JP2007231849A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】空燃比切り替えに際しトルク段差に起因する快適性の低下を防止する。
【解決手段】エンジンシステム10において、ECU100は空燃比制御処理を実行する。空燃比制御処理では、エンジン200における空燃比がリーン空燃比又はストイキ空燃比に制御される。空燃比がリーン空燃比からストイキ空燃比に切り替えられる際には、トルクが維持される場合の吸入空気量の変化量が最小となる稼動気筒数が選択され、係る稼動気筒数に対応する気筒を使用した減筒ストイキ運転が実行される。また、減筒ストイキ運転が実行されるに際し、吸入空気量の変化量に対応するトルク段差が所定値以下であれば、吸入空気量が維持され、トルク段差が所定値より大きい場合には、吸入空気量がトルクを維持すべく変更されると共に吸入空気量の実応答の遅延に起因して発生するトルク段差が点火時期の遅角制御により解消される。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えばリーン燃焼用やストイキ燃焼用に、空燃比を切り替えることが可能な内燃機関の制御装置の技術分野に関する。
この種の技術分野では、空燃比或いは燃焼状態を切り替える際に生じるトルク段差を吸収するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示された直噴火花点火エンジンの制御装置(以下、「従来の技術」と称する)によれば、均質ストイキ燃焼から点火時期を遅角側安定限界付近まで徐々に遅角した後成層ストイキ燃焼に切り替えると同時に前記総遅角分を一気に進角し、再度点火時期を遅角側安定限界付近まで徐々に遅角した後成層リーン燃焼に切り替えると同時に前記総遅角分を一気に進角することによって、段階的にトルク段差を吸収することが可能であるとされている。
尚、トラクションコントロール等車両用駆動力制御装置の技術分野では、成層燃焼域で駆動輪のスリップ状態を判定したとき、成層燃焼から均質ストイキ燃焼に切り替え、この燃焼切り替え時のスロットル開度の変化に伴って吸入空気の応答遅れが生ずる間、燃料カットの気筒数を、均質ストイキ燃焼域でスリップ状態を判定したときよりも増やす技術も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2004−60504号公報 特開平11−236835号公報
燃焼状態の切り替え前後ではトルクが維持されるのが好ましく、従来の技術においてトルクを維持しようとした場合には、例えばスロットルバルブの開度操作によって吸入空気量を変化させ、トルク段差を解消する必要がある。しかしながら、この場合、係る開度の変化に対して吸入空気量の実応答が遅延すること等に起因して、点火時期の遅角制御のみによってトルク段差を十分に解消することが困難となり易い。とりわけトルクを維持するために必要とされる吸入空気量の変化が大きい場合には係る問題が顕著に発生し易い。また、このような問題は、均質ストイキ燃焼と均質リーン燃焼との間に言わば過渡的な燃焼状態たる成層ストイキ燃焼を挟んだとしても十分には改善され難い。即ち、従来の技術には、空燃比の切り替え前後でトルクを維持しようとした場合に快適性が損なわれ易いという技術的な問題点がある。
本発明は例えば上述した問題点に鑑みてなされたものであり、空燃比を切り替える際の快適性の低下を防止することが可能な内燃機関の制御装置を提供することを課題とする。
上述した課題を解決するため、本発明に係る内燃機関の制御装置は、複数の気筒、該複数の気筒に吸入される空気に係る吸入空気量を制限する制限手段、前記複数の気筒の各々に燃料を供給する供給手段及び該各々において前記燃料に点火する点火手段を備える内燃機関を制御する内燃機関の制御装置であって、予め設定された複数の空燃比の中から前記内燃機関の機関運転条件に応じて一の空燃比を選択する選択手段と、前記内燃機関のトルクを維持しつつ前記内燃機関の空燃比を現時点の空燃比から前記選択された空燃比に切り替える場合に生じるトルクの変化の度合いを特定する特定手段と、前記選択された空燃比が前記現時点の空燃比よりも低い場合に、前記特定される変化の度合いに基づいて前記複数の気筒のうち稼動させるべき気筒数を決定する気筒数決定手段と、前記選択された空燃比が前記現時点の空燃比よりも低い場合に、前記複数の気筒のうち前記決定された気筒数に対応する少なくとも一部を稼動させ、該稼動させる少なくとも一部において前記内燃機関の空燃比が前記選択された空燃比に切り替わるように前記制限手段、前記供給手段及び前記点火手段のうち少なくとも一部を制御する制御手段とを具備することを特徴とする。
本発明に係る内燃機関とは、複数の気筒を有し、且つ当該複数の気筒の各々における燃料の燃焼に伴う爆発力を、例えばピストン、コネクティングロッド及びクランク軸等を適宜介して動力として取り出すことが可能に構成された機関を包括する概念であり、例えば、車両用の2サイクル或いは4サイクルレシプロエンジン等を指す。
本発明に係る内燃機関は特に、複数の気筒に連通する、例えば吸気管等の吸気系に設置され、吸入空気量を制限或いは増減制御することが可能に構成された、例えば電子制御式スロットルバルブ等の制限手段を備える。また、複数の気筒の各々に対し、例えば吸気ポート等吸気系の一部を介して或いは当該各々における燃焼室に直接、例えばガソリン等の燃料を供給するための、例えば電子制御式インジェクタ等の供給手段を備える。更には、当該各々において然るべき点火時期に燃料に点火するための点火プラグ等の点火手段を備える。
本発明に係る内燃機関の制御装置によれば、その動作時には、例えばECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等として構成される選択手段の作用により、予め設定された複数の空燃比(例えば、ストイキ燃焼用の空燃比、リーン燃焼用の空燃比など)の中から、例えば機関回転数や要求トルク等の機関運転条件に応じて一の空燃比が選択される。
更に、例えばECU等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等として構成される特定手段の作用により、トルクを維持しつつ空燃比を現時点の空燃比から選択された空燃比に切り替える場合に生じる吸入空気量の変化の度合い、例えば吸入空気量の変化量等が特定される。
ここで、本発明に係る「特定」とは、例えば、何らかの検出手段を介して直接的に又は間接的に物理的数値又は物理的数値に対応する電気信号等として検出すること、予め然るべき記憶手段等に記憶されたマップ等から該当する数値を選択又は推定すること、それら検出された物理的数値若しくは電気信号又は選択若しくは推定された数値等から、予め設定されたアルゴリズムや計算式に従って導出すること、或いはこのように導出された値を単に電気信号等として取得すること等を包括する広い概念である。
空燃比は、制限手段を介した吸入空気量と供給手段を介した燃料量との比であるから、所定のトルクを得るために必要とされる吸入空気量は、点火時期の影響を無視すれば相異なる複数の空燃比間で必然的に相違する。特定手段によって特定される「吸入空気量の変化の度合い」とは、空燃比を切り替える場合に生じるこのような吸入空気量の変化の大きさを、直接的、間接的、抽象的及び具体的の別によらず何らかの形で表してなる指標であり、例えば、吸入空気量の変化量であってもよいし、トルクが維持される場合の吸入空気量の変化量と相関関係にある、例えば吸入空気量が維持される場合のトルクの変化量等であってもよい。或いは変化の度合いとは、単にこれらの変化の大きさを所定の基準に従って分類した、例えば「変化が大きい」又は「変化が小さい」等、段階的な指標であってもよい趣旨である。このように、本発明においてトルクを「維持する」とは、トルクを全く変化させない場合のみならず、トルク段差が実践的な意味で顕在化しない程度にトルクを変化させる場合を含む意味である。
ここで特に、実際の吸入空気量が選択された空燃比に対応する量に変化するまでの過渡期間では、係る吸入空気量と供給手段による燃料の供給量との整合が困難となるため、トルク段差が生じ易い。このような過渡期間におけるトルク段差は、例えば燃料の点火時期を相対的に遅角(好適には、膨張行程内で遅角)することによってある程度は補い得るが、内燃機関の運転領域によっては、係るトルク段差を好適に解消し得ない場合がある。とりわけ係る吸入空気量の変化の度合いが大きい転領域では、内燃機関の個体差、環境条件又は使用条件等の影響も大きくなり、係る問題が顕著に発生し易い。即ち、このような吸入空気量の制御及び点火時期の制御のみでは、吸入空気量を維持しつつ空燃比を切り替えた場合に生じるトルク段差を解消し、空燃比切り替え前後におけるトルクを維持することが実践的にみて困難である。
そこで、本発明に係る内燃機関の制御装置では、選択された空燃比が現時点の空燃比よりも低い場合には、例えばECU等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等として構成される気筒数決定手段の作用より、吸入空気量の変化の度合いに基づいて、複数の気筒のうち稼動させるべき気筒数(以下、宜「稼動気筒数」と称する)が決定される。
更に、この場合には、例えばECU等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等として構成される制御手段が、複数の気筒のうち、決定された稼動気筒数に対応する少なくとも一部を稼動させ、該稼動させる少なくとも一部における空燃比が選択された空燃比に切り替わるように制限手段、供給手段及び前記点火手段のうち少なくとも一部を制御する。
ここで、本発明において「稼動」とは、気筒内において燃焼プロセスが実行されている状態を表すものとし、複数の気筒全てが稼動せしめられることを適宜「全気筒運転がなされる」等と言い、稼動気筒数が全気筒よりも少ない状態、即ち複数の気筒の一部が稼動せしめられることを適宜「減筒運転がなされる」等と言うこととする。
内燃機関のトルクは稼動気筒数に応じて理想的にはリニアに変化するから、一の吸入空気量によって出力され得るトルクは、非稼動状態にある気筒数に応じて低下する。一方で、予め設定された複数の空燃比のうち、任意の二つの空燃比を例に採れば、相対的に高い側(即ち、リーン側)の空燃比で例えば全気筒運転がなされる場合の一の吸入空気量に対応するトルクは、相対的に低い側(即ち、リッチ側)の空燃比で例えば全気筒運転がなされる場合のそれよりも一般的に小さくなる。
従って、空燃比が相対的に低い側の空燃比に設定された状態で減筒運転がなされる場合には、必然的に内燃機関のトルク特性は、空燃比が相対的に高い側の空燃比に設定された状態で全気筒運転がなされる場合のそれに漸近する。
係る点に鑑みれば、選択された空燃比が現時点の空燃比よりも低い場合に、吸入空気量の変化の度合いに基づいて、例えば吸入空気量の変化量が最小となるような稼動気筒数が選択されること等により、実際に空燃比が切り替えられる際のトルク段差自体を小さくし得、トルク段差を好適に解消し、トルクを維持しつつ空燃比を切り替えることが可能となる。即ち、空燃比を切り替える際の快適性の低下が防止されるのである。尚、このようにトルク段差自体が小さくなることにより、内燃機関の個体差、使用条件及び環境条件等外乱要素に対する強さが相対的に向上する点からも快適性が担保される。
本発明に係る内燃機関の制御装置の一の態様では、前記複数の空燃比は、理論空燃比に基づいて設定される第1空燃比及び該第1空燃比よりも高い値に設定された第2空燃比からなり、前記選択手段は、前記第1及び第2空燃比のうち一方を選択する。
この態様によれば、理論空燃比に基づいて、例えばストイキ燃焼用に理論空燃比近傍の空燃比として設定される第1空燃比と、係る第1空燃比よりも高い値に設定された、例えばリーン燃焼用の第2の空燃比との間で空燃比が適宜切り替えられるため、空燃比切り替えに際しての負荷が軽減され得、実践上有益である。
尚、設定され得る空燃比の数は何ら限定されないが、このように二種類の空燃比、とりわけストイキ燃焼とリーン燃焼とに夫々対応する空燃比が、例えば予め実験的に、経験的に或いはシミュレーション等に基づいて夫々燃料消費率(以下、適宜「燃費」と称する)、エミッション、燃焼状態及び動力性能等が夫々許容範囲に収まるように決定されている場合等には、実践上極めて有益である。
本発明に係る内燃機関の制御装置の他の態様では、前記特定手段は、予め少なくとも前記複数の空燃比のうち最も高い空燃比を除く少なくとも一部について設定された前記稼動させるべき気筒数の候補値毎に前記変化の度合いを特定し、前記気筒数決定手段は、前記候補値毎に特定された変化の度合いに基づいて前記候補値の中から前記稼動させるべき気筒数を決定する。
この態様によれば、例えば前述した第1空燃比或いはストイキ燃焼用の空燃比であるストイキ空燃比等、少なくとも最も高い空燃比を除く少なくとも一部の空燃比について、稼動気筒数の候補値毎に変化の度合いが特定される。
従って、この態様によれば、稼動気筒数を如何なる値に設定すればよいかの判断を比較的高い精度で行うことが可能となる。即ち、空燃比を切り替える際の快適性の低下が効果的に防止され得る。尚、「少なくとも前記複数の空燃比のうち最も高い空燃比を除く少なくとも一部について」とは、無論、最も高い空燃比について同様に候補値が設定されてもよい趣旨である。
尚、場合、前記吸入空気量と前記トルクとの関係を表す出力特性を、(i)前記複数の空燃比の各々において前記複数の気筒全てが稼動している場合及び(ii)前記候補値が設定された空燃比において前記複数の気筒のうち前記候補値の各々に対応する少なくとも一部が稼動している場合について記憶する記憶手段を更に具備し、前記特定手段は、前記記憶された出力特性に基づいて前記候補値毎に前記変化の度合いを特定してもよい。
この場合、例えばROM(Read Only Memory)等然るべき記憶手段に例えばマップ等として記憶された、吸入空気量とトルクとの関係を表す出力特性に基づいて変化の度合いが特定される。この際、係る出力特性は、予め設定された空燃比の各々において全気筒運転がなされた場合及び候補値が設定された空燃比において減筒運転がなされた場合について記憶されているため、稼動気筒数を如何なる値に設定すべきであるかの判断を、より高い精度で行うことが可能となる。
本発明に係る内燃機関の制御装置の他の態様では、前記特定手段は、前記変化の度合いとして前記吸入空気量の変化量を特定する。
この態様によれば、吸入空気量の変化の度合いとして、例えば、上述した出力特性或いは予め設定されたアルゴリズム等に基づいて吸入空気量の変化量自体が特定されるため、稼動気筒数を効率的且つ効果的に決定し得る。
尚、この態様では、前記特定手段は、前記変化量として前記吸入空気量の減少量を特定してもよい。
例えば上述した点火時期の遅角制御等によってトルクを抑制することが可能であることに鑑みれば、空燃比を切り替えるに際のトルク段差は、トルクが低下する側よりもトルクが増加する側に生じた方が実践上有益である。
この場合、吸入空気量の減少量として変化量が特定されるため、稼動気筒数は、空燃比の切り替えに際し、吸入空気量に対しより高トルク側の出力特性が得られるように決定される。従って、空燃比が切り替わるまでの過渡期間におけるトルク段差が好適に解消される。
吸入空気量の変化量が特定される本発明に係る内燃機関の制御装置の他の態様では、前記気筒数決定手段は、前記変化量が最小となるように前記稼動させるべき気筒数を決定する。
この態様によれば、吸入空気量の変化量が最小限に留められるため、空燃比切り替えに際してのトルク段差自体を実質的に最小とし得うる。従って、空燃比切り替えに際しての快適性の低下が防止される。尚、「最小となるように」とは、厳密な物理量としての吸入空気量の変化量が最小となる場合の他に、例えば燃費、エミッション又は燃焼振動等トルク段差以外の何らかの指標値を許容範囲に収め得る合理的且つ実践上有益な選択肢の中で限定された、吸入空気量の変化量が実質的に最小となるような場合を含む概念である。同趣旨より、気筒数決定手段は、変化量が、(理想的に最小となる場合にまで至らずとも)なるべく小さくなるように稼動させるべき気筒数を決定すれば、実践上有効である。
本発明に係る内燃機関の制御装置の他の態様では、前記制御手段は、前記選択された空燃比が前記現時点の空燃比よりも低い場合に、前記稼動させる少なくとも一部において、前記吸入空気量が維持されるように前記制限手段を制御し且つ前記吸入空気量が維持された状態で前記空燃比が前記選択された空燃比に切り替わるように前記供給手段を制御する。
選択された空燃比が現時点の空燃比よりも低い場合、即ち相対的にリッチ側の空燃比が選択された場合には、上述した如く決定された稼動気筒数に対応する気筒が稼動せしめられ、トルク段差が好適に解消せしめられる。但し、現時点の空燃比に対応する、例えば上述した第2空燃比に基づいた全気筒運転時のトルク特性と、決定された稼動気筒数に応じてなされる、例えば上述した第1空燃比に基づいた減筒運転時のトルク特性とは、相互に完全に整合する訳ではないから、トルク段差を完全に相殺せしめんとする場合には、吸入空気量の調整が必要となる。
一方で、実践的な見地からは、係る吸入空気量の変化の度合いに対応するトルク段差が、例えば運転者に知覚され得ない程度に小さい場合、吸入空気量の調整は不要である。また、吸入空気量の変化の度合いが例えばマップ等を利用して選択又は推定される場合、マップの信頼性に起因する不確定性が伴うから、吸入空気量は維持された方がよい場合もある。
この態様によれば、空燃比が相対的に高い側から低い側へ切り替えられる場合に、吸入空気量が維持されるため、トルクを維持しつつ空燃比を切り替える際に生じる吸入空気量の変化の度合いが小さい場合には好適である。
尚、より実践的な見地からは、本態様に係る制御を実行するか否かの判断基準が適宜設けられていてもよい。この際、このような判断基準に対応する値が、例えば予め実験的に、経験的に或いはシミュレーション等に基づいて、快適性を阻害しない程度のトルク段差の範囲を規定し得るよう設定されていてもよい。
本発明に係る内燃機関の制御装置の他の態様では、前記制御手段は、前記選択された空燃比が前記現時点の空燃比よりも低い場合に、前記稼動させる少なくとも一部において(i)前記トルクが維持された状態で前記空燃比が前記選択された空燃比に切り替わるように前記制限手段及び前記供給手段を制御し且つ(ii)前記空燃比が切り替えられている期間に生じる前記維持されるべきトルクに対する前記トルクの変動が抑制されるように前記点火手段を制御する。
空燃比を相対的に高い側の空燃比から低い側の空燃比に切り替える際に生じる吸入空気量の変化の度合いが比較的大きい場合、空燃比を切り替えた瞬間に或いは切り替えた瞬間から一定又は不定の期間中に、比較的大きなトルク段差が発生し得る。
この態様によれば、空燃比が切り替えられる際に、切り替え点におけるトルクを維持すべく吸入空気量を減少せしめることに起因する、空燃比切り替え期間中のトルク変動(即ち、トルク段差)が、点火手段を介した点火時期の制御により抑制される。
尚、この際、係る切り替え期間中においては、供給手段を介した燃料供給量が、本来目的のトルクを発生させるために必要となる値に対し相対的に増加した形となる吸入空気量に適合するため、トルクが過剰に発生する。従って、点火時期をそれに応じて適宜遅角することにより、効果的にトルク段差を抑制せしめることが可能となる。
尚、このような抑制すべきトルク段差に対応する点火遅角量は、予め実験的に、経験的に或いはシミュレーション等に基づいて、更には例えば内燃機関の仕様、要求性能或いは使用環境等に応じて、発生するトルク段差を実質的に相殺し得るよう決定されていてもよい。
本発明に係る内燃機関の制御装置の他の態様では、前記制御手段は、前記選択された空燃比が前記現時点の空燃比よりも高い場合に、前記複数の気筒全てについて前記現時点の空燃比が前記選択された空燃比に切り替わるように前記制限手段、前記供給手段及び前記点火手段のうち少なくとも一部を制御する。
空燃比が相対的に低い側から高い側に切り替えられる場合、相対的に低い空燃比による減筒運転を段階的に介在させた後に目的の空燃比に到達せしめることは、空燃比の切り替えを優先すべき点に鑑みれば回避するのが妥当である。従って、このように空燃比をより高い側に切り替える場合には、トルク段差を最も小さくし得る稼動気筒数が、実質的に常に全気筒に制限される。
従って、この場合、減筒運転による本発明に係る顕著な効果は期待されないが、上述したようにトルク段差を例えば点火時期の遅角制御によって抑制することは可能であり、又少なからず効果的である。即ちこの態様によれば、快適性を担保しつつ空燃比を双方向に切り替えることが可能となり実践上極めて有益である。
本発明に係る内燃機関の制御装置の他の態様では、前記制御手段は、前記複数の気筒のうち一部が稼動していない状態において前記現時点の空燃比よりも高い空燃比が選択された場合には、該稼動していない一部を含む前記複数の気筒全てを所定期間稼動させた後に前記空燃比が前記選択された空燃比に切り替わるように前記制限手段、前記供給手段及び前記点火手段のうち少なくとも一部を制御する。
何らかの理由で減筒運転が行われている状態から空燃比を相対的にリーン側の空燃比へ切り替える場合、トルク段差を低減する目的から言えば稼動気筒数は実質的に全気筒に制限されるから、期間の長短はあれ、非稼動状態にあった気筒は、比較的冷却された状態から希薄側の燃焼を強いられることになる。特に目標となる空燃比が、例えば20〜25程度の比較的高い空燃比である場合には、燃焼安定性又はエミッション等多角的に見て厳しい条件となる。
この態様によれば、減筒運転がなされている状態から空燃比がよりリーン側に切り替えられる場合には、現時点の空燃比による所定期間の全気筒運転を介した後、空燃比が目標となる空燃比に切り替えられる。従って、燃焼安定性やエミッションの悪化を招くことなく、空燃比が切り替えられる。尚、このような全気筒運転がなされる期間は特に限定されず、例えば、予め実験的に、経験的に或いはシミュレーション等に基づいて、全気筒運転を介在させることによる時間的なロスよりも全気筒運転を介在させることによる上記効果の方が勝り得る有限の時間範囲として定められていてもよい。但し、係る所定時間は、全気筒運転を何ら介在させない場合と比較して幾らかなりとも上述した効果が生じればよいのであり、そのような点に鑑みれば、例えば、非稼動状態にある気筒について現時点の空燃比による燃焼行程が1サイクル介在するだけでもよい。
本発明に係る内燃機関の制御装置の他の態様では、前記制御手段は更に、前記空燃比が前記選択された空燃比に切り替えられた場合に、前記燃料の点火時期が前記選択された空燃比に対応するMBT(Minimum advance for the Best Torque)となるように前記点火手段を制御する。
この態様によれば、各空燃比における定常状態の点火時期が基本的には常にMBTに設定される。例えば各空燃比において、例えば吸入空気量の増大に伴って速くなる燃焼速度に応じてMBTは遅角され、また、機関回転数の上昇に伴って減少するクランク角度当りの時間に応じてMBTは進角される。従って、常にトルク等の動力性能、エミッション等の環境性能及び振動等の快適性能のバランスが図られ、もって内燃機関の総合的な性能を向上させることが可能となる。尚、空燃比及びその他内燃機関の運転条件に応じたMBTの値は、例えばROM等の然るべき記憶手段に記憶されていてもよい。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施形態から明らかにされる。
<発明の実施形態>
以下、適宜図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。
<1:第1実施形態>
<1−1:実施形態の構成>
始めに、図1を参照して、本発明の第1実施形態に係るエンジンシステム10の構成について説明する。ここに、図1は、エンジンシステム10の模式図である。
図1において、エンジンシステム10は、ECU100及びエンジン200を備える。
ECU100は、図示せぬCPU(Central Processing Unit)、ROM及びRAM(Random Access Unit)等を備え、エンジン200の動作全体を制御することが可能に構成された電子制御式の制御装置であり、本発明に係る「内燃機関の制御装置」の一例である。尚、ECU100は、ROMに格納された制御プログラムに従って、エンジン200の空燃比を制御するための後述する空燃比制御処理を実行することが可能に構成されている。
エンジン200は、気筒201内において点火プラグ202(即ち、本発明に係る「点火手段」の一例)による点火動作を介して混合気を燃焼せしめると共に、係る燃焼による爆発力に応じて生じるピストン203の往復運動を、コネクティングロッド204を介してクランクシャフト205の回転運動に変換することが可能に構成された、本発明に係る「内燃機関」の一例たる4サイクル直列6気筒ガソリンエンジンである。以下に、エンジン200の要部構成を、その動作の一部と共に説明する。
尚、エンジン200は直列6気筒エンジンであり、本来ならば気筒201は紙面に垂直な方向に直列に6本存在するが、紙面及び説明の煩雑化を防ぐ目的から気筒各々の個別の図示を省略することとする。
図1において、外部から吸入された空気は、吸気管206を通過し、インジェクタ207(即ち、本発明に係る「供給手段」の一例)から噴射された燃料と混合されて前述の混合気となる。燃料は、燃料タンク223に貯留されており、低圧ポンプ225の作用によりデリバリパイプを介してインジェクタ207に圧送供給されている。この際、燃料は、デリバリパイプに設けられたフィルタ224によって不純物が濾過された状態でインジェクタ207に供給される。尚、インジェクタ207は、ECU100と電気的に接続されており、ECU100によって制御される通電時間に応じた量の燃料を吸気管206内に噴射することが可能に構成される。
尚、本発明に係る「供給手段」とは、図1に例示するような所謂吸気ポートインジェクタの構成を採らずともよく、例えば、低圧ポンプ225によって圧送される燃料の圧力を更に高圧ポンプによって昇圧せしめ、高温高圧の気筒201内部へ燃料を直接噴射することが可能に構成された、所謂直噴インジェクタ等の形態を有していてもよい。
気筒201内部と吸気管206とは、吸気バルブ208の開閉によって連通状態が制御されている。気筒201内部で燃焼した混合気たる排気は、吸気バルブ208の開閉に連動して開閉する排気バルブ209を通過し、排気管210等を介して図示せぬ車両の外へ排気される。
吸気管206上には、クリーナ211が配設されており、外部から吸入される空気が浄化される。また、クリーナ211の下流側(シリンダ側)には、ホットワイヤー式のエアフローメータ212が配設されており、吸入空気の質量流量を直接測定することが可能に構成されている。また、吸気管206には、吸入空気の温度を検出可能な吸気温センサ213が設置されている。尚、エアフローメータ212及び吸気温センサ213は、夫々ECU100と電気的に接続されており、その検出値を表す電気信号がECU100に常に供給される構成となっている。
吸気管206におけるエアフローメータ212の下流側には、気筒201内部への吸入空気量を調節するスロットルバルブ214(即ち、本発明に係る「制限手段」の一例)が配設されている。スロットルバルブ214の開度(以下、適宜「スロットル開度」と称する)は、スロットルポジションセンサ215によって検出され、スロットルポジションセンサ215と電気的に接続されたECU100によって絶えず把握される構成となっている。また、スロットルバルブ214の開度は、ECU100と電気的に接続されたスロットルバルブモータ217によって可変に制御される構成となっている。
一方、運転者によるアクセルペダル226の踏み込み量は、アクセルポジションセンサ216によって検出され、アクセルポジションセンサ216と電気的に接続されたECU100により絶えず把握される構成となっている。
クランクシャフト205近傍には、クランクシャフト205の回転状態を表すクランク角を検出するためのクランクポジションセンサ218が設置されている。クランクポジションセンサ218は、エンジンECU100と電気的に接続されており、エンジンECU100は、クランクポジションセンサ218によって検出されたクランク角に基づいてピストン203の位置を把握し、点火プラグ202の点火時期等を制御することが可能に構成されている。また、エンジンECU100は、クランクポジションセンサ218によって検出されたクランク角を時間処理することによって、エンジン200の機関回転数Neを算出することが可能に構成されている。
気筒201を収容するシリンダブロックには、エンジン200のノック強度を測定可能なノックセンサ219が配設されており、また係るシリンダブロック内のウォータージャケット内には、エンジン200の冷却水温度を検出するための水温センサ220が配設されている。これらは、ECU100と電気的に接続されている。
排気管210には、三元触媒222が設置されている。三元触媒222は、エンジン200から排出されるCO(一酸化炭素)、HC(炭化水素)、及びNOx(窒素酸化物)を夫々浄化することが可能な触媒である。排気管210における三元触媒222の上流側には、空燃比センサ221が配設されている。空燃比センサ221は、排気管210から排出される排気ガスから、エンジン200の空燃比を検出することが可能に構成されている。空燃比センサ221は、ECU100と電気的に接続されており、後述する空燃比制御処理では、係る空燃比センサ221によって検出された空燃比が利用される構成となっている。
<1−2:実施形態の動作>
エンジンシステム10では、ECU100が空燃比制御処理を実行することによって、エンジン200の空燃比が制御されている。ここで、図2を参照し、本実施形態の動作として空燃比制御処理について説明する。ここに、図2は、空燃比制御処理のフローチャートである。
図2において、ECU100は、目標空燃比を決定するために必要となるエンジン200の運転条件を取得する(ステップA10)と共に、係る取得された運転条件に基づいて目標空燃比を決定する(ステップA11)。本実施形態において、ECU100は、ROMに空燃比決定用のマップである燃焼マップM1を保持しており、ステップA11に係る処理においては、係る燃焼マップM1に基づいて目標空燃比が決定される。
ここで、図3を参照して、燃焼マップM1の詳細について説明する。ここに、図3は、燃焼マップM1の模式図である。
図3において、燃焼マップM1は、縦軸及び横軸に夫々エンジン200のトルクTe及び機関回転数Neを配してなる二次元マップである。燃焼マップM1には、予め理論空燃比(14.7)近傍の値であるストイキ空燃比(即ち、本発明に係る「第1空燃比」の一例)に基づいたストイキ燃焼を行う領域を表すストイキ領域と、空燃比約20前後のリーン空燃比(即ち、本発明に係る「第2空燃比」の一例)に基づいたリーン燃焼を行う領域を表すリーン領域とが設定されている。より具体的には、機関回転数Ne1以上Ne2未満であり且つトルクTe1以上Te2未満の領域がリーン領域として設定され、それ以外の領域がストイキ領域として設定されている。
図2に戻り、ECU100は、ステップA10に係る処理において、上述した運転条件として現時点における機関回転数Neを演算し、またアクセルポジションセンサ216によって検出されるアクセルペダル226の開度及び図1において不図示の車速センサによって検出される車速に基づいて決定される要求出力から要求トルクを演算する。また、ステップA11に係る処理において、燃焼マップM1を参照し、演算された要求トルク及び機関回転数Neに対応する座標点を特定すると共に、係る座標点が属する領域に設定された空燃比を目標空燃比として決定する。
目標空燃比を決定すると、ECU100は、空燃比の切り替えが必要であるか否かを判別する(ステップA12)。ステップA11に係る処理において決定された目標空燃比が、従前の目標空燃比と同じである場合(ステップA12:NO)、ECU100は、目標空燃比を維持するための通常制御を実行し(ステップA13)、処理をステップA10に戻す。尚、ステップA13に係る通常制御とは、空燃比センサ221によって検出される空燃比に基づいて行われる空燃比フィードバック制御等を指す。
一方、空燃比の切り替えが必要であると判別された場合(ステップA12:YES)、ECU100は、リーン空燃比からストイキ空燃比への切り替えであるか否かを判別する(ステップA14)。リーン空燃比からの切り替えではない場合(ステップA14:NO)、即ちストイキ空燃比からリーン空燃比への切り替えが必要である場合、ECU100は、吸入空気量の変更を伴う空燃比の切り替え処理を実行する(ステップA15)。
ここで、図4を参照して、ストイキ空燃比からリーン空燃比への切り替えに際し発生する吸入空気量の変化について説明する。ここに、図4は、ECU100がROMに保持する出力特性マップM2の模式図である。
図4において、出力特性マップM2は、縦軸及び横軸に夫々トルクTe及び吸入空気量Gを配してなる二次元マップである。出力特性マップM2において、ストイキ空燃比に基づいたストイキ燃焼における出力特性は、図示プロファイルPrfSとして表される。一方で、リーン空燃比に基づいたリーン燃焼における出力特性は、リーン燃焼がストイキ燃焼と比較してより多くの空気を必要とすることから、プロファイルPrfSよりも傾きが緩やかな図示プロファイルPrfLとなる。尚、図4においては、プロファイルPrfS及びプロファイルPrfL共に全気筒運転に対応する出力特性であるとする。また、各燃焼形態における点火時期は、基本点火時期であるとする。ここで、本実施形態において基本点火時期はMBTに設定されている。
従って、エンジン200からトルクTeaを出力するために必要となる吸入空気量は、ストイキ燃焼ではGaとなり、リーン燃焼ではGb(Gb>Ga)となる。また、吸入空気量をGbに維持する場合、定常時のトルクは、リーン燃焼でTea、またストイキ燃焼でTeb(Teb>Tea)となる。即ち、同一の吸入空気量で比較した場合には、ストイキ燃焼の方がより高トルクを得ることが出来る。
ここで更に、図5を参照して、図2におけるステップA15に係る空燃比の切り替え処理の詳細について説明する。ここに、図5は、燃焼形態をストイキ燃焼からリーン燃焼に切り替える際の(即ち、空燃比をストイキ空燃比からリーン空燃比へ切り替える際の)タイミングチャートの一例である。尚、図5は、空燃比の切り替え点におけるトルクが、図4に示すトルクTeaである場合に対応するものとする。また、図5において、図4と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
図5において、横軸は時刻であり、縦軸の系列には、スロットル開度Thr、吸入空気量G、点火時期PG及び制御空燃比が表される。
ECU100は、時刻T0において、スロットル開度Thrがストイキ空燃比に対応したスロットル開度Thr1からリーン空燃比に対応するスロットル開度Thr2に切り替わるようにスロットルバルブモータ217を制御する。これに伴い、スロットル開度Thrは、時刻T1においてスロットル開度Thr2に切り替わる。
一方、スロットル開度Thrの切り替わりに伴い、吸入空気量Gも変化する。ところが、吸入空気量Gの時間推移は、スロットル開度Thrのそれと比較して遅く、時刻T1から更に有限且つ無視し得ない時間遅延を経た時刻T2において、リーン燃焼でトルクTeaを出力するために必要な吸入空気量Gbに切り替わることになる。
ここで、図示縦系列最下段に示される制御空燃比は、燃料噴射量が対応する空燃比であり、ストイキ空燃比に対応するAFSと、リーン空燃比に対応するAFLとのいずれか一方に設定される。制御空燃比は、図2におけるステップA11に係る処理において目標空燃比(ここでは、リーン空燃比)が設定されたとしても、吸入空気量が目標値(ここでは吸入空気量Gb)となるまでは、従前の目標値AFSのまま変化しない。
従って、吸入空気量がGbに到達するまでの期間については、吸入空気量Gの増加に応じて燃料噴射量も増加し、結局エンジン200のトルクTeはTeaよりも高くなり、何ら対策がなされなければ、最終的には「Teb−Tea」に対応するトルク段差が運転者へ伝達され、快適性及びドライバビリティの低下に繋がる要因となる。
そこで、ECU100は、吸入空気量Gが目標値に到達するまでの過渡期間において、点火時期PGを遅角制御する。従って、エンジン200における点火時期PGは、時刻T0から基本点火時期であるMBT1から徐々に遅角される。係る遅角制御に伴ってエンジン200のトルクは低下し、係る過渡期間におけるトルク段差が好適には相殺される。
尚、点火時期PGの遅角制御を行うに際し、ECU100は、予めROMに格納されたマップを参照し、相殺すべきトルク段差に対応する遅角量を取得する。係るマップには、予め実験的に、経験的に或いはシミュレーション等に基づいて相殺すべきトルクを少なくとも低減、好適には完全に相殺し得る遅角量が記憶されている。
ECU100は、このような遅角制御によるトルク段差の解消が図られる過程において、吸入空気量Gがリーン燃焼でトルクTeaを出力するために必要な目標値Gbに到達した時点で、制御空燃比をAFLに変更し、同時に点火時期PGを、目標空燃比たるリーン空燃比に対応する基本点火時期MBT2まで一気に進角する。このように、図2におけるステップA15に係る空燃比切り替え処理において、エンジン200のトルクが目標トルク(ここでは、トルクTea)に維持されたまま空燃比の切り替えが完了する。図2に戻り、ステップA15に係る処理が終了すると、ECU100は、処理をステップA10に移行させる。
一方、ステップA14に係る処理において、リーン空燃比からストイキ空燃比への切り替えであると判別された場合(ステップA14:YES)、ECU100は、稼動気筒数を決定する(ステップA16)。稼動気筒数とは、エンジン200において稼動させる気筒の数である。本実施形態に係るエンジンシステム10では、ECU100が、各気筒201に対応するインジェクタ207及び点火プラグ202を自由に制御可能であるため、例えば、非稼動状態に制御すべき気筒201については、インジェクタ207を介した燃料噴射を停止せしめ、また点火プラグ202による点火動作を休止せしめること等によって減筒運転を実行することが可能である。
ここで、図6を参照して、稼動気筒数について説明する。ここに、図6は、出力特性マップM2の他の模式図である。尚、同図において、図4と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
図6において、出力特性マップM2には、前述したプロファイルPrfS及びプロファイルPrfLの他に、ストイキ燃焼における減筒運転(以下、適宜「減筒ストイキ運転」と称する)に対応する出力特性が、その稼動気筒数毎に予め設定されている。図6では、稼動気筒数が「5」である(即ち、一本減筒された)場合の出力特性たるプロファイルPrfS1、稼動気筒数が「4」である(即ち、二本減筒された)場合の出力特性たるプロファイルPrfS2及び稼動気筒数が「3」である(即ち、三本減筒された)場合の出力特性たるプロファイルPrfS3が夫々設定されている。これら減筒ストイキ運転における各出力特性において、例えば吸入空気量Gbに対応するトルクTeは、プロファイルPrfS1、PrfS2及びPrfS3各々について、Teb1(Teb>Teb1>Tea)、Teb2(Teb1>Teb2>Tea)及びTeb3(Tea>Teb3)となる。同様に、各出力特性において、トルクTeaを出力するために必要となる吸入空気量Gは、プロファイルPrfS1、PrfS2及びPrfS3各々について、Ga1(Gb>Ga1>Ga)、Ga2(Ga1<Ga2<Gb)及びGa3(Gb<Ga3)となる。
図2におけるステップA16に係る処理に際し、ECU100は、稼動気筒数を、リーン燃焼における全気筒運転(以下、適宜「全気筒リーン運転」と称する)に対応する出力特性たるプロファイルPrfLとストイキ燃焼における全気筒運転(以下、適宜「全気筒ストイキ運転」と称する)に対応する出力特性たるプロファイルPrfSとの間に位置し、且つプロファイルPrfLと最も近い出力特性(即ち、ここではプロファイルPrfS2)に対応する稼動気筒数(即ち、「4」)に設定する。即ち、リーン空燃比からストイキ空燃比への切り替え時には、切り替え時のトルク段差と相関する吸入空気量の減少量が最小となる稼動気筒数が選択される。
尚、プロファイルPrfLよりも低トルク側の特性(ここでは、プロファイルPrfS3)が選択された場合、トルクの低下を招くため、本実施形態ではプロファイルPrfS3は選択対象から除外される。即ち、本実施形態に係る空燃比制御処理では、空燃比の切り替えに際し少なくともトルクの低下を招かないように(トルク段差がトルク増加側に発生する場合には、既に延べた如くその抑制が可能である)吸入空気量、燃料噴射量及び点火時期等が制御される。
尚、ここでは、吸入空気量Gの減少量の絶対値が最小となる稼動気筒数が選択されるが、稼動気筒数は、必ずしも係る絶対値に基づいて決定されずともよい。例えば、予め実験的に、経験的に或いはシミュレーション等に基づいて、稼動気筒数毎に燃焼安定性やエミッション等各種評価指標が基準値を満たし得ない動作領域が判明している或いは推定し得る場合には、そのような動作領域に属する稼動気筒数を選択対象から除外してもよい。
図2に戻り、稼動気筒数が決定すると、ECU100は、トルク段差の補正が不要であるか否かを判別する(ステップA17)。ここで、図7を参照して、トルク段差補正の要否について説明する。ここに、図7は、出力特性マップM2の更に他の模式図である。尚、同図において、図6と重複する箇所については、同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
図7において、空燃比を切り替えたことによって生じ得るトルク段差は、吸入空気量Gに応じて異なる。例えば、吸入空気量がGaである場合とGbである場合(即ち、目標トルクが夫々Tea’及びTeaである場合)とでトルク段差を比較すると、前者はTeb2’−Tea’(即ち図示ΔTe’)であり、後者はTeb2−Tea(即ち、図示ΔTe(ΔTe>ΔTe’))である。
ECU100は、予めROMに記憶された判断基準値とこれらトルク段差の値とを比較し、空燃比を切り替えた際に生じ得るトルク段差が係る判断基準値以上の場合には、トルク段差の補正が必要であると判別する。尚、係る判断基準値は、予め実験的に、経験的に或いはシミュレーション等に基づいて、トルク段差が快適性及びドライバビリティに与える影響が無視し得なくなる値として決定されている。
図2に戻り、トルク段差の補正が必要であると判別された場合(ステップA17:NO)、ECU100は、吸入空気量の変更を伴う空燃比の切り替え処理を実行する(ステップA18)。
ここで、図8を参照して、図2におけるステップA18に係る空燃比の切り替え処理の詳細について説明する。ここに、図8は、運転条件を、全気筒リーン運転から稼動気筒数4本の減筒ストイキ運転に切り替える際のタイミングチャートである。尚、図8は、空燃比の切り替え点におけるトルク(即ち、維持すべきトルク)がトルクTeaである場合に対応するものとする。
図8において、横軸は時刻であり、縦軸の系列には、スロットル開度Thr、吸入空気量G、点火時期PG及び制御空燃比が表される。
ECU100は、時刻T3において、スロットル開度Thrが全気筒リーン運転に対応したスロットル開度Thr2から減筒ストイキ運転に対応するスロットル開度Thr3に切り替わるようにスロットルバルブモータ217を制御する。これに伴い、スロットル開度Thrは、時刻T4においてスロットル開度Thr3に切り替わる。
一方、スロットル開度Thrの切り替わりに伴い、吸入空気量Gも変化するが、吸入空気量Gの時間推移は、スロットル開度Thrの変化と比較して遅く、時刻T4から更に有限且つ無視し得ない時間遅延を経た時刻T5において、減筒ストイキ運転でトルクTeaを出力するために必要な吸入空気量Ga2まで減少することになる。
ここで、図示縦系列最下段に示される制御空燃比は、ストイキ空燃比からリーン空燃比に切り替えられる場合と異なり、スロットル開度Thrの切り替えと同期して切り替えられ、時刻T3においてリーン空燃比を表すAFLから速やかにストイキ空燃比を表すAFSに切り替えられる。
従って、吸入空気量がGa2に減少するまでの過渡期間については、吸入空気量Gに応じて燃料噴射量も増加し、エンジン200のトルクTeは、Teaよりも高くなってトルク段差が発生する。例えば、図6を参照すれば、エンジン200のトルクTeは、何らの対策も施さなければ、時刻T3において吸入空気量Gbに対応したトルクTeb2まで増加し、その後吸入空気量Gの減少に伴って目標トルクたるTaへ漸近する。即ち、この場合、空燃比が切り替えられた瞬間に「Teb2−Tea」に対応するトルク段差が運転者へ伝達され、快適性及びドライバビリティの低下に繋がる要因となる。
そこで、ECU100は、吸入空気量Gが目標値Ga2に到達するまでの過渡期間において、点火時期PGを遅角制御する。従って、エンジン200における点火時期PGは、時刻T3においてリーン燃焼の基本点火時期であるMBT2からPG2まで一気に遅角され、それ以降、減筒ストイキ運転の基本点火時期であるMBT3まで徐々に進角される。係る遅角制御に伴って係る過渡期間におけるエンジン200のトルクは低下し、トルク段差が相殺される。
このように、図2におけるステップA18に係る空燃比切り替え処理において、エンジン200のトルクが目標トルク(ここでは、トルクTea)に維持されたまま空燃比の切り替えが完了する。図2に戻り、ステップA18に係る処理が終了すると、ECU100は、処理をステップA10に移行させる。
図2に戻り、ステップA17に係る処理において、トルク段差の補正が不要であると判別された場合(ステップA17:YES)、ECU100は、吸入空気量Gを維持して空燃比を切り替える(ステップA19)。ステップA19に係る処理が実行されると、ECU100は、処理をステップA10に移行させる。
ここで、図7を参照すれば、例えば吸入空気量Gaが維持された場合に生じるトルク段差はΔTe’である。図2におけるステップA19に係る処理が行われる場合、例えば係るトルク段差ΔTe’は補正されず、実際にトルク段差として出力される。然るに、先に述べたように、補正が不要であるか否かの判断基準は、係るトルク段差が無視し得るか否かに基づいて適切に決定されており、実際には、運転者によって違和感として知覚され得るトルク段差は発生しない。
ステップA13、ステップA15、ステップA18又はステップA19に係る処理が実行され処理がステップA10に戻されると、これまで説明した一連の処理が繰り返される。
以上説明したように、本実施形態に係る空燃比制御処理によれば、空燃比がリーン空燃比からストイキ空燃比へ切り替えられる場合には、トルクを維持するための吸入空気量Gの変化量が最も小さい稼動気筒数に対応する減筒ストイキ運転が実行される。この際、吸入空気量Gの変化量の絶対値が小さければ、即ち、発生し得るトルク段差が小さければ、吸入空気量Gを変化させることなく空燃比が切り替えられる。従って、燃焼状態を切り替える際に生じるトルク段差が効果的に解消され、快適性の低下が防止される。一方で、吸入空気量Gの変化量の絶対値が大きければ、吸入空気量Gを減少せしめ、それに伴って点火時期を遅角制御することにより、トルク段差が解消される。この際、解消すべきトルク段差の大きさは、稼動気筒数が適切に選択されることによって少なくとも全気筒ストイキ運転よりは小さくなっており、トルク段差の補正精度が担保される。即ち、本実施形態によれば、空燃比を切り替える際の快適性の低下が防止されるのである。
尚、空燃比の切り替えに際し、全気筒リーン運転から減筒ストイキ運転へ運転形態が切り替わった場合、係る減筒ストイキ運転に対応する出力特性(例えば、図6におけるプロファイルPrfS2)によって要求トルクを遅滞なく出力可能である場合には、係る減筒ストイキ運転が継続されてもよい。一方で、要求トルクに応じて、或いは要求トルクとは無関係に、係る減筒ストイキ運転から全気筒ストイキ運転に運転形態が変更されてもよい。そのように減筒ストイキ運転から稼動気筒数を徐々に増やしつつ全気筒ストイキ運転に移行させる場合には、リーン空燃比からストイキ空燃比へ空燃比を切り替える際の、上述した吸入空気量及び点火時期の各制御を同様に段階的に経てもよい。このように段階的に運転形態が切り替えられる場合、相異なる運転形態間で生じるトルク段差自体は小さくて済むため、トルク段差を相殺するための点火時期の遅角量が記憶されたマップ等の信頼性が過度に要求されず、好適である。また、同様に、エンジン個体差、環境条件及び使用条件等外乱要素に対するトルク段差のバラつきの影響が軽減されるため、ロバスト性が向上する。
<第2実施形態>
叙述した第1実施形態では、空燃比がストイキ空燃比からリーン空燃比へ切り替わる場合に、ストイキ運転時の稼動気筒数は考慮されていないが、例えば、運転形態が減筒ストイキ運転から全気筒リーン運転へ切り替わる場合、非稼動期間によっては、非稼動状態にあった気筒における燃焼性能の低下及びエミッションの悪化が懸念される。そこで、そのような問題に対処し得る本発明の第2実施形態について説明する。
本実施形態において、ECU100は、ROMに空燃比決定用のマップである燃焼マップM3を保持しており、係る燃焼マップM3に基づいて目標空燃比を決定するように構成されている。ここで、図9を参照して、本発明の第2実施形態に係る燃焼マップM3について説明する。ここに、図9は、燃焼マップM3の模式図である。尚、同図において、図3と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
図9において、燃焼マップM3では、機関回転数Ne1以上Ne2未満且つトルクTe0以上Te1未満の領域が、減筒ストイキ領域に設定されており、係る減筒ストイキ領域では、減筒ストイキ運転が実行される。減筒ストイキ運転時には、非稼動状態にある気筒が冷えるため燃焼性能が低下しかねない。そこで、ECU100は、減筒ストイキ運転から全気筒リーン運転に切り替える場合には、一旦全気筒ストイキ運転を行うように構成されている。ここで、図10を参照して、第2実施形態に係る運転形態の切り替えについて説明する。ここに、図10は、運転形態切り替えの模式図である。
図10において、横軸には時刻が、また縦軸には如何なる運転形態が実行されているかが表されている。
時刻T6において、減筒ストイキ運転から全気筒リーン運転への切り替え要求が生じた
とする。この場合、例えば図5に示すようにスロットル開度Thr、燃料噴射量及び点火時期PGの制御等を経て全気筒リーン運転へ切り替えられる前段階として、時刻T6から所定時間ΔTが経過するまでの期間、全気筒ストイキ運転が実行される。
この所定時間ΔTは、例えば、非稼動状態にあった気筒において少なくとも一回のストイキ燃焼が実行される限りにおいて如何なる時間であってもよく、例えば予め実験的に、経験的に或いはシミュレーション等に基づいて、非稼動期間の長さと、非稼動状態にある気筒をリーン燃焼が行われた場合にエミッションが問題とならない程度まで回復させ得る(暖機させ得る)時間との対応関係が決定され得る場合には、そのような時間に設定されていてもよい。
ECU100は、時刻T6から所定時間ΔTが経過した時刻である時刻T7において、運転形態を全気筒リーン運転に切り替える。一方、全気筒リーン運転から減筒ストイキ運転へ切り替えるべき要求が、例えば図示時刻T8において生じた場合には、遅滞なく減筒ストイキ運転が実行される。
以上説明したように、第2実施形態によれば、減筒ストイキ運転から全気筒リーン運転へ運転形態が切り替えられるに際し、燃焼性能の低下及びエミッションの悪化が防止され、一層効果的に空燃比の切り替えが実行される。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う内燃機関の制御装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
本発明の第1実施形態に係るエンジンシステムの模式図である。 図1のエンジンシステムにおいて実行される空燃比制御処理のフローチャートである。 空燃比制御処理において参照される燃焼マップの模式図である 空燃比制御処理において参照される出力特性マップの模式図である。 空燃比制御処理において空燃比をストイキ空燃比からリーン空燃比に切り替える際のタイミングチャートの一例である。 出力特性マップの他の模式図である。 出力特性マップの更に他の模式図である。 空燃比制御処理において空燃比をリーン空燃比からストイキ空燃比に切り替える際のタイミングチャートの一例である。 本発明の第2実施形態に係る燃焼マップの模式図である。 第2実施形態における運転形態を切り替えの模式図である。
符号の説明
10…エンジンシステム、100…ECU、200…エンジン、201…気筒、202…点火プラグ、207…インジェクタ、212…エアフローメータ、214…スロットルバルブ、221…空燃比センサ。

Claims (12)

  1. 複数の気筒、該複数の気筒に吸入される空気に係る吸入空気量を制限する制限手段、前記複数の気筒の各々に燃料を供給する供給手段、及び該各々において前記燃料に点火する点火手段を備える内燃機関を制御する内燃機関の制御装置であって、
    予め設定された複数の空燃比の中から前記内燃機関の機関運転条件に応じて一の空燃比を選択する選択手段と、
    前記内燃機関のトルクを維持しつつ前記内燃機関の空燃比を現時点の空燃比から前記選択された空燃比に切り替える場合に生じるトルクの変化の度合いを特定する特定手段と、
    前記選択された空燃比が前記現時点の空燃比よりも低い場合に、前記特定される変化の度合いに基づいて前記複数の気筒のうち稼動させるべき気筒数を決定する気筒数決定手段と、
    前記選択された空燃比が前記現時点の空燃比よりも低い場合に、前記複数の気筒のうち前記決定された気筒数に対応する少なくとも一部を稼動させ、該稼動させる少なくとも一部において前記内燃機関の空燃比が前記選択された空燃比に切り替わるように前記制限手段、前記供給手段及び前記点火手段のうち少なくとも一部を制御する制御手段と
    を具備することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記複数の空燃比は、理論空燃比に基づいて設定される第1空燃比及び該第1空燃比よりも高い値に設定された第2空燃比からなり、
    前記選択手段は、前記第1及び第2空燃比のうち一方を選択する
    ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記特定手段は、予め少なくとも前記複数の空燃比のうち最も高い空燃比を除く少なくとも一部について設定された前記稼動させるべき気筒数の候補値毎に前記変化の度合いを特定し、
    前記気筒数決定手段は、前記候補値毎に特定された変化の度合いに基づいて前記候補値の中から前記稼動させるべき気筒数を決定する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記吸入空気量と前記トルクとの関係を表す出力特性を、(i)前記複数の空燃比の各々において前記複数の気筒全てが稼動している場合及び(ii)前記候補値が設定された空燃比において前記複数の気筒のうち前記候補値の各々に対応する少なくとも一部が稼動している場合について記憶する記憶手段を更に具備し、
    前記特定手段は、前記記憶された出力特性に基づいて前記候補値毎に前記変化の度合いを特定する
    ことを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記特定手段は、前記変化の度合いとして前記吸入空気量の変化量を特定する
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記特定手段は、前記変化量として前記吸入空気量の減少量を特定する
    ことを特徴とする請求項5に記載の内燃機関の制御装置。
  7. 前記気筒数決定手段は、前記変化量が最小となるように前記稼動させるべき気筒数を決定する
    ことを特徴とする請求項4又は5に記載の内燃機関の制御装置。
  8. 前記制御手段は、前記選択された空燃比が前記現時点の空燃比よりも低い場合に、前記稼動させる少なくとも一部において、前記吸入空気量が維持されるように前記制限手段を制御し且つ前記吸入空気量が維持された状態で前記空燃比が前記選択された空燃比に切り替わるように前記供給手段を制御する
    ことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
  9. 前記制御手段は、前記選択された空燃比が前記現時点の空燃比よりも低い場合に、前記稼動させる少なくとも一部において(i)前記トルクが維持された状態で前記空燃比が前記選択された空燃比に切り替わるように前記制限手段及び前記供給手段を制御し且つ(ii)前記空燃比が切り替えられている期間に生じる前記維持されるべきトルクに対する前記トルクの変動が抑制されるように前記点火手段を制御する
    ことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
  10. 前記制御手段は、前記選択された空燃比が前記現時点の空燃比よりも高い場合に、前記複数の気筒全てについて前記現時点の空燃比が前記選択された空燃比に切り替わるように前記制限手段、前記供給手段及び前記点火手段のうち少なくとも一部を制御する
    ことを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
  11. 前記制御手段は、前記複数の気筒のうち一部が稼動していない状態において前記現時点の空燃比よりも高い空燃比が選択された場合には、該稼動していない一部を含む前記複数の気筒全てを所定期間稼動させた後に前記空燃比が前記選択された空燃比に切り替わるように前記制限手段、前記供給手段及び前記点火手段のうち少なくとも一部を制御する
    ことを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
  12. 前記制御手段は更に、前記空燃比が前記選択された空燃比に切り替えられた場合に、前記燃料の点火時期が前記選択された空燃比に対応するMBT(Minimum advance for the Best Torque)となるように前記点火手段を制御する
    ことを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2015107825A1 (en) 2014-01-15 2015-07-23 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Control device for internal combustion engine
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