JPS5840654B2 - 水冷式内燃機関、特にジ−ゼル機関 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、水冷式内燃機関であって、シリンダ・ブロ
ンズとオーバ・ヘッド式カム・シャフトのケーシングと
、に一体内同時鋳造構成とされたシリンダ・ヘッド、を
備え、さらに、そのシリンダ・ヘッド内に配置された吸
・排気各弁および機関長手方向に対して横の向きの方向
に排気側の側壁へ向けて延び出た排気路、ならびに全シ
リンダにわたる配備の冷却水室、をも備えているもの、
にかかるものである。

この型式の内燃機関にあっては、許容限度を越える大き
な熱負荷を避けるために、排気路は、できるかぎりそれ
らの全長・全周辺にわたって、水で冷却しなければなら
ない。

しかし、この要求を満たすための構造は、鋳造技術上の
困難をもたらすものとなり、このために、ジーゼル機関
のシリンダ・ヘッドを三部分構成のものとして組みあげ
ることが通例となっている。

なお、こじんまりとしあげるという条件のもとで、冷却
水配分路を十分に大きな断面積のものとして組込むこと
も、むずかしい問題であることが多い。

この発明の目的は、冒頭に述べた型式の内燃機関であっ
て上記の鋳造技術上の困難が避けられ、しかも、できる
かぎり目方の軽い構造を実現するという望ましい条件を
も満足するもの、を提供することである。

さらに加えて、機関各部のうちの熱負荷のひどい部分に
はできるだけほかよりも強力な冷却が確実に行われるよ
うにできることをも目的とするものである０ この目的を達成するために、この発明では、排気路の直
上部に、機関長手方向に延びる冷却水配分路が備えられ
ていて、この冷却水配分路と各シリンダのシリンダ・ヘ
ッド冷却水室とはそのシリンダの吸排気弁座間路および
ノズルわき路へ向けて設けられた貫通孔とかそうした貫
通孔内にはめ込まれた管とかを介して連通し合わされて
いる構成のものとしている。

この構成によれば、カム・シャフト・ケーシングとシリ
ンダ・ヘッドとシリンダ・ブロックがひとまとまりの一
体的構成部品として作りあげられていることによって目
方がうんと軽くなるうえ、鋳造技術的な問題も大きく軽
減されることとなるのである０すなわち、在来のような
ウオーク・ジャケットなかと二分割を無用とできるし、
排気路なかと束を上方からそのように一体的構成とされ
たシリンダ・ヘッド・ウオーク・ジャケットなかご内へ
斜めに貫き通したのちに冷却水配分路なかごを挿入する
ことができるのである。

この発明によると、排気路のあたりの冷却が非常によく
行われることともなる。

すなわち排気路がシリンダ・ヘッドの冷却水室内にすべ
て収め込まれているというような構成の場合とまさに同
様に、その全長・全周辺にわたって冷却されるのであり
、この場合、シリンダ・ヘッド部ですでに温まってしま
った冷却水が洗い流れるのは排気路の底面部だけであり
、この排気路の天井部の方は、配分路を経て流れ込む比
較的低い温度の冷却水による強力な冷却を受けるもので
ある。

この排気路冷却の様式は、路壁の場所場所でいろいろに
差のある熱負荷にもつとも適当に対処しているものとい
うことができる。

断面積の大きな冷却水配分路を収め込むための比較的大
きな空間を排気路の上方部に自由に取りおくことができ
る、ということも独特の冷却効果を実現することとなる
大きな利点である。

冷却水配分路と各シリンダのシリンダ・ヘッド冷却水室
とが、それ自体としては公知の方法で、そのシリンダの
吸排気弁座間路やノズルわき路へ向けて設けられた貫通
孔とかそうした貫通孔内にはめ込まれた管とかを介して
、連通し合わされている、ということによって、そこに
得られる冷却水高速流による、この熱負荷の大きなシリ
ンダ・ヘッド部分の強い冷却が達成されるという在来公
知の利点が、ここでも実現され、すでに述べたように冷
却水配分路の断面積が比較的大きなものであるというこ
とが、この利点をいっそう大きくするものとなっている
。

冒頭に述べた型式の在来公知の内燃機関は、冷却水の流
れかたということについてはこの発明のものと根本的に
違っている。

すなわち、そうした公知内燃機関では、この発明の場合
のあらゆるシリンダの各冷却いずれにも連通し合ってい
る冷却水配分路のかわりに、全シリンダ用としてひとつ
ながりの冷却水室が備えられていて、それは、シリンダ
・ヘッド底面の位置の厚い中間壁で上下に分けへだてら
れており、この冷却水室下半部、すなわちシリンダ壁を
含む部分、と、この冷却水室上半部、すなわちシリンダ
・ヘッドのところの部分、とは、エンジン・ブロック全
体の前後各端面部の比較的小さな連通断面積部を介して
つながり合うだけにすぎず、このような冷却水室構造で
は、一体構成のシリンダ・ヘッド・シリンダ・ブロック
の各場所場所によっているいろ差のある冷却要求度にう
まく適合した冷却を実現するなどとうてい無理であるこ
とは明らかであり、そのために、エンジンの熱負荷の大
きなときには、不均等な熱膨張からシリンダ・ヘッド底
面およびシリンダ壁に変形を生じ、熱負荷によるひび割
れの恐れが避けられない。

そのうえ、このような公知構造の冷却氷室を作りあげる
ことは、鋳造技術上の困難をも伴うものであった。

この発明の好適実施例として、冷却水配分路の底壁板が
同時に排気路の天井壁板をも兼ねる構成のものがある。

この構成によれば、排気路壁と、配分路を流れ通ってい
る冷却水と、のあいだに二重壁構造がなくなるのである
から熱交換が非常によくなり、加えて、機体高さを低く
することともなる。

このとき、冷却水配分路と排気路とのあいだの仕切り壁
の厚さは、排気路そのものの元来の厚さと同程度のもの
としてよいものである。

特に好ましい冷却状態を実現するこの発明の実施例とし
て、冷却水配分路が実質的に四角い断面のものであって
、その断面幅は、排気側の側壁から、機関長手方向に一
列状に配備されている吸・排気全弁のところまで、利用
可能空間すべてにわたるものとされている構成のものが
ある。

つぎに、添付図面に示されたひとつの好適実施例につい
て、この発明をさらに詳しく説明する。

参照番号１で示された一体構成物はカム・シャフト・ケ
ーシング２とシリンダ・ヘッド３とシリンダ・ブロック
４とを合体したものであるが、これを備えているこの水
冷４気筒４サイクル式燃料直接噴射型ジーゼル機関は、
そのシリンダ・ヘッド３内に、機関長手方向に一列状に
配備されて軸５だけしか図に示されていないオーバ・ヘ
ッド・カム・シャフトで作動される吸・排気弁をも備え
ている。

吸気弁は軸６、排気弁は軸７、で示している。

吸気路８や排気路９は機関長手方向中央面１０に対して
横の向きに走っている。

一体構成物１はほぼ箱形で、実質的に平らな各壁面のう
ち、吸気側は外壁面１１、排気側は外壁面１２で示して
いる。

この発明によるこうした内燃機関の構造で特長とするこ
とは、冷却室の形態、冷却水の導きかた、およびそれに
よって実現されることとなる熱負荷の特にひどい機関部
分に対してのすぐれた冷却効果、である。

シリンダ・ヘッド底面１３の上方に位置するシリンダ・
ヘッド冷却水室１４と、シリンダ壁１５まわりを囲む冷
却水室１６と、はそのシリンダ・ヘッド底面１３周縁部
の比較的大きな断面積の連通部を介してつながり合って
いる。

それぞれのシリンダ１７への冷却水の案内・配分は、排
気路９直上部に機関長手方向に延びる冷却水配分路１８
を介して行われるが、これは実質的に四角い断面形状の
もので、その底壁板１９は同時に排気路９の天井壁板を
も兼ねる構成とされている。

冷却水入り口２０を介してこの機関の冷却水系統につな
がっている上記冷却水配分路１８の断面幅は、排気側の
側壁１２から図には示されていない弁駆動部品類のとこ
ろまで、利用可能空間すべてにわたるものとされている
。

また、この配分路１８の高さの寸法制約は実質的にカム
・シャフトの位置によって受けるだけである○この配分
路１８の底壁板１９から所要個の貫通孔２１が斜めに出
ており、それらの軸は公知のようにシリンダ・ヘッド底
面１３の左右中央部へ向かうようにされているもので、
各孔内にはノズル状のはめ込み管２２が封密挿入されて
いる。

このあたりの部分は、吸・排気両弁間に弁座開路２３が
、また、図には示していない噴射ノズルの支持管２５と
それらそれぞれの弁とのあいだには各ノズルわき路２４
が、できることとなるところである。

上に述べたような冷却水案内路によって、もっともひど
い熱負荷を受ける機関部分、すなわち排気路９、吸・排
気弁座間路２３、ノズルわき路２４など、がその所要冷
却度にちょうどうまく合致した冷却を受けることとなり
、許容度を越えるような熱膨張・熱応力がきわめて効果
的に避けられることとなる。

排気路９はその壁面の大部分がシリンダ・ヘッド冷却水
室１４内にあるものとなるが、排気ガスの直接吹きつけ
ることとなるその天井壁面１９は、直接その上面が比較
内冷たい水で洗い流される配分路１８となっていて、強
力な冷却を受けるのである。

また、吸・排気弁座間路２３やノズルわき路２４は、は
め込み管２２を高速で流れ通る冷却水で冷やされ、こう
して、在来はしばしば生じていたような熱負荷によるひ
び割れが避けられるものとなるのである。

なお、シリンダ・ヘッド冷却水室１４からシリンダ・ブ
ロック冷却水室１６への移行部断面積が大きいので、シ
リンダ壁１５の十分な冷却も確実に実限される。

吸気路８はずっと小さな熱負荷しか受けないものであり
、第４図に見られるようにその底面部だけにシリンダ・
ヘッド冷却水室１４の冷却水が洗い流れるようにしても
それで十分な冷却が確実に得られ、天井面部にさらに別
個な冷却を考えるまでの必要はない。

したがって、吸気路なかご束の組みつけにあたって、水
室なかごを複数部分構成とする必要がなくなるので、鋳
造作業が非常に楽になることも大きな利点である。

添付図面に示され、上に説明された、この発明の実施例
の構造が、このように鋳造技術上の利点と独特の冷却効
果とをもたらすばかりでなく、非常に目方を軽くすませ
る機関構成を可能にするものであることも、すぐに理解
されるであろう。

なお、本発明は、必ずしもジーゼル機関に限定されるも
のではなく、ガソリン・エンジンなどにも適用されるも
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この発明によるジーゼル機関の、カム、・シ
ャフト・ケーシングとシリンダ・ヘッドとシリンダ・ブ
ロックとを合体した一体構成物の側面図であって、一部
分は第３図中の１−１線による断面を示したもの、第２
図は第１図中の■−■線によるその一体構成物の平面断
面図、第３図は第１図中の■−曲線によるその一体構成
物の断面図、第４図は第１図中のＩＶ−ＩＶ線による別
箇面図である。 １・・・・・・ケーシング２とシリンダ・ヘッド３とシ
リンダ・ブロック４とを合体した一体構成物、２・・・
・・・カム・シャフト・ケーシング、３・・・・・・シ
リンダ・ヘッド、４・・・・・・シリンダ・ブロック、
５・・・・・・カム・シャフト軸、６・・・・・・吸気
弁軸、７・・・・・・排気弁軸、８・・・・・・吸気路
、９・・・・・・排気路、１０・・・・・・機関長手方
向中央面、１１・・・・・・吸気側の側面、１２・・・
・・・排気側の側面、１３・・・・・・シリンダ・ヘッ
ド底面、１４・・・・・・シリンダ・ヘッド冷却水室、
１５・・・・・・シリンダ壁、１６・・・・・・シリン
ダ壁１５まわりのシリンダ・ブロック冷却水室、１７・
・・・・・シリンダ、１８・・・・・・冷却水配分路、
１９・・・・・・配分路１８底壁板兼排気路９天井壁板
、２０・・・・・・冷却水入り口、２１・・・・・・貫
通孔、２２・・・・・・はめ込み管、２３・・・・・・
吸排気弁座間路、２４・・・・・・ノズルわき路、２５
・・・・・・噴射ノズル支持管。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 水冷式内燃機関であって、 シリンダ・フロラ クとオーバ・ヘッド式カム・シャフトのケーシングと、
   に一体内同時鋳造構成とされたシリンダ・ヘッドを備え
   、さらに、そのシリンダ・ヘッド内に配置された吸・排
   気各弁および機関長手方向に対して横の向きの方向に排
   気側の側壁へ向けて延び出た排気路、ならびに全シリン
   ダにわたる配備の冷却水室、をも備えているもの、にお
   いで、それら排気路９の直上部に、機関長手方向に延び
   る冷却水配分路１８が備えられていて、この冷却水配分
   路１８と各シリンダ１７のシリンダ・ヘッド冷却水室１
   ４とはそのシリンダ１７の吸排気弁座間路２３およびノ
   ズルわき路２４へ向けて設けられた貫通孔２１とかそう
   した貫通孔内にはめ込まれた管２２とかを介して連通し
   合わされていること、 を特徴とする水冷式内燃機関。 ２、特許請求の範囲１記載の内燃機関において、冷却水
   配分路１８の底壁板１９が同時に排気路９の天井壁板を
   も兼ねる構成とされていることを特徴とする水冷式内燃
   機関。 ３ 特許請求の範囲１または２記載の内燃機関において
   、冷却水配分路１８が実質的に四角い断面のものであっ
   て、その断面幅は、排気側の側壁１２から、機関長手方
   向に一列状に配備されている吸・排気全弁６，７のとこ
   ろまで、利用可能空間すべてにわたるものとされている
   こと、を特徴とする水冷式内燃機関。