JP2015085961A - ガラス板保持具及びガラス板搬送装置 - Google Patents
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Abstract
Description
まず、本実施形態に係るガラス板保持具が対象とするガラス板について、図1を参照しつつ説明する。図1はガラス板の断面図である。図1に示すように、このガラス板1は第1面11及び第2面12を有する板状に形成され、自動車に用いられるものである。そして、ガラス板1の一つの周縁部には、長尺状に延びるモール2が取付けられている。このモール2は、自動車へのガラス板1の取付に用いられるものであり、ガラス板1の第2面12に接着される板状の接着部21と、この接着部21の端部からガラス板1の端縁部13を覆うように延びる基部22と、を備えている。また、この基部22において、接着部21が設けられた側の端部、つまりガラス板1の第2面12側の端部には、断面がU字型に形成され、弾性変形可能な取付部23が連結されている。このU字型の取付部23の開口231は、ガラス板1の第1面11側を向いており、取付け対象である自動車の被取付部材に対して係合するようになっている。
次に、ガラス板保持具について、図2〜図4を参照しつつ説明する。図2はガラス板保持具の正面図、図3は図2の側面図、図4はクリップの正面図である。図2〜図4に示すように、このガラス板保持具3は、ガラス板1を挟持するクリップ4と、これを支持する支持体6とを備えている。また、クリップ4の下端部には、バネ(弾性部材)5が取付けられており、クリップ4は、バネ5によって上方に付勢されている。以下、各部材について説明する。
図4に示すように、クリップ4は、ガラス板1の第1面11と対向する第1挟持部材41と、ガラス板1の第2面12と対向する第2挟持部材42とを備えている。両挟持部材41,42ともに、矩形の板状に形成されており、第1挟持部材41において第2挟持部材42を向く面が第1挟持面(第1当接部)410を構成し、第2挟持部材42において第1挟持部材41を向く面が第2挟持面(第2当接部)420を構成する。すなわち、第1挟持面と第2挟持面とで後述するように、ガラス板1を挟持する。第1挟持部材41の下端部には、この第1挟持部材41の端縁に沿って水平方向へ延びる円筒状の軸固定部411が形成されており、この軸固定部411には、軸体(係合部材)43が回転自在に挿入される(図2及び図3参照)。そして、この軸体43は、後述するように、支持体6に係合している。
次に、支持体6について説明する。図2及び図3に示すように、この支持体6は、矩形状に形成され、水平方向に延びる基板61と、この基板61の対向する両側から起立する一対の支持板62とを備えている。各支持板62は台形状に形成されており、上端部にはスリット621が形成されている。このスリット621は、上端が上方へ開放し、上下方向に延びている。また、支持板62において、このスリット621の下方には、上下方向に延びる長穴状のガイド溝622が形成されている。また、このガイド溝622の下端部には、水平方向に延びる水平溝623が形成されており、ガイド溝622と連通している。このガイド溝622には、上述したクリップ4の軸固定部411に挿通された軸体43の両端部が係合している。したがって、クリップ4は、軸体43がガイド溝622に沿って上下動するのに伴って、支持体6に対して上下動するようになっている。
続いて、上記のように構成されたガラス板保持具3によるガラス板1の保持方法について、図5及び図6も参照しつつ説明する。図2に示すように、ガラス板1を保持していないときは、クリップ4は、バネ5により上方に付勢されている。そして、クリップ4の大半がガイドバー63よりも高い位置に配置されていることから、第2挟持部材42は、ガイドバー63からの規制をあまり受けることなく、重心の作用により、第1挟持部材41から離間するように回動し、両挟持部材41,42の隙間が広くなっている。これにより、両挟持部材41,42の間にガラス板1を挿入しやすくなる。
以上のように、本実施形態によれば、ガラス板1をクリップ4の第1挟持部材41と第2挟持部材42との間に配置することで、ガラス板1をクリップ4により挟持することができる。また、クリップ4は、支持体6に支持されているため、ガラス板1をクリップ4に取付ければ、ガラス板1は垂直姿勢で支持体6に支持されることになる。したがって、従来例と異なり、ガラス板1を簡単な操作で保持することができる。また、クリップ4は、バネ5により、上方に付勢されているため、ガラス板1をクリップ4に配置したときの衝撃をバネ5により緩和することができる。したがって、ガラス板1を載置するときの衝撃により、ガラス板1が損傷するのを防止することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。例えば、以下の変更が可能である。
例えば、上記実施形態では、第2挟持部材42が重心の作用により、第1挟持部材41から離間するように回動するが、これ以外にも、クリップ4にガラス板1が載置される前の状態で、例えば、バネなどによって両挟持部材41,42を押し広げるように構成することもできる。
上記実施形態では、ガイドバー63によって両挟持部材41,42を挟み、両者の距離が狭まるように押圧しているが、両者の距離が狭まるように押圧できる部材、部位が支持体に設けられていれば、特には限定されない。
上記実施形態では、水平溝623によって、クリップ4を水平方向に移動可能としているが、クリップ4が、支持体6において水平方向に移動可能に支持されていれば、その他の構成でもよい。
上記実施形態では、バネ5を用いてクリップを付勢しているが、バネ5以外にもクリップ4を上方に付勢できる弾性部材であればよい。
クリップ4はガラス板1を挟持できればよく、両挟持面410、420間の距離が変化しないようなものであってもよい。また、第1挟持部材41の段部(支持部)414上にクッション部材を設けてもよい。
支持体6の構成は特には限定されず、少なくともクリップを上下動可能とするガイド部が形成されていればよい。
上記実施形態では、モール付きの自動車用ガラス板を保持する場合について説明したが、これ以外のモールが設けられていないガラス板を保持することができるのは当然である。
上記実施形態のガラス板保持具3では、支持体6に1つのクリップ4を取付けているが、複数のクリップを取付けることもできる。例えば、図9に示すように、基板61及び支持板62を水平方向に長く形成し、スリット621、ガイド溝622、及び水平溝623からなるクリップ支持用の溝を複数形成する。そして、これらの溝に対して、複数のバネ付きのクリップ4をそれぞれ装着する。これにより、複数のガラス板を支持することができる。なお、1つの支持体6に取付けられるクリップ4の数は特には限定されない。
また、このような複数のガラス板を支持可能なガラス板保持具3を有する、ガラス板搬送装置を作製することもできる。図10はこのようなガラス板搬送装置の正面図であり、図11は図10の平面図である。図10及び図11に示すように、このガラス板搬送装置は、矩形状に形成された基台81と、この基台81の両側から立ち上がる一対の側板82とを備え、基台81の下面には移動用のキャスター83が取付けられている。そして、基台81上において、側板82の近傍には、それぞれ支持台84が設けられている。各支持台84は側板82に沿って一方向に延びる部材であり、上面が基台81の中心側(図10の左右の中心)に向かって斜め下方に傾斜している。そして、各支持台84の上面には、図9で示した複数のクリップ4を有するガラス板保持具3が配置されている。
11 第1面
12 第2面
2 モール
22 基部
23 取付部
4 クリップ
41 第1挟持部材
410 第1挟持面(第1当接部)
412 軸部材(支点部)
414 段部(支持部)
42 第2挟持部材
420 第2挟持面(第2当接部)
43 軸体(係合部材)
5 バネ(弾性部材)
6 支持体
622 ガイド溝
623 水平溝
63 ガイドバー(押圧部)
Claims (9)
- 平板状のガラス板を垂直姿勢に保持するガラス板保持具であって、
前記ガラス板の両面を挟持可能なクリップと、
前記クリップを支持するとともに、前記クリップを上下方向に移動可能とするガイド部を有する支持体と、
前記クリップを上方に付勢する弾性部材と、
を備えている、ガラス板保持具。 - 前記クリップは、前記ガラス板の厚み方向に移動可能に、前記支持体に支持されている、請求項1に記載のガラス板保持具。
- 前記クリップは、
前記ガラス板に一方の面から当接する第1当接部を有する第1挟持部材と、
前記ガラス板に他方の面から当接する第2当接部を有する第2挟持部材と、
前記第1挟持部材と第2挟持部材を互いに回動可能に支持する支点部と、を備え、
前記支持体は、
前記クリップが下方へ移動するにしたがって、前記第1当接部と第2当接部の間隔が狭まるように、少なくとも一方の前記挟持部材を押圧する押圧部を備えている、請求項1または2に記載のガラス板保持具。 - 前記第2挟持部材は、
前記第1挟持部材とは反対側の面側に重心を有し、
前記クリップが上方へ移動したときに、前記重心の作用により、前記第1挟持部材から離れるように回動する、請求項3に記載のガラス板保持具。 - 前記クリップには、係合部材が設けられており、
前記ガイド部は、前記係合部材が上下方向に移動可能に係合するガイド溝を備えており、
前記係合部材の上方への移動は、前記ガイド溝の上端部で規制される、請求項1から4のいずれかに記載のガラス板保持具 - 前記係合部材は、前記クリップの下端部に設けられ、
前記ガイド溝の下端部には、前記ガラス板の厚み方向に延びる水平溝が連通している、請求項5に記載のガラス板保持具。 - 前記ガラス板は、自動車用ガラスである、請求項1から6のいずれかに記載のガラス板保持具。
- 前記ガラス板の周縁部の少なくとも一部には、モールが取付けられており、
前記クリップは、前記ガラス板を支持する支持部を有し、
前記支持部は、前記モールが取り付けられた前記ガラス板の端縁部を支持する、請求項7に記載のガラス板保持具。 - 請求項1から8のいずれかに記載のガラス板保持具を少なくとも1つ備えるガラス板搬送装置。
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