JP2015110687A - キサントゲン変性クロロプレンゴム及びその製造方法 - Google Patents

キサントゲン変性クロロプレンゴム及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 クロロプレンゴムの持つ従来の基本特性を維持したままに、良好な動特性を有するキサントゲン変性クロロプレンゴム、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 クロロプレンゴムの分子末端に、下記一般式(1)で表される構造を有することを特徴とするキサントゲン変性クロロプレンゴム、及びその製造方法。
【化1】
Figure 2015110687

(式中、Rはアルキル基を表し、xは1以上の整数である。)
【選択図】 なし

Description

本発明はキサントゲン変性クロロプレンゴム及びその製造方法に関するものであり、さらに詳しくは動特性に優れるキサントゲン変性クロロプレンゴム及びその製造方法に関するものである。
クロロプレンゴムは、加工性、機械的強度、耐候性、耐油性、難燃性、接着性などにおいてバランスがとれているため、自動車部品をはじめとするその他工業部品の素材として幅広く用いられている。その中でも、特に伝動ベルトなどの分野では、振動によるゴムの発熱を抑制し効率的に装置の動きを伝えるため、動特性(低発熱性)を向上させることが命題となっている。
クロロプレンゴムにおいて各物性を維持したままにこの課題を解決する手段として、これまでにキサントゲンジスルフィド類を連鎖移動剤として用いる方法(特許文献1〜3)や、硫黄をポリマー中に共重合させる方法(特許文献4)などが提案されてきた。
しかしながら、既知のキサントゲンジスルフィド類を連鎖移動剤として使用する方法では動特性を十分に満足しておらず、また硫黄を共重合させる方法では動特性は十分に向上するものの、重合後に粘度を調節するための解膠工程を設けねばならず、生産性に難があった。
特開2006−307156号公報 特開平7−286071号公報 特開平10−60049号公報 特開平7−62029号公報
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的はクロロプレンゴムの持つ従来の基本特性を維持したままに、動特性が大きく改良されたクロロプレンゴム、及びその製造方法を提供するものである。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明を完成するに至ったものである。すなわち、本発明は、クロロプレンゴムの分子末端に、所定の一般式で表される構造を有することを特徴とするキサントゲン変性クロロプレンゴム、及びその製造方法である。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明のキサントゲン変性クロロプレンゴムは、クロロプレンゴムの分子末端に、下記一般式(1)で表される構造を有するものである。
Figure 2015110687
(式中、Rはアルキル基を表し、xは1以上の整数である。)
Rで表されるアルキル基は、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、ブチル基等が挙げられ、これらを単独または2種以上有していてもよい。
クロロプレンゴムの分子末端に、一般式(1)で表される構造を有することにより、本発明のキサントゲン変性クロロプレンゴムは、動特性が大きく改良されたクロロプレンゴムとなるものである。
本発明のキサントゲン変性クロロプレンゴムは、下記一般式(2)で表されるジアルキルキサントゲンポリスルフィドを含有するものである。
Figure 2015110687
(式中、Rはアルキル基を表し、xは3以上の整数である。)
一般式(2)で表されるジアルキルキサントゲンポリスルフィドは、例えば、ジメチルキサントゲンポリスルフィド、ジエチルキサントゲンポリスルフィド、ジイソプロピルキサントゲンポリスルフィド、ジブチルキサントゲンポリスルフィド等が挙げられ、これらを単独または2種以上含有していてもよい。
本発明のキサントゲン変性クロロプレンゴム中のジアルキルキサントゲンポリスルフィドの含有量は特に限定するものではないが、加工性をより良好にし、加硫挙動への影響をより小さくするため、クロロプレンゴム100重量部に対して、0.01〜0.50重量部が好ましく、0.05〜0.30重量部がさらに好ましい。
本発明のキサントゲン変性クロロプレンゴムの製造方法について以下に説明する。
原料としては、クロロプレン単独、又はクロロプレン及びこれと共重合可能な単量体との混合物が用いられる。
共重合可能な単量体としては、例えば、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン、2−シアノ−1,3−ブタジエン、1−クロロ−1,3−ブタジエン、1,3−ブタジエン、スチレン、アクリロニトリル、メチルメタクリレート、メタクリル酸、アクリル酸等が挙げられ、このうち単独でまたは2種類以上を併用することができる。これら単量体を含む量は特に限定するものではないが、クロロプレンゴムの性質を損なわない程度で、0〜30重量%が好ましい。
本発明のキサントゲン変性クロロプレンゴムの製造方法では、クロロプレン(又はクロロプレン及びこれと共重合可能な単量体との混合物)に特定の連鎖移動剤を加え、乳化剤を含有する水性乳化液を混合、懸濁させて重合反応を行う。
特定の連鎖移動剤としては、下記一般式(2)で表されるジアルキルキサントゲンポリスルフィドを用いる。このジアルキルキサントゲンポリスルフィドは単独または2種以上併用してもよい。このジアルキルキサントゲンポリスルフィドを使用して変性するので、本発明のクロロプレンゴムはキサントゲン変性クロロプレンゴムと呼称する。
Figure 2015110687
(式中、Rはアルキル基を表し、xは3以上の整数である。)
連鎖移動剤である一般式(2)で表されるジアルキルキサントゲンポリスルフィドの量としては、分子量調整のため一般のラジカル重合で使用される量であれば特に限定するものではないが、得られるクロロプレンゴムの分子量を目的通りにし、さらに、得られるクロロプレンゴムが架橋したポリマー構造となるのを防止し、クロロプレンゴムとしての加工成型を可能とするために、連鎖移動剤以外の単量体混合物100重量部に対して、0.1〜1重量部であることが好ましい。
また、特定の連鎖移動剤として、一般式(2)で表されるジアルキルキサントゲンポリスルフィドと下記一般式(3)で表されるジアルキルキサントゲンジスルフィドを併用してもよい。使用量としては、ジアルキルキサントゲンポリスルフィドとジアルキルキサントゲンジスルフィドの合計で、連鎖移動剤以外の単量体混合物100重量部に対して、0.1〜1重量部であることが好ましい。さらに、ジアルキルキサントゲンポリスルフィドとジアルキルキサントゲンジスルフィドの合計を100重量部としたとき、ジアルキルキサントゲンポリスルフィドの量は50重量部以上が好ましい。
Figure 2015110687
(式中、Rはアルキル基を表す。)
乳化剤としては、例えば、アニオン性乳化剤、ノニオン性乳化剤、カチオン性乳化剤、両性乳化剤等があげられる。アニオン性乳化剤としては、例えば、高級脂肪酸塩、アルケニルコハク酸塩、ロジン酸塩、アルキル硫酸ナトリウム、高級アルコール硫酸エステルナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、高級脂肪酸アミドのスルホン酸塩、高級脂肪酸アルキロールアミドの硫酸エステル塩、アルキルスルホベタイン等があげられ、ノニオン性乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、高級脂肪酸アルカノールアミド、ポリビニルアルコール等があげられ、カチオン性乳化剤としては、例えば、アルキルアミン塩、四級アンモニウム塩、アルキルエーテル型四級アンモニウム塩等があげられ、両性乳化剤としては、例えば、アルキルベタイン、アルキルスルホベタイン、アルキルアミンオキサイド等があげられる。以上に挙げた乳化剤の内、いずれか1種以上を単独ないし併用して用いる。
重合は、混合攪拌しながら10〜60℃の温度で、重合系のpH7〜13において触媒液を添加して行われることが望ましい。pH調節剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、燐酸ナトリウム、燐酸カリウム、トリエチルアミン、ジエチルアミン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、エタノールアミン、アンモニア等の塩基性化合物のうち、いずれか1種類以上を単独または併用して用いる。
重合を開始させるための触媒(重合開始剤)としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、t−ブチルハイドロパーオキサイド等が用いられる。
重合は、重合転化率40〜95%程度まで行なわれ、次いで重合禁止剤を少量添加して停止させる。
重合禁止剤としては、例えば、チオジフェニルアミン、4−t−ブチルカテコール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、ハイドロキノン、N,N−ジエチルヒドロキシルアミンなどが挙げられ、このうち1種類以上を単独又は併用して用いる。
次いで得られたクロロプレンゴムラテックスは、未反応単量体を減圧スチームストリッピング法により除去、回収した後、常法に従って凍結、凝固しゴム分の分離、乾燥を行ない、目的とするキサントゲン変性クロロプレンゴムを得る。
得られたキサントゲン変性クロロプレンゴムは、各種配合剤と混練してキサントゲン変性クロロプレンゴム組成物とした上で、常法により加硫することでクロロプレンゴム組成物の加硫物をも与える。
クロロプレンゴム組成物中の配合剤としては、通常クロロプレンゴム組成物に添加する充填剤、可塑剤、ゴム軟化剤等より選ばれる少なくとも一種が挙げられる。充填剤としては、例えば、カーボンブラック、クレー、タルク、珪藻土、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、珪酸、珪酸化合物、ホワイトカーボン等が挙げられ、このうち、カーボンブラックが好ましい。カーボンブラックの種類としては特に限定するものではなく、例えば、SRF、FEF、MAF、HAF、FT、MT等が使用可能である。その添加量としては、破断伸びあるいは引張応力等の力学物性を維持するために、15〜80重量部が好ましく、特に好ましくは、カーボンブラックが30〜70重量部である。可塑剤、ゴム軟化剤は、その種類としては特に限定するものではなく、例えば、植物油としての菜種油、アマニ油、大豆油、エステル系可塑剤としてのジ−(2−エチルヘキシル)アジペート、ジ−(2−エチルヘキシル)セバケート、ジ−(2−エチルヘキシル)フタレート、ジ−(2−エチルヘキシル)アゼレート、鉱物油系軟化剤としてのプロセス油等が使用可能である。その添加量としては、引張応力や破断伸びを維持するために、5〜40重量部が好ましく、特に好ましくは、可塑剤及びゴム軟化剤が10〜30重量部である。また、その他の添加剤、例えば、老化防止剤、加工助剤、滑剤、難燃剤、加硫剤、加硫促進剤、加硫遅延剤等は、必要に応じて用いることができる。
本発明のキサントゲン変性クロロプレンゴムの動特性は、キサントゲン変性クロロプレンゴムに各種配合剤を配合して得られるキサントゲン変性クロロプレンゴム組成物を加硫した後に、通常の動的粘弾性試験機を用いて測定する損失係数(tanδ)で測定される。
この損失係数(tanδ)とは、ゴムの貯蔵弾性率(E’)と損失弾性率(E”)の比(E”/E’)であり、tanδが低いほど発熱性が低く、動的特性が優れる。
本発明のキサントゲン変性クロロプレンゴムは、クロロプレンゴムの持つ従来の基本特性を維持したままに、動特性が大きく改良されているものである。
本発明を以下の実施例により具体的に説明する。但し、本発明はこれらに限定されるものではない。
<動特性の評価>
キサントゲン変性クロロプレンゴム100gに対し、カーボンブラック30g、酸化マグネシウム4g、酸化亜鉛5g、エチレンチオウレア0.35gをロール上で配合、混練し、キサントゲン変性クロロプレンゴム組成物を作製した。この組成物について、常法のプレス加硫にて160℃25分で加硫を行なった。得られたキサントゲン変性クロロプレンゴム加硫物に対して、動的粘弾性試験機VR−7120(上島製作所製)を用い、初期歪5%、動的歪1%、周波数1Hzの条件にて、100℃における損失係数(tanδ)を測定した。
実施例1
単量体混合物としてクロロプレン1000gに対して下記一般式(4)で表されるジイソプロピルキサントゲンポリスルフィド8g(単量体混合物100重量部に対して、ジイソプロピルキサントゲンポリスルフィド0.8重量部)を加え、ロジン酸のカリウム塩50g、ナフタレンスルホン酸とホルムアルデヒドとの縮合物のナトリウム塩10g、水酸化ナトリウム3g、水1000gの乳化水溶液と混合攪拌し、乳化させた。
Figure 2015110687
(式中、xは3〜5の整数である。)
これに過硫酸カリウム1g、アントラキノン−β−スルホン酸ナトリウム0.1g、水300gの重合触媒をポンプにより一定速度で添加し、30℃で乳化重合を行なった。乳化重合は重合転化率70%になるまで重合触媒を添加して行ない、その後、4−t−ブチルカテコール0.2g、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ1g、クロロプレン10g、水10gを含む重合停止剤を添加して乳化重合を停止させた。乳化重合終了後のラテックスは減圧下スチームストリッピングにより未反応のクロロプレンを除去回収した後、酢酸を用いてpHを6.0に調製し、常法により凍結凝固し、次いで乾燥させ、キサントゲン変性クロロプレンゴムを得た(クロロプレンゴム100重量部に対して、ジイソプロピルキサントゲンポリスルフィド0.15重量部)。
得られたキサントゲン変性クロロプレンゴムの精製物(クロロプレンゴムをトルエンに溶解し、メタノールを加え析出させたもの、以下同じ)について、メチル化試薬を用いた熱分解GC/MSを行なった結果、硫黄連鎖の存在を示すジメチルトリスルフィドに相当するスペクトルと、キサントゲン骨格の存在を示すキサントゲン酸ジイソプロピルに相当するスペクトルが検出されたため、クロロプレンゴムの分子末端にジイソプロピルキサントゲンポリスルフィドに由来する、一般式(1)で表される構造が導入されたことを確認した。
得られたキサントゲン変性クロロプレンゴムについて、JIS K 6300−1(2001年版)に準じてムーニー粘度測定を行なった。
次に、キサントゲン変性クロロプレンゴムの動特性の評価を行なった。結果を表1に記す。損失係数(tanδ)が比較例に比べて低く、動特性に優れていた。
Figure 2015110687
実施例2
連鎖移動剤としてジイソプロピルキサントゲンポリスルフィドを5g(単量体混合物100重量部に対して、ジイソプロピルキサントゲンポリスルフィド0.5重量部)に変更した以外は実施例1と同様に行ない、キサントゲン変性クロロプレンゴムを得た(クロロプレンゴム100重量部に対して、ジイソプロピルキサントゲンポリスルフィド0.10重量部)。
得られたキサントゲン変性クロロプレンゴムの精製物についても実施例1と同様に熱分解GC/MSを行ない、同様の結果を得た。
得られたキサントゲン変性クロロプレンゴムについて、ムーニー粘度測定と動特性の評価を行なった。結果を表1に記す。損失係数(tanδ)が比較例に比べて低く、動特性に優れていた。
実施例3
連鎖移動剤としてジイソプロピルキサントゲンポリスルフィドを4g(単量体混合物100重量部に対して、ジイソプロピルキサントゲンポリスルフィド0.4重量部)、およびジエチルキサントゲンジスルフィド1g(単量体混合物100重量部に対して、ジイソプロピルキサントゲンポリスルフィド0.1重量部)に変更した以外は実施例1と同様に行ない、キサントゲン変性クロロプレンゴムを得た(クロロプレンゴム100重量部に対して、ジイソプロピルキサントゲンポリスルフィド0.08重量部)。
得られたキサントゲン変性クロロプレンゴムの精製物についても実施例1と同様に熱分解GC/MSを行ない、同様の結果を得た。
得られたキサントゲン変性クロロプレンゴムについて、ムーニー粘度測定と動特性の評価を行なった。結果を表1に記す。損失係数(tanδ)が比較例に比べて低く、動特性に優れていた。
実施例4
単量体化合物としてクロロプレン900g、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン100gを用いて25℃にて乳化重合を行なった以外は実施例1と同様に行ない、キサントゲン変性クロロプレンゴムを得た(クロロプレンゴム100重量部に対して、ジイソプロピルキサントゲンポリスルフィド0.15重量部)。
得られたキサントゲン変性クロロプレンゴムの精製物についても実施例1と同様に熱分解GC/MSを行ない、同様の結果を得た。
得られたキサントゲン変性クロロプレンゴムについて、ムーニー粘度測定と動特性の評価を行なった。結果を表1に記す。損失係数(tanδ)が比較例に比べて低く、動特性に優れていた。
実施例5
連鎖移動剤としてジエチルキサントゲンテトラスルフィド(一般式(2)中、R=エチル基、x=4)を5g(単量体混合物100重量部に対して、ジエチルキサントゲンテトラスルフィド0.5重量部)に変更した以外は実施例1と同様に行ない、キサントゲン変性クロロプレンゴムを得た(クロロプレンゴム100重量部に対して、ジエチルキサントゲンテトラスルフィド0.10重量部)。
得られたキサントゲン変性クロロプレンゴムの精製物についても実施例1と同様に熱分解GC/MSを行ない、同様の結果を得た。
得られたキサントゲン変性クロロプレンゴムについて、ムーニー粘度測定と動特性の評価を行なった。結果を表1に記す。損失係数(tanδ)が比較例に比べて低く、動特性に優れていた。
比較例1
連鎖移動剤としてジイソプロピルキサントゲンポリスルフィドを、ジエチルキサントゲンジスルフィド8gに変更した以外は実施例1と同様に行ない、キサントゲン変性クロロプレンゴムを得た。
得られたキサントゲン変性クロロプレンゴムの精製物についても実施例1と同様に熱分解GC/MSを行なったが、ジメチルトリスルフィドに相当するスペクトルが確認されず、キサントゲンポリスルフィドに由来する構造の導入は確認できなかった。
得られたキサントゲン変性クロロプレンゴムについて、ムーニー粘度測定と動特性の評価を行なった。結果を表1に記す。損失係数(tanδ)が実施例に比べて高く、動特性に劣っていた。
比較例2
連鎖移動剤としてジイソプロピルキサントゲンポリスルフィドを、ドデシルメルカプタン10gに変更した以外は実施例1と同様に行ない、メルカプタン変性クロロプレンゴムを得た。
得られたメルカプタン変性クロロプレンゴムについて、ムーニー粘度測定と動特性の評価を行なった。結果を表1に記す。損失係数(tanδ)が実施例に比べて高く、動特性に劣っていた。
比較例3
単量体混合物としてクロロプレン1000gに対して硫黄3gを加え、ロジン酸のカリウム塩4g、ナフタレンスルホン酸とホルムアルデヒドとの縮合物のナトリウム塩5g、水酸化ナトリウム0.5g及び正燐酸ナトリウム10g、水1000gからなる乳化水溶液と混合攪拌し、乳化させた。これに過硫酸カリウム10g、アントラキノン−β−スルホン酸ナトリウム0.1g、水300gからなる重合触媒をポンプにより一定速度で添加し重合を行なった。ここに4−t−ブチルカテコール0.2g、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ1g、クロロプレン10g、水10gからなる重合停止剤を添加して重合転化率約70%で重合を停止させた。次いで重合停止後のラテックスに対しテトラエチルチウラムジスルフィド20g、ジメチルジチオカルバミン酸ジメチルアンモニウムを2g添加し23℃で約15時間解膠した。解膠終了後のラテックスは減圧下スチームストリッピングにより未反応のクロロプレンを除去回収した後、酢酸を用いてpHを6.0に調製し、常法により凍結凝固し、次いで重合体を乾燥させ硫黄変性クロロプレンゴムを得た。
得られた硫黄変性クロロプレンゴムについて、実施例1と同様にムーニー粘度を測定した。
次に、この硫黄変性クロロプレンゴムの動特性を評価するため、クロロプレンゴム100gに対し、カーボンブラック30g、酸化マグネシウム4g、酸化亜鉛5g、ステアリン酸0.5gをロール上で配合、混練した。この組成物について、常法のプレス加硫にて160℃15分で加硫を行なった。得られた組成物は、実施例と同様に評価を行なった。結果を表1に記す。損失係数(tanδ)が実施例に比べて高く、動特性に劣っていた。
本発明のキサントゲン変性クロロプレンゴムと、各種配合剤とを混合して得られるキサントゲン変性クロロプレンゴム組成物は、高い動特性を要求される用途、例えば、自動車、工業用途の伝動ベルト用などとして使用することができる。

Claims (4)

  1. クロロプレンゴムの分子末端に、下記一般式(1)で表される構造を有することを特徴とするキサントゲン変性クロロプレンゴム。
    Figure 2015110687
    (式中、Rはアルキル基を表し、xは1以上の整数である。)
  2. 下記一般式(2)で表されるジアルキルキサントゲンポリスルフィドを含有することを特徴とするキサントゲン変性クロロプレンゴム。
    Figure 2015110687
    (式中、Rはアルキル基を表し、xは3以上の整数である。)
  3. クロロプレン、又はクロロプレン及びこれと共重合可能な単量体との混合物を、下記一般式(2)で表されるジアルキルキサントゲンポリスルフィドの存在下で乳化重合することを特徴とする請求項1又は請求項2記載のキサントゲン変性クロロプレンゴムの製造方法。
    Figure 2015110687
    (式中、Rはアルキル基を表し、xは3以上の整数である。)
  4. 請求項1又は請求項2記載のキサントゲン変性クロロプレンゴムに配合剤を混練してから加硫して得られることを特徴とするキサントゲン変性クロロプレンゴム組成物の加硫物。
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