔3a近傍のヘッドボルトボス7との間には流路23を設けたことを特徴とするエンジンのシリンダヘッド。
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