JP2008190499A - 内燃機関の制御装置、制御方法およびその方法をコンピュータで実現されるプログラムならびにそのプログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

内燃機関の制御装置、制御方法およびその方法をコンピュータで実現されるプログラムならびにそのプログラムを記録した記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】内燃機関の高回転および高負荷に応じて燃料が増量補正される際に、ノッキングを発生させることなく点火時期を適切に制御する。
【解決手段】ECUは、減衰実行判定フラグがオフであって(S100にてNO)、燃料増量ディレイ中であると(S102にてYES)、遅角量Dを算出して(S104)、点火時期を制御するステップ(S106)と、燃料増量ディレイ中でないと(S102にてNO)、待機時間の経過後に(S108にてYES)、遅角量Dを減衰処理して(S110)、点火時期を制御するステップ(S112)と、遅角量Dがゼロであると(S114にてYES)、減衰実行判定フラグをオンするステップ(S116)とを含む、プログラムを実行する。
【選択図】図6

Description

本発明は、内燃機関の制御装置に関し、特に、内燃機関の高負荷、高回転時に燃料が増量補正されるときの点火時期の適切な制御に関する。
内燃機関の高負荷、高回転時においては、排気系(たとえば、三元触媒等)の過熱防止を目的として、燃料の増量補正が行なわれる。内燃機関に噴射された燃料は燃焼室内の熱を吸収して気化する。そのため、燃料を増量することにより、燃焼室内において吸収される熱量が増加して、結果的に排気ガスの過度の温度上昇が抑制される。
このような燃料の増量補正は、内燃機関の作動状態(たとえば、高負荷、高回転時)に基づいて実施される。しかしながら、内燃機関が高負荷、高回転時に対応する作動状態になったとしても、排気系の実温度が速やかに上昇するものではないことから、内燃機関の作動状態に応じた遅延時間経過後に燃料の増量が実施されることとなる。
また、内燃機関の高負荷、高回転時において燃料の増量が実施されるまでは、ノッキングが発生しやすい状態になるため、点火時期は遅角側に制御されることとなる。さらに、燃料増量が行なわれた後においては、空燃比がリッチ側に移行するため、内燃機関の点火時期は進角側に制御される。
このような制御が実施される内燃機関として、たとえば、特開平7−197877号公報(特許文献1)は、内燃機関の運転状態に基づいて空燃比をリッチ側に一時的に補正する場合であって、かかる燃料噴射量の増量補正を所定期間猶予する制御を行なうとき、点火時期を適正に制御する内燃機関の制御装置を開示する。この内燃機関の制御装置は、内燃機関の運転状態を検出し、運転状態が所定状態にあると判断したとき、空燃比を所定期間後にリッチ側に制御する。内燃機関の制御装置は、所定期間の前後におけるノッキングの発生頻度の違いを決定するパラメータを求める演算手段と、パラメータに基づいて、所定期間中の点火時期を遅角側に制御する点火時期遅角制御手段とを備える。
上述した公報に開示された内燃機関の制御装置によると、内燃機関の点火時期を適正に保つことができるという効果を奏する。
特開平7−197877号公報
しかしながら、燃料増量が行なわれた後に、点火時期が進角側に制御される場合において、内燃機関が高回転状態であると、低回転状態である場合よりも点火時期が急激に進角側に変動するという問題がある。このような問題は、点火時期の変化の度合が内燃機関の出力軸の回転周期に対して一律に設定される場合に生じる。また、点火時期が急激に進角側に移行すると、ノッキングが発生する可能性がある。
上述した公報に開示された内燃機関の制御装置において、点火実行処理は180度の回転角度毎のルーチンで実行されており、また、遅角量の減衰率について何ら考慮されていない。したがって、上述した問題を解決することができない。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであって、その目的は、内燃機関の高回転および高負荷に応じて燃料が増量補正される際に、ノッキングを発生させることなく点火時期を適切に制御する内燃機関の制御装置、制御方法およびその方法をコンピュータで実現されるプログラムならびにそのプログラムを記録した記録媒体を提供することである。
第1の発明に係る内燃機関の制御装置は、内燃機関の回転数を検出するための手段と、内燃機関の負荷に対応させた物理量を検出するための手段と、内燃機関の負荷と回転数に基づいて、内燃機関に供給される燃料を増量するように制御するための燃料制御手段と、増量された燃料が内燃機関に供給されるまで、回転数と物理量に基づく負荷とに応じた点火時期になるように内燃機関の点火時期を遅角側に制御するための手段と、増量された燃料が内燃機関に供給された以降に、点火時期を回転数に対応して進角側に制御するための進角制御手段とを含む。第10の発明に係る内燃機関の制御方法は、第1の発明に係る内燃機関の制御装置と同様の構成を有する。
第1の発明によると、たとえば、内燃機関の高回転、高負荷時においては、増量された燃料が供給されるまでは、ノッキングを防止するために、内燃機関の点火時期は遅角側に制御される。増量された燃料が供給されると、空燃比がリッチ側になり、内燃機関の点火時期は、進角制御手段により回転数に対応して進角側に制御されることとなる。このとき、たとえば、回転数が高くなるほど小さくなるように設定される変化の度合に基づいて、点火時期を進角側に制御すると、内燃機関が高回転であっても、急激な進角側への点火時期の移行が抑制される。そのため、ノッキングの発生を防止することができる。したがって、内燃機関の高回転および高負荷に応じて燃料が増量補正される際に、ノッキングを発生させることなく点火時期を適切に制御する内燃機関の制御装置および制御方法を提供することができる。
第2の発明に係る内燃機関の制御装置においては、第1の発明の構成に加えて、内燃機関は、ポート噴射型の内燃機関である。進角制御手段は、増量された燃料が内燃機関に供給されてから、検出された回転数に対応して設定される時間が経過した後に、回転数に対応した変化の度合に基づいて、点火時期を進角側に制御するための手段を含む。第11の発明に係る内燃機関の制御方法は、第2の発明に係る内燃機関の制御装置と同様の構成を有する。
第2の発明によると、ポート噴射型の内燃機関においては、増量された燃料が内燃機関に供給されてから点火されるまで、吸気行程および圧縮行程の経過を要する。したがって、増量された燃料が内燃機関に供給されてから、点火時期を進角側に制御するようにすると、ノッキングが発生する場合がある。そこで、増量された燃料が内燃機関に供給されてから、検出された回転数に対応して設定される時間(たとえば、内燃機関に増量された燃料が供給されてから増量された燃料が点火されるまでの時間)が経過した後に、回転数に対応した変化の度合に基づいて、点火時期を進角側に制御することにより、ノッキングの発生を抑制することができる。
第3の発明に係る内燃機関の制御装置においては、第2の発明の構成に加えて、検出された回転数に対応して設定される時間は、少なくとも内燃機関に増量された燃料が供給されてから増量された燃料が点火されるまでの時間である。第12の発明に係る内燃機関の制御方法は、第3の発明に係る内燃機関の制御装置と同様の構成を有する。
第3の発明によると、内燃機関に増量された燃料が供給されてから増量された燃料が点火されるまでの時間が経過した後に、回転数に対応して点火時期を進角側に制御することにより、ノッキングの発生を抑制することができる。
第4の発明に係る内燃機関の制御装置は、第1の発明の構成に加えて、内燃機関の空燃比に対応させた物理量を検出するための手段をさらに含む。進角制御手段は、空燃比がリッチ側に切り換わってから、回転数に対応した変化の度合に基づいて、点火時期を進角側に制御するための手段を含む。第13の発明に係る内燃機関の制御方法は、第4の発明に係る内燃機関の制御装置と同様の構成を有する。
第4の発明によると、空燃比がリッチ側に切り換わってから、回転数に対応した変化の度合に基づいて、点火時期を進角側に制御することにより、増量された燃料が燃焼した以降に、点火時期を進角側に制御することができるため、ノッキングの発生を抑制することができる。
第5の発明に係る内燃機関の制御装置においては、第1〜4のいずれかの発明の構成に加えて、変化の度合は、検出された回転数が高くなるほど小さくなるように設定される。第14の発明に係る内燃機関の制御方法は、第5の発明に係る内燃機関の制御装置と同様の構成を有する。
第5の発明によると、たとえば、内燃機関が高回転状態である場合には、進角側への点火時期の変化の度合は低回転状態である場合よりも小さくなるように設定される。そのため、内燃機関の高回転時において、燃料が増量された後に、点火時期が急激に進角側に移行することを抑制することができる。これにより、ノッキングの発生を防止することができる。
第6の発明に係る内燃機関の制御装置においては、第5の発明の構成に加えて、変化の度合は、内燃機関の回転周期の変化に対して線形に変化するように設定される。第15の発明に係る内燃機関の制御方法は、第6の発明に係る内燃機関の制御装置と同様の構成を有する。
第6の発明によると、内燃機関の高回転時であっても、急激な進角側への点火時期の変化が抑制される。そのため、ノッキングの発生が防止される。
第7の発明に係る内燃機関の制御装置においては、第5の発明の構成に加えて、変化の度合は、内燃機関の回転数の変化に対して線形に変化するように設定される。第16の発明に係る内燃機関の制御方法は、第7の発明に係る内燃機関の制御装置と同様の構成を有する。
第7の発明によると、内燃機関の高回転時であっても、急激な進角側への点火時期の変化が抑制される。そのため、ノッキングの発生が防止される。
第8の発明に係る内燃機関の制御装置においては、第1〜7のいずれかの発明の構成に加えて、燃料制御手段は、負荷が、回転数の変化に対応して設定される予め定められた負荷よりも大きいと、内燃機関に供給される燃料が増量するように制御するための手段を含む。第17の発明に係る内燃機関の制御方法は、第8の発明に係る内燃機関の制御装置と同様の構成を有する。
第8の発明によると、物理量に基づく負荷が、回転数の変化に対応して設定される予め定められた負荷よりも大きいと、内燃機関が高負荷状態であることを判断することができる。このような場合に、燃料を増量することにより、排気系の過度の温度上昇を抑制することができる。
第9の発明に係る内燃機関の制御装置においては、第1〜8のいずれかの発明の構成に加えて、燃料制御手段は、内燃機関の負荷と回転数とに応じて燃料増量係数を算出するための算出手段と、燃料増量係数が増加すると、燃料増量係数が増加してから負荷と回転数とに応じて設定される時間が経過した後に、設定される時間が経過した時点の燃料増量係数に基づいて、内燃機関に供給される燃料を増量するように制御するための手段とを含む。第18の発明に係る内燃機関の制御方法は、第9の発明に係る内燃機関の制御装置と同様の構成を有する。
第9の発明によると、燃料増量係数の増加後に設定される時間が経過した、内燃機関に増量した燃料が供給された以降に、回転数に対応した変化の度合に基づいて、点火時期を進角側に制御することにより、点火時期の急激な進角側への移行を抑制することができる。そのため、ノッキングの発生を抑制することができる。
第19の発明に係るプログラムは、第10〜18のいずれかの発明に係る内燃機関の制御方法をコンピュータで実現されるプログラムであって、第20の発明に係る記録媒体は、第10〜18のいずれかの発明に係る内燃機関の制御方法をコンピュータで実現されるプログラムを記録した媒体である。
第19または第20の発明によると、コンピュータ(汎用でも専用でもよい)を用いて、第10〜18のいずれかの発明に係る内燃機関の制御方法を実現することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
図1に示すように、本実施の形態に係る内燃機関の制御装置が搭載された車両は、エンジン150と、吸気系152と、排気系154と、ECU(Electronic Control Unit)100とを含む。なお、本発明が適用される車両は、エンジン150を駆動源とする車両に特に限定されるものではなく、エンジン150と図示しない回転電機とを駆動源とするハイブリッド車両であってもよい。また、本実施の形態において、エンジン150は、ポート噴射型のガソリンエンジンである。
吸気系152は、吸気通路110と、エアクリーナ118と、エアフローメータ104と、スロットルモータ114と、スロットルバルブ112と、スロットルポジションセンサ116とを含む。
エアクリーナ118から吸気された空気は、吸気通路110を通り、エンジン150に流通する。吸気通路110の途中には、スロットルバルブ112が設けられる。スロットルバルブ112は、スロットルモータ114が作動することにより開閉される。このとき、スロットルバルブ112の開度は、スロットルポジションセンサ116により検出することが可能となる。エアクリーナ118とスロットルバルブ112との間における吸気通路には、エアフローメータ104が設けられており、吸気通路110内の吸入空気量を検出する。エアフローメータ104は、吸入空気量Qを表わす吸入空気量信号をECU100に送信する。ECU100は、受信した吸入空気量Qと気圧補正および脈動補正等に関する補正係数とに基づいてエンジン150の負荷KLを算出する。
本実施の形態において、エアフローメータ104によりエンジン150の負荷に対応する物理量を検出するための「負荷検出手段」が実現される。なお、「負荷検出手段」は、エンジン150の負荷に対応する物理量が検出できればよく、特に吸入空気量に限定されるものではない。
エンジン150は、冷却水通路122と、シリンダブロック124と、インジェクタ126と、ピストン128と、クランクシャフト130と、水温センサ106と、クランクポジションセンサ132と、ノックセンサ134とを含む。
シリンダブロック124の気筒数に対応した数のシリンダ内には、それぞれピストン128が設けられる。本実施の形態において、エンジン150は、直列4気筒のエンジンであって、シリンダブロック124には4本のシリンダが直列に設けられるものとして説明するが、本発明は、特に直列4気筒のエンジンに限定して適用されるものではない。たとえば、6気筒あるいは8気筒のV型エンジン等に対して本発明を適用してもよい。
各シリンダにおいて、ピストン128上部の燃焼室に吸気通路110を通って、インジェクタ126から噴射された燃料と吸気された空気との混合気が導入されて、点火プラグ(図示せず)の点火により燃焼する。燃焼が生じると、ピストン128が押し下げられる。このとき、ピストン128の上下運動は、クランク機構を介して、エンジン150の出力軸であるクランクシャフト130の回転運動に変換される。
クランクシャフト130には、クランクポジションセンサ132が設けられる。クランクポジションセンサ132は、クランクシャフト130すなわちエンジン150の回転数NEを検出する。クランクポジションセンサ132は、検出された回転数NEを示す信号をECU100に送信する。本実施の形態においては、クランクシャフト130により「回転数検出手段」が実現される。
シリンダブロック124内には、冷却水通路122が設けられており、ウォータポンプ(図示せず)の作動により、冷却水が循環する。この冷却水通路122内の冷却水は、冷却水通路122に接続されたラジエータ(図示せず)へと流通して冷却ファン(図示せず)により放熱される。冷却水通路122の通路上には水温センサ106が設けられており、冷却水通路122内の冷却水の温度を検出する。水温センサ106は、検出した水温を、水温信号としてECU100に送信する。
エンジン150のシリンダブロック124には、ノックセンサ134が設けられる。ノックセンサ134は、エンジン150のノッキングに対応する物理量を検出するためのノック検出手段である。本実施の形態において、ノックセンサ134は、シリンダブロック124の振動の強度を検出する。ノックセンサ134は、検出された振動の強度を示す信号をECU100に送信する。なお、ノックセンサ134は、シリンダヘッド側に設けられるようにしてもよい。ECU100は、受信した振動の強度に基づいて、ノッキングが発生しているか否かを判断する。ECU100は、ノッキングが発生していると判断すると、その他の制御による制限があっても点火時期を遅角側に変更する。
排気系154は、排気通路108と、第1の空燃比センサ102Aと、第2の空燃比センサ102Bと、第1の三元触媒コンバータ120Aと、第2の三元触媒コンバータ120Bとを含む。第1の三元触媒コンバータ120Aの上流側に第1の空燃比センサ102Aが設けられ、第1の三元触媒コンバータ120Aの下流側(第2の三元触媒コンバータ120Bの上流側)に第2の空燃比センサ102Bが設けられる。なお、三元触媒コンバータは1個でもよい。
エンジン150の排気側に接続された排気通路108は、第1の三元触媒コンバータ120Aおよび第2の三元触媒コンバータ120Bに接続される。すなわち、エンジン150において燃焼室内の混合気の燃焼により生じる排気ガスは、まず、第1の三元触媒コンバータ120Aに流入する。第1の三元触媒コンバータ120Aに流入した排気ガス中に含まれるHC、COは、第1の三元触媒コンバータ120Aにおいて酸化される。また、第1の三元触媒コンバータ120Aに流入した排気ガス中に含まれるNOxは、第1の三元触媒コンバータ120Aにおいて、還元される。この第1の三元触媒コンバータ120Aは、エンジン150の近くに設置され、エンジン150の冷間始動時においても速やかに昇温されて触媒機能を発現する。
さらに、排気ガスは、NOxの浄化を目的として、第1の三元触媒コンバータ120Aから第2の三元触媒コンバータ120Bに送られる。この第1の三元触媒コンバータ120Aと第2の三元触媒コンバータ120Bとは、基本的には同じ構造および機能を有するものである。
第1の三元触媒コンバータ120Aの上流側に設けられた第1の空燃比センサ102A、第1の三元触媒コンバータ120Aの下流側であって第2の三元触媒コンバータ120Bの上流側に設けられた第2の空燃比センサ102Bは、三元触媒コンバータ120Aまたは三元触媒コンバータ120Bを通過した排気ガスの空燃比を検出する。
第1の空燃比センサ102Aおよび第2の空燃比センサ102Bは、検出された空燃比に対応する信号をECU100に送信する。ECU100は、受信した空燃比の値に基づいて空燃比制御を実施する。
本実施の形態においては、第1の空燃比センサ102Aまたは第2の空燃比センサ102Bにより「空燃比検出手段」が実現される。なお、「空燃比検出手段」は、空燃比に対応する物理量が検出できればよく、たとえば、空燃比センサに代えて酸素センサを用いるようにしてもよい。酸素の濃度を検出することにより、排気ガス中に含まれる燃料と空気との比(空燃比)を検出することができる。
第1の三元触媒コンバータ120Aおよび第2の三元触媒コンバータ120Bは、空燃比がほぼ理論空燃比のときにHC,COを酸化しつつNOxを還元する機能、すなわちHC,COおよびNOxを同時に浄化する機能を有する。これらの第1の三元触媒コンバータ120Aおよび第2の三元触媒コンバータ120Bは、空燃比がリーンであり排気ガス中の酸素量が多いと、酸化作用が活発となるが還元作用が不活発となり、また空燃比がリッチであり排気ガス中の酸素量が少ないと、逆に還元作用が活発となるが酸化作用が不活発となり、前述の三成分をすべて良好に浄化させることができない。空燃比がリーンであり排気ガス中の酸素量が多いと還元作用が不活発になり、酸化窒素(NOx)を還元する作用が低下して、NOx浄化機能が低下する。
上述したような構成を有する車両において、ECU100は、エンジン150の作動状態に応じて実燃料噴射量を算出して、算出された実燃料噴射量の燃料がエンジン150のシリンダ内に供給されるようにインジェクタ126を制御する。以下、実燃料噴射量の算出について説明する。
まず、ECU100は、吸入空気量と回転数と定数との積から基本燃料噴射量を算出する。ECU100は、算出された基本燃料噴射量に対して各種補正係数を乗じて、実燃料噴射量を算出する。
各種補正係数は、実燃料増量係数Aとその他の補正係数とを含む。「その他の補正係数」は、たとえば、吸気温補正、過渡時補正、電源電圧補正、空燃比補正に関する補正係数であるが、特にこれらに限定されるものではない。また、実燃料増量係数Aは、実燃料噴射量に直接的に反映される係数であって、「A=1.0」は、燃料の増量が行なわれない状態を示す。
エンジン150の高負荷、高回転時においては、三元触媒コンバータ120A,120Bを含む排気系154の過熱防止を目的として、エンジン150に対して燃料を増量補正して供給する制御、いわゆる、高負荷増量補正制御が実施される。燃料の増量補正により、エンジン150に噴射された燃料は、シリンダの燃焼室内において多くの熱を吸収して気化するため、結果的に排気ガスの過度の温度上昇を抑制することができる。
ECU100は、高負荷増量補正制御時における実燃料増量係数Aを算出するに先立ち、燃料増量係数Bを算出する。燃料増量係数Bは、エンジン150の負荷KLおよび回転数NEとに基づいて算出される係数であって、「B=0」は、係数の増加ゼロ、すなわち、燃料の増量が行なわれない状態を示す。
ECU100のメモリには、たとえば、図2に示すような、エンジン150の回転数NEと負荷KLとの関係において、燃料増量領域が設定されたマップが記憶される。ECU100は、検出された回転数NEと、検出された吸入空気量Qに基づいて算出される負荷KLとから導き出される動作点(図2中のa点)が、図2の斜線領域に示される燃料増量領域内(図2中のa’点)になると、燃料増量係数Bとしてゼロよりも大きい値を算出する。ECU100は、たとえば、負荷KLが大きくなるほ燃料増量係数Bとして大きい値を算出するようにしてもよいし、回転数NEが大きくなるほど大きい値を算出するようにしてもよく、燃料増量領域内における燃料増量係数Bの増加の態様については特に限定されるものではない。
ECU100は、算出された燃料増量係数Bを速やかに実燃料増量係数Aには反映させない。これは、エンジン150が高負荷、高回転時に対応する作動状態になったとしても、排気系154の実温度は速やかに上昇しないためである。
ECU100は、燃料増量係数Bがゼロよりも大きくなった時点から、負荷KLおよび回転数NEに応じて設定される遅延時間(以下の説明において単にディレイという)経過するまで猶予した後に「燃料増量係数B+1.0」を実燃料増量係数Aの値として反映される。ECU100は、反映された実燃料増量係数Aに基づいて実燃料噴射量を算出するため、エンジン150に供給される燃料が増量される。これにより、エンジン150が高負荷、高回転時に対応する作動状態になった後、排気系154の実温度が追従して上昇したときに燃料が増量されて、排気系154の温度上昇が抑制される。
なお、エンジン150が高負荷、高回転時に対応する作動状態になってから燃料の増量が実施されるまで、ノッキングが発生しやすい状態になるため、点火時期は遅角側に制御されることとなる。また、エンジン150に対して燃料の増量が実施されてからは、空燃比がリッチ側に切り換わるため、遅角されていた点火時期は、進角側に制御される。
この場合、内燃機関が高回転状態であることから、低回転状態である場合よりも点火時期が急激に進角側に変動する場合がある。これは、点火時期の進角側への変化の度合がクランクシャフト130の回転周期に対して一律に設定されるため、点火時期の単位時間当たりの変化量が、回転数NEの増加にともなって増大するためである。
そこで、本発明は、ECU100が増量された燃料がエンジン150に供給された以降に、点火時期を回転数NEに対応して進角側に制御する点に特徴を有する。
具体的には、ECU100は、増量された燃料がエンジン150に供給されてから、回転数NEに対応して設定される待機時間が経過した後に、回転数NEに対応した変化の度合に基づいて、点火時期を進角側に制御する。
なお、以下の説明において、増量された燃料が供給される前に遅角側に制御された点火時期が、増量された燃料の供給後に進角側に制御されるときの点火時期の「変化」を「減衰」として記載し、「変化の度合」を「減衰率」として記載する。
図3に、本実施の形態に係る内燃機関の制御装置であるECU100の機能ブロック図を示す。
ECU100は、入力インターフェース(以下、入力I/Fと記載する)300と、演算処理部400と、記憶部500と、出力インターフェース(以下、出力I/Fと記載する)600とを含む。
入力I/F300は、クランクポジションセンサ132からのエンジン回転数信号と、エアフローメータ104からの吸入空気量信号と、スロットルポジションセンサ116からのスロットル開度信号と、第1の空燃比センサ102Aからの空燃比信号とを受信して、演算処理部400に送信する。なお、入力I/F300は、第1の空燃比センサ102Aに代えて第2の空燃比センサ102Bからの空燃比信号を受信するようにしてもよい。
演算処理部400は、フラグ判定部402と、ディレイ判定部404と、遅角量算出部406と、タイマ部408と、経過時間判定部410と、減衰処理部412と、遅角量判定部414とを含む。
フラグ判定部402は、減衰処理実行フラグがオンであるか否かを判定する。減衰処理実行フラグのオンは、すでに減衰処理が実行されたことを示す。なお、減衰処理実行フラグは、燃料増量係数Bがゼロから増加を開始する時点でオフされるものとする。
ディレイ判定部404は、燃料増量係数Bがゼロから増加を開始してから実燃料増量係数Aに反映されるまでのディレイ中であるか否かを判定する。具体的には、ディレイ判定部404は、実燃料増量係数Aの値が燃料増量係数B+1.0の値よりも小さいと、燃料増量係数Bが実燃料増量係数Aに反映されていない状態、すなわち、ディレイ中であることを判定する。
遅角量算出部406は、ディレイ中における遅角量Dを算出する。遅角量算出部406は、エンジン150の回転数NEや負荷KL等の作動状態に基づいて遅角量Dを算出する。なお、遅角量算出部406は、予め定められた遅角量でガードする。これは過大な遅角による無用な出力低下を防止するためである。
タイマ部408は、ディレイ判定部404にて、ディレイ中ではないと判定されてからの経過時間を算出する。たとえば、タイマ部408は、ディレイ判定部404にて、ディレイ中ではないと判定されると、カウント値を初期値にリセットし、計算サイクルごとに予め定められたカウント値を加算していく。
経過時間判定部410は、ディレイ判定部404にて、ディレイ中ではないと判定されてから、回転数NEに対応して設定される待機時間が経過するか否かを判定する。「回転数NEに対応して設定される待機時間」は、少なくとも内燃機関に増量された燃料が供給されてから増量された燃料が点火されるまでの時間である。たとえば、待機時間は、エンジン150の吸気行程および圧縮行程までの時間が設定される。
たとえば、記憶部500には、検出された回転数NEと待機時間との関係を示すマップが予め記憶される。マップは、回転数NEが高くなるほど待機時間が短くなるように設定されるマップである。経過時間判定部410は、受信した回転数NEとマップとから待機時間を算出して、タイマ部408において加算されたカウント値に対応する経過時間が、算出された待機時間以上であるか否かを判定する。マップに代えて、数式、表等を用いるようにしてもよい。なお、経過時間判定部410は、回転数NEに対応して設定される待機時間が経過したことを判定すると、経過判定フラグをオンするようにしてもよい。
減衰処理部412は、上述した待機時間が経過すると、点火時期を目標点火時期まで減衰処理する。目標点火時期は、エンジン150の作動状態(回転数NE、負荷KLおよび空燃比等)に基づいて設定されれば、特に限定されるものではないが、本実施の形態において、燃料増量のディレイ後の目標点火時期は、遅角量Dが基準点火時期(すなわち、ゼロ)となる点火時期として説明する。
減衰処理部412は、受信した回転数NEに基づいて点火時期の遅角量の減衰率Cを設定する。たとえば、記憶部500には、回転数NEと減衰率Cとの関係を示すマップが予め記憶される。減衰処理部412は、回転数NEとマップとから減衰率Cを算出する。減衰処理部412は、算出された減衰率に基づいて今回の計算サイクルにおける点火時期を算出する。
なお、マップは、回転数が高くなるほど減衰率が小さくなる値になるように設定されれば、特に限定されるものでははないが、たとえば、図4に示すように、横軸を回転数NEとし、縦軸を減衰率Cとしたときに、回転数に対して減衰率が線形に変化するように設定される。なお、図4のマップにおいて、「減衰率」は、1計算サイクル毎の点火時期の変化量を示す。また、計算サイクルの間隔は、たとえば、回転角度を基準として(たとえば、180度毎として)設定される。したがって、エンジン150の回転数が高いほど、計算サイクルの間隔は短くなる。
減衰処理部412は、検出された回転数がNE(0)である場合、マップより減衰率C(0)を算出する。減衰処理部412は、前回の計算サイクルにおける点火時期の遅角量D(0)と減衰率C(0)との和「D(0)+C(0)」を今回の計算サイクルにおける遅角量Dとして算出する。本実施の形態においては、遅角側の点火時期の変化する場合において遅角量Dは負の値を示すものとする。なお、減衰処理部412は、経過判定フラグがオンになるとともに減衰処理を開始するようにしてもよい。
マップは、図4に代えて、図5に示すように、横軸をエンジン回転数とし、縦軸を減衰率としたときに、回転数に対して減衰率が非線形に変化するように設定するようにしてもよい。あるいは、減衰率は、回転周期に対して線形に変化するようにしてもよい。
遅角量判定部414は、減衰処理された遅角量Dが目標点火時期に対応する遅角量(すなわち、ゼロ)まで減衰されたか否かを判定する。遅角量判定部414は、遅角量Dがゼロになることを判定すると、減衰処理実行フラグをオンする。
点火時期制御部416は、遅角量算出部406および減衰処理部412において算出された遅角量Dに対応する点火時期制御信号を生成して、出力I/F600を経由してエンジン150の点火プラグに送信する。
燃料制御部418は、ディレイ判定部404にて、ディレイ中ではないと判定されると、実燃料増量係数Aとその他の補正係数とに基づいて実燃料噴射量を算出する。燃料制御部418は、さらに、算出された実燃料噴射量に対応する燃料噴射制御信号を生成して、出力I/F600を経由してエンジン150のインジェクタ126に送信する。
また、本実施の形態において、フラグ判定部402と、ディレイ判定部404と、遅角量算出部406と、タイマ部408と、経過時間判定部410と、減衰処理部412と、遅角量判定部414と、点火時期制御部416と、燃料制御部418とは、いずれも演算処理部400であるCPU(Central Processing Unit)が記憶部500に記憶されたプログラムを実行することにより実現される、ソフトウェアとして機能するものとして説明するが、ハードウェアにより実現されるようにしてもよい。なお、このようなプログラムは記憶媒体に記録されて車両に搭載される。
記憶部500には、各種情報、プログラム、しきい値、マップ等が記憶され、必要に応じて演算処理部400からデータが読み出されたり、格納されたりする。
以下、図6を参照して、本実施の形態に係る内燃機関の制御装置であるECU100で実行されるプログラムの制御構造について説明する。
ステップ(以下、ステップをSと記載する)100にて、ECU100は、減衰処理実行フラグがオンであるか否かを判断する。減衰処理実行フラグがオンであると(S100にてYES)、この処理は終了する。もしそうでないと(S100にてNO)、処理はS102に移される。
S102にて、ECU100は、燃料増量のディレイ中であるか否かを判定する。ディレイ中であると(S102にてYES)、処理はS104に移される。もしそうでないと(S102にてNO)、処理はS108に移される。
S104にて、ECU100は、ディレイ中における遅角量Dを算出する。S106にて、算出されたディレイ中における遅角量Dに基づいて点火時期を制御する。
S108にて、ECU100は、ディレイ中ではないと判定されてから、回転数NEに対応して設定される待機時間が経過したか否かを判定する。回転数NEに対応して設定される時間が経過すると(S108にてYES)、処理はS110に移される。もしそうでないと(S108にてNO)、この処理は終了する。
S110にて、ECU100は、遅角量Dの減衰処理を実施する。S112にて、減衰処理された遅角量Dに基づいて点火時期を制御する。
S114にて、ECU100は、遅角量Dがゼロであるか否かを判定する。遅角量Dがゼロであると(S114にてYES)、処理はS116に移される。もしそうでないと(S114にてNO)、この処理は終了する。S116にて、ECU100は、減衰処理実行フラグをオンする。
以上のような構造およびフローチャートに基づく本実施の形態に係る内燃機関の制御装置であるECU100の動作について、図7、図8および図9を参照しつつ説明する。
図7に示すように、アクセルオフ状態(スロットル開度0%)から運転者がアクセルペダルを踏み込んだ場合を想定する。時間T(0)において、運転者がアクセルペダルの踏み込みを開始すると、スロットル開度が0%から上昇を開始する。
時間T(1)において、スロットル開度A(0)であるときに、エンジン150の回転数NEと負荷KLとから算出される動作点が燃料増量領域内に入るため、図8に示すように、燃料増量係数Bが上昇を開始する。この時点で減衰処理実行フラグがオンであればオフされる。燃料増量係数Bは、実燃料増量係数Aに反映されていないため、実燃料増量係数Aは、「1.0」のままである。そのため、燃料の増量は実施されない。燃料増量係数Bは、エンジン150の回転数NEと負荷KLとに応じてB(0)まで上昇する。
ここで、減衰処理実行フラグがオフであって(S100にてNO)、A<B+1.0の関係が成立するため(S102にてYES)、ディレイ中における遅角量Dが算出され(S104)、点火時期制御が実施される(S106)。そのため、図9に示すように、時間T(1)以降に、点火時期はD(1)になるまで遅角側に制御される。
燃料増量係数Bが増加してから、回転数NEおよび負荷KLに基づいて設定される時間が経過する時間T(3)まで、燃料増量がディレイされる。そして、時間T(3)において、ディレイ時間が経過すると、燃料増量係数Bの値が実燃料増量係数Aに反映される。すなわち、A<B+1.0の関係が不成立となる(S102にてNO)。このとき、実燃料増量係数Aに基づく増量された燃料がエンジン150に供給されることとなる。
時間T(3)から待機時間が経過した後の時間T(4)になると(S108にてYES)、燃料の増量により空燃比がリッチ側に移行し、遅角量Dの減衰処理が開始される(S110)。このとき、減衰率は、回転数NEと図4に示すマップとに基づいて設定される。そのため、エンジン150の高回転時においては、回転角度に対応して一律に設定された場合(図9の破線)と比較して、減衰時間が短縮されることなく、点火時期が基準点火時期まで緩やかに減衰する。時間T(5)において、遅角量Dがゼロになると(S114にてYES)、減衰実行判定フラグがオンされる(S116)。
以上のようにして、本実施の形態に係る内燃機関の制御装置によると、エンジンの高回転、高負荷時においては、増量された燃料が供給されるまでは、ノッキングを防止するために、エンジンの点火時期は遅角側に制御される。また、増量された燃料が供給されると、空燃比がリッチ側になり、エンジンの点火時期は回転数に対応して進角側に制御されることとなる。このとき、ECUは、回転数に対応して設定される減衰率に基づいて、点火時期を制御する。減衰率は、回転数が高くなるほど小さい値に設定されるため、エンジンが高回転であっても、短時間で遅角量が減衰することが抑制される。そのため、急激な進角側への点火時期の変更が抑制されることにより、ノッキングの発生を防止することができる。したがって、内燃機関の高回転および高負荷に応じて燃料が増量補正される際に、ノッキングを発生させることなく点火時期を適切に制御する内燃機関の制御装置および制御方法を提供することができる。
また、ポート噴射型のエンジンにおいては、増量された燃料がエンジンに供給されてから点火されるまで、吸気行程および圧縮行程の経過を要する。そのため、ディレイ後に待機時間を設定することにより、増量された燃料の点火時に適合させて点火時期を制御させることができるため、ノッキングの発生を抑制することができる。
エンジンが高回転状態である場合には、減衰率は低回転状態である場合よりも小さい値に設定される。そのため、回転数が高いことにより、点火時期の遅角量が短時間で進角側に減衰することを抑制することができる。そのため、急激な進角側への点火時期の変更が抑制されることにより、ノッキングの発生を防止することができる。
なお、本実施の形態において、点火時期の減衰処理を開始する時点の判断として、ディレイ中ではなく、かつ、待機時間の経過後としたが、特にこれに限定されるものではない。たとえば、ECUは、第1の空燃比センサあるいは第2の空燃比センサにより検出された空燃比がリッチ側に切り換わってから、点火時期の減衰処理を開始するようにしてもよい。これにより、増量された燃料が燃焼した以降に、点火時期を進角側に制御することができるため、ノッキングの発生を抑制することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本実施の形態に係る内燃機関の制御装置が適用されるエンジンの構成を示す図である。 回転数と負荷との関係における燃料増量領域を示す図である。 本実施の形態に係る内燃機関の制御装置であるECUの構成を示す機能ブロック図である。 回転数に応じた減衰率を示すマップ(その1)である。 回転数に応じた減衰率を示すマップ(その2)である。 本実施の形態に係る内燃機関の制御装置であるECUで実行されるプログラムの制御構造を示す図である。 スロットル開度の変化を示すタイミングチャートである。 燃料増量係数の変化を示すタイミングチャートである。 点火時期の変化を示すタイミングチャートである。
符号の説明
100 ECU、102A,102B 空燃比センサ、104 エアフローメータ、106 水温センサ、108 排気通路、110 吸気通路、112 スロットルバルブ、114 スロットルモータ、116 スロットルポジションセンサ、118 エアクリーナ、120A,120B 三元触媒コンバータ、122 冷却水通路、124 シリンダブロック、126 インジェクタ、128 ピストン、130 クランクシャフト、132 クランクポジションセンサ、134 ノックセンサ、150 エンジン、152 吸気系、154 排気系、300 入力I/F、400 演算処理部、402 フラグ判定部、404 ディレイ判定部、406 遅角量算出部、408 タイマ部、410 経過時間判定部、412 減衰処理部、414 遅角量判定部、416 点火時期制御部、418 燃料制御部、500 記憶部、600 出力I/F。

Claims (20)

  1. 前記内燃機関の回転数を検出するための手段と、
    前記内燃機関の負荷に対応させた物理量を検出するための手段と、
    前記内燃機関の負荷と回転数に基づいて、前記内燃機関に供給される燃料を増量するように制御するための燃料制御手段と、
    前記増量された燃料が前記内燃機関に供給されるまで、前記回転数と前記物理量に基づく負荷とに応じた点火時期になるように前記内燃機関の点火時期を遅角側に制御するための手段と、
    前記増量された燃料が前記内燃機関に供給された以降に、前記点火時期を前記回転数に対応して進角側に制御するための進角制御手段とを含む、内燃機関の制御装置。
  2. 前記内燃機関は、ポート噴射型の内燃機関であって、
    前記進角制御手段は、前記増量された燃料が前記内燃機関に供給されてから、前記検出された回転数に対応して設定される時間が経過した後に、前記回転数に対応した変化の度合に基づいて、前記点火時期を進角側に制御するための手段を含む、請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記検出された回転数に対応して設定される時間は、少なくとも前記内燃機関に増量された燃料が供給されてから前記増量された燃料が点火されるまでの時間である、請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記内燃機関の制御装置は、前記内燃機関の空燃比に対応させた物理量を検出するための手段をさらに含み、
    前記進角制御手段は、前記空燃比がリッチ側に切り換わってから、前記回転数に対応した変化の度合に基づいて、前記点火時期を進角側に制御するための手段を含む、請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記変化の度合は、前記検出された回転数が高くなるほど小さくなるように設定される、請求項1〜4のいずれかに記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記変化の度合は、前記内燃機関の回転周期の変化に対して線形に変化するように設定される、請求項5に記載の内燃機関の制御装置。
  7. 前記変化の度合は、前記内燃機関の回転数の変化に対して線形に変化するように設定される、請求項5に記載の内燃機関の制御装置。
  8. 前記燃料制御手段は、前記負荷が、前記回転数の変化に対応して設定される予め定められた負荷よりも大きいと、前記内燃機関に供給される燃料が増量するように制御するための手段を含む、請求項1〜7のいずれかに記載の内燃機関の制御装置。
  9. 前記燃料制御手段は、
    前記内燃機関の負荷と回転数とに応じて燃料増量係数を算出するための算出手段と、
    前記燃料増量係数が増加すると、前記燃料増量係数が増加してから前記負荷と前記回転数とに応じて設定される時間が経過した後に、前記設定される時間が経過した時点の燃料増量係数に基づいて、前記内燃機関に供給される燃料を増量するように制御するための手段とを含む、請求項1〜8のいずれかに記載の内燃機関の制御装置。
  10. 前記内燃機関の回転数を検出するステップと、
    前記内燃機関の負荷に対応させた物理量を検出するステップと、
    前記内燃機関の負荷と回転数に基づいて、前記内燃機関に供給される燃料を増量するように制御する燃料制御ステップと、
    前記増量された燃料が前記内燃機関に供給されるまで、前記回転数と前記物理量に基づく負荷とに応じた点火時期になるように前記内燃機関の点火時期を遅角側に制御するステップと、
    前記増量された燃料が前記内燃機関に供給された以降に、前記点火時期を前記回転数に対応して進角側に制御する進角制御ステップとを含む、内燃機関の制御方法。
  11. 前記内燃機関は、ポート噴射型の内燃機関であって、
    前記進角制御ステップは、前記増量された燃料が前記内燃機関に供給されてから、前記検出された回転数に対応して設定される時間が経過した後に、前記回転数に対応した変化の度合に基づいて、前記点火時期を進角側に制御するステップを含む、請求項10に記載の内燃機関の制御方法。
  12. 前記検出された回転数に対応して設定される時間は、少なくとも前記内燃機関に増量された燃料が供給されてから前記増量された燃料が点火されるまでの時間である、請求項11に記載の内燃機関の制御方法。
  13. 前記内燃機関の制御方法は、前記内燃機関の空燃比に対応させた物理量を検出するステップをさらに含み、
    前記進角制御ステップは、前記空燃比がリッチ側に切り換わってから、前記回転数に対応した変化の度合に基づいて、前記点火時期を進角側に制御するステップを含む、請求項10に記載の内燃機関の制御方法。
  14. 前記変化の度合は、前記検出された回転数が高くなるほど小さくなるように設定される、請求項10〜13のいずれかに記載の内燃機関の制御方法。
  15. 前記変化の度合は、前記内燃機関の回転周期の変化に対して線形に変化するように設定される、請求項14に記載の内燃機関の制御方法。
  16. 前記変化の度合は、前記内燃機関の回転数の変化に対して線形に変化するように設定される、請求項14に記載の内燃機関の制御方法。
  17. 前記燃料制御ステップは、前記負荷が、前記回転数の変化に対応して設定される予め定められた負荷よりも大きいと、前記内燃機関に供給される燃料を増量するように制御するステップを含む、請求項10〜16のいずれかに記載の内燃機関の制御方法。
  18. 前記燃料制御ステップは、
    前記内燃機関の負荷と回転数とに応じて燃料増量係数を算出するステップと、
    前記燃料増量係数が増加すると、前記燃料増量係数が増加してから前記負荷と前記回転数とに応じて設定される時間が経過した後に、前記設定される時間が経過した時点の燃料増量係数に基づいて、前記内燃機関に供給される燃料が増量するように制御するステップとを含む、請求項10〜17のいずれかに記載の内燃機関の制御方法。
  19. 請求項10〜18のいずれかに記載の制御方法をコンピュータで実現されるプログラム。
  20. 請求項10〜18のいずれかに記載の制御方法をコンピュータで実現されるプログラムを記録した記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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