JP3217035U - 梱包体 - Google Patents

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Abstract

【課題】荷降ろしの際にロボットアームによりガラス板から合紙を取り除く作業を確実に、かつ効率よく行えるようにするために、合紙の延出部分がまっすぐ延出している状態を保つことができる梱包体を提供する。【解決手段】搭載するガラス板Gの底辺部を支持する底桟4と、ガラス板の一方の面側を受ける背板5とを有した縦置き型梱包容器に、複数のガラス板が搭載されてなるガラス板の梱包体において、背板にガラス板の一方の面を受けさせた状態で、底桟上にガラス板が複数載置されるとともに、ガラス板間に、合紙Pが、ガラス板の上辺より所定長さ延出して延出部PEを形成した状態に挟持され、櫛状部材12により、延出部が保持され、櫛状部材は背板に固定されている。【選択図】図2

Description

本考案は、ガラス板を縦置きで梱包容器に複数枚搭載する梱包方法および梱包体に関する。
近年、FPD用ガラス等に用いられる大型ガラス板のニーズが高まっている。このような大型ガラス板を搬送する手段としては、例えば、複数枚のガラス板を立てて並べた状態で各ガラス板を固定したガラス板梱包箱が知られている(例えば、特許文献1)。
このガラス板梱包箱は、ガラス板を載置する台座を有し、該台座の搭載面上に前記ガラス板の下端部を受ける底受け板と、ガラス板の厚さ方向を受ける背受け板とを備えて構成されている。
このような底受け板および背受け板にガラス板を搭載する際には、搬送中にガラス板同士が直接接触して損傷することを防止するため、通常はガラス板間に合紙を挟持させている。その際、ガラス板の荷降ろし時にロボットアームで合紙を吸着保持してガラス板から容易に取り除けるようにするため、合紙をガラス板の上端より延出させておき、これをロボットアームで吸着保持するための保持部としている。
特許文献1においては、合紙の保持部、すなわちガラス板の上端より延出した部分が、一部が傾くことなく立ち上がっていたり、傾く方向が逆になっていたりすると、ロボットアームの保持部に対する位置決めが良好に行えず、合紙を吸着保持できないことがあるという問題に鑑みて、ガラス板の上端より延出させた合紙を、ガラス板梱包箱の背受け板方向に一様に傾けている。
国際公開第2012/102117号
しかし、合紙除去作業における、合紙の保持方法や、ロボットハンドの位置決め方法には種々の態様があり、その態様によっては、全ての合紙の延出部分が傾くことなく立ち上がっている、すなわち、まっすぐ延出していることが好ましい場合もある。
本考案はこのような背景のもとになされたもので、荷降ろしの際にロボットアームによってガラス板から合紙を取り除く作業を確実に、かつ効率よく行えるようにするために、合紙の延出部分が傾くことなくまっすぐ延出しているような状態を保つことができる梱包方法および梱包体を提供することを目的とする。
本考案の梱包方法は、搭載するガラス板の底辺部を支持する底桟と、ガラス板の一方の面側を受ける背板とを有した縦置き型梱包容器に、複数のガラス板を搭載するガラス板の梱包方法において、背板にガラス板の一方の面を受けさせた状態で、底桟上にガラス板を複数載置するとともに、ガラス板間に、合紙を、ガラス板の上辺より所定長さ延出させて延出部を形成した状態に挟持させる工程と、櫛状部材により延出部を保持する工程と、櫛状部材を背板に固定する工程とを備える。
また、本考案の梱包方法において櫛状部材は磁石を備え、磁石により背板に固定されることが好ましい。
また、本考案の梱包方法においては、ガラス板間に合紙を挟持させる際に、合紙を、その下端が底桟より浮いた状態となるように配することが好ましい。
また、本考案の梱包体は、搭載するガラス板の底辺部を支持する底桟と、ガラス板の一方の面側を受ける背板とを有した縦置き型梱包容器に、複数のガラス板が搭載されてなるガラス板の梱包体において、背板にガラス板の一方の面を受けさせた状態で、底桟上にガラス板が複数載置されるとともに、ガラス板間に、合紙が、ガラス板の上辺より所定長さ延出して延出部を形成した状態に挟持され、櫛状部材により、延出部が保持され、櫛状部材は前記背板に固定されている。
本考案の梱包方法によれば、櫛状部材により合紙の延出部が保持されており、合紙の傾きが抑制される。
また、本考案の梱包体によれば、櫛状部材により合紙の延出部が保持されており、合紙の傾きが抑制される。
図1(a)および1(b)は、本考案の梱包体の概略構成を示す図であり、図1(a)は正面図、図1(b)は側面図である。 図2(a)は、搭載されたガラス板および合紙の下端部の状態を説明するための要部側断面図、図2(b)は、搭載されたガラス板および合紙の上端部の状態を説明するための要部側断面図である。 図3は、本考案における櫛状部材の概略構成を示す側面図である。
以下、本考案の梱包方法および梱包体の第1実施形態について説明するが、本考案は以下に説明する実施形態に制限されるものではない。
図1(a)および1(b)は、本考案の梱包体の実施形態の概略構成を示す図であり、図1(a)は正面図、図1(b)は側面図である。図1中符号1は梱包体であり、梱包体1は、梱包容器2と、該梱包容器2に搭載されたガラス板Gと、櫛状部材12とから構成されている。
ガラス板Gとしては、たとえば液晶装置やEL装置、プラズマディスプレイ装置等のフラットパネルディスプレイ(FPD)用のガラス基板が対象となる。具体的には、例えばサイズが2500mm×2200mm程度で、厚さが0.3〜0.7mm程度の矩形板状のガラス基板がガラス板Gとして用いられる。ただし、本考案は、このようなサイズのガラス板Gの保持固定に限定されることなく、種々のサイズや厚さのガラス板の保持固定にも適用できる。また、FPD用ガラス基板以外の、種々のガラス板も適用対象となる。
梱包容器2は、ガラス板Gを縦置きに搭載する縦置き型梱包容器であって、基台3と、基台3上に配置された底桟4、背板5とを備えて構成されている。基台3は、床や車の荷台等の略水平面上に置かれるもので、図1(a)に示すようにその前面側および背面側にフォークリフトの爪(図示せず。)が抜差し可能な開口部6が複数(図では4つ)形成されている。基台3の側面については、開口させてもよく、塞いだ構造としてもよい(図1(b)では塞いだ構造としている。)。また、基台3は、たとえば鋼材からなっているが、クリーンルームに搬入される場合の塗装剥れ防止を考慮すると、ステンレス鋼が好ましい。
底桟4は、基台3の上面3aに設けられた矩形板状のもので、搭載するガラス板Gの底辺部を支持する。この底桟4は、図1(b)に示すようにその前側下部が底片7を介して基台3上に設けられたことにより、基台3の上面3aに対して傾斜して配置されている。また、底桟4は、本実施形態では基台3の幅方向において2箇所に設けられており、それぞれの上面(傾斜面)、すなわちガラス板Gの載置面が、同一平面を構成するように配置されている。これら底桟4の上面は、ガラス板Gを差込むための溝等が形成されない実質上平坦なもので、複数のガラス板Gを合紙Pを挟んで載置できるものであれば、波状や粗面状であってもよい。
なお、底桟4については、後述する背板5の幅と同じ長さの、1枚の板で構成してもよい。底桟4は、基台3の上面3aに対して好ましくは5°〜25°、より好ましくは10°〜20°、特に好ましくは約18°傾斜している。これにより、作業者はガラス板Gを載置するときのガラス板Gの位置決め作業を容易に、かつ効率よく安全に行うことができる。各ガラス板Gは、自重によって背板5側のガラス板Gに接することにより、各ガラス板G間に無駄な隙間が生じることはない。また、載置するガラス板Gの安定化を図ることができ、ガラス板Gのずれや崩壊を防止し、併せて傷や割れの防止も図ることができる。なお、底片7に高さ調整機能をもたせ、底桟4の基台3の上面3aに対する角度調整を調整可能な構成としてもよい。
背板5は、基台3の上面3aに設けられた支持枠8に一方の面側が支持固定され、下端部が底桟4上に支持固定されている。支持枠8は、基台3の上面3aに対して上方に立ち上がって配設された支柱9と、基台3の上面3aに対して所定角度に傾斜して配設された傾斜枠10と、これら支柱9と傾斜枠10との間に設けられた補強枠11とを備えて構成されている。
傾斜枠10は、底桟4の上面に対して90°〜100°、特に好ましくは約90°となるように基台3の上面3a上に複数本設けられている。また、支柱9も傾斜枠10に対応して複数本設けられている。補強枠11は、基台3の上面3a上、および支柱9、傾斜枠10のそれぞれの高さ方向中央部に複数本ずつ設けられている。
そして、背板5は、このような構成からなる支持枠8の、傾斜枠10の外側に貼設されており、したがって傾斜枠10と同じ角度で傾斜している。背板5は、底桟4上に縦置きされたガラス板Gの一方の面側を受けてこれを支持する矩形板状のもので、搭載するガラス板Gより少し大きく形成されている。
背板5および前記底桟4には、ガラス板Gを搭載した際のガラス板Gとの接触による損傷を防止するため、その表面(ガラス板Gに接する側の面)にゴムや硬質の発泡性樹脂等のクッション材Cが貼設されている。
ガラス板Gは、たとえば100枚〜800枚程度が底桟4の前後方向、すなわち背板5の外面と直交する方向に重ねられ、縦積みされている。また、これらガラス板Gのそれぞれの間には、矩形状の合紙Pが挟持されている。
合紙Pは、ガラス板G同士が直接接触するのを避けるためのもので、搬送中にガラス板G同士が干渉して傷がつくことを防止するためのものである。
合紙Pは、図1(b)に示すようにガラス板Gより大きく、したがってガラス板Gを載置した際に少なくとも上端部がガラス板Gの上辺より上方に延出して延出部PEが形成されている。また、本実施形態では、ガラス板Gの左右両側においても、合紙Pがはみ出た(延出した)状態となっている(図示せず。)。ガラス板Gの上方に延出した延出部PEは、その長さがたとえば50〜80mm程度とされている。
また、合紙Pの下端PLは、図2(a)に示すように底桟4の上面(載置面)よりたとえば10mm以下、好ましくは5mm程度浮き上がって配置されている。これにより、底桟4上に背板5側から順に合紙Pとガラス板Gとを交互に配置した際、合紙Pの下端部が底桟4上に拡がり、拡がった合紙P上にガラス板Gが載ることを防止することができる。合紙P上にガラス板Gが載ると、底桟4上でのガラス板Gの動き、すなわち自重による背板5側への滑動が制限されてしまい、また、ガラス板Gの荷降ろしにも影響するおそれがある。
櫛状部材12は、図3に示すような櫛形の部材である。本実施形態においては、図2(b)に示すように、櫛状部材12の櫛歯を合紙Pの延出部PEの間に挿入し、合紙Pの延出部PEを保持させた状態で、櫛状部材12を背板5の上部に固定することで、延出部PEを傾斜させずにまっすぐ延出した状態に保つ。
櫛状部材12の素材は特に限定されないが、例えば、アクリル樹脂やポリカーボネート系樹脂のプラスチックなどを用いることができる。
櫛歯の長さは、櫛状部材12で延出部PEを保持し、背板5に固定した際に櫛歯の先端がガラス板Gの端部に接触して傷つけることがないように調整すればよいが、例えば50mm程度とすることができる。
櫛歯の厚みは例えば2mm程度、櫛歯間のすき間は例えば6mm程度とし、櫛歯間のすき間には例えば10〜20枚程度の合紙Pの延出部PEを保持させることが好ましい。
また、合紙Pの延出部PEの間への櫛歯の挿入を容易とするため、櫛歯先端を先細形状とすることが好ましい。
櫛状部材12を背板に固定する方法は特に限定はされないが、例えば図2(b)及び図3に示すように、櫛状部材に取り付けた磁石12aを用いて背板5に固定することができる。
櫛状部材12を背板に固定する個数も特に限定されず、合紙Pのサイズに合わせて適宜増減すればよい。
なお、本実施形態の梱包体1は、図1(b)に示したように梱包容器2上にガラス板Gと合紙Pとが交互に配置され、櫛状部材12により合紙Pの延出部PEが保持され、櫛状部材12が背板5に取り付けられた後、従来公知の種々の固定具(図示せず。)でガラス板Gが固定され、さらに必要に応じて樹脂シートが被着され、または梱包箱に収納されることなどにより、搬送等に供される最終的な形態に形成される。
たとえば、図1(b)中二点鎖線で示すようなガラス板押さえ部材13が用いられて、ガラス板Gが梱包容器2に固定される。ガラス板押さえ部材13は、前枠14、側枠15を備えて形成されており、側枠15が支持枠8の両側部に取り付けられ、前枠14が側枠15の前端部に取り付けられている。このガラス板押さえ部材13は、たとえば側枠15に対して前枠14が着脱可能に取り付けられ、または支持枠8に対して側枠15が着脱可能に取り付けられることにより、ガラス板押さえ部材13内へのガラス板Gの収容が可能になっている。
また、このガラス板押さえ部材13には、前枠14の内側にエアバッグ16が設けられていてもよい。エアバッグ16によってガラス板Gを押圧することで、ガラス板Gを確実に固定できる。このようなエアバッグ16としては、その空気量を調整して適宜に膨らませることにより、ガラス板Gを押圧固定するように構成するのが好ましい。エアバッグ16については、必要に応じて何個備えてもよい。
さらに、ガラス板Gの固定具としては、ガラス板Gの側辺部を固定する側方押さえ部材(図示せず。)も設けるのが好ましい。
次に、このような梱包体1の形成方法、すなわち本考案に係る梱包方法を説明する。
まず、図1(b)に示す梱包容器2の底桟4上にガラス板Gと合紙Pとを交互に配置し、これによって底桟4上にガラスG板を複数載置するとともに、該ガラス板G間に合紙Pを挟持させる。底桟4上へのガラス板Gの載置については、専用のロボットアーム(図示せず。)によって従来と同様にして行う。また、ガラス板G上への合紙Pの配置についても、専用のロボットアーム(図示せず。)によって従来と同様にして行う。その際、図2(a)に示したように合紙Pの下端PLが底桟4からたとえば5mm程度浮くように、合紙Pを配置する。また、図2(b)中二点鎖線で示すように、その上端部をガラス板Gの上辺より50〜80mm程度延出させて、延出部PEを形成しておく。
上記のようにして所定の枚数ガラス板Gを底桟4上に積み込み、かつ、これらガラス板G間にそれぞれ合紙Pを挟持させた後、櫛状部材12の櫛歯を合紙Pの延出部PEに挿入することで合紙Pの延出部PEを保持し、その後櫛状部材12を背板5に固定する。
その後、図1(b)中に二点鎖線で示したガラス押さえ部材13等によってガラス板Gを梱包容器2上に固定し、必要に応じてガラス板Gに樹脂シートを被着するなど、従来と同様にして、搬送等に供される最終的な形態に形成する。
次に、このようにして形成された梱包体1からの、ガラス板Gの積み降ろしについて説明する。
まず、樹脂シート等やその他の固定具を、従来と同様にして梱包容器2から取り除く。
次に、櫛状部材を背板から取り除く。
続いて、底桟4上からのガラス板Gの積み降ろしと、ガラス板Gからの合紙Pの除去とを行う。底桟4上からのガラス板Gの積み降ろしについては、専用のロボットアーム(図示せず。)によって従来と同様にして行う。たとえば、真空吸着用の孔や、吸盤を有したロボットアームにより、ガラス板Gの外面(背板と反対側の面)を吸着保持し、コンベア等の移送装置上に移送する。
また、ガラス板G上からの合紙Pの除去についても、専用のロボットアームによって従来と同様にして行う。たとえば、最表面のガラス板Gが積み降ろされた後、最表面に露出した合紙Pを、ロボットアームによって保持し、コンベア等の移送装置上に移送する。
本実施形態の梱包方法によれば、櫛状部材12により合紙Pの延出部PEを保持し、櫛状部材12を背板5に固定するので、合紙Pの延出部PEがまっすぐな状態で保持されている。したがって、荷降ろしの際にロボットアームによる延出部PEの保持が良好に行えるようになり、合紙Pを安定してガラス板Gから確実に取り除くことができる。
また、櫛状部材12が磁石12aを備え、当該磁石12aにより背板5に固定されるようにすることで、櫛状部材12の背板5への固定及び取外しを容易に行うことができる。
また、ガラス板G間に合紙Pを挟持させる際に、図2(a)に示したように該合紙Pを、その下端PLが底桟4より浮いた状態となるように配することで、底桟4上に背板側から順にガラス板Gと合紙Pとを交互に配置した際、合紙Pの下端部が底桟4上に拡がり、拡がった合紙P上にガラス板Gが載ることを防止することができる。
また、本実施形態の梱包体1によれば、背板5に固定された櫛状部材12により合紙Pの延出部PEがまっすぐな状態で保持されているため、荷降ろしの際にロボットアームによる延出部PEの保持が良好に行えるようになり、したがって合紙Pを安定してガラス板Gから確実に取り除くことができる。
本考案を詳細に、また特定の実施態様を参照して説明したが、本考案の範囲と精神を逸脱することなく、様々な修正や変更を加えることができることは、当業者にとって明らかである。
本考案の梱包方法および梱包体によれば、合紙Pの延出部PEがまっすぐな状態に保たれるため、荷降ろしの際にロボットアームによってガラス板から合紙を取り除く作業を確実に行うことができる。これによってガラス板の積み降ろしの作業性を向上した、優れた梱包方法および梱包体を提供できる。
1…梱包体、2…梱包容器、3…基台、4…底桟、5…背板、6…開口部、7…底片、8…支持枠、9…支柱、10…傾斜枠、11…補強枠、12…櫛状部材、12a…磁石、13…ガラス板押さえ部材、14…前枠、15…側枠、16…エアバッグ、G…ガラス板、P…合紙、C…クッション材、PE…延出部、PL…下端
本考案は、ガラス板を縦置きで梱包容器に複数枚搭載する梱包体に関する。
近年、FPD用ガラス等に用いられる大型ガラス板のニーズが高まっている。このような大型ガラス板を搬送する手段としては、例えば、複数枚のガラス板を立てて並べた状態で各ガラス板を固定したガラス板梱包箱が知られている(例えば、特許文献1)。
このガラス板梱包箱は、ガラス板を載置する台座を有し、該台座の搭載面上に前記ガラス板の下端部を受ける底受け板と、ガラス板の厚さ方向を受ける背受け板とを備えて構成されている。
このような底受け板および背受け板にガラス板を搭載する際には、搬送中にガラス板同士が直接接触して損傷することを防止するため、通常はガラス板間に合紙を挟持させている。その際、ガラス板の荷降ろし時にロボットアームで合紙を吸着保持してガラス板から容易に取り除けるようにするため、合紙をガラス板の上端より延出させておき、これをロボットアームで吸着保持するための保持部としている。
特許文献1においては、合紙の保持部、すなわちガラス板の上端より延出した部分が、一部が傾くことなく立ち上がっていたり、傾く方向が逆になっていたりすると、ロボットアームの保持部に対する位置決めが良好に行えず、合紙を吸着保持できないことがあるという問題に鑑みて、ガラス板の上端より延出させた合紙を、ガラス板梱包箱の背受け板方向に一様に傾けている。
国際公開第2012/102117号
しかし、合紙除去作業における、合紙の保持方法や、ロボットハンドの位置決め方法には種々の態様があり、その態様によっては、全ての合紙の延出部分が傾くことなく立ち上がっている、すなわち、まっすぐ延出していることが好ましい場合もある。
本考案はこのような背景のもとになされたもので、荷降ろしの際にロボットアームによってガラス板から合紙を取り除く作業を確実に、かつ効率よく行えるようにするために、合紙の延出部分が傾くことなくまっすぐ延出しているような状態を保つことができる梱包体を提供することを目的とする。
本考案の梱包は、搭載するガラス板の底辺部を支持する底桟と、ガラス板の一方の面側を受ける背板とを有した縦置き型梱包容器に、複数のガラス板搭載されてなるガラス板の梱包において、背板にガラス板の一方の面を受けさせた状態で、底桟上にガラス板複数載置されるとともに、ガラス板間に、合紙、ガラス板の上辺より所定長さ延出て延出部を形成した状態に挟持さ、櫛状部材により延出部保持され、櫛状部材背板に固定されている。
また、本考案の梱包において櫛状部材は磁石を備え、磁石により背板に固定されることが好ましい。
また、本考案の梱包においては、合紙の下端が底桟より浮いた状態であることが好ましい。
考案の梱包体によれば、櫛状部材により合紙の延出部が保持されており、合紙の傾きが抑制される。
図1(a)および1(b)は、本考案の梱包体の概略構成を示す図であり、図1(a)は正面図、図1(b)は側面図である。 図2(a)は、搭載されたガラス板および合紙の下端部の状態を説明するための要部側断面図、図2(b)は、搭載されたガラス板および合紙の上端部の状態を説明するための要部側断面図である。 図3は、本考案における櫛状部材の概略構成を示す側面図である。
以下、本考案の梱包体の第1実施形態について説明するが、本考案は以下に説明する実施形態に制限されるものではない。
図1(a)および1(b)は、本考案の梱包体の実施形態の概略構成を示す図であり、図1(a)は正面図、図1(b)は側面図である。図1中符号1は梱包体であり、梱包体1は、梱包容器2と、該梱包容器2に搭載されたガラス板Gと、櫛状部材12とから構成されている。
ガラス板Gとしては、たとえば液晶装置やEL装置、プラズマディスプレイ装置等のフラットパネルディスプレイ(FPD)用のガラス基板が対象となる。具体的には、例えばサイズが2500mm×2200mm程度で、厚さが0.3〜0.7mm程度の矩形板状のガラス基板がガラス板Gとして用いられる。ただし、本考案は、このようなサイズのガラス板Gの保持固定に限定されることなく、種々のサイズや厚さのガラス板の保持固定にも適用できる。また、FPD用ガラス基板以外の、種々のガラス板も適用対象となる。
梱包容器2は、ガラス板Gを縦置きに搭載する縦置き型梱包容器であって、基台3と、基台3上に配置された底桟4、背板5とを備えて構成されている。基台3は、床や車の荷台等の略水平面上に置かれるもので、図1(a)に示すようにその前面側および背面側にフォークリフトの爪(図示せず。)が抜差し可能な開口部6が複数(図では4つ)形成されている。基台3の側面については、開口させてもよく、塞いだ構造としてもよい(図1(b)では塞いだ構造としている。)。また、基台3は、たとえば鋼材からなっているが、クリーンルームに搬入される場合の塗装剥れ防止を考慮すると、ステンレス鋼が好ましい。
底桟4は、基台3の上面3aに設けられた矩形板状のもので、搭載するガラス板Gの底辺部を支持する。この底桟4は、図1(b)に示すようにその前側下部が底片7を介して基台3上に設けられたことにより、基台3の上面3aに対して傾斜して配置されている。また、底桟4は、本実施形態では基台3の幅方向において2箇所に設けられており、それぞれの上面(傾斜面)、すなわちガラス板Gの載置面が、同一平面を構成するように配置されている。これら底桟4の上面は、ガラス板Gを差込むための溝等が形成されない実質上平坦なもので、複数のガラス板Gを合紙Pを挟んで載置できるものであれば、波状や粗面状であってもよい。
なお、底桟4については、後述する背板5の幅と同じ長さの、1枚の板で構成してもよい。底桟4は、基台3の上面3aに対して好ましくは5°〜25°、より好ましくは10°〜20°、特に好ましくは約18°傾斜している。これにより、作業者はガラス板Gを載置するときのガラス板Gの位置決め作業を容易に、かつ効率よく安全に行うことができる。各ガラス板Gは、自重によって背板5側のガラス板Gに接することにより、各ガラス板G間に無駄な隙間が生じることはない。また、載置するガラス板Gの安定化を図ることができ、ガラス板Gのずれや崩壊を防止し、併せて傷や割れの防止も図ることができる。なお、底片7に高さ調整機能をもたせ、底桟4の基台3の上面3aに対する角度調整を調整可能な構成としてもよい。
背板5は、基台3の上面3aに設けられた支持枠8に一方の面側が支持固定され、下端部が底桟4上に支持固定されている。支持枠8は、基台3の上面3aに対して上方に立ち上がって配設された支柱9と、基台3の上面3aに対して所定角度に傾斜して配設された傾斜枠10と、これら支柱9と傾斜枠10との間に設けられた補強枠11とを備えて構成されている。
傾斜枠10は、底桟4の上面に対して90°〜100°、特に好ましくは約90°となるように基台3の上面3a上に複数本設けられている。また、支柱9も傾斜枠10に対応して複数本設けられている。補強枠11は、基台3の上面3a上、および支柱9、傾斜枠10のそれぞれの高さ方向中央部に複数本ずつ設けられている。
そして、背板5は、このような構成からなる支持枠8の、傾斜枠10の外側に貼設されており、したがって傾斜枠10と同じ角度で傾斜している。背板5は、底桟4上に縦置きされたガラス板Gの一方の面側を受けてこれを支持する矩形板状のもので、搭載するガラス板Gより少し大きく形成されている。
背板5および前記底桟4には、ガラス板Gを搭載した際のガラス板Gとの接触による損傷を防止するため、その表面(ガラス板Gに接する側の面)にゴムや硬質の発泡性樹脂等のクッション材Cが貼設されている。
ガラス板Gは、たとえば100枚〜800枚程度が底桟4の前後方向、すなわち背板5の外面と直交する方向に重ねられ、縦積みされている。また、これらガラス板Gのそれぞれの間には、矩形状の合紙Pが挟持されている。
合紙Pは、ガラス板G同士が直接接触するのを避けるためのもので、搬送中にガラス板G同士が干渉して傷がつくことを防止するためのものである。
合紙Pは、図1(b)に示すようにガラス板Gより大きく、したがってガラス板Gを載置した際に少なくとも上端部がガラス板Gの上辺より上方に延出して延出部PEが形成されている。また、本実施形態では、ガラス板Gの左右両側においても、合紙Pがはみ出た(延出した)状態となっている(図示せず。)。ガラス板Gの上方に延出した延出部PEは、その長さがたとえば50〜80mm程度とされている。
また、合紙Pの下端PLは、図2(a)に示すように底桟4の上面(載置面)よりたとえば10mm以下、好ましくは5mm程度浮き上がって配置されている。これにより、底桟4上に背板5側から順に合紙Pとガラス板Gとを交互に配置した際、合紙Pの下端部が底桟4上に拡がり、拡がった合紙P上にガラス板Gが載ることを防止することができる。合紙P上にガラス板Gが載ると、底桟4上でのガラス板Gの動き、すなわち自重による背板5側への滑動が制限されてしまい、また、ガラス板Gの荷降ろしにも影響するおそれがある。
櫛状部材12は、図3に示すような櫛形の部材である。本実施形態においては、図2(b)に示すように、櫛状部材12の櫛歯を合紙Pの延出部PEの間に挿入し、合紙Pの延出部PEを保持させた状態で、櫛状部材12を背板5の上部に固定することで、延出部PEを傾斜させずにまっすぐ延出した状態に保つ。
櫛状部材12の素材は特に限定されないが、例えば、アクリル樹脂やポリカーボネート系樹脂のプラスチックなどを用いることができる。
櫛歯の長さは、櫛状部材12で延出部PEを保持し、背板5に固定した際に櫛歯の先端がガラス板Gの端部に接触して傷つけることがないように調整すればよいが、例えば50mm程度とすることができる。
櫛歯の厚みは例えば2mm程度、櫛歯間のすき間は例えば6mm程度とし、櫛歯間のすき間には例えば10〜20枚程度の合紙Pの延出部PEを保持させることが好ましい。
また、合紙Pの延出部PEの間への櫛歯の挿入を容易とするため、櫛歯先端を先細形状とすることが好ましい。
櫛状部材12を背板に固定する方法は特に限定はされないが、例えば図2(b)及び図3に示すように、櫛状部材に取り付けた磁石12aを用いて背板5に固定することができる。
櫛状部材12を背板に固定する個数も特に限定されず、合紙Pのサイズに合わせて適宜増減すればよい。
なお、本実施形態の梱包体1は、図1(b)に示したように梱包容器2上にガラス板Gと合紙Pとが交互に配置され、櫛状部材12により合紙Pの延出部PEが保持され、櫛状部材12が背板5に取り付けられた後、従来公知の種々の固定具(図示せず。)でガラス板Gが固定され、さらに必要に応じて樹脂シートが被着され、または梱包箱に収納されることなどにより、搬送等に供される最終的な形態に形成される。
たとえば、図1(b)中二点鎖線で示すようなガラス板押さえ部材13が用いられて、ガラス板Gが梱包容器2に固定される。ガラス板押さえ部材13は、前枠14、側枠15を備えて形成されており、側枠15が支持枠8の両側部に取り付けられ、前枠14が側枠15の前端部に取り付けられている。このガラス板押さえ部材13は、たとえば側枠15に対して前枠14が着脱可能に取り付けられ、または支持枠8に対して側枠15が着脱可能に取り付けられることにより、ガラス板押さえ部材13内へのガラス板Gの収容が可能になっている。
また、このガラス板押さえ部材13には、前枠14の内側にエアバッグ16が設けられていてもよい。エアバッグ16によってガラス板Gを押圧することで、ガラス板Gを確実に固定できる。このようなエアバッグ16としては、その空気量を調整して適宜に膨らませることにより、ガラス板Gを押圧固定するように構成するのが好ましい。エアバッグ16については、必要に応じて何個備えてもよい。
さらに、ガラス板Gの固定具としては、ガラス板Gの側辺部を固定する側方押さえ部材(図示せず。)も設けるのが好ましい。
次に、このような梱包体1の形成方法、すなわち梱包方法を説明する。
まず、図1(b)に示す梱包容器2の底桟4上にガラス板Gと合紙Pとを交互に配置し、これによって底桟4上にガラスG板を複数載置するとともに、該ガラス板G間に合紙Pを挟持させる。底桟4上へのガラス板Gの載置については、専用のロボットアーム(図示せず。)によって従来と同様にして行う。また、ガラス板G上への合紙Pの配置についても、専用のロボットアーム(図示せず。)によって従来と同様にして行う。その際、図2(a)に示したように合紙Pの下端PLが底桟4からたとえば5mm程度浮くように、合紙Pを配置する。また、図2(b)中二点鎖線で示すように、その上端部をガラス板Gの上辺より50〜80mm程度延出させて、延出部PEを形成しておく。
上記のようにして所定の枚数ガラス板Gを底桟4上に積み込み、かつ、これらガラス板G間にそれぞれ合紙Pを挟持させた後、櫛状部材12の櫛歯を合紙Pの延出部PEに挿入することで合紙Pの延出部PEを保持し、その後櫛状部材12を背板5に固定する。
その後、図1(b)中に二点鎖線で示したガラス押さえ部材13等によってガラス板Gを梱包容器2上に固定し、必要に応じてガラス板Gに樹脂シートを被着するなど、従来と同様にして、搬送等に供される最終的な形態に形成する。
次に、このようにして形成された梱包体1からの、ガラス板Gの積み降ろしについて説明する。
まず、樹脂シート等やその他の固定具を、従来と同様にして梱包容器2から取り除く。
次に、櫛状部材を背板から取り除く。
続いて、底桟4上からのガラス板Gの積み降ろしと、ガラス板Gからの合紙Pの除去とを行う。底桟4上からのガラス板Gの積み降ろしについては、専用のロボットアーム(図示せず。)によって従来と同様にして行う。たとえば、真空吸着用の孔や、吸盤を有したロボットアームにより、ガラス板Gの外面(背板と反対側の面)を吸着保持し、コンベア等の移送装置上に移送する。
また、ガラス板G上からの合紙Pの除去についても、専用のロボットアームによって従来と同様にして行う。たとえば、最表面のガラス板Gが積み降ろされた後、最表面に露出した合紙Pを、ロボットアームによって保持し、コンベア等の移送装置上に移送する。
上記の梱包方法によれば、櫛状部材12により合紙Pの延出部PEを保持し、櫛状部材12を背板5に固定するので、合紙Pの延出部PEがまっすぐな状態で保持されている。したがって、荷降ろしの際にロボットアームによる延出部PEの保持が良好に行えるようになり、合紙Pを安定してガラス板Gから確実に取り除くことができる。
また、櫛状部材12が磁石12aを備え、当該磁石12aにより背板5に固定されるようにすることで、櫛状部材12の背板5への固定及び取外しを容易に行うことができる。
また、ガラス板G間に合紙Pを挟持させる際に、図2(a)に示したように該合紙Pを、その下端PLが底桟4より浮いた状態となるように配することで、底桟4上に背板側から順にガラス板Gと合紙Pとを交互に配置した際、合紙Pの下端部が底桟4上に拡がり、拡がった合紙P上にガラス板Gが載ることを防止することができる。
また、上記の梱包体1によれば、背板5に固定された櫛状部材12により合紙Pの延出部PEがまっすぐな状態で保持されているため、荷降ろしの際にロボットアームによる延出部PEの保持が良好に行えるようになり、したがって合紙Pを安定してガラス板Gから確実に取り除くことができる。
本考案を詳細に、また特定の実施態様を参照して説明したが、本考案の範囲と精神を逸脱することなく、様々な修正や変更を加えることができることは、当業者にとって明らかである。
本考案の梱包体によれば、合紙Pの延出部PEがまっすぐな状態に保たれるため、荷降ろしの際にロボットアームによってガラス板から合紙を取り除く作業を確実に行うことができる。これによってガラス板の積み降ろしの作業性を向上した、優れた梱包方法および梱包体を提供できる。
1…梱包体、2…梱包容器、3…基台、4…底桟、5…背板、6…開口部、7…底片、8…支持枠、9…支柱、10…傾斜枠、11…補強枠、12…櫛状部材、12a…磁石、13…ガラス板押さえ部材、14…前枠、15…側枠、16…エアバッグ、G…ガラス板、P…合紙、C…クッション材、PE…延出部、PL…下端

Claims (4)

  1. 搭載するガラス板の底辺部を支持する底桟と、前記ガラス板の一方の面側を受ける背板とを有した縦置き型梱包容器に、複数のガラス板を搭載するガラス板の梱包方法において、
    前記背板にガラス板の一方の面を受けさせた状態で、前記底桟上にガラス板を複数載置するとともに、前記ガラス板間に、合紙を、前記ガラス板の上辺より所定長さ延出させて延出部を形成した状態に挟持させる工程と、
    櫛状部材により前記延出部を保持する工程と、
    前記櫛状部材を前記背板に固定する工程と、を備える梱包方法。
  2. 前記櫛状部材は磁石を備え、前記磁石により前記背板に固定される請求項1に記載の梱包方法。
  3. 前記ガラス板間に前記合紙を挟持させる際に、前記合紙を、その下端が前記底桟より浮いた状態となるように配する請求項1又は2に記載の梱包方法。
  4. 搭載するガラス板の底辺部を支持する底桟と、前記ガラス板の一方の面側を受ける背板とを有した縦置き型梱包容器に、複数のガラス板が搭載されてなるガラス板の梱包体において、
    前記背板にガラス板の一方の面を受けさせた状態で、前記底桟上にガラス板が複数載置されるとともに、前記ガラス板間に、合紙が、前記ガラス板の上辺より所定長さ延出して延出部を形成した状態に挟持され、
    櫛状部材により、前記延出部が保持され、
    前記櫛状部材は前記背板に固定されている梱包体。
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