JP2015105111A - 複合容器および複合容器の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 金型に、合成樹脂製容器の外周面に突出するリブを形成する溝部が設けられ、周辺に突出部と切欠き部が交互に形成された凹凸部を設けた外装シートが、該凹凸部の周縁を前記溝部と交差させるように金型の表面に配置されてインモールド成形する製造方法により、合成樹脂製容器の外周壁に形成されたリブが突出部の上面にせり出して突出部を挟着し、外装シートを添着固定していることを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
しかしながら、パウチ製容器は形状が定まらないため、詰め替え作業時に安定して内容液を注ぐことができず使い勝手が悪いという問題があった。消費者が持ちやすく、詰め替えやすい容器としては、固い口部を有し形状を保つことができるボトル型容器であることが好ましく、また、内容物を充填する上でも従来装置を使えるボトル容器が好ましいが、ボトル容器では一定の肉厚が必要で重量が重く高コストになるという問題があり、薄肉軽量でかつ形状を保つだけの強度を有するボトル容器が求められていた。
インモールドラベリング法は、工程を短縮する上で大きな効果を発揮するが、ラベルを接着、融着などにより合成樹脂製容器に貼り付けるため、使用後に廃棄する際に分離が困難で環境問題を発生させるという問題があった。
また、上記特許文献2記載のラベルを貼着した容器では、容器の製造条件により接着強度が変動するため接着強度の調整が難しく、接着性と剥離性を両立させることが困難であるという問題や、接着剤が容器側にも残ってしまうという問題があった。
さらに、これらの先行技術に共通して、合成樹脂製容器が薄肉の場合には、成形後の樹脂の経時収縮により、容器胴部のラベルの合わせ目付近に、ラベルが貼られた部分との収縮率の差から所謂「ヒケ」と称する変形が生じるという問題や、胴部や肩部の剛性が不足するために上部からの圧縮力に弱いという強度上の問題があった。
また、合成樹脂製容器は外周面に添着された外装シートで補強されるから、内容物充填工程、流通過程に耐えられるだけの強度を保持することができる。
さらに、薄肉軽量にすることができるから、合成樹脂の使用量を減らすことができ、環境負荷の低減が図れ、また、使用後には減容化ができ、ゴミの体積を減らすことができる。
コストの低減にも寄与することができる。
合成樹脂製容器Aは、内容液を注出する口部1と、口部1の下部から漸次拡径して筒状の胴部3の上端に連続する肩部2と、胴部3の下端から漸次縮径しながら底部5に連続する底周辺部4からなるボトル状容器である。
本実施例では、胴部3は円筒状に形成されているが、本発明はこれに限定されず各種形状の胴部とすることができる。
外装シートBは、合成樹脂製容器Aの肩部2,胴部3,底周辺部4に添着されている。
本実施例では、外装シートBの素材は紙からなっているが、合成樹脂製容器Aの外周に添わせることができる可撓性と合成樹脂製容器Aを補強できる適度な強度を有するものであれば、紙に限定されず適宜選択し得る。
展開された外装シートB(B1,B2)は全体として略長方形をなし、その周辺には山状の突出部8と谷状の切欠き部9が交互に形成された凹凸部7が形成されている。
表側シートB1と裏側シートB2のそれぞれの凹凸部7の形状は、上端部の上凹凸部7aと下端部の下凹凸部7cでは表側シートB1と裏側シートB2とで同じであるが、左右端部の左右凹凸部7bは、図2,3に示されるように、互いに突き合わされる突出部8bが切欠き部9bに所定の隙間をもって挿入可能なように軸方向位置をずらして配設されていることが望ましい。
なお、本実施例では、外装シートBは略長方形にものを使用しているが、必ずしも長方形に限らず、容器胴部の形状にあわせて適宜の形状とすることができる。
また、本実施例の外装シートBは接着性を必要としないが、合成樹脂製容器Aから容易に剥離することができる程度の接着性を付与してもよい。
さらに、本実施例では外装シートBには略長方形の4辺全ての周辺に凹凸部7を形成させたが、合成樹脂製容器に十分に添着される場合や、要求される圧縮強度等が十分満たされる場合には、全周辺ではなく一部の周辺に凹凸部7を形成してもよい。
たとえば、本実施例のように略長方形の外装シートBの場合は、対向する2辺に凹凸部7を形成するだけでも良い。
図5に示すように、金型Cの内表面に沿って外装シートB(B1,B2)が配設され、パリソンDが挿入された後、型締めして内部に圧空を吹き込みブロー成形を行うと、図中矢印のようにパリソンが膨張して外装シートBの内面と金型Cの内表面に沿った壁面を有する合成樹脂製容器Aが成形される。
溝部11は、上凹凸部7aに対応して設けられる肩溝部11a、左右凹凸部7bに対応する胴溝部11b、下凹凸部11cに対応する底溝部11cからなる。
肩溝部11aは、合成樹脂製容器Aの肩部2を形成する金型C表面に周方向に形成された溝で、同心円状に複数条形成されている。
底溝部11cも、合成樹脂製容器Aの底周辺部4を形成する金型C表面に周方向に形成された溝で、同心円状に複数条形成されている。
溝部11bは、本実施例ではパーティングライン12の両側に各1条が設けられ、表側シートB1と裏側シートB2の左右凹凸部7bの突出部8bは、それぞれの先端がパーティングライン12を越えて軸方向に重なり合うように配設されている。
また、胴溝部11bは、図3に示される変形実施例に対応するように、パーティングライン12を跨いで外装シートBの左右凹凸部7bに周方向から交差するように設けられてもよい。
同時に、切欠き部9に対応する金型Cの内表面には外装シートBが無いため、ブロー成形時の加圧により、パリソンが押し付けられ、溝部11にパリソンが侵入して合成樹脂製容器Aの外周面にリブ15が形成されるが、間隙13にも合成樹脂が侵入して、図6(c)、図7(c)に示されるように、該リブ15が突出部8の上面までせり出し、該リブ15の突出部8に接する端部に挟持部16が形成される。
また、図3に示される変形実施例のように、胴部軸方向に設けられた縦リブ15bのかわりに、左右突出部8bのそれぞれに交差するように周方向に設けられた横リブ17bを形成するように胴溝部11bが設定されてもよい。
本実施例における外装シートB1,B2の左右凹凸部7bの突出部8bの胴部軸方向の突き合わせた位置関係や、パーティングラインとの位置関係についても、本発明を限定するものではない。
このことは、インモールド成形時に、膨張するパリソンを紙などの接着性を有しない外装シートBに押し付けても添着固定しないということを示しており、本実施例との有意な差異が明らかとなった。
次に、本実施例の作用効果について説明する。
また、合成樹脂製容器Aの外周面に外装シートBを添着固定しているので、合成樹脂製容器Aの壁面は外装シートBにより補強されるため、流通過程で必要な強度を保持でき、また、より薄肉にすることができるため、合成樹脂の使用量を減らすことができ、環境負荷の低減を図ることができる。また廃棄時には小さく畳むことができるため、ゴミの体積を減らすことができる。
とくに本実施例では、外装シートBの上凹凸部7aと下凹凸部7cが、それぞれ肩リブ15aと底リブ15cの挟持部16によって固定されているので、複合容器に上部から圧縮力が働いても、圧縮力が挟持部16を介してそれぞれの突出部8a,8cを押さえつける力として働くので容器の圧縮強度を高め、外装シートBの補強効果が十分発揮される。
とくに、左右凹凸部7bの合わせ目がパーティングライン付近に配置されていても、突出部8bがパーティングライン上で重なるように添着されていれば、ヒケの発生を防止することができる。
さらに、左右凹凸部7bの突出部8bのそれぞれに交差するように周方向に設けられた横リブ17bでは、外装シートB1,B2の合わせ目付近の胴部3壁面自体を補強する効果があるので、ヒケの発生を防ぐ効果が大きい。
このように、本実施例の合成樹脂製容器Aは極めて薄肉であり、外装シートBも安価な紙を素材とするものであるから、詰め替え容器などの軽量かつ低コストが要請される容器であっても、ボトル型容器を採用することができる
なお、本実施例の複合容器の製造方法はブロー成形を採用しているが、本発明の複合容器の製造方法は、射出成形などの他のインモールド成形でもよく、ブロー成形に限定されるものではない。
B 外装シート
B1 表側シート
B2 裏側シート
C 金型
D パリソン
1 口部
2 肩部
3 胴部
4 底周辺部
5 底部
7 凹凸部
7a 上凹凸部
7b 左右凹凸部
7c 下凹凸部
8(8a,8b,8c) 突出部
9(9a,9b,9c) 切欠き部
11 溝部
11a 肩溝部
11b 胴溝部
11c 底溝部
12 パーティングライン
13 間隙
15 リブ
15a 肩リブ
15b 縦リブ
15c 底リブ
16 挟持部
17b 横リブ
Claims (10)
- 外装シートがインモールド成形時に合成樹脂製容器の外周に添着された複合容器であって、
外装シートは、周辺の少なくとも一部に突出部と切欠き部が交互に形成された凹凸部が設けられ、
合成樹脂製容器は、該凹凸部の周縁と交差するように外方に突出する少なくとも1つのリブが容器の外周壁に形成され、該リブが突出部の上面にせり出して突出部の下面の外周壁との間で突出部を挟着し、外装シートを添着固定していることを特徴とする複合容器。 - 合成樹脂製容器は、口部下部から拡径して筒状の胴部上端に連続する肩部と、胴部下端から縮径して底部に連続する底周辺部とを有し、外装シートの上端部または下端部の少なくともいずれか一方に形成された凹凸部が、それぞれ肩部または底周辺部の少なくともいずれか一方に添着されていることを特徴とする請求項1記載の複合容器。
- 外装シートの左右端部に形成された凹凸部が、それぞれ容器胴部に添着されていることを特徴とする請求項2記載の複合容器。
- 外装シートの左右端部に形成された凹凸部の周縁に交差するリブは、胴部の軸方向に形成された縦リブであることを特徴とする請求項3記載の複合容器。
- 外装シートの左右端部に形成された凹凸部の周縁に交差するリブは、胴部の周方向に形成された横リブであることを特徴とする請求項3記載の複合容器。
- 外装シートの左右端部に形成された凹凸部は、互いに突き合わされる一方の突出部が他方の切欠き部に挿入され、かつ、他方の突出部が一方の切欠き部に挿入されて、それぞれの左右端部の突出部が胴部の軸線方向で重なる位置に配列され添着されていることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の複合容器。
- 外装シートの左右端部のそれぞれの突出部は、金型の分割線に対応して形成されたパーティングライン上に重なるように配列され添着されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の複合容器。
- 外装シートは、紙を素材とするものであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の複合容器。
- 外装シートが合成樹脂製容器の外周面に添着された複合容器の製造方法において、
合成樹脂製容器を成形する金型には、合成樹脂製容器の外周面に突出する少なくとも1つのリブを形成する溝部が設けられ、
外装シートは、周辺の少なくとも一部に突出部と切欠き部が交互に形成された凹凸部の周縁が前記溝部と交差するように金型の表面に配置され、
次いで金型を締めてインモールド成形することを特徴とする複合容器の製造方法。 - インモールド成形はブロー成形であることを特徴とする請求項9記載の複合容器の製造方法。
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