JP2007278224A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料の供給が再開される場合のトルクショックを効率的に低減する。
【解決手段】ECU100は、F/C復帰時点火時期算出処理を実行する。係る処理において、F/C制御から復帰する場合の点火時期であるF/C復帰時点火時期eafcが、F/C制御中に燃料の噴射が停止された回数に基づいて決定される。この際、ECU100は、基準点火時期eabseを、基準点火時期eabseと、基準F/C復帰時点火時期eafcbのうち基準点火時期eabseよりも遅角側にある値の少なくとも一部との差分である基準遅角量に対しエンジン200の全気筒数に対するF/C制御中に燃料の供給が停止された回数の割合を乗じてなる遅角量に応じて遅角することによってF/C復帰時点火時期eafcを算出する。ECU100は、F/C制御からの復帰時に係る点火時期を係るF/C復帰時点火時期eafcに制御する。
【選択図】図6

Description

本発明は、例えば減速期間等に燃料の供給を停止することが可能な内燃機関を制御する内燃機関の制御装置の技術分野に関する。
この種の装置として、復帰時のトルクショックを低減するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示されたエンジンの点火時期制御装置(以下、「従来の技術」と称する)によれば、減速燃料カットからの復帰時に点火時期を所定量遅角することによって、係るトルクショックを低減することが可能であるとされている。
特開平5−1611号公報
このような減速燃料カットは、例えば運転者によるアクセル操作等に起因して極めて短い時間で終了することがある。このような場合、比較的減速燃料カット中におけるエンジントルクの低下量は小さいから、復帰時の点火時期を所定量遅角した場合、遅角量が過剰となってエンジントルクの立ち上がりが遅れ、運転者に所謂もたつき感として伝達される結果、快適性が大きく損なわれることがある。即ち、従来の技術には、燃料の供給が再開される場合に生じるトルクショックが効率的に低減され難いという技術的な問題点がある。
本発明は上述した問題点に鑑みてなされ、燃料の供給が再開される場合のトルクショックを効率的に低減することが可能な内燃機関の制御装置を提供することを課題とする。
上述した課題を解決するため、本発明に係る内燃機関の制御装置は、燃料を供給する供給手段及び前記供給される燃料を含む混合気に対し点火を行うための点火手段を備えた内燃機関を制御する内燃機関の制御装置であって、前記車両の減速期間において前記内燃機関の機関回転数が所定のカット回転数以上である場合に前記燃料の供給が停止されるように前記供給手段を制御すると共に、前記燃料の供給が停止される期間において前記燃料の供給を再開すべきものとして規定される所定の再開条件が満たされた場合に前記燃料の供給が再開されるように前記供給手段を制御する供給制御手段と、前記燃料の供給が停止されてから前記燃料の供給が再開されるまでの期間において前記燃料の供給が停止された回数を特定する特定手段と、前記特定された回数に基づいて、予め前記点火に係る点火時期の基準を表すものとして設定される基準点火時期に対し遅角すべき遅角量を決定する遅角量決定手段と、前記燃料の供給が再開された場合に、前記点火時期が所定種類の遅角期間にわたって前記基準点火時期を前記決定された遅角量に応じて遅角させてなる遅角点火時期となるように前記点火手段を制御する点火制御手段とを具備することを特徴とする。
本発明に係る「内燃機関」とは、ガソリン等の燃料を例えば吸気管又は吸気ポート等の吸気系に或いは直接気筒内の燃焼室に噴射することが可能に構成された例えば電子制御式フューエルインジェクタ等の形態を採り得る供給手段を備え、係る燃料の燃焼に伴う爆発力を、例えばピストン、コネクティングロッド及びクランク軸等を適宜介して動力として取り出すことが可能に構成された機関を包括する概念であり、例えば2サイクル或いは4サイクルレシプロエンジン等を指す。また、本発明に係る内燃機関には、供給手段によって供給された燃料が吸気系或いは燃焼室内等において適宜吸入空気と混合されてなる混合気に対し点火を行うための、例えば火花点火装置等の点火手段が備わる。
本発明に係る車両の制御装置によれば、その動作時には、例えばECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等として構成される供給制御手段により、例えば車速センサやブレーキペダルセンサ等各種センサの出力等に基づいて規定される車両の減速期間における、例えば固定値である、或いは冷却水温等内燃機関の各種運転条件やエアコン等の補機に係る負荷に応じて可変な値であるカット回転数以上の機関回転数において、燃料の供給が停止(即ち、フューエルカット)され、例えば燃料の効率的な使用が実現される。尚、これ以降、このような制御を適宜「F/C制御」と称することとする。
また、供給制御手段は、所定の再開条件が満たされた場合に係るF/C制御を終了し、燃料の供給が再開されるように供給手段を制御する。尚、これ以降、このようにF/C制御が終了し通常の燃料供給が再開されることを、便宜的に「F/C制御から復帰する」等と表現することとする。
尚、F/C制御から復帰するための再開条件とは、例えば機関回転数がカット回転数未満として設定される復帰回転数に到達した場合や、運転者等によってアクセルペダル等が操作されることに伴い内燃機関の駆動要求が生じた場合等を含み、燃料の供給を再開すべきものとして規定された条件を包括する概念である。
ここで特に、F/C制御が実行されている期間(以下、適宜「F/C期間」と称する)が終了し、燃料の供給が再開される場合、F/C期間については内燃機関がトルクを発生しないため、F/C期間が例えば十分に長ければ特に、F/C制御からの復帰に伴ってトルクショック(トルク段差とも称される)が発生し易い。
このようなトルクショックは、F/C期間の終了後例えば一定又は不定の期間、言い換えればF/C制御から復帰して一定又は不定の期間について、混合気への点火時期を遅角することによって低減可能である。然るに、F/C期間におけるトルクの低下の度合いは一定ではないから、点火時期の遅角量が例えば失火限界付近の点火時期に相当する比較的大きい値に固定されている場合等には特に、遅角量が過剰となって加速がもたつく等動力性能及び快適性能の低下が発生しかねない。このような問題はF/C期間が短い程顕在化し易く、例えば運転者によって急激にアクセルペダルが操作されること等によって突如F/C期間が終了する場合等には、そのような状況に予想される加速の要求等に鑑みて係る問題が顕著である。
そこで、本発明に係る内燃機関の制御装置では、例えばECU等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等として構成される特定手段、遅角量決定手段及び点火制御手段を備えることによって、係る問題を好適に解決せしめている。
即ち、特定手段は、燃料の供給が停止されてから燃料の供給が再開されるまでの期間(即ち、F/C期間)において燃料の供給が停止された回数を特定する。尚、本発明に係る「特定」とは、例えば物理的、電気的、機械的、機構的又は化学的な検出手段によって直接的又は間接的に検出することの他に、これら直接的又は間接的に検出された値に基づいて、予め設定されたアルゴリズムや算出式に従って導出又は算出すること等を含み、更には、これら検出された又は導出若しくは算出された値或いはこのような値に対応する電気信号等を例えば制御バスライン等を介して単に取得すること等を含む広い概念である。
遅角量決定手段は、予め点火時期の基準を表すものとして設定された、例えば機関回転数や負荷等内燃機関の運転条件等に応じて定まる或いは固定値である基準点火時期に対し遅角すべき遅角量を、この特定された回数に基づいて、例えば特定された回数が多い程大きくなるように決定する。
ここで、本発明に係る点火時期とは、クランク角或いはクランク角と対応する指標値によって規定され、内燃機関の所定サイクル毎に訪れる、明確な時間概念とは異なる意味としての時期であり、本発明においては、あるサイクルにおける点火時期が基準点火時期よりも早い又は遅い状態が、夫々進角された状態」又は「遅角された状態」等と表現される。
点火制御手段は、燃料の供給が再開された場合に、点火時期が所定種類の遅角期間にわたって係る基準点火時期を係る決定された遅角量に応じて遅角させてなる遅角点火時期となるように点火手段を制御する。
ここで、「所定種類の遅角期間」とは、F/C制御から復帰した場合に生じるトルクショックを低減すべきものとして規定される期間を包括する概念であり、例えば予め実験的に、経験的に或いはシミュレーション等に基づいて、トルクショックを実践上十分な程度に低減しつつ内燃機関の或いは車両の性能低下を招かない程度の期間として設定されていてもよい。この場合、係る遅角期間は固定であっても可変であってもよく、可変で有る場合には例えば、特定された回数に応じて係る遅角期間が可変に設定されていてもよい。
燃料の供給が停止されれば、対応する気筒において混合気の燃焼プロセスが生じないから、その分内燃機関の出力トルクが低下する。従って、特定手段によって特定される回数は、F/C期間中におけるトルクの低下の度合いを効率的に且つ正確に規定し得る指標となり得る。また、例えばF/C期間中に全ての気筒について燃料の供給が停止される(即ち、燃料の供給タイミングを迎えた場合には必ず供給が停止される)ならば、特定される回数は、機関回転数の変動の影響を除けばF/C期間の長さとリニアな関係を有し、少なくともその回数の多寡に応じてF/C期間の長さを定性的又は定量的に表し得る指標となり得る。
このように、本発明に係る内燃機関の制御装置によれば、基準点火時期に対する遅角量を、F/C期間におけるトルクの低下の度合い、或いはF/C期間の長さに応じて可変に制御することが可能となる。従って、その都度基準点火時期を必要にして十分に遅角せしめることが可能となる。即ち、本発明に係る内燃機関の制御装置によれば、燃料の供給が再開される場合のトルクショックを効率的に低減することが可能となるのである。
尚、遅角量は、特定された回数に基づいて決定される限りにおいて何ら限定されず、例えば、予め特定される回数に対応付けられて、例えば然るべき記憶手段にマップ等の形態で記憶されてなる、基準点火時期として採り得る値よりも遅角側に設定された複数の固定値であってもよく、その場合、遅角量決定手段は、係るマップ等から特定された回数或いは係る回数に基づいて算出又は導出される値に該当する遅角量を選択することにより遅角量を決定してもよい。或いは遅角量は、例えば一の固定値を特定される回数に基づいて適宜増減補正して得られる、特定される回数に応じて連続的又は段階的に可変な値であってもよい。
また、遅角量は、燃料の供給が停止された回数が多い程大きくなるように遅角量が決定されてもよい。また、この際、例えば失火限界等の勘案して許容し得る最大の遅角量(即ち、遅角量の上限値)が設定され、係る最大の遅角量以下となる範囲で遅角量が決定されてもよい。
更には、予め実験的に、経験的に或いはシミュレーション等に基づいて、燃料の供給が停止された回数とF/C制御からの復帰時に生じるトルクショックとの関係が判明している或いは推定され得る場合には、このような関係に基づいて、トルクショックを実践上好ましい程度に解消せしめ得るように、更には、それに加えて車両の性能低下を招かない程度に遅角量が決定されてもよい。
本発明に係る内燃機関の制御装置の一の態様では、前記点火制御手段は、前記遅角期間の終了後に前記点火時期が前記基準点火時期となるように前記点火手段を制御する。
この態様によれば、F/C制御から復帰した後、遅角期間を経て最終的に点火時期が基準点火時期に収束するから、内燃機関の性能低下が防止される。
本発明に係る内燃機関の制御装置の他の態様では、前記遅角量決定手段は、前記遅角量を前記燃料の供給が再開された後の経過時間に対応付けて決定する。
この態様によれば、遅角量が、燃料の供給が再開された後の、好適には再開された時点からの経過時間に対応付けられて決定されるため、F/C制御から復帰した後の点火時期を、トルクショックを低減し且つ内燃機関の性能低下を防止し得るように最適化することが可能となる。尚、この場合、遅角量が係る時間経過に応じてゼロとなるまで減少せしめられる場合には、係る遅角量によって一義的に前述した遅角期間が決定される。即ち、遅角量を係る経過時間に対応付けて決定することにより、F/C制御からの復帰時以降の燃料の供給態様を、例えば比較的早期に基準点火時期に基づいた通常の燃料供給制御に戻すことも、或いは比較的長期にわたって遅角点火時期に基づいた遅角制御に維持することも容易にして可能となる。また、F/C制御の有無に係るトルクショックは、点火時期の変化に伴って生じ得るトルク差よりも大きいことが多いから、係る遅角量は経過時間に応じて必ずしも徐々に減少せしめる必要はなく、例えばF/C期間の終了後一定又は不定の時間が経過した後比較的急峻に進角せしめてもよい。
尚、この態様における「経過時間」とは、遅角量がクランク角に相当する角度概念であり、内燃機関の機関回転数に応じて一サイクルに要する時間が変化することに鑑みれば、必ずしも明確な時間概念でなくてもよく、例えば、点火時期を何度迎えたかといった、点火時期に係る回数概念であってもよい。この場合も、機関回転数が一定ならば点火時期を迎えた回数が多い程時間は長いのであり、広い意味では時間概念の一部として扱ってよい。
尚、この態様において、前記遅角量決定手段は、前記経過時間に対応する遅角量の少なくとも一部を、予め前記遅角点火時期の基準を表すものとして少なくとも前記経過時間に対応付けられて設定される基準遅角点火時期のうち前記基準点火時期よりも遅角側に相当する点火時期の少なくとも一部と前記基準点火時期との差分として規定される基準遅角量を前記特定された回数に基づいて補正することにより決定してもよい。
この態様によれば、基準遅角点火時期が設定されるため、遅角量の決定に係る処理負荷を軽減し得ると共に、係る基準遅角点火時期によって規定される遅角量の時間特性の少なくとも一部を、定量的に或いは定性的にみて維持することも可能となる。
基準遅角点火時期は、少なくとも係る経過時間に対応付けられて設定される限りにおいて如何なる時間特性を有していてもよく、例えば初期値として失火限界付近の遅角量を採り、一定又は不定の時間の後に徐々に減少するような特性を有していてもよい。尚、基準点火時期は必ずしも固定値ではないから、基準遅角量自体は必ずしも固定値でなくてもよい。また、基準遅角点火時期は、予め実験的に、経験的に或いはシミュレーション等に基づいて、トルクショックを実践上十分に低減しつつ内燃機関の性能低下を招かない或いは顕在化させない程度の値及び時間特性として設定されていてもよい。
尚、「基準遅角量」とは、基準遅角点火時期の少なくとも一部と基準点火時期との差分であり、基準遅角量が、特定された回数に基づいて補正されることに鑑みれば、係る補正された基準遅角量に相当する遅角量に応じて遅角点火時期が得られる時点以降については、係る遅角量を、例えば基準遅角点火時期とは無関係に或いは基準遅角点火時期の特性に関連付けて一定又は不定の割合で減少せしめてもよい趣旨である。
また、基準遅角量が決定される態様において、前記遅角量決定手段は、前記基準遅角量に対し前記内燃機関に備わる気筒の数に対する前記特定された回数の割合を乗じることによって前記経過時間に対応する遅角量の少なくとも一部を決定してもよい。
内燃機関に備わる気筒に係る気筒数に対する特定された回数との割合は、F/C期間中におけるトルクの低下の度合いを正確且つ簡便に表し得る指標であり、この場合、遅角量を実践上過不足ない値に設定することができるため好適である。
更に、割合を乗じることによって遅角量を決定する態様において、前記遅角量決定手段は、前記割合が1以上である場合に前記基準遅角量を前記経過時間に対応する遅角量の少なくとも一部として決定してもよい。
例えば、内燃機関に備わる気筒について夫々最低一回燃料の供給に対するが停止された場合、F/C期間におけるトルクの低下は十分に大きいものとなり得る。気筒数に対する特定された回数の割合が1以上となる場合、全気筒について少なくとも一回燃料の供給が停止された可能性が極めて高いから、基準遅角点火時期を、例えば予め実験的に、経験的に或いはシミュレーション等に基づいて、F/C期間中のトルクの低下が十分に大きい場合にトルクショックを十分に低減し且つ内燃機関の性能低下を招かないように適合させておくこと等によって、点火時期を基準遅角点火時期よりも遅角側に設定する必要は殆ど生じなくなる。また、基準遅角点火時期の少なくとも一部が、失火限界近傍に設定される場合には、遅角量が基準遅角量を超えることによって、点火時期が失火限界に到達する可能性があるから、このように、基準点火時期からの遅角量に言わば遅角側のガードを設けることにより、内燃機関を失火させることなくトルクショックを低減することも可能となる。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施形態から明らかにされる。
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。
<実施形態の構成>
始めに、図1を参照して、本発明の一実施形態に係る車両の構成について説明する。ここに、図1は、車両10のブロック図である。
図1において、車両10は、ECU100、エンジン200、トルクコンバータ300及びECT(Electronic Controlled Transmission:電子制御式トランスミッション)400を備える。
ECU100は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を備え、車両10の動作全体を制御する電子制御ユニットであり、本発明に係る「内燃機関の制御装置」の一例である。ECU100は、ROMに格納された制御プログラムに従って、後述するF/C復帰時点火時期算出処理を実行することが可能に構成されている。
エンジン200は、本発明に係る「内燃機関」の一例たるガソリンエンジンであり、車両10の主たる動力源として機能する。ここで、図2を参照して、エンジン200の詳細な構成について説明する。ここに、図2は、エンジン200の模式図である。尚、同図において、図1と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
図2において、エンジン200は、気筒201内において点火装置202の一部として燃焼室内に一部が露出した点火プラグ(符号は省略)による点火動作を介して混合気を燃焼せしめると共に、係る燃焼による爆発力に応じて生じるピストン203の往復運動を、コネクティングロッド204を介してクランクシャフト205の回転運動に変換することが可能に構成されている。以下に、エンジン200の要部構成を、その動作の一部と共に説明する。尚、本実施形態において、エンジン200は気筒201が紙面に垂直な方向へ6本配列してなる直列6気筒エンジンであるが、図面の煩雑化を防ぐ目的から、図2においては、一の気筒201に係る動作のみを説明することとする。
図2において、外部から吸入された空気は、吸気管206を通過し、インジェクタ207(即ち、本発明に係る「供給手段」の一例)から噴射された燃料と混合されて前述の混合気となる。燃料は、燃料タンク223に貯留されており、低圧ポンプ225の作用によりデリバリパイプを介してインジェクタ207に圧送供給されている。この際、燃料は、デリバリパイプに設けられたフィルタ224によって不純物が濾過された状態でインジェクタ207に供給される。尚、インジェクタ207は、ECU100と電気的に接続されており、ECU100によって制御される通電時間に応じた量の燃料を吸気管206内に噴射することが可能に構成される。
尚、燃料を噴射する噴射手段の形態は、図2に例示するような所謂吸気ポートインジェクタの構成を採らずともよく、例えば、低圧ポンプ225によって圧送される燃料の圧力を更に高圧ポンプによって昇圧せしめ、高温高圧の気筒201内部へ燃料を直接噴射することが可能に構成された、所謂直噴インジェクタ等の形態を有していてもよい。
気筒201内部と吸気管206とは、吸気バルブ208の開閉によって連通状態が制御されている。気筒201内部で燃焼した混合気たる排気は、吸気バルブ208の開閉に連動して開閉する排気バルブ209を通過し、排気管210等を介して図示せぬ車両10の外へ排気される。
吸気管206上には、クリーナ211が配設されており、外部から吸入される空気が浄化される。また、クリーナ211の下流側(シリンダ側)には、ホットワイヤー式のエアフローメータ212が配設されており、吸入空気の質量流量を直接測定することが可能に構成されている。また、吸気管206には、吸入空気の温度を検出可能な吸気温センサ213が設置されている。尚、エアフローメータ212及び吸気温センサ213は、夫々ECU100と電気的に接続されており、その検出値を表す電気信号がECU100に常に供給される構成となっている。
吸気管206におけるエアフローメータ212の下流側には、気筒201内部への吸入空気量を調節するスロットルバルブ214が配設されている。スロットルバルブ214の開度(即ち、スロットル開度)は、スロットルポジションセンサ215によって検出され、スロットルポジションセンサ215と電気的に接続されたECU100によって絶えず把握される構成となっている。また、スロットル開度は、ECU100と電気的に接続されたスロットルバルブモータ217によって可変に制御される構成となっている。
一方、運転者によるアクセルペダル226の踏み込み量は、アクセルポジションセンサ216によって検出され、アクセルポジションセンサ216と電気的に接続されたECU100により絶えず把握される構成となっている。ECU100は、通常、係るアクセルポジションセンサ216によって検出されたアクセルペダル226の踏み込み量に応じたスロットル開度が得られるようにスロットルバルブモータ217の駆動制御を介してスロットルバルブ214を制御している。但し、スロットルバルブ214は、スロットルバルブモータ217によって駆動される電子制御式のスロットルバルブであり、スロットル開度は、最終的にはECU100の制御により、運転者の意思(即ち、アクセルペダル226の踏み込み量)とは無関係に可変に制御され得る。
クランクシャフト205近傍には、クランクシャフト205の回転状態を表すクランク角を検出するためのクランクポジションセンサ218が設置されている。クランクポジションセンサ218は、ECU100と電気的に接続されており、ECU100は、クランクポジションセンサ218によって検出されたクランク角に基づいてピストン203の位置を把握し、点火プラグ202の点火時期等を制御することが可能に構成されている。また、ECU100は、クランクポジションセンサ218によって検出されたクランク角を時間処理することによって、エンジン200の機関回転数Neを算出することが可能に構成されている。
気筒201を収容するシリンダブロックには、エンジン200のノック強度を測定可能なノックセンサ219が配設されており、また係るシリンダブロック内のウォータージャケット内には、エンジン200の冷却水温を検出するための水温センサ220が配設されている。これらは、夫々ECU100と電気的に接続されており、その検出値が絶えずECU100によって把握される構成となっている。
排気管210には、三元触媒222が設置されている。三元触媒222は、エンジン200から排出されるCO(一酸化炭素)、HC(炭化水素)、及びNOx(窒素酸化物)を夫々浄化することが可能に構成されている。排気管210における三元触媒222の上流側には、空燃比センサ221が配設されている。空燃比センサ221は、排気管210から排出される排気ガスから、エンジン200の空燃比を検出することが可能に構成されている。空燃比センサ221は、ECU100と電気的に接続されており、その検出値たる実空燃比は、ECU100によって常に把握される構成となっている。
図1に戻り、トルクコンバータ300は、エンジン200のクランクシャフト205に接続された入力軸300a及びECT400に接続された出力軸300b並びに係る入力軸300a及び出力軸300bを直結するためのロックアップクラッチ310等を備え、入力軸300aに接続されたポンプインペラ(不図示)の回転動力をATF(Automatic Transmission Fluid)を介して、またステータ(不図示)によってトルクを増幅させつつ出力軸300bに接続されたタービンランナ(不図示)に回転動力として伝達することが可能に構成されている。即ち、エンジン200の動力は、トルクコンバータ300を介してECT400に伝達される構成となっている。尚、トルクコンバータ300における、例えばロックアップクラッチ310の動作(例えば、係合動作等)は、トルクコンバータ300と電気的に接続されたECU100によって制御される構成となっている。
ECT400は、複数のクラッチ要素、ブレーキ要素及びワンウェイクラッチ要素等からなる複数の摩擦係合装置(不図示)を備える。ECT400は、ECU100と電気的に接続されており、ECU100による各種ソレノイド(不図示)等の駆動制御を介してこれら各摩擦係合装置相互間の係合状態が変化することによって、相互に異なる複数の変速比を得ることが可能に構成された自動変速機である。
<実施形態の動作>
<F/C制御の概要>
ECU100は、車両10が減速期間にあり且つ機関回転数Neが所定のカット回転数以上の範囲にある場合にF/C制御を実行する。F/C制御時には、インジェクタ207を介した燃料の供給が停止され、燃料の効率的な使用が促進され燃費が向上する。このF/C制御は、機関回転数Neが、カット回転数未満の値である復帰回転数未満になった場合に終了し(より具体的には、カット回転数が復帰回転数を所定量上乗せした値として設定されている)、この場合、速やかにインジェクタ207を介した燃料供給が再開される。
F/C制御は、フレックスロックアップ制御を伴って実行される。フレックスロックアップ制御において、ECU100は、ロックアップクラッチ310に係る機械的な動力伝達と、ATFを介した動力伝達との比率が最適となるように、走行状態に応じてロックアップクラッチ310の係合状態を所定のスリップ状態に制御し、エンジン200の動力伝達効率を向上させている。また、この際、ECT400における変速レンジが、機関回転数Neが復帰回転数に到達する以前に現時点における変速レンジよりも変速比の大きい変速レンジへ切り替わるように(即ちシフトダウンするように)ECT400が制御され、F/C期間が延長せしめられる。フレックスロックアップ制御は、機関回転数Neが、復帰回転数に基づいて決定されるフレックスロックアップ許可回転数以上となる期間において実行可能となる。
<F/C復帰時における点火時期遅角制御の概要>
ECU100は、通常、点火装置202に係る点火時期を基準点火時期eabseに設定している。基準点火時期eabseは、ECU100のROMに予め然るべきマップとして記憶されており、エンジン200の機関回転数Ne及びスロットル開度Thr等に応じて可変なクランク角の値である。基準点火時期eabseは、例えば圧縮TDC(Top Death Center:上死点)近傍、例えば圧縮TDCより若干進角側の値である。
一方、上述したF/C制御が、例えば機関回転数Neが復帰回転数に到達することにより、或いは運転者によるアクセルワーク等により通常の燃料供給制御に復帰する場合、エンジン200の出力トルクは当然ながら不連続となるため、トルクショックが生じる。このようなF/C制御からの復帰時に点火時期を基準点火時期eabseに設定すると、トルクショックが過大となる場合がある。そこで、ECU100は、F/C制御からの復帰時には一旦点火装置202に係る点火時期を基準点火時期eabseから遅角させ、エンジン200の出力トルクを、点火時期が基準点火時期eabseに設定された場合と比較して低下させることによってトルクショックを低減させている。
この際、ECU100は、基準点火時期eabseからの遅角量を、F/C期間におけるトルクの低下の度合いに応じて可変に制御することにより、効率的にトルクショックを低減せしめている。このような、可変な遅角量に基づいた、F/C制御からの復帰時における点火時期であるF/C復帰時点火時期eafc(即ち、本発明に係る「遅角点火時期」の一例)は、F/C復帰時点火時期算出処理によって算出される。
<F/C復帰時点火時期算出処理の詳細>
ここで、図3を参照して、F/C復帰時点火時期算出処理の詳細について説明する。ここに、図3は、F/C復帰時点火時期算出処理のフローチャートである。
図3において、ECU100は始めに、F/C期間において燃料の噴射が停止された回数である噴射カット回数ecfcinjを取得する(ステップA10)。ここで、本実施形態において、噴射カット回数ecfcinjは、係るF/C復帰時点火時期算出処理と並行してECU100により実行される噴射カット回数カウント処理によって決定される。
ここで、図4を参照して、噴射カット回数カウント処理の詳細について説明する。ここに、図4は、噴射カット回数カウント処理のフローチャートである。
図4において、ECU100は始めに、噴射カット回数ecfcinjをリセットする(ステップB10)。即ち、この時点で噴射カット回数ecfcinjはゼロに設定される。尚、噴射カット回数ecfcinjは、ECU100のバッファメモリ上に適宜更新可能に記憶されている。
次に、ECU100は、F/C制御が開始されたか否かを判別する(ステップB11)。F/C制御が開始されていない場合(ステップB11:NO)、ECU100は、ステップB11に係る処理を繰り返し実行し、処理を実質的に待機状態に制御すると共に、F/C制御が開始された場合には(ステップB11:YES)、F/C制御の終了条件が満たされるか否かを判別する(ステップB12)。例えば機関回転数Neが復帰回転数以下に低下したり、或いは運転者によってアクセルペダル226が操作されたりすること等によってF/C制御の終了条件が満たされた場合(ステップB12:YES)、ECU100は、処理をステップB10に戻し、一連の処理を繰り返す。
F/C制御の終了条件が満たされない場合(ステップB12:NO)、ECU100は、燃料の噴射が停止されたか否かを判別する(ステップB13)。燃料の噴射が停止されない場合(ステップB13:NO)、ECU100は、処理をステップB12に戻し、F/C制御の終了条件に係る判別処理を実行する。
一方、燃料の噴射が停止された場合(ステップB13:YES)、ECU100は、噴射カット回数ecfcinjを「1」インクリメントし、新たに噴射カット回数ecfcinjとして記憶する(ステップB14)と共に、処理をステップB12に戻し、一連の処理を繰り返す。この結果、燃料の噴射が停止される毎に噴射カット回数ecfcinjがインクリメントされ、ECU100のバッファメモリには、F/C期間中において燃料の噴射がカットされた回数である噴射カット回数ecfcinjが正確に記憶される。
図3に戻り、ECU100は、ステップA10に係る処理において、ECU100のバッファメモリに記憶された噴射カット回数ecfcinjを取得する。
噴射カット回数ecfcinjを取得すると、ECU100は、係る取得された噴射カット回数ecfcinjをエンジン200の気筒数(即ち、本実施形態では「6」)で除算した値(即ち、本発明に係る「割合」の一例)が、「1」未満であるか否か、即ち、F/C期間において、未だ燃料の噴射が停止されていない気筒が存在するか否かを判別する(ステップA11)。
係る除算の結果が「1」以上である場合、即ち、エンジン200に備わる6本の気筒201の各々について、少なくとも一回燃料の供給が停止された場合(ステップA11:NO)、ECU100は、遅角反映係数ekafcを「1」に設定する(ステップA13)。
一方、係る除算の結果が「1」未満である場合、即ち、エンジン200に備わる6本の気筒201の各々のうち、未だ燃料の供給が一回も停止されていない気筒が存在する場合(ステップA11:YES)、ECU100は、遅角反映係数ekafcを係る除算の結果に相当する値に設定する(ステップA12)。
ステップA12又はステップA13が実行され、遅角反映係数ekafcが決定すると、ECU100は、下記(1)式に従ってF/C復帰時点火時期eafcを算出する(ステップA14)。
eafc=eabse−(eabse−eafcb)×ekafc …(1)
尚、(1)式において「eafcb」とは、予めF/C制御から復帰した時点からの経過時間に対応付けられて設定された、F/C復帰時点火時期の基準を表す基準F/C復帰時点火時期(即ち、本発明に係る「基準遅角点火時期」の一例)である。また、(1)式を構成する要素は、遅角反映係数ekafcを除いて全てクランク角であり、便宜的に進角側程大きいものとして表されている。上記(1)式を補足すれば、F/C復帰時点火時期eafcは、基準点火時期eabseを、基準点火時期eabseと基準F/C復帰時点火時期eafcbとの差分である基準遅角量(即ち、本発明に係る「基準遅角量」の一例)に遅角反映係数ekafcを乗じて得られる遅角量(即ち、本発明に係る「基準点火時期に対し遅角すべき遅角量」の一例)に応じて遅角してなる値である。この際、遅角反映係数ekafcの最大値は「1」に制限されるから、F/C復帰時点火時期eafcとして採り得る最も遅角側の値が、基準点火時期eabseを基準遅角量に応じて遅角してなる基準F/C復帰時点火時期eafcbとなるのである。また、F/C制御から復帰する場合に、トルクショックを低減する目的から点火時期が遅角制御されることに鑑みれば、当然ながらF/C復帰時点火時期eafcは、基準点火時期eabseを上限とする(即ち、最も進角側に設定されても基準点火時期eabseであることを意味する)値である。
ステップA14に係る処理によって、その時点の噴射カット回数ecfcinjに応じてF/C復帰時点火時期eafcが、F/C制御から復帰した後の経過時間に対応付けられて決定されると、ECU100は処理をステップA10に戻し、一連の処理を繰り返す。
次に、図5を参照して、F/C制御から復帰する際の点火時期制御の詳細について説明する。ここに、図5は、点火時期制御の一例を表すタイミングチャートである。
図5において、横軸は時刻であり、縦軸の系列には、上段から順に、スロットル開度Thr、F/Cフラグ、噴射カット回数ecfcinj、遅角反映係数ekafc及び点火時期の様子が示される。以下、時系列に沿って、各項目の変化を説明する。
先ず、時刻T0において、スロットル開度Thrが、Thr1(Thr1>0)から0に変化すると、それに伴い車速が低下し、時刻T0からある程度の時間が経過した時刻T1において、F/C制御の実行可否を規定するF/CフラグがL(即ち、非実行)から、H(即ち、実行)へと切り替わる。
F/CフラグがHへ切り替わることにより、上述したF/C制御が開始される。このF/C期間において、一定のタイミング毎に(実際には機関回転数Neが変化するから一定ではないが、説明の簡略化のため、ここでは機関回転数Neが一定であるとする)燃料の噴射タイミングが訪れる。本実施形態では、F/C期間中は全ての気筒について燃料の噴射を停止するため、一定のタイミング毎に噴射カット回数ecfcinjが既に説明した如くインクリメントされる。
ここで、エンジン200は6気筒エンジンであるから、時刻T2において噴射カット回数ecfcinjが「3」になると、遅角反映係数ekafcは「0.5」となる。更に時間が経過して時刻T3になると、噴射カット回数ecfcinjが「6」となり、遅角反映係数ekafcは「1.0」となる。遅角反映係数ekafcは、上限値が「1.0」であり、これ以降遅角反映係数ekafcは「1.0」のまま維持される。
一方、時刻T4において、例えば機関回転数Neが復帰回転数に到達する等して、F/Cフラグが「L」に、即ち、F/C制御が終了し、燃料の噴射が再開される。この時点で、噴射カット回数ecfcinjは「9」であるが、既に述べたように遅角反映係数ekafcは「1.0」である。
点火時期の項目には、3本の点火時期特性が描かれる。図示点線で描かれる特性は、基準F/C復帰時点火時期eafcbの特性である。基準F/C復帰時点火時期eafcbは、F/C期間中において基本点火時期eabseが採り得ない極端に進角側の値であるeafcb0に設定されており、F/C制御から復帰した時点で(即ち、F/CフラグがHからLに切り替わった時点で)失火限界付近の値eafcb1を採るように設定されている。また、F/C制御からの復帰時点から一定期間については係る失火限界付近のeafcb1が維持され、それ以降一定の傾きで徐々に進角されて最終的にeafcb0に戻るような軌跡を描く。一方、図示一点鎖線で描かれる特性は、基準点火時期eabseの特性であり、図5においては時間に応じて不変の値eabse0を採る。
本実施形態では、基準F/C復帰時点火時期eafcbのうち基準点火時期eabseより遅角側の領域の更に一部、即ち基準F/C復帰時点火時期eafcbの最小値(最も遅角側の値)であるeafcb1と、基準点火時期eabse0との差分(即ち、本発明に係る「基準遅角量」の一例)に遅角反映係数ekafcを乗じて得られる遅角量に応じて基準点火時期eabse0を遅角せしめることによって、F/C復帰時点火時期eafcの一部が求められる。F/C復帰時点火時期eafcの軌跡は、図示実線で示される。
従って、時刻T4においてF/C実行フラグがLになった場合、基準F/C復帰時点火時期eafcbは失火限界付近のeafcb1を採り、F/C復帰時点火時期eafcは、基準点火時期eabse0に対し、eafcb1とeabse0との差分(基準遅角量)に遅角反映係数ekafc、即ち「1.0」を乗じた値を遅角してなるeafcb1となる。尚、このような点火時期の演算自体は、その少なくとも一部が、上述したF/C復帰時点火時期算出処理により、F/C期間中に行われている。
図5では、遅角反映係数ekafcが「1.0」であるから、F/C制御から復帰して以降、F/C復帰時点火時期eafcは、基準F/C復帰時点火時期eafcbと一致し、時刻T5まではeafcb1を採る。一方で、時刻T5以降のF/C復帰時点火時期eafcは、eafcb1から、基準F/C復帰時点火時期eafcbの特性と等しい一定の傾きで進角し(即ち、進角するように遅角量が演算され)、基準点火時期eabse0に対する遅角量は減少する。この際、この傾きに応じて定まる時刻T6において、F/C復帰時点火時期eafcは基準点火時期eabse0と一致し、これ以降点火時期は基準点火時期eabse0に切り替わる。即ち、時刻T4から時刻T6に至る期間は、本発明に係る「遅角期間」の一例である。
更に、図6を参照して、F/C制御から復帰する際の点火時期制御の更なる詳細について説明する。ここに、図6は、点火時期制御の他の一例を表すタイミングチャートである。尚、同図において、図5と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
図6では、噴射カット回数ecfcinjが「3」となる時刻T2において、運転者によるアクセルペダル226の操作が行われ、スロットル開度ThrがThr2(Thr2>Thr1)となる。従って、時刻T7においてF/Cフラグが「L」となり、F/C制御から復帰する。
この際、遅角反映係数ekafcは「0.5」であるから、図5と異なり、F/C復帰時点火時期eafcは、基準点火時期eabse0に対し、eafcb1とeabse0との差分(基準遅角量)に0.5を乗じた値を遅角してなるeafc0となる。
一方、F/C制御から復帰して以降、F/C復帰時点火時期eafcは、時刻T8まで、このeafc0を維持する。それ以降図5と同様一定の傾きで基準点火時期eabse0に対する遅角量が減少する。従って、この傾きに応じて定まる時刻T9において、F/C復帰時点火時期eafcは基準点火時期eabse0と一致し、これ以降点火時期は基準点火時期eabse0に切り替わる。即ち時刻T7から時刻T9に至る期間は、本発明に係る「遅角期間」の他の一例である。
このように、本実施形態によれば、F/C期間中に燃料の噴射が停止された回数に基づいて、即ちF/C期間中におけるトルクの低下の度合いに基づいて、基準点火時期eabseからの遅角量が可変であり、F/C制御から復帰する際のトルクショックを、係るトルクの低下の度合いを反映して過不足なく低減することが可能となっている。即ち、効率的に燃料の供給が再開される場合のトルクショックを効率的に低減することが可能となっているのである。
尚、本実施形態では、F/C復帰時点火時期eafcがeafcb1から進角される際の傾きが、予め設定された基準F/C復帰時点火時期eafcbの傾きで固定されているが、F/C復帰時点火時期eafcが進角される際の時間的な傾きはこれに限定されない。
例えば、図6において、基準F/C復帰時点火時期eafcbのうち基準点火時期eabseよりも遅角側にある部分全てと基準点火時期eabse0との差分が、本発明に係る基準遅角量の他の一例として、遅角反映係数ekafcを乗じる対象に設定されていてもよい。即ちこの場合、点火時期がF/C復帰時点火時期eafcに設定される期間は一定に(即ち、図5における「T6−T4」に相当する期間)保たれてもよい。
或いは逆に、このような傾きは、F/C期間におけるトルク低下の度合いに応じて、具体的には、係るトルクの低下が小さい程急になるように設定されてもよい。即ち、トルク低下が小さければ、実施形態に示したようにF/C制御から復帰した直後のF/C復帰時点火時期eafcは、より基準点火時期eabseに近づき得るから、点火時期を遅角せしめる期間を短くしても、実践上問題が顕在化する可能性は小さいものとなる。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う内燃機関の制御装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
本発明の一実施形態に係る車両のブロック図である。 図1の車両におけるエンジンの模式図である。 図1の車両においてECUが実行するF/C復帰時点火時期算出処理のフローチャートである。 F/C復帰時点火時期算出処理において噴射カット回数を算出するための噴射カット回数カウント処理のフローチャートである。 点火時期制御の一例を表すタイミングチャートである。 点火時期制御の他の一例を表すタイミングチャートである
符号の説明
10…車両、100…ECU、200…エンジン、201…気筒、202…点火装置、203…ピストン、205…クランクシャフト、207…インジェクタ。

Claims (6)

  1. 燃料を供給する供給手段及び前記供給される燃料を含む混合気に対し点火を行うための点火手段を備えた内燃機関を制御する内燃機関の制御装置であって、
    前記車両の減速期間において前記内燃機関の機関回転数が所定のカット回転数以上である場合に前記燃料の供給が停止されるように前記供給手段を制御すると共に、前記燃料の供給が停止される期間において前記燃料の供給を再開すべきものとして規定される所定の再開条件が満たされた場合に前記燃料の供給が再開されるように前記供給手段を制御する供給制御手段と、
    前記燃料の供給が停止されてから前記燃料の供給が再開されるまでの期間において前記燃料の供給が停止された回数を特定する特定手段と、
    前記特定された回数に基づいて、予め前記点火に係る点火時期の基準を表すものとして設定される基準点火時期に対し遅角すべき遅角量を決定する遅角量決定手段と、
    前記燃料の供給が再開された場合に、前記点火時期が所定種類の遅角期間にわたって前記基準点火時期を前記決定された遅角量に応じて遅角させてなる遅角点火時期となるように前記点火手段を制御する点火制御手段と
    を具備することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記点火制御手段は、前記遅角期間の終了後に前記点火時期が前記基準点火時期となるように前記点火手段を制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記遅角量決定手段は、前記遅角量を前記燃料の供給が再開された後の経過時間に対応付けて決定する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記遅角量決定手段は、前記経過時間に対応する遅角量の少なくとも一部を、予め前記遅角点火時期の基準を表すものとして少なくとも前記経過時間に対応付けられて設定される基準遅角点火時期のうち前記基準点火時期よりも遅角側に相当する点火時期の少なくとも一部と前記基準点火時期との差分として規定される基準遅角量を前記特定された回数に基づいて補正することにより決定する
    ことを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記遅角量決定手段は、前記基準遅角量に対し前記内燃機関に備わる気筒の数に対する前記特定された回数の割合を乗じることによって前記経過時間に対応する遅角量の少なくとも一部を決定する
    ことを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記遅角量決定手段は、前記割合が1以上である場合に前記基準遅角量を前記経過時間に対応する遅角量の少なくとも一部として決定する
    ことを特徴とする請求項5に記載の内燃機関の制御装置。
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