JP2015113128A - パウチ容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】容器容量に影響しない構成の把持部を備えたパウチ容器を提供することである。
【解決手段】パウチ容器10は、表面シート11と、裏面シート12と、底ガゼットシート13とを備えるスタンディングパウチであって、把持部30A,30Bを備える。把持部30A,30Bは、内装シート31A,31Bと重なる位置において、該内装シートが接合された表面シート11及び裏面シート12に開口を設けて構成される。
【選択図】図7

Description

本発明は、パウチ容器に関する。
パウチ容器は、軽量で廃棄が容易である等の優れた特徴を有するため、各種トイレタリー製品などの詰め替え用容器を中心に広く使用されている。例えば、詰め替え用容器に利用されるパウチ容器には、内容物の詰め替えを行う際に容器を安定に把持できることが求められており、特に容器容量が大きくなるほど当該ニーズは高くなる。
このような状況に鑑みて、容器の把持性を改良したパウチ容器が提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。特許文献1,2に開示されたパウチ容器は、フィルムの貼り合せにより形成された容器のヒートシール部に、手先が差し入れ可能な把手孔を備えたものである。
特開2004−359258号公報 特開2004−359259号公報
しかし、特許文献1,2のパウチ容器では、把手孔を設けるためにシール部を大きく形成する必要があるため、容器容量が小さくなる、或いは容器容量を確保すべく容器の外形を大きくする必要があるといった問題がある。また、特許文献1,2のパウチ容器を含む従来のパウチ容器は、未だ把持性について改良の余地がある。
本発明に係るパウチ容器は、少なくとも表面部、裏面部、及び把持部を備えるパウチ容器において、前記表面部及び裏面部は、壁面シートから構成され、前記表面部及び前記裏面部を構成する前記各壁面シートの少なくとも一方の内面には、内装シートが接合され、前記把持部は、前記内装シートと重なる位置において、前記内装シートが接合された前記壁面シートに開口を設けて構成されることを特徴とする。
本発明に係るパウチ容器において、前記内装シートは、容器横方向の全長に亘って設けられることが好適である。
本発明に係るパウチ容器において、前記内装シートは、前記表面部及び前記裏面部の各内面において、互いに対向する位置にそれぞれ接合されていることが好適である。
本発明に係るパウチ容器において、容器上部に注出口部を備え、前記把持部は、前記注出口部よりも容器下部側に設けられることが好適である。
本発明に係るパウチ容器において、前記把持部は、舌片を備えることが好適である。
本発明によれば、容器容量に影響しない構成の把持部を備えたパウチ容器を提供することができる。また、本発明に係るパウチ容器は、把持部を用いて安定に把持することができ、例えば容器容量が大きな詰め替え用容器に適用された場合であっても良好な詰め替え操作を可能とする。また、本発明に係るパウチ容器は、既存の製袋プロセスにより容易に製造することができる。
本発明の第1実施形態であるパウチ容器の正面図である。 図1のAA線断面図である。 図1のBB線断面図である。 本発明の第1実施形態であるパウチ容器の上下方向に切断した断面図であって、内容物が充填された状態を示す図である。 本発明の第1実施形態であるパウチ容器の正面図であって、舌片を内側に折り込んだ状態を示す図である。 図4のCC線断面図である。 本発明の第1実施形態であるパウチ容器の製造工程の一部を示す図である。 本発明の第1実施形態であるパウチ容器の把持形態を示す図である。 図7に示す把持形態を裏面シート側から見た図である。 本発明の第1実施形態であるパウチ容器の他の把持形態を示す図である。 第1実施形態の変形例を示す図である。 第1実施形態の変形例を示す図である。 第1実施形態の変形例を示す図である。 本発明の第2実施形態であるパウチ容器の正面図である。 図13のDD線断面図である。 本発明の第2実施形態であるパウチ容器の把持形態を示す図である。 第2実施形態の変形例を示す図である。
図面を参照しながら、本発明の実施形態の一例について、以下詳細に説明する。実施形態において参照する図面は、模式的に記載されたものであり、図面に描画された構成要素の寸法比率などは、現物と異なる場合がある。具体的な寸法比率等は、以下の説明を参酌して判断されるべきである。
実施形態では、注出口部が設けられる部分を容器の「上部」とする。また、各シートが積層される方向を容器の「表裏方向」とし、上下方向及び表裏方向に直交する方向を容器の「横方向」とする。以下では、単に、上下方向、表裏方向、横方向という場合がある。
実施形態では、パウチ容器に充填される内容物を、シャンプーや液体洗剤などを意図する液状物100として説明する。但し、内容物は、これに限定されず、例えば粉粒体等の固形物やゼリー状、ゲル状の半固形物であってもよい。また、実施形態では、内容物の注出口部として口栓20を例示する。但し、注出口部は、これに限定されず、例えば口栓20以外の部材を用いて構成されてもよいし、ヒートシール部により形成した流路であってもよい。

実施形態では、表面シート11、裏面シート12、及び底ガゼットシート13を備えたスタンディングパウチを例示するが、表面部及び裏面部のみを備えた平パウチや、サイドガゼットシートを備えたサイドガゼットパウチ、1枚のシートで各壁面部が形成された所謂ワンシームパウチ、底ガゼットシート及びサイドガゼットシートの両方を備えたパウチなど、他のパウチ形態に本発明の構成を適用してもよい。
<第1実施形態>
図1〜図9を参照しながら、第1実施形態であるパウチ容器10について詳説する。
図1は、パウチ容器10を示す正面図である。図2Aは、図1のAA線断面図、図2Bは、図1のBB線断面図である。図3は、液状物100を充填した状態におけるパウチ容器10の上下方向に切断した断面図である。パウチ容器10は、表面シート11と、裏面シート12と、底ガゼットシート13とを備えるスタンディングパウチである。表面シート11及び裏面シート12(以下、これらを総称して「表裏面シート」という場合がある)は、容器の壁面部のうち、表面部及び裏面部をそれぞれ構成する壁面シートである。底ガゼットシート13は、表面部と裏面部との間に折り込まれて挿入されて、底ガゼット部を構成する壁面シートである。底ガゼットシート13は、上方に向かって山折りされており、液状物100の充填により展開する。各壁面シートに囲まれた容器内部空間が、液状物100が充填される充填部14である。
パウチ容器10では、表裏面シートの間に底ガゼットシート13が挿入され、この状態で各シートの端縁同士を接合するシール部が形成されている。本実施形態では、当該シール部として、上縁シール部15、下縁シール部16、及びサイドシール部17が形成される。表裏面シートは、カット部21を有し、横方向よりも上下方向に長い。カット部21は、容器上部の角を上下方向及び横方向に対して斜めにカットして形成された部分であって、例えば表裏面シートの横方向一端部から該シートの横方向長さの1/3〜1/2程度の範囲に形成される。底ガゼットシート13は、例えば表裏面シートの下端部から該シートの上下方向長さの1/6〜1/4程度の範囲に設けられる。
パウチ容器10は、カット部21に取り付けられたスパウト18と、スパウト18に装着されたキャップ19とで構成される口栓20を備える。スパウト18は、表裏面シートの間に挿入され、上縁シール部15により表裏面シートに接合されている。以下では、口栓20に近い容器の横方向一端部を「第1端部」とし、第1端部と反対側の横方向他端部を「第2端部」とする。
上縁シール部15は、表裏面シートの上縁同士を接合して形成される。カット部21に形成される上縁シール部15は、上記のように、表裏面シートの間にスパウト18を挟んだ状態で形成される。上縁シール部15の他の部分は、例えば液状物100を充填した後に、横方向に沿って形成される(図1に示すパウチ10では、液状物100は充填されていないが、上縁シール部15の全体を形成している(以下、各平面図において同様)。
下縁シール部16は、底ガゼットシート13の端縁に形成されるシール部であって、底ガゼットシート13と表裏面シートとを接合する。下縁シール部16は、液状物100を充填したときに表裏面シートが互いに離間して底ガゼットシート13が展開するように形成される。また、底ガゼットシート13には、横方向両端部に切り欠き22が形成されることが好適である。これにより、表面シート11と裏面シート12とが直接接合され、安定した自立性が得られる。
サイドシール部17は、容器横方向両端縁において、表面シート11と裏面シート12とを接合して形成される。サイドシール部17の一部は、後述の内装シート31A,31Bの長手方向両端部を表裏面シートの間に挟んだ状態で形成される。
パウチ容器10は、把持部30A,30Bを備える。把持部は1つであってもよいが、本実施形態では2つ設けられている。表面シート11及び裏面シート12の内面には、内装シート31A,31Bがそれぞれ接合されている。そして、把持部30A,30Bは、内装シート31A,31Bと重なる位置において、該内装シートが接合された表面シート11及び裏面シート12に開口を設けて構成される。把持部30A,30Bは、口栓20よりも容器下部側に設けられることが好適である。
把持部30A,30Bの開口は、指を挿入可能な開口であることが好ましく、以下では、指の挿入口34A,34Bと称して説明する。なお、挿入口34A,34Bは、フック等に容器を引っ掛ける場合などに使用されてもよい。
パウチ容器10を構成する各シートは、通常、樹脂フィルムから構成される。シートを構成する樹脂フィルムには、耐衝撃性、耐磨耗性、及び耐熱性など、包装体としての基本的な性能を備えることが要求される。また、上記各シール部は、通常、ヒートシールにより形成されるので、シートには、ヒートシール性も要求される。シートとしては、ベースフィルム層と、ヒートシール性を付与するシーラント層とを有する複層シートが好適であり、高いガスバリア性が要求される場合には、ベースフィルム層とシーラント層との間にガスバリア層を設けることが好適である。
なお、ベースフィルム層そのものにバリア性を付与してもよい。この場合は、バリア層をベースフィルム層として用い、バリア層とシーラント層とを有する複層シートとなる。また、シートの両面にヒートシール性を付与する場合は、後述のシーラント層を形成する単層フィルムを用いてもよいし、複層シートの場合は、同種又は異種のシーラント層を二層有するか(このとき、シーラント層の一層を形式的にベースフィルム層として用いることになる)、或いはベースフィルム層の両面にシーラント層を有するシートを用いてもよい。
ここで、ベースフィルム層、シーラント層、及びガスバリア層の構成材料を例示する。なお、これら各層の積層は、慣用のラミネート法、例えば、接着剤によるドライラミネーション、熱接着性層を挟んで熱により接着させる熱ラミネーションなどにより行うことができる。
ベースフィルム層を構成するフィルムとしては、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレ−ト(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリカーボネート(PC)など)、ポリオレフィン(ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)など)、ポリアミド(ナイロン−6、ナイロン−66など)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリイミド(PI)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、及びポリエーテルスルフォン(PES)等から構成される一層又は二層以上の延伸又未延伸フィルムが例示できる。
シーラント層を構成するフィルムとしては、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン−プロピレン共重合体(EP)、未延伸ポリプロピレン(CPP)、二軸延伸ナイロン(ON)、エチレン−オレフィン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)及びエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等から構成される一層又は二層以上の延伸又未延伸フィルムが例示できる。
ガスバリア層としては、アルミニウム等の金属薄膜、又は塩化ビニリデン(PVDC)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)などの樹脂フィルム、或いは任意の合成樹脂フィルム(例えば、ベースフィルム層であってもよい)に、アルミニウム、酸化アルミニウムやシリカ等の無機酸化物などを蒸着(又はスパッタリング)したフィルムが例示できる。
シートには、内容物の商品名や原材料・使用上の注意事項等の商品説明、その他各種デザインなどを表示するための印刷層(図示せず)を設けることができる。例えば、印刷層は、グラビア印刷等の公知の方法により、ベースフィルム層の内側の面に形成できる。
以下、把持部30A,30Bの構成について、さらに詳説する。
把持部30A,30Bは、互いに対向する位置に設けられ、表裏方向に重なることが好適である。即ち、内装シート31A,31Bは、表裏面シートの各内面において互いに対向する位置にそれぞれ接合されていることが好適である。これにより、把持性が良好になると共に生産性も向上する。把持部30A,30Bは、上下方向よりも横方向に長く延びた正面視略矩形形状を呈し、互いに同じ形状、同じ寸法を有している。以下、把持部30A,30Bで共通する内容は、把持部30Aを例に挙げて説明する。
把持部30Aは、生産性等の観点から、表裏面シートの横方向の全長に亘って設けられることが好適である。即ち、表裏面シートの横方向長さと、内装シート31Aの横方向長さとが同じである。各シートの横方向長さを同じとすることより、長尺状シートを用いた既存の製袋プロセスによって簡便且つ安価にパウチ容器10を製造することができる。また、表裏面シートの間に内装シート31A,31Bを挿入して把持部30A,30Bを設けることにより、シーラント層を片面に有する一般的な表裏面シートを用いてパウチ容器10を製造することができる。
把持部30Aは、充填部14と連通しない独立の空間である内部空間32Aを有することが好適である。内部空間32Aは、正面視状態における周縁が端縁シール部33Aにより塞がれている。即ち、把持部30Aは、挿入口34A以外の部分が閉じられた袋状に形成されている。これにより、把持部30Aから指が抜け難くなり、優れた把持性が得られる。内部空間32Aは、好ましくは複数の指、例えば右手の人差し指、中指、薬指、小指を収容可能な寸法を有する。パウチ容器10の安定した保持を可能とするため、内部空間32Aの寸法は、指の先から付け根まですっぽりと収容できる程度に設定することが好ましい。
把持部30Aは、上記のように、挿入口34Aを有する。挿入口34Aは、横方向から内部空間32Aへの指の挿入を可能とする開口部であって、把持部30Aの横方向中央よりも第2端部側に設けられている。挿入口34Bは、挿入口34Aのちょうど裏側に設けられることが好適である。挿入口34Aは、第2端部側から指が挿入される設計であって、挿入口34Aから挿入された指は内部空間32Aにおいて指先が第1端部側を向いた状態で収容される。内部空間32Aは、指の収容を容易にするため、横方向に長く延びた空間となっている。
挿入口34Aは、把持部30Aを構成する表面シート11に切り込み線35Aを形成して設けられることが好適である。切り込み線35Aは、表面シート11Aの内装シート31Aと重なる位置に形成される。切り込み線35Bは、裏面シート12Bの内装シート31Bと重なる位置に形成され、切り込み線35Aと表裏方向に重なることが好適である。
把持部30Aは、挿入口34Aの縁部に形成された舌片36A,37Aを有することが好適である。図1に例示する切り込み線35Aは、上下方向に沿って直線状に形成された直線部Lと、直線部Lの上端部及び下端部にそれぞれ繋がる略楕円状に形成された曲線部Rとを有する。当該切り込み線35Aにより設けられる挿入口34Aは、上端部及び下端部が略楕円状に開口して内装シート31Aが露出し、中間部が舌片36A,37Aにより閉じられている。即ち、挿入口34A,34Bの大部分が舌片により閉じられているため、表裏面シートに遮光性シートを用いた場合には内装シート31A,31Bが透明であっても、液状物100が視認され難くなり、例えば容器の見栄えが良好になる。また、液状物100を遮光することが望ましい場合には、充填部14に光が当たり難くなるため好適である。
液状物100をさらに遮光したい場合は、内装シート31A,31Bに遮光性シートを用いてもよく、或いは直線部Lのみで挿入口34を形成してもよい。但し、挿入口34Aを確認し易くするため、また指の挿入を容易にするため、挿入口34Aの一部は開口していることが好ましい。なお、切り込み線35Aの代わりに、ミシン目線(切断部と非切断部を含む線)やハーフカット線を形成してもよい。この場合、使用時に表裏面シートをミシン目線等に沿って切断し、挿入口を形成することができる。
図4,5に示すように、舌片36A,37Aは、把持部30Aが使用されるときに、例えば内部空間32Aの中に折り込まれる。舌片36A,37Aを内部空間32Aの中に折り込むと、上下方向に長く延びた略矩形形状の挿入口34Aが開口する。特に、後述の図9に例示する把持形態においては、舌片37Aを内側に折り込むことで表面シート11の端部に指が触れなくなるため、大きな荷重が指に加わっても指が痛くならず、把持性が向上する。
次に、図6を参照しながら、パウチ容器10の製造方法の一例について説明する。
図6は、パウチ容器10の製造工程のうち、各シートの長尺体を積層し、各シール部を形成する工程を示す。本製造工程では、表面シート11、裏面シート12、底ガゼットシート13、及び内装シート31A,31Bの長尺体(以下、「長尺体11z,12z,13z,31Az,31Bz」とする)をそれぞれ準備して互いに積層する。長尺体31Az,31Bzには、両面ヒートシール性のシートを用いることが好適である。
各長尺体の積層工程では、互いに重ね合わされた長尺体11z,12zの間に長尺体13z,31Az,31Bzがそれぞれ挿入される。また、長尺体31Az,31Bzは、長尺体13zよりも上であって口栓20が取り付けられる部分よりも下に、互いに重ね合わされた状態で挿入される。これにより、互いに対向する位置、即ち表裏方向に重なる位置に把持部30A,30Bが設けられる。
各長尺体の積層工程では、長尺体11z,12zは各々のシーラント層同士が向かい合うように積層され、長尺体13zはシーラント層が長尺体11z,12zと向かい合うように上方に向かって山折りされている。なお、各シートを積層する前に、切り欠き22となる孔、切り込み線35A,35Bを形成しておくことが好適である。
積層工程を経た上記各長尺体には、ヒートシール工程で各シール部が形成される。ヒートシール工程では、例えば、上端縁を残して各長尺体の端縁をヒートシールすることにより各シール部を形成する。続いて、ダイカットロール等を用いて、例えば切断予定線23で上記長尺体をカットし、個々の容器サイズに分割すると共にカット部21を形成する。最後に、口栓20をカット部21に取り付けて、パウチ容器10が得られる。なお、上縁シール部15の一部は、液状物100を充填した後に形成されることが好適である。
上記製造例では、長尺体31Az,31Bzを用いた例を説明したが、これら長尺体31Az,31Bzの代わりに長尺状のガゼットシートを用いてもよい。この場合、長尺状のガゼットシートを製袋機に供給し、壁面シートにヒートシールする前又はヒートシールした後、折り目線に沿って当該ガゼットシートを切断し、把持部30A,30Bを分離してもよい。
次に、図7〜図9を参照しながら、パウチ容器10の作用効果について詳説する。
図7,8は、把持部30A,30Bを用いてパウチ容器10を把持する様子を示す。例えば、パウチ容器10から液状物100を取り出す際には、スパウト18からキャップ19を取り外し、片手(以下、右手とする)で容器を把持してスパウト18を鉛直下方に傾ける。このとき、例えば把持部30Aの内部空間32Aに第2端部側から人差し指、中指、薬指、小指の4本が挿入され、把持部30Bの内部空間32Bにも親指が挿入される。特に人差し指、中指、薬指、小指は、内部空間32Aに深く挿入することができる。例えば、指先を曲げることで可撓性のある内装シート31Aに指が引っ掛かり、しっかりとパウチ容器10を把持することが可能となる。このとき、舌片36A,36Bは、例えば内部空間32A,32Bの中に折り込まれる。
また、内部空間32A,32Bに挿入された指は、付け根まで表裏面シートに覆われているため、不意の動作で液状物100がこぼれたとしても、液状物100が指に触れることを防止できる。例えば、液状物100が化学薬品等の毒劇物など、肌に直接触れることが好ましくないものであっても、安全に注出作業を行うことができる。
図9は、把持部30Aの挿入口34Aの第2端部側の縁に指(人差し指、中指、薬指、小指)を引っ掛けてパウチ容器10を把持する様子を示す。図9に示す把持形態では、把持部30Aのみが使用されている。このとき、舌片37Aは内部空間32Aの中に折り込まれている。舌片37Aを残したことで、表面シート11の端部に指が触れることが防止され、大きな荷重が指に加わっても指が痛くならず、把持性が向上する。
以上のように、パウチ容器10は、把持部30A,30Bにより安定に把持される。このため、パウチ容器10を容器容量が大きな詰め替え用容器に適用した場合であっても、良好な詰め替え操作が可能である。
また、パウチ容器10の把持部30A,30Bは、容器容量に影響を与えない構成である。つまり、把持部30A,30Bを設けたことによって容器容量が小さくならず、容器容量を確保するために容器の外形を大きくする必要もない。
図10〜図12にパウチ容器10の変形例を示す。ここでは、表面部側の構成のみを示すが、裏面部側についても表面部側と同じ構成とすることが好適である。
図10に例示するパウチ容器10xには、把持部30Axを構成する表面シート11xに複数の挿入口40Aが設けられている。各挿入口40Aは、互いに間隔をあけて、上下方向に並んで設けられている。図10に示す例では、円形状の切り込み線41Aにより、舌片を有さない円形状に開口した4つの挿入口40Aが設けられているが、挿入口の形状や個数は適宜変更可能である。4つの挿入口40Aには、例えば人差し指、中指、薬指、小指がそれぞれ挿入される。
図11に例示するパウチ容器10yには、把持部30Ayを構成する表面シート11yに上下方向に沿って長く延びた略矩形形状の挿入口42Aが設けられている。挿入口42Aは、舌片36A,37Aを内部空間32Aの中に折り込んで開口したときの挿入口34Aと同様の形状を有する。挿入口42Aは、略矩形形状の切り込み線43Aにより設けられる。図11に示す例では、内装シート31Ayに透明なシートが用いられ、挿入口42Aにより露出した内装シート31Ayを通して液状物100の量を確認することができる。内装シート31Ayの露出する部分には、例えば目盛44Aを形成することができる。これにより、液状物100の正確な量を測ることができる。
図12に例示するパウチ容器10zでは、表面シート11の横方向長さよりも内装シート45Aの横方向長さが短くなっている。即ち、内装シート45Aは、挿入口34Aの近傍に限定して設けられている。これにより、把持部30Azの内部空間は、パウチ容器10の場合と比べて小さくなっている。
<第2実施形態>
図13〜図15を参照しながら、第2実施形態であるパウチ容器50について説明する。以下では、第1実施形態との相違点を主に説明し、第1実施形態と同様の構成には同じ符号を付して重複する説明を省略する。
図13は、パウチ容器50を示す正面図である。図14は、図13のDD線断面図である。パウチ容器50は、表面シート51、裏面シート52、及び底ガゼットシート13を備えたスタンディングパウチであって、把持部を備えている点でパウチ容器10と共通している。しかし、把持部60は、表面シート51側のみに設けられている点でパウチ容器10と異なる。また、表裏面シートは、カット部21を有さず正面視略矩形形状を呈する。また、スパウト18は、容器上端部の横方向中央部に取り付けられている。なお、上縁シール部53は、表裏面シートの間にスパウト18を挟んだ状態で形成される。
把持部60は、表面シート51の内面に接合された内装シート61と重なる位置に挿入口64を有する。内装シート61は、表裏面シートの横方向の全長に亘って設けられ、その周縁には表面シート51との接合部である端縁シール部63が形成されている。挿入口64は、略矩形形状乃至略楕円形状の切り込み線65によって、把持部60の横方向中央部を挟んで第1端部及び第2端部側にそれぞれ設けられている。各挿入口64は、上下方向に延びた長孔であり、それらの間には上下方向に延びた帯部66が形成されている。
図15は、把持部60を用いてパウチ容器50を把持する様子を示す。例えば、パウチ容器50から液状物100を取り出す際には、スパウト18からキャップ19を取り外し、片手で容器を把持してスパウト18を鉛直下方に傾ける。このとき、2つの挿入口64から内部空間62に指を挿入して帯部66を握ることで、しっかりとパウチ容器50を把持することができる。例えば、一方の挿入口64から人差し指、中指、薬指、小指の4本を挿入し、他方の挿入口64から親指を挿入することで、帯部66を横方向両側から握ることができる。このように、パウチ容器50は、把持部60により安定に把持される。
図16にパウチ容器50の変形例を示す。
図16に例示するパウチ容器50xでは、表面シート51の横方向長さよりも内装シート71の横方向長さが短くなっている。内装シート71は、表面シート51の挿入口64及び帯部66が設けられた部分の近傍に限定して設けられており、把持部60xの内部空間は、パウチ容器50の場合と比べて小さくなっている。なお、2つの挿入口64の周縁に、互いに分離した2つの内装シートを接合してもよい。
<第1実施形態>
10 パウチ容器、11 表面シート、12 裏面シート、13 底ガゼットシート、14 充填部、15 上縁シール部、16 下縁シール部、17 サイドシール部、18 スパウト、19 キャップ、20 口栓、21 カット部、22 切り欠き、23 切断予定線、30A,30B 把持部、31A,31B 内装シート、32A,32B 内部空間、33A,33B 端縁シール部、34A,34B 挿入口、35A,35B 切り込み線、36A,36B,37A,37B 舌片、100 液状物
<第2実施形態>
50 パウチ容器、51 表面シート、52 裏面シート、53 上縁シール部、60 把持部、61 内装シート、62 内部空間、63 端縁シール部、64 挿入口、65 切り込み線、66 帯部

Claims (5)

  1. 少なくとも表面部、裏面部、及び把持部を備えるパウチ容器において、
    前記表面部及び裏面部は、壁面シートから構成され、
    前記表裏面部を構成する前記各壁面シートの少なくとも一方の内面には、内装シートが接合され、
    前記把持部は、前記内装シートと重なる位置において、前記内装シートが接合された前記壁面シートに開口を設けて構成されることを特徴とするパウチ容器。
  2. 前記内装シートは、容器横方向の全長に亘って設けられる、請求項1に記載のパウチ容器。
  3. 前記内装シートは、前記表面部及び前記裏面部の各内面において、互いに対向する位置にそれぞれ接合されている、請求項1又は2に記載のパウチ容器。
  4. 容器上部に注出口部を備え、
    前記把持部は、前記注出口部よりも容器下部側に設けられる、請求項1〜3のいずれか1項に記載のパウチ容器。
  5. 前記把持部は、舌片を備える、請求項1〜4のいずれか1項に記載のパウチ容器。
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