JP2015092534A - シリコーン熱伝導性シート - Google Patents

シリコーン熱伝導性シート Download PDF

Info

Publication number
JP2015092534A
JP2015092534A JP2014065850A JP2014065850A JP2015092534A JP 2015092534 A JP2015092534 A JP 2015092534A JP 2014065850 A JP2014065850 A JP 2014065850A JP 2014065850 A JP2014065850 A JP 2014065850A JP 2015092534 A JP2015092534 A JP 2015092534A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silicone
conductive sheet
group
heat
thermal conductive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014065850A
Other languages
English (en)
Inventor
哲裕 加藤
Tetsuhiro Kato
哲裕 加藤
弘二 下西
Koji Shimonishi
弘二 下西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP2014065850A priority Critical patent/JP2015092534A/ja
Publication of JP2015092534A publication Critical patent/JP2015092534A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Cooling Or The Like Of Semiconductors Or Solid State Devices (AREA)

Abstract

【課題】高い放熱性を確保しつつ、面圧縮に対する反力を小さくすることができるシリコーン熱伝導性シートを提供する。【解決手段】シリコーン熱伝導性シート10は、熱伝導性充填材が混合されたシリコーン硬化物から形成されたシリコーン熱伝導性シートであって、厚さ方向に貫通した複数の孔20が設けられる。複数の孔20は、シリコーン熱伝導性シート10に略均一に分布されるように配置される。【選択図】図1

Description

本発明は、シリコーン熱伝導性シートに関し、特に携帯電話等の各種電子機器で放熱シートとして使用されるシリコーン熱伝導性シートに関する。
近年、電子機器の高性能化及び小型化に伴い、電子機器に設けられるLSI等の各種電子部品の高密度化及び高機能化が進んでおり、電子部品自体が大量の熱を発生するようになってきている。この発熱は、電子部品の品質劣化、効率低下、誤動作、破損などの要因になるため、従来、適切に放熱する部材が設けられている。放熱部材としては、ヒートシンクなどの金属部材が挙げられ、また、場合によっては、電子部品を覆う筐体自体も放熱部材の一部として利用されることもある。
従来、放熱を効率的に行うために、発熱部材である電子部品と、放熱部材との間が熱伝導性シートにより埋められることがある。この熱伝導性シートとしては、例えば、シリコーン樹脂に熱伝導性充填材を混合したシリコーン熱伝導性シートが使用されている(例えば、特許文献1参照)。
特許第5233325号公報
しかしながら、シリコーン熱伝導性シートは、放熱性に優れるものの柔軟性に劣るため、面圧縮に対する反力が大きく、高い圧縮率で使用することが難しい。したがって、例えば、携帯電話等の小型化された電子機器では、シリコーン熱伝導性シートを小さい隙間に配置することが難しい等の不具合が生じることがある。
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、高い放熱性を確保しつつ、面圧縮に対する反力を小さくすることができるシリコーン熱伝導性シートを提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、シリコーン熱伝導性シートに複数の孔を設けることで上記課題を解決できることを見出し、以下の本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(7)を提供する。
(1)熱伝導性充填材が混合されたシリコーン硬化物から形成されたシリコーン熱伝導性シートであって、厚さ方向に貫通した複数の孔が設けられるシリコーン熱伝導性シート。(2)開口面積率が、17〜24%である上記(1)に記載のシリコーン熱伝導性シート。
(3)前記孔の径が0.1〜10mmである上記(1)又は(2)に記載のシリコーン熱伝導性シート。
(4)厚みが、0.05〜2mmである上記(1)〜(3)のいずれかに記載のシリコーン熱伝導性シート。
(5)アスカーC硬度が2〜25である上記(1)〜(4)のいずれかに記載のシリコーン熱伝導性シート。
(6)アスカーC硬度が5〜15である上記(5)に記載のシリコーン熱伝導性シート。
(7)熱伝導率が0.3〜7.0W/m・Kである上記(1)〜(6)のいずれかに記載のシリコーン熱伝導性シート。
本発明によれば、高い放熱性を確保しつつ、面圧縮に対する反力が小さくなるシリコーン熱伝導性シートを提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係るシリコーン熱伝導性シートを示す平面図である。 本発明の第2の実施形態に係るシリコーン熱伝導性シートを示す平面図である。 本発明の第3の実施形態に係るシリコーン熱伝導性シートを示す平面図である。 本発明の第4の実施形態に係るシリコーン熱伝導性シートを示す平面図である。 本発明の第5の実施形態に係るシリコーン熱伝導性シートを示す平面図である。 熱伝導性能評価試験の試験方法を示す模式図である。
以下、本発明について実施形態を用いてより詳細に説明する。
[シリコーン熱伝導性シート]
本発明のシリコーン熱伝導性シートは、熱伝導性充填材が混合されたシリコーン硬化物から形成されたものであって、厚さ方向に貫通した複数の孔が設けられるものである。
本発明のシリコーン硬化物は、通常、シリコーン成分と、熱伝導性充填材とを含有する熱伝導性シリコーン組成物の硬化物である。
以下、本発明のシリコーン熱伝導性シートについてより詳細に説明する。
(シリコーン成分)
本発明で用いるシリコーン成分とは、分子中にシロキサン結合(Si-O-Si)を有する化合物をいう。シリコーン成分は、より具体的には、通常、主剤としてのオルガノポリシロキサン((a)成分)と、主剤を架橋するためのオルガノハイドロジェンポリシロキサン((b)成分)を含有する。
主剤としてのオルガノポリシロキサン((a)成分)は、オルガノハイドロジェンポリシロキサン((b)成分)に架橋される化合物ならばよいが、通常、ケイ素原子に結合したアルケニル基を、1分子中に2個以上有するオルガノポリシロキサンである。
オルガノポリシロキサン((a)成分)は、その分子構造は限定されず、例えば、直鎖状、分岐鎖状、一部分岐を有する直鎖状が挙げられるが、特に好ましくは直鎖状である。前記アルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基等の炭素原子数2〜8程度のものが挙げられ、中でもビニル基、アリル基等の低級アルケニル基が好ましく、特にはビニル基が好ましい。このアルケニル基は、分子鎖末端のケイ素原子、また分子鎖途中のケイ素原子の何れに結合していてもよいが、得られる硬化物の柔軟性を良いものとするため、分子鎖末端のケイ素原子にのみ結合して存在することが好ましい。
(a)成分中のアルケニル基以外のケイ素原子に結合する基としては、例えば、非置換又は置換の1価炭化水素基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基などのアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ビフェニリル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、メチルベンジル基等のアラルキル基、並びにこれらの基の炭素原子に結合している水素原子の一部又は全部が、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子、シアノ基などで置換された基であって、例えば、クロロメチル基、2−ブロモエチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、クロロフェニル基、フルオロフェニル基、シアノエチル基、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシル基等の炭素原子数が1〜10、特に炭素原子数が1〜6のものが挙げられる。これらの中でも好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、クロロメチル基、ブロモエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、シアノエチル基等の炭素原子数1〜3の非置換又は置換のアルキル基、及びフェニル基、クロロフェニル基、フルオロフェニル基等の非置換又は置換のフェニル基である。また、アルケニル基以外のケイ素原子に結合する基は全てが同一であっても異なっていてもよい。耐溶剤性などの特殊な特性を要求されない限り、コスト、その入手のし易さ、化学的安定性、環境負荷などの理由により全てメチル基が選ばれることが多い。
オルガノポリシロキサン((a)成分)の25℃における動粘度は、通常、10〜100,000mm2/s、好ましくは500〜50,000mm2/sの範囲である。なお、本発明において、動粘度は、オストワルド粘度計により測定した25℃における値である。
(a)成分のオルガノポリシロキサンは、1種単独でも、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
上記オルガノハイドロジェンポリシロキサン((b)成分)は、ケイ素原子に結合した水素原子(即ち、SiH基)を1分子中に好ましくは2個以上、より好ましくは2〜100個有するものであり、(a)成分の架橋剤として機能する成分である。すなわち、(b)成分中のケイ素原子に結合した水素原子が、後述の白金系触媒の作用により、(a)成分中のアルケニル基とヒドロシリル化反応により付加して、架橋結合を有する3次元網状構造を有する架橋硬化物が形成される。
(b)成分中のケイ素原子に結合した有機基としては、例えば、アルケニル基以外の非置換又は置換の1価炭化水素基等が挙げられ、具体的には、(a)成分の項で説明したアルケニル基以外のケイ素原子に結合した有機基と同種のものが挙げられる。その中でも、合成面及び経済性の点から、上記有機基は、全てメチル基であることが好ましい。
(b)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンの構造は、特に限定されず、直鎖状、分岐状及び環状のいずれであってもよいが、好ましくは直鎖状である。
(b)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンの構造は、特に限定されず、直鎖状、分岐状及び環状のいずれであってもよいが、好ましくは直鎖状である。
(b)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、例えば、下記一般式(1):
Figure 2015092534
(式中、R1は独立にアルケニル基以外の非置換又は置換の1価炭化水素基あるいは水素原子であるが、少なくとも2個は水素原子であり、nは1以上の整数である。)
で表される。
上記一般式(1)において、R1で表されるアルケニル基以外の非置換又は置換の1価炭化水素基は、(a)成分の項で前述したアルケニル基以外のケイ素原子に結合した有機基の中の1価炭化水素基と同種のものが例示できる。
また、nは好ましくは2〜100、より好ましくは5〜50の整数である。
(b)成分の添加量は、(b)成分のSiH基が(a)成分中のアルケニル基1モルに対して例えば0.5〜5.0モルとなる量、望ましくは0.8〜4.0モルとなる量である。
また、上記熱伝導性シリコーン組成物は、通常、上記の(a)、(b)成分のヒドロシリル化反応を進行させるための公知の白金系触媒を含有する。その具体例としては、例えば、白金、ロジウム、パラジウム等の白金族金属単体、塩化白金、塩化白金酸、塩化白金酸塩、アルコール変性塩化白金酸、これらの各種コンプレックス、白金族金属を各種担体に担持させたものなどが挙げられる。なお、白金系触媒は、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
上記白金系触媒の配合量は、熱伝導性シリコーン組成物を硬化させるために必要な有効量であればよく、特に制限されないが、通常、(a)成分に対する白金族金属元素の質量換算で、0.1〜1,000ppm、望ましくは0.5〜500ppmとするのがよい。
また、熱伝導性シリコーン組成物は、シリコーン熱伝導性シートの各種性能を改質するために、上記(a)及び(b)成分以外のシリコーン成分を含有することが好ましく、そのシリコーン成分としては、シリコーンレジン、表面処理剤(ウェッター)、ケイ素原子に結合したアルケニル基を有さないその他のオルガノポリシロキサン等が挙げられる。
シリコーンレジンは、シリコーン硬化物に粘着性を付与させるために添加されるものである。シリコーンレジンは、R2 3SiO1/2単位(M単位)と、SiO4/2単位(Q単位)の共重合体であり、M単位とQ単位の比M/Q(モル比)が好ましくは0.5〜1.5、より好ましくは0.6〜1.4、更に好ましくは0.7〜1.3である。M/Qが上記範囲となることで、シリコーン熱伝導性シートに粘着力を付与しやすくなる。
上記M単位中のR2は、脂肪族不飽和結合を含有しない非置換又は置換の1価炭化水素基であり、その1価炭化水素基としては、上記(a)成分の項で前述したアルケニル基以外のケイ素原子に結合した有機基の中の1価炭化水素基と同種のものが例示できる。R2の1価炭化水素基は、全てがメチル基であることが好ましい。
シリコーンレジンの含有量は、(a)成分100容量部に対して、50〜500容量部、好ましくは60〜350容量部、更に好ましくは70〜200容量部である。
また、上記表面処理剤(ウェッター)は、熱伝導性充填材の濡れ性を向上させ、熱伝導性充填材を(a)成分からなるマトリックス中に均一に分散させるための成分である。表面処理剤(ウェッター)としては、アルコキシシラン、分子鎖片末端がトリアルコキシシリル基で封鎖されたジメチルポリシロキサン等が挙げられる。なお、これら化合物におけるアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基等が挙げられる。
表面処理剤(ウェッター)は、(a)成分100容量部に対して、好ましくは0.01〜50容量部、より好ましくは0.1〜30容量部である。
さらに、上記したその他のオルガノポリシロキサンとしては、動粘度10〜100,000mm2/s程度の両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン等が挙げられる。
<熱伝導性充填材>
熱伝導性充填材としては、金属粉末、金属酸化物粉末、金属窒化物粉末、炭素系の粉末、セラミック粉末などを用いる。より具体的には、アルミニウム粉末、銅粉末、銀粉末、ニッケル粉末、金粉末、金属ケイ素粉末、酸化アルミニウム粉末、酸化亜鉛粉末、酸化マグネシウム粉末、酸化鉄粉末、酸化チタン粉末、酸化ジルコニウム粉末、窒化アルミニウム粉末、窒化ホウ素粉末、窒化ケイ素粉末、ダイヤモンド粉末、カーボン粉末、フラーレン粉末、カーボングラファイト粉末などが挙げられるが、一般に熱伝導性充填剤とされる物質であれば如何なる充填剤でもよく、これらは1種単独であるいは2種以上混ぜ合わせてもよい。これらの中では、酸化アルミニウム粉末が好適に使用される。
熱伝導性充填剤としては、平均粒径が好ましくは0.1〜100μm、より好ましくは0.5〜50μmのものを用いることができる。充填剤は平均粒径の異なる粒子を2種以上用いることも可能である。なお、本発明において、平均粒径は体積平均粒径であり、マイクロトラック粒度分布測定装置MT3300EX(日機装株式会社製)による測定値である。
熱伝導性充填剤の配合量は、(a)成分100容量部に対して50〜1,000容量部、好ましくは100〜500容量部である。熱伝導性充填剤の配合量を上記範囲とすることで、シリコーン熱伝導性シートの成形性、熱伝導性を良好なものとしやすくなる。
熱伝導性シリコーン組成物は、シリコーン成分、熱伝導性充填材以外の成分も適宜含有してもよい。その成分としては、アセチレン化合物、窒素化合物、有機りん化合物、硫黄化合物、オキシム化合物、有機クロロ化合物等の付加反応抑制剤;カーボンブラック、二酸化チタン、ベンガラなどの着色剤;金属酸化物又は金属水酸化物などの難燃性付与剤が挙げられる。更に、熱伝導性充填剤の沈降防止剤としての沈降性シリカ又は焼成シリカなどの微粉末シリカ、チクソ性向上剤等も挙げられる。
シリコーン熱伝導性シートは、特に限定されるわけではないが、上記成分を均一に混合した熱伝導性シリコーン組成物を、表面離型処理を施した基材上に薄膜状に成形し、硬化させることにより得ることができる。
また、上記熱伝導性シリコーン組成物としては、例えば、特許第5233325号公報に記載したものも使用可能である。
上記シリコーン熱伝導性シートのアスカーC硬度は、2〜25であることが好ましい。シリコーン熱伝導性シートは、硬度が上記範囲内であると、後述するように開口面積率を所定の範囲に調整することと相俟って、圧縮強度をより適切なものとしつつ、放熱性も良好にすることが可能になる。このような観点から、アスカーC硬度は、より好ましくは5〜20、さらに好ましくは5〜15である。
また、シリコーン熱伝導性シートの熱伝導率は、0.3〜7.0W/m・Kであることが好ましく、1.0〜5.0W/m・Kであることがより好ましい。シリコーン熱伝導性シートの熱伝導率が上記範囲内であれば、シートに複数の孔を設けても、シリコーン熱伝導性シートの良好な熱伝導性が確保され、電子部品の熱をより効率的に放熱することが可能になる。
シリコーン熱伝導性シートの厚みは、0.05〜2mmであることが好ましい。厚みを0.05mm以上とすることで、シリコーン熱伝導性シートの機械強度が高くなり、破れが生じたりすることが防止される。また、2mm以下とすることで、柔軟性が高められ、シリコーン熱伝導性シートが小型の電子機器等の内部に配置されやすくなる。これら観点から、シリコーン熱伝導性シートの厚みは、0.05〜1mmがより好ましく、0.1〜0.5mmがさらに好ましい。
なお、本発明において使用可能なシリコーン熱伝導性シートの市販品としては、信越化学工業株式会社製のTC−SP−1.7、TC−SPA−3.0、TC−CAS−10、TC−CAB−10、TC−CAD−10、TC−CAT−20、デクセリアルズ株式会社製のEX30050、EX30100、EX30150、EX30200、E1100S、E1200S等が挙げられる。
<複数の孔>
シリコーン熱伝導性シートに設けられる孔の形状は、特に限定されないが、円形、楕円形、三角形、四角形、五角形、六角形等の多角形が例示され、この中では円形が好ましい。
また、孔の径は、特に限定されないが、通常、0.1〜10mm程度であるが、好ましくは0.5〜8mm、より好ましくは1〜7mmである。なお、孔の径とは、孔が円形の場合は直径、孔が楕円形の場合は長径、孔が多角形の場合は外接円の直径のことをいう。
複数の孔は、シリコーン熱伝導性シートに略均一に分布されるように配置されることが好ましい。図1〜5は、本発明の実施形態に係るシリコーン熱伝導性シートを示す図である。
図1〜5に示すように、シリコーン熱伝導性シート10には、厚さ方向に貫通する複数の孔20が所定の配列で設けられている。複数の孔20は、例えば、図1〜5に示すように、等間隔に並べられて形成された孔20の列が複数列設けられ、その複数の列が互いに平行となるように配置される。この際、各列の各孔20は、図1、3、5に示すように、他の列の各孔20と列方向において同一位置に配置され、碁盤目状に並べてられてもよい。また、図2に示すように、孔が碁盤目状に並べられるとともに、その碁盤目状に並べられた4つの孔20の中心に1つの孔20がさらに設けられるように配置されてもよい。
さらには、図4に示すように、奇数列の各孔20が、他の奇数列の各孔20と列方向において同一位置になり、かつ偶数列において隣接する2つの孔20の間に位置するように配置されてもよい。なお、以上の説明においては、横方向に並べられた複数の孔20が各列を形成するものとし、図1〜5の横方向が列方向となる。
なお、孔の数は、図1〜5では4〜9個であるが、通常、シリコーン熱伝導性シートの大きさに応じて増減するものであり、特に限定されるものではない。
<開口面積率>
シリコーン熱伝導性シートは、複数の孔が設けられることで、開口面積率が例えば15〜30%となるものであるが、その開口面積率は17〜24%であることが好ましい。
シリコーン熱伝導性シートは、開口面積率が17〜24%となることで、熱伝導性を大きく損なうことなく、面圧縮に対する反力が小さくなり、小型の電子機器内部に容易に設置されるものとなる。以上の観点から開口面積率は、18〜22%であることがより好ましい。
なお、開口面積率とは、シリコーン熱伝導性シートの孔部分も含めた面積全体に対する、孔部分の面積の割合を百分率で示すものである。なお、開口面積率が、シリコーン熱伝導性シートの両面で互いに異なる場合、本発明では、その平均値をシリコーン熱伝導性シートの開口面積率とする。
<圧縮強度>
シリコーン熱伝導性シートの25%圧縮強度は、例えば200kPa以下であればよいが、150kPa以下であることが好ましく、120kPa以下であることがより好ましい。
また、シリコーン熱伝導性シートの50%圧縮強度は、例えば400kPa以下であればよいが、350kPaであることが好ましく、300kPa以下であることがさらに好ましい。
シリコーン熱伝導性シートは、25%圧縮強度が150kPa以下となるとともに、50%圧縮強度が350kPa以下となることで、その柔軟性に優れ、かつ圧縮率が大きくなっても面圧縮に対する反力が小さくなり、放熱シートとして小型の電子機器において好適に使用されるようになる。また、落下した場合には、電子部品等に付与される衝撃を吸収することも可能になる。
また、圧縮強度の下限値は、特に限定されないが、シリコーン熱伝導性シートの25%圧縮強度は、好ましくは10kPa以上、より好ましくは40kPa以上である。また、シリコーン熱伝導性シートの50%圧縮強度は、好ましくは100kPa以上、より好ましくは180kPa以上である。
本発明のシリコーン熱伝導性シートは、例えば、各種電子機器において放熱シートとして使用されるもので、好ましくは携帯電話において放熱シートとして使用されるものである。より詳細には、例えば、シリコーン熱伝導性シートは、発熱源である電子機器の電子部品と、放熱部材であるヒートシンクなどの金属部材、又は筐体の間の隙間に配置されるものである。
本発明のシリコーン熱伝導性シートは、高い放熱性を確保しつつ、面圧縮に対する反力も小さくなるものである。そのため、本発明のシリコーン熱伝導性シートは、携帯電話等の小型機器においても、発熱源と放熱部材との間で適度に圧縮され、隙間なく配置されるものとなる。また、落下した場合には、電子部品等に付与される衝撃を吸収することも可能になる。
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
[評価方法]
本発明においては、シリコーン熱伝導性シートの各物性や性能を以下の方法で評価したものである。
<アスカーC硬度>
アスカーC硬度計で測定した25℃における硬度である。なお、シリコーン熱伝導性シートはその合計厚みが10mmになるように複数枚重ねて測定を行った。
<熱伝導率>
レーザーフラッシュ法により、アルバック理工株式会社製「TC−7000」を用いて、熱伝導率を25℃にて測定した。
<圧縮強度>
JIS K6767−7.2.3(JIS2009)に準拠して、シリコーン熱伝導性シートの25%圧縮強度、及び50%圧縮強度を測定した。なお、シリコーン熱伝導性シートは、その合計厚みが10mmになるように複数枚重ねて測定を行った。
<熱伝導性能評価試験>
図6に示すように、断熱材30の上に25mm×25mm×2mmのヒーター31(坂口電熱(株)製マイクロセラミックヒーター、型番「MS5」)を載せ、その上に30mm×30mmの各実施例、比較例のシリコーン熱伝導性シート10を重ねた。そして、さらにその上に50mm×100mm×2mmのアルミニウム板32を載せ、シリコーン熱伝導性シート10を伝わった熱がアルミニウム板32に拡散する構造を形成した。この状態でヒーター31に1Wの電力を引加し、15分後に温度が一定となったところでヒーター31の温度[T](℃)を測定し、その結果を表1に示す。なお、本試験では、値が小さい程、熱伝導性能が良いことを示す。
実施例1
商品名「TC−CAS−10」のシリコーンパッド(信越化学工業株式会社製、厚み:0.5mm、アスカーC硬度:10、熱伝導率:1.8W/m・K)を30mm×30mmに切り出し、さらに直径6mmの円形の孔を5個形成し、実施例1のシリコーン熱伝導性シートを得た。5個の孔は、図2に示すように、4個の孔を碁盤目状に並べ、1個の孔をその4個の孔の中心に配置した。
実施例2
図3に示すように、2個の孔を直線状に並べて形成した列を3列設けることで、碁盤目状に6個の孔をシリコーン熱伝導性シートに設けた点を除いて実施例1と同様に実施した。
実施例3
図4に示すように、2個の孔を直線状に並べてなる列(奇数列)を2列設けるとともに、その2列の間にさらに、3個の孔を直線状に並べてなる列(偶数列)を1列設け、奇数列の各孔が、列方向(横方向)において、偶数列の隣接する2つの孔の間に設けられるように配置するようにして、シリコーン熱伝導性シートに孔を7個設けた点を除いて実施例1と同様に実施した。
実施例4
図5に示すように、3個の孔を直線状に並べて形成した列を3列設けることで、碁盤目状に9個の孔をシリコーン熱伝導性シートに設けた点を除いて実施例1と同様に実施した。
実施例5
商品名「EX30050」のシリコーンパッド(デクセリアルズ株式会社製、厚み:0.5mm、アスカーC硬度:25、熱伝導率:3.0W/m・K)を使用する以外は実施例2と同様に実施した。
実施例6
商品名「EX30050」のシリコーンパッド(デクセリアルズ株式会社製、厚み:0.5mm、アスカーC硬度:25、熱伝導率:3.0W/m・K)を使用する以外は実施例4と同様に実施した。
比較例1
孔を設けなかった点を除いて、実施例1と同様に実施した。
比較例2
孔を設けなかった点を除いて、実施例5と同様に実施した。
実施例1〜6、比較例1,2のシリコーン熱伝導性シートの開口面積率、圧縮強度、及び熱伝導性能評価試験において温度が一定となったときのヒーター温度を表1に示す。
Figure 2015092534
以上の結果から明らかなように、各実施例においては、シリコーン熱伝導性シートに、複数の孔を設けることで、シリコーン熱伝導性シートの圧縮強度が低下し、シリコーン熱伝導性シートの面圧縮に対する反力を小さくすることができた。そのため、各実施例のシリコーン熱伝導性シートは、小型の電子機器に放熱シートとして好適に使用可能である。また、実施例2、3、5では、開口面積率を17〜24%の範囲とすることで、熱伝導性能をほとんど低下させることなく、圧縮強度を顕著に下げることができた。

Claims (7)

  1. 熱伝導性充填材が混合されたシリコーン硬化物から形成されたシリコーン熱伝導性シートであって、厚さ方向に貫通した複数の孔が設けられるシリコーン熱伝導性シート。
  2. 開口面積率が17〜24%である請求項1に記載のシリコーン熱伝導性シート。
  3. 前記孔の径が0.1〜10mmである請求項1又は2に記載のシリコーン熱伝導性シート。
  4. 厚みが0.05〜2mmである請求項1〜3のいずれかに記載のシリコーン熱伝導性シート。
  5. アスカーC硬度が2〜25である請求項1〜4のいずれかに記載のシリコーン熱伝導性シート。
  6. アスカーC硬度が5〜15である請求項5に記載のシリコーン熱伝導性シート。
  7. 熱伝導率が0.3〜7.0W/m・Kである請求項1〜6のいずれかに記載のシリコーン熱伝導性シート。
JP2014065850A 2013-09-30 2014-03-27 シリコーン熱伝導性シート Pending JP2015092534A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014065850A JP2015092534A (ja) 2013-09-30 2014-03-27 シリコーン熱伝導性シート

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013205458 2013-09-30
JP2013205458 2013-09-30
JP2014065850A JP2015092534A (ja) 2013-09-30 2014-03-27 シリコーン熱伝導性シート

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015092534A true JP2015092534A (ja) 2015-05-14

Family

ID=53195546

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014065850A Pending JP2015092534A (ja) 2013-09-30 2014-03-27 シリコーン熱伝導性シート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2015092534A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018030430A1 (ja) * 2016-08-08 2018-02-15 積水化学工業株式会社 熱伝導シート及びその製造方法
WO2018190233A1 (ja) 2017-04-12 2018-10-18 デンカ株式会社 熱伝導性シート及びその製造方法
JP2020196892A (ja) * 2020-08-04 2020-12-10 積水化学工業株式会社 熱伝導シート
JP2021005594A (ja) * 2019-06-25 2021-01-14 日本ゼオン株式会社 熱伝導シートおよびその製造方法
WO2022176748A1 (ja) * 2021-02-19 2022-08-25 デクセリアルズ株式会社 熱伝導性シート及び熱伝導性シートの製造方法
US11456229B2 (en) 2017-07-24 2022-09-27 Sekisui Chemical Co., Ltd. Thermally conductive sheet
WO2023042833A1 (ja) * 2021-09-15 2023-03-23 信越ポリマー株式会社 放熱シートおよびその製造方法

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000108220A (ja) * 1998-10-05 2000-04-18 Denki Kagaku Kogyo Kk 熱伝導性樹脂成形体とその製造方法、及び用途
JP2012526397A (ja) * 2009-05-05 2012-10-25 パーカー.ハニフィン.コーポレイション 熱伝導性フォーム生成物

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000108220A (ja) * 1998-10-05 2000-04-18 Denki Kagaku Kogyo Kk 熱伝導性樹脂成形体とその製造方法、及び用途
JP2012526397A (ja) * 2009-05-05 2012-10-25 パーカー.ハニフィン.コーポレイション 熱伝導性フォーム生成物

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018030430A1 (ja) * 2016-08-08 2018-02-15 積水化学工業株式会社 熱伝導シート及びその製造方法
JPWO2018030430A1 (ja) * 2016-08-08 2019-03-22 積水化学工業株式会社 熱伝導シート及びその製造方法
JP2020205426A (ja) * 2016-08-08 2020-12-24 積水化学工業株式会社 熱伝導シート及びその製造方法
JP7168617B2 (ja) 2016-08-08 2022-11-09 積水化学工業株式会社 熱伝導シート及びその製造方法
WO2018190233A1 (ja) 2017-04-12 2018-10-18 デンカ株式会社 熱伝導性シート及びその製造方法
US11456229B2 (en) 2017-07-24 2022-09-27 Sekisui Chemical Co., Ltd. Thermally conductive sheet
JP2021005594A (ja) * 2019-06-25 2021-01-14 日本ゼオン株式会社 熱伝導シートおよびその製造方法
JP7275902B2 (ja) 2019-06-25 2023-05-18 日本ゼオン株式会社 熱伝導シートおよびその製造方法
JP2020196892A (ja) * 2020-08-04 2020-12-10 積水化学工業株式会社 熱伝導シート
JP7278998B2 (ja) 2020-08-04 2023-05-22 積水化学工業株式会社 熱伝導シート
WO2022176748A1 (ja) * 2021-02-19 2022-08-25 デクセリアルズ株式会社 熱伝導性シート及び熱伝導性シートの製造方法
WO2023042833A1 (ja) * 2021-09-15 2023-03-23 信越ポリマー株式会社 放熱シートおよびその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2015092534A (ja) シリコーン熱伝導性シート
JP5664563B2 (ja) 熱伝導性シリコーン組成物及びその硬化物
JP5304588B2 (ja) 熱伝導性シリコーン組成物及びその硬化物
JP6075261B2 (ja) 熱伝導性シリコーン組成物及びその硬化物
JP6194861B2 (ja) 熱伝導性シリコーン組成物及び熱伝導性シリコーン成型物
CN106414613B (zh) 导热有机硅组合物和电气电子设备
JP5534837B2 (ja) 熱伝導性シリコーンゴム組成物
JP5418298B2 (ja) 熱伝導性シリコーン組成物及びその硬化物
JP6202475B2 (ja) 熱伝導性複合シリコーンゴムシート
TWI822954B (zh) 導熱性矽氧組成物及其製造方法、以及導熱性矽氧硬化物
CN112867765B (zh) 导热性有机硅组合物及其固化物
JP2020002236A (ja) 熱伝導性シリコーン組成物、熱伝導性シリコーンシート及びその製造方法
JP2014003141A (ja) 熱伝導性シート及び電子機器
JP2021176945A (ja) 熱伝導性シリコーン組成物及びその硬化物
JP6981914B2 (ja) 熱伝導性シリコーン組成物及びその硬化物
JP2011016923A (ja) 熱伝導性シリコーン組成物およびそれを用いた熱伝導性シリコーン成形物
JP2008160126A (ja) 電子部品の冷却構造
EP4349916A1 (en) Thermally conductive silicone composition and cured object obtained therefrom
JP7165647B2 (ja) 熱伝導性シリコーン樹脂組成物
JP6957435B2 (ja) 熱伝導性シリコーン組成物及びその硬化物
JP2004010691A (ja) 熱伝導性シリコーンゴム成形物
JP7485634B2 (ja) 熱伝導性シリコーン組成物及びその硬化物
JP2019210442A (ja) 熱伝導性シリコーン低比重シート
JP2024027717A (ja) 熱伝導性配向シート用シリコーン組成物、熱伝導性配向シート、及び熱伝導性配向シートの製造方法
JP2023049417A (ja) 熱伝導性シリコーン組成物の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161215

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20170224

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20170810

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170921

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171003

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20180403