JP2020153303A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Abstract
Description
一方、特許文献2に記載された技術では、変速機の入力回転数を考慮していないので、エンジン回転数が変速機の入力回転数を超えてしまう(回転の吹き上がり)可能性がある。また、最低限の維持回転数を考慮していないので、エンジン回転数が回転落ちしてしまう可能性もある。
図1は、本発明の実施形態に係る内燃機関の制御装置のシステム構成を示している。エンジン(内燃機関)1には、トルクコンバータ2を介して歯車式変速機3が転結され、エンジン側のクランクシャフトからAT入力シャフト4にトルクが伝達される。トルクコンバータ2は、エンジン1に直結したポンプインペラ5、歯車式変速機3に駆動力を伝えるタービンランナ6、ステータ(固定翼)7等を備え、それらが一つのハウジングに収められてオイルが循環している。また、トルクコンバータ2には、エンジン側と変速機側とを機械的に直結するロックアップクラッチ8が設けられており、図示しないロックアップ油圧制御バルブによってロックアップクラッチ8の解放側に供給される油圧と締結側に供給される油圧とが制御される。
AT入力シャフト4の回転数は、徐々に低下していくが、シフトダウンの後に一時的に上昇する。エンジン回転数は、車速の低下に伴って低下し、所定の目標エンジン回転数(本例では800rpm)に徐々に収束する。
図5は、本発明の第1の実施形態に係る内燃機関の制御装置の動作について説明するためのもので、図2におけるコースト時要求トルク算出部21で算出されるコースト時要求トルクの算出手順を示している。まず、エンジン制御ユニット11は、ブレーキスイッチのオン/オフ、車速及びギア段の状態等からコースト走行中か否か判断し(ステップS1)、コースト走行中であればロックアップクラッチ8が非締結状態(非ロックアップ状態)か否か判断し(ステップS14)、非締結状態であればATの入力シャフト回転数(INPUTRPM)から目標エンジン(ENG)回転を決定する(ステップS2)。
ステップS1でコースト走行中でない(非コースト走行)と判断された場合、及びステップS14で非締結状態でない(締結状態、すなわちロックアップ状態)と判断された場合には、フラグFが「F=1」か否か判断し(ステップS3)、「F=1」であれば「F=0」に設定する(ステップS4)。
次のステップS8では、所定のディレイ時間ΔDが経過したか否か判断する。ディレイ時間ΔDが経過した場合には、初回のフラグ「F=0」か否かを判断する(ステップS9)。「F=0」と判断した場合には、「F=1」に設定する(ステップS10)。
次に、実トルクを算出し(ステップS34)、目標トルクを実トルクで割って補正遅角量を算出する(ステップS35)。
本第2の実施形態では、コースト時要求トルク算出部21では燃料復帰後にディレイ時間を設けずに燃料復帰直後からコースト時要求トルク算出(無効値でない有効な算出値)を開始するが、代わりに補正遅角量算出部23のほうで燃料復帰後にディレイ時間を設け、ディレイ時間の間は補正遅角量算出の処理を停止もしくは算出値を制限して、遅角量の設定を停止する停止処理もしくは遅角量を減少させる減少処理を一時的に実行する。
他の構成及び方法は、第1の実施形態と同様であるので、詳細な説明は省略する。
このような構成並びに方法であっても、第1の実施形態と実質的に同様な作用効果が得られる。
図8は、本発明の第3の実施形態に係る内燃機関の制御装置について説明するためのもので、図2におけるコースト時要求トルク算出部21で算出されるコースト時要求トルクの他の算出手順を示している。
本第3の実施形態は、コースト走行で燃料カットから復帰するときに、実際のエンジン回転数が目標エンジン回転数以下となってからコースト時要求トルク算出を開始するものである。
このような構成並びに方法によれば、実回転数が目標エンジン回転数以下になるまではコースト時要求トルク算出値が無効値になるので、その間は補正遅角量算出部23における補正遅角量が小さくなり、遅角量を減少させる減少処理を一時的に実行できる。従って、第1、第2の実施形態と同様な作用効果が得られる。
図9は、本発明の第4の実施形態に係る内燃機関の制御装置について説明するためのもので、図2におけるコースト時要求トルク算出部21で算出されるコースト時要求トルクの更に他の算出手順を示している。
本第4の実施形態は、コースト走行で燃料カットから復帰するときに、実際のエンジン回転数が目標エンジン回転数以下となった後、実際のエンジン回転数が上昇したタイミングでコースト時要求トルク算出を開始するようにしている。
このように、実際のエンジン回転数が目標エンジン回転数以下となった後、実回転数が上がり始めてからコースト時要求トルク算出を開始しても第1、第2、第3の実施形態と同様な作用効果が得られる。
図10は、本発明の第5の実施形態に係る内燃機関の制御装置について説明するためのもので、コースト時要求トルク算出部21で算出されるコースト時要求トルクの別の算出手順を示している。本第5の実施形態は、コースト走行で燃料カットから復帰するときに、実際のエンジン回転数が目標エンジン回転数以下になる前にエンジン回転数が上昇した場合には、エンジン回転数が上昇したときにコースト時要求トルク算出を開始するようにしている。
このように、実際のエンジン回転数が目標エンジン回転数以下となった場合、及び実際のエンジン回転数が目標エンジン回転数以下とならなくても、実回転数が上がり始めた場合のどちらかでコースト時要求トルク算出を開始しても良い。
図11は、本発明の第6の実施形態に係る内燃機関の制御装置について説明するためのもので、図2におけるコースト時要求トルク算出部21で算出されるコースト時要求トルクの更に別の算出手順を示している。
本第6の実施形態は、コースト時要求トルク算出部21における燃料復帰後に設けるディレイ時間は、燃料供給が復帰した時点のエンジン1の回転数の単位時間当たりの回転低下量が大きいほど長く設定する。
例えば、回転変化量が−2000[rpm/s]のときにディレイは600[ms]、回転変化量が−1000[rpm/s]のときにディレイは300[ms]、回転変化量が−500[rpm/s]のときにディレイは150[ms]、回転変化量が−250[rpm/s]のときにディレイは80[ms]に設定する。
このように、エンジン回転の変化量に応じてディレイ時間ΔDbを設定することで、ディレイ時間の設定をより最適化できる。
図12は、本発明の第7の実施形態に係る内燃機関の制御装置について説明するためのもので、図2におけるコースト時要求トルク算出部21で算出されるコースト時要求トルクの他の算出手順を示している。
本第7の実施形態では、まず、コースト走行中か否か判断し(ステップS25)、コースト走行中であればロックアップクラッチ8が非締結状態(非ロックアップ状態)か否か判断し(ステップS51)、非締結状態であれば、目標エンジン回転数が、変速機の入力回転数(INPUTRPM)とあらかじめ決められた変速中のエンジン1の最低限維持回転数との中間2分値の回転数に設定する。また、目標エンジン回転数が、あらかじめ決められた目標エンジン回転数の下限値以下となるときは、目標エンジン回転数を該あらかじめ決められた目標エンジン回転数の下限値に設定する(ステップS26)。次に、燃料カット(FC)開始済みか否か判断し(ステップS27)、燃料カット開始済みであれば、燃料復帰開始済みか否か判断する(ステップS28)。燃料復帰開始済み(復帰後燃料噴射中)と判断した場合には、コースト時要求トルクの算出を開始(算出値更新)してリターンする(ステップS29)。
このように、目標エンジン回転数をmax(INPUTRPMと最低限維持回転数の中間2分値、目標エンジン回転数下限)とするフィードバック制御を行うことで、INPUTRPMが落ち込んでも目標エンジン回転数は落ち込まなくなるため、すなわち、コースト時要求トルク算出値が落ち込まなくなるため、点火時期の遅角量が軽減され、エンジンの回転落ちを抑制できる。
図13は、本発明の第8の実施形態に係る内燃機関の制御装置について説明するためのもので、図2におけるコースト時要求トルク算出部21で算出されるコースト時要求トルクの更に他の算出手順を示している。また、図14は、図13で用いるマップの設定値について説明するための図である。
本第8の実施形態では、目標エンジン回転数の決定を、変速機の入力回転数だけでなく、変速機の入力回転数および変速機の変速比または変速段にもとづいて決定する。
このように、変速段毎にマップを参照し、図14に示すように低速段であるときほど目標エンジン回転数をINPUTRPM近くに設定する。このように設定することで、回転落ちが発生しやすい低速段(図14の例では3rd)においてINPUTRPMが落ち込んだ場合でも目標エンジン回転数が落ち込みにくくなるため、すなわち、コースト時要求トルク算出値が落ち込まなくなるため、点火時期の遅角量が軽減され、エンジンの回転落ちを抑制できる。
なお、図14において、2速(2nd)、1速(1st)がないのは、コースト時燃料カット復帰後のエンジン回転数は、2速、1速の回転数より高い回転数の領域になるからである。
このような構成並びに方法であっても、上述した各実施形態と同様な作用効果が得られる。
図15は、本発明の第9の実施形態に係る内燃機関の制御装置について説明するためのもので、図1に示したエンジン制御ユニットの遅角補正に関係する要部を抽出して構成例を示すブロック図である。
図2に示した構成では、コースト時要求トルク算出部21、各シーン用要求トルク算出部22、補正遅角量算出部23を合わせた部分が遅角量設定手段である構成を示した。その構成においては、コースト時要求トルク算出部21または補正遅角量算出部23において、燃料復帰直後の遅角量が小さくなるような処理動作をすることを説明した。これに対し、本実施形態では、コースト時要求トルク算出部21、各シーン用要求トルク算出部22、補正遅角量算出部23に更に補正遅角量制限部25を合わせた部分が遅角量設定手段となり、コースト時要求トルク算出部21、補正遅角量算出部23の処理には燃料復帰直後の補正遅角量が小さくなるような考慮を含めず、補正遅角量制限部25のところで、上述したような所定の条件を満たしている場合に遅角量を制限する構成になっている。
このように燃料復帰直後の遅角量を制限する処理を専用に行う部位を配置する構成にしても図2に示した構成と実質的に同様な作用効果が得られる。
Claims (10)
- トルクコンバータと連結された自動変速機を搭載した車両に搭載される内燃機関の制御装置であって、
変速機の入力回転数に基づいて点火時期の遅角量を設定する遅角量設定手段と、前記内燃機関の運転状態または車両の走行状態と前記遅角量設定手段により設定された遅角量とに基づいて設定された点火時期で内燃機関の点火を行う点火制御手段と、を備え、
前記遅角量設定手段は、
車両のコースト走行による減速により内燃機関が減速状態にあり、
前記トルクコンバータのロックアップクラッチが非締結状態であって、
前記内燃機関の筒内への燃料供給がカット状態であるときに、
前記内燃機関の回転低下に伴って燃料供給の復帰を行うときは、
燃料供給の復帰に伴い前記点火制御手段により点火を開始するときに、前記遅角量を減少させる減少処理を一時的に実行、または遅角量の設定を停止する停止処理を一時的に実行する
ことを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 前記減少処理を一時的に実行、または前記停止処理を一時的に実行した後、前記減少処理の解除もしくは前記遅角量の設定の再開を行う、ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
- 前記遅角量設定手段による点火時期の遅角量は、前記自動変速機の入力回転数に基づいて目標エンジン回転数が設定され、該目標エンジン回転数と実際の回転数とに基づいて設定され、コースト走行で燃料カットから復帰するときに、毎回、一度実際のエンジン回転数が該目標エンジン回転数以下となるまで減少処理あるいは停止処理を実行する、ことを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
- コースト走行で燃料カットから復帰するときに、毎回、一度実際のエンジン回転数が目標エンジン回転数以下となり、かつ実際のエンジン回転数が下降変化している状態から上昇変化に転じるまで減少処理あるいは停止処理を実行する、ことを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
- 前記遅角量設定手段による点火時期の遅角量を減少処理あるいは停止処理している状態で、実際のエンジン回転数が目標エンジン回転数以下となる前に実際のエンジン回転数が下降変化している状態から上昇変化に転じた場合は、当該実際のエンジン回転数が下降変化している状態から上昇変化に転じたときに減少処理あるいは停止処理を終了する、ことを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の制御装置。
- 燃料供給の復帰から所定時間経過するまで減少処理あるいは停止処理を実行する、ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
- 前記所定時間は、燃料供給が復帰した時点の前記内燃機関の回転数の単位時間当たりの回転低下量が大きいほど長く設定される、ことを特徴とする請求項6に記載の内燃機関の制御装置。
- 前記目標エンジン回転数が、前記変速機の入力回転数とあらかじめ決められた前記内燃機関の最低限維持回転数との中間2分値の回転数に設定されている、ことを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の制御装置。
- 前記目標エンジン回転数が、あらかじめ決められた目標エンジン回転数の下限値以下となるときは、前記目標エンジン回転数を該あらかじめ決められた目標エンジン回転数の下限値に設定する、ことを特徴とする請求項8に記載の内燃機関の制御装置。
- 前記目標エンジン回転数が、自動変速機の変速比または変速段と、該変速機の入力回転数に基づいて設定される、ことを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の制御装置。
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