JP2015101625A - ポリウレタン水分散体、及びそれから得られるフィルム成形体、手袋 - Google Patents

ポリウレタン水分散体、及びそれから得られるフィルム成形体、手袋 Download PDF

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【課題】塩凝固法によりフィルム成形体を製造するときの加工適性の点で実用性を有するとともに、得られたフィルム成形体が耐エタノール水性能の点で実用性を有するポリウレタン水分散体を提供する。【解決手段】ポリウレタン水分散体は、ポリイソシアネート(A)と、エチレンオキシドとテトラヒドロフランのランダム共重合体(B)と、数平均分子量が500〜5000であるポリオール(C)と、カルボキシル基を有するジオール化合物(E)とを少なくとも反応させて得られる。【選択図】なし

Description

この発明は、ポリウレタン水分散体、及びそれから得られるフィルム成形体、手袋に関するものである。
ポリウレタン水分散体は、例えば、塗料、接着剤、合成皮革、人工皮革、フィルム成形体等で用いられている。これらのうち、フィルム成形体としては、例えば、手袋、指サック、コンドーム等があり、これらは、通常、塩凝固法で製造される(特許文献1)。特許文献1では、膜厚の均一なフィルム成形体を得るため、特定の粘度特性を有するポリウレタン水分散体を用いている。しかし、フィルム成形体には、上記以外にも、例えば、エタノール水に繰り返しさらされた場合の耐久性や、フィルム成形体を長時間着用した際の耐蒸れ性等他の要求特性が必要とされる場合があるが、特許文献1には、フィルム膜厚の均一性以外はほとんど開示されていない。
特開2011−137052号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、塩凝固法によりフィルム成形体を製造するときの加工適性の点で実用性を有するとともに、得られたフィルム成形体が耐エタノール水性能の点で実用性を有するポリウレタン水分散体を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、種々のポリオールのうち、エチレンオキシドとテトラヒドロフランのランダム共重合体を原料とするポリウレタン水分散体が、塩凝固法によりフィルム成形体を製造するときの加工適性の点で実用性を有するとともに、得られたフィルム成形体が耐エタノール水性能の点で実用性を有することを見出し、本発明を完成した。
この発明の実施の形態によるポリウレタン水分散体、及びそれから得られるフィルム成形体、手袋は、以下のとおりである。
[1]ポリイソシアネート(A)と、エチレンオキシドとテトラヒドロフランのランダム共重合体(B)と、数平均分子量が500〜5000であるポリオール(C)と、カルボキシル基を有するジオール化合物(E)とを少なくとも反応させて得られるイソシアネート末端プレポリマーを中和し、得られた中和物を水中に分散させて得られ、フィルム層を形成するために用いられる、ポリウレタン水分散体。
[2]ポリイソシアネート(A)は、少なくとも脂環式ジイソシアネートまたは脂肪族ジイソシアネート(a2)を含む、前記[1]に記載のポリウレタン水分散体。
[3]ポリイソシアネート(A)は、ジフェニルメタンジイソシアネート(a1)と脂環式ジイソシアネートまたは脂肪族ジイソシアネート(a2)とからなる、前記[1]に記載のポリウレタン水分散体。
[4]脂環式ジイソシアネートまたは脂肪族ジイソシアネート(a2)は、イソホロンジイソシアネートよりも反応速度が速い脂環式ジイソシアネートまたは脂肪族ジイソシアネートからなる、前記[2]または前記[3]に記載のポリウレタン水分散体。
[5]ランダム共重合体(B)の数平均分子量が800〜4000であり、エチレンオキシド単位(EO)とテトラヒドロフラン単位(THF)のモル比がEO/THF=80/20〜10/90である、前記[1]〜前記[4]のいずれかに記載のポリウレタン水分散体。
[6]ポリウレタン水分散体中のポリウレタンに対して、EO含有量が1.0重量%以上である、前記[5]に記載のポリウレタン水分散体。
[7]EO含有量が1.0重量%以上11重量%以下である、前記[6]に記載のポリウレタン水分散体。
[8]前記[1]から前記[7]のいずれかに記載のポリウレタン水分散体を用いて得られる、フィルム成形体。
[9]前記[1]から前記[7]のいずれかに記載のポリウレタン水分散体と、前記ポリウレタン水分散体よりも低モジュラスなゴムラテックスまたは樹脂エマルジョンとの混合物を用いて得られる、フィルム成形体。
[10]前記[1]から前記[7]のいずれかに記載のポリウレタン水分散体と、ニトリルブタジエンゴムラテックスまたはアクリルエマルジョンとの混合物を用いて得られる、フィルム成形体。
[11]前記[8]から前記[10]のいずれかに記載のフィルム成形体を含む、手袋。
この発明の実施の形態によるポリウレタン水分散体によれば、塩凝固法によりフィルム成形体を製造するときの加工適性の点で実用性を有するとともに、得られたフィルム成形体が耐エタノール水性能の点で実用性を有するものとなる。更に、ポリウレタン水分散体中のポリウレタンに対するエチレンオキシド単位の含有量を調整することで、上記効果に加えて、得られたフィルム成形体が透湿性の点で実用性を有するものとなる。更に、少なくともイソホロンジイソシアネートよりも反応速度が速い脂環式ジイソシアネートまたは脂肪族ジイソシアネートを用いることにより、高濃度での塩凝固法(塩濃度:25%)で得られたフィルム成形体に横すじが形成されるのを防止できる。更に、ポリウレタン水分散体と、ニトリルブタジエンゴムラテックスまたはアクリルエマルジョンとを混合することにより、フィルム成形体および手袋において柔軟性を更に向上できる。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
[実施の形態1]
この発明の実施の形態1によるポリウレタン水分散体は、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)と脂環式ジイソシアネートまたは脂肪族ジイソシアネートとからなるポリイソシアネート(A)と、エチレンオキシドとテトラヒドロフランのランダム共重合体(B)と、数平均分子量が500〜5000であるポリオール(C)と、数平均分子量が400以下である多価アルコール系鎖延長剤(D)と、カルボキシル基を有するジオール化合物(E)と、及び必要に応じてその他の成分とを反応させて得られるイソシアネート基末端プレポリマーを中和し、得られた中和物を水中に乳化分散させた後、アミン系鎖延長剤(F)を用いて鎖延長反応させて得られる。
実施の形態1では、ポリイソシアネート(A)(以下、単に「成分(A)」と略記する場合がある)として、MDI(以下、「成分(a1)」と略記する場合がある)と脂環式ジイソシアネートまたは脂肪族ジイソシアネート(以下、「成分(a2)」と略記する場合がある)とを併用する点に特徴がある。成分(a1)だけを用いた場合は、ポリウレタン水分散体が製造できず、成分(a2)だけを用いた場合は、ポリウレタン水分散体から塩凝固法で製造されたフィルム成形体が耐エタノール水性能に劣るという問題点がある。成分(a1)と成分(a2)とを併用することで、塩凝固法によりフィルム成形体を製造するときの加工適性の点で実用性を有するとともに、得られたフィルム成形体が耐エタノール水性能の点で実用性を有するものとなる。
この発明の実施の形態1において「塩凝固法によりフィルム成形体を製造するときの加工適性」は、陶器板を10%硝酸カルシウム水溶液に浸漬し、引上げた後、加熱乾燥させ、次いで、この発明の実施の形態によるポリウレタン水分散体に浸漬し、引上げたときに該陶器板上に形成されたゲル皮膜を該陶器板から剥離し、次いで、剥離したゲル皮膜を指で引張ったときのゲル化強度により評価される。評価基準として、皮膜を形成し、皮膜に伸びがある場合は、実用性を有すると判断され、皮膜を形成し、皮膜にゴム弾性(伸縮性)がある場合は、実用性に優れると判断される。塩凝固法によりフィルム成形体を製造するときの加工適性は、塩凝固法によりフィルム成形体を製造する際に、偏肉や裂け目の発生を防止し、均一な膜厚の製品を得るための指標とされる。
この発明の実施の形態1において「フィルム成形体の耐エタノール水性能」は、塩凝固法により製造されたフィルム成形体(膜厚:約100μm)から、JIS3号ダンベルを用いて試験片を切り出し、エチルアルコール70%水(23℃±2℃)に30分間浸漬させた後に取り出した試験片の破断強度試験を行い、得られた破断強度により評価される。評価基準として、破断強度が4MPa以上、10MPa未満のときは、実用性を有すると判断され、破断強度が10MPa以上のときは、実用性に優れると判断される。フィルム成形体の耐エタノール水性能は、フィルム成形体の耐久性を判断するための指標とされる。
MDIとしては、例えば、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,2’−MDI)、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,4’−MDI)、及び4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4’−MDI)等が挙げられる。上記化合物は、1種を単独で用いることができ、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
脂環式ジイソシアネートまたは脂肪族ジイソシアネートとしては特に限定されず、例えば、脂環式ジイソシアネートとしては、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水素添加MDI)、1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水素添加TDI)、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート、2,5−又は2,6−ノルボルナンジイソシアネート等が、脂肪族ジイソシアネートとしては、1,5‐ジイソシアナトペンタン、1,6‐ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート3−メチル−1,5−ペンタンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等が挙げられる。上記化合物は、1種を単独で用いることができ、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
MDIと脂環式ジイソシアネートまたは脂肪族ジイソシアネートとの組合せとしては特に限定されず、塩凝固法によりフィルム成形体を製造するときの加工適性の点で実用性を有するとともに、得られたフィルム成形体が耐エタノール水性能の点で実用性を有するものであればよい。
実施の形態1において、成分(a1)と成分(a2)との含有比は、特に限定されないが、塩凝固法によりフィルム成形体を製造するときの加工適性の点で実用性を有するとともに、得られたフィルム成形体が耐エタノール水性能の点で実用性を有する点で、(a1)/(a2)=20/80〜80/20(モル比)の範囲とすることが好ましい。
実施の形態1によるポリウレタン水分散体には、塩凝固法によりフィルム成形体を製造するときの加工適性と、得られたフィルム成形体の耐エタノール水性能が、ともに実用性を有することを前提として、成分(A)として、上記成分(a1)と(a2)以外のポリイソシアネートとを必要に応じて併用することができる。併用し得るポリイソシアネートとしては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、キシレン−1,4−ジイソシアネート、キシレン−1,3−ジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、3−メチル−1,5−ペンタンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート等が挙げられる。また、これらのポリメリック体、活性水素基含有化合物と反応させて得られるウレタン化物、ウレア化物、アロファネート化物、ビウレット化物、カルボジイミド化物、ウレトンイミン化物、ウレトジオン化物、イソシアヌレート化物等も挙げられる。さらに、これら一連のイソシアネート基含有化合物の2種以上からなる混合物も挙げられる。
実施の形態1では、ポリオールとして、エチレンオキシドとテトラヒドロフランのランダム共重合体(B)(以下、「成分(B)」と略記する場合がある)と数平均分子量が500〜5000であるポリオール(C)(以下、「成分(C)」と略記する場合がある)とを併用する点に特徴がある。ポリオールとして、成分(B)と成分(C)を併用することで、塩凝固法によりフィルム成形体を製造するときの加工適性と、得られたフィルム成形体の耐エタノール水性能とが、ともに実用性を有するものとなる。
成分(B)は、ポリエーテルポリオールの一種であり、エチレンオキシド単位(EO)とテトラヒドロフラン単位(THF)のモル比(EO/THF)として、80/20〜10/90が好ましく、70/30〜20/80がより好ましい。成分(B)は、1種を単独で用いることができ、または2種以上を組み合わせて用いることができる。成分(B)の数平均分子量としては、800〜4000が好ましく、900〜3500がより好ましい。
成分(C)としては、数平均分子量が500〜5000であって、成分(B)と併用したときに上記効果が得られるものであれば、特に限定されず、例えば、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオール、成分(B)以外のポリエーテルポリオール等が挙げられ、これらは1種を単独で用いることができ、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、あるいはビスフェノールAのエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド付加物、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等から選ばれる1種または2種以上のポリオール類;と、ジエチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネート等から選ばれる1種または2種以上のカーボネート類;との脱アルコール反応、脱フェノール反応等で得られるものが挙げられる。上記ポリカーボネートポリオールは、1種を単独で用いることができ、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、コハク酸、マロン酸、アジピン酸、セバシン酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸等から選ばれる1種または2種以上の二塩基酸と、前述のポリカーボネートポリオールの合成に用いられる1種または2種以上のポリオール類との重縮合反応により得られるものが挙げられる。上記ポリエステルポリオールは、1種を単独で用いることができ、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、カテコール、ヒドロキノン、ビスフェノールA等の活性水素原子を少なくとも2個有する化合物の1種または2種以上を開始剤として、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシド、エピクロルヒドリン、シクロヘキシレン等のモノマーの1種または2種以上を付加重合させた反応物があげられ、モノマーの2種以上を付加重合させた反応物の場合は、ブロック付加、ランダム付加または両者の混合系でも良い。具体的には、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等を例示できる。上記ポリエーテルポリオールは、1種を単独で用いることができ、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
数平均分子量が400以下である多価アルコール系鎖延長剤(D)(以下、「成分(D)」と略記する場合がある)としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール等の直鎖脂肪族グリコール;ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2メチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール等の脂肪族分岐グリコール;1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水添加ビスフェノールA等の脂環族グリコール;グリセリン、トリメチロールプロパン、トリブチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の多官能グリコール;が挙げられる。成分(D)は、1種を単独で用いることができ、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
カルボキシル基を有するジオール化合物(E)(以下、「成分(E)」と略記する場合がある)としては、炭素数6〜24のジアルキロールアルカン酸が使用でき、例えば、2,2−ジメチロールプロピオン酸(DMPA)、2,2−ジメチロールブタン酸(DMBA)、2,2−ジメチロールヘプタン酸、2,2−ジメチロールオクタン酸等が挙げられる。これらの塩、例えばアミン類(トリエチルアミン、アルカノールアミン、モルホリン等)の塩及び/又はアルカリ金属塩(ナトリウム塩等)も使用できる。上記化合物は、1種を単独で用いることができ、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
アミン系鎖延長剤(F)(以下、「成分(F)」と略記する場合がある)としては、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4'−ジアミノジシクロヘキシルメタン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、イソホロンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ヒドラジン等が挙げられる。上記化合物は、1種を単独で用いることができ、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
その他の成分としては、ポリウレタン水分散体に所望される物性を高め、また、各種物性を付加する目的から、難燃剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、乳化剤、消泡剤、充填剤、内部離型剤、補強材、艶消し剤、導電性付与剤、帯電制御剤、帯電防止剤、抗菌剤、レベリング剤、滑剤、その他の加工助剤を配合することができる。
実施の形態1によるポリウレタン水分散体は、上記成分(A)〜(E)、及び必要によりその他の成分を反応させることにより、イソシアネート基末端プレポリマー(以下、「プレポリマー」と略記する場合がある。)を製造し、次いで該プレポリマーを中和し、得られた中和物を水中に分散させた後、アミン系鎖延長剤(F)を用いて鎖延長反応させて製造される。
プレポリマー製造時のイソシアネート基/水酸基の当量比(NCO基/OH基)は、特に限定されず、通常、1.05〜2であり、1.05〜1.5がより好ましい。
プレポリマー製造時の反応条件は、特に限定されないが、通常、30〜120℃、好ましくは40〜100℃、さらに好ましくは45〜90℃で、通常1〜10時間の条件で行われる。この際、必要に応じて、例えば、ジオクチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジラウレート、スタナスオクトエート、ジブチル錫−2−エチルへキソエート、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリンなどの反応触媒を添加することができる。これらの反応触媒は、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
また、反応段階において、あるいは、反応終了後に、イソシアネート基と反応しない有機溶剤を添加することができる。このような有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、トルエン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどを挙げることができる。この発明の実施の形態においては、イソシアネート基末端プレポリマーの製造方法は、特に限定されず、従来公知のワンショット法(1段式)、または多段式のイソシアネート重付加反応法が用いられる。
プレポリマーは、通常、0.1〜5%のイソシアネート値(樹脂固形分に対する残存イソシアネート基の重量含有量)を有する。
プレポリマーを中和するのに用いられる中和剤は、カルボキシル基を中和できるものであれば特に限定されず、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリブチルアミン、トリエタノールアミン等のアミン類や、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等が挙げられる。
プレポリマーの中和物を水中に乳化分散させる際には、転相乳化が効率よく進行するようにするため、プレポリマー中の樹脂固形分100重量部に対して、50〜600重量部の水が用いられる。
ポリウレタン水分散体は、乳化中または乳化後に上記成分(F)を添加し、鎖延長反応させることにより製造される。成分(F)の使用量は、プレポリマーの末端イソシアネート基に対して0.3〜1.5等量、好ましくは0.4〜1.2等量で任意に選ぶことができる。
ポリウレタン水分散体が有機溶剤を含有する場合は、減圧下、30〜80℃で溶媒を留去することが望ましい。ポリウレタン水分散体中の樹脂固形分(不揮発分)濃度は、15〜66%の範囲が好ましい。ポリウレタン水分散体中の樹脂固形分濃度は、水を追加または留去することで調整することも可能である。
この発明の実施の形態では、ポリウレタン水分散体中のエチレンオキシド単位(EO)に由来するEO含有量は、特に限定されないが、塩凝固法により得られたフィルム成形体が透湿性の点で実用性を有する点で、ポリウレタン水分散体中のポリウレタン(すなわち、樹脂固形分)に対して、1.0重量%以上とすることが好ましく、2.0重量%以上とすることがより好ましい。この発明の実施の形態1において「フィルム成形体の透湿性」は、塩凝固法により製造されたフィルム成形体(膜厚:約100μm)をJIS L 1099A−1法(塩化カルシウム法)に準じて測定された透湿度により評価される。評価基準として、透湿度が450 g/m−24hrs 以上、800 g/m−24hrs 未満のときは、実用性を有すると判断され、透湿度が800 g/m−24hrs 以上のときは実用性に優れると判断される。透湿性は、フィルム成形体を長時間着用した場合において、蒸れにくさの指標とされる。
また、上記EO含有量を増やしすぎると、塩凝固法により得られたフィルム成形体が耐エタノール水性能の点で実用性に劣ったものとなる。このため、塩凝固法により得られたフィルム成形体について、耐エタノール水性能と透湿性の実用性を確保するには、EO含有量として、1.0〜14重量%が好ましく、7〜14重量%がさらに好ましい。
EO含有量を上記範囲に設定するには、ポリウレタン水分散体の製造原料のうち、不揮発性の製造原料の合計重量に対して、EO単位を有する不揮発性の製造原料のうち、EOの合計重量が上記含有量になるように仕込み原料を設定することで調整することができる。
さらに、実施の形態1では、少なくとも2,4’−MDIと4,4’−MDIとを含有するMDI中において、2,4’−MDIの含有量を、好ましくは30重量%以上、さらに好ましくは50重量%以上、特に好ましくは80重量%以上に設定することで、塩凝固法により得られたフィルム成形体が柔軟性の点で実用性を有するとともに、上述した加工適性について実用性を有するものとなる。この発明の実施の形態1において「フィルム成形体の柔軟性」は、塩凝固法により製造されたフィルム(膜厚:約100μm)から、JIS3号ダンベルを用いて試験片を切り出し、引張試験機を用い、JIS K6251に準拠して測定された100%モジュラスにより評価される。評価基準として、100%モジュラスが4.0MPa以上、7.0MPa未満のときは、実用性を有すると判断され、100%モジュラスが4.0MPa未満のときは、実用性に優れると判断される。フィルム成形体の柔軟性は、フィルム成形体を装着したときのフィット感を判断するための指標とされる。
2,4’−MDIの含有量を高めたMDIを用いて、上述したとおり、フィルム成形体の柔軟性及び加工適性について実用性を向上させる場合、上記EO含有量を上述した範囲に設定する必要は特になく、むしろ上記範囲よりもEO含有量を低くした場合でも上記効果を発揮させることができる。この場合、EO含有量としては、1〜14重量%の範囲で通常使用され、好ましくは1〜8重量%、さらに好ましくは1〜3重量%である。また、フィルム成形体の柔軟性及び加工適性について実用性を向上させるとともに、耐エタノール水性能と透湿性の実用性を確保する場合は、EO含有量として、1〜14重量%が好ましく、7〜14重量%がさらに好ましい。
本発明のフィルム成形体は、ポリウレタン水分散体と凝固液とを併用することにより製造され、いわゆる塩凝固法と称される成形法により製造される。具体的には、型を凝固液に浸漬して型上に凝固層を形成し、これをポリウレタン水分散体に浸漬して皮膜を形成させ、乾燥する方法、又は、型にポリウレタン水分散体を塗布等して、型上にポリウレタン水分散体層を形成し、これに凝固液を塗布等して皮膜を形成させ、乾燥する方法等が挙げられる。
凝固液とは、水やアルコールを溶媒として凝固剤を溶解したものである。本発明に用いられる凝固剤は、無機塩としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウム等のハロゲン化金属;硝酸ナトリウム、硝酸カルシウム、硝酸亜鉛等の硝酸塩;酢酸ナトリウム、酢酸カルシウム、酢酸亜鉛等の酢酸塩;硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム等の硫酸塩;が挙げられ、酸としては、例えば、蟻酸、酢酸、クエン酸、ホウ酸などが挙げられる。上記凝固剤のうち、凝固性に優れ短時間で凝固効果が得られる点で硝酸カルシウムが好ましい。また、これら凝固剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。凝固液には必要に応じて界面活性剤や、炭酸カルシウム、タルクなどの充填剤を配合してもよい。
製造に用いられる型は、特に限定されるものではなく、例えば、磁器、ガラス、金属等、従来公知の種々の型を用いることができる。型の予熱温度や浸漬時間は、水性ポリウレタン樹脂組成物の組成やフィルム成形体の膜厚に応じて設定されるものであって特に限定されるものではない。また、成形温度についても特に限定されるものではないが、成形時間を短縮するために100〜200℃が好ましく、110〜200℃がさらに好ましい。
この発明の実施の形態によるフィルム成形体の膜厚は、用途によって異なるため、特に制限はないが、10〜1000μmが好ましく、20〜1000μmがさらに好ましい。
この発明の実施の形態によるフィルム成形体は、手袋、指サック、コンドーム等に適用可能であり、特に手袋に好適である。
以下、実施の形態1によるポリウレタン水分散体を試験例に基づいて具体的に説明するが、実施の形態1によるポリウレタン水分散体は、これらの実施例によりなんら限定されるものではない。なお、実施例中の「部」および「%」は、特に明示しない限り、それぞれ「重量部」および「重量%」を意味する。
以下に、ポリウレタン水分散体の製造原料、ポリウレタン水分散体の製造例、塩凝固法を用いたフィルム成形体の製造例、各種評価方法について説明する。
<ポリウレタン水分散体の製造原料>
成分(A):ポリイソシアネート
・ジフェニルメタンジイソシアネート(成分(a1))
(商品名「ミリオネートMT」、日本ポリウレタン工業社製、4,4’-MDIが99.5%以上で残りが2,4’-MDI、以下本製品と他の成分(a1)の製品とを特に区別する必要のない場合は「MDI」と略記する。本製品と他の成分(a1)の製品とを区別する必要がある場合は、商品名をそのまま記載する。)
(商品名「ルプラネートMI」、BASF INOAC ポリウレタン社、4,4’-MDI:2,4’-MDI=50%:50%)
(商品名「ミリオネートNM100」、日本ポリウレタン工業社製、4,4’-MDI:2,4’-MDI=5〜15%:95〜85%)
・脂環式ジイソシアネート(成分(a2))
(4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(商品名「デスモジュールW」、住化バイエルウレタン社製、以下「H12MDI」と略記))
(イソホロンジイソシアネート(商品名「デスモジュールI」、住化バイエルウレタン社製、以下「IPDI」と略記))
成分(B):エチレンオキシドとテトラヒドロフランのランダム共重合体(以下、「EO/THF」と略記)
・(商品名「ポリセリンDC3000E」、モル比(EO/THF)=50/50、数平均分子量3100、日油社製、以下「DC3000」と略記)
・(商品名「ポリセリンDC1800E」、モル比(EO/THF)=50/50、数平均分子量1800、日油社製、以下「DC1800」と略記)
・(商品名「ポリセリンDC1100E」、モル比(EO/THF)=65/35、数平均分子量1050、日油社製、以下「DC1100」と略記)
成分(C):ポリオール
・ポリヘキサメチレンカーボネートジオール(商品名「UH300」、数平均分子量3000、宇部興産社製、以下「UH300」と略記)
・ポリテトラメチレングリコール(商品名「PTG−2900」、数平均分子量2900、保土谷化学工業社製、以下「PTG2900」と略記)
・ポリエチレングリコール(商品名「PEG#2000」、数平均分子量2000、日油社製、以下「PEG2000」と略記)
・ポリエステルポリオール(商品名「HOKOKUOL HT−300」、1,4−ブタンジオールとアジピン酸を縮合重合して得られるポリエステルポリオール、数平均分子量3000、豊国製油社製、以下「HT300」と略記)
・ポリエステルポリオール(商品名「ニッポラン4042」、1,4−ブタンジオール、エチレングリコールとアジピン酸を縮合重合して得られるポリエステルポリオール、数平均分子量2000、日本ポリウレタン社製、以下「ニッポラン4042」と略記)
成分(D):多価アルコール系鎖延長剤
・1,4−ブタンジオール
成分(E):カルボキシル基を有するジオール化合物
・2,2−ジメチロールプロピオン酸(以下、「DMPA」と略記)
・2,2−ジメチロールブタン酸(以下、「DMBA」と略記)
成分(F):アミン系鎖延長剤
・30% 6水和ピペラジン
(その他の成分)
・水
・中和剤:トリエチルアミン
・溶剤:N−メチルピロリドン(NMP)、メチルエチルケトン(MEK)
・触媒:ジオクチル錫ジラウレート
<塩凝固法による加工性能の評価>
評価項目として、ゲル化性能、ゲル化強度および造膜性能がある。
(ゲル化性能)
10%濃度の硝酸カルシウム水溶液に、縦180mm×横70mmの陶器製の板(以下、「陶器板」と略記)を、該陶器板が縦方向に100mm浸漬するように、5mm/secの速度で浸漬し、次いで10mm/secの速度で陶器板を引上げた後、これを100℃のオーブン内で加熱乾燥させた。この工程により、硝酸カルシウム水溶液に浸漬された陶器板部分(縦100mm×横70mm)には、硝酸カルシウム層が形成される。続いて、55℃±5℃に冷ました陶器板を、該陶器板に形成された前記硝酸カルシウム層全体を浸漬させるため、縦方向の100mmが浸漬するまで、5mm/secの速度で、ポリウレタン水分散体に浸漬し、30秒間静止した後に10mm/secの速度で引き上げた。この一連の工程で、陶器板の表面には、塩凝固によってゲル化したポリウレタン水分散体のゲル皮膜が形成される。
続いて、上記陶器板のうち、硝酸カルシウム水溶液、ポリウレタン水分散体のいずれにも浸漬された短手側部分を上向きにし、23±2℃の室内に1分間静置させ、ゲル皮膜の外観を目視で観察し、以下の基準でゲル化性能を評価した。
◎:皮膜に割れが生じない(良好)。
○:皮膜に1mm未満の割れが1〜2つ発生したが、1mm以上の割れは発生しない(やや良)。
×:ゲル皮膜に1mm未満の割れが3つ以上発生したか、または1mm以上の割れが1つ以上発生した(不良)。
*上記基準のうち、◎と○は、実用性を有すると評価される。
(ゲル化強度)
ゲル化性能の評価時に陶器板から皮膜を剥離し、指で皮膜を引張り、以下の基準でゲル化強度(ゲル皮膜の皮膜強度の状態)を評価した。
◎:皮膜を形成し、皮膜にゴム弾性(伸縮性)がある(良好)。
○:皮膜を形成し、皮膜に伸びがある(やや良)。
×:皮膜を形成するが、皮膜に伸びがない、又は、皮膜を形成しない(不良)。
*上記基準のうち、◎と○は、実用性を有すると評価される。
(造膜性能)
上記「(ゲル化性能)」の評価に用いた、ゲル皮膜が形成された陶器板を、120℃のオーブン内で30分間加熱乾燥させてフィルム成形体を形成し、その形成したフィルム成形体の状態を目視で観察し、以下の基準で造膜性能を評価した。
◎:皮膜に割れが生じない(良好)。
○:皮膜に1mm未満の割れが1〜2つ発生したが、1mm以上の割れは発生しない(やや良)。
×:皮膜に1mm未満の割れが3つ以上発生したか、または1mm以上の割れが1つ以上発生した(不良)。
*上記基準のうち、◎と○は、実用性を有すると評価される。
(柔軟性):100%モジュラスの測定
上記「(造膜性能)」の評価時に用いたフィルム成形体(厚み:100μm)から、JIS3号ダンベルを用いて試験片を切り出し、LLOYD社の引張試験機LR−5Kを用い、チャック間隔60mm、標線間隔20mm、引張速度500mm/分、温度23±2℃で、JIS K6251に準拠して評価した。
試験片が100%伸びた時の引張荷重を測定し、下記式によって引張強度を求めた。
100%モジュラス(MPa)=F100%/A
ただし、F100%は、100%伸び時の引張荷重(N)、Aは、試験片の断面積(mm2)である。
100%モジュラスの判断基準は、以下のとおりである。
◎:4.0MPa未満(良好)
○:4.0MPa以上、7.0MPa未満(やや良)
×:7.0MPa以上(不良)
*上記基準のうち、◎と○は、実用性を有すると評価される。
(耐エタノール水性能):破断強度の測定
上記「(造膜性能)」の評価時に用いたフィルム成形体(厚み:100μm)から、JIS3号ダンベルを用いて試験片を切り出し、エチルアルコール70%水(23℃±2℃)に30分間浸漬させた後に取り出した。取り出した試験片を軽く拭いてから90秒後に、JIS K6301に従い、破断強度試験を行い、以下の基準で耐エタノール水性能を評価した。
◎:破断強度が10MPa以上(良好)
○:破断強度が4MPa以上、10MPa未満(やや良)
×:破断強度が4MPa未満(不良)
*上記基準のうち、◎と○は、実用性を有すると評価される。
(透湿性):透湿度の測定
JIS L 1099A−1法(塩化カルシウム法)に準じ、上記「(造膜性能)」の評価時に用いたフィルム成形体(厚み:100μm)の透湿度を測定し、以下の基準で透湿性を評価した。
◎:800 g/m−24hrs 以上
○:450 g/m2-24hrs 以上、800 g/m2-24hrs 未満
×:450 g/m2-24hrs 未満
*上記基準のうち、◎と○は、実用性を有すると評価される。
1.好適なポリオールの検討
(ポリウレタン水分散体No.1の製造)
反応器に、DC3000(成分(B)) 24.9部、UH300(成分(C))158.4部、ジオクチル錫ジラウレート0.01部を仕込み、十分撹拌溶解し、MDI(成分(A)) 25.2部、H12MDI(成分(A))26.4部を加えて85℃で3時間反応させた。次に、60℃まで冷却した後、DMPA(成分(E))5.0部、1,4−ブタンジオール(成分(D))5.2部、NMP 61.3部、MEK 188.7部を加え、十分撹拌溶解し、ジオクチル錫ジラウレート0.04部を加え、80℃で8時間反応させ、イソシアネート値(固形分に対する残存イソシアネート基の重量含有量)が0.8%のプレポリマーを得た。このプレポリマーを50℃まで冷却し、トリエチルアミン 3.8部を加えて中和し、次いで水470.8部を加えて転相乳化した。この乳化分散液に30% 6水和ピペラジン(成分(F))18.9部(残存イソシアネート基に対してアミン基として100当量%)を加えて乳化分散した。得られた乳化液を脱溶剤することにより、不揮発分25%、pH7.3のポリウレタン水分散体No.1を得た。
(ポリウレタン水分散体No.2〜No.9の製造)
表1に示す原材料、配合処方を用いてポリウレタン水分散体No.1と同様の方法でポリウレタン水分散体No.2〜No.9を製造した。
ポリウレタン水分散体No.1〜No.9について、上記<塩凝固法を用いた加工性能の評価>の項で説明した方法で加工性能を評価し、得られたフィルム成形体について、柔軟性と耐エタノール水性能を評価した。表2に結果を示す。なお、表2における仕込み原料の数値は、製造原料のうち、成分(A)〜(F)の合計重量を100%としたときの各成分の含有量(重量%)を示したものである。
Figure 2015101625
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ポリオールとして成分(B)と成分(C)を併用したNo.1〜No.3では、ゲル化強度の評価が「やや良」で、かつ耐エタノール水性能も「やや良」となり、上記2項目とも実用性を有していた。一方、ポリオールとして1種類の成分(C)を用いたNo.4〜No.7では、耐エタノール水性能が「良好」と評価される試料もあったが(No.4、No.5)、ゲル化強度が「不良」と評価され、上記2項目ともに実用性を有すると評価される試料はなかった。また、ポリオールとして2種類の成分(C)を用いたNo.8、No.9についても、耐エタノール水性能が「やや良」と評価されたが、ゲル化強度が「不良」と評価され、上記2項目ともに実用性を有すると評価される試料はなかった。
上記の結果から、ゲル化強度と耐エタノール水性能をともに実用性を有するものとするには、ポリオールとして成分(B)と成分(C)とを併用することが必要であると考えられる。
2.MDIと脂環式ジイソシアネートを併用したポリウレタン水分散体の特徴
(ポリウレタン水分散体No.10の製造)
反応器に、DC3000(成分(B)) 12.8部、UH300(成分(C))170.9部、ジオクチル錫 ジラウレート0.01部を仕込み、十分撹拌溶解し、MDI(成分(A)) 33.6部、H12MDI(成分(A))17.6部を加えて85℃で3時間反応させた。次に、60℃まで冷却した後、DMPA(成分(E))5.0部、1,4−ブタンジオール(成分(D))5.3部、NMP 61.3部、MEK 188.7部を加え、十分撹拌溶解し、ジオクチル錫ジラウレート0.04部を加え、80℃で8時間反応させ、イソシアネート値(固形分に対する残存イソシアネート基の重量含有量)が0.8%のプレポリマーを得た。このプレポリマーを、50℃まで冷却し、トリエチルアミン 3.7部を加えて中和し、次いで水470.9部を加えて転相乳化した。この乳化分散液に30% 6水和ピペラジン(成分(F))19.1部(残存イソシアネート基に対してアミン基として100当量%)を加えて乳化分散した。得られた乳化液を脱溶剤することにより、不揮発分25%、pH7.3のポリウレタン水分散体No.10を得た。
(ポリウレタン水分散体No.11〜No.18の製造)
表3に示す原材料、配合処方を用いてポリウレタン水分散体No.10と同様の方法でポリウレタン水分散体No.11〜No.18を製造した。
ポリウレタン水分散体No.10〜No.18について、上記<塩凝固法を用いた加工性能の評価>の項で説明した方法で加工性能を評価し、得られたフィルム成形体について、柔軟性と耐エタノール水性能を評価した。表4に結果を示す。なお、表4における仕込み原料の数値は、製造原料のうち、成分(A)〜(F)の合計重量を100%としたときの各成分の含有量(重量%)を示したものである。
Figure 2015101625
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本試験は、ポリオールとして成分(B)と成分(C)とを併用することを前提として、成分(A)の種類、組合せを種々変えて製造したポリウレタン水分散体から塩凝固法で製造した皮膜について、特にゲル化強度と耐エタノール水性能の関係を検討したものである。
成分(A)としてMDIのみを用いたNo.15は、そもそもポリウレタン水分散体が製造できず、成分(A)としてH12MDIとIPDIのいずれか一方を用いたNo.16,No.18では、ゲル化強度は実用性を有すると評価されたが、耐エタノール水性能が実用性を有しないと評価された。
一方、成分(A)としてMDIとH12MDIとを併用したNo.10〜14、成分(A)としてMDIとIPDIとを併用したNo.17では、ゲル化強度と耐エタノール性能がともに実用性を有すると評価された。
3.耐エタノール水性能、透湿性に優れた処方の検討
(ポリウレタン水分散体No.19の製造)
反応器に、DC3000(成分(B)) 12.8部、UH300(成分(C))170.6部、ジオクチル錫ジラウレート0.01部を仕込み、十分撹拌溶解し、MDI(成分(A)) 25.2部、H12MDI(成分(A))26.4部を加えて85℃で3時間反応させた。次に、60℃まで冷却した後、DMPA(成分(E))5.0部、1,4−ブタンジオール(成分(D))5.2部、NMP 61.3部、MEK 188.7部を加え、十分撹拌溶解し、ジオクチル錫ジラウレート0.04部を加え、80℃で8時間反応させ、イソシアネート値(固形分に対する残存イソシアネート基の重量含有量)が0.8%のプレポリマーを得た。このプレポリマーを、50℃まで冷却し、トリエチルアミン 3.8部を加えて中和し、次いで水470.9部を加えて転相乳化した。この乳化分散液に30% 6水和ピペラジン(成分(F))19.5部(残存イソシアネート基に対してアミン基として100当量%)を加えて乳化分散した。得られた乳化液を脱溶剤することにより、不揮発分25%、pH7.3のポリウレタン水分散体No.19を得た。
(ポリウレタン水分散体No.20〜No.27の製造)
表5に示す原材料、配合処方を用いてポリウレタン水分散体No.19と同様の方法でポリウレタン水分散体No.20〜No.27を製造した。
ポリウレタン水分散体No.19〜No.27について、上記<塩凝固法を用いた加工性能の評価>の項で説明した方法で加工性能を評価し、得られたフィルム成形体について、柔軟性、耐エタノール水性能および透湿性を評価した。表6に結果を示す。なお、表6における仕込み原料の数値は、製造原料のうち、成分(A)〜(F)の合計重量を100%としたときの各成分の含有量(重量%)を示したものである。
Figure 2015101625
Figure 2015101625
本試験は、ポリウレタン水分散体中のポリウレタン(樹脂固形分)に対するエチレンオキシド単位(EO)の含有量(単位:重量%)(以下、単に「EO含有量」と略記)と、特に耐エタノール水性能、透湿性の関係を検討したものである。
表6から、EO含有量がおよそ2.0重量%以上になると、透湿性が実用性を有すると評価され、さらにEO含有量が増加するほど透湿性が向上する傾向にあった。
また、耐エタノール水性能は、通常は実用性を有すると評価されるが、EO含有量が増え過ぎて14重量%を超えると、実用性を有しなくなることが分かった。
4.柔軟性、ゲル化強度に優れた処方の検討
(ポリウレタン水分散体No.28の製造)
反応器に、DC3000(成分(B)) 12.8部、UH300(成分(C))180.5部、ジオクチル錫ジラウレート0.01部を仕込み、十分撹拌溶解し、ルプラネートMI(成分(A)) 29.0部、H12MDI(成分(A))15.3部を加えて85℃で3時間反応させた。次に、60℃まで冷却した後、DMPA(成分(E))5.0部、1,4−ブタンジオール(成分(D))3.1部、NMP 61.4部、MEK 313.6部を加え、十分撹拌溶解し、ジオクチル錫ジラウレート0.04部を加え、80℃で8時間反応させ、イソシアネート値(固形分に対する残存イソシアネート基の重量含有量)が0.9%のプレポリマーを得た。このプレポリマーを、50℃まで冷却し、トリエチルアミン 3.7部を加えて中和し、次いで水474.7部を加えて転相乳化した。この乳化分散液に30% 6水和ピペラジン(成分(F))19.9部(残存イソシアネート基に対してアミン基として100当量%)を加えて乳化分散した。得られた乳化液を脱溶剤することにより、不揮発分25%、pH7.3のポリウレタン水分散体No.28を得た。
(ポリウレタン水分散体No.29,No.30の製造)
表7に示す原材料、配合処方を用いてポリウレタン水分散体No.28と同様の方法でポリウレタン水分散体No.29とNo.30を製造した。
ポリウレタン水分散体No.28〜No.30について、上記<塩凝固法を用いた加工性能の評価>の項で説明した方法で加工性能を評価し、得られたフィルム成形体について、柔軟性、耐エタノール水性能および透湿性を評価した。表8に結果を示す。なお、表8における仕込み原料の数値は、製造原料のうち、成分(A)〜(F)の合計重量を100%としたときの各成分の含有量(重量%)を示したものである。
Figure 2015101625
Figure 2015101625
本試験は、ポリウレタン水分散体中のEO含有量をNo.19と同程度(2.0%)にして、成分(a1)として、異性体成分として2,4’-MDIの含有量が多いMDIを用いた場合の効果を検討したものである。表8から、2,4’-MDIの含有量が約50%であるルプラネートMIを用いたNo.28は、2,4’-MDIをほとんど含まないミリオネートMTを用いたNo.19に場合に比べて、柔軟性について実用性が向上すると評価された。さらに、2,4’-MDIの含有量が約90%であるミリオネートNM100を用いたNo.29,30は、2,4’-MDIをほとんど含まないミリオネートMTを用いたNo.19に比べて、柔軟性について実用性が向上するととともに、ゲル化強度についても実用性が向上すると評価された。
上述したように、成分(B)と成分(C)とを併用することにより、塩凝固法によりフィルム成形体を製造するときの加工適性の点で実用性を有するとともに、得られたフィルム成形体が耐エタノール水性能の点で実用性を有する。
また、本発明によるポリウレタン水分散体は、ジイソシアネート、ポリオールおよびカルボキシル基を有するジオール化合物を重合して製造されるため、成分(A),(E)は、ポリウレタン水分散体を製造する上で必要な原料である。
従って、塩凝固法によりフィルム成形体を製造するときの加工適性の点で実用性を有するとともに、得られたフィルム成形体が耐エタノール水性能の点で実用性を有するようにするには、成分(A)〜(C),(E)を少なくとも反応させてポリウレタン水分散体を製造すればよい。
よって、実施の形態1によるポリウレタン水分散体は、成分(A)〜(C),(E)を少なくとも反応させて得られるものであればよい。
[実施の形態2]
実施の形態2によるポリウレタン水分散体は、脂環式ジイソシアネートまたは脂肪族ジイソシアネート(a2)を少なくとも含むポリイソシアネート(A)と、エチレンオキシドとテトラヒドロフランとのランダム共重合体(B)と、数平均分子量が500〜5000であるポリオール(C)と、カルボキシル基を有するジオール化合物(E)と、及び必要に応じて、数平均分子量が400以下である多価アルコール系鎖延長剤(D)と、その他の成分とを反応させて得られるイソシアネート基末端プレポリマーを中和し、得られた中和物を水中に乳化分散させて得られる。必要に応じて、乳化分散させた後、アミン系鎖延長剤(F)を用いて鎖延長反応させてもよい。
そして、ポリイソシアネート(A)は、イソホロンジイソシアネートよりも反応速度が速い脂環式ジイソシアネートまたは脂肪族ジイソシアネート (a2)のみからなっていてもよく、ジフェニルメタンジイソシアネート(a1)と脂環式ジイソシアネートまたは脂肪族ジイソシアネート(a2)とからなっていてもよい。
成分(a1)は、ミリオネートMT、ルプラネートMIおよびNM100のいずれかからなる。
脂環式ジイソシアネートまたは脂肪族ジイソシアネート(a2)は、1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(以下、「1,4−H6XDI」と略記する場合がある。)、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(以下、「1,3−H6XDI」と略記する場合がある。)、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(以下、「1,6−HDI」と略記する場合がある。)および1,5−ジイソシアナトペンタン(以下、「1,5−PDI」と略記する場合がある。)のいずれかからなる。
成分(B)〜成分(F)については、実施の形態1において説明したとおりである。
実施の形態2においては、成分(B)と成分(C)とを併用するとともに、ポリイソシアネート(A)を構成する脂環式ジイソシアネートまたは脂肪族ジイソシアネート(a2)として1,4−H6XDI、1,3−H6XDI、1,6−HDIおよび1,5−PDIのいずれかを少なくとも用いる点に特徴がある。
成分(B)と成分(C)とを併用し、かつ、脂環式ジイソシアネートまたは脂肪族ジイソシアネート(a2)として1,4−H6XDI、1,3−H6XDI、1,6−HDIおよび1,5−PDIのいずれかを少なくとも用いることによって、塩凝固法によりフィルム成形体を製造するときの加工適性の点で実用性を有するとともに、得られたフィルム成形体が耐エタノール水性能の点で実用性を有し、更に、得られたフィルム成形体に横すじが形成されるのを防止できる。
「塩凝固法によりフィルム成形体を製造するときの加工適性」および「フィルム成形体の耐エタノール水性能」についての評価方法および評価基準は、実施の形態1において説明したとおりである。
実施の形態2においても、フィルム成形体は、実施の形態1において説明した塩凝固法を用いて製造されるが、塩凝固に用いる塩濃度を10%および25%で評価を行っている。そして、フィルム成形体の膜厚は、用途によって異なるため、特に制限はないが、10〜1000μmが好ましく、20〜1000μmがさらに好ましい。また、フィルム成形体は、手袋、指サック、コンドーム等に適用可能であり、特に、手袋に好適である。
実施例
以下、実施の形態2によるポリウレタン水分散体を試験例に基づいて具体的に説明するが、実施の形態2によるポリウレタン水分散体は、これらの実施例によりなんら限定されるものではない。なお、実施例中の「部」および「%」は、特に明示しない限り、それぞれ「重量部」および「重量%」を意味する。
以下に、ポリウレタン水分散体の製造原料、ポリウレタン水分散体の製造例、塩凝固法を用いたフィルム成形体の製造例、各種評価方法について説明する。
<ポリウレタン水分散体の製造原料>
成分(A):ポリイソシアネート
・ジフェニルメタンジイソシアネート(成分(a1))
(商品名「ミリオネートMT」、日本ポリウレタン工業社製、4,4’-MDIが99.5%以上で残りが2,4’-MDI、以下本製品と他の成分(a1)の製品とを特に区別する必要のない場合は「MDI」と略記する。本製品と他の成分(a1)の製品とを区別する必要がある場合は、商品名をそのまま記載する。)
(商品名「ルプラネートMI」、BASF INOAC ポリウレタン社、4,4’-MDI:
2,4’-MDI=50%:50%)
(商品名「ミリオネートNM100」、日本ポリウレタン工業社製、4,4’-MDI:2,4’-MDI=5〜15%:95〜85%)
・脂環式ジイソシアネートまたは脂肪族ジイソシアネート(成分(a2))
(イソホロンジイソシアネート(商品名「デスモジュールI」、住化バイエルウレタン社製、以下「IPDI」と略記))
(4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(商品名「デスモジュールW」、住化バイエルウレタン社製、以下「H12MDI」と略記)
(1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン (商品名「タケネート1000」、三井化学社製、以下「1,4−H6XDI」と略記))
(1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン (商品名「タケネート600」、三井化学社製、以下「1,3−H6XDI」と略記))
(1,5−ジイソシアナトペンタン (商品名「タケネート300」、三井化学社製、以下「1,5−PDI」と略記))
(1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート (商品名「HDI」、日本ポリウレタン工業社製、以下「1,6−HDI」と略記))
成分(B):EO/THFランダム共重合体
・商品名「ポリセリンDC3000E」、モル比(EO/THF)=50/50、数平均分子量3100、日油社製、以下「DC3000」と略記)
成分(C):ポリオール
・ポリヘキサメチレンカーボネートジオール(商品名「UH−300」、数平均分子量3000、宇部興産社製、以下「UH300」と略記)
・ポリカーボネートポリオール(商品名「ニッポラン981」、数平均分子量1000、日本ポリウレタン社製)
・ポリヘキサメチレン/3−メチルペンタンカーボネートジオール(商品名「ニッポランPES−A1215」、モル比(1,6−ヘキサンジオール/3−メチル−1,5−ペンタンジオール)=90/10、数平均分子量3000、日本ポリウレタン工業社製、以下「PES−A1215」と略記)
成分(D):多価アルコール系鎖延長剤
・1,4−ブタンジオール
成分(E):カルボキシル基を有するジオール化合物
・2,2−ジメチロールプロピオン酸(以下、「DMPA」と略記)
・2,2−ジメチロールブタン酸(以下、「DMBA」と略記)
成分(F):アミン系鎖延長剤
・30% 6水和ピペラジン
(その他の成分)
・水
・中和剤:トリエチルアミン
・溶剤:N−メチルピロリドン(NMP)、メチルエチルケトン(MEK)
・触媒:ジオクチル錫ジラウレート
塩凝固法による加工性能の評価項目、評価方法および評価基準については、実施の形態1における説明と同じである。
(ポリウレタン水分散体No.32の製造)
反応器に、DC3000(成分(B)) 13.0部、UH300(成分(C))183.0部、ジオクチル錫ジラウレート0.01部を仕込み、十分撹拌溶解し、ミリオネートNM100(成分(A)) 29.4部、1,4−H6XDI(成分(A))11.5部を加えて85℃で3時間反応させた。次に、60℃まで冷却した後、DMBA(成分(E))5.6部、1,4−ブタンジオール(成分(D))3.2部、NMP 61.4部、MEK 313.6部を加え、十分撹拌溶解し、ジオクチル錫ジラウレート0.03部を加え、80℃で8時間反応させ、イソシアネート値(固形分に対する残存イソシアネート基の重量含有量)が0.9%のプレポリマーを得た。このプレポリマーを50℃まで冷却し、トリエチルアミン 3.8部を加えて中和し、次いで水474.4部を加えて転相乳化した。この乳化分散液に30% 6水和ピペラジン(成分(F))16.9部(残存イソシアネート基に対してアミン基として100当量%)を加えて乳化分散した。得られた乳化液を脱溶剤することにより、不揮発分25%、pH7.9のポリウレタン水分散体No.32を得た。
(ポリウレタン水分散体No.38の製造)
反応器に、DC3000(成分(B)) 13.1部、UH300(成分(C))149.7部、ニッポラン981(成分(C))38.1部、ジオクチル錫ジラウレート0.01部を仕込み、十分撹拌溶解し、ミリオネートNM100(成分(A)) 28.1部、14H6XDI(成分(A))11.0部を加えて85℃で3時間反応させた。次に、60℃まで冷却した後、DMBA(成分(E))5.6部、MEK 313.6部を加え、十分撹拌溶解し、ジオクチル錫ジラウレート0.03部を加え、80℃で8時間反応させ、イソシアネート値(固形分に対する残存イソシアネート基の重量含有量)が0.9%のプレポリマーを得た。このプレポリマーを50℃まで冷却し、トリエチルアミン 3.8部を加えて中和し、次いで水474.1部を加えて転相乳化した。得られた乳化液を脱溶剤することにより、不揮発分25%、pH7.2のポリウレタン水分散体No.38を得た。
(ポリウレタン水分散体No.31,No.33〜No.37,No.39〜No.44の製造)
表9に示す原材料、配合処方を用いてポリウレタン水分散体No.32,No.38と同じ方法でポリウレタン水分散体No.31,No.33〜No.37,No.39〜No.44を製造した。
ポリウレタン水分散体No.31〜No.44について、実施の形態1における<塩凝固法を用いた加工性能の評価>の項で説明した方法で加工性能を評価し、得られたフィルム成形体について、柔軟性および耐エタノール水性能を評価した。表10に結果を示す。なお、表10における仕込み原料の数値は、製造原料のうち、成分(A)〜(F)の合計重量を100%としたときの各成分の含有量(重量%)を示したものである。また、表10では、25%濃度の硝酸カルシウム水溶液を用いた塩凝固法(以下、「25%塩凝固法」と略記)で得られたフィルム成形体(膜厚:約200μm)の評価結果と、10%濃度の硝酸カルシウム水溶液を用いた塩凝固法(以下、「10%塩凝固法」と略記)で得られたフィルム成形体(膜厚:約100μm)の評価結果とを示す。
Figure 2015101625
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成分(B)と成分(C)とを併用し、かつ、成分(a1)と成分(a2)とからなる成分(A)を用いたNo.21,No.30,No.32〜No.38,No.40〜No.44のうち、No.32〜No.38,No.41,No.42,No.44では、25%塩凝固法で得られたフィルム成形体において、ゲル化強度が「良好」であり、かつ、耐エタノール水性能が「やや良」または「良好」であり、更に、造膜性能が「やや良」または「良好」である。この造膜性能は、フィルム成形体において、横すじが形成されるか否かを示す指標である。従って、No.32〜No.38,No.41,No.42,No.44では、25%塩凝固法で得られたフィルム成形体において、加工性能および耐エタノール水性能の2つの点で実用性を有し、横すじが形成されるのを防止する点でも実用性を有する。
また、No.32〜No.38,No.41,No.42,No.44 では、10%塩凝固法で得られたフィルム成形体において、ゲル化強度が「良好」であり、かつ、耐エタノール水性能が「やや良」または「良好」であり、更に、造膜性能が「良好」である。従って、No.32〜No.38,No.41,No.42,No.44では、10%塩凝固法で得られたフィルム成形体においても、加工性能および耐エタノール水性能の2つの点で実用性を有し、横すじが形成されるのを防止する点でも実用性を有する。
このうち、No.38では、成分(D),(F)を欠いているが、10%塩凝固法で得られたフィルム成形体および25%塩凝固法で得られたフィルム成形体のいずれにおいても、加工性能および耐エタノール水性能の2つの点で実用性を有し、横すじが形成されるのを防止する点でも実用性を有する。
更に、成分(B)と成分(C)とを併用し、成分(A)として成分(a2)のみを用いたNo.39では、10%塩凝固法で得られたフィルム成形体および25%塩凝固法で得られたフィルム成形体のいずれにおいても、ゲル化強度が「良好」であり、かつ、耐エタノール水性能が「やや良」であり、更に、造膜性能が「良好」である。従って、成分(A)として、成分(a2)のみを用いた場合でも、10%塩凝固法で得られたフィルム成形体および25%塩凝固法で得られたフィルム成形体のいずれにおいても、加工性能および耐エタノール水性能の2つの点で実用性を有し、横すじが形成されるのを防止する点でも実用性を有する。
その結果、横すじが形成されるのを防止する点で実用性を有するフィルム成形体を製造するには、成分(A)として、成分(a2)を少なくとも含むポリイソシアネートを用いてポリウレタン水分散体を製造すれば良い。
一方、成分(B),(C)のうち、成分(C)のみを用いたNo.4,No.31では、10%塩凝固法で得られたフィルム成形体および25%塩凝固法で得られたフィルム成形体のいずれにおいても、造膜性能が「不良」であった。従って、横すじが形成されるのを防止する点で実用性を有するフィルム成形体を製造するには、成分(B)と成分(C)とを併用してポリウレタン水分散体を製造することが必要である。
また、成分(B)と成分(C)とを併用し、かつ、成分(a2)として、IPDIまたはH12MDIを用いたNo.21,No.30,No.43では、10%塩凝固法で得られたフィルム成形体において、ゲル化強度が「良好」であり、耐エタノール水性能が「やや良」または「良好」であり、造膜性能が「良好」である。しかし、No.21,No.30,No.43では、25%塩凝固法で得られたフィルム成形体においては、造膜性能が「不良」である。従って、10%塩凝固法で得られたフィルム成形体および25%塩凝固法で得られたフィルム成形体のいずれにおいても、横すじが形成されるのを防止する点で実用性を有するフィルム成形体を製造するためには、成分(a2)として、1,4−H6XDI、1,3−H6XDI、1,6−HDIおよび1,5−PDIのいずれかを用いてポリウレタン水分散体を製造する必要がある。
1,4−H6XDI、1,3−H6XDI、1,6−HDIおよび1,5−PDIは、IPDIよりも反応速度が速い脂環式ジイソシアネートまたは脂肪族ジイソシアネートである。従って、10%塩凝固法で得られたフィルム成形体および25%塩凝固法で得られたフィルム成形体のいずれにおいても、横すじが形成されるのを防止する点で実用性を有するフィルム成形体を製造するためには、成分(a2)として、IPDIよりも反応速度が速い脂環式ジイソシアネートまたは脂肪族ジイソシアネートを用いてポリウレタン水分散体を製造すればよい。
更に、表10から、EO含有量が1.0重量%以上になると、透湿性が実用性を有すると評価され、さらにEO含有量が増加するほど透湿性が向上する傾向にあった。
また、耐エタノール水性能は、通常は実用性を有すると評価されるが、EO含有量が増え過ぎて11重量%を超えると、実用性を有しなくなることが分かった。
従って、EO含有量は、実施の形態2においては、1.0重量以上11重量%以下が好ましく、1.0重量%以上2重量%以下がより好ましい。
<ポリウレタン水分散体と他の素材との混合>
ポリウレタン水分散体と、ポリウレタン水分散体よりも柔軟性の高い他の素材の水分散体(素材単体のフィルム成形体で比較した時にポリウレタン水分散体のフィルム成形体よりも低モジュラスである)を混合することで加工適性やフィルム成形体の耐エタノール水性能を維持しつつ、柔軟性を向上させることができる。他の素材としては、例えば、ニトリルブタジエンゴムやアクリル樹脂が挙げられ、それらは、ニトリルブタジエンゴムラテックスやアクリルエマルジョンとして供給される。
表9および表10におけるNo.33のポリウレタン水分散体にニトリルブタジエンゴムラテックス(以下「NBRラテックス」と略記)またはアクリルエマルジョンとしてnBA−AN−AA共重合体エマルジョンを混合して25%塩凝固法で得られたフィルム成形体の評価結果を表11および表12に示す。
なお、表11および表12において、100%モジュラスの評価基準は、4.0MPa未満を◎(「良好」)とし、4.0MPa以上7.0MPa未満を○(「やや良」)とし、7.0MPa以上を×(「不良」)とした。そして、「良好」および「やや良」を100%モジュラスにおいて実用性を有するとした。
また、表11および表12において、耐エタノール強度の評価基準は、破断強度が10MPa以上を◎(「良好」)とし、破断強度が4MPa以上10MPa未満を○(「やや良」)とし、破断強度が4MPa未満を×(「不良」)とした。そして、「良好」および「やや良」を耐エタノール水性能において、実用性を有するとした。
更に、表11においては、NBRラテックスを「X−3011」と表記している。
No.45〜No.52の不揮発分は、表11,12中の不揮発分(%)に調整され、混合比率は、表11,12中の混合比率になるように、ポリウレタン水分散体とNBRラテックスまたはアクリルエマルジョンとの不揮発分の重量比を調整している。従って、No.50,No.52は、ポリウレタン水分散体を混合していない。
NBRラテックスは、Synthomer製のNBRラテックス(X3011)であり、不揮発分が45重量%である。また、アクリルエマルジョン(nBA−AN−AA共重合体エマルジョン)は、n−ブチルアクリレート:94モル%と、アクリロニトリル:5モル%と、アクリル酸:1モル%との共重合体であり、分子量が約25万であり、不揮発分が45%である。
Figure 2015101625
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NBRラテックスを混合していないNo.33では、25%塩凝固法で得られたフィルム成形体の100%モジュラスが4.1MPaであるが、NBRラテックスを混合したNo.45〜No.49では、25%塩凝固法で得られたフィルム成形体の100%モジュラスは、4MPa未満であり、NBRラテックスの混合量が増加するに従って、2.7MPa、2.7MPa、2.5MPa、2.2MPaおよび2.1MPaと小さくなる。そして、NBRラテックスが100重量%であるNo.50では、25%塩凝固法で得られたフィルム成形体の100%モジュラスが1.3MPaまで小さくなる。
その結果、No.33では、柔軟性は、「やや良」であるが、No.45〜No.50では、柔軟性は、「良好」である。
従って、No.33のポリウレタン水分散体にNBRラテックスを混合することにより、25%塩凝固法で得られたフィルム成形体の柔軟性を向上できる。
また、No.33,No.45〜No.47では、耐エタノール強度は、「良好」または「やや良」であるが、No.48〜No.50では、耐エタノール強度は、「不良」である。
従って、不揮発分中のニトリルブタジエンゴム分が60重量%以下の範囲でNBRラテックスをポリウレタン水分散体に混合することにより、耐エタノール強度の点で実用性を有するとともに、柔軟性の点でも実用性を有するフィルム成形体を得ることができる。
また、No.33のポリウレタン水分散体にアクリルエマルジョンを混合したNo.51では、25%塩凝固法で得られたフィルム成形体の100%モジュラスが3.6MPaであり、アクリルエマルジョンが100重量%であるNo.52では、25%塩凝固法で得られたフィルム成形体の100%モジュラスが0.4MPaである。
その結果、No.33では、柔軟性は、「やや良」であるが、No.51,No.52では、柔軟性は、「良好」である。
従って、No.33のポリウレタン水分散体にアクリルエマルジョンを混合することによっても、25%塩凝固法で得られたフィルム成形体の柔軟性を向上できる。
また、No.51では、耐エタノール強度は、「良好」であるが、No.52では、耐エタノール強度は、「不良」である。
従って、不揮発分中のアクリル樹脂分が5重量%以下の範囲でアクリルエマルジョンをポリウレタン水分散体に混合することにより、耐エタノール強度の点で実用性を有するとともに、柔軟性の点でも実用性を有するフィルム成形体を得ることができる。
このように、ポリウレタン水分散体にNBRラテックスまたはアクリルエマルジョンを混合して25%塩凝固法でフィルム成形体を製造することによって、耐エタノール強度の点で実用性を有するとともに、柔軟性の点でも実用性を有するフィルム成形体を得ることができる。
なお、ポリウレタン以外の素材がカルボン酸などの反応性官能基を有する場合、カルボジイミドなどの架橋剤を合わせて混合することにより、耐エタノール水性能を維持しつつ柔軟性を更に向上させることも可能である。
上記においては、ポリウレタン水分散体に混合する他の素材の水分散体として、ニトリルブタジエンゴムラテックスおよびアクリルエマルジョンについて説明したが、実施の形態2においては、ポリウレタン水分散体に混合する他の素材の水分散体は、ポリウレタン水分散体よりも低モジュラスなゴムラテックスまたは樹脂エマルジョンであればよい。
上述したように、成分(B)と成分(C)とを併用することにより、塩凝固法によりフィルム成形体を製造するときの加工適性の点で実用性を有するとともに、得られたフィルム成形体が耐エタノール水性能の点で実用性を有する。
また、本発明によるポリウレタン水分散体は、ジイソシアネート、ポリオールおよびカルボキシル基を有するジオール化合物を重合して製造されるため、成分(A),(E)は、ポリウレタン水分散体を製造する上で必要な原料である。そして、塩凝固法で得られたフィルム成形体において横すじが形成されるのを防止するには、成分(A)は、脂環式ジイソシアネートまたは脂肪族ジイソシアネート(a2)を少なくとも含めばよい。
従って、塩凝固法によりフィルム成形体を製造するときの加工適性の点で実用性を有するとともに、得られたフィルム成形体が耐エタノール水性能の点で実用性を有し、更に、得られたフィルム成形体に横すじが形成されるのを防止するには、脂環式ジイソシアネートまたは脂肪族ジイソシアネート(a2)を少なくとも含む成分(A)、および成分(B),(C),(E)を少なくとも反応させてポリウレタン水分散体を製造すればよい。
よって、実施の形態2によるポリウレタン水分散体は、脂環式ジイソシアネートまたは脂肪族ジイソシアネート(a2)を少なくとも含む成分(A)、および成分(B),(C),(E)を少なくとも反応させて得られるものであればよい。
実施の形態2におけるその他の説明は、実施の形態1における説明と同じである。
上述したように、実施の形態1においては、塩凝固法によりフィルム成形体を製造するときの加工適性の点で実用性を有するとともに、得られたフィルム成形体が耐エタノール水性能の点で実用性を有するようにするには、成分(A)〜(C),(E)を少なくとも反応させてポリウレタン水分散体を製造すればよいことを説明した。
また、実施の形態2においては、塩凝固法によりフィルム成形体を製造するときの加工適性の点で実用性を有するとともに、得られたフィルム成形体が耐エタノール水性能の点で実用性を有し、得られたフィルム成形体に横すじが形成されるのを防止するには、イソホロンジイソシアネートよりも反応速度が速い脂環式ジイソシアネートまたは脂肪族ジイソシアネート(a2)を少なくとも含む成分(A)、および成分(B),(C),(E)を少なくとも反応させてポリウレタン水分散体を製造すればよいことを説明した。
従って、この発明の実施の形態によれば、塩凝固法によりフィルム成形体を製造するときの加工適性の点で実用性を有するとともに、得られたフィルム成形体が耐エタノール水性能の点で実用性を有するようにするには、成分(A)〜(C),(E)を少なくとも反応させてポリウレタン水分散体を製造すればよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明は、ポリウレタン水分散体、及びそれから得られるフィルム成形体、手袋に適用される。

Claims (11)

  1. ポリイソシアネート(A)と、
    エチレンオキシドとテトラヒドロフランのランダム共重合体(B)と、
    数平均分子量が500〜5000であるポリオール(C)と、
    カルボキシル基を有するジオール化合物(E)とを少なくとも反応させて得られるイソシアネート基末端プレポリマーを中和し、得られた中和物を水中に分散させて得られ、フィルム層を形成するために用いられる、ポリウレタン水分散体。
  2. 前記ポリイソシアネート(A)は、少なくとも脂環式ジイソシアネートまたは脂肪族ジイソシアネート(a2)を含む、請求項1に記載のポリウレタン水分散体。
  3. 前記ポリイソシアネート(A)は、ジフェニルメタンジイソシアネート(a1)と脂環式ジイソシアネートまたは脂肪族ジイソシアネート(a2)とからなる、請求項1に記載のポリウレタン水分散体。
  4. 前記脂環式ジイソシアネートまたは脂肪族ジイソシアネート(a2)は、イソホロンジイソシアネートよりも反応速度が速い脂環式ジイソシアネートまたは脂肪族ジイソシアネートからなる、請求項2または請求項3に記載のポリウレタン水分散体。
  5. 前記ランダム共重合体(B)の数平均分子量が800〜4000であり、エチレンオキシド単位(EO)とテトラヒドロフラン単位(THF)のモル比がEO/THF=80/20〜10/90である、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のポリウレタン水分散体。
  6. ポリウレタン水分散体中のポリウレタンに対して、EO含有量が1.0重量%以上である、請求項5に記載のポリウレタン水分散体。
  7. EO含有量が1.0重量%以上11重量%以下である、請求項6に記載のポリウレタン水分散体。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のポリウレタン水分散体を用いて得られる、フィルム成形体。
  9. 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のポリウレタン水分散体と、前記ポリウレタン水分散体よりも低モジュラスなゴムラテックスまたは樹脂エマルジョンとの混合物を用いて得られる、フィルム成形体。
  10. 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のポリウレタン水分散体と、ニトリルブタジエンゴムラテックスまたはアクリルエマルジョンとの混合物を用いて得られる、フィルム成形体。
  11. 請求項8から請求項10のいずれか1項に記載のフィルム成形体を含む、手袋。
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