JP5304588B2 - 熱伝導性シリコーン組成物及びその硬化物 - Google Patents

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Description

本発明は、特に熱伝導による電子部品の冷却のために、発熱性電子部品の熱境界面とヒートシンク又は回路基板などの放熱部材との界面に介在させる熱伝達材料として有用な熱伝導性シリコーン組成物及びその硬化物に関する。
パーソナルコンピューター、デジタルビデオディスク、携帯電話等の電子機器に使用されるCPU、ドライバICやメモリー等のLSIチップは、高性能化・高速化・小型化・高集積化に伴い、それ自身が大量の熱を発生するようになり、その熱によるチップの温度上昇はチップの動作不良、破壊を引き起こす。そのため、動作中のチップの温度上昇を抑制するための多くの熱放散方法及びそれに使用する熱放散部材が提案されている。
従来、電子機器等においては、動作中のチップの温度上昇を抑えるために、アルミニウムや銅等の熱伝導率の高い金属板を用いたヒートシンクが使用されている。このヒートシンクは、そのチップが発生する熱を伝導し、その熱を外気との温度差によって表面から放出する。
チップから発生する熱をヒートシンクに効率よく伝えるために、ヒートシンクをチップに密着させる必要があるが、各チップの高さの違いや組み付け加工による公差があるため、柔軟性を有するシートや、グリースをチップとヒートシンクとの間に介装させ、このシート又はグリースを介してチップからヒートシンクへの熱伝導を実現している。
シートはグリースに比べ、取り扱い性に優れており、熱伝導性シリコーンゴム等で形成された熱伝導シート(熱伝導性シリコーンゴムシート)は様々な分野に用いられている。
特開昭47−32400号公報(特許文献1)には、シリコーンゴム等の合成ゴム100質量部に酸化ベリリウム、酸化アルミニウム、水和酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛から選ばれる少なくとも1種以上の金属酸化物を100〜800質量部配合した絶縁性組成物が開示されている。
また、絶縁性を必要としない場所に用いられる放熱材料として、特開昭56−100849号公報(特許文献2)には、付加硬化型シリコーンゴム組成物にシリカ及び銀、金、ケイ素等の熱伝導性粉末を60〜500質量部配合した組成物が開示されている。
しかし、これらの熱伝導性材料は、いずれも熱伝導率が低く、また、熱伝導性を向上させるために熱伝導性充填材を多量に高充填すると、液状シリコーンゴム組成物の場合は流動性が低下し、ミラブルタイプのシリコーンゴム組成物の場合は可塑度が増加して、いずれも成形加工性が非常に悪くなるという問題があった。
そこで、これを解決する方法として、特開平1−69661号公報(特許文献3)には、平均粒径5μm以下のアルミナ粒子10〜30質量%と、残部が単一粒子の平均粒径10μm以上であり、かつカッティングエッジを有しない形状である球状コランダム粒子からなるアルミナを充填する高熱伝導性ゴム・プラスチック組成物が開示されている。また、特開平4−328163号公報(特許文献4)には、平均重合度6,000〜12,000のガム状のオルガノポリシロキサンと平均重合度200〜2,000のオイル状のオルガノポリシロキサンを併用したベースと球状酸化アルミニウム粉末500〜1,200質量部からなる熱伝導性シリコーンゴム組成物が開示されている。
しかし、これらの方法を用いても、例えば酸化アルミニウム粉末を1,000質量部以上(酸化アルミニウムを70体積%以上)高充填化した場合、粒子の組み合わせ及びシリコーンベースの粘度調整だけでは成形加工性の向上に限界があった。
一方、パーソナルコンピューター、ワードプロセッサ、CD−ROMドライブ等の電子機器の高集積化が進み、装置内のLSI,CPU等の集積回路素子の発熱量が増加したため、従来の冷却方法では不十分な場合がある。特に、携帯用のノート型のパーソナルコンピューターの場合、機器内部の空間が狭いため大きなヒートシンクや冷却ファンを取り付けることができない。更に、これらの機器では、プリント基板上に集積回路素子が搭載されており、基板の材質に熱伝導性の悪いガラス補強エポキシ樹脂やポリイミド樹脂が用いられるので、従来のように放熱絶縁シートを介して基板に熱を逃がすことができない。
そこで、集積回路素子の近傍に自然冷却タイプあるいは強制冷却タイプの放熱部品を設置し、素子で発生した熱を放熱部品に伝える方式が用いられる。この方式で素子と放熱部品を直接接触させると、表面の凹凸のため熱の伝わりが悪くなり、更に放熱絶縁シートを介して取り付けても放熱絶縁シートの柔軟性がやや劣るため、熱膨張により素子と基板との間に応力がかかり、破損するおそれがある。
また、各回路素子に放熱部品を取り付けようとすると余分なスペースが必要となり、機器の小型化が難しくなるので、いくつかの素子をひとつの放熱部品に組み合わせて冷却する方式が採られることもある。
特にノート型のパーソナルコンピューターで用いられているBGAタイプのCPUは、高さが他の素子に比べて低く発熱量が大きいため、冷却方式を十分考慮する必要がある。
そこで、素子ごとに高さが異なることにより生じる種々の隙間を埋めることができる低硬度の高熱伝導性材が必要になる。このような課題に対して、熱伝導性に優れ、柔軟性があり、種々の隙間に対応できる熱伝導性シートが要望される。また、年々駆動周波数の高周波化に伴い、CPUの性能が向上して発熱量が増大するため、より高熱伝導性の材料が求められている。
この場合、特開平2−196453号公報(特許文献5)には、シリコーン樹脂に金属酸化物等の熱伝導性材料を混入したものを成形したシートで、取り扱いに必要な強度を持たせたシリコーン樹脂層の上に柔らかく変形し易いシリコーン層が積層されたシートが開示されている。また、特開平7−266356号公報(特許文献6)には、熱伝導性充填材を含有し、アスカーC硬度が5〜50であるシリコーンゴム層と直径0.3mm以上の孔を有する多孔性補強材層を組み合わせた熱伝導性複合シートが開示されている。特開平8−238707号公報(特許文献7)には、可とう性の三次元網状体又はフォーム体の骨格格子表面を熱伝導性シリコーンゴムで被覆したシートが開示されている。特開平9−1738号公報(特許文献8)には、補強性を有したシートあるいはクロスを内蔵し、少なくとも一方の面が粘着性を有してアスカーC硬度が5〜50である厚さ0.4mm以下の熱伝導性複合シリコーンシートが開示されている。特開平9−296114号公報(特許文献9)には、付加反応型液状シリコーンゴムと熱伝導性絶縁性セラミック粉末を含有し、その硬化物のアスカーC硬度が25以下で熱抵抗が3.0℃/W以下である放熱スペーサーが開示されている。
これら熱伝導性シリコーン硬化物で熱伝導率が0.5〜3W/m・Kの範囲では、熱伝導性充填材として酸化アルミニウム(アルミナ)が主に用いられることが多い。しかし、アルミナは研磨剤に用いられるようにモース硬度が9と、非常に硬い。そのために熱伝導性シリコーン組成物の製造時にシェアがかかると、反応釜の内壁や撹拌羽を削ってしまうという問題があった。すると、熱伝導性シリコーン組成物に反応釜や撹拌羽の成分が混入する。また、反応釜と撹拌羽のクリアランスが広がり、撹拌効率が落ちてしまい、同条件で製造しても一定の品質を得られなくなる。またそれを防ぐためには部品を頻繁に交換する必要がある、というような問題があった。
更に、アルミナは比重が3.98と非常に重いので、熱伝導率が1.5W/m・K以上で熱伝導性充填材のうち、70質量%以上がアルミナで占められている熱伝導性シリコーン組成物を静置しておくと、熱伝導性充填材の沈降が起きる。沈降が起きると組成物の成形性に違いが出て、安定的に製品を生産できない。熱伝導性シリコーン組成物を用いる前に再度、撹拌混合を行えば沈降を解消することができるが、コストも時間も掛かってしまう。
また近年、機器の小型化、軽量化が進んでいる。機器全体の軽量化のためには部材単位で見るとグラム又はミリグラム単位で、性能を維持しながらより軽量なものが求められている。熱伝導率が1.5W/m・K以上で熱伝導性充填材のうち70質量%がアルミナで占められている熱伝導性シリコーン組成物は、比重が大きいために軽量化の観点からも不利である。
アルミナ以外の熱伝導性充填材としてアルミニウム、銅、銀、窒化ホウ素、窒化アルミニウムなどが挙げられるが、それらはアルミナに比べて非常に高価で熱伝導率が0.5〜3.0W/m・Kの熱伝導性樹脂コンパウンドに用いるのはコスト面から考えて難しい。更にアルミニウムや銅、銀などを用いると、熱伝導性シリコーン組成物及び硬化物の絶縁性が低下してしまう。
安価で比重が2.42とアルミナに比べてかなり小さく、シリコーン組成物の熱伝導性充填材の沈降を抑えられ、また機器の軽量化にも貢献し、更にモース硬度が3でアルミナに比べて非常に軟らかく、反応釜や撹拌羽根の磨耗が抑えられ、難燃効果、絶縁効果のある熱伝導性充填材として、水酸化アルミニウムが挙げられる。しかし、水酸化アルミニウムはアルミナに比べて熱伝導率が低いので、水酸化アルミニウムを用いてシリコーン熱伝導性組成物及び硬化物の熱伝導率を上げるためには水酸化アルミニウムを高充填しなればならないのにも拘わらず、形状が破砕状しかなく、高充填が非常に難しい。それ故に、これまで熱伝導性充填材の総質量部の70質量%以上が水酸化アルミニウムで占められている熱伝導性シリコーン硬化物で熱伝導率1.5W/m・K以上を達成するのは困難とされてきた。
特開昭47−32400号公報 特開昭56−100849号公報 特開平1−69661号公報 特開平4−328163号公報 特開平2−196453号公報 特開平7−266356号公報 特開平8−238707号公報 特開平9−1738号公報 特開平9−296114号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、熱伝導性充填材の総質量部の70質量%以上が水酸化アルミニウムで占められ、例えば電子機器内の発熱部品と放熱部品の間に設置されて放熱に用いられる熱伝導性樹脂成形体として好適に用いられる熱伝導性シリコーン組成物及びその硬化物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、水酸化アルミニウムの種々の特徴に注目し、熱伝導性充填材の総質量部の70質量%以上が水酸化アルミニウムで占められている熱伝導性充填材を用い、好ましくは平均粒径0.1μm以上5μm未満の小粒径水酸化アルミニウムと5μm以上40μm未満の中粒径水酸化アルミニウムと40μm以上100μm以下の大粒径水酸化アルミニウムの配合比率を巧みに組み合わせることによって、熱伝導率1.5W/m・K以上の熱伝導性シリコーン硬化物を得ることができることを知見し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、下記の熱伝導性シリコーン組成物及びその硬化物を提供する。
請求項1:
(A)分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン:100質量部、
(B)ケイ素原子に直接結合した水素原子を少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:ケイ素原子に直接結合した水素原子のモル数が(A)成分由来のアルケニル基のモル数の0.1〜5.0倍量となる量、
(C)70質量%以上が水酸化アルミニウムで占められ、該水酸化アルミニウムが、
(C−1)平均粒径0.1μm以上5μm未満の水酸化アルミニウムを15〜25質量%
(C−2)平均粒径5μm以上40μm未満の水酸化アルミニウムを35〜45質量%
(C−3)平均粒径40μm以上100μm以下の水酸化アルミニウムを35〜45質量%
の割合の混合物である熱伝導性充填材:200〜2,500質量部、
(D)白金族金属系硬化触媒:(A)成分に対して白金族金属元素の質量換算で0.1〜1,000ppm
(F)(F−1)成分:下記一般式(1)
1 a 2 b Si(OR 3 4-a-b (1)
(式中、R 1 は独立に炭素原子数6〜15のアルキル基であり、R 2 は独立に非置換又は置換の炭素原子数1〜10の1価炭化水素基であり、R 3 は独立に炭素原子数1〜6のアルキル基であり、aは1〜3の整数、bは0〜2の整数であり、但しa+bは1〜3の整数である。)
で表されるアルコキシシラン化合物、及び
(F−2)成分:下記一般式(2)
Figure 0005304588
(式中、R 4 は独立に炭素原子数1〜6のアルキル基であり、cは5〜100の整数である。)
で表される分子鎖片末端がトリアルコキシシリル基で封鎖されたジメチルポリシロキサンからなる群から選ばれる少なくとも1種:0.01〜50質量部
を含有することを特徴とする熱伝導性シリコーン組成物
求項
更に、(G)成分:下記一般式(3)
Figure 0005304588
(式中、R5は独立に炭素原子数1〜10の脂肪族不飽和結合を含まない1価炭化水素基、dは5〜2,000の整数である。)
で表される25℃における動粘度が10〜100,000mm2/sのオルガノポリシロキサンを含有することを特徴とする請求項に記載の熱伝導性シリコーン組成物。
請求項
絶対粘度が800Pa・s以下である請求項1又は2に記載の熱伝導性シリコーン組成物。
請求項
請求項1〜のいずれか1項に記載の熱伝導性シリコーン組成物を硬化させてなる熱伝導性シリコーン硬化物。
本発明の熱伝導性シリコーン組成物及び硬化物は、特に好ましくは粒径の異なる水酸化アルミニウムを巧みに組み合わせることによって、1.5W/m・K以上の熱伝導率を実現し、製造時の反応釜や撹拌羽の磨耗や熱伝導性充填材の沈降を抑えることができ、更に体積当りの材料の重量が軽い、熱伝導性シリコーン組成物及び硬化物を提供することができる。
本発明の熱伝導性シリコーン組成物は、
(A)アルケニル基含有オルガノポリシロキサン、
(B)オルガノハイドロジェンポリシロキサン、
(C)熱伝導性充填材、
(D)白金族金属系硬化触媒
を必須成分として含有する。
[オルガノポリシロキサン]
(A)成分であるアルケニル基含有オルガノポリシロキサンは、ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に2個以上有するオルガノポリシロキサンであり、本発明の硬化物の主剤となるものである。通常は主鎖部分が基本的にジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなるのが一般的であるが、これは分子構造の一部に分枝状の構造を含んだものであってもよく、また環状体であってもよいが、硬化物の機械的強度等、物性の点から直鎖状のジオルガノポリシロキサンが好ましい。
ケイ素原子に結合するアルケニル基以外の官能基としては、非置換又は置換の1価炭化水素基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基などのアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ビフェニリル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、メチルベンジル基等のアラルキル基、並びにこれらの基に炭素原子が結合している水素原子の一部又は全部が、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子、シアノ基などで置換された基、例えば、クロロメチル基、2−ブロモエチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、クロロフェニル基、フルオロフェニル基、シアノエチル基、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシル基等が挙げられ、代表的なものは炭素原子数が1〜10、特に代表的なものは炭素原子数が1〜6のものであり、好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、クロロメチル基、ブロモエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、シアノエチル基等の炭素原子数1〜3の非置換又は置換のアルキル基及びフェニル基、クロロフェニル基、フルオロフェニル基等の非置換又は置換のフェニル基である。また、ケイ素原子に結合したアルケニル基以外の官能基は全てが同一であることを限定するものではない。
また、アルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基等の通常炭素原子数2〜8程度のものが挙げられ、中でもビニル基、アリル基等の低級アルケニル基が好ましく、特に好ましくはビニル基である。なお、アルケニル基は、分子中に2個以上存在することが好ましいが、得られる硬化物の柔軟性がよいものとするため、分子鎖末端のケイ素原子にのみ結合して存在することが好ましい。
このオルガノポリシロキサンの25℃における動粘度は、通常、10〜100,000mm2/s、特に好ましくは500〜50,000mm2/sの範囲である。前記粘度が低すぎると、得られる組成物の保存安定性が悪くなり、また高すぎると得られる組成物の伸展性が悪くなる場合がある。なお、動粘度はオストワルド粘度計を用いた場合の値である。
この(A)成分のオルガノポリシロキサンは、1種単独でも、粘度が異なる2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[オルガノハイドロジェンポリシロキサン]
(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、1分子中に平均で2個以上、好ましくは2〜100個のケイ素原子に直接結合する水素原子(Si−H基)を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンであり、(A)成分の架橋剤として作用する成分である。即ち、(B)成分中のSi−H基と(A)成分中のアルケニル基と後述の(D)成分の白金族金属系硬化触媒により促進されるヒドロシリル化反応により付加して、架橋構造を有する3次元網目構造を与える。なお、Si−H基の数が1個未満の場合、硬化しないおそれがある。
オルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、下記平均構造式(4)で示されるものが用いられるが、これに限定されるものではない。
Figure 0005304588

(式中、R6は独立に脂肪族不飽和結合を含有しない非置換又は置換の1価炭化水素基あるいは水素原子であるが、少なくとも2個は水素原子であり、nは1以上の整数である。)
式(4)中、R6の水素以外の脂肪族不飽和結合を含有しない非置換又は置換の1価炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基などのアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ビフェニリル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、メチルベンジル基等のアラルキル基、並びにこれらの基に炭素原子が結合している水素原子の一部又は全部が、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子、シアノ基などで置換された基、例えば、クロロメチル基、2−ブロモエチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、クロロフェニル基、フルオロフェニル基、シアノエチル基、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシル基等が挙げられ、代表的なものは炭素原子数が1〜10、特に代表的なものは炭素原子数が1〜6のものであり、好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、クロロメチル基、ブロモエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、シアノエチル基等の炭素原子数1〜3の非置換又は置換のアルキル基及びフェニル基、クロロフェニル基、フルオロフェニル基等の非置換又は置換のフェニル基である。また、R6は全てが同一であることを限定するものではない。
(B)成分の添加量は、(B)成分由来のSi−H基が(A)成分由来のアルケニル基1モルに対して0.1〜5.0モルとなる量、望ましくは0.3〜2.0モル、更に好ましくは0.5〜1.0モルとなる量である。(B)成分由来のSi−H基の量が(A)成分由来のアルケニル基1モルに対して0.1モル未満であると硬化しない、又は硬化物の強度が不十分で成形体としての形状を保持できず取り扱えない場合がある。また5モルを超えると硬化物の柔軟性がなくなり、硬化物が脆くなるおそれがある。
[熱伝導性充填材]
(C)成分である熱伝導性充填材は、水酸化アルミニウム又は水酸化アルミニウムと他の熱伝導性充填材である。この場合、水酸化アルミニウムは、熱伝導性充填材総量の70質量%以上を占めることが必要であり、好ましくは75質量%以上、更に好ましくは80質量%以上であり、100質量%でもよい。
また、水酸化アルミニウムは、
(C−1)平均粒径0.1μm以上5μm未満の水酸化アルミニウムを15〜25質量%
(C−2)平均粒径5μm以上40μm未満の水酸化アルミニウムを35〜45質量%
(C−3)平均粒径40μm以上100μm以下の水酸化アルミニウムを35〜45質量%
の割合の混合物であることが好ましい。
なお、上記平均粒径は、日機装(株)製の粒度分析計であるマイクロトラックMT3300EXにより測定した体積基準の累積平均粒径(メディアン径)の値である。
一方、その他の熱伝導性充填材としては、例えば、非磁性の銅やアルミニウム等の金属、アルミナ、シリカ、マグネシア、ベンガラ、ベリリア、チタニア、ジルコニア等の金属酸化物、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化硼素等の金属窒化物、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物、人工ダイヤモンドあるいは炭化ケイ素等の一般に熱伝導性充填材とされる物質を用いることができる。また、粒径は0.1〜200μmを用いることができ、1種又は2種以上を複合して用いてもよい。
(C)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して200〜2,500質量部であることが必要であり、好ましくは300〜1,500質量部である。この配合量が200質量部未満の場合には、得られる組成物の熱伝導率が悪い上、保存安定性の乏しいものとなることがあり、2,500質量部を超える場合には、組成物の伸展性が乏しく、また強度が弱い成形物となることがある。
[白金族金属系硬化触媒]
(D)成分の白金族金属系硬化触媒は、(A)成分由来のアルケニル基と、(B)成分由来のSi−H基の付加反応を促進するための触媒であり、ヒドロシリル化反応に用いられる触媒として周知の触媒が挙げられる。その具体例としては、例えば、白金(白金黒を含む)、ロジウム、パラジウム等の白金族金属単体、H2PtCl4・nH2O、H2PtCl6・nH2O、NaHPtCl6・nH2O、KaHPtCl6・nH2O、Na2PtCl6・nH2O、K2PtCl4・nH2O、PtCl4・nH2O、PtCl2、Na2HPtCl4・nH2O(但し、式中、nは0〜6の整数であり、好ましくは0又は6である。)等の塩化白金、塩化白金酸及び塩化白金酸塩、アルコール変性塩化白金酸(米国特許第3,220,972号明細書参照)、塩化白金酸とオレフィンとのコンプレックス(米国特許第3,159,601号明細書、同第3,159,662号明細書、同第3,775,452号明細書参照)、白金黒、パラジウム等の白金族金属をアルミナ、シリカ、カーボン等の担体に担持させたもの、ロジウム−オレフィンコンプレックス、クロロトリス(トリフェニルフォスフィン)ロジウム(ウィルキンソン触媒)、塩化白金、塩化白金酸又は塩化白金酸塩とビニル基含有シロキサン、特にビニル基含有環状シロキサンとのコンプレックスなどが挙げられる。
(D)成分の使用量は、所謂触媒量でよく、通常、(A)成分に対する白金族金属元素の質量換算で0.1〜1,000ppm程度がよい。
[反応制御剤]
(E)成分として付加反応制御剤を使用することができる。付加反応制御剤は、通常の付加反応硬化型シリコーン組成物に用いられる公知の付加反応制御剤を全て用いることができる。例えば、1−エチニル−1−ヘキサノール、3−ブチン−1−オールなどのアセチレン化合物や各種窒素化合物、有機リン化合物、オキシム化合物、有機クロロ化合物等が挙げられる。使用量としては、(A)成分100質量部に対して0.01〜1質量部程度が望ましい。
[表面処理剤]
本発明の組成物には、組成物調製時に(C)成分である熱伝導性充填材を疎水化処理し、(A)成分であるオルガノポリシロキサンとの濡れ性を向上させ、(C)成分である熱伝導性充填材を(A)成分からなるマトリックス中に均一に分散させることを目的として、(F)成分の表面処理剤を配合することができる。該(F)成分としては、特に下記に示す(F−1)成分及び(F−2)成分が好ましい。
(F−1)成分:下記一般式(1)
1 a2 bSi(OR34-a-b (1)
(式中、R1は独立に炭素原子数6〜15のアルキル基であり、R2は独立に非置換又は置換の炭素原子数1〜10の1価炭化水素基であり、R3は独立に炭素原子数1〜6のアルキル基であり、aは1〜3の整数、bは0〜2の整数であり、但しa+bは1〜3の整数である。)
で表されるアルコキシシラン化合物である。
上記一般式(1)において、R1で表されるアルキル基としては、例えば、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基等が挙げられる。このR1で表されるアルキル基の炭素原子数が6〜15の範囲を満たすと(A)成分の濡れ性が十分に向上し、取り扱い性がよく、組成物の低温特性が良好なものとなる。
2で表される非置換又は置換の1価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基などのアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ビフェニリル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、メチルベンジル基等のアラルキル基、並びにこれらの基に炭素原子が結合している水素原子の一部又は全部が、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子、シアノ基などで置換された基、例えば、クロロメチル基、2−ブロモエチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、クロロフェニル基、フルオロフェニル基、シアノエチル基、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシル基等が挙げられ、代表的なものは炭素原子数が1〜10、特に代表的なものは炭素原子数が1〜6のものであり、好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、クロロメチル基、ブロモエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、シアノエチル基等の炭素原子数1〜3の非置換又は置換のアルキル基及びフェニル基、クロロフェニル基、フルオロフェニル基等の非置換又は置換のフェニル基が挙げられる。
(F−2)成分:下記一般式(2)
Figure 0005304588

(式中、R4は独立に炭素原子数1〜6のアルキル基であり、cは5〜100、好ましくは5〜70、特に10〜50の整数である。)
で表される分子鎖片末端がトリアルコキシシリル基で封鎖されたジメチルポリシロキサンである。
上記一般式(2)において、R4で表されるアルキル基は、上記一般式(1)中のR3で表されるアルキル基と同種のものである。
(A)成分の表面処理剤として、(F−1)成分と(F−2)成分のいずれか一方でも両者を組み合わせて配合しても差し支えない。この場合、(F)成分としては、(A)成分100質量部に対して0.01〜50質量部、特に0.1〜30質量部であることが好ましい。本成分の割合が多くなるとオイル分離を誘発する可能性がある。
[オルガノポリシロキサン]
(G)成分として、下記一般式(3)
Figure 0005304588

(式中、R5は独立に炭素原子数1〜10の脂肪族不飽和結合を含まない1価炭化水素基、dは5〜2,000の整数である。)
で表される25℃における動粘度が10〜100,000mm2/sのオルガノポリシロキサンを添加することができる。(G)成分は、熱伝導性シリコーン組成物の粘度調整剤等の特性付与を目的として適宜用いられるが、限定されるものではない。1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
上記R5は独立に非置換又は置換の炭素原子数1〜10の1価炭化水素基である。R5としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基などのアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ビフェニリル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、メチルベンジル基等のアラルキル基、並びにこれらの基に炭素原子が結合している水素原子の一部又は全部が、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子、シアノ基などで置換された基、例えば、クロロメチル基、2−ブロモエチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、クロロフェニル基、フルオロフェニル基、シアノエチル基、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシル基等が挙げられ、代表的なものは炭素原子数が1〜10、特に代表的なものは炭素原子数が1〜6のものであり、好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、クロロメチル基、ブロモエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、シアノエチル基等の炭素原子数1〜3の非置換又は置換のアルキル基及びフェニル基、クロロフェニル基、フルオロフェニル基等の非置換又は置換のフェニル基が挙げられるが、特にメチル基、フェニル基が好ましい。
上記dは要求される粘度の観点から、好ましくは5〜2,000の整数で、特に好ましくは10〜1,000の整数である。
また、25℃における動粘度は、好ましくは10〜100,000mm2/sであり、特に100〜10,000mm2/sであることが好ましい。該動粘度が10mm2/sより低いと、得られる組成物の硬化物がオイルブリードを発生し易くなる。該動粘度が100,000mm2/sよりも大きいと、得られる熱伝導性シリコーン組成物の柔軟性が乏しくなり易い。
(G)成分を本発明の熱伝導性シリコーン組成物に添加するときは、その添加量は限定されず、所望の効果が得られる量であればよいが、(A)成分100質量部に対して、好ましくは0.1〜100質量部、より好ましくは1〜50質量部である。該添加量がこの範囲にあると、硬化前の熱伝導性シリコーン組成物に良好な流動性、作業性を維持し易く、また(C)成分の熱伝導性充填材を該組成物に充填するのが容易である。
[組成物の粘度]
熱伝導性シリコーン組成物の粘度は、25℃において800Pa・s以下、好ましくは400Pa・s以下、更に好ましくは200Pa・s以下、特に好ましくは100Pa・s以下である。なお、この粘度はB型粘度計による測定に基づく。
[熱伝導性シリコーン硬化物の製造方法]
熱伝導性シリコーン組成物を成形する硬化条件としては、公知の付加反応硬化型シリコーンゴム組成物と同様でよく、例えば、常温でも十分硬化するが、必要に応じて加熱してもよい。好ましくは100〜120℃で8〜12分で付加硬化させるのがよい。このような本発明の成形物は熱伝導性に優れる。
[成形体の熱伝導率]
本発明における成形体の熱伝導率は、ホットディスク法により測定した25℃における測定値が1.5W/m・K以上であることが望ましい。熱伝導率が1.5W/m・K未満であると、発熱量の大きい発熱体への適用が不可となる。なお、このような熱伝導率は、熱伝導性充填材の種類や粒径の組み合わせを調整することにより、調整することができる。
[成形体の硬度]
本発明における成形体の硬度は、アスカーC硬度計で測定した25℃における測定値が60以下、好ましくは30以下、より好ましくは20以下、更には10以下であることが好ましい。硬度が60を超える場合、被放熱体の形状に沿うように変形し、被放熱体に応力をかけることなく良好な放熱特性を示すことが困難になる場合がある。なお、このような硬度は、(A)成分と(B)成分の比率を変えて、架橋密度を調整することにより、調整することができる。
以下、実施例、参考例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、動粘度は25℃においてオストワルド粘度計により測定した。また、平均粒径は日機装(株)製の粒度分析計であるマイクロトラックMT3300EXにより測定した体積基準の累積平均粒径(メディアン径)の値である。
[組成物の調製]
下記実施例、参考例及び比較例に用いられている(A)〜(F)成分を下記に示す。
(A)成分:
下記式(5)で示されるオルガノポリシロキサン。
Figure 0005304588
(Xはビニル基であり、nは下記粘度を与える数である。)
(A−1)動粘度:600mm2/s
(A−2)動粘度:30,000mm2/s
(B)成分:
下記式(6)で示される両末端が水素で封鎖されたハイドロジェンポリシロキサン。
Figure 0005304588
(平均重合度:o=28、p=2)
(C)成分:
平均粒径が下記の通りである水酸化アルミニウム及び球状アルミナ。
(C−1)平均粒径が1μmの水酸化アルミニウム
(C−2)平均粒径が10μmの水酸化アルミニウム
(C−3)平均粒径が50μmの水酸化アルミニウム
(C−4)平均粒径が70μmの球状アルミナ
(D)成分:
5質量%塩化白金酸2−エチルヘキサノール溶液
(E)成分:
付加反応制御剤として、エチニルメチリデンカルビノール。
(F)成分:(F−2)成分
下記式(7)で示される平均重合度が30の片末端がトリメトキシシリル基で封鎖されたジメチルポリシロキサン。
Figure 0005304588
(G)成分
可塑剤として、下記式(8)で示されるジメチルポリシロキサン。
Figure 0005304588
(r=80)
(A)、(C)、(F)、(G)成分を下記実施例1〜6、参考例1及び比較例1〜5に示す所定の量で加え、プラネタリーミキサーで60分間混練した。
そこに(D)成分、(E)成分を下記実施例1〜6、参考例1及び比較例1〜5に示す所定の量で加え、更にセパレータとの離型を促す内添離型剤を有効量加え、30分間混練した。
そこに更に(B)成分を下記実施例1〜6、参考例1及び比較例1〜5に示す所定の量で加え、30分間混練し、組成物を得た。
[成形方法]
得られた組成物を60mm×60mm×6mmの金型に流し込み、プレス成形機を用い、120℃,10分間で成形した。
[評価方法]
熱伝導率:
下記実施例1〜6、参考例1及び比較例1〜5で得られた組成物を120℃,10分間の条件で6mm厚のシート状に硬化させ、そのシートを2枚用いて、熱伝導率計(商品名:TPA−501、京都電子工業(株)製)により該シートの熱伝導率を測定した。
硬度:
下記実施例1〜6、参考例1及び比較例1〜5で得られた組成物を上記と同様に6mm厚のシート状に硬化させ、そのシートを2枚重ねてアスカーC硬度計で測定した。
比重(密度):
水中置換法を用いて測定した。
熱伝導性充填材の沈降:
上記調製法に従って組成物を調製する段階で、(A)、(C)、(F)、(G)、(D)、(E)成分を加えた時点、つまり(B)成分以外を加えた時点での組成物を容器に静置させ、室温で1ヶ月置いた時に熱伝導性充填材の沈降が観察されれば「有り」、観察されなければ「無し」とした。
[実施例1〜6、参考例1及び比較例1〜5]
表1に示すように、実施例1〜6、参考例1及び比較例1〜5において(A)〜(G)成分を所定の量を用いて組成物を調製し、硬化させ、上記方法に従って熱伝導率、硬度、比重(密度)、熱伝導性充填材の沈降を、測定又は観察を行った。
比較例1,2のように熱伝導性充填材の総質量部が100質量部だと、組成物の密度は低く、熱伝導性充填材の沈降は観察されなかったものの、熱伝導率が0.6W/m・Kと非常に低くなってしまう。比較例3のように水酸化アルミニウムを用いずに、アルミナのみで熱伝導性シリコーン組成物を調製すると、密度が2.6と高くなってしまい、熱伝導性充填材の沈降が観察された。また比較例4のように熱伝導性充填材の総質量部のうち水酸化アルミニウムの質量%が70質量%より少なくなると、熱伝導率は高くなるものの密度が2.4と高くなってしまい、熱伝導性充填材の沈降が見られた。実施例のように、熱伝導性充填材のうち水酸化アルミニウムが総質量部の70質量%を占める場合、熱伝導性充填材の総質量部に拘わらず沈降は観察されなかった。
Figure 0005304588

Claims (4)

  1. (A)分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン:100質量部、
    (B)ケイ素原子に直接結合した水素原子を少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:ケイ素原子に直接結合した水素原子のモル数が(A)成分由来のアルケニル基のモル数の0.1〜5.0倍量となる量、
    (C)70質量%以上が水酸化アルミニウムで占められ、該水酸化アルミニウムが、
    (C−1)平均粒径0.1μm以上5μm未満の水酸化アルミニウムを15〜25質量%
    (C−2)平均粒径5μm以上40μm未満の水酸化アルミニウムを35〜45質量%
    (C−3)平均粒径40μm以上100μm以下の水酸化アルミニウムを35〜45質量%
    の割合の混合物である熱伝導性充填材:200〜2,500質量部、
    (D)白金族金属系硬化触媒:(A)成分に対して白金族金属元素の質量換算で0.1〜1,000ppm
    (F)(F−1)成分:下記一般式(1)
    1 a 2 b Si(OR 3 4-a-b (1)
    (式中、R 1 は独立に炭素原子数6〜15のアルキル基であり、R 2 は独立に非置換又は置換の炭素原子数1〜10の1価炭化水素基であり、R 3 は独立に炭素原子数1〜6のアルキル基であり、aは1〜3の整数、bは0〜2の整数であり、但しa+bは1〜3の整数である。)
    で表されるアルコキシシラン化合物、及び
    (F−2)成分:下記一般式(2)
    Figure 0005304588
    (式中、R 4 は独立に炭素原子数1〜6のアルキル基であり、cは5〜100の整数である。)
    で表される分子鎖片末端がトリアルコキシシリル基で封鎖されたジメチルポリシロキサンからなる群から選ばれる少なくとも1種:0.01〜50質量部
    を含有することを特徴とする熱伝導性シリコーン組成物。
  2. 更に、(G)成分:下記一般式(3)
    Figure 0005304588
    (式中、R5は独立に炭素原子数1〜10の脂肪族不飽和結合を含まない1価炭化水素基、dは5〜2,000の整数である。)
    で表される25℃における動粘度が10〜100,000mm2/sのオルガノポリシロキサンを含有することを特徴とする請求項に記載の熱伝導性シリコーン組成物。
  3. 絶対粘度が800Pa・s以下である請求項1又は2に記載の熱伝導性シリコーン組成物。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載の熱伝導性シリコーン組成物を硬化させてなる熱伝導性シリコーン硬化物。
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