JP2015094299A - 内燃機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃機関から熱負荷を受ける部品を適切に保護するとともにCOやHCの排出量を抑制することができる内燃機関の燃料噴射制御装置を提供する。
【解決手段】内燃機関EGの運転状態が、負荷と回転速度で予め定められた部分負荷域か高負荷域かを検出する負荷域検出手段11と、前記内燃機関から熱負荷を受ける第1部品127の温度を検出する第1部品温度検出手段11と、前記内燃機関の運転状態が前記部分負荷域から前記高負荷域に移行する第1タイミングtと、前記第1部品の温度が第1所定温度以上になる、前記第1タイミングより後の第2タイミングtのそれぞれにおいて、前記内燃機関に対する燃料噴射量を増量する制御手段11と、を備える。
【選択図】 図3A

Description

本発明は、内燃機関の燃料噴射制御装置に関するものである。
内燃機関の運転状態が部分負荷域にある場合は、空燃比を理論空燃比以上に制御する一方で、運転状態が部分負荷域よりも高負荷域にある場合は、内燃機関から熱負荷を受ける排気浄化触媒等の過熱を防止するために、空燃比を理論空燃比よりも小さいリッチ側に制御するとともに、COやHCの排出量を抑制するために、内燃機関の運転状態が部分負荷域から高負荷域に移行したときの空燃比の切替えを所定の遅延時間が経過するまで遅らせるものが知られている(特許文献1)。
特開2000−45821号公報
しかしながら、上記従来技術のように内燃機関の運転状態が部分負荷域から高負荷域に移行したときの空燃比の切替えを所定時間だけ遅らせる制御方法を採ったとしても、排気浄化触媒の温度上昇が早いと結果的に遅延時間が短くなり、COやHCの排出量を抑制できないという問題がある。
本発明が解決しようとする課題は、内燃機関から熱負荷を受ける部品を適切に保護するとともにCOやHCの排出量を抑制することができる内燃機関の燃料噴射制御装置を提供することである。
本発明は、内燃機関の運転状態が部分負荷域から高負荷域に移行した場合に燃料噴射量を段階的に増量制御することによって上記課題を解決する。
本発明によれば、初段の増量制御によって内燃機関から熱負荷を受ける部品の温度上昇速度が小さくなるので、次段の増量制御を行うタイミングを遅らせることができる。その結果、COやHCの排出量を抑制することができるとともに熱負荷を受ける部品の過熱も防止できる。
本発明の一実施の形態を適用した内燃機関を示すブロック図である。 図1のエンジンコントロールユニットの燃料噴射制御の一例を示すフローチャートである。 図2のステップS1〜S9の燃料噴射制御の時間的制御内容を示すタイムチャートである。 比較例に係る燃料噴射制御の時間的制御内容を示すタイムチャートである。 図1の排気浄化触媒のエンジンの運転空燃比に対する浄化率を示す特性図である。 図3Aの時間tで実施する第1段増量制御の増量率とCO排出量及び燃費との関係を示すグラフである。 噴射燃料の空燃比に対する排気浄化触媒におけるCO転換率の関係を示すグラフである。 噴射燃料の空燃比に対する排気ガスの温度の関係を示すグラフである。 エンジン回転速度及びエンジン負荷に基づいて部分負荷域と高負荷域が設定された制御マップである。
図1は、本発明の一実施の形態に係る燃料噴射制御装置を適用した内燃機関(以下、エンジンともいう)を示すブロック図であり、火花点火式エンジンEGに本発明の燃料噴射制御装置を適用した例を説明する。
図1において、エンジンEGの吸気通路111には、エアーフィルタ112、吸入空気流量を検出するエアフローメータ113、吸入空気流量を制御するスロットルバルブ114およびコレクタ115が設けられている。スロットルバルブ114には、当該スロットルバルブ114の開度を調整するDCモータ等のアクチュエータ116が設けられている。このスロットルバルブアクチュエータ116は、アクセル開度センサ143により検出される運転者のアクセルペダル操作量等に基づき演算される要求トルクを達成するように、エンジンコントロールユニット11からの駆動信号に基づき、スロットルバルブ114の開度を電子制御する。また、スロットルバルブ114の開度を検出するスロットルセンサ117が設けられ、その検出信号をエンジンコントロールユニット11へ出力する。なお、スロットルセンサ117はアイドルスイッチとしても機能させることができる。
また、コレクタ115から各気筒に分岐した吸気通路の燃料噴射ポート111aに臨ませて、燃料噴射バルブ118が設けられている。燃料噴射バルブ118は、エンジンコントロールユニット11において設定される駆動パルス信号によって開弁駆動され、図外の燃料ポンプから圧送されてプレッシャレギュレータにより所定圧力に制御された燃料を燃料噴射ポート111a内に噴射する。なお、本発明では、燃料噴射バルブ118からの燃料が燃焼室123に直接噴射されるように設けてもよい。
本例の燃料噴射制御装置は、エンジンEGから熱負荷を受ける部品が過熱状態になるのを防止するために燃料を増量し、燃焼温度を低下させることで当該部品を保護する制御を実行する。以下の実施の形態では、排気浄化触媒127を第1保護部品として説明し、排気浄化触媒127の他の、エンジンEGから熱負荷を受ける、エギゾーストマニホールド、吸気バルブ121、排気バルブ122、排気通路125に設けられた空燃比センサ126、酸素センサ128、排気温度センサ140、図示しない過給機などを第2保護部品として説明する。この燃料増量制御の詳細は後述する。
シリンダ119と、当該シリンダ119内を往復移動するピストン120の冠面と、吸気バルブ121及び排気バルブ122が設けられたシリンダヘッドとで囲まれる空間が燃焼室123を構成する。点火プラグ124は、各気筒の燃焼室123に臨んで装着され、エンジンコントロールユニット11からの点火信号に基づいて吸入混合気に対して点火を行う。
一方、排気通路125には、排気中の特定成分、たとえば酸素濃度を検出することにより排気、ひいては吸入混合気の空燃比を検出する空燃比センサ126が設けられ、その検出信号はエンジンコントロールユニット11へ出力される。この空燃比センサ126は、リッチ・リーン出力する酸素センサであってもよいし、空燃比をリニアに広域に亘って検出する広域空燃比センサであってもよい。
また、排気通路125には、排気を浄化するための排気浄化触媒127が設けられている。この排気浄化触媒127としては、ストイキ(理論空燃比,λ=1、空気重量/燃料重量=14.7)近傍において排気中の一酸化炭素COと炭化水素HCを酸化するとともに、窒素酸化物NOxの還元を行って排気を浄化することができる三元触媒、或いは排気中の一酸化炭素COと炭化水素HCの酸化を行う酸化触媒を用いることができる。
図4にエンジンの運転空燃比に対する三元触媒の浄化率特性図を示す。同図に示すように三元触媒は、エンジンの運転空燃比が理論空燃比付近の狭い範囲に入っているときに、NOx,HC,COの全てについて極めて高い浄化率を発揮する特性がある。このため、この種の排気浄化触媒127を備えたエンジンの空燃比制御としては、エンジンの運転状態が図8に示す部分負荷域(低負荷〜中負荷)にある場合は、空燃比を理論空燃比にフィードバック制御するλフィードバックゾーンを設定し、排気ガス中の有害成分を十分に浄化させる。一方において、エンジンの運転状態が、例えば急加速時や高速走行時のようにλフィードバックゾーンよりもエンジンの回転速度や負荷が高い高負荷域にある場合は、空燃比を理論空燃比よりも濃いリッチ側に切替え、余剰の燃料を供給することによりエンジン本体、排気浄化触媒127、エギゾーストマニホールド、吸気バルブ121、排気バルブ122、空燃比センサ126、酸素センサ128、排気温度センサ140、図示しない過給機等の過熱を防止する。
排気通路125の排気浄化触媒127の下流側には、排気中の特定成分、たとえば酸素濃度を検出し、リッチ・リーン出力する酸素センサ128が設けられ、その検出信号はエンジンコントロールユニット11へ出力される。ここでは、酸素センサ128の検出値により、空燃比センサ126の検出値に基づく空燃比フィードバック制御を補正することで、排気浄化触媒127の劣化等に伴う制御誤差を抑制するため(いわゆるダブル空燃比センサシステム採用のため)に下流側酸素センサ128を設けて構成したが、空燃比センサ126の検出値に基づく空燃比フィードバック制御を行なわせるだけでよい場合には、酸素センサ128を省略することができる。
排気通路125の排気浄化触媒127の入口近傍には排気温度を検出する排気温度センサ140が設けられ、その検出信号はエンジンコントロールユニット11へ出力される。なお、図1において129はマフラである。
エンジンEGのクランク軸130にはクランク角センサ131が設けられ、エンジンコントロールユニット11は、クランク角センサ131から機関回転と同期して出力されるクランク単位角信号を一定時間カウントすることで、又は、クランク基準角信号の周期を計測することで、エンジン回転速度Neを検出することができる。
エンジンEGの冷却ジャケット132には、水温センサ133が当該冷却ジャケットに臨んで設けられ、冷却ジャケット131内の冷却水温度Twを検出し、これをエンジンコントロールユニット11へ出力する。
エンジンEGが搭載された車両のエンジンルームには、外気温センサ141が設けられ、エンジンEGの外部環境温度を検出しこれをエンジンコントロールユニット11へ出力する。また、エンジンルームの前方にはエンジンEGの冷却水を冷却するためのラジエータ(放熱器)が搭載され、ラジエータファンを備えるが、このラジエータファンを駆動するラジエータファンモータには回転速度センサ142が設けられ、ラジエータファンの回転速度を検出しこれをエンジンコントロールユニット11へ出力する。
既述したように、各種センサ類113,117,126,128,131,133,140,141,142からの検出信号は、CPU,ROM,RAM,A/D変換器及び入出力インタフェース等を含んで構成されるマイクロコンピュータからなるエンジンコントロールユニット11に入力され、当該エンジンコントロールユニット11は、センサ類からの信号に基づいて検出される運転状態に応じて、スロットルバルブ114の開度を制御し、燃料噴射バルブ118を駆動して燃料噴射量と燃料噴射時期を制御する。
特に本例では、エンジンEGの運転状態が図8に示す部分負荷域か高負荷域かを検出するとともに、エンジンEGから熱負荷を受ける第1部品である排気浄化触媒127や、第2部品であるエギゾーストマニホールド、吸気バルブ121、排気バルブ122、空燃比センサ126、酸素センサ128、排気温度センサ140、図示しない過給機等の推定温度を演算し、エンジンEGが高負荷域に移行する場合に燃料噴射量の第1段増量を行い、第1部品である排気浄化触媒127の推定温度が所定の上限値を超える場合に燃料噴射量の第2段増量を行い、第2部品であるエギゾーストマニホールド等の推定温度が所定の上限値を超える場合に燃料噴射量の第3段増量を行うことで、保護対象部品である第1部品及び第2部品の過熱を防止する。増量制御の際は、燃料噴射量の基本値に対するオフセット補正やゲイン補正を採用することができる。
図2はこの制御内容の一例を示すフローチャートであり、排気浄化触媒127等の過熱を防止するための燃料の増量制御について説明する。この制御フローは短い演算サイクル周期で(例えば100msec毎に)繰り返し実行される。まずステップS1では、排気温度センサ140により排気通路125の排気浄化触媒127の上流側近傍の排気温度を読み込み、エアフローメータ113により吸入空気量を読み込み、外気温度センサ141によりエンジンルーム内のエンジンEGの外部環境温度を読み込み、クランク角センサ131によりエンジン回転速度を介して車速を読み込み、ラジエータファン回転速度センサ142よりラジエータファン回転速度を読み込み、アクセル開度センサ143により検出される運転者のアクセルペダル操作量等に基づき演算される要求トルク(エンジン負荷)を読み込む。
ステップS2では、ステップS1にて読み込まれた排気温度、吸入空気量、外気温度、車速及びラジエータファン回転速度の各検出値に基づいて第1部品である排気浄化触媒127の温度Tを推定する。排気浄化触媒127の温度Tは、排気温度センサ140の検出温度に対し、当該排気温度センサ140自体の応答遅れ補正と、吸入空気量による過渡応答補正と、外気温度,車速及びラジエータファン回転速度による雰囲気温度の補正を実行して求める。たとえば、吸入空気量が多いと過渡応答が速く、吸入空気量が少ないと過渡応答が遅い。また、外気温度が低い場合や車速が大きい場合やラジエータファン回転速度が大きい場合は、雰囲気温度により排気通路125が冷却される方向に作用するので排気温度をマイナス側に補正する。逆に外気温度が高い場合や車速が小さい場合やラジエータファン回転速度が小さい場合は、雰囲気温度により排気通路125が加熱される方向に作用するので排気温度をプラス側に補正する。この推定温度を第1部品温度Tと称する。
ステップS3では、ステップS1にて読み込まれた排気温度、吸入空気量、外気温度、車速及びラジエータファン回転速度の各検出値に基づいて第2部品である、エギゾーストマニホールド、吸気バルブ121、排気バルブ122、排気通路125に設けられた空燃比センサ126、酸素センサ128、排気温度センサ140、図示しない過給機の温度Tを推定する。この推定温度を第2部品温度Tと称するが、これらのうち過熱から最も保護すべき部品を選択し、その部品の温度のみを推定してもよい。これら第2部品温度Tも、上述した第1部品温度Tと同様に、排気温度センサ140の検出温度に対し、当該排気温度センサ140自体の応答遅れ補正と、吸入空気量による過渡応答補正と、外気温度,車速及びラジエータファン回転速度による雰囲気温度の補正を実行して求めることができる。
ステップS4では、ステップS1にて読み込まれたエンジン回転速度と要求トルク(エンジン負荷)から、予めエンジンコントロールユニット11のメモリに記憶されている図8に示す制御マップを参照し、エンジンの運転状態、すなわち現在のエンジン回転数及びエンジン負荷による運転状態が部分負荷域か高負荷域かを判定する。エンジンの運転状態が部分負荷域である場合は、空燃比を理論空燃比に設定したλフィードバック制御を実行し、排気浄化触媒127にて排気ガスに含まれるNOx,HC及びCOを高効率で除去する。これに対して、例えば急加速時や高速走行時のように部分負荷域よりもエンジンの回転速度や負荷が高い高負荷域である場合は、空燃比を理論空燃比よりも濃いリッチ側に切替え、余剰の燃料を供給することにより第1部品及び第2部品の過熱を防止する。このため、エンジンの運転状態が高負荷域にある場合はステップS5へ進み、部分負荷域にある場合はステップS1へ戻る。
ステップS5では、ステップS2にて求めた排気浄化触媒127の第1部品温度Tと、予め設定された第1増量開始閾値とを比較する。この第1増量開始閾値は、第1部品である排気浄化装置127が熱負荷により損傷を受ける温度未満の値である。第1部品温度Tが第1増量開始閾値以上である場合はステップS6へ進み、第1部品温度Tが第1増量開始閾値未満である場合はステップS8へ進む。そして、ステップS8では燃料噴射量を第1段の増量率だけ増量した後、ステップS1へ戻る。以降の演算サイクルで、エンジンの運転状態が高負荷域であり、かつ第1部品温度Tが第1増量開始閾値未満であり続ければ、ステップS8へ進んで第1段の増量制御が継続される。この第1段の増量制御により、排気浄化触媒127や第2部品の温度上昇速度が小さくなる。
ステップS6では、ステップS3にて求めたエグゾースとマニホールド等の第2部品温度Tと、予め設定された第2増量開始閾値とを比較する。この第2増量開始閾値は、第2部品であるエグゾースとマニホールド等が熱負荷により損傷を受ける温度未満の値であり、上記第1増量開始閾値より高い温度である。第2部品温度Tが第2増量開始閾値以上である場合はステップS7へ進み、第2部品温度Tが第2増量開始閾値未満である場合はステップS9へ進む。そして、ステップS9では燃料噴射量を第2段の増量率だけ増量した後、ステップS1へ戻る。以降の演算サイクルで、エンジンの運転状態が高負荷域であり、かつ第1部品温度Tが第1増量開始閾値以上であり、かつ第2部品温度Tが第2増量開始閾値未満であり続ければ、ステップS9へ進んで第2段の増量制御が継続される。この第2段の増量制御により、第1部品である排気浄化触媒127の過熱を防止することができる。
ステップS7では燃料噴射量を第3段の増量率だけ増量した後、ステップS1へ戻る。以降の演算サイクルで、エンジンの運転状態が高負荷域であり、かつ第1部品温度Tが第1増量開始閾値以上であり、かつ第2部品温度Tが第2増量開始閾値以上であり続ければ、ステップS7へ進んで第3段の増量制御が継続される。この第3段の増量制御により、第2部品であるエグゾースとマニホールド等の過熱を防止することができる。
図3Aは、上述した制御ルーチンにおいて、エンジン負荷が上昇して時間tにて高負荷域(燃料増量制御域)に入ると、燃料噴射バルブ118からの燃料噴射量の第1段増量制御を実行し、さらに時間tにて排気浄化触媒127の第1部品温度Tが第1増量開始閾値に達すると、燃料噴射バルブ118からの燃料噴射量の第2段増量制御を実行し、さらに時間tにてエグゾースとマニホールド等の第2部品温度Tが第2増量開始閾値に達すると、燃料噴射バルブ118からの燃料噴射量の第3段増量制御を実行することを示している。
これに対して、図3Bは、上述した従来技術のように制御した比較例を示すものであり、エンジン負荷が上昇して時間tにて高負荷域(燃料増量制御域)に入ると所定の遅延時間を経過した後、時間tにて第1部品温度Tが第1増量開始閾値に達すると、燃料噴射バルブ118からの燃料噴射量の第1段増量制御を実行し、さらに時間tにて第2部品温度Tが第2増量開始閾値に達すると、燃料噴射バルブ118からの燃料噴射量の第2段増量制御を実行することを示している。
図3A及び図3Bの第1部品温度Tと第2部品温度Tの温度上昇速度を比較すると明らかなように、エンジンの運転状態が高負荷域に達した後に遅延時間を設けたとしても、この間は排気ガスを冷却することを積極的に行っていないので第1部品や第2部品の温度はさらに上昇を続け、結果的に高負荷域に達してから第1部品温度Tが第1増量開始閾値に達するまでの時間Δtが短くなってしまう。これに対して、本例の増量制御では、エンジンの運転状態が高負荷域に達したら第1段の増量制御を実行するので、この間に排気ガスが冷却され、これにより第1部品や第2部品の温度上昇速度が小さくなる。このため、次に第1部品温度T1が第1増量開始閾値に達するまでの時間Δtが相対的に長くなる。
ちなみに、通常の運転状態においては、高負荷域に到達t1→第1部品温度T1が第1増量開始閾値に到達→第2部品温度T2が第2増量開始閾値に到達の順序で現れるが、エンジンEG自体に失火などの不具合が生じた場合などには、同じ演算サイクルにおいて運転状態が高負荷域に入り、かつ第1部品温度が第1増量開始閾値以上になったり、さらに第2部品温度が第2増量開始閾値以上になったりすることがあるが、こうした状況ではλ=1のストイキ制御から直接第2段の増量制御を行ったり、ストイキ制御から直接第3段の増量制御を行ってもよい。
上述した第1段〜第3段の増量率とは、ストイキλ=1に対する燃料増量量の比率をいう。そして、図3Aに示すように、第1部品である排気浄化触媒127の過熱を防止するための第2段の増量率Δmに相当する燃料の増量量の一部を時間tにおける第1段の増量量とし、残余の増量量を時間tにおいて第1段の増量量に追加する。この第2段の増量率Δmは、図3Bに示す比較例の第1段の増量率Δmに相当する。つまり、本例の増量制御は、図3Bに示す比較例の遅延時間に代えて、排気浄化触媒127の過熱防止のための増量量の一部を先行して増量するものともいえる。
また、本例の増量制御における第1段増量率は、それによる第1部品や第2部品の温度の上昇抑制効果がある値であって、CO排出量が極小域となる値を設定することが好ましく、これに加えて第1段増量制御の噴射時間は排気温度の低減効果がある値であって燃費が最大となる時間に設定することが好ましい。図5は、本例の時間tで実施する第1段増量制御の増量率と、CO排出量及び燃費の関係を示すグラフ、図6は、噴射燃料の空燃比に対する排気浄化触媒127におけるCO転換率(浄化率,図4と同じ)の関係を示すグラフ、図7は、噴射燃料の空燃比に対する排気ガスの温度の関係を示すグラフである。図5に示すCO排出量と第1段増量率との関係線図によれば、ストイキλ=1よりリッチ側(つまり増量側)にCO排出量が極小となる範囲があり、このCO排出量の極小範囲に相当する第1段増量率に設定すれば燃費も比較的大きくなる。また、このCO排出量の極小範囲に相当する第1段増量率に設定すれば、図6に示す排気浄化触媒127におけるCO転換率も比較的良好であり、図7に示す排気ガスの排気温度も比較的低くなる。
以上のとおり、本例の内燃機関の燃料噴射制御装置によれば、エンジンEGの運転状態が高負荷域に入った時間tにおいて第1段の増量制御を実行するので、この燃料増量によって内燃機関EGから熱負荷を受ける第1部品や第2部品の温度上昇速度が小さくなる。これにより、第2段の増量制御を行うタイミングtを遅らせることができる結果、COやHCの排出量を抑制することができるとともに、熱負荷を受ける第1部品や第2部品の過熱も防止できる。
また本例によれば、第1段増量制御の増量率は、第1部品や第2部品の温度の上昇抑制効果がある値であって、CO排出量が極小域となる値を設定するので、CO排出量を抑制しつつ第1部品や第2部品の過熱も防止できる。
また本例によれば、第1段増量制御の噴射時間は、排気温度の低減効果がある値であって燃費が最大となる時間に設定するので、燃費悪化を抑制しつつ第1部品や第2部品の過熱も防止できる。
上記エンジンコントロールユニット11は本発明に係る負荷域検出手段、第1部品温度検出手段,第2部品温度検出手段及び制御手段に相当し、上記排気浄化触媒127は本発明に係る第1部品に相当し、上記エギゾーストマニホールド、吸気バルブ121、排気バルブ122、空燃比センサ126、酸素センサ128、排気温度センサ140、過給機は本発明に係る第2部品に相当する。
EG…エンジン(内燃機関)
11…エンジンコントロールユニット
111…吸気通路
111a…燃料噴射ポート
112…エアーフィルタ
113…エアフローメータ
114…スロットルバルブ
115…コレクタ
116…スロットルバルブアクチュエータ
117…スロットルセンサ
118…燃料噴射バルブ
119…シリンダ
120…ピストン
121…吸気バルブ
122…排気バルブ
123…燃焼室
124…点火プラグ
125…排気通路
126…空燃比センサ
127…排気浄化触媒
128…酸素センサ
129…マフラ
130…クランク軸
131…クランク角センサ
132…冷却ジャケット
133…水温センサ
140…排気温度センサ
141…外気温センサ
142…ラジエータファン回転速度センサ
143…アクセル開度センサ

Claims (6)

  1. 内燃機関の運転状態が、負荷と回転速度で予め定められた部分負荷域か高負荷域かを検出する負荷域検出手段と、
    前記内燃機関から熱負荷を受ける第1部品の温度を検出する第1部品温度検出手段と、
    前記内燃機関の運転状態が前記部分負荷域から前記高負荷域に移行する第1タイミングと、前記第1部品の温度が第1所定温度以上になる、前記第1タイミングより後の第2タイミングのそれぞれにおいて、前記内燃機関に対する燃料噴射量を増量する制御手段と、を備える内燃機関の燃料噴射制御装置。
  2. 前記制御手段は、
    前記第1タイミングにおいて、前記第1部品の温度が前記第1所定温度以上になった場合の燃料噴射量の増量量のうちの第1所定量だけ増量し、
    前記第2タイミングにおいて、前記増量量のうちの残余の第2所定量だけさらに増量する請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  3. 前記第1タイミングにおける増量量は、CO排出量が極小域となる増量量に設定される請求項1又は2に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  4. 前記第1タイミングにおける噴射時間は、燃費が最大となる噴射時間に設定される請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  5. 前記内燃機関から熱負荷を受ける、前記第1部品とは異なる第2部品の温度を検出する第2部品温度検出手段をさらに備え、
    前記制御手段は、前記第2部品の温度が第2所定温度以上になる、前記第2タイミングより後の第3タイミングにおいて、前記内燃機関に対する燃料噴射量をさらに増量する請求項1〜4のいずれか一項に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  6. 内燃機関の運転状態が、負荷と回転速度で予め規定された部分負荷域か高負荷域かを検出し、
    前記内燃機関から熱負荷を受ける部品の温度を検出し、
    前記内燃機関の運転状態が前記部分負荷域から前記高負荷域に移行する第1タイミングと、前記第1部品の温度が第1所定温度以上になる、前記第1タイミングより後の第2タイミングのそれぞれにおいて、前記内燃機関に対する燃料噴射量を増量する内燃機関の燃料噴射制御方法。
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