JP2015091130A - パワー半導体回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】パワー半導体回路を提供する。
【解決手段】本発明は、制御端子並びに第1及び第2の負荷電流端子を有するパワー半導体スイッチを含む、且つ駆動回路を含むパワー半導体回路であって、
・ 温度依存の制御端子抵抗素子が、駆動回路と制御端子との間に電気的に接続され、及び/又は
・ 温度依存の負荷電流端子抵抗素子が、駆動回路と第2の負荷電流端子との間に電気的に接続され、及び/又は
・ 制御端子が、第1の電流分岐を介して第2の負荷電流端子に電気的に接続され、温度依存の制御負荷電流端子抵抗素子が、第1の電流分岐の中に電気的に接続されるパワー半導体回路に関する。パワー半導体スイッチの加熱の場合に、本発明は、パワー半導体スイッチのスイッチング損失を低減する。
【選択図】図2

Description

本発明は、パワー半導体回路に関する。
先行技術から周知のパワー半導体素子の場合には、一般に、例えばパワー半導体スイッチ及びダイオードなどのパワー半導体コンポーネントは、基板上に配置され、且つ基板の導体層並びにまたボンディングワイヤ及び/又は箔複合物によって互いに導電的に接続される。この場合に、パワー半導体スイッチは、一般に、例えばIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)又はMOSFET(金属酸化物半導体電界効果トランジスタ)などのトランジスタの形で存在する。
この場合に、基板上に配置されたパワー半導体コンポーネントは、個別の又は複数のいわゆるハーフブリッジ回路を形成するために電気的に相互接続されることが多く、ハーフブリッジ回路は、例えば、電圧及び電流を整流し反転させるために使用される。
例えば、パワー半導体スイッチへのリード線における寄生インダクタンスゆえに、パワー半導体スイッチがオフにされた場合に、電圧スパイクが、パワー半導体スイッチの第1及び第2の負荷電流端子間に発生し、前記電圧スパイクは、それらが高くなり過ぎた場合に、パワー半導体スイッチの損傷又は破壊につながる可能性がある。電圧スパイクが低くければ低いほど、それだけゆっくりとパワー半導体スイッチはオフにされる。しかしながら、パワー半導体スイッチが、ゆっくりとオフにされればされるほど、パワー半導体スイッチで発生するエネルギのスイッチング損失は、それだけ大きくなり、それは、パワー半導体スイッチによって実現される電気回路(例えばハーフブリッジ回路)の効率に悪影響を及ぼす。物理的条件ゆえに、パワー半導体スイッチは、パワー半導体スイッチにおける加熱の増加の場合に、冷状態におけるよりもゆっくりとオフになり、それは、一方では、パワー半導体スイッチがオフにされる場合に発生する電圧スパイクを低減するが、しかし他方では、パワー半導体スイッチにおけるエネルギ損失を増加させ、従って、パワー半導体スイッチによって実現される電気回路における効率の低下に帰着する。
特許文献1は、パワー半導体スイッチの制御端子と第2の負荷電流端子との間に接続される、且つ負の温度係数を有する電気抵抗素子を開示する。
DE 103 61 714 A1
本発明の目的は、パワー半導体スイッチの加熱の場合に、パワー半導体スイッチのスイッチング損失を低減することである。
この目的は、制御端子並びに第1及び第2の負荷電流端子を有するパワー半導体スイッチを含む、且つ制御端子及び第2の負荷電流端子に電気的に接続され、パワー半導体スイッチを駆動するように設計された駆動回路を含むパワー半導体回路であって、
・ 制御端子抵抗素子が、駆動回路と制御端子との間に電気的に接続され、制御端子抵抗素子が、パワー半導体スイッチに熱的に結合され、175℃又は300℃の制御端子抵抗素子の温度における制御端子抵抗素子のオーム抵抗が、20℃の制御端子抵抗素子の温度における制御端子抵抗素子のオーム抵抗の最大90%であり、及び/又は
・ 負荷電流端子抵抗素子が、駆動回路と第2の負荷電流端子との間に電気的に接続され、負荷電流端子抵抗素子が、パワー半導体スイッチに熱的に結合され、175℃又は300℃の負荷電流端子抵抗素子の温度における負荷電流端子抵抗素子のオーム抵抗が、20%の負荷電流端子抵抗素子の温度における負荷電流端子抵抗素子のオーム抵抗の最大90%であり、及び/又は
・ 制御端子が、第1の電流分岐を介して第2の負荷電流端子に電気的に接続され、制御負荷電流端子抵抗素子が、第1の電流分岐の中に電気的に接続され、制御負荷電流端子抵抗素子が、パワー半導体スイッチに熱的に結合され、175℃又は300℃の制御負荷電流端子抵抗素子の温度における制御負荷電流端子抵抗素子のオーム抵抗が、20℃の制御負荷電流端子抵抗素子の温度における制御負荷電流端子抵抗素子のオーム抵抗の最小150%であるパワー半導体回路によって達成される。
本発明の有利な実施形態は、従属請求項から明白である。
パワー半導体回路が、制御端子抵抗素子を有する場合に、175℃又は300℃の制御端子抵抗素子の温度における制御端子抵抗素子のオーム抵抗が、好ましくは、20℃の制御端子抵抗素子の温度における制御端子抵抗素子のオーム抵抗の最大75%であることが有利だと分かる。
更に、パワー半導体回路が、制御端子抵抗素子を有する場合に、175℃又は300℃の制御端子抵抗素子の温度における制御端子抵抗素子のオーム抵抗が、好ましくは、20℃の制御端子抵抗素子の温度における制御端子抵抗素子のオーム抵抗の最大60%であることが有利だと分かる。
更に、パワー半導体回路が、負荷電流端子抵抗素子を有する場合に、175℃又は300℃の負荷電流端子抵抗素子の温度における負荷電流端子抵抗素子のオーム抵抗が、好ましくは、20℃の負荷電流端子抵抗素子の温度における負荷電流端子抵抗素子のオーム抵抗の最大75%であることが有利だと分かる。
更に、パワー半導体回路が、負荷電流端子抵抗素子を有する場合に、175℃又は300℃の負荷電流端子抵抗素子の温度における負荷電流端子抵抗素子のオーム抵抗が、好ましくは、20℃の負荷電流端子抵抗素子の温度における負荷電流端子抵抗素子のオーム抵抗の最大60%であることが有利だと分かる。
更に、パワー半導体回路が、制御負荷電流端子抵抗素子を有する場合に、175℃又は300℃の制御負荷電流端子抵抗素子の温度における制御負荷電流端子抵抗素子のオーム抵抗が、好ましくは、20℃の制御負荷電流端子抵抗素子の温度における制御負荷電流端子抵抗素子のオーム抵抗の最小200%であることが有利だと分かる。
更に、パワー半導体回路が、制御負荷電流端子抵抗素子を有する場合に、175℃又は300℃の制御負荷電流端子抵抗素子の温度における制御負荷電流端子抵抗素子のオーム抵抗が、好ましくは、20℃の制御負荷電流端子抵抗素子の温度における制御負荷電流端子抵抗素子のオーム抵抗の最小500%であることが有利だと分かる。
本発明の例示的な実施形態が、図に示され、以下でより詳細に説明される。
パワー半導体装置を示す。 本発明に係るパワー半導体回路を示す。 本発明に係るパワー半導体回路の更なる実施形態を示す。 本発明に係るパワー半導体回路の更なる実施形態を示す。 パワー半導体スイッチへの熱結合の様々な実施形態を概略断面図の形で示す。 本発明に係るパワー半導体回路の更なる実施形態を示す。
図1は、いわゆる三相ブリッジ回路の形で具体化されたパワー半導体装置1を例として示す。例示的な実施形態に関連して、パワー半導体装置1は、本発明に係る6つのパワー半導体回路2を有する。図2は、本発明に係るパワー半導体回路2を詳細に示す。例示的な実施形態において、それぞれの還流ダイオード3が、パワー半導体回路2と逆並列に電気的に接続され、その場合に、複数の還流ダイオードが、各パワー半導体回路2と逆並列に電気的に接続されることがまた可能である。図示の例示的な実施形態に関連して、パワー半導体装置1は、DC電圧端子DC+及びDC−間において左側で供給されるDC電圧から、AC電圧端子における三相AC電圧を生成する。
それぞれのパワー半導体回路2は、第1の負荷電流端子C、第2の負荷電流端子E及び制御端子Gを有するパワー半導体スイッチT1を有する。例示的な実施形態に関連して、第1の負荷電流端子Cは、パワー半導体スイッチT1のコレクタの形で存在し、第2の負荷電流端子Eは、パワー半導体スイッチT1のエミッタの形で存在し、制御端子Gは、パワー半導体スイッチT1のゲートの形で存在する。パワー半導体スイッチは、例えばIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)又はMOSFET(金属酸化物半導体電界効果トランジスタ)などのトランジスタの形で存在するのが好ましく、パワー半導体スイッチT1は、例示的な実施形態に関連して、nチャネルIGBTの形で存在する。
更に、パワー半導体回路2は、パワー半導体スイッチT1を駆動するために設計される駆動回路4を有し、駆動回路4は、パワー半導体スイッチT1の制御端子G及びパワー半導体スイッチT1の第2の負荷電流端子Eに電気的に接続される。駆動回路4は、個別の若しくは複数の集積回路、及び/又は複数の別個の電気コンポーネントを有することができる。
駆動回路4は、その端子8に関連するその端子7において正又は負の出力電圧Uaを生成するという事実によって、パワー半導体スイッチT1を駆動するための駆動信号を生成する。パワー半導体スイッチT1が、オンにされるように意図されている場合に、正の出力電圧Uaが、駆動回路4によって生成される。パワー半導体スイッチT1が、オフにされるように意図されている場合に、負の出力電圧Uaが、駆動回路4によって生成される。例示的な実施形態に関連して、この場合に、駆動回路4は、外部制御装置(図示せず)によって生成される制御信号Sに依存する方法で駆動信号を生成する。
制御端子抵抗素子RN1が、駆動回路4と制御端子Gとの間に電気的に接続される。制御端子抵抗素子RN1は、パワー半導体スイッチT1が加熱した場合に制御端子抵抗素子RN1が加熱されるように、パワー半導体スイッチT1に熱的に結合される。制御端子抵抗素子RN1は、パワー半導体スイッチT1に熱伝導的に接続される。図2において、パワー半導体スイッチT1への制御端子抵抗素子RN1の熱結合は、両矢印Kによって表されている。制御端子抵抗素子RN1は、NTCサーミスタ(負の温度係数)として具体化される。即ち、制御端子抵抗素子のオーム抵抗は、少なくとも特定の温度範囲において、温度が上昇するにつれて減少する。制御端子抵抗素子RN1は、少なくとも特定の温度範囲において、負の温度係数を有する。本発明によれば、175℃又は300℃の制御端子抵抗素子RN1の温度における制御端子抵抗素子RN1のオーム抵抗は、20℃の制御端子抵抗素子RN1の温度における制御端子抵抗素子RN1のオーム抵抗の最大90%、好ましくは最大75%、好ましくは最大60%である。20℃〜175℃又は300℃の温度範囲において、オーム抵抗は、温度が上昇につれて単調に、特に厳密に単調に減少するのが好ましい。
例示的な実施形態において、制御端子抵抗素子RN1は、20℃において10Ω、且つ175℃又は300℃において最大9Ωのオーム抵抗を有する。
物理的条件ゆえに、パワー半導体スイッチは、パワー半導体スイッチにおける加熱の増加の場合に、冷状態(例えば20℃)におけるよりもゆっくりとオフになる。しかしながら、パワー半導体スイッチT1がオフになる速度はまた、パワー半導体スイッチT1をオフにするための制御端子電圧Ugが減少する速度に依存し、前記制御端子電圧は、制御端子Gと第2の負荷電流端子Eとの間に存在し、第2の負荷電流端子Eに関連する。制御端子電圧Ugが、速く減少すればするほど、それだけ速くパワー半導体スイッチT1は、オフになる。即ち、パワー半導体スイッチT1がオフになり、第1及び第2の負荷電流端子C及びE間を流れる負荷電流を遮断するスイッチオフ速度はそれだけ高くなる。パワー半導体スイッチにおける加熱の増加の場合に、制御端子抵抗素子RN1の温度は、パワー半導体スイッチT1への制御端子抵抗素子RN1の熱結合ゆえに上昇し、それは、制御端子抵抗素子RN1のオーム抵抗の減少に帰着する。制御端子抵抗素子RN1におけるオーム抵抗の減少は、正の出力電圧Uaではなく負の出力電圧Uaがパワー半導体スイッチT1をオフにするために駆動回路4によって生成される場合に、負の方向に制御電流Igの増加を引き起こす。それゆえに、制御端子電圧Ugは、制御端子抵抗素子RN1における減少されていないオーム抵抗の場合よりも速く減少し、それは、パワー半導体スイッチT1がオフにされるスイッチオフ速度の増加を引き起こす。パワー半導体スイッチT1がオフにされるスイッチオフ速度の増加は、制御端子抵抗素子RN1におけるオーム抵抗の減少ゆえに、パワー半導体スイッチT1の加熱によるスイッチオフ速度の減少を打ち消す。パワー半導体スイッチT1における温度の上昇によるパワー半導体スイッチT1におけるスイッチング損失の増加の発生は、結果として少なくとも減少されるか又は回避されさえする。
好ましくは、追加のオーム抵抗素子R1が、駆動回路4とパワー半導体スイッチT1との間に接続される。オーム抵抗素子R1は、例えば、当該技術分野における従来的な炭素フィルム又は金属フィルム抵抗器の形で具体化することができる。オーム抵抗素子R1の電気抵抗は、比較的小さな範囲に対してのみ温度依存であるのが好ましく、この依存は、当該技術分野における炭素フィルム又は金属フィルム抵抗器の従来の範囲であるのが好ましい。オーム抵抗素子R1は、駆動回路4とパワー半導体スイッチT1の制御端子Gとの間で、又は駆動回路4とパワー半導体スイッチT1の第2の負荷電流端子Eとの間で、制御端子抵抗素子RN1と直列に電気的に接続され得る。オーム抵抗素子R1は、パワー半導体スイッチT1の温度と無関係に、特定の最小オーム抵抗が、駆動回路4とパワー半導体スイッチT1との間に電気的に接続されることを保証する。例示的な実施形態において、オーム抵抗素子R1の電気抵抗は、1Ωである。
図3は、本発明に係るパワー半導体回路2の更なる実施形態を詳細に示す。この場合に、図3によるパワー半導体回路2は、次の特徴は別として、図2によるパワー半導体回路2に対応する。即ち、制御端子抵抗素子RN1の代わりに、図3によるパワー半導体回路2が、負荷電流端子抵抗素子RN2を有し、負荷電流端子抵抗素子RN2が、駆動回路4とパワー半導体スイッチT1の第2の負荷電流端子Eとの間に電気的に接続されるという特徴である。この場合に、負荷電流端子抵抗素子RN2は、負荷電流端子抵抗素子RN2の説明に関して、制御端子抵抗素子RN1の上記の説明が参照されるように、制御端子抵抗素子RN1と同一に具体化される。負荷電流端子抵抗素子RN2は、パワー半導体スイッチT1と熱的に結合され、それは、両矢印Kによって表されている。例示的な実施形態において、負荷電流端子抵抗素子RN2は、20℃において10Ω、且つ175℃又は300℃において最大9Ωのオーム抵抗を有する。図3による回路の機能原則は、図2による例示的な実施形態の場合に説明された機能原則に対応する。
好ましくは、追加のオーム抵抗素子R1が、駆動回路4とパワー半導体スイッチT1との間に接続される。オーム抵抗素子R1は、例えば、当該技術分野における従来的な炭素フィルム又は金属フィルム抵抗器の形で具体化することができる。オーム抵抗素子R1の電気抵抗は、比較的小さな範囲に対してのみ温度依存であるのが好ましく、この依存は、当該技術分野における炭素フィルム又は金属フィルム抵抗器の従来の範囲であるのが好ましい。オーム抵抗素子R1は、駆動回路4とパワー半導体スイッチT1の制御端子Gとの間に接続することができるか、又は駆動回路4とパワー半導体スイッチT1の第2の負荷電流端子との間で負荷電流端子抵抗素子RN2と直列に電気的に接続することができる。オーム抵抗素子R1は、パワー半導体スイッチT1の温度と無関係に、特定の最小オーム抵抗が、駆動回路4とパワー半導体スイッチT1との間に電気的に接続されることを保証する。例示的な実施形態において、オーム抵抗素子R1の電気抵抗は、1Ωである。
制御端子抵抗素子RN1及び負荷電流端子抵抗素子RN2は、当該技術分野の従来的な方法における、例えばシリコンなどの特にドープされた半導体材料、又は例えばマンガン、ニッケル、鉄、コバルト、チタン若しくは銅の金属酸化物からなる。
図4は、本発明に係るパワー半導体回路2の更なる実施形態を詳細に示す。この場合に、図4によるパワー半導体回路2は、次の特徴は別として図2によるパワー半導体回路2に対応する。即ち、図4によるパワー半導体回路2の場合に、制御端子Gが、第1の電流分岐9を介して第2の負荷電流端子Eに電気的に接続され、制御負荷電流端子抵抗素子RPが、第1の電流分岐9の中に電気的に接続され、制御負荷電流端子抵抗素子RPが、パワー半導体スイッチT1に熱的に結合され、175℃又は300℃の制御負荷電流端子抵抗素子RPの温度における制御負荷電流端子抵抗素子RPのオーム抵抗が、20℃の制御負荷電流端子抵抗素子RPの温度における制御負荷電流端子抵抗素子RPのオーム抵抗の最小150%、好ましくは最小200%、好ましくは最小500%であるという特徴である。例示的な実施形態に関連して、電流分岐9は、パワー半導体スイッチT1の制御端子G及び第2の負荷電流端子Eと並列に電気的に接続される。例示的な実施形態において、制御負荷電流端子抵抗素子RPの第1の端子15は、制御端子Gに導電的に接続され、制御負荷電流端子抵抗素子RPの第2の端子16は、パワー半導体スイッチT1の第2の負荷電流端子Eに導電的に接続される。
制御負荷電流端子抵抗素子RPは、パワー半導体スイッチT1が加熱した場合に、制御負荷電流端子抵抗素子RPが加熱されるように、パワー半導体スイッチT1に熱的に結合される。制御負荷電流端子抵抗素子RPは、パワー半導体スイッチT1に熱伝導的に接続される。図4において、パワー半導体スイッチT1への制御負荷電流端子抵抗素子RPの熱結合は、両矢印Kによって表されている。制御負荷電流端子抵抗素子RPは、PTCサーミスタ(正の温度係数)として具体化される。即ち、制御負荷電流端子抵抗素子RPのオーム抵抗は、少なくとも特定の温度範囲において、温度が上昇するにつれて増加する。制御負荷電流端子抵抗素子RPは、少なくとも特定の温度範囲において正の温度係数を有する。20℃〜175℃又は20℃〜300℃の温度範囲において、オーム抵抗は、温度が上昇するにつれて単調に、特に厳密に単調に増加するのが好ましい。
例示的な実施形態において、制御負荷電流端子抵抗素子RPは、20℃において100Ω、且つ175℃又は300℃において最小150Ωのオーム抵抗を有する。
パワー半導体スイッチT1における加熱の増加の場合に、パワー半導体スイッチT1への制御負荷電流端子抵抗素子RPの熱結合ゆえに、制御負荷電流端子抵抗素子RP温度は上昇し、それは、制御負荷電流端子抵抗素子RPのオーム抵抗の増加を引き起こす。制御負荷電流端子抵抗素子RPにおけるオーム抵抗の増加は、正の出力電圧Uaではなく負の出力電圧Uaが、パワー半導体スイッチT1をオフにするために駆動回路4によって生成される場合に、負の方向に制御電流Igの増加を引き起こす。そのゆえに、制御端子電圧Ugは、制御負荷電流端子抵抗素子RPのオーム抵抗が増加しない場合よりも速く減少し、それは、パワー半導体スイッチT1がオフにされるスイッチオフ速度の増加を引き起こす。
好ましくは、オーム抵抗素子R1が、駆動回路4と制御負荷電流端子抵抗素子RPとの間に電気的に接続される。オーム抵抗素子R1は、例えば当該技術分野における従来的な炭素フィルム又は金属フィルム抵抗器の形で具体化することができる。オーム抵抗素子R1の電気抵抗は、比較的小さな範囲に対して温度依存であるのが好ましく、この依存は、当該技術分野における炭素フィルム又は金属フィルム抵抗器の従来の範囲であるのが好ましい。オーム抵抗素子R1は、駆動回路4と制御負荷電流端子抵抗素子RPの第1の端子15との間に、又は駆動回路4と制御負荷電流端子抵抗素子RPの第2の端子16との間に電気的に接続することができる。駆動回路4が、負の出力電圧Uaの減少を引き起こす、対応する大きさのオーム内部抵抗を内部に有する場合で、20℃の温度において制御負荷電流端子抵抗素子RPのオーム抵抗が低く、従って駆動回路4が、制御負荷電流端子抵抗素子RPのより高い温度におけるよりも大きな程度まで、制御負荷電流端子抵抗素子RPを通って流れる電流を掛けられる場合に、オーム抵抗素子R1はまた省略することができる。
例示的な実施形態において、オーム抵抗素子R1の電気抵抗は、10Ωである。
制御負荷電流端子抵抗素子RPは、例えば、当該技術分野の従来的な方法における特にドープされたシリコン又はチタン酸バリウムからなる。
図5は、パワー半導体スイッチT1への、制御端子抵抗素子RN1、負荷電流端子抵抗素子RN2、又は制御負荷電流端子抵抗素子RPの熱結合の様々な実施形態を概略断面図の形で例として示す。パワー半導体スイッチT1は、基板13上に配置される。基板13は、ヒートシンク14上に配置されるのが好ましい。基板13は、直接銅接合基板(DCB基板)又は絶縁金属基板(IMS)として具体化されるのが好ましい。制御端子抵抗素子RN1、負荷電流端子抵抗素子RN2、又は制御負荷電流端子抵抗素子RPは、基板13上若しくはパワー半導体スイッチT1上に配置された、又はパワー半導体スイッチT1にモノリシックに集積された制御端子抵抗素子RN1、負荷電流端子抵抗素子RN2、又は制御負荷電流端子抵抗素子RPによって、パワー半導体スイッチT1に熱結合することができる。
ここで、図2〜4に示されているような本発明の実施形態、本発明の実施形態の個別の特徴、又は本発明の有利な実施形態の個別の特徴が、互いに任意に組み合わされ得ることが注目されるべきである。この点について、例として、パワー半導体回路2は、制御端子抵抗素子RN1及び負荷電流端子抵抗素子RN2の両方を有するか、又は制御負荷電流端子抵抗素子RP並びに制御端子抵抗素子RN1及び/若しくは負荷電流端子抵抗素子RN2の両方を有することができる。図6は、図2及び図4による本発明の実施形態が互いに組み合わされる本発明の実施形態を例として示す。
ここで、パワー半導体回路2が、更なるパワー半導体スイッチさえ有することができ、これらのスイッチが、一般に、パワー半導体スイッチT1と並列又は直列に電気的に接続され、更なるパワー半導体スイッチの制御端子及び第2の負荷電流端子が、上記の方法と類似の方法で駆動回路に電気的に接続され、更なるパワー半導体スイッチが、上記の方法と類似の方法で駆動回路によって駆動されることが注目されるべきである。
更に、パワー半導体スイッチのスイッチがオンにされた場合に、パワー半導体スイッチT1における温度の上昇ゆえに発生するパワー半導体スイッチT1のスイッチング損失の上昇もまた、本発明によって少なくとも低減されるか又は回避されさえするように、スイッチング損失の点では、パワー半導体スイッチをオフにすることに関して説明されたような本発明の機能が、パワー半導体スイッチをオンにすることに同様に当てはまることが注目されるべきである。
多くの場合にパワー半導体スイッチをオン及びオフにするための当該技術分野における従来の方法において、駆動回路が、スイッチングオン及びスイッチングオフをそれぞれ担う電流分岐を介してパワー半導体スイッチに接続され得、異なるオームゲート直列抵抗器が、それぞれの電流分岐に接続されることがまた注目されるべきである。それに応じて、パワー半導体スイッチをオフにするための制御端子抵抗素子、負荷電流端子抵抗素子、及び/又は制御負荷電流端子抵抗素子若しくはオーム抵抗素子、並びにパワー半導体スイッチのスイッチをオンにするための更なる制御端子抵抗素子、更なる負荷電流端子抵抗素子、及び/又は更なる制御負荷電流端子抵抗素子若しくは更なるオーム抵抗素子がまた存在し得る。
1 パワー半導体装置
2 パワー半導体回路
3 還流ダイオード
4 駆動回路
7、8 端子
9 電流分岐
13 基板
14 ヒートシンク
15 第1の端子
16 第2の端子
C 第1の負荷電流端子
E 第2の負荷電流端子
G 制御端子
Ig 制御電流
R1 オーム抵抗素子
RN1 制御端子抵抗素子
RN2 負荷電流端子抵抗素子
RP 制御負荷電流端子抵抗素子
S 制御信号
T1 パワー半導体スイッチ
Ua 出力電圧
Ug 制御端子電圧

Claims (7)

  1. 制御端子(G)並びに第1及び第2の負荷電流端子(C、E)を有するパワー半導体スイッチ(T1)を備えて構成され、且つ前記制御端子(G)及び前記第2の負荷電流端子(E)に電気的に接続され、前記パワー半導体スイッチ(T1)を駆動するように設計された駆動回路(4)を備えて構成されるパワー半導体回路であって、
    ・ 前記駆動回路(4)と前記制御端子(G)との間に制御端子抵抗素子(RN1)が電気的に接続され、この制御端子抵抗素子(RN1)が、前記パワー半導体スイッチ(T1)に熱的に結合され、175℃又は300℃の前記制御端子抵抗素子(RN1)の温度における前記制御端子抵抗素子(RN1)のオーム抵抗が、20℃の前記制御端子抵抗素子(RN1)の温度における前記制御端子抵抗素子(RN1)のオーム抵抗の最大90%であり、及び/又は
    ・ 前記駆動回路(4)と前記第2の負荷電流端子(E)との間に負荷電流端子抵抗素子(RN2)が電気的に接続され、この負荷電流端子抵抗素子(RN2)が、前記パワー半導体スイッチ(T1)に熱的に結合され、175℃又は300℃の前記負荷電流端子抵抗素子(RN2)の温度における前記負荷電流端子抵抗素子(RN2)のオーム抵抗が、20℃の前記負荷電流端子抵抗素子(RN2)の温度における前記負荷電流端子抵抗素子(RN2)のオーム抵抗の最大90%であり、及び/又は
    ・ 前記制御端子(G)が、第1の電流分岐(9)を介して前記第2の負荷電流端子(E)に電気的に接続され、前記第1の電流分岐(9)の中に制御負荷電流端子抵抗素子(RP)が電気的に接続され、この制御負荷電流端子抵抗素子(RP)が、前記パワー半導体スイッチ(T1)に熱的に結合され、175℃又は300℃の前記制御負荷電流端子抵抗素子(RP)の温度における前記制御負荷電流端子抵抗素子(RP)のオーム抵抗が、20℃の前記制御負荷電流端子抵抗素子(RP)の温度における前記制御負荷電流端子抵抗素子(RP)のオーム抵抗の最小150%である、パワー半導体回路。
  2. 前記パワー半導体回路(2)が前記制御端子抵抗素子(RN1)を有する場合に、175℃又は300℃の前記制御端子抵抗素子(RN1)の温度における前記制御端子抵抗素子のオーム抵抗が、20℃の前記制御端子抵抗素子(RN1)の温度における前記制御端子抵抗素子(RN1)のオーム抵抗の最大75%であることを特徴とする、請求項1に記載のパワー半導体回路。
  3. 前記パワー半導体回路(2)が前記制御端子抵抗素子(RN1)を有する場合に、175℃又は300℃の前記制御端子抵抗素子(RN1)の温度における前記制御端子抵抗素子(RN1)のオーム抵抗が、20℃の前記制御端子抵抗素子(RN1)の温度における前記制御端子抵抗素子(RN1)のオーム抵抗の最大60%であることを特徴とする、請求項1に記載のパワー半導体回路。
  4. 前記パワー半導体回路(2)が前記負荷電流端子抵抗素子(RN2)を有する場合に、175℃又は300℃の前記負荷電流端子抵抗素子(RN2)の温度における前記負荷電流端子抵抗素子(RN2)のオーム抵抗が、20℃の前記負荷電流端子抵抗素子(RN2)の温度における前記負荷電流端子抵抗素子(RN2)のオーム抵抗の最大75%であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のパワー半導体回路。
  5. 前記パワー半導体回路(2)が前記負荷電流端子抵抗素子(RN2)を有する場合に、175℃又は300℃の前記負荷電流端子抵抗素子(RN2)の温度における前記負荷電流端子抵抗素子(RN2)のオーム抵抗が、20℃の前記負荷電流端子抵抗素子(RN2)の温度における前記負荷電流端子抵抗素子(RN2)のオーム抵抗の最大60%であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のパワー半導体回路。
  6. 前記パワー半導体回路(2)が前記制御負荷電流端子抵抗素子(RP)を有する場合に、175℃又は300℃の前記制御負荷電流端子抵抗素子(RP)の温度における前記制御負荷電流端子抵抗素子(RP)のオーム抵抗が、20℃の前記制御負荷電流端子抵抗素子(RP)の温度における前記制御負荷電流端子抵抗素子(RP)のオーム抵抗の最小200%であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のパワー半導体回路。
  7. 前記パワー半導体回路(2)が前記制御負荷電流端子抵抗素子(RP)を有する場合に、175℃又は300℃の前記制御負荷電流端子抵抗素子(RP)の温度における前記制御負荷電流端子抵抗素子(RP)のオーム抵抗が、20℃の前記制御負荷電流端子抵抗素子(RP)の温度における前記制御負荷電流端子抵抗素子(RP)のオーム抵抗の最小500%であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のパワー半導体回路。
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