JP2015098183A - クリップボード - Google Patents

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Abstract

【課題】クリップボードにおいて平板の裏側に紙類を収納する収納部の変形を抑えることで、平板をより安定的に保持できるものとし、平板の表側に支持された紙類への記入が難しくなることを抑える。
【解決手段】挟持部10Aは、平板11における表側の板面11Bに配設され、紙類90を挟み込んで表側の板面11Bに載せた状態に保持する。平板11における裏側の板面からは、裏側に張り出されて紙類90を収納する収納部12が設けられる。収納部12は、この収納部12の変形を抑えることが可能な硬質に形成され、かつ、紙類90の出し入れを実現させる出し入れ口12Aを挟持部10Aが設けられる一方に向かって常時開放させる。
【選択図】図2

Description

本発明は、平板の表側に紙類を挟みこむ挟持部を、上記平板の裏側に紙類を収納可能な収納部を、それぞれ設けて形成したクリップボードに関する。
従来から一般的に使用されているクリップボードは、硬質に形成された平板における一方の縁部に挟持部を設けることで、この挟持部を上側に向けた状態で紙類を挟み、この紙類を上記平板に載せた状態に支持させるものである。この構成によれば、クリップボードの使用者は、片手でクリップボードの平板を保持することでその挟持部に挟まれた紙類を上記平板に載せた状態として携帯し、上記紙類をもう一方の手で操作することができる。これにより、クリップボードの使用者は、例えばこの使用者が野外あるいは工場などの現場にいる場合など、紙類を支持する設備(例えば机あるいはテーブル)を利用することができない場合であっても、上記紙類への記入およびこの紙類に記載された事項の参照を容易に行うことができる。
しかし、上記構成のクリップボードには、以下のような問題があった、すなわち、ある紙類に記載された事項を参照しながらこの紙類とは別の紙類に記入を行う作業を想定してこの2種類の紙類をクリップボードにより一緒に携帯し、上記作業を実際に行う場合に、上記2種類の紙類の分離に手間取るおそれ、あるいは、この各紙類を落としてしまうおそれがあった。
上記問題の具体例としては、工場などの現場において点検者が行う各種の点検作業があげられる。この点検作業においては、上記点検者は、点検の要領が記載されたチェックリスト、および、このチェックリストとは別綴りとされた記録用紙の両方を、クリップボードの挟持部に挟み込んで携帯する。そして、上記点検者は、所定の点検場所において上記挟持部の挟持を緩めて上記クリップボードから上記チェックリストを分離させ、このチェックリストを参照しながら点検を行い、点検結果を上記記録用紙に記入する。この場合、上記チェックリストの分離の際に上記クリップボードから上記記録用紙がずれ落ちる可能性、あるいは、上記点検者が上記記録用紙のずれ落ちを抑えようとして上記チェックリストの分離に手間取る可能性がある。
上記問題を解決することが可能な技術としては、例えば特許文献1に開示されている技術が知られている。この技術では、平板の表側に紙類を挟みこむ挟持部を、上記平板の裏側に紙類を収納可能な袋状の収納部を、それぞれ設けることでクリップボードを形成する。このクリップボードによれば、記入を行うべき紙類を挟持部に挟み込み、記載された事項を参照するべき紙類を収納部に収納して各紙類を携帯することで、上記記入を行うべき紙類を落とすことなく、上記記載された事項を参照するべき紙類を容易に取り出すことができる。
実用新案登録第3140325号公報
しかし、上記特許文献1に開示された従来の技術では、変形可能な袋状の収納部が、クリップボードの平板において、この平板が紙類を支持する表側とは反対側の裏側に設けられる。このため、上記従来の技術では、使用者がクリップボードをこのクリップボードの平板を手で保持して使用する際に、上記使用者がクリップボードの収納部が変形することによる不安定感を覚えて、上記平板に支持された紙類への記入に支障が出ることがあった。また、上記従来の技術では、使用者がクリップボードの平板を机あるいはテーブルなどの支持体の上に載せた状態で使用する際に、上記平板の裏側に設けられた収納部の変形により上記平板が不安定となることで、この平板に支持された紙類への記入に支障が出ることがあった。
本発明は、表側に紙類を支持する平板と、この平板の裏側に設けられて紙類を容易に取り出せるように収納する収納部とを備えたクリップボードにおいて、上記収納部の変形を抑えることで、上記平板をより安定的に保持できるものとして、この平板に支持された紙類への記入が難しくなることを抑えることを可能とするものである。
上記課題を解決するために、本発明のクリップボードは以下の手段をとる。
まず、第1の発明は、硬質に形成されて変形が抑えられた平板と、この平板の縁部のうち、この平板の携帯時に水平方向よりも上となる方向に向けられる一方の縁部に設けられた挟持部とを有するクリップボードである。上記挟持部は、平板における表側の板面に配設され、かつ、紙類を挟み込むことでこの紙類を上記表側の板面に載せた状態に保持することができるように構成されている。上記平板における裏側の板面には、この板面に沿って上記裏側に張り出されて、紙類の収納および出し入れが可能とされた収納部が平板とは別体に設けられている。この収納部は、この収納部の変形を抑えることが可能な硬質に形成され、かつ、この収納部において紙類の出し入れを実現させる出し入れ口を上記一方に向かって常時開放させ、かつ、収納部の側縁部に互いに向かい合わせとなるように配設されて平板の側縁部をスライド移動可能に係合させるスライド溝を備えている。
この第1の発明によれば、クリップボードの平板からこの平板の裏側に張り出される収納部を硬質に形成することで、この収納部の変形を抑えることができる。これにより、上記平板をより安定的に保持できるものとして、この平板に支持された紙類への記入が難しくなることを抑えることができる。また、上記収納部において紙類の出し入れを行うための出し入れ口を、平板の携帯時に水平方向よりも上となる方向に向けられる一方に常時開放させる構成によれば、収納部に収納された紙類を容易に取り出すこと、および、上記携帯時において上記出し入れ口からの紙類の抜け落ちを抑えることを両方とも実現させることができる。また、上記第1の発明によれば、クリップボードにおける平板を収納部に対してスライド移動させることで、この収納部に収納された紙類を容易に取り出すことができる。
ついで、第2の発明は、上述した第1の発明において、上記収納部は、この収納部において収納部の携帯時に水平方向よりも下となる方向に向けられる他方に位置される底部における平板側の端に、この平板の底部側の縁部が互いに付き合わされた状態に係合される係合部を備えているものである。
この第2の発明によれば、平板が収納部に対してこの収納部の底部側から抜けるようにスライド移動されることがなくなる。これにより、携帯時において平板が収納部から抜け落ちることが抑えられたクリップボードを提供することができる。
第1の参考形態にかかるクリップボード10の使用状態を表した斜視図である。 図1のクリップボード10を表した正面図である。 図1のIII線矢視図である。 図3のIV−IV線断面図である。 図1のクリップボード10を表した底面図である。 第2の参考形態にかかるクリップボード20の使用状態を表した斜視図である。 の実施形態にかかるクリップボード30を表した斜視図である。 図7のクリップボード30を表した底面図である。 図7のクリップボード30を表した正面図である。 図9のX−X線断面図である。
以下に、本発明を実施するための形態について、図面を用いて説明する。なお、以下においては、各構成が互いに接合される接合面および接合された各構成を互いに接着させる接着剤など、本発明において付随的な構成について、その図示および詳細な説明を省略する。
〈第1の参考形態〉
始めに、第1の参考形態にかかるクリップボード10の構成について、図1ないし図5を用いて説明する。このクリップボード10は、図1および図2に示すように、硬質なプラスチック(例えばアクリル樹脂)によって、変形が抑えられた直方体の薄板として形成された平板11に対して、この平板11の一方(図2で見て上方)の縁部に挟持部10Aを取り付けて形成したクリップボードである。このクリップボード10は、クリップボード10の使用者(図示省略)が工場などの現場において各種の点検作業を行う際に使用される。
挟持部10Aは、図2および図5に示すように、平板11における片側(以下、「表側」と称する。)の板面11Bに配設されている。また、挟持部10Aは、図2および図5の仮想線で示すように、スプリング(図示省略)によって付勢されることで、平板11の表側の板面11Bとともに紙類90を挟み込んで保持することができるようになっている。
なお、クリップボード10における上記一方は、平板11の携帯時に水平方向よりも上に向けられる方向に設定されている。これにより、クリップボード10は、図5に示すように、紙類90を挟み込んだ挟持部10Aが上側に向けられることで、挟み込まれた紙類90を平板11の表側の板面11Bに載せた状態に支持することができる。
また、平板11においては、図1および図3に示すように、上記表側とは反対側となる裏側の板面11Aに、この板面11Aに沿って上記裏側に張り出された収納部12が設けられている。この収納部12は、上述した一方(図3で見て上方)に向かって常時開放された出し入れ口12Aを備えて、この出し入れ口12Aを介して紙類90を収納部12の内部に収納することと、この収納部12に収納された紙類90を出し入れ口12Aから取り出すこととを実現させるようになっている。
上記構成によれば、収納部12において紙類90の出し入れを行うための出し入れ口12Aが、平板11の携帯時に水平方向よりも上となる方向に向けられる。これにより、収納部12に収納された紙類90を容易に取り出すこと、および、上記携帯時において出し入れ口12Aからの紙類90の抜け落ちを抑えることを両方とも実現させることができる。
ここで、収納部12の出し入れ口12Aは、図1に示すように、その縁部が部分的に凹んだ形状に形成されている。この凹みは、収納部12に収納された紙類90を出し入れ口12Aから取り出しやすくする作用効果を有している。
また、収納部12は、平板11を形成するアクリル樹脂と同質のアクリル樹脂によって、収納部12の変形を抑えることが可能な硬質に形成されている。これにより、クリップボード10において収納部12の変形を抑え、平板11をより安定的に保持できるものとして、この平板11に支持された紙類90(図2および図5の仮想線を参照)への記入が難しくなることを抑えることが可能となる。
さて、クリップボード10において、平板11は、図1および図2に示すように、収納部12の出し入れ口12Aからさらに上述した一方(図2で見て上方)に向かって延びるように配設されている。また、平板11の裏側の板面11Aには、図1および図3に示すように、出し入れ口12Aから見て上記一方(図3で見て上方)に位置される部分にスライダー13が取り付けられている。
スライダー13は、図3および図4に示すように、平板11の角となる部分において裏側の板面11Aから突出された突出体13Dに、スライド孔13Eを介して取り付けられている。このスライド孔13Eは、突出体13Dに貫通され、かつ、平板11の上記一方の縁部に沿う方向(図3で見て左右方向)に延びるように配設されている。そして、スライダー13は、スライド孔13Eに対してこのスライド孔13Eに挿通されることで、平板11の上記一方の縁部に沿う方向(図3で見て左右方向)にスライド移動することができるように嵌合される。
なお、突出体13Dは、硬質なプラスチック(例えば平板11を形成するアクリル樹脂と同質のアクリル樹脂)によって形成されて、平板11の裏側において収納部12と面一となる(図1参照)ように突出される。また、スライダー13は、突出体13Dを形成するプラスチックよりも軟質で弾性変形をしやすいプラスチック(例えばポリアセタール樹脂)によって、全体が一体に形成される。
また、スライダー13は、図3および図4に示すように、平板11の側縁部から突出される側(図示右側)の端に、クリップボード10の使用者(図示省略)がつまんで押し引きすることが可能な板状に形成された押し引きつまみ13Bを備えている。この押し引きつまみ13Bは、クリップボード10の使用者(図示省略)が押し引きつまみ13Bをつまんで、この押し引きつまみ13Bを介してスライダー13を押し引きすることを可能とするものである。
ここで、スライダー13は、上記使用者による押し引きによって、平板11に対してこの平板11の上記一方の縁部に沿う方向(図3で見て左右方向)にスライド移動されるようになっている。そして、スライダー13は、上記スライド移動により、突出体13Dに向けてスライダー13の押し引きつまみ13Bが押し込まれた押し込み状態(実線を参照)と、この押し引きつまみ13Bが突出体13Dから引き出された引き出し状態(仮想線を参照)とに切り替えられるようになっている。
ここで、押し引きつまみ13Bは、図4に示すように、スライダー13において突出体13Dのスライド孔13Eに挿通される部分から突出体13Dの突出方向(図示上方向)に向かって延び、この突出体13Dに対して面一となるように設けられている。これにより、クリップボード10の使用者(図示省略)は、スライダー13が上記引き出し状態にある場合に、押し引きつまみ13Bに指をかけてこの押し引きつまみ13Bを押圧することで、スライダー13をスライド移動させて上記押し込み状態に切り替えることができる。
また、スライダー13は、図3および図4に示すように、押し引きつまみ13Bとは反対側に位置される端(図示左側の端)に、クリップボード10の使用者(図示省略)がつまんで押し引きすることが可能な板状に形成された抜け止め部13Aを備えている。この抜け止め部13Aは、図4に示すように、スライダー13において突出体13Dのスライド孔13Eに挿通される部分から突出体13Dの突出方向(図示上方向)に向かって延び、この突出体13Dに対して面一となるように設けられている。
上記構成によれば、抜け止め部13Aは、押し引きつまみ13Bとともにスライダー13が突出体13Dのスライド孔13Eから抜けて脱落することを抑える機能を発揮する。また、クリップボード10の使用者(図示省略)は、抜け止め部13Aをつまんでこの抜け止め部13Aを介してスライダー13を押し引きし、このスライダー13をスライド移動させることが可能となる。また、上記使用者は、上述した押し込み状態において押し引きつまみ13Bをつまんで押し引きすることが難しいと感じた場合に、突出体13Dから突出された状態の抜け止め部13Aに指をかけてこの抜け止め部13Aを押圧することで、スライダー13を容易にスライド移動させて上述した引き出し状態への切り替えを行うことができる。
さらに、上記構成によれば、スライダー13において平板11の裏側に突出される各構成である突出体13Dおよび押し引きつまみ13Bならびに抜け止め部13Aは、それぞれ収納部12に対して面一とされる。このため、収納部12を下側に向けて支持体(例えば机あるいはテーブル。図示省略)の上に載せたときに、この支持体とスライダー13において突出される上記各構成とが干渉して収納部12が上記支持体から浮き上がった状態となることが抑えられる。これにより、支持体(図示省略)の上に載せた状態で使用する場合でも、平板11が不安定となってこの平板11に載せられた状態に支持された紙類90(図5の仮想線を参照)への記入が難しくなることが抑えられたクリップボード10を提供することができる。
ところで、スライダー13は、図3に実線で示すように、上述した押し込み状態において、スライダー13の抜け止め部13Aが収納部12の出し入れ口12Aに対して上記一方から干渉されやすくなるように突出された状態とされる。また、スライダー13は、図3に仮想線で示すように、上述した引き出し状態において、スライダー13の抜け止め部13Aが収納部12の出し入れ口12Aに対して干渉されにくくなるように引き込まれた状態とされる。
上述した各構成によれば、スライダー13をスライド移動させて上記押し込み状態に切り替え、スライダー13の抜け止め部13Aを収納部12の出し入れ口12A(図3参照)に干渉されやすくすることで、この出し入れ口12Aにおける紙類90の出入りを規制することができる。これにより、収納部12の出し入れ口12Aを常時開放させた構成としながら、必要なときにはこの出し入れ口12Aにおける紙類90の出入りを規制して出し入れ口12Aからの紙類90の抜け落ちを抑えることができる。また、抜け止め部13Aを収納部12に対して面一とされるように突出させる構成によれば、抜け止め部13Aにおいて平板11の裏側に突出された先端部分と出し入れ口12Aとの間に生じる隙間を通じて紙類90が抜け落ちることが抑えられたクリップボード10を提供することができる。
なお、突出体13Dのスライド孔13Eには、図3および図4に示すように、突出体13Dが突出される側(図4で見て上側)の面から平板11側(図4で見て下側)に向かって、平板11の側縁部と平行に(図3参照)突出された係止突起13Fが1本設けられている。また、スライダー13には、係止突起13Fに対して嵌め外し可能に係止することが可能な係止溝13Cが2本設けられている。
ここで、2本の係止溝13Cのうち1本は、スライダー13が上記押し込み状態にあるときに、スライド孔13Eの係止突起13Fに対して互いに対向されて係止されるように配設されている。また、2本の係止溝13Cのうち残り1本は、スライダー13が上記引き出し状態にあるときに、スライド孔13Eの係止突起13Fに対して互いに対向されて係止されるように配設されている。この構成によれば、スライダー13が上記押し込み状態または上記引き出し状態にあるときにスライダー13の係止溝13Cの1本とスライド孔13Eの係止突起13Fとを互いに嵌め外し可能に係止させることができる。そして、上記スライダー13の各状態が使用者(図示省略)の意図によらずに切り替わることが抑えられたクリップボード10を提供することができる。また、スライダー13を突出体13Dを形成するプラスチック(アクリル樹脂)よりも軟質で弾性変形をしやすいプラスチック(ポリアセタール樹脂)によって形成する構成によれば、上記係止溝13Cと係止突起13Fとの係止の嵌め外しを行う際に、スライダー13が変形されることによって上記嵌め外しが容易に実現されるようになる。
さて、収納部12は、図1、図2、および、図5に示すように、上述した一方とは反対側(すなわち、平板11および収納部12を一緒に携帯する時に水平方向よりも下となる方向に向けられる方向、図2では下方向)となる他方に底部12Bを有している。この底部12Bには、収納部12の内部と外部とを繋ぐように貫通された貫通孔12Cが形成されている。
上記構成によれば、収納部12の内部に水またはゴミなどの異物が入り込んだ場合に、この異物を収納部12に形成された貫通孔12Cを通して外部に排出することができる。また、収納部12の貫通孔12Cを上記他方に位置された底部12Bに位置させることで、収納部12の内部に入り込んだ異物を重力によって下方に移動させ、この異物を収納部12の内部から外部へ容易に排出することが可能となる。
ところで、平板11を形成するアクリル樹脂は、図4に示すように、透明なものである。このため、平板11は、図2に示すように、この平板11の表側の板面11Bから収納部12の内部に収納された紙類90を視認することが可能な透明性を有するように形成される。この構成によれば、クリップボード10の使用者(図示省略)は、クリップボード10の収納部12に収納された紙類90に記載された事項(例えば図2に隠れ線で示す紙類90に書かれた「A」の文字)を、この紙類90を収納部12から取り出すことなく参照することができる。
また、収納部12は、平板11を形成するアクリル樹脂と同質のアクリル樹脂によって形成されることで、内部に収納された紙類90を外部から視認することが可能な透明性を有するように形成される。この構成によれば、クリップボード10の使用者(図示省略)は、平板11の表側の板面11Bに紙類90が載せられている状態(図2および図5の仮想線を参照)であっても、収納部12を通してこの収納部12に収納された紙類90に記載された事項を視認して、紙類90を収納部12から取り出すことなく上記事項を参照することができる。
〈第2の参考形態〉
続いて、第2の参考形態にかかるクリップボード20の構成について、図6を用いて説明する。第2の参考形態にかかるクリップボード20は、第1の参考形態にかかるクリップボード10を変形した形態である。したがって、上記第1の参考形態にかかるクリップボード10の各構成と共通する構成については、第1の参考形態にかかるクリップボード10の各構成に付した符号から、その十の位の数字を「2」に置き換えた符号を付して対応させ、その詳細な説明を省略する。
第2の参考形態のクリップボード20は、図6に示すように、収納部22からの紙類90の出入りを規制する構成を、スライダー13(図1を参照)からストッパー23に置き換えたものである。
クリップボード20において、平板21は、収納部22の出し入れ口22Aからさらに一方に向かって延びるように配設されて、この一方の縁部に挟持部20Aが取り付けられている。また、平板21の裏側の板面21Aには、出し入れ口22Aから見て上記一方に位置される部分に、上記裏側に向かって開口されたストッパー23の穴23Bが配設されている。
ストッパー23の穴23Bは、図6に仮想線で示すように、ストッパー23の差し込み棒23Aが差し込まれると、この差し込み棒23Aの先端部分に対して着脱可能に係合されることで差し込み棒23Aを保持するようになっている。これにより、ストッパー23は、出し入れ口22Aから見て上記一方に位置される部分に差し込み棒23Aが突出され、この差し込み棒23Aが出し入れ口22Aの一部を上記一方から覆った状態を実現させる。
上記構成によれば、平板21の裏側に開口された穴23Bに差し込み棒23Aを差し込んでこの差し込み棒23Aにより収納部22の出し入れ口22Aの一部を覆うことで、この出し入れ口22Aにおける紙類90の出入りを規制することができる。これにより、収納部22の出し入れ口22Aを常時開放させた構成としながら、必要なときにはこの出し入れ口22Aにおける紙類90の出入りを規制してこの紙類90の出し入れ口22Aからの抜け落ちを抑えることができる。
なお、ストッパー23の差し込み棒23Aは、図6に示すように、リーシュコード23Cを介して平板21に繋がれている。これにより、穴23Bから外されたストッパー23の差し込み棒23Aが紛失されることが抑えられたクリップボード20を提供することができる。
また、差し込み棒23Aは、平板21を形成するプラスチック(例えばアクリル樹脂)よりも軟質で弾性変形をしやすいプラスチック(例えばポリアセタール樹脂)によって形成されている。これにより、穴23Bに差し込み棒23Aを差し込んで係合させる操作を容易に行うことが可能なクリップボード20を提供することができる。
また、差し込み棒23Aは、この差し込み棒23Aが穴23Bに差し込まれて係合された状態においてこの穴23Bから差し込み棒23Aが突出される突出長さが、平板21の板面21Aから収納部22が張り出される張り出し厚さと等しくなるように形成されている。この構成によれば、差し込み棒23Aにおいて平板21の裏側に突出された根元部分と出し入れ口22Aとの間に生じる隙間を通じて紙類90が抜け落ちることが抑えられたクリップボード20を提供することができる。また、上記構成によれば、収納部22を下側に向けて支持体(例えば机あるいはテーブル。図示省略)の上に載せたときに、この支持体と差し込み棒23Aとが干渉して収納部22が上記支持体から浮き上がった状態となることが抑えられる。これにより、支持体(図示省略)の上に載せた状態で使用する場合でも、平板21が不安定となってこの平板21に載せられた状態に支持された紙類(図示省略)への記入が難しくなることが抑えられたクリップボード20を提供することができる。
〈第1の実施形態〉
続いて、第1の実施形態にかかるクリップボード30の構成について、図7ないし図10を用いて説明する。第1の実施形態にかかるクリップボード30は、第1の参考形態にかかるクリップボード10を変形した実施形態である。したがって、上記第1の参考形態にかかるクリップボード10の各構成と共通する構成については、第1の参考形態にかかるクリップボード10の各構成に付した符号から、その十の位の数字を「3」に置き換えた符号を付して対応させ、その詳細な説明を省略する。
第1の実施形態のクリップボード30は、図9および図10に示すように、このクリップボード30における平板31および収納部32を、それぞれ変形を抑えることが可能な硬質の素材により別体に形成したものである。具体的には、平板31は、透明なポリエチレンテレフタラートによって、平板31の変形を抑えることが可能な硬質に形成されている。また、収納部32は、不透明なメラミン−ホルムアルデヒド樹脂によって、収納部32の変形を抑えることが可能な硬質に形成されている。なお、平板31および収納部32は互いに異なる素材とする必要はなく、例えばクリップボード10の平板11および収納部12(図1参照)を形成するアクリル樹脂と同質のアクリル樹脂によって平板31および収納部32を形成することが可能である。
収納部32は、図8および図9に示すように、この収納部32の各側縁部(図示左右両側の縁部)にスライド溝32Dを備えている。この各スライド溝32Dは、収納部32において互いに向かい合わせとなるように配設されることで、平板31の各側縁部(図示左右両側の縁部)をスライド移動可能に係合させている。
上記構成によれば、クリップボード30の使用者(図示省略)は、図9に示すように、平板31を収納部32に対してスライド移動させることで、この収納部32に収納された紙類(図示省略)を容易に取り出すことができる。このため、クリップボード30においては、収納部32の出し入れ口32Aの縁部に、この出し入れ口32Aから紙類(図示省略)を取り出しやすくする凹みが形成されていない。
また、収納部32は、図7ないし図10に示すように、この収納部32の底部32Bにおける平板31側(図10で見て上側)の端に係合部32Eを備えている。この係合部32Eには、図10に示すように、平板31の底部32B側の縁部(図示右側の縁部)が互いに付き合わされた状態に係合されるようになっている。
上記構成によれば、平板31が収納部32に対してこの収納部32の底部32B側から抜けるようにスライド移動されることがなくなる。これにより、携帯時において平板31が収納部32から抜け落ちることが抑えられたクリップボード30を提供することができる。
なお、クリップボード30においては、図7および図9に示すように、各スライド溝32Dにおける出し入れ口32A側(図9で見て上側)の各端部から平板31が抜けることを規制する構成が設けられていない。このため、平板31は、収納部32に対してこの収納部32の出し入れ口32A側から抜けるようにスライド移動されることで、収納部32に対して互いに分離された状態(図示省略)とすることができる。
上記構成によれば、クリップボード30の使用者(図示省略)は、クリップボード30における収納部32と平板31とを互いに分離させ、分離された平板31のみを保持した状態でクリップボード30を使用することができる。これにより、クリップボード30を従来のクリップボード(例えば上述した特許文献1を参照)と比べてより使い勝手がよいものとすることができる。
また、クリップボード30においては、図7ないし図10に示すように、収納部32からの紙類(図示省略)の出入りを規制する構成(例えば図6に示すクリップボード20のストッパー23)が設けられていない。ただし、クリップボード30において上記紙類の出入りを規制する構成を追加して設けてもよい。
また、クリップボード30の挟持部30Aおよび貫通孔32Cは、図7および図8に示すように、第1の参考形態にかかるクリップボード10の挟持部10Aおよび貫通孔12C(図1、図2、および、図5を参照)とは異なる形状に形成されている。しかしながら、クリップボード30の挟持部30Aおよび貫通孔32Cが有する各作用効果は、クリップボード10の挟持部10Aおよび貫通孔12Cが有する各作用効果と同じであるため、その詳細な説明を省略する。
本発明は、上述した第1および第2の参考形態との実施形態とを用いて説明した外観、構成に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。例えば、以下のような各種の形態を実施することができる。
(1)上述した第1の参考形態において、スライダーの具体的な構成は上述したものに限定されない。すなわち、例えば平板の板面にうがたれたスライド穴にスライダーを嵌合させ、このスライダーが平板における裏側の板面から突出されるようにスライドされる構成を採用することができる。また、スライダーを、収納部の出し入れ口の全体を覆うことができる形状に形成した構成を採用することもできる。
(2)本発明のクリップボードにおける平板および収納部の材質は、アクリル樹脂またはポリエチレンテレフタラートあるいはメラミン−ホルムアルデヒド樹脂に限定されない。すなわち、上記平板および収納部は、例えば、ABS樹脂、発泡ポリプロピレン、ポリ乳酸、硬質塩化ビニル、低発泡塩化ビニル、または、発泡ポリスチレンなどの、任意のプラスチックによって形成することができる。また、上記平板および収納部は、例えば木または厚紙あるいは金属など、プラスチック以外の任意の素材によって形成することもできる。
(3)本発明のクリップボードには、上述した第1の参考形態で説明したスライダー、および、上述した第2の参考形態で説明したストッパーの両方を一緒に備えさせることができる。
(4)本発明のクリップボードは、工場などの現場において各種の点検作業に使用されるクリップボードに限定されない。すなわち、本発明は、例えば画用紙に絵を描く際に画板として使用されるクリップボードあるいは回覧板として使用されるクリップボードなど、任意の種類のクリップボードに適用することができる。
10 クリップボード
10A 挟持部
11 平板
11A 板面
11B 板面
12 収納部
12A 出し入れ口
12B 底部
12C 貫通孔
13 スライダー
13A 抜け止め部
13B 押し引きつまみ
13C 係止溝
13D 突出体
13E スライド孔
13F 係止突起
20 クリップボード
20A 挟持部
21 平板
21A 板面
22 収納部
22A 出し入れ口
22B 底部
22C 貫通孔
23 ストッパー
23A 差し込み棒
23B 穴
23C リーシュコード
30 クリップボード
30A 挟持部
31 平板
31A 板面
31B 板面
32 収納部
32A 出し入れ口
32B 底部
32C 貫通孔
32D スライド溝
32E 係合部
90 紙類

Claims (2)

  1. 硬質に形成されることで変形が抑えられた平板と、当該平板の縁部のうち、当該平板の携帯時に水平方向よりも上となる方向に向けられる一方の縁部に設けられた挟持部とを有するクリップボードにおいて、
    前記挟持部は、前記平板における表側の板面に配設され、かつ、紙類を挟み込むことでこの紙類を前記表側の板面に載せた状態に保持することができるように構成され、
    前記平板における裏側の板面には、この板面に沿って前記裏側に張り出されて、紙類の収納および出し入れが可能とされた収納部が前記平板とは別体に設けられ、
    前記収納部は、当該収納部の変形を抑えることが可能な硬質に形成され、かつ、当該収納部において紙類の出し入れを実現させる出し入れ口を前記一方に向かって常時開放させ、かつ、前記収納部の側縁部に互いに向かい合わせとなるように配設されて前記平板の側縁部をスライド移動可能に係合させるスライド溝を備えている、
    クリップボード。
  2. 請求項1に記載されたクリップボードであって、
    記収納部は、当該収納部において当該収納部の携帯時に水平方向よりも下となる方向に向けられる他方に位置される底部における前記平板側の端に、当該平板の前記が互いに付き合わされた状態係合される係合部を備えている、
    クリップボード。
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