JP4687505B2 - 車両の制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は、内燃機関の出力を変速機で変速して駆動輪に伝達する際に、変速ショックを抑制するように内燃機関の出力を制御する車両の制御装置に関するものである。
動力源からの出力を変速して駆動輪に伝達する変速機を搭載した車両においては、変速の際に、変速機から出力されて駆動輪に伝達されるトルク、すなわち駆動輪の駆動トルクが変速の前後で変化することにより車両の駆動力が変動し、運転者に違和感を与えてしまうこと、いわゆる変速ショックが発生する場合がある。そこで、変速機での変速時のトルク変動に応じてエンジンなどの動力源の出力トルクを変化させることにより、変速ショックを防止もしくは抑制する制御が行われている。その一例として、内燃機関を動力源とし、自動変速機を搭載した車両における車両制御装置に関する発明が、特許文献1に記載されている。
この特許文献1に記載されている車両制御装置は、内燃機関の出力トルクを自動変速して駆動輪に伝達させる自動変速機と、内燃機関の排気エネルギを利用して過給を行う過給手段すなわちターボチャージャと、そのターボチャージャのタービン/コンプレッサの回転軸を回転駆動させ得る電動機により過給圧を変更する過給圧変更手段とが備えられている。そして、変速時に電動機へ供給する電力量を制御することで過給圧を制御し、内燃機関の出力トルクを変化させるように構成されている。そのため、変速ショックを安定的・効果的に低減させることができる、とされている。
また、特許文献2には、過給機付きディーゼルエンジンを搭載した車両において、過給遅れによる駆動力不足を解消するために、加速開始直後に燃料噴射量を増大補正することによりエンジントルクを増大させ、加速時の駆動力不足を補う技術が開示されている。
さらに、特許文献3には、変速ショック防止のための燃料噴射量低減と黒煙防止のための燃料噴射量低減とが行われるディーゼルエンジンにおいて、自動変速機の変速中は変速ショック防止効果が阻害されないようにするため、黒煙防止のための燃料噴射量低減処理を禁止するように構成されたディーゼルエンジン制御装置に関する発明が記載されている。
特開2004−197653号公報 特開2001−73823号公報 特開2003−343324号公報
上記の特許文献1に記載されている過給装置は、内燃機関の排気エネルギにより駆動されるとともに、電動機により補助駆動(アシスト)される、いわゆるモータアシスト過給機、あるいはモータアシストターボ(MAT)と称されるものであり、そのモータアシストターボにより過給圧を制御する特許文献1の車両制御装置によれば、電動機の回転を制御することで過給圧を制御して吸入空気量を変更することにより、内燃機関(ここではガソリンエンジンなどの火花点火機関)の出力トルクを制御することができる。
しかしながら、過給圧を制御して内燃機関(火花点火機関)の出力トルクを変更する場合、不可避的な制御の応答遅れ、すなわち過給遅れ(あるいはターボラグ)が発生するため、自動変速機の変速のタイミングと、その変速時に生じる変速ショックを抑制するための内燃機関の出力トルクの変更のタイミングとを一致させることができず、場合によっては変速ショックを助長してしまう可能性があった。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、変速ショックを抑制するように内燃機関の出力を補正して変更するため内燃機関の吸入空気量を制御する場合に、制御の応答遅れを回避し、変速ショックを適切に防止もしくは抑制することができる車両の制御装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、内燃機関と、該内燃機関の出力を変速して駆動輪に伝達する変速機と、該変速機による変速の際に生じる駆動力の変動を抑制するように前記内燃機関の出力を変更する出力補正手段とを備えた車両の制御装置において、前記駆動力の低下を伴う前記変速機による変速の開始を予測する変速予測手段と、前記変速による前記駆動力の変動量を推定する駆動力変動推定手段と、前記変速予測手段により前記変速の開始が予測され、かつ前記駆動力変動推定手段により推定された前記駆動力の低下量が所定値以上の場合に、前記出力補正手段による前記内燃機関の出力の変更に先立って、前記内燃機関の出力を変更させずに吸入空気量を増大させる予備吸気制御を実行する予備吸気手段とを備えていることを特徴とする制御装置である。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記変速予測手段により前記変速の開始が予測された場合に、前記変速が実行されるか否かを判断する変速確認手段を更に備え、前記予備吸気手段が、前記変速確認手段により、前記変速の開始が予測された後に前記変速が実行されないと判断された場合に、前記予備吸気制御の実行を禁止もしくは停止する手段を含むことを特徴とする制御装置である。
また、請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記予備吸気手段による前記予備吸気制御の実行頻度を検出する予備吸気頻度検出手段を更に備え、前記変速予測手段が、前記予備吸気頻度検出手段により検出された前記実行頻度が所定値以上の場合に、前記変速の開始を予測する手段を含むことを特徴とする制御装置である。
また、請求項4の発明は、請求項1なし3のいずれかの発明において、前記変速予測手段が、車速と走行負荷とに基づき予め定められた変速線に基づいて前記変速の開始を予測する手段を含むことを特徴とする制御装置である。
また、請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれかの発明において、前記出力補正手段が、前記変速機による変速が、アップシフトでのトルク相の場合は、前記内燃機関の出力トルクに前記変速前の変速比を掛けた値と前記内燃機関の出力トルクに前記変速後の変速比を掛けた値との偏差に基づいて前記内燃機関の出力を変更する際の補正量を設定し、ダウンシフトの場合は、前記内燃機関から前記変速機までの動力伝達系統におけるイナーシャトルクに基づいて前記補正量を設定する手段を含むことを特徴とする制御装置である。
また、請求項6の発明は、請求項5の発明において、前記予備吸気手段が、前記予備吸気制御の非実行時における前記内燃機関の出力が前記補正量を達成できるか否かを判断し、達成できないと判断された場合に、前記予備吸気制御を実行する手段を含むことを特徴とする制御装置である。
また、請求項7の発明は、請求項1ないし6のいずれかの発明において、前記内燃機関が、ディーゼル機関であり、前記出力補正手段が、燃料噴射量を制御することにより前記内燃機関の出力を変更する手段を含むことを特徴とする制御装置である。
そして、請求項8の発明は、請求項1ないし6のいずれかの発明において、前記内燃機関が、火花点火機関であり、前記出力補正手段が、点火時期を制御することにより前記内燃機関の出力を変更する手段を含み、前記予備吸気手段が、前記出力補正手段による前記内燃機関の出力の変更に先立って、前記吸入空気量を増大するとともに前記点火時期を遅角する手段を含むことを特徴とする制御装置である。
請求項1の発明によれば、変速時に生じる駆動力の変動を抑制するために内燃機関の出力を補正して変更する場合、予め、内燃機関の出力を変化させることなく吸入空気量が増大される。内燃機関の出力を変更する以前に吸入空気量を増大しておくことで、吸入空気量を増大する制御の応答遅れを回避でき、内燃機関の出力を変更する際の制御を応答性良く実行することができる。その結果、変速時に生じる駆動力の変動による変速ショックを適切に防止もしくは抑制することができる。
また、変速時に生じる駆動力の変動を抑制するために内燃機関の出力を補正して変更する場合、駆動力の低下を伴う変速についての予測が行われ、その変速の開始が予測された場合に、内燃機関の出力を変化させることなく吸入空気量が予め増大される。変速の開始が予測された段階で、予め、内燃機関の出力を変更することなく吸入空気量を増大しておくことで、吸入空気量を増大する制御の応答遅れを回避でき、内燃機関の出力を変更する際の制御を応答性良く実行することができる。その結果、変速時に生じる駆動力の変動による変速ショックを適切に防止もしくは抑制することができる。
また、駆動力の低下を伴う変速の開始が予測された場合は、その変速を実行した際に生じる駆動力の変動量、すなわち駆動力の増大もしくは低下量が推定される。そして、推定された駆動力の低下量が所定値以上の場合に、内燃機関の出力を変化させることなく吸入空気量が予め増大される。そのため、駆動力の低下量が所定値に満たない場合は、吸入空気量を増大させる必要がないと判断して吸入空気量を増大する制御を行わず、必要な場合にのみ吸入空気量を増大する制御を行うことができ、変速ショックを防止するための制御を効率的に実行することができる。
また、請求項2の発明によれば、駆動力の低下を伴う変速の開始が予測された場合に、その変速が実行されるか否かが判断される。そして、変速の開始が予測された後にその変速が実行されないと判断された場合は、吸入空気量を増大する制御が中止もしくは禁止される。そのため、例えば変速開始の予測に誤りがあった場合、あるいは変速開始の予測後に運転者の意図により変速の実行が要求されなくなった場合などに、吸入空気量を増大する制御を中止もしくは禁止することができ、変速ショックを防止するための制御を効率的に実行することができる。
また、請求項3の発明によれば、吸入空気量を増大する制御の実行頻度について判断され、その実行頻度が所定値以上の場合に、変速予測手段による駆動力の低下を伴う変速の開始を予測する制御が実行される。そして、変速の開始が予測された場合に、内燃機関の出力を変化させることなく吸入空気量が予め増大される。そのため、例えば山間の登坂路を走行する場合のように、頻繁に変速が行われるとともに、内燃機関に高出力が要求される状態での走行時に、変速の開始が予測された段階で、予め、内燃機関の出力を変更する以前に吸入空気量を増大しておくことができ、吸入空気量を増大する制御の応答遅れを回避し、内燃機関の出力を変更する際の制御を応答性良く実行することができる。
また、請求項4の発明によれば、車速と走行負荷とに基づき予め定められた変速線を利用して、駆動力の低下を伴う変速の開始を予測することができる。そのため、駆動力の低下を伴う変速の開始を適切に予測することができる。
また、請求項5の発明によれば、変速機による変速がアップシフトでのトルク相の場合は、内燃機関の出力トルクに変速前後の変速比の差を掛けた値に基づいて、内燃機関の出力を補正して変更する際の補正量が設定される。一方、変速機による変速がダウンシフトの場合には、内燃機関から変速機までの間の動力伝達系統におけるイナーシャトルクに基づいて補正量が設定される。そのため、駆動力の低下を伴う変速の開始が予測された場合に、その場合の駆動力の低下を抑制するために内燃機関の出力を補正して変更する際の補正量を、変速の状態に応じて適切に設定することができる。
また、請求項6の発明によれば、吸入空気量を増大する制御の非実行時における内燃機関の出力が、駆動力の低下を抑制するために内燃機関の出力を補正して変更する際の補正量を賄えるか否かが判断され、賄えないと判断された場合に、内燃機関の出力を変化させることなく吸入空気量が予め増大される。言い換えると、内燃機関の出力が補正量を賄えると判断された場合は、内燃機関の出力を変化させることなく吸入空気量を増大する制御は実行されない。そのため、不必要に吸入空気量を増大する制御が実行されることを回避でき、変速ショックを防止するための制御を効率的に実行することができる。
また、請求項7の発明によれば、ディーゼル機関を搭載した車両においては、ディーゼル機関の出力を変更することなく吸入空気量を増大することができる。そして、ディーゼル機関の出力を変化させることなく吸入空気量を予め増大しておくことで、燃料噴射量を制御することにより高出力を得ることができるとともに、出力の変更時に吸入空気量を増大する制御の応答遅れを回避でき、応答性良く出力を変更することができる。
そして、請求項8の発明によれば、点火時期を制御して出力を変更できる火花点火機関を搭載した車両において、吸入空気量の増大と点火時期の遅角とを協調して制御することにより、火花点火機関の出力を変更することなく吸入空気量を増大することができる。そして、火花点火機関の出力を変化させることなく吸入空気量を予め増大しておくことで、点火時期を制御することにより高出力を得ることができるとともに、出力の変更時に吸入空気量を増大する制御の応答遅れを回避でき、応答性良く出力を変更することができる。
つぎにこの発明を具体例に基づいて説明する。先ず、図6は、動力源として内燃機関1と、その内燃機関1の出力側に連結され、内燃機関1の出力を変速して駆動輪(図示せず)に伝達する変速機2とを搭載した車両における制御系統を示している。ここで、内燃機関1は、断熱圧縮して高温にした空気中に燃料を噴射し自発着火させて運転するディーゼルエンジン1(以下、エンジン1と記す)である。
エンジン1には、エンジン用電子制御装置(E−ECU)3が接続されていて、例えばアクセルペダル4の踏み込み量に応じた信号がE−ECU3に入力されるようになっている。また、エンジン1の吸気配管1aには、スロットルアクチュエータ5aによって駆動される電子スロットルバルブ5が設けられている。そしてこの電子スロットルバルブ5は、アクセルペダル4の踏み込み量に応じてE−ECU3からスロットルアクチュエータ5aに制御信号が出力され、その制御量に応じて開度が制御されるようになっている。
また、エンジン1の吸気配管1aと排気配管1bとに跨って、過給装置6が設けられている。この過給装置6は、エンジン1の排気エネルギを利用してタービン(図示せず)を回転させることで、そのタービンと同軸上にあるコンプレッサ(図示せず)を駆動して、エンジン1の吸入空気を加圧するターボチャージャである。さらに、この過給装置6は、コンプレッサを直接駆動することのできる電動モータ6aを備えていて、E−ECU3から出力される制御信号により電動モータ6aの回転が制御されるようになっている。したがって、この過給装置6は、電動モータ6aの回転を制御することにより、タービンの回転に関わりなく、すなわちエンジン1の運転状態に関わりなくコンプレッサを駆動させて過給を行うことができる、いわゆるモータアシストターボ(MAT)6である。
上記のように、エンジン1を制御するためのE−ECU3には、上記のアクセルペダル4の踏み込み量に応じた信号に加えて、例えば、エンジン回転速度、吸入空気量、吸入空気温度、電子スロットルバルブ5の開度を検出するアイドルスイッチ、車速、エンジン水温、ブレーキスイッチの出力信号などが、制御データとして入力されている。
また、E−ECU3は、上記のスロットルアクチュエータ5a、および電動モータ6aの制御に加えて、変速機2の変速時などにおいて、エンジン1のトルク制御のために、エンジン1の燃料噴射装置7に制御信号を出力するように構成されている。なお、エンジン1が、例えばガソリンエンジンやLPGエンジンなどの火花点火機関である場合には、機関の点火時期を変更するイグナイタなどにも制御信号を出力するように構成することができる。
上記エンジン1に連結された変速機2は、油圧を電気的に制御して変速やロックアップクラッチの係合・解放の制御などを行う、いわゆる電子制御式の自動変速機2である。そして、変速機2の油圧を制御する油圧制御装置8は、主として変速を実行あるいはエンジンブレーキ状態を制御するソレノイドバルブと、主としてロックアップクラッチを制御するリニアソレノイドバルブと、スロットル開度に応じてライン圧を制御するリニアソレノイドバルブと、主としてアキュームレータの背圧を制御するリニアソレノイドバルブとを備えている。
そして、この油圧制御装置8における各ソレノイドバルブに制御信号を出力する自動変速機用電子制御装置(T−ECU)9が設けられている。このT−ECU9は、必要に応じてE−ECU3と統合・一体化することができる。
このT−ECU9には、変速機2の変速やロックアップクラッチを制御するために、予め変速マップや演算式が記憶されている。この変速マップは、スロットル開度および車速を基準とするものであり、変速マップには、低速段から高速段にアップシフトすることを許可するアップシフト線と、高速段から低速段にダウンシフトすることを許可するダウンシフト線とによる変速線、ロックアップクラッチの係合・解放領域などが設定されている。そして、T−ECU9に入力されるデータに基づく演算を行い、その演算結果に基づいた制御信号を前記各ソレノイドバルブに出力して変速やロックアップクラッチの係合・解放の制御ならびに変速時の過渡油圧の制御などを実行するように構成されている。
また、T−ECU9には、制御データとして、上記の電子スロットルバルブ5の開度、車速、エンジン水温、ブレーキスイッチの出力信号に加えて、変速機2のレンジを選択するシフト装置10のマニュアルシフトスイッチの出力信号、パターンセレクトスイッチの出力信号、変速機2の各クラッチなどの回転数を検出するセンサの出力信号、変速機2の油温、オーバードライブスイッチの出力信号などが入力されている。
上記各電子制御装置3,9は、相互にデータ通信可能に接続されており、特にT−ECU9からE−ECU3には、各変速段を設定する信号が送信されており、またE−ECU3からT−ECU9には、エンジン1の一回転当たりの吸入空気量などが送信されている。
前述したように、この発明は、変速の前後で変速機2の出力トルクが変動することによる変速ショックを抑制するためにエンジン1の出力を補正して変更する場合に、制御の応答遅れを回避し、変速ショックを適切に防止もしくは抑制することを目的としていて、そのために、この発明の制御装置は以下の制御を実行するように構成されている。
(第1の制御例)
図1は、この発明の制御装置における第1の制御例を説明するためのフローチャートであって、このフローチャートで示されるルーチンは、所定の短時間毎に繰り返し実行される。図1において、先ず、変速機2で、アップシフトが実行中であるか否かが判断される(ステップS101)。アップシフト実行中であることにより、このステップS101で肯定的に判断された場合は、ステップS102へ進み、変速機2での変速の状態がトルク相になっているか否かが判断される。変速の状態がトルク相でないことにより、このステップS102で否定的に判断された場合は、ステップS103へ進み、変速機2での変速の状態がイナーシャ相になっているか否かが判断される。
変速機2での変速の状態を示すトルク相とイナーシャ相について、図5のタイムチャートを用いて説明する。図5は、変速機2での変速時におけるエンジン回転数Ne、出力軸トルクTo、第1速側および第2速側の各クラッチのトルク容量t1,t2、燃料噴射量Qの挙動を示すタイムチャートであって、図5の(a)は第1速から第2速へのアップシフトの場合、図5の(b)は第2速から第1速へのダウンシフトの場合を示している。図5の(a)に示すように、アップシフトの場合、トルク相においては、係合側すなわち第2速側のクラッチが滑りながらトルクを伝達している状態で、解放側すなわち第1速側のクラッチの受け持つトルク容量t1が次第に低下するとともに、出力軸トルクToが次第に減少する。そして、第2速側のクラッチが所定以上のトルク容量t2を持ち始めることによって、第1速側のクラッチの受け持つトルク容量t1が零になり、この時点で解放して回転変化を生じさせてイナーシャ相に移行する。イナーシャ相に移行すると、第2速側の各回転部材が有していたイナーシャトルクが出力軸に作用することで、出力軸トルクToが増大する。
そのため、トルク相においては、出力軸トルクToの減少分を補償するため、燃料噴射量Qが増大されてエンジン1の出力がトルクアップされ、イナーシャ相においては、その出力軸トルクToの増大分を補償するため、燃料噴射量Qが低減されてエンジン1の出力がトルクダウンされる。このように、アップシフト時の出力軸トルクToの変動に応じて、燃料噴射量Qを増減し、エンジン1の出力をトルクアップ・トルクダウンすることにより、図5の(a)に一点鎖線で示すように、出力軸トルクToの急激な変動を抑制して、変速ショックのない滑らかな変速を実行することができる。
したがって、変速機2での変速の状態がイナーシャ相でないことにより、ステップS103で否定的に判断された場合は、変速機2での変速の状態はトルク相でもイナーシャ相でもなく、その場合に変速ショックが発生することはないため、以降の制御は行わずにこのルーチンを一旦終了する。
一方、変速機2での変速の状態がイナーシャ相であることより、ステップS103で肯定的に判断された場合には、ステップS104へ進み、イナーシャ相でのイナーシャトルクによる出力軸トルクの増大分を補償するためにエンジン1の出力トルクを低減する際の補正量、すなわちトルクダウン補正量が算出されて設定される。具体的には、イナーシャ相での出力軸トルクの増大分に応じて、その出力軸トルクの増大分を相殺するようにトルクダウンを行う場合の補正量が設定される。例えば、イナーシャ相での出力軸トルクの増大分が大きいほど大きなトルクダウン補正量が設定される。そして、トルクダウン補正量が算出されると、その補正量に基づいて、エンジン1でのトルクダウンが実行され(ステップS105)、その後、このルーチンを一旦終了する。
また一方、変速の状態がトルク相であることにより、前述のステップS102で肯定的に判断された場合には、ステップS106へ進み、トルク相での出力軸トルクの減少分を補償するためにエンジン1の出力トルクを増大する際の補正量、すなわちトルクアップ補正量が算出されて設定される。この場合の補正量は、エンジン1の出力トルクに変速前後の変速比の差を掛けた値に基づいて、すなわち、エンジン1の出力トルクに変速機2での変速前の変速比を掛けた値と、エンジン1の出力トルクに変速機2での変速後の変速比を掛けた値との偏差に基づいて設定される。アップシフト時のトルク相での出力軸トルクの落ち込みは、変速の前後における変速比の差分に起因して発生するため、その出力軸トルクの減少分に基づいて、すなわちエンジン1の出力トルクに変速前後の変速比の差を掛けた値に基づいてトルクアップ補正量を設定することにより、アップシフト時のトルク相での変速ショックを抑制することができる。そして、トルクアップ補正量が算出されると、その補正量に対してエンジン1の出力トルクが不足しているか否かが判断される(ステップS107)。
上記のように、トルク相での出力軸トルクの減少分を補うために、トルクアップ補正量が設定されるが、出力軸トルクの減少分が所定値以上に大きいと、通常のエンジン1の運転状態では出力トルクが不足し、トルクアップ補正量分を賄えない場合がある。そこでこの発明では、トルクアップ補正量に対してエンジン1の出力トルクが不足する場合は、予めエンジン1の吸入空気量を増大する予備吸気制御を実行することによって、より多くの燃料を噴射することができ、エンジン1の出力を増大できる状態に制御されるように構成されている。
例えば上述した構成例のように、エンジン1がディーゼルエンジンである場合は、吸入空気量を予め増大することによって、具体的には、モータアシストターボ6を作動して予め過給圧を増大させることによって吸入空気量を増大しておくことで、モータアシストターボ6を作動させない通常の運転状態と比較してより多くの燃料を噴射することが可能になる。その結果、より大きい出力を得ることができ、トルクアップ補正量に対するエンジン1の出力トルクの不足分を補うことができる。
なお、トルクアップ補正量に対して、エンジン1の出力トルクが不足するか否かの判断は、変速機2での変速による駆動力の低下量、すなわち変速時のトルクの低下量を推定し、その推定されたトルクの低下量が所定値以上の場合に、エンジン1の出力トルクが不足すると判断することもできる。
したがって、トルクアップ補正量に対してエンジン1の出力トルクが不足していることにより、ステップS107で肯定的に判断された場合は、ステップS108へ進み、モータアシストターボ6が作動させられ、エンジン1の出力を増大する変更制御すなわち燃料噴射量の増大制御に先立って、エンジン1の過給圧が増大されて吸入空気量が増大される。なお、この時点においては未だエンジン1の出力は変化しないように制御される。
このように、燃料噴射量の増大制御に先立って、予めモータアシストターボ6を作動して過給圧を増大させること、すなわち予備吸気制御を実行することによって、過給遅れによる制御応答性の低下を回避することができる。そして、モータアシストターボ6が作動させられてエンジン1の過給圧が増大されると、前述のステップS106で設定されたトルクアップ補正量に基づいて燃料噴射量が制御され、エンジン1でのトルクアップが実行され(ステップS105)、その後、このルーチンを一旦終了する。
一方、トルクアップの補正量に対してエンジン1の出力トルクが不足していないことにより、ステップS107で否定的に判断された場合には、モータアシストターボ6を作動させる必要がないため、ステップS108を飛ばしてステップS105へ進み、トルクアップ補正量に基づいて燃料噴射量が制御され、エンジン1でのトルクアップが実行される。そしてその後、このルーチンを一旦終了する。
これに対して、アップシフト実行中でないことにより、前述のステップS101で否定的に判断された場合には、ステップS109へ進み、ダウンシフトが実行中であるか否かが判断される。ダウンシフト実行中でないことにより、このステップS109で否定的に判断された場合は、アップシフトもダウンシフトも実行されていない状態、すなわち変速が行われていない状態であって、変速ショックが発生することはないため、以降の制御は行わずにこのルーチンを一旦終了する。
一方、ダウンシフト実行中であることにより、ステップS109で肯定的に判断された場合には、ステップS110へ進み、そのダウンシフトが終了直前であるか否かが判断される。図5の(b)に示すように、解放側すなわち第2速側のクラッチの受け持つトルク容量t2が次第に低下するとともに、出力軸トルクToが次第に減少する。その後、ダウンシフトが終了する直前に、係合側すなわち第1速側のクラッチのトルク容量t1が増加することにより、出力軸トルクToは増大に転じ、ダウンシフトが終了する直前にオーバーシュート気味に増大する。
そのため、アップシフトの場合と同様に、出力軸トルクToの変動分を補償するため、燃料噴射量が増減されてエンジン1の出力がトルクアップもしくはトルクダウンされる。このように、ダウンシフト時の出力軸トルクToの変動に応じて、燃料噴射量Qを増減し、エンジン1の出力をトルクアップ・トルクダウンすることにより、図5の(b)に一点鎖線で示すように、出力軸トルクToの急激な変動を抑制して、変速ショックのない滑らかな変速を実行することができる。
したがって、ダウンシフトが終了直前であることにより、ステップS110で肯定的に判断された場合は、ステップS111へ進み、ダウンシフト終了直前の出力軸トルクの増大分を補償するためのエンジン1のトルクダウン補正量が算出されて設定される。この場合の補正量は、前述のアップシフト時の出力軸トルクの増大分に対する補正の場合と同様に、出力軸トルクの増大分が大きいほど大きなトルクダウン補正量が設定される。そして、トルクダウン補正量が算出されると、その補正量に基づいて、エンジン1でのトルクダウンが実行され(ステップS105)、その後、このルーチンを一旦終了する。
また一方、ダウンシフトが終了直前ではないことにより、ステップS110で否定的に判断された場合には、ステップS112へ進み、変速機2での変速の状態がイナーシャ相になっているか否かが判断される。変速機2での変速の状態がイナーシャ相でないことにより、ステップS112で否定的に判断された場合は、その場合に変速ショックが発生することはないため、以降の制御は行わずにこのルーチンを一旦終了する。
そして、変速機2での変速の状態がイナーシャ相であることにより、ステップS112で肯定的に判断された場合には、ステップS113へ進み、イナーシャ相での出力軸トルクの減少分を補償するためのエンジン1のトルクアップ補正量が算出されて設定される。この場合の補正量は、エンジン1から変速機2までの間の動力伝達系統におけるイナーシャトルクに基づいて補正量が設定される。ダウンシフト時の出力軸トルクの落ち込みは、入力軸系すなわちエンジン1から変速機2までの間の動力伝達系統の回転上昇に伴うイナーシャトルクに起因して発生するため、そのイナーシャトルクに基づいてトルクアップ補正量を設定することにより、ダウンシフト時における変速ショックを抑制することができる。そして、トルクアップ補正量が算出されると、その補正量に対してエンジン1の出力トルクが不足しているか否かが判断される(ステップS114)。
トルクアップの補正量に対してエンジン1の出力トルクが不足していることにより、ステップS114で肯定的に判断された場合は、ステップS115へ進み、予備吸気制御が実行される。すなわち、モータアシストターボ6が作動させられ、エンジン1の出力を増大する変更制御、具体的には燃料噴射量の増大制御に先立って、エンジン1の過給圧が増大されて吸入空気量が増大される。なお、この時点においては未だエンジン1の出力は変化しないように制御される。そして、モータアシストターボ6が作動させられてエンジン1の過給圧が増大されると、前述のステップS113で設定されたトルクアップ補正量に基づいてエンジン1でのトルクアップが実行され(ステップS105)、その後、このルーチンを一旦終了する。
一方、トルクアップの補正量に対してエンジン1の出力トルクが不足していないことにより、ステップS114で否定的に判断された場合には、モータアシストターボ6を作動させる必要がないため、ステップS115の制御を飛ばしてステップS105へ進み、トルクアップ補正量に基づいてエンジン1でのトルクアップが実行される。そしてその後、このルーチンを一旦終了する。
(第2の制御例)
図2は、この発明の制御装置における第2の制御例を説明するためのフローチャートであって、前述の第1の制御例と同様、このフローチャートで示されるルーチンは、所定の短時間毎に繰り返し実行される。この第2の制御例は、前述の第1の制御例に対して、変速機2による変速の開始を予測して、変速の開始が予測される場合に、予めエンジン1の過給圧を増大させ吸入空気量を増大させておくことにより、制御応答性の向上を図った制御の例である。なお、この図2のフローチャートに示す第2の制御例は、前述の図1のフローチャートに示す第1の制御例を一部変更したものであって、図1のフローチャートに示す制御と同じ制御内容のステップについては、図1と同様の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。
図2において、先ず、駆動力の低下を伴う変速が開始されるか否かが判断される(ステップS201)。駆動力の低下を伴う変速とは、変速の前後で変速機2の出力軸トルクが低下し、変速ショックが発生する可能性のある変速のことであり、その変速の開始の予測判断は、例えばアクセル開度もしくはスロットル開度などで代表される走行負荷と車速とに基づいて設定される変速機2の変速線を利用して行われる。具体的には、変速マップ上で、車速とアクセル開度もしくはスロットル開度とによって決まる、その時点の走行状態を示す走行状態点の位置が、変速線に近づく方向へ変化している際に、その点と変速線との距離が所定値以下となった場合に、あるいは、車速の変化量とアクセル開度もしくはスロットル開度の変化量とに基づいて推定される走行状態点の位置が、所定時間後に変速線を通過すると推定された場合に、あるいはそれらの組み合わせによって、変速の開始を予測することができる。
駆動力の低下を伴う変速の開始が予測されたことにより、このステップS201で肯定的に判断された場合は、ステップS202へ進み、モータアシストターボ6が作動させられ、エンジン1の燃料噴射量の増大制御に先立って、エンジン1の過給圧が増大されて吸入空気量が増大される。なお、この時点においては未だエンジン1の出力は変化しないように制御される。
このように、駆動力の低下を伴う変速の開始が予測された場合、すなわち変速ショックが生じる可能性のある変速の開始が予測された場合に、変速ショックを低減するための燃料噴射量の増大制御に先立って、予めモータアシストターボ6を作動して過給圧を増大させること、すなわち予備吸気制御を実行することによって、過給遅れによる制御応答性の低下を回避することができる。
モータアシストターボ6が作動されて過給圧が増大されると、ステップS101以降の前述の図1のフローチャートとほぼ同様の制御が実行され、変速の方向あるいは変速の状態に応じてエンジン1の出力トルクの補正量が設定されて、その補正量に基づいてエンジン1の出力トルクが補正されて変更される。そしてその後、このルーチンを一旦終了する。
一方、駆動力の低下を伴う変速の開始が予測されなかったことにより、ステップS201で否定的に判断された場合には、モータアシストターボ6による過給は行わずに、すなわちステップS202の制御を飛ばして、ステップS101へ進み、以降の制御が同様に実行される。そしてその後、このルーチンを一旦終了する。
(第3の制御例)
図3は、この発明の制御装置における第3の制御例を説明するためのフローチャートであって、前述の第1,第2の制御例と同様、このフローチャートで示されるルーチンは、所定の短時間毎に繰り返し実行される。この第3の制御例は、前述の第1,第2の制御例に対して、モータアシストターボ6の作動頻度およびモータアシストターボ6の作動の必要性を検出もしくは判断し、モータアシストターボ6の作動頻度が大きい場合、もしくはモータアシストターボ6の作動の必要性があると判断された場合に、変速機2による変速の開始を予測して、変速の開始が予測されると、予めエンジン1の過給圧を増大させ吸入空気量を増大させておくことにより、制御応答性の向上を図った制御の例である。
図3において、先ず、フラグF0が“1”にセットされているか否かが判断される(ステップS301)。制御の開始当初は“0”にセットされているものとすると、ステップS302へ進み、モータアシストターボ6の作動頻度が所定値以上であるか否か、すなわち、モータアシストターボ6により、エンジン1の出力トルクを変化させることなく過給圧を増大して吸入空気量を増大する制御、すなわち予備吸気制御の実行頻度が高いか否かが判断される。
モータアシストターボ6の作動頻度が所定値以上であることにより、このステップS302で肯定的に判断された場合は、ステップS303へ進み、フラグF0が“1”にセットされた後、ステップS306へ進む。一方、モータアシストターボ6の作動頻度が所定値未満であることにより、ステップS302で否定的に判断された場合には、ステップS303の制御を飛ばして、すなわちフラグF0は“0”にセットされたままで、ステップS306へ進む。
これに対して、フラグF0が“1”にセットされていることによって、前述のステップS301で肯定的に判断された場合には、ステップS304へ進み、モータアシストターボ6の作動の必要性があるか否かが判断される。例えば、山間路や起伏の多い道路などを走行している場合、あるいは、マニュアルシフトモードもしくはスポーツシフトモードで走行している場合などで、変速が頻繁に繰り返されるような走行状態のときには、変速ショックを生じるような変速が行われる可能性が高くなる。また、登坂路走行や高速走行のためにエンジン1に高出力が要求される可能性も高くなる。そのため、モータアシストターボ6の作動の必要性も高くなる。したがって、例えばナビゲーションシステム等で山間路や起伏の多い道路を走行していることが認識・検出された場合、あるいは、マニュアルシフトモードもしくはスポーツシフトモードのスイッチのON信号が検出された場合に、モータアシストターボ6の作動の必要性があると判定することができる。
モータアシストターボ6の作動の必要性がないと判定されたことにより、このステップS304で肯定的に判断された場合は、ステップS305へ進み、フラグF0が“0”にセットされた後、ステップS306へ進む。一方、モータアシストターボ6の作動の必要性があると判定されたことにより、ステップS304で否定的に判断された場合には、ステップS305の制御を飛ばして、すなわちフラグF0は“1”にセットされたままで、ステップS306へ進む。
ステップS306では、再度、フラグF0が“1”にセットされているか否かが判断される。フラグF0が“1”にセットされていることによって、このステップS306で肯定的に判断された場合は、ステップS307へ進み、図2に示す第2の制御例のフローチャートへ進み、変速機2による変速の開始を予測することにより、制御応答性を向上させる制御が同様に実行され、その後、このルーチンを一旦終了する。
これに対して、フラグF0が“0”にセットされていることによって、ステップS306で否定的に判断された場合は、ステップS308へ進み、図1に示す第1の制御例のフローチャートへ進み、制御応答性を向上させる制御が同様に実行され、その後、このルーチンを一旦終了する。
(第4の制御例)
図4は、この発明の制御装置における第4の制御例を説明するためのフローチャートであって、前述の第1,第2,第3の制御例と同様、このフローチャートで示されるルーチンは、所定の短時間毎に繰り返し実行される。この第4の制御例は、前述の第2の制御例に対して、駆動力の低下を伴う変速の開始が予測された後に、その変速が実際に実行されるか否かを判断し、実行されないと判断された場合に、予備吸気制御の実行を禁止もしくは中止することにより、予備吸気制御を必要に応じて効率的に実行するようにした制御の例である。
すなわち、図4において、ステップS201で駆動力の低下を伴う変速の開始が予測されると、ステップS401で、その変速が実際に実行されるか否かが判断される。この判断は、例えば、変速の開始の予測判定の場合と同様に、アクセル開度もしくはスロットル開度などで代表される走行負荷と車速とに基づいて設定される変速機2の変速線を利用して行われる。具体的には、変速マップ上で、走行状態点の位置が変速線から遠ざかる方向へ変化した場合、例えば車速もしくは走行負荷の少なくともいずれかが変速線から遠ざかる方向へ変化した場合に、変速は実行されないと予測して判定することができる。あるいは、変速の開始が予測判定された後に所定時間以上変速が実行されないことにより、変速は実行されないと予測して判定することができる。
駆動力の低下を伴う変速が実際に実行されると予測されたことによって、このステップS401で肯定的に判断された場合は、ステップS202へ進み、以降の制御が同様に実行される。一方、駆動力の低下を伴う変速が実際には実行されないと予測されたことによって、ステップS401で否定的に判断された場合には、予備吸気制御を実行する必要はないため、以降の制御は行わずにこのルーチンを一旦終了する。
以上のように、この発明に係る制御装置によれば、変速時に生じる駆動力の変動を抑制するためにエンジン1の出力を補正して変更する場合、例えば、予めモータアシストターボ6を作動させることで、エンジン1の出力を変化させることなく吸入空気量を増大する予備吸気制御が実行される。エンジン1の出力を変更する以前に、予めモータアシストターボ6を作動させて過給を行い、吸入空気量を増大しておくことで、過給遅れ(ターボラグ)を回避でき、エンジン1の出力を変更する際の制御を応答性良く実行することができる。その結果、変速時に生じる駆動力の変動による変速ショックを適切に防止もしくは抑制することができる。
また、変速機2での変速時に生じる駆動力の変動を抑制するためにエンジン1の出力を補正して変更する場合、駆動力の低下を伴う変速についての予測が行われ、その変速の開始が予測された場合に、予備吸気制御が実行される。変速の開始が予測された段階で、予めモータアシストターボ6を作動してエンジン1の過給を行い、出力を変更することなく吸入空気量を増大しておくことで、過給遅れ(ターボラグ)をより適切に回避でき、変速ショックをより適切に防止もしくは抑制することができる。
また、駆動力の低下を伴う変速の開始が予測された場合に、その変速が実行されるか否かが判断され、変速の開始が予測された後に、その変速が実行されないと判断された場合は、予備吸気制御の実行が中止もしくは禁止される。そのため、例えば変速開始の予測に誤りがあった場合、あるいは変速開始の予測後に運転者の意図により変速の実行が要求されなくなった場合などに、モータアシストターボ6の作動を中止もしくは禁止することができ、不必要にモータアシストターボ6が作動されることを回避することができる。その結果、モータアシストターボ6の電動モータ6aが駆動されることによる電力の消費を抑制し、変速ショックを防止するための制御を効率的に実行することができる。
上記の変速の開始の予測、および変速の実行の予測は、車速と走行負荷とに基づき予め定められた変速マップにおける変速線を利用して行うことができる。そのため、変速の開始およびその変速の実行を適切に予測することができる。
また、予備吸気制御の非実行時におけるエンジン1の出力が、駆動力の低下を抑制するためにエンジン1の出力を補正して変更する際の補正量を賄えるか否かが判断され、賄えないと判断された場合、あるいは、駆動力の低下を伴う変速の開始が予測され、その変速を実行した際に生じる駆動力の変動量(増大もしくは低下量)が推定されて、推定された駆動力の低下量が所定値以上の場合に、予備吸気制御が実行される。言い換えると、エンジン1の出力が補正量を賄えると判断された場合、あるいは、駆動力の低下量が所定値に満たないと推定された場合は、吸入空気量を増大させる必要がないと判断して、モータアシストターボ6は作動されない。そのため、不必要にモータアシストターボ6を作動する制御が実行されることを回避でき、モータアシストターボ6の電動モータ6aが駆動されることによる電力の消費を抑制し、変速ショックを防止するための制御を効率的に実行することができる。
また、変速機2による変速がアップシフトでのトルク相の場合は、エンジン1の出力トルクに変速前後の変速比の差を掛けた値に基づいて、エンジン1のトルクアップ補正量が設定される。一方、変速機2による変速がダウンシフトの場合には、エンジン1から変速機2までの間の動力伝達系統におけるイナーシャトルクに基づいて、エンジン1のトルクアップ補正量が設定される。そのため、駆動力の低下を伴う変速の開始が予測された場合に、その場合の駆動力の低下を抑制するためのエンジン1のトルクアップ補正量を、変速の状態に応じて適切に設定することができる。
また、予備吸気制御の実行頻度について判断され、その実行頻度が所定値以上の場合に、駆動力の低下を伴う変速の開始を予測する制御が実行される。そして、変速の開始が予測された場合に、予備吸気制御が実行される。そのため、例えば山間の登坂路を走行する場合のように、頻繁に変速が行われるとともに、エンジン1に高出力が要求される状態での走行時に、変速の開始が予測された段階で、予めモータアシストターボ6を作動させて過給を行うことで、吸入空気量を増大しておくことができ、過給遅れ(ターボラグ)を回避し、変速ショックをより適切に防止もしくは抑制することができる。
そして、この発明は、例えばガソリンエンジンなどのような、点火時期を制御して出力を変更できる火花点火機関を搭載した車両においても、吸入空気量の増大と点火時期の遅角とを協調して制御することにより、具体的には、モータアシストターボ6を作動して火花点火機関の過給を行った際に、点火時期を遅角して火花点火機関の出力を低下させることにより、火花点火機関の出力を変更することなく吸入空気量を増大することができる。そして、火花点火機関の出力を変化させることなく予め過給しておくことで、その後に点火時期を制御することにより高出力を得ることができるとともに、出力の変更時に過給遅れ(ターボラグ)を回避でき、応答性良く出力を変更することができる。
ここで、上述した具体例とこの発明との関係を簡単に説明すると、上述したステップS104ないしS106,S111,S113の機能的手段が、この発明の出力補正手段に相当し、ステップS108,S115,S202の機能的手段が、この発明の予備吸気手段に相当する。また、ステップS201の機能的手段が、この発明の変速予測手段に相当し、ステップS107,S114の機能的手段が、この発明の駆動力変動推定手段に相当する。そして、ステップS401の機能的手段が、この発明の変速確認手段に相当し、ステップS302の機能的手段が、この発明の予備吸気頻度検出手段に相当する。
この発明の制御装置による、第1の制御例を説明するためのフローチャートである。 この発明の制御装置による、第2の制御例を説明するためのフローチャートである。 この発明の制御装置による、第3の制御例を説明するためのフローチャートである。 この発明の制御装置による、第4の制御例を説明するためのフローチャートである。 この発明の制御装置を適用可能な変速機による変速の状態を示すタイムチャートである。 この発明の制御装置を適用可能な車両の制御系統を模式的に示す概念図である。
符号の説明
1…内燃機関(エンジン)、 2…変速機(自動変速機)、 3…エンジン用電子制御装置(E−ECU)、 5…電子スロットルバルブ、 5a…スロットルアクチュエータ、 6…過給装置(モータアシストターボ,MAT)、 6a…電動モータ、 7…燃料噴射装置、 9…自動変速機用電子制御装置(T−ECU)。

Claims (8)

  1. 内燃機関と、該内燃機関の出力を変速して駆動輪に伝達する変速機と、該変速機による変速の際に生じる駆動力の変動を抑制するように前記内燃機関の出力を変更する出力補正手段とを備えた車両の制御装置において、
    前記駆動力の低下を伴う前記変速機による変速の開始を予測する変速予測手段と、
    前記変速による前記駆動力の変動量を推定する駆動力変動推定手段と、
    前記変速予測手段により前記変速の開始が予測され、かつ前記駆動力変動推定手段により推定された前記駆動力の低下量が所定値以上の場合に、前記出力補正手段による前記内燃機関の出力の変更に先立って、前記内燃機関の出力を変更させずに吸入空気量を増大させる予備吸気制御を実行する予備吸気手段と
    備えていることを特徴とする車両の制御装置。
  2. 記変速予測手段により前記変速の開始が予測された場合に、前記変速が実行されるか否かを判断する変速確認手段を更に備え、
    前記予備吸気手段は、前記変速確認手段により、前記変速の開始が予測された後に前記変速が実行されないと判断された場合に、前記予備吸気制御の実行を禁止もしくは停止する手段を含むことを特徴とする請求項1に記載の車両の制御装置。
  3. 記予備吸気手段による前記予備吸気制御の実行頻度を検出する予備吸気頻度検出手段を更に備え、
    記変速予測手段は、前記予備吸気頻度検出手段により検出された前記実行頻度が所定値以上の場合に、前記変速の開始を予測する手段を含むことを特徴とする請求項1に記載の車両の制御装置。
  4. 前記変速予測手段は、車速と走行負荷とに基づき予め定められた変速線に基づいて前記変速の開始を予測する手段を含むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の車両の制御装置。
  5. 記出力補正手段は、前記変速機による変速が、アップシフトでのトルク相の場合は、前記内燃機関の出力トルクに前記変速前の変速比を掛けた値と前記内燃機関の出力トルクに前記変速後の変速比を掛けた値との偏差に基づいて前記内燃機関の出力を変更する際の補正量を設定し、ダウンシフトの場合は、前記内燃機関から前記変速機までの動力伝達系統におけるイナーシャトルクに基づいて前記補正量を設定する手段を含むことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の車両の制御装置。
  6. 記予備吸気手段は、前記予備吸気制御の非実行時における前記内燃機関の出力が前記補正量を達成できるか否かを判断し、達成できないと判断された場合に、前記予備吸気制御を実行する手段を含むことを特徴とする請求項5に記載の車両の制御装置。
  7. 記内燃機関は、ディーゼル機関であり、
    前記出力補正手段は、燃料噴射量を制御することにより前記内燃機関の出力を変更する手段を含むことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の車両の制御装置。
  8. 記内燃機関は、火花点火機関であり、
    前記予備吸気手段は、前記出力補正手段による前記内燃機関の出力の変更に先立って、前記吸入空気量を増大するとともに前記点火時期を遅角する手段を含むことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の車両の制御装置。
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