JP2010196828A - アイドルストップ車の坂道後退緩和装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】アイドルストップ車において、エンジンの再始動と同時に坂道発進するときの車両の後退を緩和すること。
【解決手段】登坂路での路面傾斜角を検出し、その路面傾斜角が所定値を超えたときにはアイドルストップを禁止する。アイドルストップ中にエンジンの再始動と同時に坂道発進する場合、エンジンが再始動した後に、路面傾斜角の増大に応じて高く設定された昇圧勾配値を指示値として前進クラッチの油圧を昇圧制御する。そのため、登坂路では平坦路より短時間で前進クラッチが締結し、坂道後退を緩和できる。
【選択図】 図3

Description

本発明はアイドルストップ機能を備えた車両における坂道での後退を緩和するための装置に関するものである。
従来より、車両停止時でかつ所定の条件が成立したとき、エンジンを自動停止させ、停車中の無駄な燃料消費や排出ガスの発生を抑えるアイドルストップ制御を実施する車両が提案されている。このようなアイドルストップ制御におけるエンジン停止条件としては、ブレーキONなどがあり、エンジンの再始動条件としては、ブレーキOFFやアクセルペダルの踏み込みなどがある。
一般に、トルクコンバータを備えた自動変速機(有段変速機及び無段変速機を含む)には、前進クラッチが設けられている。前進クラッチとは、発進時(前進1速又は前進Low時)に締結されているクラッチのことであり、有段式自動変速機ではDレンジの1速用クラッチに相当し、無段変速機では前後進切替用クラッチに相当する。このような前進クラッチの油圧制御では、係合ショックを軽減するために、なだらかな勾配で油圧を上昇させる昇圧制御(いわゆるスイープ制御)を実施している。昇圧制御の油圧勾配は、路面状況に関係なく一定している。
前進クラッチの油圧源として、エンジンによって駆動されるオイルポンプのみを備えたアイドルストップ車の場合、アイドルストップ状態ではオイルポンプも停止しているので、前進クラッチへ油圧が供給されない。そのため、登坂路の途中でアイドルストップを実施した場合、次にブレーキOFFしてアクセルペダルを踏み込んだとき、エンジンが再始動すると同時に坂道発進しようとするが、前進クラッチの締結が遅れるため、タイヤに駆動力が伝わるまでの間に車両が後退する可能性がある。また、ブレーキOFFした後アクセルペダルを踏み込まない場合には、エンジンの再始動と共にクリープ状態に戻るが、前進クラッチの締結が遅れるため、クリープ状態に戻るのに時間がかかり、緩やかな路面勾配でも車両が後退してしまう。
図7は、アイドルストップ中にエンジンが再始動した時のエンジン回転数、タービン回転数、前進クラッチの油圧の変化を示す。時刻t1でブレーキOFFされ、アイドルストップ復帰すると、エンジンが再始動されると共に、前進クラッチに初期圧が供給される。初期圧は、クラッチ油圧をソレノイドバルブへの指示電流に追従させるための一定油圧である。トルクコンバータはエンジン始動に引きずられて回転上昇し、時刻t2で同期外れを検出する。同期外れ検出は、タービン回転数とエンジン回転数との比で検出される。同期外れを検出すると、前進クラッチは昇圧制御(スイープ制御)へ移行する。クラッチ油圧が上昇し、時刻t3でタービン回転数が0回転付近まで低下(同期検出)すると、前進クラッチを完全係合させる。その結果、車速の上昇と共に、タービン回転数も上昇する。
図7は平坦路での発進時の制御であるが、前進クラッチの係合が遅れることで、登坂路での発進時には車両が後退してしまう可能性がある。そのため、タービン回転数の上昇が平坦路に比べて遅れる。
エンジンによって駆動されるオイルポンプの他に、アイドルストップ時に駆動される電動ポンプを備えたアイドルストップ車も提案されている。この場合には、アイドルストップ時も前進クラッチへ常に油圧供給を行うことができるので、エンジンの再始動と同時に坂道発進するときでも、車両が後退する懸念は少ないが、電動ポンプのためにコスト高になるという問題がある。
特許文献1には、アイドルストップ制御において、勾配センサを利用する車両の制御装置が開示されている。登り坂がきつくなるとクリープ力が低下するため、路面傾斜角を勾配センサで検出し、路面傾斜角が平坦路に対して所定角度(例えば2〜3°)を超えたときにはアイドルストップを禁止している。このときの制御に必要な勾配センサの検出精度を学習補正するものである。この場合には、登坂路でアイドルストップを禁止するため、坂道発進時の前進クラッチの油圧供給が遅れるという課題はないが、アイドルストップ領域が狭くなるため、燃費性能に影響を及ぼす。
特許文献2は、エンジン駆動のオイルポンプを油圧源とする前進クラッチを備えた自動変速機において、アイドルストップ後の再発進時に、前進クラッチの締結圧をクリープ時の発進状況に応じて学習補正するものである。具体的には、エンジン始動からプライマリ回転数が正になるまでの時間Tによって、締結圧の上昇勾配を学習補正している。しかし、エンジン始動からプライマリ回転数が正になるまでの時間Tは、路面傾斜角による影響も受けるので、例えば登坂路で学習補正すると、平坦路での発進時に悪影響を及ぼす可能性がある。
特開2006−312982号公報 特開2006−200636号公報
本発明の目的は、アイドルストップ車において、登坂路でのエンジンの再始動時における車両の後退を緩和できる坂道後退緩和装置を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明は、エンジンと自動変速機とを搭載した車両であって、前記エンジンにより駆動されるオイルポンプと、前記自動変速機内に設けられたトルクコンバータと、前記自動変速機内に設けられ、車両発進時に前記オイルポンプを油圧源とする油圧により締結される前進クラッチと、車両停止時でかつ所定の条件が成立したときにエンジンを停止し、前記所定の条件が不成立となったときはエンジンを再始動するアイドルストップ制御手段と、路面傾斜角を検出する傾斜角検出手段と、前記傾斜角検出手段によって検出された路面傾斜角が所定値を超えたとき、前記アイドルストップ制御手段によるエンジン停止を禁止する手段と、前記アイドルストップ制御手段によってエンジンが再始動したとき、路面傾斜角の増大に応じて高く設定された昇圧勾配値を指示値として前記前進クラッチの油圧を昇圧制御するクラッチ圧制御手段と、を備えたことを特徴とするアイドルストップ車の坂道後退緩和装置を提供する。
本発明は、前進クラッチの油圧源としてエンジンによって駆動されるオイルポンプのみを備えたアイドルストップ車を対象とし、電動ポンプのような格別な油圧源を有していないため、アイドルストップ状態では前進クラッチへ油圧が供給されない。そのため、登坂路でのエンジンの再始動時に、前進クラッチへの油圧供給が遅れ、車両が後退する可能性が高くなる。そこで、本発明では、車両停止中又は直前の路面傾斜角を検出し、アイドルストップ制御手段によってエンジンが再始動したとき、昇圧勾配値を指示値として前進クラッチの油圧を昇圧制御する。この昇圧勾配値は路面傾斜角の増大に応じて高く設定されているため、登坂路では平坦路に比べて前進クラッチの昇圧勾配が大きくなり、係合時間を短縮できる。よって、車両の後退を防止ないし緩和することができる。本発明の制御装置は、登坂路で、エンジン再始動と共に発進する時だけでなく、エンジンの再始動と共にクリープ状態に戻す時にも有効である。
従来では路面傾斜角が所定角度(例えば2〜3°)を超えたときにはアイドルストップを禁止しているが、本発明ではこのような路面傾斜角でもアイドルストップを実施でき、停車中の無駄な燃料消費や排出ガスの発生を抑えることができる。しかし、路面傾斜角が所定値(例えば8°)を超えたときには、他のアイドルストップ条件を満足してもエンジン停止を禁止している。つまり、急勾配の登坂路では、本発明による制御を実施しても車両の後退を防止できない可能性があるため、アイドルストップを実施しない。そのため、通常の発進どおり、車両停止状態でもオイルポンプが駆動されており、前進クラッチに油圧が供給されて締結状態を維持している。
本発明の傾斜角検出手段は、車両停止中又は車両停止直前の路面の傾斜角を検出するものであり、勾配センサや加速度センサなどのように傾斜角を直接的に検出するものと、車体速度と駆動力との関係から坂路の傾斜角を推定するものとがある。例えば、前者としては特開平7−69102号公報などがあり、後者としては特開2005−35425号公報などがある。車両停止中は前者のセンサによる検出方法を用いることができ、車両停止前は前者及び後者の検出方法を用いることができる。本発明における昇圧勾配を変化させる最小路面傾斜角としては、例えば4°であってもよい。これより小さい傾斜角では、昇圧勾配を高くしなくても、通常の平坦路からの発進と同様に殆ど車両が後退しないからである。また、アイドルストップを実施するか否かを判定する最大路面傾斜角(所定値)としては、例えば8°であってもよい。これより大きな傾斜角では、本発明を実施しても車両の後退を防止できない可能性があるからである。
以上のように、本発明にかかる坂道後退緩和装置によれば、エンジンによって駆動されるオイルポンプを油圧源として前進クラッチを締結するアイドルストップ車において、登坂路でエンジンが再始動したとき、路面傾斜角に応じて高くなる昇圧勾配値に従って前進クラッチを係合制御するため、平坦路に比べて前進クラッチを短時間で締結でき、車両の後退を緩和することができる。また、急勾配の登坂路ではアイドルストップを実施しないので、前進クラッチの係合遅れによる車両の後退を防止できる。
本発明に係る車両の全体システムを示す図である。 無段変速機の構造を示すスケルトン図である。 本発明にかかるエンジン再始動時における制御の一例のタイムチャート図である。 路面傾斜角と前進クラッチの昇圧勾配値との関係を示す図である。 本発明に係るアイドルストップ判定の一例のフローチャート図である。 本発明に係るアイドルストップ状態からの発進制御の一例のフローチャート図である。 従来のエンジン再始動時における回転数およびクラッチ油圧のタイムチャート図である。
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、実施例を参照しながら説明する。
図1は本発明にかかる自動変速機の一例である無段変速機を搭載した車両システムの一例を示す。エンジン1の出力軸1aは、無段変速機2を介してドライブシャフト32に接続されている。無段変速機2には、トルクコンバータ3、変速機構4、油圧制御装置5及びエンジン1により駆動されるオイルポンプ6などが設けられている。
エンジン1及び無段変速機2は電子制御装置100によって制御される。電子制御装置100には各種センサ101〜108から信号が入力されている。入力信号には、エンジン回転数、車速(又はセカンダリプーリ回転数)、スロットル開度(又はアクセル開度)、シフト位置、プライマリプーリ回転数(又はタービン回転数)、ブレーキ信号、路面傾斜角、油温などがある。そのほか、アイドル信号、スタート信号、エンジン水温、吸入空気量、エアコン信号、イグニッション信号などを入力してもよい。路面傾斜角を検出するセンサ107として、例えば公知の傾斜角センサや加速度センサを用いることができる。なお、図1では説明を簡単にするため、単一の電子制御装置100によってエンジン1と無段変速機2の両方を制御する例を示したが、実際には個別の電子制御装置によって制御され、両電子制御装置は通信用バスによって相互に連携している。
電子制御装置100は、車両停止時でかつ所定の条件が成立したときにエンジン1を停止(アイドルストップ)し、所定の条件が不成立となったときにエンジンを再始動するアイドルストップ機能を有する。アイドルストップを許可する条件としては、例えばブレーキON(ブレーキペダルの踏み込み)などである。但し、エンジン水温が低いときや、電気負荷が大きいとき、アクセルペダルが踏まれているとき、さらに後述するように停止直前の路面傾斜角が所定値より高い場合には、アイドルストップを許可しない。一方、アイドルストップの解除(エンジン再始動)条件としては、例えばブレーキOFF、アクセルペダル踏み込み、車速信号の入力などがある。
電子制御装置100は、エンジン制御のほかに、無段変速機2の制御も実施している。すなわち、車速とスロットル開度とに応じて、予め設定された変速マップに従って目標プライマリ回転数を決定し、油圧制御装置5に内蔵されたソレノイドバルブ5a〜5cを制御することによって、無段変速機2のプライマリ回転数を目標値へと制御する。また、油圧制御装置5は後述する無段変速機2に内蔵された直結クラッチ86及び逆転ブレーキ85への供給油圧を制御する機能も有する。この制御には、後述するアイドルストップ状態からの逆転ブレーキ(前進クラッチ)の係合制御も含まれる。この実施例では、油圧制御装置5が3個のソレノイドバルブ5a〜5cを有する例を示したが、この他にトルクコンバータ3に内蔵されたロックアップクラッチ3aの制御用やライン圧制御用などの別のソレノイドバルブを設けてもよい。なお、油圧制御装置5の油圧源は、前述のエンジン1によって駆動されるオイルポンプ6のみであり、電動ポンプなどの格別のオイルポンプは備えていない。
図2は無段変速機2の内部構造の一例を示す。無段変速機2は、トルクコンバータ3のタービン軸7の回転を正逆切り替えてプライマリ軸10に伝達する前後進切替装置8、プライマリプーリ11、セカンダリプーリ21、両プーリ間に巻き掛けられたVベルト15、セカンダリ軸20、セカンダリ軸20の動力をドライブシャフト32に伝達するデファレンシャル装置30などで構成されている。タービン軸7とプライマリ軸10とは同一軸線上に配置され、セカンダリ軸20とドライブシャフト32とがタービン軸7に対して平行でかつ非同軸に配置されている。したがって、この無段変速機2は全体として3軸構成とされている。ここで用いられるVベルト15は、例えば一対の無端状張力帯とこれら張力帯に支持された多数のブロックとで構成された公知の金属ベルトである。
前後進切替装置8は、遊星歯車機構80と逆転ブレーキ85と直結クラッチ86とで構成され、逆転ブレーキ85が本発明における前進クラッチに相当する。逆転ブレーキ85と直結クラッチ86は、それぞれ湿式多板式のブレーキ及びクラッチである。遊星歯車機構80のサンギヤ81が入力部材であるタービン軸7に連結され、リングギヤ82が出力部材であるプライマリ軸10に連結されている。遊星歯車機構80はシングルピニオン方式であり、逆転ブレーキ85はピニオンギヤ83を支えるキャリア84とトランスミッションケースとの間に設けられ、直結クラッチ86はキャリア84とサンギヤ81との間に設けられている。直結クラッチ86を解放して逆転ブレーキ85を締結すると、タービン軸7の回転が逆転され、かつ減速されてプライマリ軸10へ伝えられる。そして、セカンダリ軸20を経てドライブシャフト32がエンジン回転方向と同方向に回転するため、前進走行状態となる。逆に、逆転ブレーキ85を解放して直結クラッチ86を締結すると、キャリア84とサンギヤ81とが一体に回転するので、タービン軸7とプライマリ軸10とが直結される。そして、セカンダリ軸20を経てドライブシャフト32がエンジン回転方向と逆方向に回転するため、後進走行状態となる。
プライマリプーリ11は、プライマリ軸10上に一体に固定された固定シーブ11aと、プライマリ軸10上に軸方向移動自在に、かつ一体回転可能に支持された可動シーブ11bとを備えている。可動シーブ11bの背後には、プライマリ軸10に固定されたシリンダ12が設けられ、可動シーブ11bとシリンダ12との間に油圧室13が形成されている。この油圧室13への油圧を制御することにより、変速制御が実施される。
セカンダリプーリ21は、セカンダリ軸20上に一体に固定された固定シーブ21aと、セカンダリ軸20上に軸方向移動自在に、かつ一体回転可能に支持された可動シーブ21bとを備えている。可動シーブ21bの背後には、セカンダリ軸20に固定されたピストン22が設けられ、可動シーブ21bとピストン22との間に油圧室23が形成されている。この油圧室23の油圧を制御することにより、トルク伝達に必要な挟圧力が与えられる。なお、油圧室23には初期挟圧力を与えるバイアススプリングを配置してもよい。
セカンダリ軸20の一方の端部はエンジン側に向かって延び、この端部に出力ギヤ27が固定されている。出力ギヤ27はデファレンシャル装置30のリングギヤ31に噛み合っており、デファレンシャル装置30から左右に延びるドライブシャフト32に動力が伝達され、車輪が駆動される。
ここで、アイドルストップ中にエンジンが再始動した時の本発明の制御について、図3を参照しながら説明する。図3は、ブレーキ信号、エンジン回転数/タービン回転数、前進クラッチの油圧の変化を示す。時刻t1以前はブレーキONであり、アイドルストップを実施している。そのため、前進クラッチには油圧が供給されず、解放されている。時刻t1でブレーキOFFされ、アイドルストップ復帰を判定すると、エンジンが再始動されると共に、前進クラッチに初期圧が供給される。トルクコンバータはエンジン始動に引きずられて回転上昇し、時刻t2で同期外れを検出する。同期外れを検出すると、前進クラッチは昇圧制御(スイープ制御)を開始する。時刻t2までの制御は従来(図7)と同様である。
時刻t2で昇圧制御を開始すると、路面傾斜角センサ107によって検出された車両停止直前又は停止中の路面傾斜角に基づいて、前進クラッチの昇圧勾配値を決定し、この昇圧勾配値を指示値として昇圧制御を実施する。昇圧勾配値は、図4に示すように、路面傾斜角の増大に応じて高く設定されている。なお、昇圧勾配値は路面傾斜角の第1値(例えば4°)と第2値(例えば8°)との間で路面傾斜角の増大に応じて漸次高く設定されており、第1値以下では昇圧勾配値は一定であり、第2値以上では設定されていない。第2値以上では、アイドルストップを禁止するため、昇圧制御を実施する必要がないからである。なお、第1値を省略し、昇圧勾配値を0°から第2値まで路面傾斜角の増大に応じて漸次高く設定してもよい。
図3に示すように、登坂路では平坦路に比べて前進クラッチの昇圧勾配が大きいので、平坦路の係合完了時(t3)よりも早い時期(時刻t4)に前進クラッチは係合完了する。そのため、車両の後退を防止ないし緩和することができる。なお、図4では1本の昇圧特性図のみが示されているが、油温や入力トルクに応じて複数の昇圧特性を設定してもよい。例えば、油温が低いときには粘性増大によって同じ昇圧勾配でも前進クラッチの係合が早くなるため、昇圧勾配を低めに設定してもよい。また、アクセルペダルを踏み込んだ時のように入力トルクが増大すると、昇圧勾配を高目に設定して係合を速める方がよいので、昇圧勾配を高目に設定してもよい。図4では、第1値と第2値との間で昇圧勾配が連続的に変化する例を示したが、ステップ状(段階的)に変化してもよい。
図5はアイドルストップの判定フローを示す。スタートすると、まずアイドルストップ条件が成立したか否かを判定する(ステップS1)。アイドルストップ条件としては、例えば車両停止時でかつブレーキONであれば成立する。アイドルストップ条件が成立した場合には、停止直前の路面傾斜角が所定値(例えば8°)を超えているか否かを判定する(ステップS2)。ステップS1とS2の判定が両方とも肯定されたときのみアイドルストップを許可し(ステップS3)、いずれか一方でも否定されれば、アイドルストップを禁止する(ステップS4)。
図6はアイドルストップ中における前進クラッチの係合制御フローを示す。スタートすると、まずアイドルストップ条件が不成立となったかどうかを判定する(ステップS5)。この判定は、例えばブレーキがOFFされたこと、アクセルペダルを踏んだこと、車速信号の入力があったことなどがある。アイドルストップ条件が成立したままであれば、アイドルストップを継続する(ステップS6)。一方、アイドルストップ条件が不成立になれば、エンジンを始動し(ステップS7)、車両停止直前又は停止中の路面傾斜角が4°以上であるかどうかを判定する(ステップS8)。4°未満であれば、平坦路における発進と同等と考えて前進クラッチの昇圧勾配を小さく設定し(ステップS9)、4°以上であれば、坂道後退を防止するため前進クラッチの昇圧勾配を大きく設定する(ステップS10)。このように平坦路でエンジン始動と同時に発進する時には円滑な発進を実施し、登坂路でエンジン始動と同時に発進する時には、坂道後退を防止しながら速やかな発進を実施できる。
本発明は、エンジン始動と同時にアクセルペダルを踏みこみ、坂道発進する場合に限らず、アクセルペダルを踏み込まない場合でも有効である。すなわち、アイドルストップ中にブレーキをOFFすると、エンジンが再始動され、前進クラッチの油圧が供給されてクリープ状態となる。緩い傾斜の路面であれば、クリープ力で車両の後退は防止できるが、電動ポンプを備えていないアイドルストップ車の場合には、アイドルストップ状態からエンジンが再始動した時、クリープ状態に復帰するのが遅れ、緩い傾斜の路面でも後退する可能性がある。本発明では、路面傾斜角によって前進クラッチの昇圧勾配を高くするので、速やかにクリープ状態に復帰し、車両後退を防止又は緩和できる。
本発明に係る自動変速機とは、実施例のような無段変速機に限らず、遊星歯車機構と複数の摩擦係合要素とで構成された公知の有段式変速機でもよい。実施例のような無段変速機では、前後進切替装置としてシングルピニオン方式の遊星歯車機構を使用したため、前進クラッチが逆転ブレーキに相当するが、ダブルピニオン方式の遊星歯車機構を使用した場合には、前進クラッチは直結クラッチに相当する場合がある。
1 エンジン出力軸
2 無段変速機
3 トルクコンバータ
4 変速機構
5 遊星歯車装置
6 オイルポンプ
11 プライマリプーリ
21 セカンダリプーリ
8 前後進切替装置
80 遊星歯車機構
85 逆転ブレーキ(前進クラッチ)
86 直結クラッチ
100 電子制御装置
101 エンジン回転数センサ
102 車速センサ
103 スロットル開度センサ
104 シフト位置センサ
105 プライマリプーリ回転数センサ
106 ブレーキセンサ
107 路面傾斜角センサ
108 油温センサ

Claims (1)

  1. エンジンと自動変速機とを搭載した車両であって、
    前記エンジンにより駆動されるオイルポンプと、
    前記自動変速機内に設けられたトルクコンバータと、
    前記自動変速機内に設けられ、車両発進時に前記オイルポンプを油圧源とする油圧により締結される前進クラッチと、
    車両停止時でかつ所定の条件が成立したときにエンジンを停止し、前記所定の条件が不成立となったときはエンジンを再始動するアイドルストップ制御手段と、
    路面傾斜角を検出する傾斜角検出手段と、
    前記傾斜角検出手段によって検出された路面傾斜角が所定値を超えたとき、前記アイドルストップ制御手段によるエンジン停止を禁止する手段と、
    前記アイドルストップ制御手段によってエンジンが再始動したとき、路面傾斜角の増大に応じて高く設定された昇圧勾配値を指示値として前記前進クラッチの油圧を昇圧制御するクラッチ圧制御手段と、を備えたことを特徴とするアイドルストップ車の坂道後退緩和装置。
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